JP2004212733A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】尾引き・オフセット・加圧ローラ汚れを防止し、かつ、定着分離不良ジャムや定着巻付きジャムを防止することのできる定着装置を提供する。
【解決手段】互いに圧接して定着ニップを形成する加熱部材16aと加圧部材16bを有し、トナー像を担持した定着すべき記録材Pを前記定着ニップで挟持搬送してトナー像を加熱・加圧して記録材に定着させる定着装置において、前記加熱部材または加圧部材の少なくとも一方に電圧を印加する電圧印加手段46と、前記記録材の厚さに応じて前記電圧印加手段によって印加される電圧値を決定する手段とを有することを特徴とする定着装置。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、面上に未定着のトナー像を担持した記録材を加熱・加圧して定着させる定着装置に関する。
【0002】
さらに詳しくは、電子写真、静電記録、磁気記録等の適時の画像形成プロセス手段により、加熱溶融性の樹脂等よりなるトナーを用いて、記録材(紙、印刷紙、転写材シート、OHPシート、光沢紙、光沢フィルム等)の面に直接方式もしくは転写方式で形成担持させた目的の画像情報に対応した未定着トナー画像を、該画像を担持している記録材面上に永久固着画像として加熱定着処理する方式のトナー画像加熱定着装置に関するものであり、例えば、複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置に適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、電子写真画像形成プロセスによって画像を形成するレーザビームプリンタなどの画像記録装置においては、感光体面上を光走査して感光体面上の電位を変化させ、この電位の変化による静電潜像を形成し、この潜像電位に応じてトナーを付与して、トナー像を形成している。そして、感光体のトナー像形成部分に対向するように配置した転写部材と、感光体との間に記録材を挟持搬送させて、転写部材よりトナーと異極性の転写電圧を印加してトナーを引き寄せ、記録材上にトナー像を静電的に担持させる。その後、トナー像を担持された記録材を定着装置に搬送し、過熱・加圧してトナー像を記録材に定着させている。
【0004】
このような画像形成装置においては、記録材に含まれている水分が多いと、転写部で記録材の裏面に供給される転写電荷が記録材沿面を伝達してリークしやすく、記録材上に静電的に転写形成されたトナー像(未定着トナー像)の保持力を失いやすい。また、同様に記録部材に含まれている水分が多いと、定着装置において定着ローラと加圧ローラとの定着ニップ部(当接ニップ部)で発生する蒸気量が増え、蒸気の圧力によるトナー飛散が発生していた。このトナーの飛び散りによって、尾を引いたように見える不良画像が発生していた(以降、この不良画像の現象を「尾引き」と称する)。記録部材上に静電的に転写形成されたトナー像の保持力が弱い時には、記録材に定着されずに定着ローラにトナーが付着することが発生することで、定着ローラの1周後に付着していたトナーが記録材に定着される「オフセット」と呼ばれる画像不良が発生していた。さらに、このオフセットにより、定着ローラに付着したトナーが対向する加圧ローラに付着すると、加圧ローラ汚れを引き起こしていた。
【0005】
これらの問題を解決するために、定着ローラあるいは加圧ローラの少なくとも一方に電圧を印加する手段を備えた定着装置、および該定着装置を備える画像形成装置が提供されている。つまり、定着ローラにトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加する、もしくは、加圧ローラにトナーの帯電極性と異極性の電圧を印加することで、トナーの記録材への保持力を増加させ、尾引き・オフセット・加圧ローラ汚れの防止に努めている。また、他の定着装置として、例えば、使用環境下の湿度を検知して定着ローラまたは加圧ローラの少なくとも一方に印加する印加電圧を決定することで、水分が多いときにより尾引き・加圧ローラ汚れなどを防止できる工夫を行ったものが知られている(特許文献1参照)。また、環境によって変化する転写出力電圧を検知して印加電圧を決定することで、環境に応じた尾引きなどの発生を防止できる工夫を行ったものが知られている(特許文献2参照)。さらに、印加電圧によって記録材に流れる電流を検知して定着ローラまたは加圧ローラの少なくとも一方に印加する印加電圧を補正することで、尾引き・オフセットなどに起因する画像不良の発生を防止できる工夫を行ったものが知られている(特許文献3参照)。
【特許文献1】
特開2001−5314号公報
【特許文献2】
特開2001−75417号公報
【特許文献3】
特開2000−221819号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、ますます画像形成装置の高速化が進んできているため、記録材の搬送速度が大きくなってきていることによって、新たな問題が発生することとなった。トナー像の保持力低下および定着ニップの蒸気の圧力による問題(尾引き、オフセット、加圧ローラ汚れ)は、記録材の搬送速度が大きくなるほど悪化するため、対策として定着装置における定着ローラあるいは加圧ローラに印加する電圧をより大きくする必要が出てくる。ところが、印加する電圧をより大きくすると、定着ニップから搬送排出される記録材が、定着ローラに静電引力で引っ張られる力も大きくなり、定着ローラに沿って搬送されやすくなり、定着ローラとの分離性が悪くなる。その結果、記録材が定着ローラと分離できずに分離不良ジャムになったり、記録材が定着ローラに巻き付いて巻き付きジャムになったりという弊害としての新たな問題が発生することとなった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みて為されたもので、定着装置において、尾引き・オフセット・加圧ローラ汚れを防止し、かつ、定着分離不良ジャムや定着巻付きジャムを防止することのできる定着装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】
上記目的を達成するため、本発明は、
互いに圧接して定着ニップを形成する加熱部材と加圧部材を有し、トナー像を担持した定着すべき記録材を前記定着ニップで挟持搬送してトナー像を加熱・加圧して記録材に定着させる定着装置において、
前記加熱部材または加圧部材の少なくとも一方に電圧を印加する電圧印加手段と、前記記録材の厚さに応じて前記電圧印加手段によって印加される電圧値を決定する手段とを有することを特徴とする定着装置、である。
【0009】
上記構成において、記録材の厚さによる定着分離性の良し悪しに応じて、加熱部材または加圧部材の少なくとも一方に印加する最適な電圧値を決定することができる。これにより、定着分離性を確保した上で、可能な限りの尾引き・オフセット・加圧ローラ汚れを防止でき、かつ、定着分離不良ジャムや定着巻付きジャムの発生を防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)
図2は、本発明に係る定着装置の第1の実施例を示す概略構成断面図である。図2において、定着装置(以後、定着器と記す)28は、トナー像(未定着トナー像)を担持した記録媒体を加熱・加圧定着させる装置であり、加熱加圧ローラ対16、該ローラ内部に設けられたハロゲンヒータ29、定着排紙ローラ17、定着排紙センサ18、導電ブラシ45と、高圧電源部46などを備える。加熱加圧ローラ対16は、ハロゲンヒータ29を内包する定着ローラ16aおよび、加圧ローラ16bが互いに圧接し定着ニップNを形成する。これらの定着ローラ16aおよび加圧ローラ16bは、矢印で示した方向に回転させることで、トナー像を担持した記録媒体(記録材)Pを定着ニップNで挟持搬送させ、記録媒体Pの面上にトナー像を加熱・加圧定着させる。そして、定着ニップを通過した記録媒体は、記録媒体搬送方向(図の左側)において定着ニップよりも下流に配置された定着排紙センサ18によって検知され、定着排紙ローラ17により定着器から排出される。また、定着ローラ16aおよび加圧ローラ16bには、定着ニップを通過した記録媒体がそれぞれのローラ表面から分離して下流の定着排紙ローラ17へ導くために、分離機構としての分離爪44aおよび44bをそれぞれ配置している。定着ローラ16aの表面は導電性とし、導電ブラシ45によって、定着ローラ16aの表面に高圧を給電する。なお、高圧電源部46については、追って説明する。
【0011】
図1は、本例の定着器を搭載した画像記録装置(レーザビームプリンタ)の一例を示す概略構成図である。図1において、プリンタ本体1は、記録媒体を収納する上段カセット2と下段カセット5を有している。上段カセット2から上段ピックアップ給紙ローラ3により記録媒体を繰り出し、上段給紙搬送ローラ4により記録媒体を搬送する。また、下段カセット5から下段ピックアップ給紙ローラ6により記録媒体を繰り出し、下段給紙搬送ローラ7により記録媒体を搬送する。上段カセット2もしくは下段カセット5より搬送された記録媒体は、下流の給紙センサ8により検知され、再給紙ローラ9によりさらに搬送される。また、記録媒体を収納するマルチトレー10からは、マルチピックアップ給紙ローラ11により記録媒体を繰り出し、マルチ給紙搬送ローラ12により記録媒体を搬送する。上段カセット2、下段カセット5、マルチトレー10から給紙搬送された記録媒体は、さらに下流のレジセンサ13により検知され、レジストローラ対14に所定のループ量を作成して搬送を停止する。画像形成タイミング(VSYNC信号)と同期をとって、レジストローラ対14により記録媒体の搬送が再開される。レジストローラ対14の下流にはレーザスキャナ部30からのレーザ光に基づいて感光ドラム15上にトナー像を形成する着脱可能なプロセスカートリッジ35が設けられている。感光ドラム15上のトナー像は、転写帯電器40によって記録媒体に転写される。さらに、下流には記録媒体上に形成されたトナー像を熱加圧定着する前述の定着器28が設けられている。この定着器28は、プリンタ本体1に対して着脱可能な定着装置である。定着器28で加熱・加圧された記録媒体はさらに、排紙ローラ20により排紙積載トレー21に排紙される。記録媒体を両面印字する場合は、両面フラッパ19により、記録媒体を反転機構部分へ導く。反転機構へ導かれた記録媒体は、反転センサ22により検知され、反転ローラ23により引き込みされる。引き込みが終了すると、反転ローラ23の回転方向を逆にすることで記録媒体を反転させ、両面搬送部へ導く。両面搬送部へ導かれた記録媒体は、切り欠けローラ25で搬送され、切り欠けローラ25の切り欠け部分が記録媒体と接する位置で搬送を停止し、記録媒体が自由になったところで横レジスト調整板24にて斜行を補正する。その後、切り欠けローラ25により搬送を再開し、下流の両面ローラ26に引き継がれ、両面センサ27で記録媒体の搬送位置を確認する。そして、再給紙ローラ9にて搬送されて2面目の画像形成を行う。また、前記レーザスキャナ部30は、外部装置42から送出される画像信号に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット31、このレーザユニット31からのレーザ光を感光ドラム15上に走査するためのスキャナモータユニット32、結像レンズ群33、折り返しミラー34により構成されている。スキャナモータユニット32は、スキャナモータ32aおよびポリゴンミラー32bから構成される。そして、プロセスカートリッジ35は、電子写真プロセスに必要な感光ドラム15、前露光ランプ36、一次帯電器37、現像器38、転写帯電器40、クリーナ39から構成される。そして、プリンタ制御装置41はプリンタ本体1を制御する装置で、タイマ41b、ROM41c、RAM41dなどを有するマイクロコンピュータ41aおよび不揮発メモリ41eおよび各種入出力制御回路41f(ここでは図示していない)で構成される。さらに、プリンタ制御装置41は、インターフェース43を介して外部装置42と通信可能な状態で接続されている。また、ここでは図示しないが、プリンタ本体1には、ユーザに情報を通知する表示装置およびユーザが記録媒体について所要の選択設定を行う設定装置を持っている。
【0012】
図3は、本例の定着器の高圧電源部の一例を示す高圧印加回路図である。図3において、マイクロコンピュータ41aの各種入出力制御回路41fによって、高圧電源部(高圧印加回路)46を介して、定着ローラ16aへ高圧を印加させる。インバータトランス104の二次側巻線に発生する出力電圧は、高圧コンデンサ102と高圧ダイオード103によって整流され、出力電流制限抵抗101を介して、導電ブラシ45により定着ローラ16a表面へ印加される。出力抵抗101は、印加電圧の立上りおよび立下り時間を十分に短くするため、小さな値(たとえば0Ω)に設定しておく。インバータトランス104の一次巻線側では、マイクロコンピュータ41aの入出力回路41fから出力されるクロック信号(図中のCLK)によって、ベース抵抗118、トランジスタ122、プルアップ抵抗121、そしてトランジスタ106を介して、オンオフさせる。そして、オペアンプ112の出力を、抵抗111、抵抗107、トランジスタ108、アルミ電解コンデンサ109からなるトランス駆動回路によって、インバータトランス104の入力電圧を調整する。ダイオード110は、トランジスタ108の保護ダイオードであり、ダイオード105は、フライバック電流をインバータトランス104に流すためのものである。また、マイクロコンピュータ41aの入出力回路41fから出力されるPWM信号(図中のPWM)によって、ベース抵抗133を介し、抵抗130、抵抗131、抵抗129、コンデンサ128、抵抗127、コンデンサ126から成るフィルタを通してDC電圧にし、オペアンプ125に入力させる。そして、オペアンプ125の出力電圧を、オペアンプ112の−端子に入力し、抵抗113、抵抗114、抵抗115で電源電圧+24Vを分圧した基準電圧を+端子に入力することで、インバータトランス104への入力電圧を調整する。また、マイクロコンピュータ41aの入出力回路41fから出力されるドライブ信号(図中のDRV)によって、ベース抵抗120およびトランジスタ119を介して、オペアンプの基準電圧を0Vにすることで、高圧出力をオンおよびオフの駆動ができるようにしている。PWM信号を、0Vにすることでオフを実現する回路ではなく、オンオフの駆動専用のドライブ信号を設けたのは、出力高圧の立上り立下り時間を短くするための工夫である。つまり、PWM信号のDUTYを切り替えてオンオフする場合には、前述のフィルタでDC電圧に変換する部分に時間を要するので、PWM信号はオン時の高圧出力のための特定のDUTYを出力しっぱなしにしてフィルタ変換後のDC電圧を安定させたままにしておいて、別途、専用のドライブ信号でオンとオフを切り替えられるようにしてある。以上説明したように、マイクロコンピュータからのドライブ信号とPWM信号により、定着ローラ表面への負極性の高圧出力が0V、そしてPWMのDUTYで決定する電圧値(たとえば、−1000V、−700Vなど)を、切り替え出力可能となる。そして、たとえば、記録媒体の紙種(種類)によって、高圧出力電圧を変更する場合には、1枚目のある紙種で−1000Vを出力し、次の2枚目の別の紙種で−700Vを出力する場合、1枚目で−1000V用のPWMでのDUTYをマイクロコンピュータより出力して、紙間(記録媒体を連続的にプリントする場合の記録媒体間の間隔)ですぐにドライブ信号でオフするとともに、PWMのDUTYを−700V用のPWMに切り替えておく。そのようにすると、紙間でPWM信号をフィルタでDC電圧に変換する時間を十分にとれるので、2枚目の紙先端ではドライブ信号をオンにすると、立上りが速く−700Vを印加できるようになる。
【0013】
図4は、トナーを担持した記録媒体と定着ローラ印加電圧との関係を説明する図である。本実施例では、トナーとして負極性トナーを用いており、図1に示す感光ドラム15上のトナー像は、正極性の高圧を印加する転写帯電器40によって記録媒体に転写される。従って、図4に示すように、記録媒体Pの上(表側)には、負極性のトナーTが担持され、記録媒体Pの裏側には正極性の転写電荷が存在して、トナー像が保持され、定着器28に搬送される。そして、定着ローラ16aの表面上には、給電ブラシ45によって、トナーと同極性である負極性の高圧を給電しておく。この結果、定着ローラ16aの負極性の高圧による電界によって、トナーの拘束力が増加されることになるので、尾引き・オフセット・加圧ローラ汚れといった問題が防止される。ここで、画像形成装置の印刷速度を向上していくと、記録媒体の搬送速度も大きくなるにつれ、トナーの保持力が弱まった時の尾引き、および定着ニップでの蒸気発生による吹き飛ばしが要因である尾引きは、悪化していくことになる。その結果、より悪化する尾引きを防止するために、より大きな印加電圧を定着ローラ16aへ印加することとなる。定着ニップを通過した記録媒体においては、トナーが定着され、記録媒体の裏側に正極性の電荷が残っていると、定着ローラ16aの負極性の電圧による電界により、記録媒体は定着ローラ16aに引き付けられる。もともと、記録媒体の表側では加熱されたトナーの粘性により、記録媒体は定着ローラ16aに引っ張られる。これらの作用によって、定着ローラ16aへの印加電圧を大きくするほど、記録媒体は定着ローラ16aに、より引き付けられてしまうことになる。そして、分離機構である分離爪44aをもってしても記録媒体を定着ローラから分離できなくなってくると、分離不良ジャムや定着ローラ巻付きジャムが発生する。
【0014】
図5は、本例の定着器における定着ローラ印加電圧の適正電圧値を説明する表である。図5(1)は、紙厚(記録媒体の厚み)と適正印加電圧値の関係を示す表であり、薄紙では−300V、普通紙では−700V、厚紙では−1000Vを定着ローラ16aに印加する(いずれも負極性電圧)。定着ニップを通過した際の記録媒体の分離性を考えると、記録媒体が厚いほどコシが強くて定着ローラに引き付けられにくく、記録媒体が薄いほどコシが弱くて定着ローラに引き付けられやすくなる。そこで、紙厚(不図示の紙厚センサの検知結果を利用、もしくは、ユーザから操作パネルを通じて入力されたものを利用)に応じて、分離性の良い厚紙では尾引き防止優先で印加電圧を大きくし、分離性の悪い薄紙では分離不良ジャムや巻付きジャム防止優先で印加電圧を小さく抑えるようにした。よって、紙厚に応じて、定着分離と尾引き防止の不良を適切に行えるようになった。この例では、薄紙、普通紙、厚紙の3段階としているが、もちろん、さらに多段階の紙厚に分類して定着ローラへの印加電圧を変化させてもよく、記録媒体の厚さから計算して定着ローラへの印加電圧を変化させてもよい。
【0015】
図5(2)は、紙種と適正印加電圧値の関係を示す表であり、普通紙では−700V、ラフ紙および封筒では−1000V、OHTでは−300Vを定着ローラに印加する。定着ニップを通過した際の記録媒体の分離性を考えると、ラフ紙では表面が粗く定着ローラに引き付けられにくく、封筒ではコシが強くて定着ローラに引き付けられにくい。そこで、紙種(不図示の紙種センサの検知結果を利用、もしくは、ユーザから操作パネルを通じて入力されたものを利用)に応じて、分離性の良いラフ紙や封筒では尾引き防止優先で印加電圧を大きくし、分離性が普通である普通紙では分離不良ジャムや巻付きジャム防止優先で印加電圧を小さく抑えるようにした。さらに、OHTでは、上記普通紙やラフ紙、封筒などに比べ水分含有量が少ないため、定着ニップでの蒸気発生による飛び散りの尾引きが発生しにくい。そこで、OHTにおいては、尾引き対策としての印加電圧を小さくした。このように、紙種に応じて、定着分離と尾引き防止の不良を適切に行えるようになった。この例では、普通紙、ラフ紙、封筒、OHTの4段階としているが、もちろん、さらに多段階の紙種に分類して定着ローラへの印加電圧を変化させてもよい。
【0016】
図5(3)は、定着温度(トナー像を定着させるために定着ローラを介して記録媒体を加熱するための温度)と適正印加電圧値の関係を示す表であり、定着温度が180℃では−1000V、190℃では−700V、200℃では−300Vを定着ローラに印加する。定着ニップを通過した際の記録媒体の分離性を考えると、定着温度が高くなるほど記録媒体がカールして定着ローラに引き付けられる方向に曲がる。そこで、定着温度によって、分離性の良い低温では尾引き防止優先で印加電圧を大きくし、分離性の悪い高温では分離不良ジャムや巻付きジャム防止優先で印加電圧を小さく抑えるようにした。よって、定着温度に応じて、定着分離と尾引き防止の不良を適切に行えるようになった。この例では、180℃、190℃、200℃の3段階としているが、もちろん、さらに多段階の定着温度に分類して定着ローラへの印加電圧を変化させてもよく、定着温度から計算して定着ローラへの印加電圧を変化させてもよい。
【0017】
図5(4)は、紙サイズ(記録媒体のサイズ)と適正印加電圧値の関係を示す表であり、紙サイズがA3横・A4横では−1000V、B4縦・A4縦は−700V、B5縦・A5縦では−300Vを定着ローラに印加する。定着ニップを通過した際の記録媒体の分離性を考えると、紙サイズにおいて紙幅が狭いほど記録媒体がカールして定着ローラに引き付けられる方向に曲がる傾向がある。そこで、紙サイズによって、分離性の良い紙幅の広いものでは尾引き防止優先で印加電圧を大きくし、分離性の悪い紙幅の狭いものでは分離不良ジャムや巻付きジャム防止優先で印加電圧を小さく抑えるようにした。よって、紙サイズに応じて、定着分離と尾引き防止の不良を適切に行えるようになった。この例では、紙サイズを紙幅で3段階としているが、もちろん、さらに多段階に紙幅を分類して定着ローラへの印加電圧を変化させてもよく、紙幅から計算して定着ローラへの印加電圧を変化させてもよい。
【0018】
図5(5)は、面と適正印加電圧値の関係を示す表であり、1面目では−1000V、2面目では0Vを定着ローラに印加する。2面目では、1面目においてすでに1回加熱・定着しているので、水分含有量はほとんど無くなっている。そこで、定着ニップにおける蒸気の吹き飛ばしに要因する尾引きは発生しにくく、尾引き防止のための印加電圧を抑えることができる。そこで、面によって、1面目では尾引き防止優先で印加電圧を大きくし、2面目では分離不良ジャムや巻付きジャム防止優先で印加電圧を小さく抑えるようにした。よって、面に応じて、定着分離と尾引き防止の不良を適切に行えるようになった。
【0019】
図5(6)は、紙種と面と適正印加電圧値の関係を示す表であり、紙種と適正印加電圧値の関係を示す図5(2)と、面と適正印加電圧値の関係を示す図5(5)を組み合わせたものである。すなわち、普通紙の1面目では−700V、2面目では0Vを定着ローラに印加する。ラフ紙の1面目では−1000V、2面目では0Vを定着ローラに印加する。封筒では−1000V、OHTでは−300Vを定着ローラに印加する。このように、前述した紙種による適正印加電圧の特性と面による適正印加電圧の特性を組み合わせて、定着分離と尾引き防止の不良を適切に行えるようになった。この例では、紙種と面を組み合わせた例としているが、もちろん、紙厚、紙種、定着温度、紙サイズ、面などを複数組み合わせて定着ローラへの印加電圧を変化させるとさらに好適である。
【0020】
以上説明したように、本例に示す定着器によれば、紙厚、紙種、1面目/2面目、紙サイズ、定着温度などによる定着分離性の良し悪しに応じて、定着ローラ16aに印加する最適な電圧値を決定することができるので、記憶媒体の定着ローラに対する定着分離性を確保した上で、可能な限りの尾引き・オフセット・加圧ローラ汚れを防止できるようになった。
【0021】
(第2の実施例)
図6は、本発明に係る定着装置の第2の実施例を示す概略構成断面図である。本例の定着装置(定着器)はほぼ第1の実施例と同様であるので、同様である内容については説明を省略する。第1実施例の定着器と異なるのは、加圧ローラ16bの表面を導電性とし、導電ブラシ45によって、加圧ローラ16bの表面に高圧を給電するところである。
【0022】
図7は、本例の定着器における高圧電源部の一例を示す高圧印加回路図である。図7において、マイクロコンピュータ41aの各種入出力制御回路41fによって、高圧電源部(高圧印加回路)47を介して、加圧ローラ16bへ高圧を印加させる。本例の高圧電源部47は、図3に示される高圧印加回路に比べて、出力される高圧の極性が正極性と反対であること、PWMで制御する高圧出力値とその特定の倍率の高圧出力値の2種類を切り替え可能であることの2点が異なる。図3と同様である部分については、実施例1で説明してあるので省略する。インバータトランス104の二次側巻線に発生する出力電圧は、高圧ダイオード103の方向を逆にして、導電ブラシ45により加圧ローラ16a表面へ正極性の電圧が印加されるようにしてある。出力抵抗101は、印加電圧の立上りおよび立下り時間を十分に短くするため、小さな値(たとえば0Ω)に設定してある。インバータトランス104の一次巻線側では、オペアンプ112の+端子、−端子への基準電圧の入力方向も、極性を変更するために変えてある。そして、マイクロコンピュータ41aの入出力回路41fから出力される出力切り替え信号(図中のHL)によって、ベース抵抗123、トランジスタ122を介して、抵抗121および抵抗124の分圧によってオペアンプ125からの出力を2段階に切り替えられる回路を追加してある。具体的には、抵抗124の抵抗値をRa、抵抗121の抵抗値をRb、PWMで決定するオペアンプ125の出力電圧Vaとすると、(Rb/(Ra+Rb))×Vaとなる特定の倍率の電圧と切り替えが可能となる。たとえば、倍率が0.7になるように抵抗を構成しておけば、PWMで1000Vを出力できるように設定しておいた場合に、0.7倍である700Vに切り替えが可能となる。切り替え信号およびドライブ信号を、PWMと別途設けたことで、実施例1で説明した通り、PWMからフィルタを介してDC電圧に変換する時間に影響されずに、0V,1000V,700Vと立上り立下りを早く切り替えられるように工夫してある。以上説明したように、PWM信号、出力切り替え信号、ドライブ信号を制御することで、0V,PWMによる出力値,そしてその特定倍率の出力値と、切り替えての加圧ローラへの高圧印加が可能となる。
【0023】
図8は、本例に示す定着器について、トナーを担持した記録媒体と加圧ローラ印加電圧との関係を説明する図である。本実施例では、トナーとして負極性トナーを用いており、感光ドラム15上のトナー像は、正極性の高圧を印加する転写帯電器40によって記録媒体に転写される。従って、図8に示すように、記録媒体Pの上(表側)には、負極性のトナーTが担持され、記録媒体Pの裏側には正極性の転写電荷が存在して、トナー像が保持され、定着器に搬送される。そして、加圧ローラ16bの表面上には、給電ブラシ45によって、トナーと逆極性である正極性の高圧を給電しておく。この結果、加圧ローラ16bの正極性の高圧による電界によって、トナーの拘束力が増加されることになるので、尾引き・オフセット・加圧ローラ汚れといった問題が防止される。ここで、画像形成装置の印刷速度を向上していくと、記録媒体の搬送速度も大きくなるにつれ、トナーの保持力が弱まった時の尾引き、および定着ニップでの蒸気発生による吹き飛ばしが要因である尾引きは、悪化していくことになる。その結果、より悪化する尾引きを防止するために、より大きな印加電圧を加圧ローラ16bへ印加することとなる。定着ニップを通過した記録媒体においては、トナーが定着され、記録媒体の裏側に正極性の電荷が残っていると、加圧ローラ16bの正極性の電圧による電界により、記録媒体は定着ローラ16aに引き付けられる。もともと、記録媒体の表側では加熱されたトナーの粘性により、記録媒体は定着ローラ16aに引っ張られる。これらの作用によって、加圧ローラ16bへの印加電圧を大きくするほど、記録媒体は定着ローラ16aに、より引き付けられてしまうことになる。そして、分離機構である分離爪44aをもってしても記録媒体を分離できなくなってくると、分離不良ジャムや定着ローラ巻付きジャムが発生する。
【0024】
図9は、加圧ローラに印加する高圧印加タイミングチャートであり、加圧ローラ16bへの正極性の印加電圧を、記録媒体の搬送位置によるタイミングによって700V、1000Vと変化させている場合の例である。図9において、例えば、t1は、記録媒体の先端が定着ニップの直前まで搬送された時から、記録媒体の先端が定着排紙センサ18で検知される時までの時間とする。t2は、記録媒体の先端が定着ニップの直前まで搬送された時から、記録媒体の後端が定着ニップを抜けた時までの時間とする。そして、時間t1では700Vを加圧ローラに印加し、時間t2では1000Vを加圧ローラに印加する。このように、記録媒体の先端部分(時間t1)では700V、先端部分以降(時間t2)では1000Vを印加する。記録媒体の先端部分で印加電圧を小さめにしたことにより、加圧ローラ印加電圧の電界による定着ローラへの引き付けを弱め、分離性が向上する。そして、記録媒体の先端が下流の定着排紙ローラ17に噛んだ(定着排紙センサ18にて先端を検知した)ことをもって、分離が完了と判断し、以降は印加電圧を高めにして尾引き防止を優先させる。
【0025】
図10は、本例の定着器における加圧ローラ印加電圧の適正電圧値を説明する表である。紙厚を薄紙、普通紙、厚紙と3段階に分け、さらに、それぞれ記録媒体の先端部分とそれ以外の部分での加圧ローラへの印加電圧を変化させている。薄紙では、先端部分で420V,先端部分以外で600V。普通紙では、先端部分で700V,先端部分以外で1000V。厚紙では、先端部分で840V,先端以外の部分で1200Vとしている。それぞれ、先端部分の印加電圧は、先端以外の部分の印加電圧に対して70%となるようにしてある。これは、図7で説明したように、高圧回路にてCPUで設定したPWM値によって、100%と70%の2種類の高圧出力が得られるようにしてあるためである。記録媒体について、紙厚で定着ローラへの印加電圧を変化させる理由については、第1実施例にて説明した通りであり、本例ではさらに先端部分とそれ以外の部分でも加圧ローラへの印加電圧を変化させることを加えている。
【0026】
以上説明したように、本例に示す定着器によれば、記憶媒体の定着ローラに対する定着分離性に関わる記録部材の先端部分と、それ以外の部分で、加圧ローラに印加する電圧値を変更することによって、先端部分では尾引き・オフセット・加圧ローラ汚れ対策よりも定着分離性を優先し、その他の部分では尾引き・オフセット・加圧ローラ汚れ対策を優先する最適な定着が可能となった。この実施例では、先端部分とそれ以外の部分の境(分離完了)を、下流の定着排紙センサ18に先端が到達したことをもって判断している。もちろん、下流にセンサが無くても、下流の定着ローラ17に先端が到達してニップされるまでの時間で判断しても良いし、分離爪44aを先端が通過するまでの時間で判断しても良い。また、先端部分の電圧値を、先端以外の部分の電圧値に対して70%として説明しているが、別の割合にしても良い。また、先端部分とそれ以外の部分での印加電圧の変更を、紙厚と組み合わせて変化させる例としているが、もちろん、紙種、定着温度、紙サイズ、面などを複数組み合わせて加圧ローラへの印加電圧を変化させるとさらに好適である。
【0027】
(第3の実施例)
本発明に係る定着装置の第3の実施例を説明する。本例の定着装置(定着器)の構成は図6に示される定着器の構成と同じであるため説明を省略する。
【0028】
図11は、本例の定着器における高圧電源部の一例を示す高圧印加回路図である。図11において、マイクロコンピュータ41aの各種入出力制御回路41fによって、高圧電源部(高圧印加回路)48を介して、加圧ローラ16bへ高圧を印加させる。高圧電源部48は、図7に示される高圧印加回路に比べて、2種類のPMWで2種類の高圧出力値を切り替え可能であることが異なる。図7と同様である部分については、第2実施例で説明してあるので省略する。すでにPWM信号として説明した素子124〜133で構成される部分と同じものを、素子135〜143で構成したものを追加した。そして、片方をPWMH信号、追加したものをPWML信号としてある。さらに、抵抗134を追加した。このようにすることで、マイクロコンピュータ41aの入出力回路41fから出力される出力切り替え信号(図中のHL)によって、オペアンプ125および135の出力電圧を、抵抗121、抵抗124および抵抗134の分圧によって、2段階に切り替えられる。具体的には、抵抗124の抵抗値をRa、抵抗121の抵抗値をRb、抵抗134の抵抗値をRc、PWMHで決定するオペアンプ125の出力電圧電圧Va、PWMLで決定するオペアンプ135の出力をVbとすると、(Rb/(Ra+Rb))×Vaとなる出力値と、((Rb+Rc)/(Ra+Rb+Rc))×(Va−Vb)+Vbとなる出力値の2種類の切り替えが可能となる。この関係式を考慮して、PWMHおよびPWMLのDUTYを決定することで、2種類の出力高圧を加圧ローラへ出力できるようになる。切り替え信号とドライブ信号を、PWMH、PWMLと別途設けたことで、第2実施例で説明した通り、PWMからフィルタを介してDC電圧に変換する時間に影響されずに、0V,第1の出力電圧,第2の出力電圧を、立上り立下りを早く切り替えられるように工夫してある。以上説明したように、PWMH信号、PWML信号、出力切り替え信号、ドライブ信号を制御することで、0V,第1の出力値,第2の出力値と、切り替えての加圧ローラへの高圧印加が可能となる。第2の実施例では、特定の倍率との切り替えしかできなかったが、PWMH,LのDUTYにより自由な出力電圧を切り替えられる。
【0029】
なお、本例の定着器において、トナーを担持した記録媒体と加圧ローラ印加電圧との関係は図8に示すものと同じであり、また本例の高圧電源部から加圧ローラに印加する高圧印加タイミングも図9に示すものと同じである。
【0030】
図12は、本例の定着器における加圧ローラ印加電圧の適正電圧値を説明する表である。紙厚を薄紙、普通紙、厚紙と3段階に分け、さらに、それぞれ記録媒体の先端部分とそれ以外の部分での加圧ローラへの印加電圧を変化させている。薄紙では、先端部分で300V,先端部分以外で600V。普通紙では、先端部分で700V,先端部分以外で1000V。厚紙では、先端部分で800V,先端以外の部分で1200Vとしている。図11で説明したように、高圧回路にてCPUで設定したPWM値によって、2種類の高圧出力が自由に得られるようにしてある。そこで、先端部分と、それ以外の部分の印加電圧は、第2実施例では70%固定であったが、本実施例では自由に紙厚の影響に合せて変化ができるようになっている。記録媒体について、紙厚で定着ローラへの印加電圧を変化させる理由については、第1実施例にて説明した通りであり、本例ではさらに先端部分とそれ以外の部分でも、紙厚に応じて加圧ローラへの印加電圧を自由に変化させることを加えている。
【0031】
以上説明したように、上記実施例に示す定着器によれば、記憶媒体の定着ローラに対する定着分離性に関わる記録材の先端部分と、それ以外の部分で、加圧ローラに印加する電圧値を変更することによって、先端部分では尾引き・オフセット・加圧ローラ汚れ対策よりも定着分離性を優先し、その他の部分では尾引き・オフセット・加圧ローラ汚れ対策を優先する最適な定着が可能となった。また、先端部分の電圧値と、先端以外の部分の電圧値を自由に設定できるため、紙厚との組み合わせにおいてより最適な適正電圧を印加できるようになっている。もちろん、紙種、定着温度、紙サイズ、面などを複数組み合わせて加圧ローラへの印加電圧を変化させるとさらに好適である。
(その他)
1)定着器の定着ローラ16aまたは加圧ローラ16bの少なくとも一方に高圧電源部46,47,48を介して高圧を印加させるマイクロコンピュータ41aは、必要に応じて定着器の定着フレームなどに適宜配置してよい。
【0032】
2)本発明の定着装置は実施形態例の画像加熱定着装置としてに限らず、画像を担持した記録材を加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着する像加熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装置、加熱ラミネート装置など、広く被加熱材を加熱処理する手段・装置として使用できる。
【0033】
以上、本発明の様々な例と実施例が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
【0034】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0035】
〔実施態様1〕互いに圧接して定着ニップを形成する加熱部材と加圧部材を有し、トナー像を担持した定着すべき記録材を前記定着ニップで挟持搬送してトナー像を加熱・加圧して記録材に定着させる定着装置において、
前記加熱部材または加圧部材の少なくとも一方に電圧を印加する電圧印加手段と、前記記録材の種類に応じて前記電圧印加手段によって印加される電圧値を決定する手段とを有することを特徴とする定着装置。
【0036】
〔実施態様2〕互いに圧接して定着ニップを形成する加熱部材と加圧部材を有し、トナー像を担持した定着すべき記録材を前記定着ニップで挟持搬送してトナー像を加熱・加圧して記録材に定着させる定着装置において、
前記加熱部材または加圧部材の少なくとも一方に電圧を印加する電圧印加手段と、前記記録材の1面目の定着時と2面目の定着時に応じて前記電圧印加手段によって印加される電圧値を決定する手段とを有することを特徴とする定着装置。
【0037】
〔実施態様3〕互いに圧接して定着ニップを形成する加熱部材と加圧部材を有し、トナー像を担持した定着すべき記録材を前記定着ニップで挟持搬送してトナー像を加熱・加圧して記録材に定着させる定着装置において、
前記加熱部材または加圧部材の少なくとも一方に電圧を印加する電圧印加手段と、前記記録材のサイズに応じて前記電圧印加手段によって印加される電圧値を決定する手段とを有することを特徴とする定着装置。
【0038】
〔実施態様4〕互いに圧接して定着ニップを形成する加熱部材と加圧部材を有し、トナー像を担持した定着すべき記録材を前記定着ニップで挟持搬送してトナー像を加熱・加圧して記録材に定着させる定着装置において、
前記加熱部材または加圧部材の少なくとも一方に電圧を印加する電圧印加手段と、前記記録材の紙幅に応じて前記電圧印加手段によって印加される電圧値を決定する手段とを有することを特徴とする定着装置。
【0039】
〔実施態様5〕互いに圧接して定着ニップを形成する加熱部材と加圧部材を有し、トナー像を担持した定着すべき記録材を前記定着ニップで挟持搬送してトナー像を加熱・加圧して記録材に定着させる定着装置において、
前記加熱部材または加圧部材の少なくとも一方に電圧を印加する電圧印加手段と、定着温度に応じて前記電圧印加手段によって印加される電圧値を決定する手段とを有することを特徴とする定着装置。
【0040】
〔実施態様6〕互いに圧接して定着ニップを形成する加熱部材と加圧部材を有し、トナー像を担持した定着すべき記録材を前記定着ニップで挟持搬送してトナー像を加熱・加圧して記録材に定着させる定着装置において、
前記加熱部材または加圧部材の少なくとも一方に電圧を印加する電圧印加手段と、前記定着ニップで搬送されている記録材の位置に応じて前記電圧印加手段によって印加される電圧値を変更する手段とを有することを特徴とする定着装置。
【0041】
〔実施態様7〕互いに圧接して定着ニップを形成する加熱部材と加圧部材を有し、トナー像を担持した定着すべき記録材を前記定着ニップで挟持搬送してトナー像を加熱・加圧して記録材記録材に定着させる定着装置において、
前記加熱部材または加圧部材の少なくとも一方に電圧を印加する電圧印加手段と、前記定着ニップで搬送されている記録材の先端部分とそれ以外の部分に応じて前記電圧印加手段によって印加される電圧値を変更する手段とを有することを特徴とする定着装置。
【0042】
〔実施態様8〕互いに圧接して定着ニップを形成する加熱部材と加圧部材を有し、トナー像を担持した定着すべき記録材を前記定着ニップで挟持搬送してトナー像を加熱・加圧して記録材記録材に定着させる定着装置において、
前記加熱部材または加圧部材の少なくとも一方に電圧を印加する電圧印加手段と、前記定着ニップで搬送されている記録材の先端部分とそれ以外の部分に応じて前記電圧印加手段によって印加される電圧値を変更する手段とを有し、前記手段は記録材の先端部分が定着ニップから下流のローラの到達するまでの期間で電圧値を変更することを特徴とする定着装置。
【0043】
〔実施態様9〕互いに圧接して定着ニップを形成する加熱部材と加圧部材を有し、トナー像を担持した定着すべき記録材を前記定着ニップで挟持搬送してトナー像を加熱・加圧して記録材記録材に定着させる定着装置において、
前記加熱部材または加圧部材の少なくとも一方に電圧を印加する電圧印加手段と、前記定着ニップで搬送されている記録材の先端部分とそれ以外の部分に応じて前記電圧印加手段によって印加される電圧値を変更する手段とを有し、前記手段は記録材の先端部分が定着ニップから下流のセンサに到達するまでの期間で電圧値を変更することを特徴とする定着装置。
【0044】
〔実施態様10〕互いに圧接して定着ニップを形成する加熱部材と加圧部材を有し、トナー像を担持した定着すべき記録材を前記定着ニップで挟持搬送してトナー像を加熱・加圧して記録材記録材に定着させる定着装置において、
前記加熱部材または加圧部材の少なくとも一方に電圧を印加する電圧印加手段と、前記定着ニップで搬送されている記録材の先端部分とそれ以外の部分に応じて前記電圧印加手段によって印加される電圧値を変更する手段とを有し、前記手段は記録材の先端部分が定着ニップから下流の分離爪に到達するまでの期間で電圧値を変更することを特徴とする定着装置。
【0045】
〔実施態様11〕実施態様8ないし10のいずれかに記載の定着装置において、前記先端部分の印加電圧をそれ以外の印加電圧より小さくすることを特徴とする定着装置。
【0046】
〔実施態様12〕前記加熱部材が、加熱体を内包する回転部材であることを特徴とする実施態様1ないし11のいずれかに記載の定着装置。
【0047】
〔実施態様13〕前記加圧部材が、回転部材であることを特徴とする実施態様1ないし12のいずれかに記載の定着装置。
【0048】
〔実施態様14〕記録材上にトナー像を形成する画像形成手段と、
前記記録材上のトナー像を加熱・加圧して該記録材上に定着させる定着手段を有する画像形成装置において、
前記定着手段が実施態様1ないし13のいずれかに記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次のような効果が得られる。記録材の厚さによる定着分離性の良し悪しに応じて、加熱部材または加圧部材の少なくとも一方に印加する最適な電圧値を決定することができるので、定着分離性を確保した上で、可能な限りの尾引き・オフセット・加圧ローラ汚れを防止でき、かつ、定着分離不良ジャムや定着巻付きジャムの発生を防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る定着装置を備えた画像形成装置の概略構成断面図である。
【図2】本発明に係る定着装置の第1の実施例を示す概略構成断面図である。
【図3】第1の実施例の定着装置における高圧電源部の一例を示す高圧印加回路図である。
【図4】第1の実施例の定着装置における、トナーを担持した記録材と定着ローラ印加電圧との関係を説明する図である。
【図5】第1の実施例の定着装置における定着ローラ印加電圧の適正電圧値を説明する図である。
【図6】本発明に係る定着装置の第2および第3の実施例を示す概略構成断面図である。
【図7】第2の実施例の定着装置における高圧電源部の一例を示す高圧印加回路図である。
【図8】第2および第3の実施例の定着装置における、トナーを担持した記録材と定着ローラ印加電圧との関係を説明する図である。
【図9】第2および第3の実施例の定着装置に関する高圧印加タイミングチャートである。
【図10】第2の実施例の定着装置における加圧ローラ印加電圧の適正電圧値を説明する図である。
【図11】第3の実施例の定着装置における高圧電源部の一例を示す高圧印加回路図である。
【図12】第3の実施例の定着装置における加圧ローラ印加電圧の適正電圧値を説明する図である。
【符号の説明】
1…プリンタ本体、2…上段カセット、3…上段ピックアップ給紙ローラ、
4…上段給紙搬送ローラ、5…下段カセット、
6…下段ピックアップ給紙ローラ、7…下段給紙搬送ローラ、
8…給紙センサ、9…再給紙ローラ、10…マルチトレー、
11…マルチピックアップ給紙ローラ、12…マルチ給紙搬送ローラ、
13…レジセンサ、14…レジストローラ対、15…感光ドラム、
16…加熱加圧ローラ対、16a…定着ローラ、16b…加圧ローラ、
17…定着排紙ローラ、18…定着排紙センサ、19…両面フラッパ、
20…排紙ローラ、21…排紙積載トレー、22…反転センサ、
23…反転ローラ、24…横レジスト調整板、25…切り欠けローラ、
26…両面ローラ、27…両面センサ、28…定着器(定着装置)、
29…ハロゲンヒータ、30…レーザスキャナ部、31…レーザユニット、
32…スキャナモータユニット、33…結像レンズ群、
34…折り返しミラー、35…プロセスカートリッジ、
36…前露光ランプ、37…一次帯電器、38…現像器、39…クリーナー、
40…転写帯電器、41…プリンタ制御装置、
41a…マイクロコンピュータ、42…外部機器、
43…インターフェース、44…分離爪、45…高圧給電ブラシ、
46,47,48…高圧電源部、N…定着ニップ。

Claims (1)

  1. 互いに圧接して定着ニップを形成する加熱部材と加圧部材を有し、トナー像を担持した定着すべき記録材を前記定着ニップで挟持搬送してトナー像を加熱・加圧して記録材に定着させる定着装置において、
    前記加熱部材または加圧部材の少なくとも一方に電圧を印加する電圧印加手段と、前記記録材の厚さに応じて前記電圧印加手段によって印加される電圧値を決定する手段とを有することを特徴とする定着装置。
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