JP2007171425A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写工程時に同時に転写材に対する電荷付与又は電荷除去を行う導電部材に対して複数レベルのバイアスが印加可能である場合に、印加されるバイアスのレベルによらずに適正な転写性能が得られる画像形成装置を提供する。
【解決手段】転写バイアス出力手段50が転写材Pに対する転写のためのバイアスを出力している時に同時に、その転写材Pに対する電荷付与又は電荷除去のためのバイアスを導電部材8aに対して出力する導電部材バイアス出力手段80を有する画像形成装置100において、導電部材バイアス出力手段80は、上記電荷付与又は電荷除去のために互いに値の異なる第1及び第2のバイアスを出力可能であり、導電部材バイアス出力手段80が第1のバイアスを出力している時と第2のバイアスを出力している時とで、転写バイアス出力手段50が出力する転写のためのバイアスの設定値が異なる構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真方式或いは静電記録方式を用いて像担持体上に形成されたトナー像を静電的に転写材に転写して記録画像を得る、レーザービームプリンター、ファックス、複写機等の画像形成装置に関するものである。
従来、例えば電子写真方式を用いたレーザービームプリンター、ファックス、複写機等の画像形成装置が広く用いられている。斯かる画像形成装置は、次のような基本構成を有する。
先ず、像担持体としての一般的にドラム型とされる電子写真感光体(感光体)上を一様に帯電させる。次いで、感光体の表面を画像情報に応じた光で露光して、感光体上に静電像(潜像)を形成する。そして、帯電したトナーを付着させることで、感光体上の静電像を現像する。その後、転写材(例えば記録用紙)を転写ローラ等の転写部材により感光体上へ密着させ、転写材の背面より、転写前のトナーの極性と逆極性のバイアスを転写部材に印加して、転写材へ感光体上のトナーを転写させる。次いで、転写材を感光体より分離させて、定着装置へと送る。そして、定着装置によって、未定着のトナー像を通常熱・圧力等により転写材に定着させる。
転写材の背面から転写部材を介して転写バイアスを印加して、感光体から転写材へトナー像を静電気的に転写させる過程では、転写材と感光体との間に静電気的な吸着が生じ、転写材は感光体の表面に密着する。そのため、感光体の表面から転写材を分離させる分離手段が必要となる。
従来、このような分離手段としては、機械的な方法として、分離爪、分離ベルト等が用いられてきた。しかしながら、これらの手段は、画像の一部を欠くことになったり、感光体へ傷をつけたりする虞があるなどの欠点があった。
又、別の分離手段として、空気流を吹きつける方法、転写材を吸引する方法等があるが、装置構成が大掛かりとなり、又機内にてトナーの飛散を生じさせるなどの欠点があった。
その他の分離手段としては、転写材の搬送方向において転写部材の下流側に、転写部材に印加されるバイアスと逆極性のバイアスが印加される除電手段を設けて、転写材の背面から転写材を除電して、転写材を感光体の表面から静電気的に分離する手段がある。
この方法は、感光体の表面と転写材との静電気的な吸引力を中和させ、吸着力をなくし、転写材の自重とコシを利用して自然に分離させるもので、満足できる分離性能を得ることが可能である。
図9は、転写材の搬送方向において転写ローラの下流側に除電針を配置した装置の一例を示す。同図には、感光体1、感光体1に当接された転写ローラ5、除電針8a及び除電針カバー8bを備えた除電器8、転写前ガイド77a、77b、転写後搬送ガイド78などが示されている。転写材Pは、転写前ガイド77a、77bで侵入方向を規制されながら、感光体1と転写ローラ5で形成されるニップ部Nへ搬送された後、除電器8と搬送ガイド78を通過して定着装置(図示せず)へと搬送されていく。転写ローラ5には転写バイアス電源50が電気的に接続されており、転写ローラ5へ所望のバイアス(転写バイアス)を供給する。又、除電針8aには、転写バイアス電源50とは別に除電バイアス電源80が電気的に接続されており、所望のバイアス(除電バイアス)が供給されるようになっている。
次に、図10をも参照して、転写バイアス及び除電バイアスの制御の一例として、両面プリントを行う場合の両バイアスの制御について説明する。
図10において上部には転写材の位置を示す。中間部には転写ローラ5に印加されたバイアス(電圧)の大きさを示す。又、最下部には除電針に印加されたバイアス(電圧)の大きさを示す。又、図10の横軸は時間経過を示し、左から右に向けて時間が経過する。
待機状態にある画像形成装置は、ホストコンピュータ等の外部装置から画像を形成すべき旨のコマンド等を受信し、待機状態から画像形成可能な準備状態(初期回転)へ移行する。この準備状態において感光体1の駆動及び帯電が行われる。そして、転写工程時に一般には定電圧制御にて転写ローラ5に適正な転写バイアスを印加するために、初期回転時に、転写ローラ5から感光体1へ流れる電流値が所定の一定電流値となるように、転写ローラ5に印加されるバイアスの電圧値が制御される。
転写ローラ5に流れる電流値が所定の一定電流値となったときに転写ローラ5に印加されているバイアスの電圧値が初期制御値Vt0として設定される。この初期制御値Vt0に基づいて、トナー像を転写材Pの1面目に転写する際に定電圧制御にて転写ローラ5に印加するバイアスの制御値である転写バイアス値Vtが決定される。
転写材Pの先端が転写位置Nに到達するまでは、転写ローラ5に印加されるバイアスは上記初期制御値Vt0で定電圧制御される。そして、転写材Pが転写位置Nに来るタイミングとほぼ同期して、転写ローラ5に印加されるバイアスの制御値は上記初期制御値Vt0から転写バイアス値Vtへ変更される。
転写材Pが転写位置Nを通過している間、即ち、トナー像の転写中は、転写ローラ5に印加されるバイアスは転写バイアス値Vtで定電圧制御される。そして、転写材Pの後端が転写位置Nを通過した後は、次のプリントがある場合には、転写ローラ5に印加されるバイアスが上記初期制御値Vt0にて定電圧制御された状態で待機する(紙間)。
転写材Pが反転して、2面目を感光体1側に向けた転写材Pが転写位置Nに搬送されて来ると、転写ローラ5に印加されるバイアスの制御値は、再び上記初期制御値Vt0から転写バイアス値Vtへと変更される。
尚、初期制御値Vt0は、一般的には、+300V〜+4.5kV、転写バイアス値Vtは+500V〜+6.0kV程度である。
一方、除電針8aには、転写バイアスとは逆極性のバイアスが、一般に、定電圧制御にて印加される。例えば、初期回転とほぼ同時に第1の除電バイアスLowが印加されて、転写材Pが除電位置Rに到達したときに転写材Pの裏面の除電を行う。これにより、転写材Pと搬送部材(転写後搬送ガイド)78との放電による「飛び散り」や、搬送不良を防止することができる。
そして、定着装置(図示せず)を通過した後の転写材Pは、転写材Pの種類にもよるが、カール量が大きくなり、感光体1へ巻き付きぎみに搬送され易くなる。そのため、2面目に画像を形成するために転写位置Nに搬送される記録材Pの先端に対してのみ、上記第1の除電バイアスLowよりも絶対値の大きい第2の除電バイアスHighが印加されることがある。これにより、転写材Pと感光体1との吸着力を弱める。除電針8aに印加するバイアスの大きさは、一般的には、第1の除電バイアスLowが0〜−1kV、第2の除電バイアスHighが−1kV〜−3kV程度である。
特開平10−340009号公報
上述のように、転写材Pの感光体1からの分離用に、例えば除電針8aにバイアスを印加することは、幅広の紙サイズや、比較的コシの弱い薄紙など、様々な紙種に対応するためには有効な手段である。
又、近年、画像形成装置の小型化の流れを受けて、これら高圧電源を実装する高圧回路基板の大きさも縮小化する傾向にある。それに伴って、転写高圧電源自体も小型化したものが採用されるようになってきている。従って、近年では、装置の小型化を達成しつつ、上述のような転写材の分離効果を達成することができるようになってきている。
小型の転写高圧電源は、比較的大きな限流抵抗を用いることで、大きな電圧出力を得る構成になっている。これは小型の転写高圧電源は、所定の電圧出力を得るために必要な制御電流を大型の転写高圧電源に比べ小さくできるので、高圧電源内の漏電対策が簡略化できるためである。
ところが、転写高圧電源として比較的大きな限流抵抗を用いた高圧電源の場合、転写材Pの感光体1からの分離用に転写用とは別の高圧電源を設けると、次のような問題が発生し易くなる。即ち、分離用の高圧電源と転写用の高圧電源とは、典型的には、出力するバイアスの極性が逆極性であるため、転写材Pを介してこれらの高圧電源間で干渉(電圧降下)が生じ易い。その結果、転写材Pへ感光体1上のトナーを転写させるために必要な電流が不足し、転写不良が生じ易くなる。
例えば、図10に示す両面画像形成の場合を例にすると、除電バイアス電源80が複数レベルのバイアスを除電針8aに印加するようになっており、2面目の記録材Pの先端に対して電圧の絶対値が比較的大きな第2の除電バイアスHighが印加される。このような場合に、除電針8aに第2の除電バイアスHighが印加されるときに、転写バイアスの電圧降下が発生することがある。
尚、上述では、転写位置より下流側に配置される除電針8aに複数レベルのバイアスが印加される場合の転写バイアスへの影響を例にして従来の問題について説明した。しかし、同様の問題は、転写材にトナーを転写するためのバイアスが転写手段に印加されている時に同時に、転写材に電荷を付与するか又は転写材から電荷を除去する導電部材にバイアスが印加されるようになっている場合には発生し得る。即ち、その導電部材に複数レベルのバイアスが印加可能である場合に、いずれかのレベルのバイアスが導電部材に印加されている時に転写バイアスに対する干渉が生じ易くなる。
ここで、上述のような転写バイアスに対する干渉の影響を回避する方法として、次のような方法が考えられる。即ち、除電バイアス電源80から除電針8aに印加するバイアスを、転写バイアス電源50に影響を与えない程度の定電流で制御する方法が考えられる。しかし、一般的に電流値が1〜5μAと微弱なため、精度よく制御するためには、除電バイアス電源80として漏電対策を施した大型の高圧電源が必要になり易い。
尚、特許文献1は、転写材の搬送方向において転写部材よりも下流側又は上流側に配置された導電部材に転写材が直接又は間接的に接触するタイミングで、転写部材を流れる転写電流値を変化させる技術を開示する。しかし、特許文献1には、導電部材に複数レベルのバイアスが印加されることは記載されておらず、特許文献1の発明は、この場合に発生することのある上記問題を解決し得る構成とはなっていない。
従って、本発明の目的は、転写工程時に同時に転写材に対する電荷付与又は電荷除去を行う導電部材に対して複数レベルのバイアスが印加可能である場合に、印加されるバイアスのレベルによらずに適正な転写性能が得られる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、第1の本発明は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体とニップ部を形成して該ニップ部で前記像担持体から転写材にトナー像を転写する転写手段と、前記転写のためのバイアスを前記転写手段に対して出力する転写バイアス出力手段と、転写材に電荷を付与するか又は転写材から電荷を除去する導電部材と、前記転写バイアス出力手段が転写材に対する前記転写のためのバイアスを出力している時に同時に、その転写材に対する前記電荷付与又は電荷除去のためのバイアスを前記導電部材に対して出力する導電部材バイアス出力手段と、を有する画像形成装置において、前記導電部材バイアス出力手段は、前記電荷付与又は電荷除去のために互いに値の異なる第1及び第2のバイアスを出力可能であり、前記導電部材バイアス出力手段が前記第1のバイアスを出力している時と前記第2のバイアスを出力している時とで、前記転写バイアス出力手段が出力する前記転写のためのバイアスの設定値が異なることを特徴とする画像形成装置である。
第2の本発明によれば、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体とニップ部を形成して該ニップ部で前記像担持体から転写材にトナー像を転写する転写手段と、前記転写のためのバイアスを前記転写手段に対して出力する転写バイアス出力手段と、前記転写バイアス出力手段が出力する前記転写のためのバイアスの設定値に対応する制御信号を前記転写バイアス出力手段に対して出力する制御信号出力手段と、転写材に電荷を付与するか又は転写材から電荷を除去する導電部材と、前記転写バイアス出力手段が転写材に対する前記転写のためのバイアスを出力している時に同時に、その転写材に対する前記電荷付与又は電荷除去のためのバイアスを前記導電部材に対して出力する導電部材バイアス出力手段と、を有する画像形成装置において、前記導電部材バイアス出力手段は、前記電荷付与又は電荷除去のために互いに値の異なる第1及び第2のバイアスを出力可能であり、前記導電部材バイアス出力手段が前記第1のバイアスを出力している時と前記第2のバイアスを出力している時とで、前記制御信号出力手段が出力する制御信号の示すバイアスの値が異なることを特徴とすることを特徴とする画像形成装置が提供される。
第3の本発明によれば、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体とニップ部を形成して該ニップ部で前記像担持体から転写材にトナー像を転写する転写手段と、前記転写のためのバイアスを前記転写手段に対して出力する転写バイアス出力手段と、転写材に電荷を付与するか又は転写材から電荷を除去する導電部材と、前記転写バイアス出力手段が転写材に対する前記転写のためのバイアスを出力している時に同時に、その転写材に対する前記電荷付与又は電荷除去のためのバイアスを前記導電部材に対して出力する導電部材バイアス出力手段と、を有する画像形成装置において、前記導電部材バイアス出力手段は、前記電荷付与又は電荷除去のために複数レベルのバイアスを出力可能であり、前記転写バイアス出力手段が出力する前記転写のためのバイアスの設定値は、前記導電部材バイアス出力手段が出力するバイアスの絶対値が予め決められた値未満の場合よりも該予め決められた値以上の場合の方が大きいことを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、転写工程時に同時に転写材に対する電荷付与又は電荷除去を行う導電部材に対して複数レベルのバイアスが印加可能である場合に、印加されるバイアスのレベルによらずに適正な転写性能が得られる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
(1)画像形成装置の全体的な構成
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面構成を示す。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いて、画像情報信号に従って転写材P、例えば、記録用紙、OHPシート等に画像を形成することのできるレーザービームプリンターである。画像情報信号は、画像形成装置本体(装置本体)Aに対して通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等の外部機器から装置本体Aに送信される。又、本実施例では、画像形成装置100は、自動両面装置を備えており、シート状の転写材Pの両面に自動的に画像を形成できるようになっている。
画像形成装置100は、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(感光体)1を有する。感光体1の表面は、一次帯電手段としての帯電ローラ2により均一に帯電される。帯電した感光体1の表面に対して、露光手段(画像書き込み手段)としてのレーザースキャナー装置3により像露光が行われる。これにより、感光体1の表面に静電像(潜像)が形成される。この静電像は、現像手段としての現像器4によりトナー像として可視化される。本実施例では、感光体1の表面を帯電ローラ2により負極性の所定電位に一様に帯電処理し、イメージ露光と、負帯電性トナーを用いた反転現像とを組み合わせてトナー像を形成する。
感光体1上への作像動作に同期して、転写材供給部7から転写材Pが搬送される。即ち、カセット71から転写材(紙、OHTなど)Pが供給ローラ72により取り出される。次いで、転写材Pは、搬送ガイド73、中間搬送ローラ74、搬送ガイド75を経てレジストローラ対76a、76bまで搬送される。
レジストローラ対76a、76bは、転写材Pが来るまで停止しており、このレジストローラ対76a、76bのニップ部に転写材Pの先端が突き当たることにより、転写材Pの斜行が補正される。
その後、レジストローラ対76a、76bは、感光体1上へ画像を形成し始める書き出し信号に合わせて回転を開始する。そして、転写材Pは転写前ガイド77a、77bを経て感光体1と、転写手段としての転写ローラ5で形成される転写部(転写ニップ部)Nへと搬送される。
転写ローラ5には、後述する高圧回路部110が備える転写バイアス出力手段としての転写バイアス電源50(図2)が電気的に接続されている。そして、転写ローラ5には、転写バイアス電源50から、トナーの帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の転写バイアスが所定の制御タイミングにて印加される。これにより、感光体1上に形成されたトナー像は、転写ニップ部Nで転写材P上に静電的に転写される。
本実施例では、転写ローラ5は、芯金上にNBRを主なポリマーとするゴム弾性層を被覆したイオン導電性のローラである。転写ローラ5は、感光体1に対して所定の押圧力で当接し、転写ニップ部Nを形成する。転写ローラ5としては、転写時の文字中抜けや感光体1の削れを防止する上で、ローラ硬度40°以下(Asker−C硬度、500g荷重)のものが好ましく使用される。又、転写ローラ5は、体積抵抗率106〜109Ω・cmの電気的に中抵抗ローラとすることで、電気的に比較的高抵抗な転写材Pであっても良好な静電転写を行うことができる。体積抵抗率が106Ω・cmより小さくなると、感光体1へ過剰な電流が流れ、感光体1へダメージを与えることがある。逆に、体積抵抗率が109Ω・cmより大きいと、転写に必要な電流が不足して転写不良となることがある。このように、転写ローラ5の電気抵抗値には最適値が存在する。このとき、転写ローラ5には、その電気抵抗値に応じて、高圧回路部110の転写バイアス電源50から芯金を介して0.1kV〜6kVの適正な電圧が印加される。
転写工程後に感光体1上に残ったトナー(転写残トナー)は、クリーニング手段としてのクリーナ6によって感光体1上から除去されて回収される。
転写が終了した転写材Pは、比較的小径な感光体1の曲率による分離作用(曲率分離)と、除電器8が備える除電部材としての除電針8aによる静電的な分離作用(静電分離)とで、感光体1の面から分離される。本実施例では、除電針8aが、転写材Pから電荷を除去する導電部材を構成する。
本実施例では、除電針8aは、転写材Pの搬送方向に対して略垂直に配置された、転写材P側の先端が鋭利な鋸歯状に形成された板金である。除電針8aは、除電針カバー8b内に、鋸歯状の先端が露出するように取り付けられて、転写材Pの搬送方向において転写ニップ部Nより下流側の所定の位置(除電位置)Rに配置される。本実施例では、除電針8aの先端は、転写材Pに非接触とされているが、接触するように配置することもできる。
除電針8aには、後述する高圧回路部110が備える除電バイアス出力手段としての除電バイアス電源80が電気的に接続されている。そして、除電針8aには、除電バイアス電源80から、後述するように2段階のバイアスを切り替えて印加可能である。除電針8aには、転写バイアスの極性とは逆極性(本実施例では負極性)の除電バイアスが所定の制御タイミングで印加される。ここで、本実施例では、転写材Pの搬送方向において、転写ニップ部Nの中心と除電針8aの先端との間の距離は15mmである。
除電針8aを設けることにより、転写材Pの感光体1からの分離時の剥離放電や、転写材Pと搬送部材(転写後搬送ガイド)78との放電による「飛び散り」、或いは搬送不良を防止することができる。
感光体1から分離された転写材Pは、転写後搬送ガイド78を経て定着手段としての加熱・加圧定着装置9へと搬送される。定着装置9は、定着部材として、加熱手段を内蔵する加熱定着部材(定着ローラ)9aと、加熱定着部材9aに圧接する加圧定着部材(加圧ローラ)9bとを有する。そして、転写材Pがこれら加熱定着部材9aと加圧定着部材9bとで挟持搬送されることで、未定着トナー像が転写材Pに定着されて固定画像となる。
片面プリントの場合には、転写材Pはフラッパ11により上方の搬送ガイド12へ送られ排出ローラ13によりトレイ21へ排出される。
一方、両面プリントの場合には、1面目の画像の定着を終了した転写材Pは、フラッパ11により下方の搬送ガイド14に搬送される。そして、転写材Pは、搬送ローラ15により、一旦、スイッチバック搬送路16の方向に搬送された後、搬送ローラ15の逆回転により搬送ガイド17の方向へ搬送される。この工程で転写材Pの表裏が反転される。
表裏が反転した転写材Pは、搬送ガイド17から、搬送ローラ18、搬送ガイド19を経て、再び転写ニップ部Nにおける転写工程に供される。
2面目の画像の転写、定着工程が終了した転写材Pは、フラッパ11により上方に搬送され、搬送ガイド12、排出ローラ13を経て、トレイ21に排出される。トレイ21は、機内を保護、防音する外装20の上面に設けられている。
尚、画像形成装置100には、外部のパーソナルコンピューター(PC)との間で信号をやり取りするコントローラ(図示せず)が搭載されている。
又、画像形成装置100の各部の動作は、後述するエンジン制御部120が統括的に制御する。
更に、本実施例では、感光体1と、感光体1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像器4及びクリーナ6とは、枠体によって一体的にカートリッジ化されて、装置本体Aに対して着脱可能なプロセスカートリッジBを構成している。
(2)高圧回路部とエンジン制御部
次に、図2をも参照して、転写ローラ5や除電針8aにバイアスを印加する高圧回路部110と、この高圧回路部110を制御するエンジン制御部120について説明する。
図2は、転写ニップ部Nの近傍の概略断面構成、及び高圧回路部110とエンジン制御部120の構成を示すブロック図である。
高圧回路部110内には、転写ローラ5の芯金に対してプラスのバイアスを出力する転写バイアス出力手段としての転写バイアス電源50が設けられている。又、高圧回路部110内には、除電針8aに対してマイナスのバイアスを出力する除電バイアス出力手段としての除電バイアス電源80が設けられている。本実施例では、除電バイアス出力手段たる除電バイアス電源80が、導電部材バイアス出力手段を構成する。即ち、除電バイアス電源80は、転写バイアス電源50が転写材Pに対するトナーの転写のためのバイアスを出力している時に同時に、その転写材Pに対する電荷除去のためのバイアスを除電部材8aに対して出力する。
転写バイアス電源50は、第1のバイアス出力部50aと、第1の限流抵抗R1(=150MΩ)とを備える。転写時には、第1のバイアス出力部50aから定電圧制御されたバイアスが第1の限流抵抗R1を通って転写ローラ5へ供給される。
一方、除電バイアス電源80は、第2のバイアス出力部80aと、第2の限流抵抗R2(=10MΩ)とを備える。第2のバイアス出力部80aから定電圧制御されたバイアスが第2の限流抵抗R2を通って除電針8aへ供給される。
上述のように、本実施例では、除電バイアス電源80が備える第2の限流抵抗R2よりも、転写バイアス電源50が備える第1の限流抵抗R1の方が電気的抵抗が大きい。このように、導電部材バイアス出力手段が備える限流抵抗R2よりも、転写バイアス出力手段の備える第1の限流抵抗R1の方が電気的抵抗が大きい場合には、前述のような転写バイアスに対する干渉が発生し易い。
又、エンジン制御部(DCコントローラ)120は、制御手段としてのCPU121、ローパスフィルタ122、A/Dコンバータ123、及び記憶手段としてのメモリー124を備える。
更に説明すると、CPU121は、ハイレベル信号とローレベル信号を選択的に発生させることで、0〜255まで256段階のデューティ比を有するPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)信号を出力可能である。このPWM信号は、転写バイアス電源50の出力するバイアスの設定値(制御値)に対応する制御信号である。そして、転写バイアス電源50は、ローパスフィルタ122がPWM信号を平滑化して生成された直流電圧に応じた値のバイアスを、転写ローラ5に印加する。
又、転写ローラ5から感光体1又は転写材Pに流れる電流は、A/Dコンバータ123により電圧に変換される。CPU121は、A/Dコンバータ123から入力される電圧値(AD値)を検知することで、転写ローラ5から感光体1又は転写材Pに流れる電流を認識できる。従って、CPU121は、転写電流を所定の電流値にするためには、AD値を読み取り、所望のAD値となるようにPWM信号のデューティ比を徐々に変更して、転写バイス電源50から転写ローラ5に印加するバイアスを徐々に変更する。
以上の動作により、CPU121は、転写ローラ5に所望の転写電圧を印加することや、転写ローラ4に所望の転写電流が流れるように転写バイアスを制御することができる。これにより、後述するように、転写バイアス電源50は、転写バイアス値の決定シーケンス中は、定電流制御されたバイアスを転写ローラ5に印加することができる。又、転写工程中は、定電圧制御されたバイアスを転写ローラ5に印加することができる。このように、本実施例では、転写バイアス電源50は、電流検知部を有すると共に、段階的に出力電圧設定値を変更する機構を有することによって、定電圧制御又は定電流制御されたバイアスを出力することができる。しかし、電源の構成はこれに限定されず、バイアス出力部と、電流検知部又は電圧検知部を適宜設けることで、定電流制御又は定電圧制御されたバイアスを出力できるようになっていればよい。
尚、本実施例では、転写バイアス電源50は、0〜255まで256段階で転写ローラ5に印加するバイアスの値を設定することができる。例えば、PWM信号が0とは、転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を0Vとし、PWM信号が255とは転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を6.0kVとすることをいう。
ここで、転写バイアス出力手段のバイアス制御態様は、本実施例のものに限定されるものではない。転写バイアス値の決定シーケンスでは、転写部に所定の電流が流れているときのバイアス出力手段の出力電圧値、又は転写部に所定の電圧がかかっている時のバイアス出力手段の出力電流値を検出すればよい。即ち、いずれかの方法により、転写部に係るインピーダンスの情報が得られればよい。従って、本実施例とは異なり、転写バイアス電源50が、転写バイアス値の決定シーケンス中に定電圧制御されたバイアスを転写ローラ5に印加して、その時の転写バイアス電源50の出力電流値を検知するようにしてもよい。例えば、上記構成の高圧回路部110であれば、所定の電圧値に対応する制御信号(PWM信号)によって転写バイアス電源50から所定のバイアスを出力させると共に、その時に流れる電流をA/Dコンバータ123を介して検知すればよい。
又、転写工程時には、転写材Pの種類、サイズ等によって、転写バイアスが過大になることなどを防止できることから、転写工程時には定電圧制御された転写バイアスを好ましく用いることができる。しかし、所望により、転写バイアス電源50が、転写工程中に、定電流制御されたバイアスを転写ローラ5に印加するようにしてもよい。
一方、除電バイアス電源80は、CPU121からのバイアス駆動信号、及び、High/Low切替信号により、所定のタイミングで第1の除電バイアスLowと第2の除電バイアスHighの2段階のバイアス出力を切り替えることができる。第1の除電バイアスLowよりも第2の除電バイアスHighの方がバイアスの絶対値が大きい。
本実施例では、第1の除電バイアスLow=−1kV、第2の除電バイアスHigh=−3kVである。以下、第1の除電バイアスを単に「Lowバイアス」、第2の除電バイアスを単に「Highバイアス」ということもある。
本実施例では、CPU121が転写バイアス設定手段を構成する。即ち、CPU121は、転写ニップ部Nに転写材Pが無い状態で転写バイアス出力手段が予め決められた定電流制御された検知バイアスを出力している時の出力電圧値を検知した結果に基づいて、転写材Pへトナーを転写するためのバイアスを設定する。
又、本実施例では、CPU121は、転写バイアスの設定値(制御値)の変更手段、更には除電バイアスの変更手段を構成する。
更に、本実施例では、CPU121は、転写バイアス電源50が出力する転写材Pにトナーを転写するためのバイアスの設定値に対応する制御信号を転写バイアス電源50に対して出力する制御信号出力手段を構成する。
又、本実施例では、A/Dコンバータ123が、転写バイアス電源50が定電流制御又は定電圧制御されたバイアスを出力している時の出力電圧値又は出力電流値を検知する検知手段を構成する。即ち、A/Dコンバータ123は、転写バイアス電源50が定電流制御又は定電圧制御されたバイアスを出力している時に、該バイアスに応じた電気信号として電圧信号(AD値)をCPU121に対して出力する。本実施例では、この電圧信号は、転写ローラ5から感光体1又は転写材Pに流れる電流値に相当する。
尚、本実施例では、CPU121は、上記高圧回路部110の転写バイアス電源50、除電バイアス電源80の他、帯電ローラ2や現像器4に印加するバイアス、或いはモーター駆動、ファン駆動、ヒーター駆動、レーザー点灯などの制御も行っている。しかし、これらの他の制御については、本発明のより良い理解に役立つことはないので、これ以上の説明は省略する。
(3)プリント動作
次に、図3をも参照して、両面プリントを行うときの転写バイアス、除電バイアスの変化について説明する。図3は、横軸に時間軸を取ったタイミングチャートである。図3中上からプリント信号、転写材Pの位置、転写バイアスの制御値、実際に印加された転写バイアス(電圧値)、実際に印加された除電バイアス(電圧値)の時間変化を示している。
<初期回転>
先ず、プリント信号がコントローラ(図示せず)からエンジン制御部120に送られる。次いで、エンジン制御部120は、供給ローラ72による転写材Pの供給を開始すると同時に、定着装置9の加熱立ち上げ動作、画像形成工程前の感光体1の準備回転(初期回転)を開始する。初期回転中は、帯電ローラ2により感光体1の表面電位を暗部電位Vdに保つように、帯電ローラ2に所定の帯電バイアスが印加される。
エンジン制御部120は、転写ローラ5から感光体1の暗部電位に対して、予め決められた所定の電流Iaが流れるように、高圧回路部110の転写バイアス電源50から転写ローラ5に印加する電圧値を徐々に増加させていく。エンジン制御部120は、転写ローラ5から感光体1に流れる電流が目標の電流Iaに到達した後は、電圧値を微調整することにより、感光体1に対して一定の電流Iaが流れるように高圧回路部110の転写バイアス電源50の制御を行う。最終的に所望の電流値Iaが流れた時、即ち、転写バイアス電源50が予め決められた所定の検知バイアスを出力している時の電圧値Vt0に対応するPWM値を、初期制御信号PWM0としてエンジン制御部120内のメモリー124に格納する。この時点では、転写材Pは転写ニップ部Nに到達していない。
除電針8aには、初期回転が始まるのとほぼ同時に、Lowバイアスが印加される。
尚、所定の電流Iaが流れるよう設定される電圧値(初期制御値)Vt0は、画像形成装置100の置かれた環境(温度、湿度等)により異なったものとなる。例えば、環境が高温且つ高湿度の環境(H/H環境)(例えば30℃/80%RH)では、転写ローラ5の電気抵抗値が下がるので、通常温度且つ通常湿度の環境(N/N環境)(例えば23℃/65%RH)に比べて、電圧値が低くなる。又、環境が低温且つ低湿度の環境(L/L環境)(例えば15℃/10%RH)では、転写ローラ5の電気抵抗値が上がるので、通常温度且つ通常湿度の環境(N/N環境)に比べて電圧値が高くなる。従って、電圧値Vt0は画像形成装置100の置かれた環境を示す指標となる。
即ち、転写ニップ部Nに転写材Pが無い状態で転写バイアス電源50が予め決められた検知バイアスを出力している時の、検知手段としてのA/Dコンバータ123がCPU121に出力する電気信号(AD値)は、環境等によって異なることになる。そして、該電気信号(AD値)が異なる時には、制御信号出力手段としてのCPU121が出力する制御信号(PWM値)が示す転写バイアス電源50の出力するバイアスの値が異なる。
<1面目転写>
次に、転写材Pが転写ローラ5の位置に搬送されてくると、転写材Pにトナー像を転写するため、エンジン制御部120は、高圧回路部110の転写バイアス電源50から転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を転写バイアス値Vtへと変更する。転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を初期制御値Vt0から転写バイアス値Vtへ切り替えるタイミングは、転写バイアス電源50による電圧の立ち上り時間を考慮して行われる。
転写バイアス値Vtは、転写材Pにトナー像を転写する際の転写効率が、画像形成装置100の置かれた環境に拘わらず略一定となるように、以下の制御式(1)を用いて演算により求められる。
Vt=A×Vt0+B ・・・(1)
ここで、A及びBは定数である。
尚、本実施例では、上記式(1)のように、転写バイアス値Vtは、初期制御値Vt0を予め決められた演算式にて線形的に増大させた値である。しかし、所望により、転写バイアス値Vtを、初期制御値Vt0を予め決められた曲線式によって非線形的に増大させた値としてもよい。
このとき、エンジン制御部120は、高圧回路部110の除電バイアス電源80から除電針8aに、Lowバイアスを印加させる。これにより、転写ローラ5によって転写材Pに付与された過剰な電荷を、転写材Pの裏面から除去する。
Lowバイアスの値(本実施例では−1kV)は、転写後搬送ガイド78との異常放電による画像不良が発生しないような値に設定されている。尚、本実施例において除電針にLowバイアスを印加しても転写バイアスへの影響はない。
<紙間>
エンジン制御部120は、1面目にトナーが転写された転写材Pの搬送方向後端が転写ニップ部Nを抜けるか、それよりやや早いタイミングで、転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を転写バイアス値Vtから初期制御値Vt0へ変更する。
この初期制御値Vt0の値は、初期回転の最後にメモリー124へ保存された値である。両面プリントする場合には、エンジン制御部120は、この区間で2面目のプリント信号を受信する。そして、エンジン制御部120は、上述のようにして機内で反転した転写材Pが転写ニップ部Nに到達する前に、除電バイアス電源80から除電針8aにHighバイアスを印加させる。これは、2面目にトナーが転写された転写材Pの搬送方向先端が除電針8aの位置(除電位置)Rに到達するときに、強い除電バイアスが確実に印加されるように除電バイアスの立ち上がり時間分を考慮しているためである。
Highバイアスの値(本実施例では−3kV)は、薄紙などの転写材Pが定着装置9を通過してカールが大きくなった場合でも、この転写材Pの感光体1への巻きつきを防止できるような値に設定されている。
<2面目転写>
次に、2面目に転写を行う場合、前述したように、除電針8aには既にHighバイアスが印加されている。この時に、転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を1面目の転写時と同じ転写バイアス値Vtにすると、除電針8aに印加されたHighバイアスと干渉して、実際に転写ローラ5に印加されるバイアス値は目標とする転写バイアス値Vtに到達しない。
そのため、従来、この区間(図3中のta)において転写不良が発生することがあった(図10参照)。除電バイアスがLowバイアスに戻ると、除電バイアスとの干渉がなくなる。従って、この区間(図3中のtb)では、転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を転写バイアス値Vtとすることで、実際に転写ローラ5に印加されるバイアス値として、その目標とする転写バイアス値Vtが得られる。
そこで、本実施例では、エンジン制御部120は、除電針8aにHighバイアスが印加されている間(図3中のta)は、転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を、上記式(1)による転写バイアス値Vtより大きな補正転写バイアス値Vt’とする。
補正転写バイアス値Vt’は、以下の制御式(2)を用いて演算により求められる。
Vt’=Vt×α ・・・(2)
ここで、αは、転写材Pの2面目にトナーを転写するときに転写ローラ5に印加するバイアスの制御値をVt、電圧降下の大きさをΔVとすると、下記式(3)で表される。
α=1+ΔV/Vt ・・・(3)
図4は、転写材Pの2面目にトナーを転写する際に除電針8aにHighバイアスが印加されている間に印加するバイアスの制御値をVtとしたとき(従来の制御)の電圧降下ΔVを、そのバイアスの制御値Vtに対してプロットしたものである。
図4から分かるように、バイアスの制御値Vtが大きいほど、電圧降下ΔVが大きくなっている。このバイアスの制御値Vtと電圧降下ΔVとの関係は、比例に近い関係になっている。従って、式(3)は定数として近似でき、本実施例の画像形成装置100では、α=1.15とした。
このように、本実施例では、除電バイアス電源80は、互いに値の異なる第1のバイアス(Lowバイアス)及び第2のバイアス(Highバイアス)を出力可能である。そして、除電バイアス電源80が第1のバイアスを出力している時と第2のバイアスを出力している時とで、転写バイアス電源50が出力する転写のためのバイアスの設定値(制御値)が異なる。又、本実施例では、除電バイアス電源80が第2のバイアスを出力している時に転写バイアス電源50が出力する転写のためのバイアスの設定値(制御値)は、次の関係を有する。即ち、除電バイアス電源80が第1のバイアスを出力している時に転写バイアス電源50が出力する転写のためのバイアスの設定値(制御値)を予め決められた係数倍した値である。換言すれば、本実施例では、除電バイアス電源80が第1のバイアスを出力している時と第2のバイアスを出力している時とで、CPU121が出力する制御信号(PWM値)の示すバイアスの値が異なる。そして、本実施例では、CPU121が出力する制御信号が示すバイアスの絶対値は、除電バイアス電源80が第1のバイアスを出力している時よりも第2のバイアスを出力している時の方が大きい。
次に、本実施例の制御フローを示す図5をも参照して、転写バイアスの制御手順を更に説明する。尚、ここでは、画像形成装置100の操作部(図示せず)、或いは画像形成装置100に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等の外部機器にインストールされたドライバ上で、予め両面プリントモードが選択されているものとする。
先ず、プリント命令が送られてくると、エンジン制御部120は、初期回転を開始し、初期制御値Vt0を求めて、メモリー124内に格納する(S101)。次に、エンジン制御部120は、求められた初期制御値Vt0と上記式(1)とから、転写バイアス値Vtを演算し、決定して、メモリー124に格納する(S102)。
更に、エンジン制御部120は、転写材Pの印字面を判別する(S103)。印字面が1面目であれば、エンジン制御部120は、レジストローラ対76a、76bの駆動開始から所定のタイミングで、転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を初期制御値Vt0から転写バイアス値Vtへ変更する(S104)。
印字面が2面目であれば、エンジン制御部120は、レジストローラ対76a、76bの駆動開始から所定のタイミングで、転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を初期制御値Vt0から補正転写バイアス値Vt’へ変更する(S105)。その後、エンジン制御部120は、除電バイアスがHighバイアスからLowバイアスへ切り替わったタイミングで、転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を補正転写バイアス値Vt’から転写バイアス値Vtへ変更する(S106)。
尚、補正転写バイアス値Vt’は、S105において、転写バイアス値Vtと上記式(2)とから演算し、決定してもよいし、予めS102で演算してメモリー124内に格納しておいてもよい。
その後、エンジン制御部120は、転写材Pの搬送方向後端が転写ニップ部Nを通過するタイミングと同期して、転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を転写バイアスVtから初期制御値Vt0へ変更する(S107)。
エンジン制御部120は、以後、同様の手順により指定枚数になるまで(S108)、プリントを継続する。
(4)実験例
実際に、本実施例の画像形成装置100を用いて、除電針8aにHighバイアスが印加されている間に転写ローラ5に印加するバイアスの制御値をVtとVt’とで変更して画像形成を行った。又、比較例1として転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を常にVtとして画像形成を行って、転写材Pの2面目における転写不良の発生状況を、本実施例の場合と比較した。結果を表1に示す。尚、転写材Pとしては、坪量75g/m2の普通紙を用いた。
Figure 2007171425
表1から分かるように、比較例1では、NN環境からLL環境にかけて転写材Pの2面目の先端部において転写不良が発生した。これに対して、本実施例では全ての環境において良好な画像が得られた。
以上説明したように、本実施例の画像形成装置100は、転写用と、転写材Pの感光体1からの分離用とで別個の電源を備えている。そして、転写用の電源として限流抵抗が比較的大きな電源を用いても、転写材Pの感光体1からの分離用のバイアスの印加による転写バイアスの低下を適正に補正することができる。従って、転写バイアスの低下による転写不良を防止することができる。又、限流抵抗が比較的大きく、小型な電源を有効に用いることができるので、装置の小型化を図ることができ、転写用の電源及び転写材Pの感光体1からの分離用の電源を有する画像形成装置の小型化を図ることができる。
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。尚、本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと実質的に同じである。従って、実施例1で説明したものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明を省略する。
実施例1では、初期回転において転写ローラ5の電気抵抗値を読み取ったあと、転写バイアスは、画像形成装置100の置かれた環境に拘わらず転写効率を略一定とするように制御した。
ところが、画像形成装置100で使用される転写材Pの種類は複数存在し、同じ環境下であっても転写材Pの種類によってその電気抵抗値が異なる。そのため、転写材Pの種類に拘わらず同じ転写効率を得るためには、転写材Pの種類に応じて転写バイアスの大きさを異ならせることが望ましい。
そこで、最近では、使用する転写材Pの種類に応じて、転写バイアス値Vtを決定する制御式を複数備えた装置がある。
例えば、一般的に使用される普通紙にはノーマルモード、厚紙や電気的に高抵抗な紙にはハイモード、薄紙にはローモードのように、転写材Pの種類に応じて転写ローラ5に印加するバイアスの大きさを変化させる場合がある。
本実施例では、転写モードとして、普通紙に対応したノーマルモード(第1のモード)と、厚紙や電気的に高抵抗な紙に対応したハイモード(第2のモード)と、を使用者が選択できるようになっている。
転写モードの選択は、使用者が画像形成装置100の操作部(図示せず)において行うようになっていてよい。或いは、転写モードの選択は、画像形成装置100に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等の外部機器にインストールされたドライバ上で行うようになっていてもよい。又、転写モード自体の選択を行うようになっていてもよいし、転写材Pの種類の選択に連動して転写モードが選択されるようになっていてもよい。更に、転写モードは、使用者が選択するのではなく、画像形成装置100が備えた転写材種類判別手段によって判別した転写材の種類に応じて自動的に選択されるようになっていてもよい。転写材種類判別手段としては、機械式或いは光学式のセンサー等を用いることができる。
式(4)はハイモードにおける転写バイアス値の制御式であり、ハイモードにおいて転写時に転写ローラ5に印加するバイアスの制御値である転写バイアス値Vthを求めることができる。式(4)では、式(1)に対応する係数A、BをそれぞれAh、Bhとしている。又、式(5)はノーマルモードにおける転写バイアス値の制御式であり、ノーマルモードにおいて転写時に転写ローラ5に印加するバイアスの制御値である転写バイアス値Vtnを求めることができる。式(5)では、式(1)に対応する係数A、BをそれぞれAn、Bnとしている。
Vth=Ah×Vt0+Bh ・・・(4)
Vtn=An×Vt0+Bn ・・・(5)
尚、VtnとVthは以下の関係にある。
Vth>Vtn
又、ハイモードにおいて除電針8aにHighバイアスが印加されている間に転写ローラ5に印加するバイアスの制御値である補正転写バイアス値Vt’hは、制御式(6)により求めることができる。式(6)では、式(2)に対応する係数αをαhとしている。同様に、ノーマルモードにおいて除電針8aにHighバイアスが印加されている間に転写ローラ5に印加するバイアスの制御値である補正転写バイアス値Vt’nは、制御式(7)で求めることができる。式(7)では、式(2)に対応する係数αをαnとしている。
Vt’h=Vth×αh ・・・(6)
Vt’n=Vtn×αn ・・・(7)
尚、αhとαnは、本実施例では、αh=1.18、αn=1.15としている。即ち、Vt’nとVt’hは以下の関係にある。
Vt’h>Vt’n
又、この係数αh、αnは、実施例1にて説明したのと同様にして求めることができる。
上述のように、本実施例では、転写バイアス電源50がトナーの転写のために出力するバイアスの設定値(制御値)を求めるための演算式は、転写材Pの種類に応じて複数種類設けられている。又、第1のバイアス(Lowバイアス)に対する転写バイアスの設定値(制御値)から、第2のバイアス(Highバイアス)に対する転写バイアス値(制御値)を求めるための係数は、転写材Pの種類に応じて複数種類設けられている。
このように、転写材Pの種類に応じて除電針8aにHighバイアスが印加されている間に転写ローラ5に印加するバイアスの制御値である補正転写バイアス値Vt’h、Vt’nを異ならせる。これにより、転写材Pの電気抵抗値が変化しても適正な転写バイアスが印加されるように制御することができる。
次に、本実施例の制御フローを示す図6をも参照して、転写バイアス制御手順を更に説明する。尚、ここでは、画像形成装置100の操作部(図示せず)、或いは画像形成装置100に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等の外部機器にインストールされたドライバ上で、予め両面プリントモードが選択されているものとする。
先ず、プリント命令が送られてくると、エンジン制御部120は、初期回転を開始し、初期制御値Vt0を求めて、メモリー124内に格納する(S201)。次に、エンジン制御部120は、求められた初期制御値Vt0と上記式(4)、(5)とから、ハイモードとノーマルモードとのそれぞれに対する転写バイアス値Vth、Vtnを演算し、決定して、メモリー124に格納する(S202)。
更に、エンジン制御部120は、転写材Pの印字面を判別する(S203)。印字面が1面目であれば、エンジン制御部120は、次に、使用者が選択した転写モードを判別する(S204)。そして、ノーマルモードであれば、エンジン制御部120は、レジストローラ対76a、76bの駆動開始から所定のタイミングで、転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を初期制御値Vt0から転写バイアス値Vtnへ変更する(S205)。又、ハイモードであれば、エンジン制御部120は、レジストローラ対76a、76bの駆動開始から所定のタイミングで、転写ローラ5に印加するバイアスを初期制御値Vt0から転写バイアス値Vthへ変更する(S206)。
印字面が2面目であれば、エンジン制御部120は、次に、使用者が選択した転写モードを判別する(S207)。そして、ノーマルモードであれば、エンジン制御部120は、レジストローラ対76a、76bの駆動開始から所定のタイミングで、転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を初期制御値Vt0から補正転写バイアス値Vt’nへ変更する(S208)。その後、エンジン制御部120は、除電バイアスがHighバイアスからLowバイアスへ切り替わったタイミングで、転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を補正転写バイアス値Vt’nから転写バイアス値Vtnへ変更する(S209)。又、ハイモードであれば、エンジン制御部120は、レジストローラ対76a、76bの駆動開始から所定のタイミングで、転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を初期制御値Vt0から補正転写バイアス値Vt’hへ変更する(S210)。その後、エンジン制御部120は、除電バイアスがHighバイアスからLowバイアスへ切り替わったタイミングで、転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を補正バイアス値Vt’hから転写バイアス値Vthへ変更する(S211)。
尚、補正転写バイアス値Vt’h又はVt’nは、S210又はS208において、転写バイアス値Vth又はVtnと上記式(6)又は(7)とから演算し、決定してもよいし、予めS202で演算してメモリー124内に格納しておいてもよい。
その後、エンジン制御部120は、転写材Pの搬送方向後端が転写ニップ部Nを通過するタイミングと同期して、転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を転写バイアスVtn又はVthから、Vt0へ変更する(S212)。
エンジン制御部120は、以後、同様の手順により指定枚数になるまで(S213)、プリントを継続する。
実際に、本実施例の画像形成装置100を用いて、普通紙と電気的に高抵抗な紙とに、それぞれの転写モードで画像形成を行った。又、比較のために、ハイモードの転写バイアス値Vthは設定するが、除電針8aにhighバイアスが印加されている間も転写バイアスの制御値を変更しない比較例2を用意した。又、比較のために、ノーマルモードしか有さず且つ除電針8aにHighバイアスが印加されている間も転写バイアスの制御値を変更しない比較例3を用意した。そして、それぞれの場合のLL環境での2面目における転写不良の発生状況を比較した。結果を表2に示す。
Figure 2007171425
表2から分かるように、比較例1でも、電気的に高抵抗な紙の場合にハイモードを選択すれば、2面目の転写材Pの先端部の転写不良をある程度防止できる。これに対して、本実施例のように転写材Pの種類に応じて除電針8aにHighバイアスが印加されている間の転写バイアスの制御値を変化させることにより、更に良好な画像を得ることができる。一方、比較例3では、電気的に高抵抗な紙において転写不良が発生した。
更に説明すると、比較例2では、電気的に高抵抗な紙の場合に2面目の転写材Pの搬送方向先端部の転写不良が軽微に発生した。これは、目標とする転写バイアス値が大きく、高圧の立ち上がりが不足しているためであると考えられる。
これに対して、本実施例では、2面目の転写材Pの搬送方向先端部の、除電針8aにHighバイアスが印加されている区間で転写バイアスの電圧設定値をノーマルモードよりも強く設定する。これにより、厚紙や電気的に高抵抗な紙の場合でもより確実に転写不良を防止できるようになる。
以上説明したように、本実施例によれば、実施例1と同様の効果を奏し得ると共に、転写材Pの種類に応じて更に良好な転写性能を得ることができる。
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。
例えば、上記各実施例においては、除電針8aにHighバイアスを印加するシーケンスが、転写材Pの2面目先端部のみである場合について説明した。しかし、その他、転写材Pの後端が転写ニップ部Nを抜けるときに除電針8aにHighバイアスを印加することもできる。この場合、転写材Pの搬送方向後端のエッジと感光体1との間で発生する剥離放電を防止することができる。このようなシーケンスにも本発明を応用でき、上記各実施例と同様にして、除電針8aにHighバイアスが印加されているときの転写バイアスの制御値を変更することができる。
又、上記各実施例では、除電針8aに印加するバイアスのレベルが2段階である場合について説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、除電針8aに印加されるバイアスが2段階以上ある場合にも、各レベルに対応して転写バイアスの制御値を変更することができる。又、除電針8aに2段階以上の複数のレベルのバイアスが印加される場合において、いずれか複数のレベルに対する転写バイアスの制御値が同じであってもよい。除電針8aに印加される複数レベルのバイアスに対応して、切り替え可能な少なくとも2段階の複数レベルの転写バイアスの制御値を有していればよい。又、除電針8aに印加されるバイアスが段階的又は連続的に変化される場合において、該バイアスが予め決められた所定値以上のときに、転写ローラ5に印加するバイアスの制御値を変更することもできる。除電針8aに印加されるバイアスの値に関し、転写バイアスに対する干渉が発生する虞のある閾値を予め上記所定値として求めておけばよい。
更に、上記各実施例では、画像形成装置100は、単一の画像形成部を有する単色用の画像形成装置であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。従来、単数又は複数の像担持体に順次に形成されたトナー像を、転写材担持体上の転写材に直接又は中間転写体に一旦転写した後転写材に転写して、例えばフルカラー画像を形成するカラー画像形成装置が広く用いられている。本発明はこの斯かる画像形成装置にも当然適用可能である。
図7は、カラー画像形成装置の一例として、タンデム方式、直接転写方式を採用したカラー画像形成装置200の概略断面構成を示す。図7の画像形成装置200は、それぞれ異なる色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像を形成する4個の画像形成部(ステーション)SY、SM、SC、SKを有する。図7の画像形成装置200において、図1の画像形成装置100のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。又、各ステーションSY、SM、SC、SKは、実質的に同一の構成を有する。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して総括的に説明する。
図7の画像形成装置200では、各画像形成部Sにおいて形成されたトナー像は、転写材担持体としての誘電体シートで形成された転写ベルト201上に担持された転写材Pに順次に静電的に転写される。転写ベルト201は、通常、ローラ等の複数の導電性の支持部材に張架されている。
転写材Pの搬送方向において最下流のステーションSKの転写ニップ部Nより下流に、転写材Pを除電して転写材Pの転写ベルト201への静電吸着力を減衰させる分離帯電手段202を設けることができる。分離帯電手段202には、通常、転写バイアスと逆極性のバイアスが印加される。分離帯電手段202としては、通常、コロナ放電器、除電針のような非接触帯電手段が用いられる。これにより、剥離放電による画像不良等を防止することができる。
又、転写材Pの搬送方向において最上流の転写ニップ部Nより上流側に、転写材Pを静電的に転写ベルト201に吸着させる吸着帯電手段203を設けることができる。吸着帯電手段203は、バイアスが印加されて、転写材Pに電荷を付与して、これを静電的に転写ベルト201に吸着させる。吸着帯電手段203としては、コロナ放電器のような非接触帯電手段、又はブレード、ローラ、ブラシのような帯電部材を用いた接触帯電手段が用いられる。
又、転写材Pの搬送方向において各ステーションSの転写ニップ部Nの下流側に、例えば、転写ベルト201に対して非接触に対向して除電針8aが配置されることがある。これにより、感光体1と転写材Pが剥離するときの剥離放電による画像不良等を防止することができる。
そして、例えば、図7の画像形成装置200において、各ステーションSの除電針8aと転写ローラ5との関係に、本発明を適用することができる。
図8は、カラー画像形成装置の他の例として、タンデム方式、中間転写方式を採用したカラー画像形成装置300の概略断面構成を示す。図7の画像形成装置300において、図1の画像形成装置100、図7の画像形成装置200のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
図8の画像形成装置300では、各ステーションSにおいて形成されたトナー像は、一次転写ニップ部N1において、中間転写体としての誘電体シートで形成された中間転写ベルト301上に順次に静電的に転写(一次転写)される。中間転写ベルト301は、通常、ローラ等の複数の導電性の支持部材に張架されている。その後、このトナー像は、二次転写ニップ部N2において転写材Pに一括して静電的に転写(二次転写)される。二次転写ニップ部N2には、中間転写ベルト301上のトナーを転写材Pに向かわせる電界を形成する二次転写手段302が配置される。図示の例では、二次転写工程時に、二次転写手段としての二次転写ローラ302に、二次転写バイアス出力手段としての二次転写バイアス電源303から出力されるトナーと逆極性の二次転写バイアスが印加される。二次転写バイアス電源303は、上記実施例における転写バイアス電源50と実質的に同じ構成とすることができる。
そして、例えば、図8の画像形成装置300において、転写材Pの搬送方向において二次転写ニップ部N2の下流側に除電針8aが配置されることがある。この場合、二次転写工程後の除電針8aと二次転写手段202との関係に、本発明を適用することができる。
又、転写材Pの搬送方向において転写部材の上流又は下流近傍に配置されて、転写工程時に同時に、転写材Pに電荷を付与するか又は転写材Pから電荷を除去する導電部材(バイアス印加部材)は、上述の除電部材に限定されるものではない。この導電部材は、転写材Pに接触して又は転写材Pに接触する部材(誘電体シート)に接触して配置されるか、非接触に対向配置される導電性の部材により構成することができる。又、この導電性部材は、シート状の転写材Pの表面又は裏面のいずれの側に設けられていてもよい。
例えば、この導電部材としては、上記吸着帯電手段、分離帯電手段、転写材担持体の支持ローラ等の支持部材、加熱定着部材若しくは加圧定着部材等の定着部材、転写材の搬送ガイド、レジストローラ等の転写材のレジスト部材などが挙げられる。吸着帯電部材、分離帯電部材としては、ブレード、ローラ、ブラシ等の接触帯電部材や、コロナ放電器、除電針等の非接触帯電部材があり、これらにバイアスが印加されることは上述した通りである。又、定着装置が備える加熱定着部材や加圧定着部材にも、トナーの転写材への拘束力を向上するためにバイアスが印加されることがある。上記その他の部材においても、例えば、転写材の転写材担持体への吸着性の向上等のためにバイアスが印加されることが考えられる。
上記いずれの場合にも、この導電性部材に転写用とは別個の電源から複数レベルのバイアスが印加可能であり、又その電源の限流抵抗よりも転写用の電源の限流抵抗の方が大きくなっている場合には、前述のような転写バイアスに対する干渉が発生し易くなる。
又、転写手段としては、接触帯電部材である転写ローラに限らず、ブレード、ブラシ等の他の接触帯電部材、或いはコロナ放電器等の非接触帯電器を用いることもできる。
本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面図である。 図1の画像形成装置における転写部近傍、及び高圧回路部とエンジン制御部の構成を示す概略ブロック構成図である。 本発明に従う転写バイアスの制御シーケンスにおける転写材位置、転写バイアス、除電バイアスの関係を示すタイミングチャート図である。 転写材の2面目に関する転写バイアスと電圧降下との関係の一例を示すグラフ図である。 本発明に従う転写バイアスの制御手順の一例を示すフロー図である。 本発明に従う転写バイアスの制御手順の他の例を示すフロー図である。 本発明を適用し得る画像形成装置の他の例の概略断面構成図である。 本発明を適用し得る画像形成装置の更に他の例の概略断面構成図である。 転写材の搬送方向において転写ローラの下流側に除電針を配置した画像形成装置の転写部近傍を示す概略ブロック構成図である。 従来の転写材位置、転写バイアス、除電バイアスの関係を示すタイミングチャート図である。
符号の説明
1 感光体(像担持体)
2 帯電ローラ(一次帯電手段)
3 レーザースキャナー装置(露光手段)
4 現像器(現像手段)
5 転写ローラ(転写手段)
8 除電器
8a 除電針
8b 除電カバー
50 転写バイアス電源(転写バイアス出力手段)
80 除電バイアス電源(除電バイアス出力手段、導電部材バイアス出力手段)

Claims (15)

  1. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体とニップ部を形成して該ニップ部で前記像担持体から転写材にトナー像を転写する転写手段と、前記転写のためのバイアスを前記転写手段に対して出力する転写バイアス出力手段と、転写材に電荷を付与するか又は転写材から電荷を除去する導電部材と、前記転写バイアス出力手段が転写材に対する前記転写のためのバイアスを出力している時に同時に、その転写材に対する前記電荷付与又は電荷除去のためのバイアスを前記導電部材に対して出力する導電部材バイアス出力手段と、を有する画像形成装置において、
    前記導電部材バイアス出力手段は、前記電荷付与又は電荷除去のために互いに値の異なる第1及び第2のバイアスを出力可能であり、前記導電部材バイアス出力手段が前記第1のバイアスを出力している時と前記第2のバイアスを出力している時とで、前記転写バイアス出力手段が出力する前記転写のためのバイアスの設定値が異なることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第2のバイアスの絶対値は前記第1のバイアスの絶対値よりも大きく、前記転写バイアス出力手段が出力する前記転写のためのバイアスの設定値の絶対値は、前記導電部材バイアス出力手段が前記第1のバイアスを出力している時よりも前記第2のバイアスを出力している時の方が大きいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記導電部材バイアス出力手段が前記第2のバイアスを出力している時に前記転写バイアス出力手段が出力する前記転写のためのバイアスの設定値は、前記導電部材バイアス出力手段が前記第1のバイアスを出力している時に前記転写バイアス出力手段が出力する前記転写のためのバイアスの設定値を予め決められた係数倍した値であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記係数を、転写材の種類に応じて複数有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記転写バイアス出力手段が定電流制御又は定電圧制御されたバイアスを出力している時の前記転写バイアス出力手段の出力電圧値又は出力電流値を検知する検知手段と、
    前記ニップ部に転写材が無い状態で前記転写バイアス出力手段が予め決められた定電流制御又は定電圧制御された検知バイアスを出力している時の、前記転写バイアス出力手段の出力電圧値又は出力電流値を前記検知手段により検知した結果に基づいて、前記導電部材バイアス出力手段が前記第1のバイアスを出力している時に前記転写バイアス出力手段が出力する前記転写のためのバイアスを設定する転写バイアス設定手段と、
    を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  6. 前記導電部材バイアス出力手段が前記第1のバイアスを出力している時に前記転写バイアス出力手段が出力する前記転写のためのバイアスの設定値は、前記転写バイアス出力手段が前記検知バイアスを出力している時の前記転写バイアス出力手段の出力電圧値又は出力電流値を予め決められた演算式にて線形的又は非線形的に増大させた値であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記演算式を、転写材の種類に応じて複数有することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記転写バイアス出力手段は、転写バイアス出力部及び第1の限流抵抗を有し、前記転写バイアス出力部から前記転写のための定電圧制御されたバイアスを前記転写手段に対して出力し、
    前記導電部材バイアス出力手段は、導電部材バイアス出力部及び第2の限流抵抗を有し、前記導電部材バイアス出力部から前記電荷付与又は電荷除去のための定電圧制御されたバイアスを前記導電部材に対して出力し、
    前記第2の限流抵抗よりも前記第1の限流抵抗の方が電気的抵抗が大きいことを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  9. シート状の転写材の第1面と第2面とに画像を形成することが可能であり、前記導電部材バイアス出力手段は、第1面に画像が形成された後の転写材の第2面にトナー像を転写するために前記ニップ部に転写材がある時に、前記第2のバイアスを出力することを特徴とする請求項2〜8のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  10. 前記導電部材は、転写材の搬送方向において前記ニップ部より下流側に配置され、転写材の電荷を除去することを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  11. 前記転写バイアス出力手段が出力する前記転写のためのバイアスの極性と、前記導電部材バイアス出力手段が出力する前記電荷付与又は電荷除去のためのバイアスの極性とは異なることを特徴とする請求項1〜10のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  12. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体とニップ部を形成して該ニップ部で前記像担持体から転写材にトナー像を転写する転写手段と、前記転写のためのバイアスを前記転写手段に対して出力する転写バイアス出力手段と、前記転写バイアス出力手段が出力する前記転写のためのバイアスの設定値に対応する制御信号を前記転写バイアス出力手段に対して出力する制御信号出力手段と、転写材に電荷を付与するか又は転写材から電荷を除去する導電部材と、前記転写バイアス出力手段が転写材に対する前記転写のためのバイアスを出力している時に同時に、その転写材に対する前記電荷付与又は電荷除去のためのバイアスを前記導電部材に対して出力する導電部材バイアス出力手段と、を有する画像形成装置において、
    前記導電部材バイアス出力手段は、前記電荷付与又は電荷除去のために互いに値の異なる第1及び第2のバイアスを出力可能であり、前記導電部材バイアス出力手段が前記第1のバイアスを出力している時と前記第2のバイアスを出力している時とで、前記制御信号出力手段が出力する制御信号の示すバイアスの値が異なることを特徴とすることを特徴とする画像形成装置。
  13. 前記導電部材バイアス出力手段が前記第2のバイアスを出力している時に前記制御信号出力手段が出力する前記制御信号が示すバイアスの絶対値は、前記導電部材バイアス出力手段が前記第1のバイアスを出力している時に前記制御信号出力手段が出力する前記制御信号が示すバイアスの絶対値よりも大きいことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記転写バイアス出力手段が定電流制御又は定電圧制御されたバイアスを出力している時に、該バイアスに応じた電気信号を出力する検知手段を有しており、
    前記ニップ部に転写材が無い状態で前記転写バイアス出力手段が予め決められた定電流制御又は定電圧制御された検知バイアスを出力している時に前記検知手段が出力する電気信号値が異なる場合には、前記導電部材バイアス出力手段が前記第1のバイアスを出力している時に前記制御信号出力手段が出力する制御信号の示すバイアスの値が異なることを特徴とする請求項12又は13に記載の画像形成装置。
  15. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体とニップ部を形成して該ニップ部で前記像担持体から転写材にトナー像を転写する転写手段と、前記転写のためのバイアスを前記転写手段に対して出力する転写バイアス出力手段と、転写材に電荷を付与するか又は転写材から電荷を除去する導電部材と、前記転写バイアス出力手段が転写材に対する前記転写のためのバイアスを出力している時に同時に、その転写材に対する前記電荷付与又は電荷除去のためのバイアスを前記導電部材に対して出力する導電部材バイアス出力手段と、を有する画像形成装置において、
    前記導電部材バイアス出力手段は、前記電荷付与又は電荷除去のために複数レベルのバイアスを出力可能であり、前記転写バイアス出力手段が出力する前記転写のためのバイアスの設定値は、前記導電部材バイアス出力手段が出力するバイアスの絶対値が予め決められた値未満の場合よりも該予め決められた値以上の場合の方が大きいことを特徴とする画像形成装置。

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