JP2004212674A - 2次元マトリクス平面表示素子及びその駆動方法 - Google Patents

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宏一 木村
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Abstract

【課題】動電圧が低く安価に大面積化が可能であると共に製作が容易で簡単な構成の、また液晶シャッタの有する偏光板や偏光軸等の問題の生じない、しかもUV光では使うことのできなかった多種類の有機材料が使えて材料の選択幅が広がる2次元マトリクス平面表示素子を得ること。
【解決手段】基板上に配置された異なる色を発光する複数のストライプ状の薄膜光源と、該薄膜光源の上に該薄膜光源と直交するように配置され、該薄膜光源からの光の透過率を電気機械的に制御する複数のストライプ状の1次元光変調アレイとを備えた2次元マトリクス平面表示素子であり、具体的に薄膜光源としては赤、緑、青の可視光域の波長である有機ELを用い、光変調アレイは、静電気により可撓薄膜が変位する原理を用いたものである。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄型の平面表示素子、マイクロディスプレイ(超小型ディスプレイ)、2次元露光素子(主に可視光に感光する感材露光用など)など、主に可視光を出射する2次元(平面)表示素子、および2次元発光素子及びその駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄型の平面表示装置としては、種々のものが提案されており、代表的なものに、例えば液晶の電気光学効果を利用した液晶表示素子、プラズマ表示装置、フィールドエミッションディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、無機エレクトロルミネッセンス等がある。
また、光源光を導光体に導入し、静電気力により可動子を位置変化させて光出射させる平面表示装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特願2001−220044号
【0004】
液晶表示装置(LCD)は、一対の導電性透明膜を形成した基板間に、基板と平行に且つ両基板間で90°ねじれた状態にするように配向したネマティック液晶を入れて封止し、これを直交した偏光板で挟んだ構造を有する。この液晶表示装置による表示は、導電性透明膜に電圧を印加することで液晶分子の長軸方向が基板に対して垂直に配向され、バックライトからの光の透過率が変化することを利用して行われる。良好な動画像対応性を持たせるためには、TFT(薄膜トランジスタ)を用いたアクティブマトリクス液晶パネルが使用される。
【0005】
プラズマ表示装置(PDP)は、ネオン、ヘリウム、キセノン等の希ガスを封入した二枚のガラス板の間に、放電電極に相当する規則的に配列した直交方向の電極を多数配置し、それぞれの対向電極の交点部を単位画素とした構造を有する。このプラズマ表示装置による表示は、画像情報に基づき、それぞれの交点部を特定する対向電極に、選択的に電圧を印加することにより、交点部を放電発光させ、発生した紫外線により蛍光体を励起発光させて行われる。
【0006】
フィールドエミッションディスプレイ(FED)は、微小間隔を介して一対のパネルを対向配置し、これらパネルの周囲を封止する平板状の表示管としての構造を有する。表示面側のパネルの内面には、蛍光膜が設けられ、背面パネル上には個々の単位発光領域毎に電界放出陰極が配列される。代表的な電界放出陰極は、微小サイズのエミッタティプと称される錐状突起状の電界放出型マイクロカソードを有している。このFEDによる表示は、エミッタティプを用いて電子を取り出し、これを蛍光体に加速照射することで、蛍光体を励起させて行われる。
【0007】
有機エレクトロルミネッセンス(EL)は、発光材料として用いる有機材料を選択することにより容易に可視域をすべてカバーすることができ、近年、高輝度・高効率な材料が多く開発され、盛んに研究が行われてきている。素子寿命も連続動作で1万時間を超え、カラーディスプレイとして実用化されてきている。
【0008】
無機エレクトロルミネッセンス(EL)は、電界による衝突励起を利用するもので、小型または大型軽量のフラットディスプレイとして、盛んに研究されている。黄橙色発光のマンガン添加硫化亜鉛からなる蛍光体薄膜を用いたモノクロ薄膜E Lディスプレイが既に実用化されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の平面表示装置には、以下に述べる種々の問題があった。
LCDでは、バックライトからの光を、偏光板、透明電極、カラーフィルターの多数層に透過させるため、光利用効率が低下する問題があった。また、高品位型には高コストのTFTが必要とされ、且つ二枚の基板間に液晶を封入し、配向させなければならないことも相まって、大面積化が困難とある欠点があった。更に、配向した液晶分子に光を透過させるため、視野角度が狭くなる欠点があった。特に、中間色の視野角依存性を完全に補正することが困難であった。
【0010】
PDPでは、画素毎にプラズマを発生させるための隔壁形成により製造コストが高くなると共に、大重量となる欠点があった。また、放電電極に相当する多数の電極を、単位画素毎に規則的に配列しなければならない。このため、高精細になると発光(放電)効率が低下し、また真空紫外線励起による蛍光体の発光効率が低いために、高電力効率で高精細、高輝度の画像が得難い欠点があった。更に、駆動電圧が高く、駆動ICが高価な欠点もあった。
【0011】
FEDでは、放電を高効率且つ安定化させるために、パネル内を超高真空にする必要があり、プラズマ表示装置と同様に製造コストが高くなる欠点があった。また、電界放出した電子を加速して蛍光体へ照射するため、高電圧が必要となる不利もあった。
【0012】
有機ELでは、アクティブマトリックスで10インチ以上の大面積表示画面を作るには、低温ポリシリコンTFTが必要となり、したがって高コストとなり、さらに、表示均一性が良くなかった。
【0013】
無機ELでは、発光効率が悪く、高コストであり、高電圧の駆動IC回路が必要となり、性能不足である。また、硫化物蛍光体薄膜を用いた薄膜E Lディスプレイは、信頼性、耐環境性に優れているが、現在のところ、赤色、緑色、青色の3原色に発光するE L用蛍光体の特性が十分でないため、フルカラー化には適していない。
【0014】
また、特開2001−83501号公報では、青色の励起光をバックライトとして使用し、液晶スイッチを介して青色光はそのまま透過させて青色として使い、同時に色変換機能を有するフィルタで緑と赤の発光を行なわせて成るマルチカラーのディスプレイが開示されている。
しかしながら、この液晶スイッチによるディスプレイは、液晶の両側に偏光板が用いられており、偏光板の内側に蛍光体を入れると光が散乱して偏光解消してしまうため、蛍光体は偏光板の外側に設けざるを得ず、従ってガラスに対して斜めに入った光はガラスの厚みが大きいため真上の画素ではなくて隣の画素を照射することがおこり、コリメート光(直進光)以外は光路がずれてしまい、画素ズレをおこしやすいという欠点があった。
【0015】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、駆動電圧が低く安価に大面積化が可能であると共に製作が容易な簡単な構成であって、高画質、高速応答性を有する平面表示素子、しかも波長変換機能が不要な表面表示素子を提供することにある。また、本発明では前述の液晶シャッタを用いずにMEM(機械電気光変調)アレイを使用するので偏光板や偏光軸等の問題が生じない。さらに、本発明では有機EL(可視光)を使うのでUV光では使うことのできなかった多種類の有機材料が使えるようになり、材料の選択幅が広がる。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の2次元マトリクス平面表示素子の駆動方法の発明は、異なる色を発光する複数のストライプ状の薄膜光源の各々の電極に走査信号を印加し、それと直交する複数のストライプ状の1次元光変調アレイの各々の電極に画像信号を印加し、走査信号を順次印加して薄膜光源を順次発光させ、それと同期して画像信号を印加し、所望の画素の光透過率を制御して表示を行うことを特徴とする。
請求項2記載の2次元マトリクス平面表示素子の発明は、基板上に配置された異なる色を発光する複数のストライプ状の薄膜光源と、該薄膜光源の上に該薄膜光源と直交するように配置され、該薄膜光源からの光の透過率を電気機械的に制御する複数のストライプ状の1次元光変調アレイとを備えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の2次元マトリクス平面表示素子において、前記薄膜光源は有機ELであることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の2次元マトリクス平面表示素子において、前記異なる色は可視光域の波長であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の2次元マトリクス平面表示素子において、前記可視光域の波長は赤、緑、青の1色以上であることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項2〜5のいずれかのいずれか1項記載の2次元マトリクス平面表示素子において、前記光変調アレイは、静電気により可撓薄膜が変位する原理を用いたものであることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の2次元マトリクス平面表示素子において、前記光変調アレイは、前記可撓薄膜の変位により光路開口面積を変化させて光透過率を制御するものであることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項6記載の2次元マトリクス平面表示素子において、前記光変調アレイは、前記可撓薄膜の変位により結合素子を移動させて近接光の透過と全反射による遮光によりと光透過率を制御するものであることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項8項記載の2次元マトリクス平面表示素子において、前記光変調アレイはバックライト入射型であり、前記薄膜光源上に少なくとも各色用の光路選択膜を配置してなることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項2〜9のいずれか1項記載の2次元マトリクス平面表示素子において、前記光路選択膜の前方に外部光を減衰させるNDフィルム又は偏光フィルムを有することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項2〜10のいずれか1項記載の2次元マトリクス平面表示素子において、前記有機ELに走査信号を与え、前記1次元光変調アレイに画像信号を与えることを特徴とする。
【0018】
請求項12記載の光学素子の発明は、前記薄膜光源と、前記薄膜光源に面して配置されて当該面から導入した前記薄膜光源からの面状の入射光の少なくとも一部を全反射させて、入射光を実質的に光路前方に出射させない全反射面を光路前方の他方の面に設けた全反射光学部材と、全反射光学部材の全反射面の所望位置に表示画像様に近接して設けられて前記全反射面における入射光の全反射条件を崩して該全反射面から入射光を結合させて取り出す1次元光変調アレイと、請求項8記載の2次元マトリクス平面表示素子とから構成されることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項12記載の光学素子において、前記全反射光学部材が、前記面状の入射光の光路を変化させる光学要素を有することを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項12記載の光学素子において、前記全反射光学部材が、前記面状の入射光の光路を選択させる光学要素を有することを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項12記載の光学素子において、前記全反射光学部材が、前記面状の入射光の導入側から、該入射光の光路を変化させる光学要素と、入射光の光路を選択する光学要素をこの順序で有することを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項12〜15のいずれか1項記載の光学素子において、前記光結合要素が、取り出した光の光路を変化させる光路変更手段を有することを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項16記載の光学素子において、前記光路変更手段が、屈折により前記取り出した光の光路を変化させることを特徴とする。
請求項18記載の発明は、請求項17記載の光学素子において、前記光路変更手段が、レンズアレイ、プリズムアレイ、屈折率分布レンズ体のいずれかからなることを特徴とする。
【0019】
請求項19記載の発明は、請求項16記載の光学素子において、前記光路変更手段が、回折により前記取り出した光の光路を変化させることを特徴とする。
請求項20記載の発明は、請求項19記載の光学素子において、前記光路変更手段が、体積ホログラム、位相変調型回折格子、振幅変調型回折格子のいずれかからなることを特徴とする。
請求項21記載の発明は、請求項16記載の光学素子において、前記光路変更手段が、光拡散又は光散乱により前記取り出した光の光路を変化させることを特徴とする。
請求項22記載の発明は、請求項21記載の光学素子において、前記光路変更手段が、多孔質体、異種屈折率分散体又は分布体、表面に凹凸を有する光拡散体又は光散乱体のいずれかであることを特徴とする。
以上のように、基板上に異なる色を発光する複数のストライプ状の有機ELによる光源と、それと直交するようにストライプ状の光変調素子アレイを設け、その光変調素子アレイは電気機械的に光源からの光の透過率を制御するようにしたので、駆動電圧が低く、TFTを用いないので安価になり、しかも大面積化が可能であると共に製作が容易な簡単な構成であって、高画質、高速応答性を有する平面表示素子が得られるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る平面表示装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。 図1は本発明の第一実施形態に係る平面表示装置の一部断面図で、図2のA−A矢視図である。図2は本発明の第一実施形態に係る平面表示装置の平面図である。
図1において、10が平面表示装置で、これは基板1、有機EL(エレクトロルミネッセンス)2、光路選択膜3、透明媒質(バッファ層)4、MEM(機械電気光変調)アレイ5より構成される。基板1は各種の膜等を配設するためのものであり、剛性のあるものがよく、ガラス板や、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の樹脂フィルムにより形成することができる。そして、この基板1上に、基板1側から順に、有機EL(エレクトロルミネッセンス)2、光路選択膜3、バッファ層4、そしてMEM(機械電気光変調)アレイ5が配設されている。
【0021】
有機EL2は、基板1の上に図1の左側から右側へ、例えば、青(B)の有機EL2B、緑(G)の有機EL2G、赤(R)の有機EL2R、・・・の順に繰り返しながら図で左右方向に所定数配設されている。各有機EL2は、基板1側から、基板1の全面に広がる(いわゆる、ベタ電極)カソード共通電極22と、カソード共通電極22の上にそれぞれ図1で紙面に垂直方向(図2で左右方向)に互いに平行に延設されるストライプ(帯)状有機EL層24(24B、24G、24R)と、各ストライプ(帯)状有機EL層24の上に配設されて行ストライプ電極(走査用電極)をなす透明なアノード電極(ITO)26と、から構成されている。
なお、上記の例では有機ELのカソード電極を全面ベタ、アノード電極をストライプとしているが、この逆でももちろんかまわない。
カソード共通電極22はメタル反射膜、AgMg等で構成することができる。
透明なアノード電極26は、一般的には微粒子化により透明になされた金属或いは導電性を有する金属化合物で構成される。この金属としては、金、銀、パラジウム、亜鉛、アルミニウム等を用いることができ、金属化合物としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、アルミニウム添加酸化亜鉛(通称;AZO)等を用いることができる。具体的には、SnO2 膜(ネサ膜)、ITO膜等を挙げることができる。
有機ELの各色層については後述する。
【0022】
光路選択膜3は、入射光の成分のうち、全反射条件を満たさない入射光成分を遮光して全反射する入射光成分だけを選択的に出射させる機能を有するものである。また、光路選択膜3の入射側に光路を変化させる光路変化要素が設けられることもある。光路選択膜については後述する。
【0023】
バッファ層4はこの光路選択膜3から出射された入射光を全反射させるとともに界面に光結合要素が接したときに全反射条件が崩れて光結合要素側に出射する機能を有する透明媒質で、カソード電極22の全面に配設され、各有機EL3の上下方向の高低差を吸収して平坦性を確保する機能も有している。
以上の、光路変化要素と光路選択膜3とバッファ層(透明媒質)4とを纏めて全反射光学部材と呼ぶ。
【0024】
MEMアレイ5は、このバッファ層4の全面に広がる(ベタ電極)共通電極52と、これと可動部56との間に空隙をつくるために介在する絶縁性支柱54と、絶縁性支柱54の上にそれぞれ図1で左右方向(図2で上下方向)に互いに平行に橋絡延設される可動部56と、可動部56の上にそれぞれ図1で左右方向(図2で上下方向)に互いに平行に延設される列ストライプ状の可動部電極(画像信号用電極)58とから構成されている。可動部56は前述の光結合要素で構成されている。有機EL2のカソード共通電極22と所望のアノード電極26との間に走査信号電圧を、また、MEMアレイ5の共通電極52と所望の可動部電極58との間に画像信号用電圧を印加することにより、後述する原理により所望のMEMアレイ5から赤、緑、青のいずれかの光線を出射することができる。
【0025】
以上の立体構成を有する平面表示装置10の平面構成について図2を用いて説明する。図2において、基板1の全面にカソード共通電極22が配設され、このカソード共通電極22の上に1画素分を構成する有機EL層24の青層24B、緑層24G、赤層24Rがそれぞれ互いに平行に図2で左右方向にストライプ状に延設されており、これが図2で上から下へ必要画素数だけ設けられている。
【0026】
さらに、これらの各有機EL層24の青層24B、緑層24G、赤層24Rをそれぞれ覆うように、行ストライプ電極26が延設されている。そして、各行ストライプ電極26の上にそれぞれの各色に合わせた後述の光路選択膜3(図示なし)が配設され、この上にバッファ層4(図示なし)を介して、MEMアレイ5のベタ電極(共通電極)52が設けられ、これと若干の空隙を置いて透明な可動部56が上下方向に互いに平行に延設され、さらに、列ストライプ状の透明な可動部電極58が可動部56を覆っている。
【0027】
有機EL2のカソード共通電極22(アース側)は各アノード電極26との間に走査信号電圧Vgが与えられる。すなわち、図の左側に見られるように、上から3ストライプのアノード電極26で第1行画素の行電極を構成している。これら各行電極には上から順に、第1行画素の青層用走査信号Vg1B、緑層用走査信号Vg1G、赤層用走査信号Vg1Rが与えられる。
以下、同様に、図の上から第4〜第6ストライプの各アノード電極26で第2行画素の行電極を構成し、上から順に、第2行画素の青層用走査信号Vg2B、緑層用走査信号Vg2G、赤層用走査信号Vg2Rが与えられる。
同じく、図の上から第7〜第9ストライプの各アノード電極26で第3行画素の行電極を構成し、上から順に、第3行画素の青層用走査信号Vg3B、緑層用走査信号Vg3G、赤層用走査信号Vg3Rが与えられる。
【0028】
一方、MEMアレイ5の共通電極52(アース側)と各可動部電極58との間に画像信号電圧Vsが印加される。すなわち、図の上左側から3ストライプの可動部電極58にそれぞれ画像信号電圧Vs1、Vs2、Vs3が印加される。
先の第1行画素の行電極26(Vg1B、Vg1G、Vg1R)と可動部電極58との3カ所の重なり領域で、それぞれB、G、Rの3色による1画素が構成される。したがって、図2では、第1行画素電極26上で横に3つの画素が構成され、第3行電極26まであるので、合計9個の画素が構成されていることとなる。
【0029】
走査信号電極24および画像信号電極58は、共通電極22および可撓薄膜56の表面に上述した導電性材料の薄膜を、スパッタリング法、真空蒸着法により積層し、この薄膜の表面にレジストを塗布して、露光、現像を行うことで形成できる。露光はフォトレジストの上にフォトマスクを配置し、その上から紫外線を照射して行い、現像はフォトレジストの可溶部が除去できる現像液にて処理することにより行う。
【0030】
ここで有機EL(Electroluminescence:電界発光)素子について説明をする。有機ELの動作原理は半導体の発光ダイオードと同じ電流注入を利用するものであり、発光材料として用いる有機材料を選択することにより容易に可視域をすべてカバーすることができるもので、近年、高輝度・高効半な材料が多く開発され、盛んに研究が行われてきている。素子寿命も連続動作で1万時間を超え、カラーディスプレイとして実用化されている。
【0031】
発光材料に用いる有機物質は、▲1▼色素分子と呼ばれる低分子系と、▲2▼導電性高分子と呼ばれる高分子系に分けられる。現在は純度を高くできることと、発光効率の高い有機ELを作ることができる低分子系がよく用いられている。
【0032】
低分子発光材料は積層構造の発光素子を形成するため、主として有機分子線蒸着法(Organic Mol−ecular Beam Deposition:OMBD)により成膜する場合が多い。この方法の利点は積層構造を作製するのに都合がよく、任意の膜厚の積層構造を作製できることにある。
低分子の有機色素は色素レーザなどに用いるものがあり、光励起により発光する有機材料が多く開発されているが、電流注入で強い発光を示すものはAlq2 の開発以降、多くの材料が開拓されている。これらの色素分子は有機分子線蒸着法により成膜でき、容易に積層構造が形成可能である。
【0033】
青色の発光を示す色素分子にはアントラセン(anthracene)、シクロペンタジエン誘導体(PPCP:1,2,3,4,5−pentaphenyl−1,3−cyclopentadiene)、ジスチルベンゼン(DSB)、その誘導体(PESB)などがある。
【0034】
緑色発光を示すものにはAlqの他、tris(4−methyl−8−quinolinolate)aluminume(III )(Almq ),コロネン(coronene)などが挙げられる。
【0035】
(Znq1 )は黄色の発光を示し、赤色の発光を示す材料としてはベリレン誘導体(BPPC:NN’−bis(2,5−di−tert−butylphenyl)−3,4,9,10−perylenedi−carboximide),perylene,DCM:4−(di−cyanomethylene)−2−methyl−6−(p−dimethyaminostyryl)−4H−pyran,Nile redなどがあるが、特にEu錯体(1,10−phenanthroline)−tris−(4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−butane−1,3−dionate)Europium(III ),(Eu(TTA) phen)は614nmに鋭い発光を持ち極めて単色性の高い発光材料として用いられる。
【0036】
有機ELの構造の1例としては、蛍光体単層に、蛍光体単層を挟んで上下から電子輸送と正孔輸送剤を染み込ませる半導体工程において拡散形成されたp層とn層をする構造のようなものを挙げることができる。
【0037】
次に、この平面表示装置10の表示駆動について、図3〜図6を用いて説明する。図3は有機EL青層の出射原理を説明する図で、(a)は非出射状態、(b)は出射状態を示している。同じく、図4は有機EL緑層の出射原理を説明する図で、(a)は非出射状態、(b)は出射状態を示し、図5は同じく有機EL赤層の出射原理を説明する図で、(a)は非出射状態、(b)は出射状態を示している。
図3(a)において、有機EL青層のアノード電極26に走査信号電圧Vg1Bを与え、他のELの緑層、赤層の各アノード電極26、26には各走査信号電圧Vg1G、Vg1Rは与えない。これにより有機EL青層のみが発光する。
一方、MEMアレイの可動部電極58に画像信号電圧Vs1が与えられていないので、MEMアレイの可動部電極58は動かず、したがって後述する原理により出射することができない。その結果、青色の出射はない。もちろん他の緑、赤もMEMアレイの可動部電極58が動く以前に元々発光していないので、出射はない。
次に、図3(b)において、有機EL青層のアノード電極26に走査信号電圧Vg1Bを与え、他のEL緑層、赤層の各アノード電極26、26に各走査信号電圧Vg1G、Vg1Rは与えない状態で、MEMアレイの可動部電極58に画像信号電圧Vs1を与えると、クーロン力によりMEMアレイを撓ませるのでMEMアレイの透明電極58を通って青色光線が出射することとなる。この場合も緑、赤は元々発光していないので、出射はない。
【0038】
図4は有機EL緑層の出射原理を説明する図で、図4(a)において、有機EL緑層のアノード電極26に走査信号電圧Vg1Gを与え、他のELの赤層、青層の各アノード電極26、26には各走査信号電圧Vg1R、Vg1Bは与えない。これにより有機EL緑層のみが発光する。
一方、MEMアレイの可動部電極58に画像信号電圧Vs1が与えられていないので、MEMアレイの可動部電極58は動かず、したがって後述する原理により出射することができない。その結果、緑色の出射はない。もちろん他の赤、青もMEMアレイの可動部電極58が動く以前に元々発光していないので、出射はない。
次に、図4(b)において、有機EL緑層のアノード電極26に走査信号電圧Vg1Gを与え、他のEL青層、赤層の各アノード電極26、26に各走査信号電圧Vg1B、Vg1Rは与えない状態で、MEMアレイの可動部電極58に画像信号電圧Vs1を与えると、クーロン力によりMEMアレイを撓ませるのでMEMアレイの透明電極58を通って緑色光線が出射することとなる。この場合もMEMアレイの可動部電極58が動いても、青、赤は元々発光していないので、出射はない。
【0039】
図5は有機EL赤層の出射原理を説明する図で、図4(a)において、有機EL赤層のアノード電極26に走査信号電圧Vg1Gを与え、他のELの赤層、青層の各アノード電極26、26には各走査信号電圧Vg1R、Vg1Bは与えない。これにより有機EL赤層のみが発光する。
一方、MEMアレイの可動部電極58に画像信号電圧Vs1が与えられていないので、MEMアレイの可動部電極58は動かず、したがって後述する原理により出射することができない。その結果、赤色の出射はない。もちろん他の赤、青もMEMアレイの可動部電極58が動く以前に元々発光していないので、出射はない。
次に、図5(b)において、有機EL赤層のアノード電極26に走査信号電圧Vg1Rを与え、他のEL青層、緑層の各アノード電極26、26に各走査信号電圧Vg1B、Vg1Gは与えない状態で、MEMアレイの可動部電極58に画像信号電圧Vs1を与えると、クーロン力によりMEMアレイを撓ませるのでMEMアレイの透明電極58を通って赤色光線が出射することとなる。この場合もMEMアレイの可動部電極58が動いても、青、赤は元々発光していないので、出射はない。
【0040】
この平面表示素子の駆動方法について、図6を用いて説明する。
(1) まず、有機ELのカソード電極とアノード電極との間に走査信号電圧Vg1(図2)のB(青)を所定時間(例えば、BGR全部で3000本設けた場合、1水平走査期間約5μs)与えて該当ストライプのBをすべて発光させる。これと同期して、MEMアレイの共通電極と可動部電極との間に画像信号用電圧Vs1、Vs2、Vs3、・・・,Vsnを画像信号に応じて印加したり、しなかったりすることにより、該当ストライプのMEM可動部を可動・不動となり、可動MEMからは青色光線を出射し、動かさなかったMEMでは光を閉じこめるので遮光する。
(2) 次に、上記有機ELの青と同じ画素を構成する赤の有機ELのカソード電極とアノード電極との間に走査信号電圧Vg1(図2)のG(赤)を所定時間与えて発光させる。これと同期して、MEMアレイの共通電極と可動部電極との間に画像信号用電圧Vs1、Vs2、Vs3、・・・,Vsnを画像信号に応じて印加したり、しなかったりすることにより、同じく動かしたMEMからは赤色光線を出射し動かさないMEMでは遮光する。
(3) さらに、上記有機ELの青・赤と同じ画素を構成する赤の有機ELのカソード電極とアノード電極との間に走査信号電圧Vg1(図2)のR(赤)を所定時間与えて発光させる。これと同期して、MEMアレイの共通電極と可動部電極との間に画像信号用電圧Vs1、Vs2、Vs3、・・・,Vsnを画像信号に応じて印加したり、しなかったりすることにより、各MEMから赤色光線を出射したり遮光したりする。
【0041】
以上の(1)〜(3)のいずれの動作においても、MEMによる変調は図6の斜線部で示す範囲内でパルス幅変調(Pulse Width Modulation)が行われ発光色の濃淡を制御することができる。変調期間が短いと薄い色となり、長いと濃い色となる。いずれの動作においても、MEMによる変調動作を行う前に予め電圧を印加させるプリ印加期間を設けて、動作の安定を図っている。
【0042】
以上の(1)〜(3)の一連の時分割動作によって走査信号電極Vg1(B,G,R)と画像信号電極Vs1とが交差する1画素の3色がその都度明るさ込みで適宜選択される。これら3回の走査を人間の目にフリッカを認識しない高速で行なうので、各色が残像として残り、選択された色が加法混色によりその混色が表示されているように見える。例えば、B、G、Rの3色が全て混じると白色となり、RとGでイエロー、BとRでマゼンタ、GとBでシアンとなる。
【0043】
MEMアレイは可撓薄膜56の電気機械動作により下方からの光を光変調するので、プラズマ表示装置の場合のように、多数の電極の規則的な配列に画質が依存することがなく、容易に高画質を得ることができる。また、プラズマ表示装置の場合のような画素毎にプラズマを発生させるための隔壁形成や、高真空化が不要となるので、軽量化、且つ大面積化が容易となり、製造コストも安価にできる。
【0044】
ここでMEMアレイの光変調原理について説明する。
MEMアレイによる光変調原理はいくつかあるが、まず全反射モードについて説明する。図7は全反射モードである第2実施形態の平面表示装置の光変調部を示す断面図、図8は図7に示した平面表示装置の動作状態を説明する断面図である。可撓薄膜を電気機械動作させて光変調させる動作原理としては、可撓薄膜と透明な信号電極とを離反又は接触させることによる導光拡散作用(以下、導光拡散と称する。)を利用することができる。導光拡散では、空隙を光の透過抵抗として、空隙が形成されている際には、信号電極からの出射光を遮断若しくは減衰させる一方、可撓薄膜を信号電極に接触させた時のみに、信号電極からの出射光を可撓薄膜へ導光(モード結合)させ、その光を可撓薄膜において拡散させることで、可撓薄膜からの出射光の強度を制御する(光変調する)。
【0045】
図7に示すように、バッファ層101上には、青、赤、緑のいずれかに対して透明な一方の電極(電極)151をそれぞれ形成してある。この例としては、電子密度の高いITOなどの金属酸化物、非常に薄い金属薄膜(アルミなど)、金属微粒子を透明絶縁体に分散した薄膜、又は高濃度ドープしたワイドハンドギャップ半導体などが好適である。
電極151の上には、絶縁性の支柱105を形成してある。支柱105には、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、セラミック、樹脂などを用いることができる。支柱105の上端面には、ダイヤフラム153を形成してある。電極151とダイヤフラム153との間には、空隙(キャビティ)111が形成されている。このダイヤフラム153には、ポリシリコンなどの半導体、絶縁性のシリコン酸化物、シリコン窒化物、セラミック、樹脂などを用いることができる。また、ダイヤフラム153の屈折率は、バッファ層101の屈折率と同等かそれ以上が好ましい。
ダイヤフラム153の上には、青、赤、緑のうち透明電極151を透過する色と同じ色に対して透明な他方の電極157を形成してある。例として電極151と同様の材料のものを用いることができる。ダイヤフラム153と電極157とで可撓薄膜を構成している。
バッファ層101とダイヤフラム153との間には空隙111が存在するが、この空隙111は支柱105の高さで略決定される。空隙111の高さは、例えば、0.1μmから10μm程度が好ましい。この空隙111は、通常、犠牲層のエッチングにより形成される。
【0046】
このように構成した平面表示装置161の光変調の動作原理を説明する。
1) 電圧OFF時:
両電極151、157の電圧がゼロで、ダイヤフラム153とバッファ層101との間に空隙111(例:空気)が存在する場合、バッファ層101の屈折率をnwとすると、空気との界面における全反射臨界角θcは、
θc=sin−1(nw)
となる。
従って、光線は、界面への入射角θが、θ>θcのとき、図7に示すように、バッファ層101内を全反射しながら進む。
2)電圧ON時:
両電極151、157に電圧を印加し、ダイヤフラム153とバッファ層101表面とを接触又は十分な距離に近づけた場合、図8に示すように、光線は、ダイヤフラム153側に伝搬透過して表面側に出射する。
この実施形態による平面表示装置161によれば、電圧印加によるダイヤフラム153の位置制御により、光変調を行うことができる。なお、バッファ層101とダイヤフラム153の間には該当色に対して透明な電極151があるが、通常使用される薄膜の厚さ(2000オングストローム)程度であれば、上述の動作上問題の生ずることはない。
また、この平面表示装置161では、電圧の値により、ダイヤフラム153とバッファ層101との間隙距離、接触面積を変化させることができる。これによって、透過光量の制御が可能となる。このような作用を利用することにより、印加電圧を可変して階調制御も可能にできる。
【0047】
図9は図7および図8のバッファ層101の下方に配置される全反射光学部材2の具体的な一構成例を示すものである。全反射光学部材2は、入射光の導入側から光路を変化させる光学要素10、光路を選択する光学要素12、透明媒質14の順で積層された多層構造体となっている。この透明媒質14が図7および図8のバッファ層101を兼ねている。この全反射光学部材2の透明媒質14の光路前方には透明媒質16が存在し、透明媒質14の屈折率n1(第1の屈折率)と透明媒質16の屈折率n2(第2の屈折率)との関係は、透明媒質14と透明媒質16との界面となる全反射面22における全反射条件を満足するように設定されている。具体的には、例えば透明媒質14はガラス基板(n1=1.5)で透明媒質16は空気(n2=1.0)として構成される。なお、全反射光学部材2を構成する各層は、入射光の波長域に対して実質的に吸収されることがなく、入射光及び全反射面22で全反射された入射光の損失を抑止して高効率な光学部材を構成している。
【0048】
光路を変化させる光学要素10は、屈折、回折、光拡散、光反射等を利用して光路を変化させる光学要素であり、一例として次の種類の光学要素を使用できる。屈折を利用する場合は、レンズアレイ、プリズムアレイ、屈折率分散体等が用いられ、入射光の強度が実質的に低下しない。回折を利用する場合は、図10に示す透過型の回折格子が用いられ、体積ホログラム(図10(a)参照)、レリーフ型回折格子(図10(b)参照)や屈折率変調型回折格子(図10(c)参照)等の位相変調型回折格子、振幅変調型回折格子等が用いられ、高精度に入射光光路の角度を設定できる。各光学要素は、例えばフォトポリマー法や射出成形法によって大量転写生産が可能である。
【0049】
また、光拡散を利用する場合は、図11に示す光拡散板が用いられ、多孔質体(図11(a)参照)、異なる屈折率を有する物質20が分布・分散した異種屈折率分布体・分散体(図11(b)参照)、表面が凹凸に形成された光拡散体又は散乱体(図11(c)参照)等が用いられる。さらに、光反射を利用する場合は、任意の方向に反射する微小反射体の分散体等が用いられる。いずれの光学要素も量産に適しており、容易にコストダウンが可能である。
【0050】
光路を選択する光学要素12は、この光学要素12から出射される選択透過光の実質的全てが、入射光光路前方の層における全反射臨界角より大きい角度成分を有し、その他の角度成分の入射光は選択的に反射されて透過されないものである。即ち、透明媒質14と透明媒質16との界面で全反射を生じさせる条件である全反射臨界角θCより大きい角度成分の入射光だけが光路を選択する光学要素12を透過し、他の角度成分の入射光に対しては遮光される。なお、全反射臨界角θCは(1)式により求められる。
θC=sin−1(n2/n1) (1)
【0051】
具体的な光路を選択する光学要素12の一構成例としては、誘電体多層膜からなる光干渉フィルタが挙げられる。この光干渉フィルタの層構成を図12に示した。
光干渉フィルタは、高屈折率材料と低屈折率材料を順次積層して構成された誘電体多層膜であって、その光学特性としては、詳細は後述するが、入射光をその波長によって選択的に反射する機能を有し、入射角に応じて選択反射する波長が短波長側にシフトする特性を有する。いま、入射光の波長域をλiS〜λiL(λiS<λiL)としたとき、光学要素12から出射される選択透過光の出射角が全反射臨界角θC以下の角度成分の光に対しては、波長域λiS〜λiLの入射光の実質的全てを選択的に反射する。この構成によれば、大面積かつ簡単な構成で任意の波長選択が可能な反射膜が形成でき、その反射波長の入射角依存性を利用して容易に光路を選択する光学要素12を形成することができる。
【0052】
ここで、上記光干渉フィルタの一構成例と、その構成例における光学素子の分光透過率をシミュレーションにより求めた結果を説明する。
図13に光干渉フィルタが介装された光学素子の一構成例を示した。この場合の光学素子は、入射光の導入側から、光路を変化させる光学要素としての光拡散フィルム(屈折率n=1.5)、光路を選択する光学要素としての誘電体多層膜、ガラス基板(屈折率n=1.5)の順に積層されている。なお、ガラス基板の光路前方には、空気(屈折率n=1.0)が存在する。
誘電体多層膜は、TiO2/SiO2/…/SiO2/TiO2なる29層構造の多層膜とし、各層の光学厚は1/4λ(ただし、波長λ=440[nm])に設定した。また、入射光は、図14に示す波長λ=400〜500[nm]の青色光源を用いた。そして、この場合の全反射臨界角θCは約40[deg]となる。
【0053】
上記条件の下で青色光の光学素子(誘電体多層膜)の分光透過率および入射角依存性を求めたところ、それぞれ図15および図16に示す結果を得た。図15は波長λに対する分光透過率Tの変化を入射角θ毎に示したグラフで、図16は入射角θに対する入射角依存性を波長λ毎に示したグラフである。
図15(a)に示すように入射角θが0[deg]の場合は、青色光源の波長域(400〜500[nm])における分光透過率Tが略0[%]となっており、光学素子から透過されることはない。また、図15(b)に示す入射角θが全反射臨界角θCの直前となる40[deg]の場合も光学素子から透過されることはない。図15(c)に示す入射角θが70[deg]の場合は、P波に対しては略100[%]の分光透過率で、S波に対しては略0[%]となり、P波とS波の平均は約40[%]となっている。
【0054】
また、図16(a)に示すように、青色光源の波長域における短波長側の波長λ=400[deg]の場合は、P波に対しては入射角θが約50[deg]以上から分光透過率が向上しており、図16(b)に示す中心波長λ=450[nm]の場合は、入射角θが約46[deg]以上から分光透過率が向上し、さらに、図16(c)に示す長波長側の波長λ=500[nm]の場合は、入射角θが約42[deg]以上から分光透過率が向上している。
従って、P波を用いて光学素子で全反射させたり、光学素子の諸条件を変更してS波の分光特性をP波に近い特性に適宜設計することにより、青色光源の波長域の入射光を、その入射角θが全反射臨界角θC以下の角度では選択的に反射させ、且つ、全反射臨界角θCより大きい角度では透過させることができる。これにより、光学素子の誘電体多層膜を光路を選択する光学要素として実用上十分に機能させることができる。
【0055】
上記条件の下で緑色光の光学素子(誘電体多層膜)の分光透過率および入射角依存性を求めたところ、それぞれ図17および図18に示す結果を得た。図17は波長λに対する分光透過率Tの変化を入射角θ毎に示したグラフで、図18は入射角θに対する入射角依存性を波長λ毎に示したグラフである。
【0056】
上記条件の下で赤色光の光学素子(誘電体多層膜)の分光透過率および入射角依存性を求めたところ、それぞれ図19および図20に示す結果を得た。図19は波長λに対する分光透過率Tの変化を入射角θ毎に示したグラフで、図20は入射角θに対する入射角依存性を波長λ毎に示したグラフである。
【0057】
なお、前述では誘電体多層膜の例としてTiO2/SiO2からなる多層膜を挙げたが、対象とする光の波長に対して適宜その材料を選択することが好ましい。例えば、
可視光、赤外光に対しては、
・高い屈折率材料(屈折率が概ね1.8以上の材料)として、
TiO2,CeO2,Ta2O5,ZrO2,Sb2O3,HfO2,La2O3,NdO3,Y2O3,ZnO,Nb2O5
・比較的高い屈折率材料(屈折率が概ね1.6〜1.8の材料)として、
MgO,Al2O3,CeF3,LaF3,NdF3
・低い屈折率材料(屈折率が概ね1.5以下の材料として、
SiO2,AlF3,MgF2,Na3AlF6,NaF,LiF,CaF2,BaF2
等が好ましい。
【0058】
なお、上記光干渉フィルタは、誘電体多層膜の層構成に金属膜を追加した金属/誘電体多層膜としてもよい。なお、誘電体多層膜等からなる光干渉フィルタは、EB蒸着(電子ビーム共蒸着)、スパッタ等で透明支持基板上に複数の薄膜材料を成膜することで形成可能である。また、前記薄膜材料は、異なる屈折率を有する有機多層膜、又は無機物を含有する有機多層膜でもよく、この場合は塗布、ラミネート等により、より低コストで形成可能である。
【0059】
次に、光路を変化させる光学要素10と光路を選択する光学要素12の光学的性質について詳述する。
まず、光路を変化させる光学要素10が、例えば屈折により光路を変化させる場合を考える。図17に示すように、光路を変化させる光学要素(平均屈折率nt)、光路を選択する光学要素(平均屈折率ns)、透明媒質u(平均屈折率nu)、透明媒質v(平均屈折率nv)、全反射面の前方側の透明媒質w(平均屈折率nw)がこの順で配置された光学素子の場合、透明媒質vと透明媒質wとの界面が全反射面とすると、各々の界面での入射角と各媒質の平均屈折率の関係は(2)式のように表せる。
【0060】
nv・sinθv=nw
nu・sinθu=nv・sinθv=nw
ns・sinθs=nu・sinθu=nw
nt・sinθt=ns・sinθs=nw (2)
ここで、θt、θs、θu、θvは、それぞれの媒質内での光路角度である。
【0061】
従って、光路を変化させる光学要素10の条件としては、
sinθt>nw/nt
の条件を満たす角度θtの光を少なくとも含んで光路前方に出力する必要がある。好ましくは、この条件を満たす角度θtの光をできる限り多く含んで光路前方に出力する。なお、透明媒質wが空気の場合はnw=1となり、上記条件は、
sinθt>1/nt
となる。
【0062】
一方、光路を選択する光学要素12の条件としては、
sinθs>nw/ns
の条件を満たす光のみを透過させるように設定される。なお、透明媒質wが空気の場合はnw=1となり、上記条件は、
sinθs>1/ns
となる。
【0063】
次に、光路を選択する光学要素12の特性を、図18〜図20を用いて詳細に説明する。
図18は光学要素12への入射光の入射角を示しており、図19は入射光の波長に対する光学要素12の分光透過率を入射角毎に示したグラフで、図20は光学要素12内外の光路を示す図である。
【0064】
まず、図18に示すように、光学要素12へ入射光を各入射角θ0,θ1,θ2,θ3で入射させた場合を考えると、図19に示すように光学要素12の分光透過率が変化する。即ち、入射角が全反射臨界角度θC以下のθ0(0度)の場合は、分光透過率が入射光の波長域λiS〜λiLに対して略0%となって遮光状態(透過せずに反射される状態)となる。一方、入射角が全反射臨界角度θCより大きい場合は、入射角がθ1,θ2,θ3と大きくなるに従って、分光透過率の透過特性が短波長側にシフトするため透過光量が増加する。即ち、光路を選択する光学要素12への入射光の入射角が該光学要素12の面に対して浅い角度となるに従って、選択的に反射される入射光の波長が短波長側にシフトする。これにより、入射光の入射角度成分がθ0の光は透過せず、入射角度成分が特定の角度より大きいθ1,θ2,θ3の光がこの順に多く透過するようになる。そこで、光学要素12を、その分光特性が、所定の界面における全反射臨界角θCより大きい入射光成分だけが透過するように設計することにより、全反射条件を満足しない入射光成分を遮光して、全反射する入射光成分だけを光学要素12から選択的に出射させることが可能となる。
【0065】
上記のように、全反射面22における全反射臨界角θCより大きい入射光成分だけが透過するように設計された光学要素12を用いて全反射光学部材2を構成した場合の入射光光路を、図20を用いて説明する。
図20(a)は、光路を選択する光学要素12に入射された光が光学要素12で反射する光路Aと、光路を選択する光学要素12に入射された光が、光学要素12を透過して光路前方の透明媒質14と透明媒質16との界面となる全反射面22で全反射する光路Bとを示している。
【0066】
光路Aは、入射光の入射角θiが全反射面22における全反射臨界角θC以下の場合で、光学要素12は、このような入射角成分の光を透過させずにその表面で選択的に反射させる。このため、全反射臨界角θC以下の入射角度成分の光は光学要素12により光路前方に対して遮光される。
光路Bは、入射光の入射角θiが全反射面22における全反射臨界角θCより大きい場合で、光学要素12は、このような入射角成分の光を透過させる。このため、全反射臨界角θCより大きい入射角度成分の光は光学要素12を透過して透明媒質14に導入され、全反射面22で全反射される。
なお、図20(a)は、入射光が入射される側の屈折率naと透明媒質14の屈折率nbが等しく、光学要素12に対する入射角θiと全反射面22における入射角θSとが等しい場合を示している。
【0067】
一方、図20(b)は、入射光が入射される側の屈折率naと透明媒質14の屈折率nbが異なり、光学要素12に対する入射角θiと全反射面22における入射角θSとが異なる場合を示している。この場合の光学要素12は、全反射面22における入射角θSが全反射臨界角θCより大きくなるように設計される。
【0068】
上記のように設計された光路を選択する光学要素12を用いて全反射光学部材2を構成することにより、図9に矢印で光路を示すように、全反射光学部材2の内部又は外部より導入されたコリメート光又は拡散光からなる面状の入射光が光路を変化させる光学要素10に入射されると、光の照射位置から拡散等により光路が変化する。そして、光路の変化した光が光路を選択する光学要素12に到達すると、透明媒質14と透明媒質16との界面となる全反射面22における全反射臨界角θCより大きい角度成分の入射光だけが光学要素12を透過し、他の角度成分の入射光は光学要素12の表面で光入射側に選択的に反射される。
【0069】
従って、全反射光学部材2に入射される光のうち、全反射面22で全反射する光だけが光路前方に導入され、この導入された光が全反射面22で全反射する。即ち、光路を選択する光学要素12においては、光学要素12から出射される透過光の実質的全てが、光路を選択する光学要素12より入射光光路前方の全反射面における全反射臨界角より大きい角度成分を有し、その他の角度成分の入射光は選択的に反射されて透過されない。なお、全反射面を有する媒質内において、導光、蓄積、閉じ込め等が行われることは実質的にない。
【0070】
また、光路を選択する光学要素12の表面で入射光導入側に反射された光の一部は、光路を変化させる光学要素10の光入射側の界面(反射層)で反射され、再度、光路を選択する光学要素12に投入される。この再投入された光は入射角度が大きくなり、全反射臨界角θCより大きくなって、光学要素12を透過して透明媒質14に導入される。
【0071】
次に、光結合要素4を説明する。
光結合要素は、全反射面における入射光の全反射条件を崩し、光結合要素4に光を結合させて取り出し、光路前方に出射させるものである。この光結合要素には、取り出した光の光路を変更する光路変更手段、特定波長成分を吸収する特定波長成分吸収手段、励起発光する発光手段が適宜設けられる。具体的には、例えば次の(1)〜(4)に示す種類のものが使用できる。
(1)屈折により光路を変更するもの又はその機能を有するもの
全反射面22に近接配置させることで取り出した出力光を、屈折によりその光路を変更するものであって、例えば、図21(a)に示すレンズアレイ、図21(b)に示すプリズムアレイ、図21(c)に示す屈折率分布レンズ体等が挙げられる。これらのレンズアレイ、プリズムアレイによれば、全反射光学部材2の全反射面22から取り出した出力光を集光或いは拡散させて異なる方向に出射させることができ、出力光に出射方向性を持たせたり、出射方向性をなくすことを出力光の強度を低下させることなく簡単な構成で行える。
【0072】
(2)透過型回折格子又はその機能を有するもの
取り出した光を透過させると共に回折により出射方向を変更する透過型回折格子としては、前述と同様の図10(a)に示す体積ホログラム、図10(b)に示すレリーフ型回折格子、図10(c)に示す屈折率変調型回折格子、また、振幅変調型回折格子等が挙げられる。これらの透過型回折格子によれば、出力光の出射角度を正確に設定することができる。また、例えばフォトポリマー法や射出成形法によって大量生産が可能となり、光学素子自体のコストダウンが図られる。
(3)光拡散体又は光散乱体或いはその機能を有するもの
取り出した光を拡散又は散乱させる光拡散体又は光散乱体としては、図22(a)に示す量産に適した多孔質体、図22(b)に示す高屈折率微粒子等の異なる屈折率を有する物質20の分散体又は分布体、図22(c)に示す表面に凹凸が形成された光拡散体又は光散乱体等が挙げられる。これらの光拡散体又は光散乱体によれば、拡散又は散乱により出力光を任意の方向に散らすことができ、出力光の出射方向性をなくすことができる。
【0073】
このように、上記構成の光学素子100によれば、導光板や光導波路を使用することなく、面状の光源からの入射光を面状のまま直接的に高効率で全反射光学部材2に導入するため、例えば入射光を端面側から導入する場合と比較して入射光の導入口を格段に広く採ることが可能となり、入射光との結合効率が向上し、光学素子100自体の薄型化に影響されることなく、高効率に面状の全反射光を得ることができる。これにより、光結合要素4の設けられた領域から全反射光学部材2から取り出された入射光が光路前方に高効率で出射される。従って、光学素子100の光路前方側の面では、光結合要素4の設けられた領域だけが光り、光学素子100から画像様に光が出射される。即ち、必要箇所だけに画像表示を行うことができる。また、この構成によれば、導光板や光導波路を使用する場合に生じるクロストークによる局所的な光量低下が防止され、表示画面の全面に亘って均等な明るさで表示が可能となる。
【0074】
また、光学素子100内の各界面で反射される入射光の一部は、界面における反射等により光路前方に再投入されるため、光学素子100の高出力化も容易に達成できる。さらに、全反射光学部材2単体では透過光を実質的に生じさせないため、光利用効率を向上できる。なお、光学素子100が空気(不活性ガスであってもよい)と接触する気体接触界面を全反射面とすることにより、全反射を生じさせる屈折率の層を別途設けることなく単純構造にできる。
【0075】
また、光結合要素4が載置されていない領域からは光が出射されないため、表示画像の輝度とその周囲の輝度の差が大きくなり、視覚的に表示画像が強調される等の視感的な効果も付帯的に奏される。
以上説明した光学素子は、画像表示に使用されることに限らず、文字情報、図形情報等の種々の情報を表示させる媒体として利用することができる。
【0076】
次に、別の原理に基づくMEMアレイの遮光・出射構成について説明する。
図23は別の原理に基づく光変調部を示す斜視図、図28は図23に示した光変調部の動作状態を説明する断面図である。
バッファ層201上には、所望光線に対して透明な透明電極203を設けてある。バッファ層201は、光が透過する開口部以外を絶縁性の遮光膜205で遮光してある。透明電極203、遮光膜205の表面には、絶縁膜207を形成してある。
また、このバッファ層201上の開口部の両側には、絶縁性の支柱209を設けてある。支柱209の上端には、可撓薄膜である遮光板211を設けてある。遮光板211は、片持ち梁構造を有し、導電性で紫外線を吸収、又は反射する材料で構成される。この梁構造を有した導電性の遮光板211は、単一の薄膜で構成されてもよく、また複数の薄膜で構成されてもよい。
具体的には、紫外線を反射するアルミ、クロムなどの金属薄膜、紫外線を吸収するポリシリコンなどの半導体による単体構成や、シリコン酸化物、シリコン窒化物などの絶縁膜、ポリシリコンなどの半導体薄膜に金属を蒸着した構成、又は誘電体多層膜などのフィルターを蒸着した複合構成とすることができる。遮光板211は、開口部の形状と対応しており、開口部の大きさより若干大きくしてある。
【0077】
このように構成された光変調部213を有する平面表示装置215を、平面光源ユニット(図示なし)上に配置する。導電性の遮光板211と透明電極203との間に電圧を印加しないときは、遮光板211は開口部と対向しており、開口部から透過した紫外線は遮光板211によって吸収又は反射される(図28(a))。
一方、遮光板211と透明電極203との間に電圧を印加すると、両者間に働く静電気応力により、遮光板211がねじれながら透明電極203側に傾く(図図28(b)。即ち、遮光板211による遮蔽がなくなる。これにより開口部から透過した紫外線は、更に前方に透過することができる。また、再度電圧をゼロにすると、梁の弾性により遮光板211は元の位置に復帰する。
また、電圧の値により、遮光板211の傾き度合い、即ち、透過光量を連続的に変化させることが可能である。これを利用して印加電圧による階調制御が可能となる。
このように、上述の平面表示装置215によれば、遮光板211を撓めることにより、光線の進路を変化させて光変調を行うことができる。
また、この原理を用いれば、全反射モードにおいて使用した光路選択膜(図1の3)は不要となり、製造工程の簡素化、装置のシンプル化、コストダウンに寄与することとなる。
【0078】
以上のような本発明により、基板1、各電極3、支柱54等のエッチングによるアレイ化が可能であるので、これによっても製造コストを安価にできる。
また、可撓薄膜9をクーロン力により撓ませる電気機械動作により駆動できるので、プラズマを発生させるプラズマ表示装置、或いは電界放出した電子を加速して蛍光体へ照射するFEDに比べて、駆動電圧を低くすることができる。
【0079】
また、平面表示装置10のMEMアレー14は、脱気した後、希ガスを封入して、全体を封止し、外乱の影響を防止して安定化を図るものであってもよい。
【0080】
また、光結合要素の光路前方に、光源の発光波長域の光を吸収する光学フィルタを設けた構成にすることもできる。この構成によれば、光源60の発光波長が可視光域であるから可視光を吸収するNDフィルタ(濃度フィルタ。Neutral−Density Filter。透過率20〜70%程度)や偏光フィルタを表示側(観測者)側に設けることにより、色特性を落とさずに全体の濃度を低下させるので、明るい場所でも高いコントラストが得られ、高品位な画像表示が行える。
【0081】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る平面表示装置によれば、有機EL光源上に電気機械動作により平面光源の光を光変調する光変調部を配設したので、各材料が可視光用で対応可能となり、特に、光路選択膜(Ch−LC)にはカラーフィルタ(CF)用材料が使用可能となる。
また、一体型のディスプレイ構成(シンプル構成)が可能となり、色変換層が不要となる。
さらに、有機ELの駆動をスタチック駆動でき、さらにMEM素子の駆動もスタチック駆動ができるので、MEM素子のヒステリシス特性やメモリー性が不要となり、PWM変調などを用いるので階調付与にフレキシビリティがあり、必要応答速度を低減できる。また、素子の設計が簡単となり、色変換層が不要となり、素子構成および及び駆動がシンプルで実現が容易となる。
そして、線順次発光表示であり、動画表示性が良くなる。
従来の有機ELの単純マトリクス型では、逆バイアス・配線電圧降下などで大画面は不可であったが、本発明による有機ELとしては、TFT(低温p−si)を使用しないので大画面ディスプレイが構築できるようになる。
さらに、液晶スイッチを用いないので偏光板や偏光軸等の問題が生じない。
また、本発明では有機EL(可視光)を使うのでUV光では使うことのできなかった多種類の有機材料が使えるようになり、材料の選択幅が広がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る平面表示装置の一部断面図で、図2のA−A矢視図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る平面表示装置の平面図である。
【図3】有機EL青層の出射原理を説明する図で、(a)は非出射状態、(b)は出射状態を示す。
【図4】有機EL赤層の出射原理を説明する図で、(a)は非出射状態、(b)は出射状態を示す。
【図5】有機EL赤層の出射原理を説明する図で、(a)は非出射状態、(b)は出射状態を示す。
【図6】平面表示素子の駆動方法について説明する図である。
【図7】平面表示装置の光変調部を示す断面図てある。
【図8】図7に示した平面表示装置の動作状態を説明する断面図である。
【図9】全反射光学部材の具体的な一構成例を示す図である。
【図10】透過型の回折格子を示す図であって、(a)は体積ホログラム、(b)はレリーフ型回折格子、(c)は屈折率変調型回折格子である。
【図11】光拡散板を示す図であって、(a)は多孔質体、(b)は異なる屈折率を有する物質が分布・分散した異種屈折率分布体・分散体、(c)は表面が凹凸に形成された光拡散体又は散乱体である。
【図12】光干渉フィルタの層構成を示す図である。
【図13】光干渉フィルタが介装された光学素子の一構成例を示す図である。
【図14】入射光の波長帯を示すグラフである。
【図15】青色光の波長に対する分光透過率の変化を入射角毎に示したグラフである。
【図16】青色光の波長に対する入射角依存性の変化を入射角毎に示したグラフである。
【図17】光路を変化させる光学要素、光路を選択する光学要素、透明媒質u、透明媒質v、全反射面の前方側の透明媒質wがこの順で配置された光学素子に対し、各界面における入射角と各媒質の平均屈折率の関係を示す図である。
【図18】光を選択する光学要素への入射光の入射角度を示す図である。
【図19】入射光の波長に対する、光路を選択する光学要素の分光透過率を入射角毎に示したグラフである。
【図20】光路を選択する光学要素内外の光路を示す図である。
【図21】屈折により光路を変更する光結合要素を示す図であって、(a)はレンズアレイ、(b)はプリズムアレイ、(c)は屈折率分布レンズ体である。
【図22】取り出した光を拡散又は散乱させる光結合要素を示す図であって、(a)は多孔質体、(b)は高屈折率微粒子等の異なる屈折率を有する物質の分散体又は分布体、(c)は表面に凹凸が形成された光拡散体又は光散乱体である。
【図23】平面表示装置の別の光変調部を示す斜視図である。
【図24】図23に示した光変調部の断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 有機EL
3 光路選択膜
4 バッファ層
5 MEM(機械電気光変調)アレイ
10 平面表示装置
22 カソード共通電極
24 ストライプ(帯)状有機EL層
26 アノード(走査信号用)電極
52 共通電極
54 絶縁性支柱
56 可動部
58 可動部電極(画像信号用電極)
101 バッファ層
105 絶縁性支柱
111 空隙(キャビティ)
151 電極
153 ダイヤフラム
157 電極
201 バッファ層
203 透明電極
205 遮光膜
207 絶縁膜
209 絶縁性支柱
211 遮光板
213 光変調部
215 平面表示装置

Claims (22)

  1. 異なる色を発光する複数のストライプ状の薄膜光源の各々の電極に走査信号を印加し、それと直交する複数のストライプ状の1次元光変調アレイの各々の電極に画像信号を印加し、走査信号を順次印加して薄膜光源を順次発光させ、それと同期して画像信号を印加し、所望の画素の光透過率を制御して表示を行う2次元マトリクス平面表示素子の駆動方法。
  2. 基板上に配置された異なる色を発光する複数のストライプ状の薄膜光源と、該薄膜光源の上に該薄膜光源と直交するように配置され、該薄膜光源からの光の透過率を電気機械的に制御する複数のストライプ状の1次元光変調アレイとを備えた2次元マトリクス平面表示素子。
  3. 前記薄膜光源は有機ELであることを特徴とする請求項2記載の2次元マトリクス平面表示素子。
  4. 前記異なる色は可視光域の波長であることを特徴とする請求項2又は3記載の2次元マトリクス平面表示素子。
  5. 前記可視光域の波長は赤、緑、青の1色以上であることを特徴とする請求項4記載の2次元マトリクス平面表示素子。
  6. 前記光変調アレイは、静電気により可撓薄膜が変位する原理を用いたものであることを特徴とする請求項2〜5のいずれかのいずれか1項記載の2次元マトリクス平面表示素子。
  7. 前記光変調アレイは、前記可撓薄膜の変位により光路開口面積を変化させて光透過率を制御するものであることを特徴とする請求項6記載の2次元マトリクス平面表示素子。
  8. 前記光変調アレイは、前記可撓薄膜の変位により結合素子を移動させて近接光の透過と全反射による遮光によりと光透過率を制御するものであることを特徴とする請求項6記載の2次元マトリクス平面表示素子。
  9. 前記光変調アレイはバックライト入射型であり、前記薄膜光源上に少なくとも各色用の光路選択膜を配置してなることを特徴とする請求項8項記載の2次元マトリクス平面表示素子。
  10. 前記光路選択膜の前方に外部光を減衰させるNDフィルム又は偏光フィルムを有することを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項記載の2次元マトリクス平面表示素子。
  11. 前記有機ELに走査信号を与え、前記1次元光変調アレイに画像信号を与えることを特徴とする請求項2〜10のいずれか1項記載の2次元マトリクス平面表示素子。
  12. 前記薄膜光源と、前記薄膜光源に面して配置されて当該面から導入した前記薄膜光源からの面状の入射光の少なくとも一部を全反射させて、入射光を実質的に光路前方に出射させない全反射面を光路前方の他方の面に設けた全反射光学部材と、全反射光学部材の全反射面の所望位置に表示画像様に近接して設けられて前記全反射面における入射光の全反射条件を崩して該全反射面から入射光を結合させて取り出す1次元光変調アレイと、請求項8記載の2次元マトリクス平面表示素子とから構成されることを特徴とする光学素子。
  13. 前記全反射光学部材が、前記面状の入射光の光路を変化させる光学要素を有することを特徴とする請求項12記載の光学素子。
  14. 前記全反射光学部材が、前記面状の入射光の光路を選択させる光学要素を有することを特徴とする請求項12記載の光学素子。
  15. 前記全反射光学部材が、前記面状の入射光の導入側から、該入射光の光路を変化させる光学要素と、入射光の光路を選択する光学要素をこの順序で有することを特徴とする請求項12記載の光学素子。
  16. 前記光結合要素が、取り出した光の光路を変化させる光路変更手段を有することを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項記載の光学素子。
  17. 前記光路変更手段が、屈折により前記取り出した光の光路を変化させることを特徴とする請求項16記載の光学素子。
  18. 前記光路変更手段が、レンズアレイ、プリズムアレイ、屈折率分布レンズ体のいずれかからなることを特徴とする請求項17記載の光学素子。
  19. 前記光路変更手段が、回折により前記取り出した光の光路を変化させることを特徴とする請求項16記載の光学素子。
  20. 前記光路変更手段が、体積ホログラム、位相変調型回折格子、振幅変調型回折格子のいずれかからなることを特徴とする請求項19記載の光学素子。
  21. 前記光路変更手段が、光拡散又は光散乱により前記取り出した光の光路を変化させることを特徴とする請求項16記載の光学素子。
  22. 前記光路変更手段が、多孔質体、異種屈折率分散体又は分布体、表面に凹凸を有する光拡散体又は光散乱体のいずれかであることを特徴とする請求項21記載の光学素子。
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