JP2004212670A - 光変調素子及び平面表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動部を単純構成にでき、しかも、低電圧駆動、高速応答が可能になる光変調素子及び平面表示素子を提供する。
【解決手段】静電気力による可動部25の変位動作と該可動部25の弾性復帰動作により可動部25と基板部23との間に生じる光干渉作用で光変調を行う光変調素子21において、可動部25を可動ミラー層37と可動透明電極39により構成する。光変調素子21は、可動ミラー層37を誘電体多層膜によって構成でき、この場合の誘電体多層膜はTiO2 層とSiO2 層が用いられる。さらに、光変調素子21は、誘電体多層膜である可動ミラー層37に透明電極としての機能を付与した構成としてもよい。この場合の誘電体多層膜はITO層とSiO2 層から形成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】静電気力による可動部25の変位動作と該可動部25の弾性復帰動作により可動部25と基板部23との間に生じる光干渉作用で光変調を行う光変調素子21において、可動部25を可動ミラー層37と可動透明電極39により構成する。光変調素子21は、可動ミラー層37を誘電体多層膜によって構成でき、この場合の誘電体多層膜はTiO2 層とSiO2 層が用いられる。さらに、光変調素子21は、誘電体多層膜である可動ミラー層37に透明電極としての機能を付与した構成としてもよい。この場合の誘電体多層膜はITO層とSiO2 層から形成することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電気力により可動部を変位動作させ、また、可動部を弾性復帰動作させることで、特定の波長域の光を光干渉作用により透過又は反射させる光変調素子及び平面表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄型の平面表示装置としては種々のものが提案されており、代表的なものに、例えばプラズマ表示装置等がある。プラズマ表示装置は、ネオン等の希ガスを封入した二枚のガラス板の間に、陽極と陰極に相当する規則的に配列した直交方向の電極を多数配置し、それぞれの対向電極の交点部を単位画素(セル)とした構造を有する。このプラズマ表示装置による表示は、画像情報に基づき、それぞれの交点部を特定する対向電極に選択的に電圧を印加することにより、この交点部を放電発光させ、発生した紫外線により蛍光体を励起発光させて行う。
【0003】
ところが、プラズマ表示装置は、画素毎にプラズマを発生させるための隔壁形成と高度な真空封止とが要求され、製造コストが高くなると共に大重量となる欠点がある。また、単位画素毎に陽極と陰極に相当する多数の電極を規則的に配列しなければならないため、電極数が多くなると共に、高精細、高輝度の画像が得にくい欠点がある。さらに、駆動電圧が高く、駆動ICが高価な欠点もある。
【0004】
このような欠点を解消するものに、マイクロマシニングにより作製された可動部を、静電気力により電気機械的動作させることで光変調を行う平面表示素子がある。図12に平面表示素子の一例を概念的に示した。この平面表示素子1は、図13に示すように、例えば透明な電極3と絶縁膜等の薄膜層5からなる可動部6を、支持部7を介して導光板9上の固定電極11に架設した光変調素子13を、図12に示す複数の蛍光体15とバックライト17とで挟み構成される。
【0005】
この平面表示素子1では、両電極3,11間に所定の電圧Vaを印加することで電極3,11間に静電気力を発生させ、可動部6を図13(b)に示すように固定電極11に向かって撓ませる。これに伴って素子自体の光学的特性が変化して、光変調素子13は光を遮光する。一方、印加電圧をゼロにすることで図13(a)に示すように可動部6が弾性復帰し、光変調素子13は光を透過させる。
この状態で透過した光は蛍光体15を発光表示させる。このようにして光変調が行われる。
【0006】
この平面表示素子では、光変調素子が2次元のマトリクス状に配列され、走査電極信号に従い各画素が選択され、画素電極にデータ信号が与えられて画像が表示される。従って、各画素を構成する光変調素子が静電気力により可動部を電気機械的動作させるので、高真空封止も不要になり、しかも大画面化に対しても低電圧、高速応答を可能にすることができる。
上記構成のような平面表示装置は、例えば次の文献に記載されたものがある。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−258558号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の光変調素子は、可動部6を変位させることにより光を透過させる光学的特性を付与するために、可動部6の構成を、可撓性を有し且つ絶縁性を有する透明な薄膜層5と、可動部6に電荷を静電誘導させるための透明電極3に加えて、ファブリペロー干渉を利用して光の透過又は反射を実現させる場合には、ミラー層を積層して形成する必要があった。このため、少なくとも異なる材質からなる3層の機能層を積層する必要があり、可動部6が複雑な層構造となり製造工数が大きくなる問題があった。また、透明電極3は可動部6の最上層に形成されるため、可動部6が複雑な多層構造であると可動部6の透明電極3と、固定側の電極である導光板9上の固定電極11との間の距離が大きくなる。その結果、所望の静電気力を得るための駆動電圧が高くなる問題を生じた。さらに、可動部6が複雑な多層構造であると、重量が増して素子の高速応答性能を低下させることにもなった。
【0009】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、可動部を単純構成にでき、しかも、低電圧駆動、高速応答が可能になる光変調素子及び平面表示素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る請求項1記載の光変調素子は、静電気力による可動部の変位動作と該可動部の弾性復帰動作により前記可動部と基板部との間に生じる光干渉作用で光変調を行う光変調素子において、前記基板部が固定透明電極と固定ミラー層を有し、前記可動部が可動透明電極と可動ミラー層からなり、前記基板部上に支持されて設けられることを特徴とする。
【0011】
この光変調素子では、静電気力により可動部が変位動作され又は弾性復帰動作されて、特定の波長域の光が光干渉作用によって透過又は反射されて光変調される。即ち、可動部に可動ミラー層を設け、可動部を支持する基板部に固定ミラー層を設け、可動部の変位動作によりこれらのミラー間の距離を異ならせることで、光源からの光がミラー間の距離に応じて透過又は反射される。このように動作される光変調素子の可動部が、可動ミラー層と可動透明電極とにより構成されることで、可動部が必要最小限の機能層によって形成され、その構成が単純になる。その結果、可動部に静電気力を付与する際に、電圧の印加される可動部の可動透明電極と、可動部を支持する基板部の固定透明電極との間の距離が短くなり、低電圧駆動が可能になり、また可動部が軽量になるため高速応答が可能になる。
【0012】
請求項2記載の光変調素子は、前記可動ミラー層が、誘電体多層膜からなることを特徴とする。
【0013】
この光変調素子では、可動部の可動ミラー層が誘電体多層膜からなることにより、固定ミラー層と可動ミラー層との間で繰り返し反射と透過が繰り返されるファブリペロー干渉を用いた光変調方式の場合に、ミラー間の空隙の略整数倍の波長成分の光だけが光変調素子を透過することになる。このように、所望の波長の光に対して所望の反射率(透過率)に設定する反射特性の設定を容易にでき、目的に応じた光変調を容易に行うことができる。
【0014】
請求項3記載の光変調素子は、前記誘電体多層膜が、TiO2 層及びSiO2 層の積層体であることを特徴とする。
【0015】
この光変調素子では、誘電体多層膜が、TiO2 層及びSiO2 層からなることにより、例えば波長が550nmの光に対して反射率0.86の特性を得ることができる。
【0016】
請求項4記載の光変調素子は、前記可動ミラー層が導電体層を含むことで、前記可動透明電極を兼ね備えたことを特徴とする。
【0017】
この光変調素子では、可動ミラー層が導電体層を含むことで可動透明電極としても機能することにより、可動部に可動透明電極を単体で配置することが省略できる。即ち、導電体層を含む可動ミラー層のみによって可動部を構成することで、静電気力による変位動作を行いつつ任意波長に対する反射特性が得られ、構成を一層単純にすることができる。これにより、可動部の軽量化及び高速応答化が可能になる。
【0018】
請求項5記載の光変調素子は、前記誘電体多層膜が、ITO層及びSiO2 層の積層体であると共に、該積層体の最外層をITO層としたことを特徴とする。
【0019】
この光変調素子では、誘電体多層膜が、ITO層及びSiO2 層からなることにより、可動ミラー層を透明電極としての機能を有する構成にできる。これにより、可動ミラー層だけの構成で可動部を構成することができる。
【0020】
請求項6記載の光変調素子は、前記誘電体多層膜が、5層乃至7層の積層体として形成されていることを特徴とする。
【0021】
この光変調素子では、TiO2 層とSiO2 層、又はITO層とSiO2 層とからなる誘電体多層膜が5層乃至7層で積層されることにより、誘電体多層膜の透過率特性を最適に設定することができる。
【0022】
請求項7記載の光変調素子は、前記基板部上に前記可動部の変位量を規制する光学スペーサが積層されたことを特徴する。
【0023】
この光変調素子では、基板部上に光学スペーサが積層されることで、可動部が変位動作した際に、可動部が光学スペーサを挟んで基板部と平行に密着される。
つまり、この光学スペーサが可動ミラー層と固定ミラー層とのギャップとなり、可動部の変位量が規制されて正確な間隙が形成される。これにより、可動ミラー層と固定ミラー層とが高精度に平行配置可能となる。また、変位動作時の駆動電圧が過電圧となった場合であっても、高精度な平行状態が安定して得られることになる。
【0024】
請求項8記載の平面表示素子は、請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の光変調素子を1次元又は2次元状に配列した光変調素子アレイと、前記光変調素子アレイの光路前方に対向対置され、前記光変調素子を透過した光によって選択的に発光される複数の蛍光体とを具備したことを特徴とする。
【0025】
この平面表示素子では、請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の光変調素子を1次元又は2次元状に配列した光変調素子アレイの光路前方に蛍光体を対向対置することで、光変調素子を透過した光によってこの蛍光体が選択的に発光される。これにより、光変調素子の可動部が単純構成であるために平面表示素子の構成を簡略化でき、低電圧表示、高速表示を可能にできる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光変調素子及び平面表示素子の好適な実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る光変調素子の第1の実施の形態を示す斜視図、図2は図1に示した光変調素子の平面図、図3は図1のA−A断面図である。
【0027】
図1〜図3に示すように、光変調素子21は、基板部23と、この基板部23の上面に空隙24を隔てて平行に対向配置される可動部25とを基本構成として有している。可動部25は、弾性を有して両端部が基板部23上に接合されて中央部が浮上したブリッジ状に形成されている。この光変調素子21は、複数の可動部25が例えば1次元状に配設されてアレイ状に形成される。
この可動部25は、静電気力による基板部23側への吸着力によって弾性変形し、基板部23上面に密着するように変位される一方、静電気力による吸着力がなくなると、弾性復帰力によって再び中央部が空隙24を隔てた位置に浮上して配置される。
【0028】
図4は図1に示した基板部の断面図である。
基板部23は、ガラス基板27、固定透明電極29、絶縁膜31、固定ミラー層33、光学スペーサ35を順次積層した構造となっている。具体的には、蒸着により形成した膜厚200nmのITOからなる固定透明電極29、スパッタにより形成した膜厚500nmのSiO2 からなる絶縁膜31、蒸着により形成した5層〜7層のTiO2 /SiO2 の誘電体多層膜からなる固定ミラー層33、蒸着により形成した膜厚190nmのSiO2 からなる光学スペーサ35となっている。ここで、誘電体多層膜からなる上記固定ミラー層33は、所謂ハーフミラーとして形成されている。なお、各層の膜厚は一例であってこれに限定されるものではない。
【0029】
一方、この実施の形態による光変調素子21は、図3に示すように可動部25が可動ミラー層37と可動透明電極39からなり、基板部23に対して支持されて設けられている。この光変調素子21では、静電気力により可動部25を変位動作させ、また可動部25を弾性復帰動作させる。これにより可動部25と基板部23との間にミラー層による光干渉作用を生じさせている。この光干渉作用により、特定の波長域の光が透過又は反射されることになる。
【0030】
本光変調素子21の可動部25には可動ミラー層37が設けられ、可動部25を支持する基板部23には固定ミラー層33が設けられる。そして、可動部25の変位動作によりこれら平行配置された可動ミラー33,固定ミラー37間の距離を異ならせ、ミラー間で繰り返し反射させた合成波の強度を変化させることによって光源からの光が透過又は反射される。即ち、ファブリペロー干渉を利用した光変調が行われる。
【0031】
このように動作される光変調素子21において、可動部25が可動ミラー層37と可動透明電極39とにより構成されることで、可動部25が必要最小限の機能層によって形成可能になり、可動部25の構成が単純になる。その結果、可動部25に静電気力を付与する際に、電圧の印加される可動部25の可動透明電極39と、可動部25を支持する基板部23側の固定透明電極29との間の距離が短くなり、所望の静電気力が低電圧で得ることができ、低電圧駆動が可能になる。また、可動部となる可動部25が軽量になりことで、高速応答も可能になる。
【0032】
さらに、光変調素子21は、基板部23上に犠牲層によって形成された上記の空隙24を有して支持され、別部材の支持体を用いない簡素な構造で変位自在に支持されている。これによっても軽量化が可能になっている。
【0033】
光変調素子21は、基板部23の最上層に上記の光学スペーサ35が積層されている。従って、可動部25が撓んだ際、可動部25は光学スペーサ35を挟んで基板部23の固定ミラー層33と平行に密着される。つまり、この光学スペーサ35が可動ミラー層37と固定ミラー層33とのギャップとなる。
ここで、平行ミラー間で繰り返し反射させた合成波の強度を変化させることによって光源からの光を透過又は反射させるファブリペロー干渉の場合、平行ミラー(可動ミラー層37、固定ミラー層33)が高精度で平行になることが要求される。本実施形態においては、光学スペーサ35がギャップとなることにより、可動部25が撓んだ際に可動ミラー層37と固定ミラー層33とが高精度に平行配置される。また、動作時の駆動電圧が過電圧となった場合であっても、高精度な平行状態が安定して得られることになる。
【0034】
図5は図3に示した誘電体多層膜の積層構造例の説明図、図6は誘電体多層膜が5層の場合の反射特性を表すグラフである。
本実施の形態における可動ミラー層37は、TiO2 層とSiO2 層とを積層することにより形成された誘電体多層膜からなる。
【0035】
可動ミラー層37が、誘電体多層膜からなることにより、平行ミラー間で繰り返し反射と透過が繰り返されるファブリペロー干渉の場合に、空隙の略整数倍の波長のみを光変調素子21を透過させることができる。可動ミラー層37は、所望の波長の光に対して所望の反射率(換言すれば透過率)を有することが要求されるが、可動ミラー層37が誘電体多層膜からなることにより、任意波長に対する透過率特性を容易に設計することができる。
【0036】
この光変調素子21では、誘電体多層膜の具体的な材質をTiO2 とSiO2 にすることにより、図6に示すように、波長550nmの光に対して反射率0.86の特性が得られることが実証された。なお、この際の積層構造は、図5に示すように、TiO2 層とSiO2 層とが順次積層された(膜厚27.3nmのTiO2 層が3層、膜厚94.8nmのSiO2 層が2層)5層構造であり、総膜厚が514nmであった。また、屈折率はTiO2 層が2.40、SiO2 層が1.45であった。
【0037】
固定透明電極29と可動透明電極39には電源Vが接続され、電源Vは画像情報に基づきそれぞれ所定のものに選択的に電圧を印加できるようになっている。
また、固定透明電極29と可動透明電極39は、一般的には微粒子化により透明になされた金属或いは導電性を有する金属酸化物で構成される。この金属しては、金、銀、パラジウム、亜鉛、アルミニウム等を用いることができ、金属化合物としては、酸化イリジウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等を用いることができる。具体的には、SnO2 膜(ネサ膜)、本実施の形態に用いられるITO膜等を挙げることができる。
【0038】
固定透明電極29と可動透明電極39は、ガラス基板27又は可動ミラー層37の表面に上述した導電性材料の薄膜を、スパッタリング法や真空蒸着法等により積層し、この薄膜の表面にレジストを塗布して露光、現像を行うことで所望のパターンで形成できる。露光はフォトレジストの上にフォトマスクを配置し、その上から紫外線を照射して行い、現像はフォトレジストの可溶部が除去できる現像液等で処理することにより行う。固定透明電極29と可動透明電極39に接続される図示しない電源供給回路も、これらの形成と同時にパターン形成することができる。
【0039】
図7は図1に示した光変調素子の一製造手順の説明図である。
上記のように構成される光変調素子21の特に可動部25の部分は、例えば以下の製造手順によって形成される。
(a)犠牲層の塗布・パターニング工程
予め上記した積層構造で形成された基板部23の上面にレジスト41をパターニングし、レジスト41の形成後、高温ベーク処理を行う。この際、レジスト41の膜厚目標値は、(5/4)λの場合は688nm、(3/4)λの場合は412nmとされる。ここで、λは光変調素子21に入射する光の波長である。
【0040】
(b)リフトオフ用レジストの塗布・パターニング工程
犠牲層用に形成したレジスト41上に、リフトオフ用レジスト43をパターニングする。そして、レジスト43の形成後、標準ベークを行う。
(c)可動部となる可動部のデポ工程
可動ミラー層37となる誘電体多層膜(TiO2 /SiO2 )を膜厚513.6nmで蒸着形成する。次いで、可動透明電極39となるITOを膜厚250nmでスパッタリングする。この際の成膜は常温にて行われる。
【0041】
(d)リフトオフ工程
アセトン溶解により、リフトオフ用レジスト43を除去する。レジスト除去後、純水洗浄、超音波洗浄処理を行う。
(e)ITOのアニール処理工程
可動部最上層に成膜されたITOをアニール処理して結晶化させる。
(f)犠牲層除去工程
犠牲層として工程(a)で形成したレジスト41をO2 プラズマエッチングにより除去する。これにより、基板部23上に空隙24を隔てて架設される可動部25が形成される。
【0042】
次に、光変調素子21の作用を説明する。
図8は図1に示した光変調素子の動作状態を説明する断面図、図9は図8(a)に示した状態における光変調素子の透過特性を表すグラフ、図10は図8(b)に示した状態における光変調素子の透過特性を異なるギャップ(a)(b)別で表すグラフである。
【0043】
可動部25を電気機械動作させて光変調させる動作原理としては、上記したファブリペロー干渉を利用することができる。ファブリペロー干渉では、二枚の平面なミラーを平行に向かい合わせた状態において、入射光線が反射と透過を繰り返して多数の光線に分割され、これらが互いに平行となる。透過光線は、無限遠において重なり合い干渉する。ミラー面の垂線と入射光線のなす角をiとすれば、相隣る二光線間の光路差はx=nt・cosiで与えられる。但し、nは二面間の屈折率、tは間隔である。光路差xが波長λの整数倍であれば透過線は互いに強め合い、半波長の奇数倍であれば互いに打ち消し合う。即ち、反射の際の位相変化がなければ、
【0044】
2nt・cosi=mλ で透過光最大となり、
2nt・cosi=(2m+1)λ/2 で透過光最小となる。
但し、mは正整数である。
【0045】
従って、光路差xが所定の値となるように可動部25を移動させることにより、一方のミラーから入射させた光を、他方のミラー側へ透過させることが可能となる。即ち、図8に示すように、基板部23の下方に図示しない光源が設けられ、この光源から出射された光が基板部23の下面側から光変調素子21へ入射される場合を例にすれば、光変調素子21は、可動部25の変位により透過させた変調光を可動部25側から出射させることができる。
【0046】
つまり、図8(a)に示すように、可動透明電極39と固定透明電極29とに電圧Vaが印加されて空隙24がゼロとなることにより、図9に示すように、λ=550nmの光に対して透過率が最大となる。これにより、特定の波長域の光を光干渉作用により透過させることができる。なお、この際のミラー間距離ndは、光学スペーサ35の厚み、即ち(1/2)λであるnd=275.0nm相当となっている。
【0047】
また、可動透明電極39と固定透明電極29への電圧印加が解除される(V=0)ことにより、図8(b)に示すように、可動部25が弾性復帰して空隙24が形成される。この際の空隙24が、(3/4)λ、即ち412.5nmであると、ミラー間距離ndは光学スペーサ35の厚み、即ち275.0nmとを加えたnd=687.5nmとなり、図10(a)に示すようにλ=550nmの光に対して透過率が最小となる。これにより、特定の波長域の光を光干渉作用により反射させることができる。
【0048】
なお、空隙24は、(5/4)λ、即ち687.5nmであっても、ミラー間距離ndは光学スペーサ35の厚み、即ち275.0nmとを加えたnd=962.5nmとなり、図10(b)に示すようにλ=550nmの光に対して透過率が最小となる。
【0049】
このように、上記の光変調素子21によれば、静電気力により可動部25を変位又は弾性復帰させて特定の波長域の光を透過又は反射させる構成において、可動部25を、可動ミラー層37と可動透明電極39とにより形成したので、必要最小限の機能層によって可動部25を形成することができ、可動部25の構成を単純にすることができる。これにより、可動部25に静電気力を付与する際に電圧の印加される可動透明電極39と固定透明電極29との間の距離を短くでき、低電圧駆動を可能にできる。また、可動部となる可動部25が軽量になるので、高速応答を可能にすることができる。
【0050】
図11は他の実施の形態に係る誘電体多層膜の積層構造例の説明図である。
この実施の形態では、可動透明電極39が省略され、且つ誘電体多層膜である可動ミラー層37aが透明電極としての機能を有している。この誘電体多層膜は、具体的にはITO層61、SiO2 層63とから製作することができる。
【0051】
この光変調素子では、誘電体多層膜である可動ミラー層37aが透明電極としての機能を有することにより可動透明電極を省略している。具体的には、誘電体多層膜がITO層とSiO2 層の積層体からなり、この積層体の最外層がITO層であることにより、可動ミラー層が透明電極としての機能を有する構成としている。前述の可動透明電極39を別体に形成する構成においては、誘電体多層膜がTiO2 層とSiO2 層の積層体からなり、これに可動透明電極39が加えられるが、TiO2 層に代えてITO層が用いられても誘電体多層膜を構成することができ、その場合のITO層を可動透明電極として使用することが可能になる。これにより、誘電体多層膜のみを用いた可動部が実現可能になる。つまり、誘電体多層膜のみからなる可動部によって、静電動作と任意波長に対する透過又は反射動作が実現可能になる。従って、可動部の構成が一層単純となり、低電圧駆動、可動部となる可動部の軽量化、及び高速応答が可能になる。
【0052】
なお、上記した二つの実施の形態において、誘電体多層膜は、TiO2 層とSiO2 層、又はITO層とSiO2 層を順次5層又は7層積層して形成することができる。これにより、所望の波長の光に対して所望の透過率特性を有する光学特性を容易に得ることができる。
【0053】
次に、上記の光変調素子21を1次元又は2次元状に配列して構成される平面表示素子について説明する。
平面表示素子(図示せず)は、光変調素子21の光路前方に、複数の蛍光体を対向対置することにより構成される。
この平面表示素子では、固定透明電極29と可動透明電極39との間に電源により電圧を印加すると、静電気力によって可動部25が変位動作する。これにより、基板部23、可動部25を透過して出射される光が変調されることになる。
従って、画像情報に基づいた電圧をそれぞれの固定透明電極29と可動透明電極39とに選択的に印加することで所望の表示制御が可能となる。
【0054】
この平面表示素子では、例えばプラズマディスプレイのような高真空構造とする必要がなく、大画面化が軽量且つ安価に実現可能になる。また、光変調素子の可動部が単純構成であるために平面表示素子の構成を簡略化でき、低電圧表示、高速表示を可能にできる。
【0055】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る光変調素子によれば、静電気力により可動部を変位又は弾性復帰させて特定の波長域の光を光干渉作用により透過又は反射させる光変調素子において、可動部を、可動ミラー層と可動透明電極とにより構成したので、必要最小限の機能層によって可動部を形成することができ、可動部の構成を単純にすることができる。これにより、可動部に静電気力を付与する際に電圧の印加される可動部側の可動透明電極と、可動部を支持する基板部側の固定透明電極との間の距離を短くでき、低電圧駆動を可能にできる。また、可動部となる可動部が軽量になるので、高速応答を可能にすることができる。
【0056】
本発明に係る平面表示素子によれば、請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の光変調素子を1次元又は2次元状に配列し、この光変調素子の光路前方に蛍光体を対向対置し、可動部を透過した光によってこの蛍光体を選択的に発光させるようにしたので、大画面化を軽量且つ安価に実現できる。また、光変調素子の可動部が単純構成であるので、低電圧表示、高速表示を可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光変調素子の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示した光変調素子の平面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図1に示した基板部の断面図である。
【図5】図3に示した誘電体多層膜の積層構造例の説明図である。
【図6】誘電体多層膜が5層の場合の反射特性を表すグラフである。
【図7】図1に示した光変調素子の一製造手順の説明図である。
【図8】図1に示した光変調素子の動作状態を説明する断面図である。
【図9】図8(a)に示した状態における光変調素子の透過特性を表すグラフである。
【図10】図8(b)に示した状態における光変調素子の透過特性を異なるギャップ(a)(b)別で表すグラフである。
【図11】他の実施の形態に係る誘電体多層膜の積層構造例の説明図である。
【図12】従来の平面表示素子の断面図である。
【図13】図12に示した平面表示素子に用いられる光変調素子の動作状態を説明する断面図である。
【符号の説明】
21 光変調素子
23 基板部
24 空隙
25 可動部
27 ガラス基板
29 固定透明電極
31 絶縁膜
33 固定ミラー層
37 可動ミラー層
39 可動透明電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電気力により可動部を変位動作させ、また、可動部を弾性復帰動作させることで、特定の波長域の光を光干渉作用により透過又は反射させる光変調素子及び平面表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄型の平面表示装置としては種々のものが提案されており、代表的なものに、例えばプラズマ表示装置等がある。プラズマ表示装置は、ネオン等の希ガスを封入した二枚のガラス板の間に、陽極と陰極に相当する規則的に配列した直交方向の電極を多数配置し、それぞれの対向電極の交点部を単位画素(セル)とした構造を有する。このプラズマ表示装置による表示は、画像情報に基づき、それぞれの交点部を特定する対向電極に選択的に電圧を印加することにより、この交点部を放電発光させ、発生した紫外線により蛍光体を励起発光させて行う。
【0003】
ところが、プラズマ表示装置は、画素毎にプラズマを発生させるための隔壁形成と高度な真空封止とが要求され、製造コストが高くなると共に大重量となる欠点がある。また、単位画素毎に陽極と陰極に相当する多数の電極を規則的に配列しなければならないため、電極数が多くなると共に、高精細、高輝度の画像が得にくい欠点がある。さらに、駆動電圧が高く、駆動ICが高価な欠点もある。
【0004】
このような欠点を解消するものに、マイクロマシニングにより作製された可動部を、静電気力により電気機械的動作させることで光変調を行う平面表示素子がある。図12に平面表示素子の一例を概念的に示した。この平面表示素子1は、図13に示すように、例えば透明な電極3と絶縁膜等の薄膜層5からなる可動部6を、支持部7を介して導光板9上の固定電極11に架設した光変調素子13を、図12に示す複数の蛍光体15とバックライト17とで挟み構成される。
【0005】
この平面表示素子1では、両電極3,11間に所定の電圧Vaを印加することで電極3,11間に静電気力を発生させ、可動部6を図13(b)に示すように固定電極11に向かって撓ませる。これに伴って素子自体の光学的特性が変化して、光変調素子13は光を遮光する。一方、印加電圧をゼロにすることで図13(a)に示すように可動部6が弾性復帰し、光変調素子13は光を透過させる。
この状態で透過した光は蛍光体15を発光表示させる。このようにして光変調が行われる。
【0006】
この平面表示素子では、光変調素子が2次元のマトリクス状に配列され、走査電極信号に従い各画素が選択され、画素電極にデータ信号が与えられて画像が表示される。従って、各画素を構成する光変調素子が静電気力により可動部を電気機械的動作させるので、高真空封止も不要になり、しかも大画面化に対しても低電圧、高速応答を可能にすることができる。
上記構成のような平面表示装置は、例えば次の文献に記載されたものがある。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−258558号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の光変調素子は、可動部6を変位させることにより光を透過させる光学的特性を付与するために、可動部6の構成を、可撓性を有し且つ絶縁性を有する透明な薄膜層5と、可動部6に電荷を静電誘導させるための透明電極3に加えて、ファブリペロー干渉を利用して光の透過又は反射を実現させる場合には、ミラー層を積層して形成する必要があった。このため、少なくとも異なる材質からなる3層の機能層を積層する必要があり、可動部6が複雑な層構造となり製造工数が大きくなる問題があった。また、透明電極3は可動部6の最上層に形成されるため、可動部6が複雑な多層構造であると可動部6の透明電極3と、固定側の電極である導光板9上の固定電極11との間の距離が大きくなる。その結果、所望の静電気力を得るための駆動電圧が高くなる問題を生じた。さらに、可動部6が複雑な多層構造であると、重量が増して素子の高速応答性能を低下させることにもなった。
【0009】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、可動部を単純構成にでき、しかも、低電圧駆動、高速応答が可能になる光変調素子及び平面表示素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る請求項1記載の光変調素子は、静電気力による可動部の変位動作と該可動部の弾性復帰動作により前記可動部と基板部との間に生じる光干渉作用で光変調を行う光変調素子において、前記基板部が固定透明電極と固定ミラー層を有し、前記可動部が可動透明電極と可動ミラー層からなり、前記基板部上に支持されて設けられることを特徴とする。
【0011】
この光変調素子では、静電気力により可動部が変位動作され又は弾性復帰動作されて、特定の波長域の光が光干渉作用によって透過又は反射されて光変調される。即ち、可動部に可動ミラー層を設け、可動部を支持する基板部に固定ミラー層を設け、可動部の変位動作によりこれらのミラー間の距離を異ならせることで、光源からの光がミラー間の距離に応じて透過又は反射される。このように動作される光変調素子の可動部が、可動ミラー層と可動透明電極とにより構成されることで、可動部が必要最小限の機能層によって形成され、その構成が単純になる。その結果、可動部に静電気力を付与する際に、電圧の印加される可動部の可動透明電極と、可動部を支持する基板部の固定透明電極との間の距離が短くなり、低電圧駆動が可能になり、また可動部が軽量になるため高速応答が可能になる。
【0012】
請求項2記載の光変調素子は、前記可動ミラー層が、誘電体多層膜からなることを特徴とする。
【0013】
この光変調素子では、可動部の可動ミラー層が誘電体多層膜からなることにより、固定ミラー層と可動ミラー層との間で繰り返し反射と透過が繰り返されるファブリペロー干渉を用いた光変調方式の場合に、ミラー間の空隙の略整数倍の波長成分の光だけが光変調素子を透過することになる。このように、所望の波長の光に対して所望の反射率(透過率)に設定する反射特性の設定を容易にでき、目的に応じた光変調を容易に行うことができる。
【0014】
請求項3記載の光変調素子は、前記誘電体多層膜が、TiO2 層及びSiO2 層の積層体であることを特徴とする。
【0015】
この光変調素子では、誘電体多層膜が、TiO2 層及びSiO2 層からなることにより、例えば波長が550nmの光に対して反射率0.86の特性を得ることができる。
【0016】
請求項4記載の光変調素子は、前記可動ミラー層が導電体層を含むことで、前記可動透明電極を兼ね備えたことを特徴とする。
【0017】
この光変調素子では、可動ミラー層が導電体層を含むことで可動透明電極としても機能することにより、可動部に可動透明電極を単体で配置することが省略できる。即ち、導電体層を含む可動ミラー層のみによって可動部を構成することで、静電気力による変位動作を行いつつ任意波長に対する反射特性が得られ、構成を一層単純にすることができる。これにより、可動部の軽量化及び高速応答化が可能になる。
【0018】
請求項5記載の光変調素子は、前記誘電体多層膜が、ITO層及びSiO2 層の積層体であると共に、該積層体の最外層をITO層としたことを特徴とする。
【0019】
この光変調素子では、誘電体多層膜が、ITO層及びSiO2 層からなることにより、可動ミラー層を透明電極としての機能を有する構成にできる。これにより、可動ミラー層だけの構成で可動部を構成することができる。
【0020】
請求項6記載の光変調素子は、前記誘電体多層膜が、5層乃至7層の積層体として形成されていることを特徴とする。
【0021】
この光変調素子では、TiO2 層とSiO2 層、又はITO層とSiO2 層とからなる誘電体多層膜が5層乃至7層で積層されることにより、誘電体多層膜の透過率特性を最適に設定することができる。
【0022】
請求項7記載の光変調素子は、前記基板部上に前記可動部の変位量を規制する光学スペーサが積層されたことを特徴する。
【0023】
この光変調素子では、基板部上に光学スペーサが積層されることで、可動部が変位動作した際に、可動部が光学スペーサを挟んで基板部と平行に密着される。
つまり、この光学スペーサが可動ミラー層と固定ミラー層とのギャップとなり、可動部の変位量が規制されて正確な間隙が形成される。これにより、可動ミラー層と固定ミラー層とが高精度に平行配置可能となる。また、変位動作時の駆動電圧が過電圧となった場合であっても、高精度な平行状態が安定して得られることになる。
【0024】
請求項8記載の平面表示素子は、請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の光変調素子を1次元又は2次元状に配列した光変調素子アレイと、前記光変調素子アレイの光路前方に対向対置され、前記光変調素子を透過した光によって選択的に発光される複数の蛍光体とを具備したことを特徴とする。
【0025】
この平面表示素子では、請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の光変調素子を1次元又は2次元状に配列した光変調素子アレイの光路前方に蛍光体を対向対置することで、光変調素子を透過した光によってこの蛍光体が選択的に発光される。これにより、光変調素子の可動部が単純構成であるために平面表示素子の構成を簡略化でき、低電圧表示、高速表示を可能にできる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光変調素子及び平面表示素子の好適な実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る光変調素子の第1の実施の形態を示す斜視図、図2は図1に示した光変調素子の平面図、図3は図1のA−A断面図である。
【0027】
図1〜図3に示すように、光変調素子21は、基板部23と、この基板部23の上面に空隙24を隔てて平行に対向配置される可動部25とを基本構成として有している。可動部25は、弾性を有して両端部が基板部23上に接合されて中央部が浮上したブリッジ状に形成されている。この光変調素子21は、複数の可動部25が例えば1次元状に配設されてアレイ状に形成される。
この可動部25は、静電気力による基板部23側への吸着力によって弾性変形し、基板部23上面に密着するように変位される一方、静電気力による吸着力がなくなると、弾性復帰力によって再び中央部が空隙24を隔てた位置に浮上して配置される。
【0028】
図4は図1に示した基板部の断面図である。
基板部23は、ガラス基板27、固定透明電極29、絶縁膜31、固定ミラー層33、光学スペーサ35を順次積層した構造となっている。具体的には、蒸着により形成した膜厚200nmのITOからなる固定透明電極29、スパッタにより形成した膜厚500nmのSiO2 からなる絶縁膜31、蒸着により形成した5層〜7層のTiO2 /SiO2 の誘電体多層膜からなる固定ミラー層33、蒸着により形成した膜厚190nmのSiO2 からなる光学スペーサ35となっている。ここで、誘電体多層膜からなる上記固定ミラー層33は、所謂ハーフミラーとして形成されている。なお、各層の膜厚は一例であってこれに限定されるものではない。
【0029】
一方、この実施の形態による光変調素子21は、図3に示すように可動部25が可動ミラー層37と可動透明電極39からなり、基板部23に対して支持されて設けられている。この光変調素子21では、静電気力により可動部25を変位動作させ、また可動部25を弾性復帰動作させる。これにより可動部25と基板部23との間にミラー層による光干渉作用を生じさせている。この光干渉作用により、特定の波長域の光が透過又は反射されることになる。
【0030】
本光変調素子21の可動部25には可動ミラー層37が設けられ、可動部25を支持する基板部23には固定ミラー層33が設けられる。そして、可動部25の変位動作によりこれら平行配置された可動ミラー33,固定ミラー37間の距離を異ならせ、ミラー間で繰り返し反射させた合成波の強度を変化させることによって光源からの光が透過又は反射される。即ち、ファブリペロー干渉を利用した光変調が行われる。
【0031】
このように動作される光変調素子21において、可動部25が可動ミラー層37と可動透明電極39とにより構成されることで、可動部25が必要最小限の機能層によって形成可能になり、可動部25の構成が単純になる。その結果、可動部25に静電気力を付与する際に、電圧の印加される可動部25の可動透明電極39と、可動部25を支持する基板部23側の固定透明電極29との間の距離が短くなり、所望の静電気力が低電圧で得ることができ、低電圧駆動が可能になる。また、可動部となる可動部25が軽量になりことで、高速応答も可能になる。
【0032】
さらに、光変調素子21は、基板部23上に犠牲層によって形成された上記の空隙24を有して支持され、別部材の支持体を用いない簡素な構造で変位自在に支持されている。これによっても軽量化が可能になっている。
【0033】
光変調素子21は、基板部23の最上層に上記の光学スペーサ35が積層されている。従って、可動部25が撓んだ際、可動部25は光学スペーサ35を挟んで基板部23の固定ミラー層33と平行に密着される。つまり、この光学スペーサ35が可動ミラー層37と固定ミラー層33とのギャップとなる。
ここで、平行ミラー間で繰り返し反射させた合成波の強度を変化させることによって光源からの光を透過又は反射させるファブリペロー干渉の場合、平行ミラー(可動ミラー層37、固定ミラー層33)が高精度で平行になることが要求される。本実施形態においては、光学スペーサ35がギャップとなることにより、可動部25が撓んだ際に可動ミラー層37と固定ミラー層33とが高精度に平行配置される。また、動作時の駆動電圧が過電圧となった場合であっても、高精度な平行状態が安定して得られることになる。
【0034】
図5は図3に示した誘電体多層膜の積層構造例の説明図、図6は誘電体多層膜が5層の場合の反射特性を表すグラフである。
本実施の形態における可動ミラー層37は、TiO2 層とSiO2 層とを積層することにより形成された誘電体多層膜からなる。
【0035】
可動ミラー層37が、誘電体多層膜からなることにより、平行ミラー間で繰り返し反射と透過が繰り返されるファブリペロー干渉の場合に、空隙の略整数倍の波長のみを光変調素子21を透過させることができる。可動ミラー層37は、所望の波長の光に対して所望の反射率(換言すれば透過率)を有することが要求されるが、可動ミラー層37が誘電体多層膜からなることにより、任意波長に対する透過率特性を容易に設計することができる。
【0036】
この光変調素子21では、誘電体多層膜の具体的な材質をTiO2 とSiO2 にすることにより、図6に示すように、波長550nmの光に対して反射率0.86の特性が得られることが実証された。なお、この際の積層構造は、図5に示すように、TiO2 層とSiO2 層とが順次積層された(膜厚27.3nmのTiO2 層が3層、膜厚94.8nmのSiO2 層が2層)5層構造であり、総膜厚が514nmであった。また、屈折率はTiO2 層が2.40、SiO2 層が1.45であった。
【0037】
固定透明電極29と可動透明電極39には電源Vが接続され、電源Vは画像情報に基づきそれぞれ所定のものに選択的に電圧を印加できるようになっている。
また、固定透明電極29と可動透明電極39は、一般的には微粒子化により透明になされた金属或いは導電性を有する金属酸化物で構成される。この金属しては、金、銀、パラジウム、亜鉛、アルミニウム等を用いることができ、金属化合物としては、酸化イリジウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等を用いることができる。具体的には、SnO2 膜(ネサ膜)、本実施の形態に用いられるITO膜等を挙げることができる。
【0038】
固定透明電極29と可動透明電極39は、ガラス基板27又は可動ミラー層37の表面に上述した導電性材料の薄膜を、スパッタリング法や真空蒸着法等により積層し、この薄膜の表面にレジストを塗布して露光、現像を行うことで所望のパターンで形成できる。露光はフォトレジストの上にフォトマスクを配置し、その上から紫外線を照射して行い、現像はフォトレジストの可溶部が除去できる現像液等で処理することにより行う。固定透明電極29と可動透明電極39に接続される図示しない電源供給回路も、これらの形成と同時にパターン形成することができる。
【0039】
図7は図1に示した光変調素子の一製造手順の説明図である。
上記のように構成される光変調素子21の特に可動部25の部分は、例えば以下の製造手順によって形成される。
(a)犠牲層の塗布・パターニング工程
予め上記した積層構造で形成された基板部23の上面にレジスト41をパターニングし、レジスト41の形成後、高温ベーク処理を行う。この際、レジスト41の膜厚目標値は、(5/4)λの場合は688nm、(3/4)λの場合は412nmとされる。ここで、λは光変調素子21に入射する光の波長である。
【0040】
(b)リフトオフ用レジストの塗布・パターニング工程
犠牲層用に形成したレジスト41上に、リフトオフ用レジスト43をパターニングする。そして、レジスト43の形成後、標準ベークを行う。
(c)可動部となる可動部のデポ工程
可動ミラー層37となる誘電体多層膜(TiO2 /SiO2 )を膜厚513.6nmで蒸着形成する。次いで、可動透明電極39となるITOを膜厚250nmでスパッタリングする。この際の成膜は常温にて行われる。
【0041】
(d)リフトオフ工程
アセトン溶解により、リフトオフ用レジスト43を除去する。レジスト除去後、純水洗浄、超音波洗浄処理を行う。
(e)ITOのアニール処理工程
可動部最上層に成膜されたITOをアニール処理して結晶化させる。
(f)犠牲層除去工程
犠牲層として工程(a)で形成したレジスト41をO2 プラズマエッチングにより除去する。これにより、基板部23上に空隙24を隔てて架設される可動部25が形成される。
【0042】
次に、光変調素子21の作用を説明する。
図8は図1に示した光変調素子の動作状態を説明する断面図、図9は図8(a)に示した状態における光変調素子の透過特性を表すグラフ、図10は図8(b)に示した状態における光変調素子の透過特性を異なるギャップ(a)(b)別で表すグラフである。
【0043】
可動部25を電気機械動作させて光変調させる動作原理としては、上記したファブリペロー干渉を利用することができる。ファブリペロー干渉では、二枚の平面なミラーを平行に向かい合わせた状態において、入射光線が反射と透過を繰り返して多数の光線に分割され、これらが互いに平行となる。透過光線は、無限遠において重なり合い干渉する。ミラー面の垂線と入射光線のなす角をiとすれば、相隣る二光線間の光路差はx=nt・cosiで与えられる。但し、nは二面間の屈折率、tは間隔である。光路差xが波長λの整数倍であれば透過線は互いに強め合い、半波長の奇数倍であれば互いに打ち消し合う。即ち、反射の際の位相変化がなければ、
【0044】
2nt・cosi=mλ で透過光最大となり、
2nt・cosi=(2m+1)λ/2 で透過光最小となる。
但し、mは正整数である。
【0045】
従って、光路差xが所定の値となるように可動部25を移動させることにより、一方のミラーから入射させた光を、他方のミラー側へ透過させることが可能となる。即ち、図8に示すように、基板部23の下方に図示しない光源が設けられ、この光源から出射された光が基板部23の下面側から光変調素子21へ入射される場合を例にすれば、光変調素子21は、可動部25の変位により透過させた変調光を可動部25側から出射させることができる。
【0046】
つまり、図8(a)に示すように、可動透明電極39と固定透明電極29とに電圧Vaが印加されて空隙24がゼロとなることにより、図9に示すように、λ=550nmの光に対して透過率が最大となる。これにより、特定の波長域の光を光干渉作用により透過させることができる。なお、この際のミラー間距離ndは、光学スペーサ35の厚み、即ち(1/2)λであるnd=275.0nm相当となっている。
【0047】
また、可動透明電極39と固定透明電極29への電圧印加が解除される(V=0)ことにより、図8(b)に示すように、可動部25が弾性復帰して空隙24が形成される。この際の空隙24が、(3/4)λ、即ち412.5nmであると、ミラー間距離ndは光学スペーサ35の厚み、即ち275.0nmとを加えたnd=687.5nmとなり、図10(a)に示すようにλ=550nmの光に対して透過率が最小となる。これにより、特定の波長域の光を光干渉作用により反射させることができる。
【0048】
なお、空隙24は、(5/4)λ、即ち687.5nmであっても、ミラー間距離ndは光学スペーサ35の厚み、即ち275.0nmとを加えたnd=962.5nmとなり、図10(b)に示すようにλ=550nmの光に対して透過率が最小となる。
【0049】
このように、上記の光変調素子21によれば、静電気力により可動部25を変位又は弾性復帰させて特定の波長域の光を透過又は反射させる構成において、可動部25を、可動ミラー層37と可動透明電極39とにより形成したので、必要最小限の機能層によって可動部25を形成することができ、可動部25の構成を単純にすることができる。これにより、可動部25に静電気力を付与する際に電圧の印加される可動透明電極39と固定透明電極29との間の距離を短くでき、低電圧駆動を可能にできる。また、可動部となる可動部25が軽量になるので、高速応答を可能にすることができる。
【0050】
図11は他の実施の形態に係る誘電体多層膜の積層構造例の説明図である。
この実施の形態では、可動透明電極39が省略され、且つ誘電体多層膜である可動ミラー層37aが透明電極としての機能を有している。この誘電体多層膜は、具体的にはITO層61、SiO2 層63とから製作することができる。
【0051】
この光変調素子では、誘電体多層膜である可動ミラー層37aが透明電極としての機能を有することにより可動透明電極を省略している。具体的には、誘電体多層膜がITO層とSiO2 層の積層体からなり、この積層体の最外層がITO層であることにより、可動ミラー層が透明電極としての機能を有する構成としている。前述の可動透明電極39を別体に形成する構成においては、誘電体多層膜がTiO2 層とSiO2 層の積層体からなり、これに可動透明電極39が加えられるが、TiO2 層に代えてITO層が用いられても誘電体多層膜を構成することができ、その場合のITO層を可動透明電極として使用することが可能になる。これにより、誘電体多層膜のみを用いた可動部が実現可能になる。つまり、誘電体多層膜のみからなる可動部によって、静電動作と任意波長に対する透過又は反射動作が実現可能になる。従って、可動部の構成が一層単純となり、低電圧駆動、可動部となる可動部の軽量化、及び高速応答が可能になる。
【0052】
なお、上記した二つの実施の形態において、誘電体多層膜は、TiO2 層とSiO2 層、又はITO層とSiO2 層を順次5層又は7層積層して形成することができる。これにより、所望の波長の光に対して所望の透過率特性を有する光学特性を容易に得ることができる。
【0053】
次に、上記の光変調素子21を1次元又は2次元状に配列して構成される平面表示素子について説明する。
平面表示素子(図示せず)は、光変調素子21の光路前方に、複数の蛍光体を対向対置することにより構成される。
この平面表示素子では、固定透明電極29と可動透明電極39との間に電源により電圧を印加すると、静電気力によって可動部25が変位動作する。これにより、基板部23、可動部25を透過して出射される光が変調されることになる。
従って、画像情報に基づいた電圧をそれぞれの固定透明電極29と可動透明電極39とに選択的に印加することで所望の表示制御が可能となる。
【0054】
この平面表示素子では、例えばプラズマディスプレイのような高真空構造とする必要がなく、大画面化が軽量且つ安価に実現可能になる。また、光変調素子の可動部が単純構成であるために平面表示素子の構成を簡略化でき、低電圧表示、高速表示を可能にできる。
【0055】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る光変調素子によれば、静電気力により可動部を変位又は弾性復帰させて特定の波長域の光を光干渉作用により透過又は反射させる光変調素子において、可動部を、可動ミラー層と可動透明電極とにより構成したので、必要最小限の機能層によって可動部を形成することができ、可動部の構成を単純にすることができる。これにより、可動部に静電気力を付与する際に電圧の印加される可動部側の可動透明電極と、可動部を支持する基板部側の固定透明電極との間の距離を短くでき、低電圧駆動を可能にできる。また、可動部となる可動部が軽量になるので、高速応答を可能にすることができる。
【0056】
本発明に係る平面表示素子によれば、請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の光変調素子を1次元又は2次元状に配列し、この光変調素子の光路前方に蛍光体を対向対置し、可動部を透過した光によってこの蛍光体を選択的に発光させるようにしたので、大画面化を軽量且つ安価に実現できる。また、光変調素子の可動部が単純構成であるので、低電圧表示、高速表示を可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光変調素子の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示した光変調素子の平面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図1に示した基板部の断面図である。
【図5】図3に示した誘電体多層膜の積層構造例の説明図である。
【図6】誘電体多層膜が5層の場合の反射特性を表すグラフである。
【図7】図1に示した光変調素子の一製造手順の説明図である。
【図8】図1に示した光変調素子の動作状態を説明する断面図である。
【図9】図8(a)に示した状態における光変調素子の透過特性を表すグラフである。
【図10】図8(b)に示した状態における光変調素子の透過特性を異なるギャップ(a)(b)別で表すグラフである。
【図11】他の実施の形態に係る誘電体多層膜の積層構造例の説明図である。
【図12】従来の平面表示素子の断面図である。
【図13】図12に示した平面表示素子に用いられる光変調素子の動作状態を説明する断面図である。
【符号の説明】
21 光変調素子
23 基板部
24 空隙
25 可動部
27 ガラス基板
29 固定透明電極
31 絶縁膜
33 固定ミラー層
37 可動ミラー層
39 可動透明電極
Claims (8)
- 静電気力による可動部の変位動作と該可動部の弾性復帰動作により前記可動部と基板部との間に生じる光干渉作用で光変調を行う光変調素子において、
前記基板部が固定透明電極と固定ミラー層を有し、
前記可動部が可動透明電極と可動ミラー層からなり、前記基板部上に支持されて設けられることを特徴とする光変調素子。 - 前記可動ミラー層が、誘電体多層膜からなることを特徴とする請求項1記載の光変調素子。
- 前記誘電体多層膜が、TiO2 層及びSiO2 層の積層体であることを特徴とする請求項2記載の光変調素子。
- 前記可動ミラー層が導電体層を含むことで、前記可動透明電極を兼ね備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光変調素子。
- 前記誘電体多層膜が、ITO層及びSiO2 層の積層体であると共に、該積層体の最外層をITO層としたことを特徴とする請求項4記載の光変調素子。
- 前記誘電体多層膜が、5層乃至7層の積層体として形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項5記載の光変調素子。
- 前記基板部上に前記可動部の変位量を規制する光学スペーサが積層されたことを特徴する請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の光変調素子。
- 請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の光変調素子を1次元又は2次元状に配列した光変調素子アレイと、
前記光変調素子アレイの光路前方に対向対置され、前記光変調素子を透過した光によって選択的に発光される複数の蛍光体とを具備したことを特徴とする平面表示素子。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010122879A1 (ja) | 2009-04-23 | 2010-10-28 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 光反射機構、光干渉計および分光分析器 |
KR101195100B1 (ko) * | 2004-09-27 | 2012-10-29 | 퀄컴 엠이엠에스 테크놀로지스, 인크. | 투명한 소자가 결합된 디스플레이 기기 및 그 제조 방법 |
-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002382456A patent/JP2004212670A/ja active Pending
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