JP2004212200A - X線検査装置、及び該x線検査装置の使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型・高密度化するBGAやCSPなどの電子部品の基板への実装状態を総合的に判断することのできるX線検査装置を提供すること。
【解決手段】試料Sを挟んで、X線を放射するX線源a1とX線を検出するX線検出器12とが対向して配置され、X線源a1から放射され、試料Sを透過したX線がX線検出器12にて検出されるように構成されたX線検査装置において、X線検出器12のX線受光面b1を、X線受光面b1を含む所定の面(面T1と平行な面)上に維持させたまま、なおかつX線受光面b1上のある2点を結ぶ直線の向きを一定方向に保たせたまま、X線検出器12を面T1と直交する直線L1を中心として円形に運動させる円形運動手段21と、X線源a1を直線L1を中心として、X線検出器12に同期させて円形に運動させる円形運動手段18とを装備する。
【選択図】 図14
【解決手段】試料Sを挟んで、X線を放射するX線源a1とX線を検出するX線検出器12とが対向して配置され、X線源a1から放射され、試料Sを透過したX線がX線検出器12にて検出されるように構成されたX線検査装置において、X線検出器12のX線受光面b1を、X線受光面b1を含む所定の面(面T1と平行な面)上に維持させたまま、なおかつX線受光面b1上のある2点を結ぶ直線の向きを一定方向に保たせたまま、X線検出器12を面T1と直交する直線L1を中心として円形に運動させる円形運動手段21と、X線源a1を直線L1を中心として、X線検出器12に同期させて円形に運動させる円形運動手段18とを装備する。
【選択図】 図14
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はX線検査装置、及び該X線検査装置の使用方法に関し、より詳細には、小型・高密度化するBGA(Ball Grid Array )や、CSP(Chip Scale Package)などの電子部品の基板(実装基板)への実装状態をX線を用いて検査するためのX線検査装置、及び該X線検査装置の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PC(Personal Computer )や、携帯電話、映像・音声機器などにおける、その高性能化には目覚ましいものがある。そして、その核となり、推進力となっているのが、これら機器のコア部分である実装基板の高密度化である。特に、最近ではBGAやCSPなどの多端子化に優れたパッケージが採用されてきている。
【0003】
ところが、BGAやCSPなどのパッケージは多端子化に非常に優れているが、その構造上、プリント基板に実装した場合に、パッケージ本体によりパッケージとプリント基板との接合部が隠れてしまうので、人間による目視検査はもちろんのこと、光学式の外観検査では接合状態の良否の確認が難しいといった問題がある。
【0004】
図23は、BGA1の一例を模式的に示した斜視図であり、図24は、図23に示したBGA1が実装された状態のプリント基板2を模式的に示した斜視図である。図24から明らかなように、最外周以外の部分に配設されているはんだボール1aとプリント基板2との接合状態の良否を外観で判断することは難しい。
【0005】
そこで注目されているのが、物体を透過する性質の強いX線による検査装置である。X線による検査装置としては、被検対象となる物体にX線を投射し、前記物体を透過したX線を検知することによって、前記物体の透視画像を得るX線透視装置や、プリント基板の主面に対して平行な面でスライスしたような断層画像を得るX線断層撮影装置などがある。
【0006】
X線透視装置(例えば、下記の特許文献1参照)を用いると、外側からでは観察することのできない内部形状を透視画像として観察することができ、X線透視装置は、はんだブリッジ(ショート)や、はんだボイド(はんだ接合部の内部に包含される気泡)の有無、はんだクズの有無などの比較的単純な不良要因の検出に効果がある。
【0007】
しかしながら、X線透視装置では、図25に示したような、使用者が最も検出したい不良要因の一つである、はんだボール部のオープン(浮き上がり不良)や、はんだの過少・過多などの不良要因を検出することが難しいといった問題がある。
【0008】
次に、X線を使って断層撮影画像(ラミノグラフィ:Lamino graphy )を取得する原理について、図26を使って説明する。ある被写体の特定の深さの層域を被検対象(被検対象面T)とし、被検対象となる部分を基準として、X線を照射するX線源aとX線を検出する撮像管bとの幾何学的関係を一定に保たせたまま、X線源aと撮像管bとを互いに運動させると、運動の基準部分(すなわち、被検対象となる部分)は一応不動と看做し得る関係状態となり、それ以外の部分については、前記基準部分から遠くなるほど、像の変形が大きくなり、結果的には像がボケてしまって、視認の対象とならなくなる。
【0009】
上記したように、前記被検対象となる部分を基準とし、点Oを中心として、X線源aと撮像管bとの幾何学的関係を一定に保たせたまま(すなわち、被検対象面Tと、撮像管bのX線入射面との平行関係を維持させたまま)、X線源aと撮像管bとを互いに運動させると、図26に示したように、被検対象面T上に存在する(すなわち、被検対象に含まれる)点O、点Pの撮像管b上における撮像位置は、X線源aがa1 〜a3 へと動いたとしても(そのとき、撮像管bもb1 〜b3 へと動いている)、点O1 〜O3 、点P1 〜P3 と前記運動に関係なく、絶えず同じ位置となる。
【0010】
運動の中心となる点OとX線源aとの距離をRとし、点Oと撮像管bとの距離をrとし、さらに、撮像管bのX線入射面と被検対象面Tとが常に平行に保たれているとすると、△a1 O1 P1 と、△a2 O2 P2 と、△a3 O3 P3 とにおいては、下記の数式が成立する。
O1 P1 =OP(R+r/R)=O2 P2 =O3 P3
因に、この場合の幾何学的拡大率は、R+r/Rとなる。
【0011】
これに対し、被検対象面T上に存在しない(例えば、別の面T’上に存在する)点Qの撮像管b上における撮像位置は、X線源aがa1 〜a3 へと移動するにつれて、点Q1 〜Q3 へと変化していく。従って、点Qの像の変形が大きくなり、像がボケてしまい、視認の対象とならなくなる。
【0012】
なお、上記したような、断層撮影画像を取得する原理が採用された、X線断層撮影装置では、はんだボール部のオープンや、はんだブリッジ、はんだの過少・過多などの不良要因の検出に効果があることが知られている。
【0013】
【特許文献1】
特開平10−239253号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、X線断層撮影装置は、はんだボール部のオープンや、はんだブリッジ、はんだの過少・過多の不良要因の検出には適しているが、はんだボイドの有無や、はんだクズの有無などの比較的単純な不良要因の検出にはあまり適さないといった問題がある。
と言うのは、断層画像の撮影は、透視画像の撮影と比べて時間がかかり、比較的単純な不良要因(すなわち、X線透視装置でも検出可能な不良要因)を検出するには効率が悪くなるからである。
【0015】
もちろん、X線断層撮影装置を使って、被検対象となる物体の透視画像を観察することも可能であるが、図26に示したように、X線断層撮影装置では、撮像管bのX線入射面と、被検対象面Tとの平行関係を維持させておく必要があるため、透視による観察には大きな制限があった。そのため、X線断層撮影装置を使って透視画像を観察したとしても、はんだボイドの有無や、はんだクズの有無などの比較的単純な不良要因の検出を効率良く行うことはできない。
【0016】
また、X線を使った検査装置では、X線透視装置やX線断層撮影装置以外のものとして、X線CT装置があるが、X線CT装置では被検対象となる物体の透視画像を得るために、前記被検対象となる物体を回転させる必要がある。従って、前記被検対象となる物体のサイズに大きな制約(最大50mm程度)があるため、実装基盤の検査にはあまり適していない。
【0017】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、小型・高密度化するBGAやCSPなどの電子部品の基板への実装状態を総合的に判断することのできるX線検査装置、及び該X線検査装置の使用方法を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成するために本発明に係るX線検査装置(1)は、試料を挟んで、X線を放射するX線源とX線を検出するX線検出器とが対向して配置され、前記X線源から放射され、前記試料を透過したX線が前記X線検出器にて検出されるように構成されたX線検査装置において、前記X線検出器のX線受光面を、該X線受光面を含む所定の面上に維持させたまま、なおかつ前記X線受光面上のある2点を結ぶ直線の向きを一定方向に保たせたまま、前記X線検出器を前記所定の面と直交する第1の直線を中心として円形に運動させる第1の運動手段と、前記X線源を前記第1の直線を中心として、前記X線検出器に同期させて円形に運動させる第2の運動手段とを備えていることを特徴としている。
【0019】
上記X線検査装置(1)によれば、被検対象となる前記試料を挟んで、前記X線源と前記X線検出器とが対向して配置され、前記X線検出器のX線受光面を、該X線受光面を含む前記所定の面(断層画像による前記試料の検査を行う場合の被検対象面と平行関係になる面)上に維持させたまま、なおかつ前記X線受光面上のある2点を結ぶ直線を一定方向に保たせたまま、前記X線検出器を前記所定の面と直交する前記第1の直線を中心として円形に運動させる一方、前記X線源を前記第1の直線を中心として、前記X線検出器に同期させて円形に運動させながら、前記X線源からX線を前記試料に放射させ、該試料を透過したX線を前記X線検出器で検出することができる。
【0020】
前記X線受光面、及び前記X線源の動きを図1〜図4に示した模式図を使って説明する。図1は斜視図を示し、図2は正面図を示し、図3は側面図を示し、図4は平面図を示している。X線検出器のX線受光面b1は前記所定の面上を維持したまま、なおかつX線受光面b1上のある2点を結ぶ直線の向き(例えば、点Aと点Bとを結ぶ直線LABの向き(図1、図4参照))を一定方向に保たせたまま、直線L1を中心としてb11 〜b13 へと円形に動くようになっている。
【0021】
すなわち、X線受光面b1は、直線L1を中心としてb11 〜b13 へと純粋に回転運動するようにはなっていない。図5は、X線受光面b1を直線L1を中心として回転させた状態を示した模式的平面図である。図5から明らかなように、X線受光面b1を直線L1を中心としてb11 ’〜b13 ’へと回転させた場合、X線受光面b1上の点A、点Bも同じように、直線L1を中心として回転するため、点Aと点Bとを結ぶ直線LABの向きは一定とならない。
【0022】
一方、X線源a1は、図1〜図4に示したように、直線L1を中心として、X線受光面b1の動きに対して180°遅らせた同期でa11 〜a13 へと円形に動くようになっている。また、図中T1(図1〜図3参照)は、前記所定の面と平行であり、X線源a1から放射されるX線の光軸OAと、円形運動の中心となる直線L1との交点O1を含む面を示している。
【0023】
X線受光面b1及びX線源a1を上記したように運動させると、面T1上に存在する点O1、点P1のX線受光面b1上における検出位置は、X線源a1がa11 〜a13 へと動いたとしても(そのとき、X線受光面b1もb11 〜b13 へと動いている)、点O11 〜O13 、点P11 〜P13 とは前記運動に関係なく、絶えず同じ位置となる。これは、点O1を基準として、X線源a1とX線受光面b1との幾何学的関係が一定に保たれているからである。
【0024】
この原理は、「従来の技術」の項目でも説明したが、(前記所定の面と平行であり、X線源a1から放射されるX線の光軸OAと、円形運動の中心となる直線L1との交点となる)点O1とX線源a1との距離をR1とし、点O1とX線受光面b1との距離をr1とすると、△a11 O11 P11 と、△a12 O12 P12 と、△a13 O13 P13 とにおいては、下記の数式が成立する。
O11 P11 =O1P1(R1+r1/R1)=O12 P12 =O13 P13 因に、この場合の幾何学的拡大率は、R1+r1/R1となる。
【0025】
これに対し、面T1上に存在しない、例えば、別の面T1’(図1、図2参照)上に存在する点Q1のX線受光面b1上における検出位置は、X線源a1がa11 〜a13 へと移動するにつれて、点Q11 〜Q13 へと変化していく。従って、点Q1の像の変形が大きくなり、像がボケてしまい、視認の対象とならなくなる。
【0026】
よって、X線受光面b1及びX線源a1を上記したように運動させた場合、面T1上に存在する点(点O1、点P1)のX線受光面b1上における検出位置は、X線源a1が円形に移動したとしても、該移動に関係なく、絶えず同じ位置となる一方、面T1上に存在しない点(例えば、点Q1)のX線受光面b1上における検出位置は、X線源a1が円形に移動するにつれて変化していく。
【0027】
すなわち、X線受光面b1及びX線源a1を上記したように運動させた場合、面T1(前記所定の面と平行であり、X線源a1から放射されるX線の光軸OAと、円形運動の中心軸となる直線L1との交点O1を含む面)上に存在する像の断層画像を取得することができる。
従って、上記X線検査装置(1)を用いることによって、前記試料の断層画像を取得することができるので、はんだボール部のオープンや、はんだブリッジ、はんだの過少・過多などの不良原因を的確に検出することができる。
【0028】
また、上記X線検査装置(1)によれば、前記試料の断層画像ではなく、単なる透視画像についても当然、取得可能であり、また、前記X線受光面や前記X線源を移動させることによって、様々な角度からの前記試料の透視画像を取得することができる。従って、様々な角度から前記試料を観察することができる。
【0029】
また、本発明に係るX線検査装置(2)は、上記X線検査装置(1)において、前記所定の面と平行であり、前記X線源から放射されるX線の光軸と前記第1の直線との交点を含む第1の面上の第2の直線を中心として、前記X線源と前記X線検出器とを一体的に回動させる第1の回動手段を備えていることを特徴としている。
【0030】
上記したように、前記所定の面と平行であり、前記X線源から放射されるX線の光軸と前記第1の直線(すなわち、円形運動の中心となる直線)との交点を含む前記第1の面は、断層画像による前記試料の検査の場合に前記試料の被検対象面となる。
【0031】
すなわち、上記X線検査装置(2)によれば、前記被検対象面となる前記第1の面上の前記第2の直線を中心として、前記X線源と前記X線検出器(すなわち、前記X線受光面)とを一体的に回動させることができる。前記第2の直線を中心として前記X線源と前記X線受光面とが一体的に回動する動きの一例を、図6、図7に示した模式図を使って説明する。図6は平面図を示し、図7は側面図を示している。
【0032】
X線源a1とX線受光面b1とは、被検対象面となる面T1(前記第1の面に対応)上の直線L2(前記第2の直線に対応)を中心として、前方/後方へ傾斜するように回動することができるようになっており、図7(b)に示したX線源a1とX線受光面b1との配置状態は、図6、図7(a)に示した配置状態から、直線L2を中心としてX線源a1とX線受光面b1とを一体的に後方へ角度θ1 回動させた後の配置状態である。
【0033】
図6、図7(a)に示した配置状態は、図1〜図4に示した場合と同様に、試料Sを水平方向にスライスした断層画像(横断層画像)を取得することができる状態であり、他方、図7(b)に示した配置状態は、斜め方向にスライスした断層画像(傾斜断層画像)を取得することができる状態である。
【0034】
従って、上記X線検査装置(2)を用いることによって、水平方向にスライスした横断層画像だけでなく、斜め方向にスライスした傾斜断層画像を取得することができるので、はんだボール部のオープンや、はんだブリッジ、はんだの過少・過多などの不良原因をより一層的確に検出することができる。また、透視による観察についても多方向から行うことができる。
【0035】
なお、ここでは前記回動の中心として、前方/後方へ傾斜するように回動させる直線L2を具体例として挙げたが、前記回動の中心は直線L2に限定されるものではなく、右方/左方へ傾斜するように回動させる直線であっても良く、もちろんその間となる斜め方向へ傾斜するように回動させる直線であっても良い。図8、図9に示した模式図を使って、前記X線源と前記X線受光面とを一体的に右方/左方へ回動させる場合について説明する。図8は平面図を示し、図9は側面図を示している。
【0036】
X線源a1とX線受光面b1とは、被検対象面となる面T1(前記第1の面に対応)上の直線L3(前記第2の直線に対応)を中心として、右方/左方へ傾斜するように回動することができるようになっており、図9(b)に示したX線源a1とX線受光面b1との配置状態は、図8、図9(a)に示した配置状態から、直線L3を回転軸としてX線源a1とX線受光面b1とを一体的に右方へ角度θ2 回動させた後の配置状態である。
【0037】
図8、図9(a)に示した配置状態は、図1〜図4に示した場合と同様に、試料Sを水平方向にスライスした断層画像(横断層画像)を取得することができる状態であり、他方、図9(b)に示した配置状態は、斜め方向にスライスした断層画像(傾斜断層画像)を取得することができる状態である。
【0038】
また、本発明に係るX線検査装置(3)は、上記X線検査装置(2)において、前記第2の直線と直交する、前記第1の面上の第3の直線を中心として、前記X線源と前記X線検出器とを一体的に回動させる第2の回動手段を備えていることを特徴としている。
【0039】
上記X線検査装置(3)によれば、前記被検対象面となる前記第1の面上の前記第2の直線と直交する、前記第1の面上の前記第3の直線を中心として、前記X線源と前記X線検出器(すなわち、前記X線受光面)とを一体的に回動させることができる。
【0040】
前記第2の直線としては、例えば、X線源a1とX線受光面b1とを前方/後方へ回動させるための直線L2(図6、図7参照)を挙げることができる。直線L2が前記第2の直線となる場合、直線L3(図8、図9参照)が前記第3の直線となる。図8、図9に示したように、直線L3はX線源a1とX線受光面b1とを右方/左方へ回動させるための中心となる。
【0041】
従って、上記X線検査装置(3)を用いることによって、あらゆる方向からの傾斜断層画像を取得することができ、また、透視による観察についてもあらゆる方向から行うことができるため、非常に検査能力の高い装置を実現することができる。
【0042】
また、本発明に係るX線検査装置(4)は、上記X線検査装置(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記X線受光面上の第4の直線を中心として、前記X線検出器を回動させる第3の回動手段を備えていることを特徴としている。
【0043】
上記してきたように、断層画像を取得するためには、前記X線検出器の前記X線受光面を、該X線受光面を含む前記所定の面上に維持させておく必要があるが、この配置が維持されたままでは、前記X線源から放射されるX線の光軸と前記X線受光面とが直交しないため(図1参照)、透視画像の取得において、下記のi、iiに示すような問題がある。
i.一度に観察できる範囲が狭くなる。
ii.斜め方向からの透視画像(傾斜透視画像)の取得は可能であるが、前記試料を真上から見た透視画像(垂直透視画像)を取得することができない。
【0044】
上記X線検査装置(4)によれば、前記X線受光面上の前記第4の直線を中心として、前記X線検出器(すなわち、前記X線受光面)を回動させることができる。前記第4の直線を中心として前記X線受光面が回動する動きを、図10、図11に示した模式図を使って説明する。図10は平面図を示し、図11は側面図を示している。
【0045】
X線受光面b1は、X線受光面b1上の直線L4(前記第4の直線に対応)を中心として、回動することができるようになっており、図11(b)に示したX線受光面b1の状態は、図10、図11(a)に示した状態から、直線L4を中心として後方へ角度θ3 (直線L1とX線源a1から放射されるX線の光軸OAとのなす角度)回動させた後の状態である。
【0046】
図10、図11(a)に示した状態では、X線源a1から放射されるX線の光軸とX線受光面b1とが直交しないため、一度に観察できる範囲が狭くなるが、図11(b)に示した状態では、X線源a1から放射されるX線の光軸とX線受光面b1とが直交するため、一度に観察できる範囲が広くなる。
【0047】
また、上記したように、前記所定の面と平行であり、X線源a1から放射されるX線の光軸OAと円形運動の中心となる直線L1との交点O1を含む面T1上の直線L2(図6、図7参照)や、直線L3(図8、図9参照)を回転軸として、X線源a1とX線受光面b1とを一体的に回動させることができるように構成されていれば、透視による観察を多方向から行うことができる。
【0048】
図12(a)に示したX線源a1とX線受光面b1との配置は、図11(b)に示した配置と同じであり、図12(b)に示したX線源a1とX線受光面b1との配置は、図12(a)に示した配置から、直線L2を中心としてX線源a1とX線受光面b1とを一体的に前方へ角度θ3 回動させた配置であり、X線受光面b1が試料Sの真上に位置しており、垂直透視画像の取得が可能となっている。
【0049】
従って、上記X線検査装置(4)を用いることによって、透視画像取得の際に一度に観察できる範囲が狭くなるといった問題や、前記試料を真上から見た垂直透視画像を取得することができないといった問題を解決することができる。これにより、断層画像による検査にはあまり適しなかった、はんだボイドの有無や、はんだクズの有無などの不良要因についても的確に検出することができる。
【0050】
また、本発明に係るX線検査装置(5)は、上記X線検査装置(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記第2の運動手段が、前記X線源を含んで構成されたX線放射器を前記第1の直線を中心として、前記X線検出器に同期させて円形に運動させることによって、前記X線源の円形運動を実現するものであることを特徴としている。
【0051】
前記X線源を円形運動させる方法の一つとして、例えば、前記X線源を含んで構成された前記X線放射器を固定させ、X線を放出するフィラメントそのものを回転させるといった方法が挙げられるが、フィラメントを回転させるX線放射器は寿命が短い(100時間程度)といった問題がある。
【0052】
上記X線検査装置(5)によれば、前記X線放射器を前記第1の直線を中心として、前記X線検出器に同期させて円形に運動させることによって、前記X線源の円形運動が実現される。従って、寿命の短いフィラメントを回転させるX線放射器を使用しなくても、上記装置を実現することができる。因に、フィラメントが固定されるX線放射器の寿命は、約1万時間である。
【0053】
また、本発明に係るX線検査装置(6)は、上記X線検査装置(5)において、前記第2の運動手段が、前記所定の面と直交する、前記X線放射器の断面の向きを一定方向に保たせたまま、前記X線放射器を円形に運動させるものであることを特徴としている。
【0054】
上記してきたように、断層画像を取得する場合には、前記X線受光面を、該X線受光面上のある2点を結ぶ直線の向きを一定方向に保たせたまま、円形運動させる必要があるが(すなわち、前記所定の面上における前記X線受光面の姿勢を保たせる必要がある)、前記X線源に関してはX線を放射するだけであるため、基本的には、姿勢を一定に保たせる必要はない。
【0055】
しかしながら、前記X線源を含んで構成されるX線放射器には、出力制御用や電力供給用のケーブルなどが接続される場合があるため、前記X線放射器の円形運動時に何らかの運動制御を行わないと、これらケーブルが前記円形運動によって捻じれてしまう虞がある。
【0056】
上記X線検査装置(6)によれば、前記所定の面と直交する、前記X線放射器の断面の向きを一定方向に保たせたまま、前記X線放射器が円形に運動させられるので、もし仮に、前記X線放射器に出力制御用や電力供給用のケーブルなどが接続されていたとしても、前記断面の向きが変わらないため、これらケーブルが前記円形運動によって捻じれることはない。これにより、上記装置には様々な種類のX線放射器を採用することが可能となるため、コストの低減を図ることができる。
【0057】
また、本発明に係るX線検査装置の使用方法(1)は、上記X線検査装置(1)〜(6)のいずれかの使用方法であって、断層画像による前記試料の検査を行う場合には、前記所定の面と平行であり、前記X線源から放射されるX線の光軸と前記第1の直線との交点を含む第1の面と、前記試料の被検希望面とが一致するように前記試料を配置するステップと、前記X線受光面を前記所定の面上に維持させたまま、なおかつ前記X線受光面上のある2点を結ぶ直線の向きを一定方向に保たせたまま、前記X線検出器を前記第1の直線を中心として円形に運動させると共に、前記X線源を前記第1の直線を中心として、前記X線検出器に同期させて円形に運動させるステップとを含んでいることを特徴としている。
【0058】
上記したように、前記所定の面と平行であり、前記X線源から放射されるX線の光軸と前記第1の直線(すなわち、円形運動の中心となる直線)との交点を含む前記第1の面は、断層画像による前記試料の検査の場合に前記試料の被検対象面となる。
【0059】
上記X線検査装置の使用方法(1)によれば、断層画像による前記試料の検査を行う場合には、前記第1の面(すなわち、前記被検対象面)と、前記試料の被検希望面とが一致するように前記試料を配置するステップを含んでいるので、被検を希望する面の断層画像を的確に取得することができる。
【0060】
また、本発明に係るX線検査装置の使用方法(2)は、上記X線検査装置(4)の使用方法であって、断層画像による前記試料の検査を行う場合には、前記X線検出器を前記第4の直線を中心として回動させることによって、前記X線受光面を含む前記所定の面が前記第1の直線と直交する第1の配置状態を実現させるステップを含み、他方、透視画像による前記試料の検査を行う場合には、前記第4の直線と平行な直線に対して、前記X線源から放射されるX線の光軸を直交させるステップと、前記X線検出器を前記第4の直線を中心として回動させることによって、前記X線受光面に対して、前記X線源から放射されるX線の光軸が直交するようになる第2の配置状態を実現させるステップとを含んでいることを特徴としている。
【0061】
図10、図11に示したように、上記X線検査装置(4)を用いれば、面T1と平行な関係にあるX線受光面b1を、X線受光面b1上の直線L4(前記第4の直線に対応)を中心として、X線受光面b1を回動させて、X線源a1から放射されるX線の光軸OAとX線受光面b1とを直交させることができる。
【0062】
X線源a1から放射されるX線の光軸OAとX線受光面b1とが直交する状態は、透視画像による前記試料の検査に非常に有効であるが、この状態では断層画像を取得することはできない。そのため、断層画像による前記試料の検査を行う場合には、直線L4を中心として、X線受光面b1を回動させて、X線受光面b1を含む前記所定の面を、直線L1(前記第1の直線に対応)と直交させるようにすることが必要である。
【0063】
上記X線検査方法の使用方法(2)によれば、断層画像による前記試料の検査を行う場合には、前記X線検出器を前記第4の直線を中心として回動させることによって、前記X線受光面を含む前記所定の面が前記第1の直線と直交する前記第1の配置状態を実現させるステップを含んでいるので、断層画像による前記試料の検査を適切に行うことができる。
【0064】
また、上記X線検査装置(4)によれば、前記X線受光面を前記第1の直線を中心として、円形に運動させることができるため、様々な角度からの透視による前記試料の観察を行うことができる。なお、前記X線受光面を前記第1の直線を中心として、円形運動させる場合、前記X線受光面上のある2点を結ぶ直線の向きを一定方向に保たせるようになっている。従って、前記X線受光面は前記第1の直線を中心として、純粋に回転運動をするようにはなっていない。
【0065】
図13は、前記X線受光面を前記第1の直線を中心として、面上における前記X線受光面の姿勢を一定に保たせたまま、円形に運動させた状態を示した模式的平面図である。図13から明らかなように、X線受光面b1上の点Aと点Bとを結ぶ直線LABの向きを一定に保たせたまま、X線受光面b1を直線L1を中心としてb11 〜b13 へと円形に運動させた場合、純粋な回転運動ではないので、直線L4の向きは一定に保たれたままとなる。
【0066】
ところで、図10、図11に示したように、X線源a1がa12 の位置に配置され、X線受光面b1がb12 の位置に配置された状態で、X線受光面b1を直線L4を中心として、後方へ角度θ3 回動させると、X線源a1から放射されるX線の光軸OAとX線受光面b1とを直交させることができる。
【0067】
これに対し、図13に示したように、X線源a1がa11 (a13 )の位置に配置され、X線受光面b1がb11 (b13 )の位置に配置された状態で、X線受光面b1を直線L4を中心として、回動させたとしても、X線源a1から放射されるX線の光軸OAとX線受光面b1とを直交させることはできない。
【0068】
これは、X線源a1がa11 (a13 )の位置に配置され、X線受光面b1がb11 (b13 )の位置に配置された状態では、X線源a1から放射されるX線の光軸OAに対して、直線L4(又は直線L4と平行な直線)が直交しないからである。
【0069】
上記X線検査方法の使用方法(2)によれば、透視画像による前記試料の検査を行う場合には、前記第4の直線と平行な直線に対して、前記X線源から放射されるX線の光軸を直交させるステップ(例えば、X線源a1をa12 へ、X線受光面b1をb12 へ移動させるステップ)と、前記X線検出器(すなわち、前記X線受光面)を前記第4の直線を中心として回動させる(例えば、X線受光面b1を直線L4を中心として、後方へ角度θ4 回動させる)ことによって、前記X
線受光面に対して、前記X線源から放射されるX線の光軸が直交するようになる前記第2の配置状態を実現させるステップとを含んでいるので、透視画像による前記試料の検査をより一層効果的に行うことができる。
【0070】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るX線検査装置、及び該X線検査装置の使用方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。図14は、実施の形態(1)に係るX線検査装置の要部を示した概略図である。
【0071】
図中Sは被検対象となる試料を示しており、試料Sは中央部にX線を透過する透過板14が形成された試料台13に載置されるようになっている。試料台13を挟んで、X線源a1を含んで構成されたX線放射器11と、X線受光面b1を有したX線検出器12とが対向して配置され、X線源a1からX線が放射され、透過板14及び試料Sを透過したX線が、X線検出器12のX線受光面b1で検出されるようになっている。また、図中T1はX線源a1から放射されるX線の光軸OAと、X線放射器11及びX線検出器12の円形運動の中心となる直線L1との交点O1を含む面を示している。
【0072】
X線検出器12は画像処理部15に接続されており、X線検出器12で検出されたX線に応じた画像データ(映像信号)が画像処理手段15へ出力されるようになっている。画像処理部15は、画質を改善するなどの信号処理を行い、信号処理した画像データを表示部(図示せず)へ出力したり、マイコン16へ出力したりするようになっている。
【0073】
X線放射器11、X線検出器12は、モータ17の回転力を受けて駆動する円形運動手段18、モータ20の回転力を受けて駆動する円形運動手段21にそれぞれ連結されており、X線放射器11は円形運動手段18の動きに合わせて、面T1と直交する直線L1(モータ17、20の回転軸と一致する直線)を中心として、円形に運動し、他方、X線検出器12は円形運動手段21の動きに合わせて、X線受光面b1と面T1とを平行にしたまま、直線L1を中心として、X線放射器11の動きに対して180°遅らせた同期で円形に運動するようになっている(図1〜図4参照)。なお、X線放射器11は、X線源a1から放射されるX線の光軸OAと直線L1とのなす角度がθ3 (例えば、20°)を維持するように円形に運動するようになっている。
【0074】
また、円形運動手段18は、面T1と直交する、X線放射器11の断面の向きを一定方向に保たせるための方向維持手段19を含んで構成されているため、面T1と直交する、X線放射器11の断面の向きが一定方向に保たれたまま、X線源a1がa11 〜a13 へと円形に運動するようになっている。
【0075】
円形運動手段21は、X線受光面b1上のある2点を結ぶ直線の向きを一定方向に保たせる(すなわち、X線受光面b1を含む所定の面上におけるX線受光面b1の姿勢を一定に保たせる)ための姿勢手段22を含んで構成されているため、図1、図4に示したように、X線受光面b1上の点Aと点Bとを結ぶ直線LABの向きが一定に保たれたまま、X線受光面b1が直線L1を中心としてb11 〜b13 へと円形に運動するようになっている。
【0076】
また、X線検出器12は、モータ23の回転力を受けて駆動する回動手段24に連結されており、回動手段24の動きに合わせて、図10、図11に示したように、X線受光面b1上の直線L4を回転軸として、円形運動の中心となる直線L1から離れる方向へ最大で角度θ3 回動するようになっている。
【0077】
円形運動手段18を駆動させるモータ17、円形運動手段21を駆動させるモータ20、及び回動手段24を駆動させるモータ23はいずれもマイコン16に接続されており、マイコン16によってモータ17、20、23は制御されるようになっている。従って、X線放射器11、及びX線検出器12の駆動についても、マイコン16で制御されるようになっている。また、マイコン16には操作部25が接続されており、使用者の所望するままに自由に試料Sを検査することができるようになっている。
【0078】
上記実施の形態(1)に係るX線検査装置によれば、被検対象となる試料Sを挟んで、X線源a1を含んで構成されたX線放射器11と、X線受光面b1を有したX線検出器12とが対向して配置され、X線放射器11を面T1(断層画像による試料Sの検査を行う場合に被検対象となる面)と直交する直線L1を中心として円形に運動させる一方、X線受光面b1と面T1とを平行にしたまま、なおかつ面上におけるX線受光面b1の姿勢を一定に保たせたまま、X線検出器12を面T1と直交する直線L1を中心として、X線放射器11に同期させて円形に運動させることができる。
【0079】
X線放射器11及びX線検出器12に対して、上記したような運動をさせながら、X線源a1からX線を試料Sに放射させた場合、「課題を解決するための手段及びその効果」の項目で、図1〜図4に示した模式図を使って説明したように、面T1上に存在する点O1、点P1のX線受光面b1上における検出位置は、X線源a1がa11 〜a13 へと動いたとしても(そのとき、X線受光面b1もb11 〜b13 へと動いている)、点O11 〜O13 、点P11 〜P13 とは前記運動に関係なく、絶えず同じ位置となる。
【0080】
これに対し、面T1上に存在しない、例えば、別の面T1’上に存在する点Q1のX線受光面b1における検出位置は、X線源a1がa11 〜a13 へと移動するにつれて、点Q11 〜Q13 へと変化していく。従って、点Q1の像の変形が大きくなり、像がボケてしまい、視認の対象とならなくなる。
【0081】
従って、上記実施の形態(1)に係るX線検査装置を利用することで、試料Sの断層画像を取得することができるので、外側からでは観察することの難しいはんだボール部のオープンや、はんだブリッジ、はんだの過少・過多などの不良原因を的確に検出することができる。また、試料Sの断層画像を取得することのできる面は面T1となるため、試料Sの被検希望面を面T1と一致するように試料Sを配置すれば、被検を希望する面の断層画像を取得することができる。
【0082】
また、上記実施の形態(1)に係るX線検査装置では、X線放射器11を直線L1を中心として、X線検出器12に同期させて円形に運動させることによって、X線源a1の円形運動が実現されるているので、X線放射器11としては、寿命の短いフィラメントを回転させるX線放射器ではなく、寿命の長いX線放射器を採用することができる。
【0083】
また、上記実施の形態(1)に係るX線検査装置によれば、図10、図11に示したように、X線検出器12を、X線受光面b1上の直線L4を中心として、円形運動の中心となる直線L1から離れる方向へ最大で角度θ3 (X線源a1から放射されるX線の光軸OAと直線L1とのなす角度と同じ大きさ)回動させることができる。
【0084】
従って、X線源a1がa12 の位置にあり、X線受光面b1がb12 の位置にあるときに、X線検出器12を直線L4を中心として、直線L1から離れる方向へ角度θ3 回動させることによって(図11参照)、X線源a1から放射されるX線の光軸OAとX線受光面b1とを直交させることができる。これにより、一度に透視による観察できる範囲を広くすることができる。
【0085】
また、上記実施の形態(1)に係るX線検査装置によれば、面T1と直交するX線放射器11の断面の向きを一定方向に保たせたまま、X線放射器11を直線L1を中心として円形に運動させることができる。
従って、もし仮に、X線放射器11に出力制御用や電力供給用のケーブルなどが接続されていたとしても、前記断面の向きが変わらないため、これらケーブルが前記円形運動によって捻じれることはない。これにより、X線放射器11としては、様々な種類のX線放射器を採用することが可能となるため、コストの低減を図ることができる。
【0086】
また、別の実施の形態に係るX線検査装置では、図15に示したように、X線放射器11とX線検出器12とを支持する支持部材31に、モータ32の回転力を受けて駆動する回動手段33に連結させて、回動手段33の動きに合わせて、図7に示したように、X線放射器11(X線源a1)とX線検出器12(X線受光面b1)とを一体的に、面T1上の直線L2(図6参照)を中心として、前方/後方へ傾斜させるように回動させるようにしても良い。
【0087】
さらに、別の実施の形態に係るX線検査装置では、図16に示したように、X線放射器11とX線検出器12とを支持する支持部材34に、モータ35の回転力を受けて駆動する回動手段36に連結させて、回動手段36の動きに合わせて、図9に示したように、X線放射器11(X線源a1)とX線検出器12(X線受光面b1)とを一体的に、直線L2と直交する、面T1上の別の直線L3(図8参照)を中心として、右方/左方へ傾斜させるように回動させるようにしても良い。
【0088】
これにより、垂直断層画像だけでなく、あらゆる方向からの傾斜断層画像を取得することができ、また、透視による観察についてもあらゆる方向から行うことができるため(例えば、図12(b)に示したように、垂直透視画像の取得も可能となる)、非常に検査能力の高い装置を実現することができる。
【0089】
上記したように、本発明に係るX線検査装置では、垂直断層画像だけでなく、あらゆる方向からの傾斜断層画像を取得することができるため、外側からでは観察することの難しいはんだボール部のオープンや、はんだブリッジ、はんだの過少・過多などの不良要因を的確に検出することができる。また、透視による検査についてもあらゆる方向から行うことができるため、断層画像による検査にはあまり適しなかった、はんだボイドの有無や、はんだクズの有無などの不良要因についても的確に検出することができる。
【0090】
このように、本発明に係るX線検査装置では、はんだボール部のオープンや、はんだブリッジ、はんだの過少・過多、はんだボイドの有無や、はんだクズの有無などの不良要因の検出を1台の装置で総合的に行うことができる。これにより、従来の(部分的な検査しかできなかった)X線検査装置では実現が難しかった実装状態の検査の自動化を実現することができる。
【0091】
【実施例】
図17は、実施例1に係るX線検査装置の上側の要部を示した部分的断面図である。モータ20の回転軸20aに接続され、モータ20が回転すると、直線L1を中心として回転する回転軸41が、ベアリング42、及び保持部43によってコラム44に保持されている。なお、モータ20はコラム44に固定されている。また、回転軸41には回転アーム45が接合されており、回転アーム45もまたモータ20が回転すると、直線L1を中心として回転するようになっている。
【0092】
X線検出器12と接合されている、直線L5を中心として回転する回転軸46は、ベアリング47を介して、回転アーム45に接続されている。また、回転軸46の上部には、ベアリング軸48が配設されている。ベアリング軸48は、ベアリング49を介して、偏心アーム50に接続されている。また、偏心アーム50は、ベアリング51を介して、保持部43に固定されている偏心軸52に接続されている。
【0093】
回転軸46の中心(直線L5)は、回転軸46が回転アーム45に接続されているため、モータ20が回転すると、直線L1を中心として、半径r2の円を描くように回転するようになっている。
他方、ベアリング軸48の中心(直線L6)は、ベアリング軸48が偏心アーム50に接続されているため、モータ20が回転すると、その回転に応じて回転するようになっているが、偏心軸52によって、回転の中心が偏心されているため、直線L1ではなく、直線L1’を中心として、半径r2の円を描くように回転するようになっている。なお、直線L1’は、ベアリング51(偏心軸52)の中心を通る直線である。
【0094】
図18は、モータ20を回転させた場合の、回転軸46とベアリング軸48との動きを示した模式的平面図である。図18に示したように、モータ20が回転した場合、回転軸46の中心46a(直線L5)が、直線L1を中心として、半径r2の円を描くように回転する一方、ベアリング軸48の中心48a(直線L6)は、直線L1’を中心として、半径r2の円を描くように回転する。
【0095】
従って、図18から明らかなように、モータ20を回転させて、回転軸46、及びベアリング軸48を円形に運動させたとしても、回転軸46の中心46aとベアリング軸48の中心48aとを結ぶ直線の向きは一定に保たれることとなる。すなわち、回転軸46の軸方向と直交する面上における、回転軸46の姿勢は一定に保たれることとなる。
【0096】
このように、上記実施例1に係るX線検査装置によれば、モータ20を回転させて、回転軸46を円形に運動させたとしても、回転軸46の軸方向と直交する面上における、回転軸46の姿勢は一定に保たれることとなる。そのため、回転軸46に接合されているX線検出器12の面上における姿勢を一定に保たせたまま、直線L1を中心として円形に運動させることができる。図19に、X線検出器12を直線L1を中心として180°円形に移動させた後の状態を一点破線で示す。
【0097】
図20は、実施例1に係るX線検査装置の下側の要部を示した部分的断面図である。モータ17の回転軸17aに接続され、モータ17が回転すると、直線L1を中心として回転する回転軸61が、ベアリング62、及び保持部63によってコラム64に保持されている。なお、モータ17はコラム64に固定されている。また、回転軸61には回転アーム65が接合されており、回転アーム65もまたモータ17が回転すると、直線L1を中心として回転するようになっている。
【0098】
X線放射器11と接合されている、直線L7を中心として回転する回転軸66は、ベアリング67を介して、回転アーム65に接続されている。また、回転軸66の下部には、クロスジョイント部68を介して、ベアリング軸69が配設されている。ベアリング軸69は、ベアリング70を介して、偏心アーム71に接続されている。また、偏心アーム71は、ベアリング72を介して、保持部63に固定されている偏心軸73に接続されている。
【0099】
回転軸66の中心(直線L7)は、回転軸66が回転アーム65に接続されているため、モータ17が回転すると、直線L1を中心として、回転するようになっている。従って、回転軸66の中心の延長線上に配置されている、クロスジョイント部の中心もまた、直線L1を中心として、回転するようになっている。なお、クロスジョイント部の中心は、図20に示したように、モータ17が回転すると、直線L1を中心として、半径r3の円を描くように回転する。
【0100】
ベアリング軸69の中心(直線L8)は、ベアリング軸69が偏心アーム71に接続されているため、モータ17が回転すると、その回転に応じて回転するようになっているが、偏心軸73によって、回転の中心が偏心されているため、直線L1ではなく、直線L1’を中心として、半径r3の円を描くように回転するようになっている。なお、直線L1’は、ベアリング72(偏心軸73)の中心を通る直線である。
【0101】
図21は、モータ17を回転させた場合の、クロスジョイント部68とベアリング軸69との動きを示した模式的平面図である。図21に示したように、モータ17が回転した場合、クロスジョイント部68の中心68aは、直線L1を中心として、半径r3の円を描くように回転し、ベアリング軸69の中心69a(直線L8)は、直線L1’を中心として、半径r3の円を描くように回転する。
【0102】
従って、図21から明らかなように、モータ17を回転させて、クロスジョイント部68、及びベアリング軸69を円形に運動させたとしても、クロスジョイント部68の中心68aとベアリング軸69の中心69aとを結ぶ直線の向きは一定に保たれることとなる。すなわち、円形運動する面と直交する、回転軸66の断面の向きが一定に保たれることとなる。
【0103】
このように、上記実施例1に係るX線検査装置によれば、モータ17を回転させて、回転軸66を円形に運動させたとしても、円形運動する面と直交する、回転軸66の断面の向きが一定に保たれることとなる。そのため、円形運動する面と直交する、回転軸66に接合されているX線放射器11の断面の向きを一定方向に保たせたまま、直線L1を中心として円形に運動させることができる。図22に、X線放射器11を直線L1を中心として180°円形に移動させた後の状態を一点破線で示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線検査装置(1)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図2】本発明に係るX線検査装置(1)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図3】本発明に係るX線検査装置(1)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図4】本発明に係るX線検査装置(1)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図5】X線受光面を回転運動させた状態を示した模式的平面図である。
【図6】本発明に係るX線検査装置(2)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図7】本発明に係るX線検査装置(2)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図8】本発明に係るX線検査装置(2)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図9】本発明に係るX線検査装置(2)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図10】本発明に係るX線検査装置(4)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図11】本発明に係るX線検査装置(4)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図12】本発明に係るX線検査装置(4)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図13】本発明に係るX線検査装置(4)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図14】本発明における実施の形態(1)に係るX線検査装置の要部を示した概略図である。
【図15】別の実施の形態に係るX線検査装置の要部を模式的に示した側面図である。
【図16】別の実施の形態に係るX線検査装置の要部を模式的に示した正面図である。
【図17】実施例1に係るX線検査装置の上側の要部を示した部分的断面図である。
【図18】実施例1に係るX線検査装置におけるX線検出器と接合された回転軸、及びベアリング軸の動きを説明するための説明図である。
【図19】実施例1に係るX線検査装置の上側の要部を示した部分的断面図である。
【図20】実施例1に係るX線検査装置の下側の要部を示した部分的断面図である。
【図21】実施例1に係るX線検査装置におけるクロスジョイント部、及びベアリング軸の動きを説明するための説明図である。
【図22】実施例1に係るX線検査装置の下側の要部を示した部分的断面図である。
【図23】BGAの一例を模式的に示した斜視図である。
【図24】BGAが実装された状態のプリント基板を模式的に示した斜視図である。
【図25】はんだボールの浮き上がり不良の状態を示した模式図である。
【図26】断層撮影画像を取得する原理を説明するための説明図である。
【符号の説明】
11 X線放射器
12 X線検出器
16 マイコン
17、20、23 モータ
18、21 円形運動手段
19 方向維持手段
22 姿勢手段
24 回動手段
a1 X線源
b1 X線受光面
【発明の属する技術分野】
本発明はX線検査装置、及び該X線検査装置の使用方法に関し、より詳細には、小型・高密度化するBGA(Ball Grid Array )や、CSP(Chip Scale Package)などの電子部品の基板(実装基板)への実装状態をX線を用いて検査するためのX線検査装置、及び該X線検査装置の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PC(Personal Computer )や、携帯電話、映像・音声機器などにおける、その高性能化には目覚ましいものがある。そして、その核となり、推進力となっているのが、これら機器のコア部分である実装基板の高密度化である。特に、最近ではBGAやCSPなどの多端子化に優れたパッケージが採用されてきている。
【0003】
ところが、BGAやCSPなどのパッケージは多端子化に非常に優れているが、その構造上、プリント基板に実装した場合に、パッケージ本体によりパッケージとプリント基板との接合部が隠れてしまうので、人間による目視検査はもちろんのこと、光学式の外観検査では接合状態の良否の確認が難しいといった問題がある。
【0004】
図23は、BGA1の一例を模式的に示した斜視図であり、図24は、図23に示したBGA1が実装された状態のプリント基板2を模式的に示した斜視図である。図24から明らかなように、最外周以外の部分に配設されているはんだボール1aとプリント基板2との接合状態の良否を外観で判断することは難しい。
【0005】
そこで注目されているのが、物体を透過する性質の強いX線による検査装置である。X線による検査装置としては、被検対象となる物体にX線を投射し、前記物体を透過したX線を検知することによって、前記物体の透視画像を得るX線透視装置や、プリント基板の主面に対して平行な面でスライスしたような断層画像を得るX線断層撮影装置などがある。
【0006】
X線透視装置(例えば、下記の特許文献1参照)を用いると、外側からでは観察することのできない内部形状を透視画像として観察することができ、X線透視装置は、はんだブリッジ(ショート)や、はんだボイド(はんだ接合部の内部に包含される気泡)の有無、はんだクズの有無などの比較的単純な不良要因の検出に効果がある。
【0007】
しかしながら、X線透視装置では、図25に示したような、使用者が最も検出したい不良要因の一つである、はんだボール部のオープン(浮き上がり不良)や、はんだの過少・過多などの不良要因を検出することが難しいといった問題がある。
【0008】
次に、X線を使って断層撮影画像(ラミノグラフィ:Lamino graphy )を取得する原理について、図26を使って説明する。ある被写体の特定の深さの層域を被検対象(被検対象面T)とし、被検対象となる部分を基準として、X線を照射するX線源aとX線を検出する撮像管bとの幾何学的関係を一定に保たせたまま、X線源aと撮像管bとを互いに運動させると、運動の基準部分(すなわち、被検対象となる部分)は一応不動と看做し得る関係状態となり、それ以外の部分については、前記基準部分から遠くなるほど、像の変形が大きくなり、結果的には像がボケてしまって、視認の対象とならなくなる。
【0009】
上記したように、前記被検対象となる部分を基準とし、点Oを中心として、X線源aと撮像管bとの幾何学的関係を一定に保たせたまま(すなわち、被検対象面Tと、撮像管bのX線入射面との平行関係を維持させたまま)、X線源aと撮像管bとを互いに運動させると、図26に示したように、被検対象面T上に存在する(すなわち、被検対象に含まれる)点O、点Pの撮像管b上における撮像位置は、X線源aがa1 〜a3 へと動いたとしても(そのとき、撮像管bもb1 〜b3 へと動いている)、点O1 〜O3 、点P1 〜P3 と前記運動に関係なく、絶えず同じ位置となる。
【0010】
運動の中心となる点OとX線源aとの距離をRとし、点Oと撮像管bとの距離をrとし、さらに、撮像管bのX線入射面と被検対象面Tとが常に平行に保たれているとすると、△a1 O1 P1 と、△a2 O2 P2 と、△a3 O3 P3 とにおいては、下記の数式が成立する。
O1 P1 =OP(R+r/R)=O2 P2 =O3 P3
因に、この場合の幾何学的拡大率は、R+r/Rとなる。
【0011】
これに対し、被検対象面T上に存在しない(例えば、別の面T’上に存在する)点Qの撮像管b上における撮像位置は、X線源aがa1 〜a3 へと移動するにつれて、点Q1 〜Q3 へと変化していく。従って、点Qの像の変形が大きくなり、像がボケてしまい、視認の対象とならなくなる。
【0012】
なお、上記したような、断層撮影画像を取得する原理が採用された、X線断層撮影装置では、はんだボール部のオープンや、はんだブリッジ、はんだの過少・過多などの不良要因の検出に効果があることが知られている。
【0013】
【特許文献1】
特開平10−239253号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、X線断層撮影装置は、はんだボール部のオープンや、はんだブリッジ、はんだの過少・過多の不良要因の検出には適しているが、はんだボイドの有無や、はんだクズの有無などの比較的単純な不良要因の検出にはあまり適さないといった問題がある。
と言うのは、断層画像の撮影は、透視画像の撮影と比べて時間がかかり、比較的単純な不良要因(すなわち、X線透視装置でも検出可能な不良要因)を検出するには効率が悪くなるからである。
【0015】
もちろん、X線断層撮影装置を使って、被検対象となる物体の透視画像を観察することも可能であるが、図26に示したように、X線断層撮影装置では、撮像管bのX線入射面と、被検対象面Tとの平行関係を維持させておく必要があるため、透視による観察には大きな制限があった。そのため、X線断層撮影装置を使って透視画像を観察したとしても、はんだボイドの有無や、はんだクズの有無などの比較的単純な不良要因の検出を効率良く行うことはできない。
【0016】
また、X線を使った検査装置では、X線透視装置やX線断層撮影装置以外のものとして、X線CT装置があるが、X線CT装置では被検対象となる物体の透視画像を得るために、前記被検対象となる物体を回転させる必要がある。従って、前記被検対象となる物体のサイズに大きな制約(最大50mm程度)があるため、実装基盤の検査にはあまり適していない。
【0017】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、小型・高密度化するBGAやCSPなどの電子部品の基板への実装状態を総合的に判断することのできるX線検査装置、及び該X線検査装置の使用方法を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成するために本発明に係るX線検査装置(1)は、試料を挟んで、X線を放射するX線源とX線を検出するX線検出器とが対向して配置され、前記X線源から放射され、前記試料を透過したX線が前記X線検出器にて検出されるように構成されたX線検査装置において、前記X線検出器のX線受光面を、該X線受光面を含む所定の面上に維持させたまま、なおかつ前記X線受光面上のある2点を結ぶ直線の向きを一定方向に保たせたまま、前記X線検出器を前記所定の面と直交する第1の直線を中心として円形に運動させる第1の運動手段と、前記X線源を前記第1の直線を中心として、前記X線検出器に同期させて円形に運動させる第2の運動手段とを備えていることを特徴としている。
【0019】
上記X線検査装置(1)によれば、被検対象となる前記試料を挟んで、前記X線源と前記X線検出器とが対向して配置され、前記X線検出器のX線受光面を、該X線受光面を含む前記所定の面(断層画像による前記試料の検査を行う場合の被検対象面と平行関係になる面)上に維持させたまま、なおかつ前記X線受光面上のある2点を結ぶ直線を一定方向に保たせたまま、前記X線検出器を前記所定の面と直交する前記第1の直線を中心として円形に運動させる一方、前記X線源を前記第1の直線を中心として、前記X線検出器に同期させて円形に運動させながら、前記X線源からX線を前記試料に放射させ、該試料を透過したX線を前記X線検出器で検出することができる。
【0020】
前記X線受光面、及び前記X線源の動きを図1〜図4に示した模式図を使って説明する。図1は斜視図を示し、図2は正面図を示し、図3は側面図を示し、図4は平面図を示している。X線検出器のX線受光面b1は前記所定の面上を維持したまま、なおかつX線受光面b1上のある2点を結ぶ直線の向き(例えば、点Aと点Bとを結ぶ直線LABの向き(図1、図4参照))を一定方向に保たせたまま、直線L1を中心としてb11 〜b13 へと円形に動くようになっている。
【0021】
すなわち、X線受光面b1は、直線L1を中心としてb11 〜b13 へと純粋に回転運動するようにはなっていない。図5は、X線受光面b1を直線L1を中心として回転させた状態を示した模式的平面図である。図5から明らかなように、X線受光面b1を直線L1を中心としてb11 ’〜b13 ’へと回転させた場合、X線受光面b1上の点A、点Bも同じように、直線L1を中心として回転するため、点Aと点Bとを結ぶ直線LABの向きは一定とならない。
【0022】
一方、X線源a1は、図1〜図4に示したように、直線L1を中心として、X線受光面b1の動きに対して180°遅らせた同期でa11 〜a13 へと円形に動くようになっている。また、図中T1(図1〜図3参照)は、前記所定の面と平行であり、X線源a1から放射されるX線の光軸OAと、円形運動の中心となる直線L1との交点O1を含む面を示している。
【0023】
X線受光面b1及びX線源a1を上記したように運動させると、面T1上に存在する点O1、点P1のX線受光面b1上における検出位置は、X線源a1がa11 〜a13 へと動いたとしても(そのとき、X線受光面b1もb11 〜b13 へと動いている)、点O11 〜O13 、点P11 〜P13 とは前記運動に関係なく、絶えず同じ位置となる。これは、点O1を基準として、X線源a1とX線受光面b1との幾何学的関係が一定に保たれているからである。
【0024】
この原理は、「従来の技術」の項目でも説明したが、(前記所定の面と平行であり、X線源a1から放射されるX線の光軸OAと、円形運動の中心となる直線L1との交点となる)点O1とX線源a1との距離をR1とし、点O1とX線受光面b1との距離をr1とすると、△a11 O11 P11 と、△a12 O12 P12 と、△a13 O13 P13 とにおいては、下記の数式が成立する。
O11 P11 =O1P1(R1+r1/R1)=O12 P12 =O13 P13 因に、この場合の幾何学的拡大率は、R1+r1/R1となる。
【0025】
これに対し、面T1上に存在しない、例えば、別の面T1’(図1、図2参照)上に存在する点Q1のX線受光面b1上における検出位置は、X線源a1がa11 〜a13 へと移動するにつれて、点Q11 〜Q13 へと変化していく。従って、点Q1の像の変形が大きくなり、像がボケてしまい、視認の対象とならなくなる。
【0026】
よって、X線受光面b1及びX線源a1を上記したように運動させた場合、面T1上に存在する点(点O1、点P1)のX線受光面b1上における検出位置は、X線源a1が円形に移動したとしても、該移動に関係なく、絶えず同じ位置となる一方、面T1上に存在しない点(例えば、点Q1)のX線受光面b1上における検出位置は、X線源a1が円形に移動するにつれて変化していく。
【0027】
すなわち、X線受光面b1及びX線源a1を上記したように運動させた場合、面T1(前記所定の面と平行であり、X線源a1から放射されるX線の光軸OAと、円形運動の中心軸となる直線L1との交点O1を含む面)上に存在する像の断層画像を取得することができる。
従って、上記X線検査装置(1)を用いることによって、前記試料の断層画像を取得することができるので、はんだボール部のオープンや、はんだブリッジ、はんだの過少・過多などの不良原因を的確に検出することができる。
【0028】
また、上記X線検査装置(1)によれば、前記試料の断層画像ではなく、単なる透視画像についても当然、取得可能であり、また、前記X線受光面や前記X線源を移動させることによって、様々な角度からの前記試料の透視画像を取得することができる。従って、様々な角度から前記試料を観察することができる。
【0029】
また、本発明に係るX線検査装置(2)は、上記X線検査装置(1)において、前記所定の面と平行であり、前記X線源から放射されるX線の光軸と前記第1の直線との交点を含む第1の面上の第2の直線を中心として、前記X線源と前記X線検出器とを一体的に回動させる第1の回動手段を備えていることを特徴としている。
【0030】
上記したように、前記所定の面と平行であり、前記X線源から放射されるX線の光軸と前記第1の直線(すなわち、円形運動の中心となる直線)との交点を含む前記第1の面は、断層画像による前記試料の検査の場合に前記試料の被検対象面となる。
【0031】
すなわち、上記X線検査装置(2)によれば、前記被検対象面となる前記第1の面上の前記第2の直線を中心として、前記X線源と前記X線検出器(すなわち、前記X線受光面)とを一体的に回動させることができる。前記第2の直線を中心として前記X線源と前記X線受光面とが一体的に回動する動きの一例を、図6、図7に示した模式図を使って説明する。図6は平面図を示し、図7は側面図を示している。
【0032】
X線源a1とX線受光面b1とは、被検対象面となる面T1(前記第1の面に対応)上の直線L2(前記第2の直線に対応)を中心として、前方/後方へ傾斜するように回動することができるようになっており、図7(b)に示したX線源a1とX線受光面b1との配置状態は、図6、図7(a)に示した配置状態から、直線L2を中心としてX線源a1とX線受光面b1とを一体的に後方へ角度θ1 回動させた後の配置状態である。
【0033】
図6、図7(a)に示した配置状態は、図1〜図4に示した場合と同様に、試料Sを水平方向にスライスした断層画像(横断層画像)を取得することができる状態であり、他方、図7(b)に示した配置状態は、斜め方向にスライスした断層画像(傾斜断層画像)を取得することができる状態である。
【0034】
従って、上記X線検査装置(2)を用いることによって、水平方向にスライスした横断層画像だけでなく、斜め方向にスライスした傾斜断層画像を取得することができるので、はんだボール部のオープンや、はんだブリッジ、はんだの過少・過多などの不良原因をより一層的確に検出することができる。また、透視による観察についても多方向から行うことができる。
【0035】
なお、ここでは前記回動の中心として、前方/後方へ傾斜するように回動させる直線L2を具体例として挙げたが、前記回動の中心は直線L2に限定されるものではなく、右方/左方へ傾斜するように回動させる直線であっても良く、もちろんその間となる斜め方向へ傾斜するように回動させる直線であっても良い。図8、図9に示した模式図を使って、前記X線源と前記X線受光面とを一体的に右方/左方へ回動させる場合について説明する。図8は平面図を示し、図9は側面図を示している。
【0036】
X線源a1とX線受光面b1とは、被検対象面となる面T1(前記第1の面に対応)上の直線L3(前記第2の直線に対応)を中心として、右方/左方へ傾斜するように回動することができるようになっており、図9(b)に示したX線源a1とX線受光面b1との配置状態は、図8、図9(a)に示した配置状態から、直線L3を回転軸としてX線源a1とX線受光面b1とを一体的に右方へ角度θ2 回動させた後の配置状態である。
【0037】
図8、図9(a)に示した配置状態は、図1〜図4に示した場合と同様に、試料Sを水平方向にスライスした断層画像(横断層画像)を取得することができる状態であり、他方、図9(b)に示した配置状態は、斜め方向にスライスした断層画像(傾斜断層画像)を取得することができる状態である。
【0038】
また、本発明に係るX線検査装置(3)は、上記X線検査装置(2)において、前記第2の直線と直交する、前記第1の面上の第3の直線を中心として、前記X線源と前記X線検出器とを一体的に回動させる第2の回動手段を備えていることを特徴としている。
【0039】
上記X線検査装置(3)によれば、前記被検対象面となる前記第1の面上の前記第2の直線と直交する、前記第1の面上の前記第3の直線を中心として、前記X線源と前記X線検出器(すなわち、前記X線受光面)とを一体的に回動させることができる。
【0040】
前記第2の直線としては、例えば、X線源a1とX線受光面b1とを前方/後方へ回動させるための直線L2(図6、図7参照)を挙げることができる。直線L2が前記第2の直線となる場合、直線L3(図8、図9参照)が前記第3の直線となる。図8、図9に示したように、直線L3はX線源a1とX線受光面b1とを右方/左方へ回動させるための中心となる。
【0041】
従って、上記X線検査装置(3)を用いることによって、あらゆる方向からの傾斜断層画像を取得することができ、また、透視による観察についてもあらゆる方向から行うことができるため、非常に検査能力の高い装置を実現することができる。
【0042】
また、本発明に係るX線検査装置(4)は、上記X線検査装置(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記X線受光面上の第4の直線を中心として、前記X線検出器を回動させる第3の回動手段を備えていることを特徴としている。
【0043】
上記してきたように、断層画像を取得するためには、前記X線検出器の前記X線受光面を、該X線受光面を含む前記所定の面上に維持させておく必要があるが、この配置が維持されたままでは、前記X線源から放射されるX線の光軸と前記X線受光面とが直交しないため(図1参照)、透視画像の取得において、下記のi、iiに示すような問題がある。
i.一度に観察できる範囲が狭くなる。
ii.斜め方向からの透視画像(傾斜透視画像)の取得は可能であるが、前記試料を真上から見た透視画像(垂直透視画像)を取得することができない。
【0044】
上記X線検査装置(4)によれば、前記X線受光面上の前記第4の直線を中心として、前記X線検出器(すなわち、前記X線受光面)を回動させることができる。前記第4の直線を中心として前記X線受光面が回動する動きを、図10、図11に示した模式図を使って説明する。図10は平面図を示し、図11は側面図を示している。
【0045】
X線受光面b1は、X線受光面b1上の直線L4(前記第4の直線に対応)を中心として、回動することができるようになっており、図11(b)に示したX線受光面b1の状態は、図10、図11(a)に示した状態から、直線L4を中心として後方へ角度θ3 (直線L1とX線源a1から放射されるX線の光軸OAとのなす角度)回動させた後の状態である。
【0046】
図10、図11(a)に示した状態では、X線源a1から放射されるX線の光軸とX線受光面b1とが直交しないため、一度に観察できる範囲が狭くなるが、図11(b)に示した状態では、X線源a1から放射されるX線の光軸とX線受光面b1とが直交するため、一度に観察できる範囲が広くなる。
【0047】
また、上記したように、前記所定の面と平行であり、X線源a1から放射されるX線の光軸OAと円形運動の中心となる直線L1との交点O1を含む面T1上の直線L2(図6、図7参照)や、直線L3(図8、図9参照)を回転軸として、X線源a1とX線受光面b1とを一体的に回動させることができるように構成されていれば、透視による観察を多方向から行うことができる。
【0048】
図12(a)に示したX線源a1とX線受光面b1との配置は、図11(b)に示した配置と同じであり、図12(b)に示したX線源a1とX線受光面b1との配置は、図12(a)に示した配置から、直線L2を中心としてX線源a1とX線受光面b1とを一体的に前方へ角度θ3 回動させた配置であり、X線受光面b1が試料Sの真上に位置しており、垂直透視画像の取得が可能となっている。
【0049】
従って、上記X線検査装置(4)を用いることによって、透視画像取得の際に一度に観察できる範囲が狭くなるといった問題や、前記試料を真上から見た垂直透視画像を取得することができないといった問題を解決することができる。これにより、断層画像による検査にはあまり適しなかった、はんだボイドの有無や、はんだクズの有無などの不良要因についても的確に検出することができる。
【0050】
また、本発明に係るX線検査装置(5)は、上記X線検査装置(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記第2の運動手段が、前記X線源を含んで構成されたX線放射器を前記第1の直線を中心として、前記X線検出器に同期させて円形に運動させることによって、前記X線源の円形運動を実現するものであることを特徴としている。
【0051】
前記X線源を円形運動させる方法の一つとして、例えば、前記X線源を含んで構成された前記X線放射器を固定させ、X線を放出するフィラメントそのものを回転させるといった方法が挙げられるが、フィラメントを回転させるX線放射器は寿命が短い(100時間程度)といった問題がある。
【0052】
上記X線検査装置(5)によれば、前記X線放射器を前記第1の直線を中心として、前記X線検出器に同期させて円形に運動させることによって、前記X線源の円形運動が実現される。従って、寿命の短いフィラメントを回転させるX線放射器を使用しなくても、上記装置を実現することができる。因に、フィラメントが固定されるX線放射器の寿命は、約1万時間である。
【0053】
また、本発明に係るX線検査装置(6)は、上記X線検査装置(5)において、前記第2の運動手段が、前記所定の面と直交する、前記X線放射器の断面の向きを一定方向に保たせたまま、前記X線放射器を円形に運動させるものであることを特徴としている。
【0054】
上記してきたように、断層画像を取得する場合には、前記X線受光面を、該X線受光面上のある2点を結ぶ直線の向きを一定方向に保たせたまま、円形運動させる必要があるが(すなわち、前記所定の面上における前記X線受光面の姿勢を保たせる必要がある)、前記X線源に関してはX線を放射するだけであるため、基本的には、姿勢を一定に保たせる必要はない。
【0055】
しかしながら、前記X線源を含んで構成されるX線放射器には、出力制御用や電力供給用のケーブルなどが接続される場合があるため、前記X線放射器の円形運動時に何らかの運動制御を行わないと、これらケーブルが前記円形運動によって捻じれてしまう虞がある。
【0056】
上記X線検査装置(6)によれば、前記所定の面と直交する、前記X線放射器の断面の向きを一定方向に保たせたまま、前記X線放射器が円形に運動させられるので、もし仮に、前記X線放射器に出力制御用や電力供給用のケーブルなどが接続されていたとしても、前記断面の向きが変わらないため、これらケーブルが前記円形運動によって捻じれることはない。これにより、上記装置には様々な種類のX線放射器を採用することが可能となるため、コストの低減を図ることができる。
【0057】
また、本発明に係るX線検査装置の使用方法(1)は、上記X線検査装置(1)〜(6)のいずれかの使用方法であって、断層画像による前記試料の検査を行う場合には、前記所定の面と平行であり、前記X線源から放射されるX線の光軸と前記第1の直線との交点を含む第1の面と、前記試料の被検希望面とが一致するように前記試料を配置するステップと、前記X線受光面を前記所定の面上に維持させたまま、なおかつ前記X線受光面上のある2点を結ぶ直線の向きを一定方向に保たせたまま、前記X線検出器を前記第1の直線を中心として円形に運動させると共に、前記X線源を前記第1の直線を中心として、前記X線検出器に同期させて円形に運動させるステップとを含んでいることを特徴としている。
【0058】
上記したように、前記所定の面と平行であり、前記X線源から放射されるX線の光軸と前記第1の直線(すなわち、円形運動の中心となる直線)との交点を含む前記第1の面は、断層画像による前記試料の検査の場合に前記試料の被検対象面となる。
【0059】
上記X線検査装置の使用方法(1)によれば、断層画像による前記試料の検査を行う場合には、前記第1の面(すなわち、前記被検対象面)と、前記試料の被検希望面とが一致するように前記試料を配置するステップを含んでいるので、被検を希望する面の断層画像を的確に取得することができる。
【0060】
また、本発明に係るX線検査装置の使用方法(2)は、上記X線検査装置(4)の使用方法であって、断層画像による前記試料の検査を行う場合には、前記X線検出器を前記第4の直線を中心として回動させることによって、前記X線受光面を含む前記所定の面が前記第1の直線と直交する第1の配置状態を実現させるステップを含み、他方、透視画像による前記試料の検査を行う場合には、前記第4の直線と平行な直線に対して、前記X線源から放射されるX線の光軸を直交させるステップと、前記X線検出器を前記第4の直線を中心として回動させることによって、前記X線受光面に対して、前記X線源から放射されるX線の光軸が直交するようになる第2の配置状態を実現させるステップとを含んでいることを特徴としている。
【0061】
図10、図11に示したように、上記X線検査装置(4)を用いれば、面T1と平行な関係にあるX線受光面b1を、X線受光面b1上の直線L4(前記第4の直線に対応)を中心として、X線受光面b1を回動させて、X線源a1から放射されるX線の光軸OAとX線受光面b1とを直交させることができる。
【0062】
X線源a1から放射されるX線の光軸OAとX線受光面b1とが直交する状態は、透視画像による前記試料の検査に非常に有効であるが、この状態では断層画像を取得することはできない。そのため、断層画像による前記試料の検査を行う場合には、直線L4を中心として、X線受光面b1を回動させて、X線受光面b1を含む前記所定の面を、直線L1(前記第1の直線に対応)と直交させるようにすることが必要である。
【0063】
上記X線検査方法の使用方法(2)によれば、断層画像による前記試料の検査を行う場合には、前記X線検出器を前記第4の直線を中心として回動させることによって、前記X線受光面を含む前記所定の面が前記第1の直線と直交する前記第1の配置状態を実現させるステップを含んでいるので、断層画像による前記試料の検査を適切に行うことができる。
【0064】
また、上記X線検査装置(4)によれば、前記X線受光面を前記第1の直線を中心として、円形に運動させることができるため、様々な角度からの透視による前記試料の観察を行うことができる。なお、前記X線受光面を前記第1の直線を中心として、円形運動させる場合、前記X線受光面上のある2点を結ぶ直線の向きを一定方向に保たせるようになっている。従って、前記X線受光面は前記第1の直線を中心として、純粋に回転運動をするようにはなっていない。
【0065】
図13は、前記X線受光面を前記第1の直線を中心として、面上における前記X線受光面の姿勢を一定に保たせたまま、円形に運動させた状態を示した模式的平面図である。図13から明らかなように、X線受光面b1上の点Aと点Bとを結ぶ直線LABの向きを一定に保たせたまま、X線受光面b1を直線L1を中心としてb11 〜b13 へと円形に運動させた場合、純粋な回転運動ではないので、直線L4の向きは一定に保たれたままとなる。
【0066】
ところで、図10、図11に示したように、X線源a1がa12 の位置に配置され、X線受光面b1がb12 の位置に配置された状態で、X線受光面b1を直線L4を中心として、後方へ角度θ3 回動させると、X線源a1から放射されるX線の光軸OAとX線受光面b1とを直交させることができる。
【0067】
これに対し、図13に示したように、X線源a1がa11 (a13 )の位置に配置され、X線受光面b1がb11 (b13 )の位置に配置された状態で、X線受光面b1を直線L4を中心として、回動させたとしても、X線源a1から放射されるX線の光軸OAとX線受光面b1とを直交させることはできない。
【0068】
これは、X線源a1がa11 (a13 )の位置に配置され、X線受光面b1がb11 (b13 )の位置に配置された状態では、X線源a1から放射されるX線の光軸OAに対して、直線L4(又は直線L4と平行な直線)が直交しないからである。
【0069】
上記X線検査方法の使用方法(2)によれば、透視画像による前記試料の検査を行う場合には、前記第4の直線と平行な直線に対して、前記X線源から放射されるX線の光軸を直交させるステップ(例えば、X線源a1をa12 へ、X線受光面b1をb12 へ移動させるステップ)と、前記X線検出器(すなわち、前記X線受光面)を前記第4の直線を中心として回動させる(例えば、X線受光面b1を直線L4を中心として、後方へ角度θ4 回動させる)ことによって、前記X
線受光面に対して、前記X線源から放射されるX線の光軸が直交するようになる前記第2の配置状態を実現させるステップとを含んでいるので、透視画像による前記試料の検査をより一層効果的に行うことができる。
【0070】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るX線検査装置、及び該X線検査装置の使用方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。図14は、実施の形態(1)に係るX線検査装置の要部を示した概略図である。
【0071】
図中Sは被検対象となる試料を示しており、試料Sは中央部にX線を透過する透過板14が形成された試料台13に載置されるようになっている。試料台13を挟んで、X線源a1を含んで構成されたX線放射器11と、X線受光面b1を有したX線検出器12とが対向して配置され、X線源a1からX線が放射され、透過板14及び試料Sを透過したX線が、X線検出器12のX線受光面b1で検出されるようになっている。また、図中T1はX線源a1から放射されるX線の光軸OAと、X線放射器11及びX線検出器12の円形運動の中心となる直線L1との交点O1を含む面を示している。
【0072】
X線検出器12は画像処理部15に接続されており、X線検出器12で検出されたX線に応じた画像データ(映像信号)が画像処理手段15へ出力されるようになっている。画像処理部15は、画質を改善するなどの信号処理を行い、信号処理した画像データを表示部(図示せず)へ出力したり、マイコン16へ出力したりするようになっている。
【0073】
X線放射器11、X線検出器12は、モータ17の回転力を受けて駆動する円形運動手段18、モータ20の回転力を受けて駆動する円形運動手段21にそれぞれ連結されており、X線放射器11は円形運動手段18の動きに合わせて、面T1と直交する直線L1(モータ17、20の回転軸と一致する直線)を中心として、円形に運動し、他方、X線検出器12は円形運動手段21の動きに合わせて、X線受光面b1と面T1とを平行にしたまま、直線L1を中心として、X線放射器11の動きに対して180°遅らせた同期で円形に運動するようになっている(図1〜図4参照)。なお、X線放射器11は、X線源a1から放射されるX線の光軸OAと直線L1とのなす角度がθ3 (例えば、20°)を維持するように円形に運動するようになっている。
【0074】
また、円形運動手段18は、面T1と直交する、X線放射器11の断面の向きを一定方向に保たせるための方向維持手段19を含んで構成されているため、面T1と直交する、X線放射器11の断面の向きが一定方向に保たれたまま、X線源a1がa11 〜a13 へと円形に運動するようになっている。
【0075】
円形運動手段21は、X線受光面b1上のある2点を結ぶ直線の向きを一定方向に保たせる(すなわち、X線受光面b1を含む所定の面上におけるX線受光面b1の姿勢を一定に保たせる)ための姿勢手段22を含んで構成されているため、図1、図4に示したように、X線受光面b1上の点Aと点Bとを結ぶ直線LABの向きが一定に保たれたまま、X線受光面b1が直線L1を中心としてb11 〜b13 へと円形に運動するようになっている。
【0076】
また、X線検出器12は、モータ23の回転力を受けて駆動する回動手段24に連結されており、回動手段24の動きに合わせて、図10、図11に示したように、X線受光面b1上の直線L4を回転軸として、円形運動の中心となる直線L1から離れる方向へ最大で角度θ3 回動するようになっている。
【0077】
円形運動手段18を駆動させるモータ17、円形運動手段21を駆動させるモータ20、及び回動手段24を駆動させるモータ23はいずれもマイコン16に接続されており、マイコン16によってモータ17、20、23は制御されるようになっている。従って、X線放射器11、及びX線検出器12の駆動についても、マイコン16で制御されるようになっている。また、マイコン16には操作部25が接続されており、使用者の所望するままに自由に試料Sを検査することができるようになっている。
【0078】
上記実施の形態(1)に係るX線検査装置によれば、被検対象となる試料Sを挟んで、X線源a1を含んで構成されたX線放射器11と、X線受光面b1を有したX線検出器12とが対向して配置され、X線放射器11を面T1(断層画像による試料Sの検査を行う場合に被検対象となる面)と直交する直線L1を中心として円形に運動させる一方、X線受光面b1と面T1とを平行にしたまま、なおかつ面上におけるX線受光面b1の姿勢を一定に保たせたまま、X線検出器12を面T1と直交する直線L1を中心として、X線放射器11に同期させて円形に運動させることができる。
【0079】
X線放射器11及びX線検出器12に対して、上記したような運動をさせながら、X線源a1からX線を試料Sに放射させた場合、「課題を解決するための手段及びその効果」の項目で、図1〜図4に示した模式図を使って説明したように、面T1上に存在する点O1、点P1のX線受光面b1上における検出位置は、X線源a1がa11 〜a13 へと動いたとしても(そのとき、X線受光面b1もb11 〜b13 へと動いている)、点O11 〜O13 、点P11 〜P13 とは前記運動に関係なく、絶えず同じ位置となる。
【0080】
これに対し、面T1上に存在しない、例えば、別の面T1’上に存在する点Q1のX線受光面b1における検出位置は、X線源a1がa11 〜a13 へと移動するにつれて、点Q11 〜Q13 へと変化していく。従って、点Q1の像の変形が大きくなり、像がボケてしまい、視認の対象とならなくなる。
【0081】
従って、上記実施の形態(1)に係るX線検査装置を利用することで、試料Sの断層画像を取得することができるので、外側からでは観察することの難しいはんだボール部のオープンや、はんだブリッジ、はんだの過少・過多などの不良原因を的確に検出することができる。また、試料Sの断層画像を取得することのできる面は面T1となるため、試料Sの被検希望面を面T1と一致するように試料Sを配置すれば、被検を希望する面の断層画像を取得することができる。
【0082】
また、上記実施の形態(1)に係るX線検査装置では、X線放射器11を直線L1を中心として、X線検出器12に同期させて円形に運動させることによって、X線源a1の円形運動が実現されるているので、X線放射器11としては、寿命の短いフィラメントを回転させるX線放射器ではなく、寿命の長いX線放射器を採用することができる。
【0083】
また、上記実施の形態(1)に係るX線検査装置によれば、図10、図11に示したように、X線検出器12を、X線受光面b1上の直線L4を中心として、円形運動の中心となる直線L1から離れる方向へ最大で角度θ3 (X線源a1から放射されるX線の光軸OAと直線L1とのなす角度と同じ大きさ)回動させることができる。
【0084】
従って、X線源a1がa12 の位置にあり、X線受光面b1がb12 の位置にあるときに、X線検出器12を直線L4を中心として、直線L1から離れる方向へ角度θ3 回動させることによって(図11参照)、X線源a1から放射されるX線の光軸OAとX線受光面b1とを直交させることができる。これにより、一度に透視による観察できる範囲を広くすることができる。
【0085】
また、上記実施の形態(1)に係るX線検査装置によれば、面T1と直交するX線放射器11の断面の向きを一定方向に保たせたまま、X線放射器11を直線L1を中心として円形に運動させることができる。
従って、もし仮に、X線放射器11に出力制御用や電力供給用のケーブルなどが接続されていたとしても、前記断面の向きが変わらないため、これらケーブルが前記円形運動によって捻じれることはない。これにより、X線放射器11としては、様々な種類のX線放射器を採用することが可能となるため、コストの低減を図ることができる。
【0086】
また、別の実施の形態に係るX線検査装置では、図15に示したように、X線放射器11とX線検出器12とを支持する支持部材31に、モータ32の回転力を受けて駆動する回動手段33に連結させて、回動手段33の動きに合わせて、図7に示したように、X線放射器11(X線源a1)とX線検出器12(X線受光面b1)とを一体的に、面T1上の直線L2(図6参照)を中心として、前方/後方へ傾斜させるように回動させるようにしても良い。
【0087】
さらに、別の実施の形態に係るX線検査装置では、図16に示したように、X線放射器11とX線検出器12とを支持する支持部材34に、モータ35の回転力を受けて駆動する回動手段36に連結させて、回動手段36の動きに合わせて、図9に示したように、X線放射器11(X線源a1)とX線検出器12(X線受光面b1)とを一体的に、直線L2と直交する、面T1上の別の直線L3(図8参照)を中心として、右方/左方へ傾斜させるように回動させるようにしても良い。
【0088】
これにより、垂直断層画像だけでなく、あらゆる方向からの傾斜断層画像を取得することができ、また、透視による観察についてもあらゆる方向から行うことができるため(例えば、図12(b)に示したように、垂直透視画像の取得も可能となる)、非常に検査能力の高い装置を実現することができる。
【0089】
上記したように、本発明に係るX線検査装置では、垂直断層画像だけでなく、あらゆる方向からの傾斜断層画像を取得することができるため、外側からでは観察することの難しいはんだボール部のオープンや、はんだブリッジ、はんだの過少・過多などの不良要因を的確に検出することができる。また、透視による検査についてもあらゆる方向から行うことができるため、断層画像による検査にはあまり適しなかった、はんだボイドの有無や、はんだクズの有無などの不良要因についても的確に検出することができる。
【0090】
このように、本発明に係るX線検査装置では、はんだボール部のオープンや、はんだブリッジ、はんだの過少・過多、はんだボイドの有無や、はんだクズの有無などの不良要因の検出を1台の装置で総合的に行うことができる。これにより、従来の(部分的な検査しかできなかった)X線検査装置では実現が難しかった実装状態の検査の自動化を実現することができる。
【0091】
【実施例】
図17は、実施例1に係るX線検査装置の上側の要部を示した部分的断面図である。モータ20の回転軸20aに接続され、モータ20が回転すると、直線L1を中心として回転する回転軸41が、ベアリング42、及び保持部43によってコラム44に保持されている。なお、モータ20はコラム44に固定されている。また、回転軸41には回転アーム45が接合されており、回転アーム45もまたモータ20が回転すると、直線L1を中心として回転するようになっている。
【0092】
X線検出器12と接合されている、直線L5を中心として回転する回転軸46は、ベアリング47を介して、回転アーム45に接続されている。また、回転軸46の上部には、ベアリング軸48が配設されている。ベアリング軸48は、ベアリング49を介して、偏心アーム50に接続されている。また、偏心アーム50は、ベアリング51を介して、保持部43に固定されている偏心軸52に接続されている。
【0093】
回転軸46の中心(直線L5)は、回転軸46が回転アーム45に接続されているため、モータ20が回転すると、直線L1を中心として、半径r2の円を描くように回転するようになっている。
他方、ベアリング軸48の中心(直線L6)は、ベアリング軸48が偏心アーム50に接続されているため、モータ20が回転すると、その回転に応じて回転するようになっているが、偏心軸52によって、回転の中心が偏心されているため、直線L1ではなく、直線L1’を中心として、半径r2の円を描くように回転するようになっている。なお、直線L1’は、ベアリング51(偏心軸52)の中心を通る直線である。
【0094】
図18は、モータ20を回転させた場合の、回転軸46とベアリング軸48との動きを示した模式的平面図である。図18に示したように、モータ20が回転した場合、回転軸46の中心46a(直線L5)が、直線L1を中心として、半径r2の円を描くように回転する一方、ベアリング軸48の中心48a(直線L6)は、直線L1’を中心として、半径r2の円を描くように回転する。
【0095】
従って、図18から明らかなように、モータ20を回転させて、回転軸46、及びベアリング軸48を円形に運動させたとしても、回転軸46の中心46aとベアリング軸48の中心48aとを結ぶ直線の向きは一定に保たれることとなる。すなわち、回転軸46の軸方向と直交する面上における、回転軸46の姿勢は一定に保たれることとなる。
【0096】
このように、上記実施例1に係るX線検査装置によれば、モータ20を回転させて、回転軸46を円形に運動させたとしても、回転軸46の軸方向と直交する面上における、回転軸46の姿勢は一定に保たれることとなる。そのため、回転軸46に接合されているX線検出器12の面上における姿勢を一定に保たせたまま、直線L1を中心として円形に運動させることができる。図19に、X線検出器12を直線L1を中心として180°円形に移動させた後の状態を一点破線で示す。
【0097】
図20は、実施例1に係るX線検査装置の下側の要部を示した部分的断面図である。モータ17の回転軸17aに接続され、モータ17が回転すると、直線L1を中心として回転する回転軸61が、ベアリング62、及び保持部63によってコラム64に保持されている。なお、モータ17はコラム64に固定されている。また、回転軸61には回転アーム65が接合されており、回転アーム65もまたモータ17が回転すると、直線L1を中心として回転するようになっている。
【0098】
X線放射器11と接合されている、直線L7を中心として回転する回転軸66は、ベアリング67を介して、回転アーム65に接続されている。また、回転軸66の下部には、クロスジョイント部68を介して、ベアリング軸69が配設されている。ベアリング軸69は、ベアリング70を介して、偏心アーム71に接続されている。また、偏心アーム71は、ベアリング72を介して、保持部63に固定されている偏心軸73に接続されている。
【0099】
回転軸66の中心(直線L7)は、回転軸66が回転アーム65に接続されているため、モータ17が回転すると、直線L1を中心として、回転するようになっている。従って、回転軸66の中心の延長線上に配置されている、クロスジョイント部の中心もまた、直線L1を中心として、回転するようになっている。なお、クロスジョイント部の中心は、図20に示したように、モータ17が回転すると、直線L1を中心として、半径r3の円を描くように回転する。
【0100】
ベアリング軸69の中心(直線L8)は、ベアリング軸69が偏心アーム71に接続されているため、モータ17が回転すると、その回転に応じて回転するようになっているが、偏心軸73によって、回転の中心が偏心されているため、直線L1ではなく、直線L1’を中心として、半径r3の円を描くように回転するようになっている。なお、直線L1’は、ベアリング72(偏心軸73)の中心を通る直線である。
【0101】
図21は、モータ17を回転させた場合の、クロスジョイント部68とベアリング軸69との動きを示した模式的平面図である。図21に示したように、モータ17が回転した場合、クロスジョイント部68の中心68aは、直線L1を中心として、半径r3の円を描くように回転し、ベアリング軸69の中心69a(直線L8)は、直線L1’を中心として、半径r3の円を描くように回転する。
【0102】
従って、図21から明らかなように、モータ17を回転させて、クロスジョイント部68、及びベアリング軸69を円形に運動させたとしても、クロスジョイント部68の中心68aとベアリング軸69の中心69aとを結ぶ直線の向きは一定に保たれることとなる。すなわち、円形運動する面と直交する、回転軸66の断面の向きが一定に保たれることとなる。
【0103】
このように、上記実施例1に係るX線検査装置によれば、モータ17を回転させて、回転軸66を円形に運動させたとしても、円形運動する面と直交する、回転軸66の断面の向きが一定に保たれることとなる。そのため、円形運動する面と直交する、回転軸66に接合されているX線放射器11の断面の向きを一定方向に保たせたまま、直線L1を中心として円形に運動させることができる。図22に、X線放射器11を直線L1を中心として180°円形に移動させた後の状態を一点破線で示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線検査装置(1)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図2】本発明に係るX線検査装置(1)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図3】本発明に係るX線検査装置(1)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図4】本発明に係るX線検査装置(1)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図5】X線受光面を回転運動させた状態を示した模式的平面図である。
【図6】本発明に係るX線検査装置(2)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図7】本発明に係るX線検査装置(2)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図8】本発明に係るX線検査装置(2)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図9】本発明に係るX線検査装置(2)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図10】本発明に係るX線検査装置(4)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図11】本発明に係るX線検査装置(4)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図12】本発明に係るX線検査装置(4)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図13】本発明に係るX線検査装置(4)におけるX線受光面、及びX線源の動きを説明するための説明図である。
【図14】本発明における実施の形態(1)に係るX線検査装置の要部を示した概略図である。
【図15】別の実施の形態に係るX線検査装置の要部を模式的に示した側面図である。
【図16】別の実施の形態に係るX線検査装置の要部を模式的に示した正面図である。
【図17】実施例1に係るX線検査装置の上側の要部を示した部分的断面図である。
【図18】実施例1に係るX線検査装置におけるX線検出器と接合された回転軸、及びベアリング軸の動きを説明するための説明図である。
【図19】実施例1に係るX線検査装置の上側の要部を示した部分的断面図である。
【図20】実施例1に係るX線検査装置の下側の要部を示した部分的断面図である。
【図21】実施例1に係るX線検査装置におけるクロスジョイント部、及びベアリング軸の動きを説明するための説明図である。
【図22】実施例1に係るX線検査装置の下側の要部を示した部分的断面図である。
【図23】BGAの一例を模式的に示した斜視図である。
【図24】BGAが実装された状態のプリント基板を模式的に示した斜視図である。
【図25】はんだボールの浮き上がり不良の状態を示した模式図である。
【図26】断層撮影画像を取得する原理を説明するための説明図である。
【符号の説明】
11 X線放射器
12 X線検出器
16 マイコン
17、20、23 モータ
18、21 円形運動手段
19 方向維持手段
22 姿勢手段
24 回動手段
a1 X線源
b1 X線受光面
Claims (8)
- 試料を挟んで、X線を放射するX線源とX線を検出するX線検出器とが対向して配置され、前記X線源から放射され、前記試料を透過したX線が前記X線検出器にて検出されるように構成されたX線検査装置において、
前記X線検出器のX線受光面を、該X線受光面を含む所定の面上に維持させたまま、なおかつ前記X線受光面上のある2点を結ぶ直線の向きを一定方向に保たせたまま、前記X線検出器を前記所定の面と直交する第1の直線を中心として円形に運動させる第1の運動手段と、
前記X線源を前記第1の直線を中心として、前記X線検出器に同期させて円形に運動させる第2の運動手段とを備えていることを特徴とするX線検査装置。 - 前記所定の面と平行であり、前記X線源から放射されるX線の光軸と前記第1の直線との交点を含む第1の面上の第2の直線を中心として、前記X線源と前記X線検出器とを一体的に回動させる第1の回動手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のX線検査装置。
- 前記第2の直線と直交する、前記第1の面上の第3の直線を中心として、前記X線源と前記X線検出器とを一体的に回動させる第2の回動手段を備えていることを特徴とする請求項2記載のX線検査装置。
- 前記X線受光面上の第4の直線を中心として、前記X線検出器を回動させる第3の回動手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のX線検査装置。
- 前記第2の運動手段が、前記X線源を含んで構成されたX線放射器を前記第1の直線を中心として、前記X線検出器に同期させて円形に運動させることによって、前記X線源の円形運動を実現するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載のX線検査装置。
- 前記第2の運動手段が、前記所定の面と直交する、前記X線放射器の断面の向きを一定方向に保たせたまま、前記X線放射器を円形に運動させるものであることを特徴とする請求項5記載のX線検査装置。
- 断層画像による前記試料の検査を行う場合には、前記所定の面と平行であり、前記X線源から放射されるX線の光軸と前記第1の直線との交点を含む第1の面と、前記試料の被検希望面とが一致するように前記試料を配置するステップと、
前記X線受光面を前記所定の面上に維持させたまま、なおかつ前記X線受光面上のある2点を結ぶ直線の向きを一定方向に保たせたまま、前記X線検出器を前記第1の直線を中心として円形に運動させると共に、前記X線源を前記第1の直線を中心として、前記X線検出器に同期させて円形に運動させるステップとを含んでいることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載のX線検査装置の使用方法。 - 断層画像による前記試料の検査を行う場合には、前記X線検出器を前記第4の直線を中心として回動させることによって、前記X線受光面を含む前記所定の面が前記第1の直線と直交する第1の配置状態を実現させるステップを含み、
他方、透視画像による前記試料の検査を行う場合には、前記第4の直線と平行な直線に対して、前記X線源から放射されるX線の光軸を直交させるステップと、
前記X線検出器を前記第4の直線を中心として回動させることによって、前記X線受光面に対して、前記X線源から放射されるX線の光軸が直交するようになる第2の配置状態を実現させるステップとを含んでいることを特徴とする請求項4記載のX線検査装置の使用方法。
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