JP2004210726A - 二酸化塩素による動物コクシジウムの殺滅 - Google Patents

二酸化塩素による動物コクシジウムの殺滅 Download PDF

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Abstract

【課題】塩素系薬剤に抵抗性の強い動物コクシジウムをクエン酸ナトリウムーリン酸緩衝液下で二酸化塩素によりコクシジウムを殺滅除菌する方法を提供する。
【解決手段】動物特に鶏コクシジウムを二酸化塩素による殺滅作用と二酸化塩素が有する強烈な病原微生物の除菌・殺菌効果によりコクシジウム症と細菌感染症の併発予防と二酸化塩素が持つ消臭効果によって動物飼育舎、家禽飼育舎の消毒・滅菌に提供。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二酸化塩素による動物に寄生するコクシジウムの殺菌・消毒に関する。
主として家禽、家畜及びペット類を含み、特に鶏コクシジウムオーシストの殺滅に関する。
尚、本明細書で開示する殺滅とは動物コクシジウムの「殺菌」、「滅菌」、「消毒」等の概念を包含する。
【0002】
【従来の技術】
鶏コクシジウム症は、養鶏産業に甚大な経済的被害を与え、またその羅患鶏数は年々増加の傾向にある。特に、現在ほとんどの養鶏企業が実施している「密飼い」養鶏システムでは、自然の浄化作用を受けることが少ないため、糞便を貧食する習性のある幼雛はコクシジウムを含んだ糞便を摂取する事による経口感染でコクシジウム症を発症する。このような「密飼い」条件下では、コクシジウム症を完全に防止することは不可能ともいわれている。従って、このような「密飼い」条件下では抗生物質の投与やワクチンの接種等人工的な手法で本病の発生を未然に防止が図られている。しかし、重要な事は、同時に徹底した飼育環境管理による「病原菌」の除菌の実施にある。
鶏コクシジウム症は起因菌であるコクシジウムより発生し、これらの菌は全てエイメリア(Eimeria属)に属する寄生性原生動物である。このコクシジウムは増殖能が著しく、また宿主依存的で、しかも臓器親和性が顕著であり、一旦、発症すると出血性の下痢を伴った急性、あるいは慢性の消化管症状を呈する。
羅患食鳥は下痢、血便等の症状ばかりでなく、場合によっては斃死あるいは斃死に至らなくても発育阻害による増体の遅滞が認められる。
【0004】
鶏コクシジウムは、生活環の一部にオーシストを持つ寄生原生体であるコクシジウムにより誘発される消化管疾患であり、経口により感染伝播し、経卵感染で発症することはない。(鶏コクシジウム症 角田 清 監修 チクサン出版)
体内で増殖したコクシジウムは、未熟オーシストの状態で排泄され、この未熟オーシストは通常感染能を有していない。しかし、幼雛飼育環境中で未熟オーシストはやがて胞子が形成され、感染能を有した成熟オーシストへと移行していく。
【0005】
鶏が成熟オーシストを経口給与すれば、胃の中でオーシストが破れ、4個のスポロシストを遊離する。さらに、スポロシストは十二指腸〜小腸中部で消化酵素によりスポロゾイトへと変化する。
【0006】
スポロゾイトは腸粘膜上皮細胞内に侵入してメロゾイトを内包したシゾントを形成し、数回分裂を繰り返して有性/無性生殖を経て、新生未熟オーシストとして排泄する。その数は、時には105〜6OPG(オーシスト パー グラム)にも達する。
【0007】
従来、鶏コクシジウム症の予防や治療には、抗生物質(ポリエーテル系)、合成抗菌剤(サルファー剤、キノロン系製剤)等の予防薬/治療薬の投与が主体であり、最近では、ワクチン等の生物学的製剤が使用されている。(第117回 日本獣医学会講演要旨集1944)
【0008】
しかし、抗生物質や合成抗菌剤の連続投与は、幼雛の発育不良や産卵率の低下等の傾向や、薬剤耐性の獲得による効果の減退化等が問題となっている。一方、ワクチン投与による予防では、臓器寄生部位に関連するエピトープの同異性に問題があり、獲得免疫に交叉性が認められず、したがって複数の弱毒早熟生ワクチンの投与が実施されているが、その有効性や有効期間に問題が残る。また、生ワクチンの予防投与は腸管の上皮粘膜組織層に損傷を与えることから、逆に幼雛飼育環境に常在する病原微生物により感染され易い状況を作り出しているといえる。(早田 真世 日本獣医学会 1997)
【0009】
一方、予防薬としての抗生物質や合成抗菌剤の投与は、食鳥肉、鶏卵での残留性が大きな問題となり、そのため使用量や投与期間に厳しい制限が設けられている。
【0010】
腸管上皮組織の損傷は感染病の併発の温床となり、腸内細菌叢を形成しているある種の菌は障害を受けた腸管粘膜組織を刺激し、炎症を増長させている事は前述した。
【0011】
鶏コクシジウムの防止策としての抗生物質、合成抗菌剤、ワクチン投与による予防には、自ずから限度があり、抜本的な抗コクシジウム対策として幼雛飼育環境を容易にして且つ効率のよい殺菌・消毒法の開発が求められている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
かかる点を考慮して、二酸化塩素によるコクシジウムの殺滅法を鋭意検討を行った。
幼雛飼育環境である鶏舎の清掃・消毒が鶏コクシジウム症の予防に欠かす事のできない重要な要件であることは既述した。しかし、オーシストは一般に消毒薬や外界の変化に対して強い抵抗力を有しており、現在、一般的に鶏舎や外界環境の消毒に使用されているオルソジクロール系は胞子形成の抑制活性が強く、コクシジウムの特効消毒剤として広く使用されているが(鶏コクシジウム症 角田 清監修 チクサン出版)、しかし、散布場所周辺に対して悪影響が懸念され、またオーシスト死滅させるのに、10時間以上を有すると言われている。
【0013】
オーシストを不活化させる機序には、直接オーシスト膜を崩壊ないしは変性させる事による方法、あるいは未熟オーシストの胞子形成を不可逆的に抑制させて発病の起因状態である成熟オーシストへの移行阻止等が考えられる。オーシスト膜を直接的に変性させるためには、オーシストの細胞膜が糖脂質(リポポリサッカライド)あるいはタンパク質より構成されており、酵素による膜の特異的分解や物理的破壊、化学的修飾による特異的破損が考えられるが、これで充分だと言いきれる手法は未だ見出されていない。
細菌に有効な消毒・殺菌剤に対しても当然抵抗性を示し、特に塩素系消毒剤に対して極めて強い抵抗性を示すとも言われている。(鶏コクシジウム症 角田 清
監修 チクサン出版)
【0014】
これまで上述した特効薬として認められているオルソ剤は成熟オーシストに対してほとんど抑制効果を示ず、しかも細菌やカビに対しても殺菌消毒効果が低く、そのため使用時には、新たに細菌やカビに対して殺菌・消毒活性の強い他の薬剤の併用が推奨されている。
【0015】
かかる点を考慮し、ヒトあるいは家禽・家畜ペット類に対して安全性に優れ、副作用にも問題なく、薬剤に対する耐性獲得も認められず、しかも細菌カビあるいはウイルス等に対して顕著な殺菌消毒活性を示す薬剤を提供するため鋭意検討を行った。
【0016】
【課題を解決するための手段】
一般に、鶏コクシジウムオーシストは塩素系薬剤に強い耐性を示し、鶏コクシジウムオーシストの殺菌・消毒に不向きな薬剤として広く、認められている(鶏コクシジウム症 角田 清 監修 チクサン出版)。
しかし、安定化や濃度管理を行った二酸化塩素はヒトのヒフに対して刺激性が認められない事、微生物に対する広域殺菌活性を示すこと、活性の持続性、トリハロメタンの生成が認められない事等二酸化塩素の毒性、安全性および有効性等の優れた特性に注目し、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、始めて二酸化塩素が原虫であるコクシジウムに対して著しい殺菌効果を発現することに成功した。
【0017】
【発明実施の形態】
本願明細書における二酸化塩素とは、二酸化塩素を含有するものをいい、例えば、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム等の亜塩素酸塩に塩酸、硫酸等の無機酸を加えることにより発生することができる。また、二酸化塩素は二酸化塩素発生装置により発生することが出来る。
【0018】
また、上記二酸化塩素は亜塩素酸塩を安定化剤により安定化させた安定化二酸化塩素剤から発生させても良い。ここで、安定化剤として2NaCO・3H、NaHCO、NaBO等をあげる事ができる。
【0019】
さらに、上記二酸化塩素は、上記二酸化塩素剤を有機酸、鉱物酸類、過酸化水素、及びアルコール類から選択される活性化剤により二酸化塩素の発生を活性化した二酸化塩素剤から発生させても良い。
ここで言う有機酸類として、例えばクエン酸、酢酸などを代表例としてあげる事ができる。上記鉱物酸類として 例えば、硫酸、塩酸を代表例としてあげる事ができる。また、上記アルコール類として、エタノール、メタノールを代表例としてあげる事ができる。
【0020】
上記二酸化塩素を鶏コクシジウムオーシストの殺滅作用に使用するには、さらに二酸化塩素をガス状に近い状態や、発生期の酸素や次亜塩素酸の生成を励起させるため、pHを6.0以下、好ましくはpH3.0以下に調整する必要がある。
【0021】
二酸化塩素による鶏コクシジウムオーシストの殺滅効果がりん酸イオン及びアンモニウムイオンにより促進される事を始めて該発明者は見出し、さらにpHの値を一定に保持する必要性から、クエン酸塩−りん酸緩衝液を創案した。ここで言うクエン酸塩として、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム等があげられる。また、こごで言うクエン酸塩−りん酸緩衝液のpHは、5.0以下、好ましくは3.0以下であり、濃度はクエン酸塩0.1M、りん酸0.1M以下、好ましくは0.001〜0.1Mである。
【0022】
二酸化塩素による鶏コクシジウムオーシストの殺滅効果は上記の反応組成は無機アンモンニウムイオン及び、有機態アンモンニアに影響を受ける。上記無機アンモニウムイオンとして、りん酸二アンモン(NHHPO、りん酸一アンモン(NH)HPO、炭酸アンモニウム(NHCO、硫酸アンモニウム(NHSO、塩化アンモンNHCl等があげられ、好ましくはりん酸二アンモン(NHHPOである。その際の使用濃度は0.1M以下、好ましくは0.01M以下である。
【0023】
本発明において、二酸化塩素の好ましい濃度は100〜6400ppmであり、より好ましい濃度は、100〜1600ppmで、さらに好ましくは200〜800ppmである。
上記二酸化塩素の抗コクシジウム活性は、比較検体として使用した次亜塩素酸ソーダよりも低い濃度で、しかも短時間で殺菌・消毒効果が発現される事を見い出した。
比較検体である次亜塩素酸ソーダは、有機物と反応して発癌性物質であるトリハロメタンを生成し、現にプール等の除菌・殺菌には、トリハロメタンの検出試験が義務付けられている。また、次亜塩素酸ソーダは皮膚刺激性が強く、高濃度では皮膚表在有機窒素と結合して、異臭を継続して発生する。一方、二酸化塩素はコクシジウム殺滅に高活性を示すにもかかわらず、トリハロメタンの生成はほとんど認められず、皮膚や眼粘膜に対しても刺激性はなく、実用面でも非常に安全であると言える。
【0024】
本発明の方法による鶏コクシジウムオーシストの殺滅活性は、コクシジウムの生活環である未熟オーシスト、成熟オーシスト、スポロシストに対しても同じように認められた。この殺滅機序は、オーシストやスポロシストの細胞膜あるいは、胞子形成段階の確実な抑制と細胞質膜の変性あるいは崩壊をもたらす事により、コクシジウムを殺滅するものである。
【0025】
本発明におけるコクシジウム殺滅効果の対象動物は、主として家禽、特に鶏であるが、その他に家畜、ペット動物のコクシジウムをも含む。
【0026】
本発明は、二酸化塩素が持つ微生物に対する強力な殺菌・消毒活性及び、顕著な消臭効果を有し、更に本発明明細書に開示する鶏コクシジウムの殺滅効果をあわせ、鶏糞、鶏舎の消毒に提供しようとするものである。
【0027】
【発明の実施形態】
本発明の方法によるコクシジウム殺滅条件で、上記二酸化塩素を活性化して、鶏舎を浸漬消毒するか、本発明で開示している二酸化塩素を含むコクシジウム殺滅溶液を高圧洗浄ポンプに加えて使用することもできる。
以下の具体的な実験例、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0028】
【実験例1】幼雛の調整
入荷幼雛の30羽(♂)を一日絶食させた後、エイメリア テネラ(Eimeria tenella丸紅飼料(株)技術研究所株)1×10/ml りん酸緩衝化食塩水(PBS)0.2mlを鶏雛のそ嚢部に接種し、25℃でケージ内飼育を行った。給与した飼料は、コクシジウムフリー品(日本配合飼料(株))である。尚、給水は3〜4時間ごとに交換した。
【0029】
飼育している間、連日採糞し、糞便中のオーシストを計数確認した。オーシストの排出を確認した飼育5日目の糞便より、未熟オーシストの分離を行った
【0030】
盲腸由来未熟オーシストは、飼育2週間目のイー・テネラ感染幼雛の盲腸を摘出し、未熟オーシストの調整を行った
【0031】
イー・テネラ(E.tenella)未熟オーシストの調整
採取した鶏糞を4〜5倍の精製水に懸濁し(2.2L)、中性洗剤1mlを加え、攪拌機で充分に攪拌した後、30〜60メッシュの金網ロートで糞液を濾過する。ろ液を一昼夜保管した後、潟傾法で上清液を除去する。残渣物を飽和食塩水に懸濁させ、充分に攪拌する。ついで上澄液を1500rpm、10分間遠心分離を行う。液面に浮遊した芥状の物質を駒込ピペットにより吸い取る。さらにこの白濁した浮遊層を10倍量の精製水に入れ、よく攪拌した後1500rpm、10分で遠心する。この操作を数回繰り返して、未熟オーシストを分離精製した。
【0032】
鶏の盲腸より未熟オーシストの分離精製
イー・テネラ(E.tenella)感染幼雛から摘出した盲腸をホモジナイザーで粉砕後、ストマッカーで30秒抽出を行い、得られた抽出物にりん酸緩衝化食塩水(PBS)を加えて充分に攪拌する。次いで1500rpm、10分間遠心分離を行った。沈殿物に4〜5倍量の2.5%重クロム酸カリ(KCr)溶液に分散させ、直ちに上記同じ条件で遠心分離を行った。表面層を駒込ピペットで吸い取り、ついで2倍量以上の冷却した精製水に懸濁させた。同様の操作を繰り返し、未熟オーシストの精製を行った。
【0033】
二酸化塩素の殺滅試験は、下記の操作で実施した。
25℃で各検体と反応を行い、反応終了後、直ちに遠心分離を行い、りん酸緩衝化食塩水(PBS)で水洗する。10mlの2.5% 重クロム酸カリ(KCr)溶液に懸濁し、25℃で3〜5日間培養を行った。培養後顕微鏡下で計測した。計数方法は未熟、並びに成熟オーシストを合計して100個以上計数し、胞子形成率を算定した。対象検体において、それらが80%以上の場合、培養を中止する。検体の殺オーシスト効果は下式に示す胞子形成抑制率により評価した。
胞子形成率=成熟オーシスト/(未熟オーシスト+成熟オーシスト)×100(%)
【0034】
【実験例2】二酸化塩素による未熟オーシストの胞子形成抑制
室温(25℃)、90分間二酸化塩素処理を行い、直ちに遠心分離により常法とおり水洗した。2.5% 重クロム酸カリ(KCr)溶液で3日間培養した後の胞子形成抑制率を図1に示す。
【0035】
【図1】鶏糞由来未熟オーシスト水懸濁液10ml、各濃度の二酸化塩素(0、200、400、800、1600ppm最終濃度)を室温、90分反応後、遠心分離で水洗した後、2.5%重クロム酸カリ(KCr)中、室温、72時間培養した。 この培養液中の未熟および成熟オーシストを計測した。この結果から、二酸化塩素により未熟オーシストの胞子形成(成熟化)が二酸化塩素濃度に依存して抑制されており、この事実は、二酸化塩素により未熟オーシストの成熟化が抑制されている事を証左している。
【0036】
【実験例3】二酸化塩素による未熟オーシストの胞子形成抑制の至適条件クエン酸ナトリウム−りん酸緩衝液によるpHの影響結果を図2に示す。
【0037】
【図2】鶏糞由来未熟オーシストの5%重クロム酸カリ(KCr)懸濁液1.0ml、二酸化塩素 0.5ml(最終濃度 400ppm) および各pH値のクエン酸ナトリウムーりん酸緩衝液(0.1M)0.5mlを加え、25℃、72時間培養後、未熟および成熟オーシストを計測した。
この結果、胞子の形成抑制はpHに依存し、その抑制至適pHは3.0以下である。 また、同時に対照検体である二酸化塩素を加えていない検体では、全く胞子の抑制が認められなかった。即ち、胞子の形成は酸により全く影響を受けない事が認められた。
【0038】
【実験例4】アンモニウム塩の影響
【0039】
【図3】鶏糞由来未熟オーシストの5%重クロム酸カリ(KCr)懸濁液1.0ml、二酸化塩素 0.5ml(最終濃度 400ppm) およびクエン酸ナトリウムーりん酸緩衝液(0.1M、pH3.0)0.5mlを加え、さらに蓚酸アンモン、りん酸二アンモン、クエン酸アンモンおよび硫酸アンモン 各々0.2mmole/ml濃度液より10μlを精糧して添加し、25℃ 72時間培養、その培養液中の未熟および成熟オーシストを計測した。
図3に示すように、検討したアンモンニウムの内、りん酸二アンモン(NHHPO(0.05M)で著しい胞子形成の抑制が認められた。
【0040】
【実験例5】至適条件下での他剤との比較試験
りん酸二アンモン(NHHPO 0.05M を含むクエン酸ナトリウムーりん酸緩衝液(pH3.0)中で二酸化塩素、次亜塩素酸ナトリウム および過酸化水素 各々400ppmで1.5時間反応し、直ちに遠心分離により被検体を除去した。次いで、前述とおり、2.5%重クロム酸カリ KCr溶液で3日間培養した。胞子形成抑制率を実験例2に準拠し、求めた。
【0041】
【図4】鶏糞由来未熟オーシストの(1x10)5%重クロム酸カリ(KCr)懸濁液2.0ml、各検体2.0ml(図示最終濃度) およびりん酸一アンモンを含むクエン酸ナトリウムーりん酸緩衝液(0.1M、pH3.0)0.5mlを加え、90分、室温処理後、遠心分離による水洗した後、2.5% 重クロム酸カリ KCr溶液で3日間培養し、その培養液中の未熟および成熟オーシストを計測した。
その結果、図4に示すように、胞子形成至適条件下での二酸化塩素による未熟オーシストの胞子形成作用は、同じ濃度の次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素よりも顕著な効力を示した。 また対照試験群である水の場合より著効であった。
【0042】
【実験例6】前処理による影響
【0043】
【図5】二酸化塩素濃度200ppm、400ppm及び800ppm(最終濃度)及びりん酸ニアンモン(NHHPO 0.05M濃度で、図5 で表示している時間で前処理を行い、直ちに遠心分離を1回行い水洗した後,2.5% 重クロム酸カリKCr溶液で、25℃,3日間で培養を行った。図5に示すように、400ppm以上の濃度で1時間前処理することにより、約60〜75%以上の胞子の形成抑制が認められた。
【0044】
【実験例7】盲腸由来の未熟オーシストに対する二酸化塩素の殺オーシスト効果
【0045】
【図6】盲腸由来未熟オーシスト濃度を10個/mlになるよう調整し,二酸化塩素濃度0、200,400、800、及び1600ppm(最終濃度)を加え、25℃、90分間前処理を行った。反応終了後直ちに遠心分離(1500rpm、10分)行った。得られた沈渣オーシストを滅菌精製水で水洗した後、2.5% 重クロム酸カリ KCr溶液 5mlを加え、3日間、25℃で培養を行った。
【0046】
図6に示すように、二酸化塩素の盲腸由来イー・テネラ(E.tenella)オーシストに対する殺滅活性は、糞便由来オーシストと同様の活性を示していると言える。即ち、二酸化塩素はコクシジウムの由来起源に関係無く、同様の殺滅活性を示す。
【0046】
【実験例8】各種コクシジウム未熟オーシストに対する二酸化塩素の殺滅効果
イー・マキシマ(E.maxima),イー・アセルブリーナ(E.acervulina),及びイー・テネラ(E.tenella)の糞便由来の未熟オーシストに対する二酸化塩素の殺オーシスト効果について検討した。
【0047】
【図7】各々の糞便由来未熟オーシストを1×10個/mlに調整し、クエン酸ナトリウム−りん酸緩衝液及びりん酸ニアンモン(NHHPO 0.05Mを加え、二酸化塩素濃度を0、200、400、800及び1600ppm(最終濃度)になるよう添加し、2時間、25℃で前処理した後、遠心分離(1500rpm、10分)で分離し、沈渣物(未熟オーシスト)を滅菌生理食塩水で水洗後、2.5%重クロム酸カリKCr溶液で25℃、3日間培養した。
図 7に示すように、コクシジウムの種属に関係なく胞子形成の抑制効果が認められた。
【0048】
【実験例9】成熟オーシストに対する二酸化塩素の殺オーシスト効果
実験例1より調整した盲腸由来の未熟オーシストを2.5%重クロム酸カリKr2溶液に25℃、3日間培養して成熟化を行い、培養液より分離精製した。
よく洗浄した成熟オーシストを二酸化塩素0、200、400及び800ppm(最終濃度),りん酸二アンモン(NHHPO 0.05M を含むクエン酸ナトリウム−りん酸緩衝液に加え、表1に示す表示時間反応させた。経時的に検体を採取し、遠心分離でよく洗浄して二酸化塩素を除去した後、ペニシリン並びに500μl/mlのストレプトマイシン(シグマ製)を含んだ滅菌りん酸か緩衝生理食塩水(PBS)に浮遊させ、1晩冷蔵保存した。18時間後オーシストを滅菌りん酸緩衝化食塩水(PBS)で1回洗浄し、同様の液2.0mlに懸濁した。次いで無菌的にテフロンホモジナイザーで摩砕破壊し、スポロシストを遊離させた。 遊離したスポロシストに胆汁を加えたトリプシン溶液(PBS溶液)に懸濁させて、スティーダー ボディ(Steader−body)を溶解し、崩壊により放出したスポロゾイトを検出することにより、脱シスト率を下記の式より求めた。
Figure 2004210726
二酸化塩素で処理した成熟オーシストを顕鏡観察を行い、判定材料として追加資料した。また、検体を作用させた成熟オーシストを幼雛に接種し(1×10/羽)7日間飼育後、外観検査と剖検を行った。
【0049】
【表1】
Figure 2004210726
表1の反応条件は各オーシスト 1x10に調整し、二酸化塩素濃度を0、200、400、800ppm(最終濃度)およびりん酸二アンモンを含むクエン酸−りん酸(pH3.0)を加え、25℃、2時間反応した。 次いで【0042】に記載する方法でスポロサイトを計数した。この結果より成熟オーシストも二酸化塩素により不活化されることが示唆された。また表2に示すように斃死雛も全く検出されなかった。
【0050】
【表2】
Figure 2004210726
被検動物は一週令の雄の幼雛(一群3羽)にイー・テネラ成塾オーシスト1x10を接種し、7日間飼育し、8日に斃死率と剖検し、血便排泄と盲腸病症を観察した。
【0051】
病変指数は次の基準で評価、判断した。 −:正常、+:軽度の異常、++:中度の異常、+++:やや重度の異常とした。
【0052】顕鏡結果、二酸化塩素処理をした成熟オーシストの映像は対象のそれと比較し、変形あるいは黒変していた。
【0056】
【実験例10】イー・テネラ(E.tenella)のスポロシストに対する二酸化塩素の殺滅効果
実験例8で記載した方法で成熟オーシストよりスポロシストを調整し、実験例8と同様、二酸化塩素0、200、400、800ppm(最終濃度)及びりん酸二アンモン(NHHPO 0.05Mを含むクエン酸ナトリウム−りん酸緩衝液下で、25℃で表示時間反応させ、常法とおりスポロシストの二酸化塩素による殺滅効果を検鏡観察で判定した。
【0057】イー・テネラ(E.tenella)のスポロシストが二酸化塩素の濃度に依存して変形、変色および破壊が認められた。
以上の事実から、二酸化塩素はコクシジウムの生活環中、未熟オーシストの胞子形成の抑制、成熟オーシストの変性、破壊、スポロシストの変形、変性、不活化と全ての生育進化過程を抑制している事を確認した。
【0058】
【実施例1】二酸化塩素の幼雛飼育ケージに対するオーシストの除菌効果
イー・テネラ(E.tenella)で感染した幼雛30羽を2週間飼育したケージの敷料(ステンレス製)をオーシスト汚染の試験検体とした。敷料試験検体を二酸化塩素0、400、800、及び1600ppm(最終濃度)及び(NHHPO 0.05Mを含むクエン酸ナトリウム−リン酸緩衝液添加した反応液に3時間浸漬した。直ちに滅菌りん酸緩衝か生理食塩水(PBS)で水洗し、表層部の一定面積を滅菌ガーゼ5回往復繰り返しによる拭き取り法で表層のオーシストの回収を行った。拭き取り回収した検体を2.5%重クロム酸カリ KCr溶液(5ml)に浸漬して、25℃,3日間培養を行った。その結果を表3に示す。
【0059】
【表3】
Figure 2004210726
200ppmの浸漬敷料(5cm角)の表層から回収した回収液中の検出未熟オーシストの74%が成熟オーシストへ移行し、400ppmの処理では回収液中の未熟オーシスト183の内2.5%重クロム酸カリ培養で、12%が成熟オーシストへ変化した。800ppm浸漬検体からは未熟オーシストのみで、敷料中の未熟オーシストは二酸化塩素 800ppmの浸漬処理で検出された未熟オーシストの内94%が不活化、即ち殺滅されていることを確認した。
【0060】
【発明の効果】
以上を説明したように、塩素系薬剤に対して抵抗性があると言われた動物オーシストが本発明で開示した反応条件で二酸化塩素によりオーシスト生活環中の未熟オーシスト、成熟オーシスト、スポロシストの細胞膜の破壊と細胞内質の変性により、強力な殺滅効果を発揮することを知った。
更に、従来より知られている二酸化塩素の強力な微生物の殺菌・消毒作用、及び鶏糞等の消臭効果を鑑み、鶏を含めた動物舎の清掃、消毒及びコクシジウムの感染およびコクシジウムと病原微生物との複合感染の防止に提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】二酸化塩素による未熟オーシストの胞子形成抑制を見たものである。
【図2】二酸化塩素の未熟オーシストの胞子形成に対するpHの影響を見たものである。
【図3】二酸化塩素の未熟オーシストに対するアンモンニウム塩の影響を見たものである。
【図4】未熟オーシストの胞子形成抑制に対する二酸化塩素、過酸化塩素及び次亜塩素酸ナトリウムの効力の比較を見たものである。
【図5】二酸化塩素で前処理した未熟オーシストの胞子形成抑制を見たものである。
【図6】二酸化塩素の盲腸由来及び鶏糞由来未熟オーシストに対する胞子形成抑制効力を見たものである。
【図7】エイメリア属未熟オーシストに対する二酸化塩素の胞子形成抑制効力を見たものである。

Claims (9)

  1. 二酸化塩素並びに二酸化塩素剤を主成分とする動物コクシジウムオーシストの殺菌・消毒法を特徴とする。
  2. 二酸化塩素並びに二酸化塩素を含有する水溶液であって、pH5.0以下、好ましくはpH2.0〜3.5で使用することを特徴とする動物コクシジウムオーシストの殺菌・消毒法。
  3. 前記二酸化塩素並びに二酸化塩素剤は、溶存二酸化塩素ガス水溶液、亜塩素酸及びその塩を含有することを特徴とする請求項1及び2に記載する動物コクシジウムオーシストの殺菌・消毒法。
  4. 前記二酸化塩素並びに二酸化塩素は、安定剤により安定化された安定化二酸化塩素から発生することを特徴とする請求項1及び2に記載する動物コクシジウムオーシストの殺菌・消毒法。
  5. 前記二酸化塩素は前記二酸化塩素剤を有機酸類、鉱物酸類及び過酸化水素及びアルコール類から選択される賦活剤により、二酸化塩素の発生を活性化した二酸化塩素剤から発生することを特徴とする動物コクシジウムオーシストの殺菌・消毒法。
  6. 前記活性化二酸化塩素はpH値を一定に保持するため、有機酸類、鉱物酸類、あるいは両者併用による緩衝作用により前記二酸化塩素及び二酸化塩素剤から二酸化塩素の発生を活性化することを特徴とする。
  7. 前記活性化二酸化塩素による動物コクシジウムオーシストの殺菌・消毒作用に有機態アンモンニウムあるいは、無機態アンモンニウムを加える事を特徴とする請求項1または2に記載する動物コクシジウムオーシストの殺菌・消毒法。
  8. 前記二酸化塩素剤における前記二酸化塩素の濃度は、100〜1200ppmである請求項1〜7のいずれかに記載する除菌・消毒法。
  9. 前記動物コクシジウムオーシストは未熟オーシスト、成熟オーシスト及びスポロシストを包含する請求項1〜8に記載する殺菌・消毒法。
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