JP2004210612A - 釉薬及び窯業製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】窯業製品に用いる釉薬であって、釉薬の使用量を大幅に減少させるとともに、焼成により形成された釉薬層が素地層から分離しにくく、釉薬層の貫乳の問題が少ない釉薬を提供する。
【解決手段】釉薬は、基礎釉薬と、低溶融フリットと、燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物と、を含有している。該燐酸アルミニウムとしては、メタ燐酸アルミニウム(Al(PO)が好ましく、低溶融フリットとしては、硼珪酸フリットを用いる。本発明の釉薬においては、燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物が含有されているので、施釉すると釉薬が素地に浸透し、浸透した状態で焼成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窯業用の釉薬に関するものであり、窯業製品に用いる釉薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、釉薬を素地の表面に施釉した後に焼成することにより、該釉薬が固化して素地の表面に釉薬層が形成されるが、この釉薬層は素地層とは独立している。つまり、焼成後の結合状態としては、素地層と釉薬層とでは化学式上異なった成分により構成されている。
【0003】
なお、出願人は、先行技術文献の調査は行っておらず、記載すべき先行技術文献は存在しない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように、釉薬層と素地層とは独立しているため、釉薬の使用量として多くの量を要するという問題があった。つまり、釉薬層は、窯業製品について、装飾性を出すこと以外に、液体や気体の透過性をなくしたり、表面を滑らかにして汚れにくくしたり、窯業製品の物理的又は化学的な強度を高める等の目的で設けられるが、釉薬層と素地層とは独立しているために、上記の目的を達成するにはある程度以上の釉薬を必要とする。
【0005】
また、釉薬層と素地層とが独立しているために、釉薬層が素地層から分離しやすくなる場合もあり、釉薬層の貫乳等の問題があった。つまり、釉薬が素地20に施釉されると該釉薬により釉薬層10’が形成され(図2(a)参照)、これを焼成しても、釉薬層10’は、素地20の表面に素地20とは分離して形成された状態となる(図2(b)参照)。
【0006】
そこで、釉薬を素地に浸透させることにより釉薬の使用量を大幅に減少させ、これにより、製造原料のコスト削減を図るとともに、焼成エネルギーを減少させるとともに、ひいては製造設備を簡素化することができる釉薬を提供するとともに、焼成により形成された釉薬層が素地層から分離しにくく、釉薬層の貫乳の問題が少ない釉薬を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、釉薬であって、燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物を含有することを特徴とする。
【0008】
なお、燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物であるので、燐酸アルミニウムのみが含有されている場合と、燐酸アルミニウムの化合物のみが含有されている場合と、燐酸アルミニウムと燐酸アルミニウムの化合物の両方が含有されている場合がある。
【0009】
この第1の構成の釉薬によれば、燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物を含有しているので、釉薬が素地に浸透して素地の釉薬塗布側の一部も釉薬層に形成するので、極めて少ない量の釉薬で済ますことが可能となり、これにより、製造原料のコスト削減を図ることができ、また、施釉量が少なくて済むので、焼成エネルギーを減少させることができ、また、製造設備を簡素化することができる。また、本発明の釉薬により形成された釉薬層は、素地の一部に浸透した状態で形成されるので、釉薬層が素地層から分離しにくく、釉薬層の貫乳の問題を少なくすることが可能となる。
【0010】
また、第2には、釉薬であって、基礎釉薬と、燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物と、を含有することを特徴とする。
【0011】
なお、燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物であるので、燐酸アルミニウムのみが含有されている場合と、燐酸アルミニウムの化合物のみが含有されている場合と、燐酸アルミニウムと燐酸アルミニウムの化合物の両方が含有されている場合がある。
【0012】
この第2の構成の釉薬によれば、燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物を含有しているので、釉薬が素地に浸透して素地の釉薬塗布側の一部も釉薬層に形成するので、極めて少ない量の釉薬で済ますことが可能となり、これにより、製造原料のコスト削減を図ることができ、また、施釉量が少なくて済むので、焼成エネルギーを減少させることができ、また、製造設備を簡素化することができる。また、本発明の釉薬により形成された釉薬層は、素地の一部に浸透した状態で形成されるので、釉薬層が素地層から分離しにくく、釉薬層の貫乳の問題を少なくすることが可能となる。
【0013】
また、第3には、釉薬であって、基礎釉薬と、フリットと、燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物と、を含有することを特徴とする。
【0014】
なお、燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物であるので、燐酸アルミニウムのみが含有されている場合と、燐酸アルミニウムの化合物のみが含有されている場合と、燐酸アルミニウムと燐酸アルミニウムの化合物の両方が含有されている場合がある。
【0015】
この第3の構成の釉薬によれば、燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物を含有しているので、釉薬が素地に浸透して素地の釉薬塗布側の一部も釉薬層に形成するので、極めて少ない量の釉薬で済ますことが可能となり、これにより、製造原料のコスト削減を図ることができ、また、施釉量が少なくて済むので、焼成エネルギーを減少させることができ、また、製造設備を簡素化することができる。また、本発明の釉薬により形成された釉薬層は、素地の一部に浸透した状態で形成されるので、釉薬層が素地層から分離しにくく、釉薬層の貫乳の問題を少なくすることが可能となる。また、フリットが含有されているので、釉薬の融点を調整することができる。
【0016】
また、第4には、上記第3の構成において、上記フリットが、硼酸と珪酸とを主成分とするフリットである硼珪酸フリットであることを特徴とする。
【0017】
また、第5には、上記第3又は第4の構成において、上記フリットの上記釉薬における配合割合が、重量比で、0〜40%であることを特徴とする。
【0018】
また、第6には、上記第2から第5までのいずれかの構成において、上記基礎釉薬は、ボールクレーと、カオリンと、ワラストナイトと、酸化亜鉛と、珪酸ジルコニウムとを有することを特徴とする。
【0019】
また、第7には、上記第2から第6までのいずれかの構成において、上記基礎釉薬は、化学組成として、酸化カルシウム(CaO)と、酸化亜鉛(ZnO)と、酸化アルミニウム(Al)と、酸化珪素(SiO)と、酸化ジルコニウム(ZrO)と、を有することを特徴とする。
【0020】
また、第8には、上記第2から第7までのいずれかの構成において、上記基礎釉薬の上記釉薬における配合割合が、重量比で、20〜90%であることを特徴とする。
【0021】
また、第9には、上記第1から第8までのいずれかの構成において、上記燐酸アルミニウムが、第1燐酸アルミニウム(Al(HPO)と、第二燐酸アルミニウム(Al(HPO)と、メタ燐酸アルミニウム(Al(PO)とにおける少なくともいずれかであることを特徴とする。
【0022】
また、第10には、上記第1から第9までのいずれかの構成において、上記燐酸アルミニウムの化合物が、燐酸基と、アルミニウム基と、を有することを特徴とする。
【0023】
また、第11には、上記第1から第10までのいずれかの構成において、上記燐酸アルミニウムの化合物が、燐酸(HPO)と亜燐酸(HPO)と次亜燐酸(HPO)とにおける少なくともいずれかと、酸化アルミニウム(Al)と水酸化アルミニウム(Al(OH)nHO)とにおける少なくともいずれかと、を合成したものであることを特徴とする。
【0024】
また、第12には、上記第1から第11までのいずれかの構成において、上記燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物の上記釉薬における配合割合が、重量比で、5〜50%であることを特徴とする。
【0025】
また、第13には、上記第1から第12までのいずれかの構成において、上記釉薬が、さらに、着色用の金属酸化物を有することを特徴とする。また、第14には、上記第1から第13までのいずれかの構成において、上記釉薬が、さらに、着色用の無機顔料を有することを特徴とする。これらの第13及び第14の構成によれば、釉薬が着色されるので、施釉して焼成された窯業製品に着色を行うことができる。
【0026】
また、第15には、釉薬であって、化2に示す組成を有することを特徴とする。
【0027】
【化2】
Figure 2004210612
【0028】
この第15の構成の釉薬によれば、上記化2のゼーゲル式に示す組成を有しており、特に、AlにおけるAlや、Pが含まれているので、釉薬が素地に浸透して素地の釉薬塗布側の一部も釉薬層に形成するので、極めて少ない量の釉薬で済ますことが可能となり、これにより、製造原料のコスト削減を図ることができ、また、施釉量が少なくて済むので、焼成エネルギーを減少させることができ、また、製造設備を簡素化することができる。また、本発明の釉薬により形成された釉薬層は、素地の一部に浸透した状態で形成されるので、釉薬層が素地層から分離しにくく、釉薬層の貫乳の問題を少なくすることが可能となる。
【0029】
また、第16には、釉薬であって、燐酸基と、アルミニウム基と、を有することを特徴とする。
【0030】
この第16の構成の釉薬によれば、燐酸基と、アルミニウム基と、を有しているので、釉薬が素地に浸透して素地の釉薬塗布側の一部も釉薬層に形成するので、極めて少ない量の釉薬で済ますことが可能となり、これにより、製造原料のコスト削減を図ることができ、また、施釉量が少なくて済むので、焼成エネルギーを減少させることができ、また、製造設備を簡素化することができる。また、本発明の釉薬により形成された釉薬層は、素地の一部に浸透した状態で形成されるので、釉薬層が素地層から分離しにくく、釉薬層の貫乳の問題を少なくすることが可能となる。
【0031】
なお、上記第15又は第16の構成において、上記第13の特徴を有するものでもよく、また、上記第14の特徴を有するものでもよい。
【0032】
また、第17には、窯業製品であって、上記第1から第16までのいずれかの構成の釉薬を施釉した後焼成することにより製造されたものであることを特徴とする。
【0033】
この第17の構成の窯業製品によれば、上記の各釉薬を施釉した後焼成することにより製造されたものであるので、釉薬が素地に浸透して素地の釉薬塗布側の一部も釉薬層に形成するので、極めて少ない量の釉薬で済ますことが可能となり、これにより、製造原料のコスト削減を図ることができ、また、施釉量が少なくて済むので、焼成エネルギーを減少させることができ、また、製造設備を簡素化することができる。また、本発明の釉薬により形成された釉薬層は、素地の一部に浸透した状態で形成されるので、釉薬層が素地層から分離しにくく、釉薬層の貫乳の問題を少なくすることが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態としての実施例を図面を利用して説明する。本発明に基づく釉薬は、基礎釉薬と、低溶融フリット(フリット)と、燐酸アルミニウムにより構成されている。
【0035】
ここで、基礎釉薬は、焼成品の釉状としてのボリューム感を保持し、釉面の化学的又は物理的強度を高くするとともに、乳濁性を得るために用いられる。この基礎釉薬としては、従来からの基礎釉薬が適用可能であり、例えば、原鉱石類や金属酸化物や炭酸塩類等が含有されるるが、本発明の釉薬には、燐酸アルミニウムが存在するために、溶融温度が高い組成の割合を通常よりも高くし、また、乳濁性の強い組成の割合を高くする。また、この基礎釉薬には、遊離シリカを多く含ませる。これは、単結晶の珪酸(SiO)を含ませると焼成に伴い気泡が発生するためであり、また、燐酸アルミニウムと珪酸(SiO)とを反応させるに際して、高い温度において反応させるためである。
【0036】
また、上記低溶融フリットは、硼珪酸フリット、すなわち、硼酸と二酸化珪素を主成分とするフリットである。この低溶融フリットは、釉薬の融点を低下させるとともに、窯業製品の表面光沢性を高くするために用いられる。
【0037】
また、上記燐酸アルミニウムには、第1燐酸アルミニウム(Al(HPO)、第二燐酸アルミニウム(Al(HPO)、メタ燐酸アルミニウム(Al(PO)等があり、これらのいずれの燐酸アルミニウムも適用可能であるが、本発明の釉薬においては、メタ燐酸アルミニウム(Al(PO)が特に好ましいといえる。
【0038】
ここで、上記基礎釉薬と、低溶融フリットと、燐酸アルミニウムの配合割合としては、重量割合において、基礎釉薬が20〜90%、低溶融フリットが0〜40%、燐酸アルミニウムが5〜50%とするのが好ましい。さらに、より好ましくは、重量割合において、基礎釉薬が50〜70%、低溶融フリットが10〜20%、燐酸アルミニウムが5〜30%とするのが好ましい。
【0039】
なお、一般的に釉薬の基本釉式としては、以下の化3に示すように示される。
【0040】
【化3】
Figure 2004210612
【0041】
そして、本発明の釉薬としては、RO(塩基性物質)と燐酸アルミニウムとを多く含有するように構成する。
【0042】
上記釉薬の製造方法としては、上記基礎釉薬の粉末と、低溶融フリットの粉末と、燐酸アルミニウムの粉末とを混合することにより行う。
【0043】
本発明の釉薬の使用方法としては、通常の釉薬と同様に、釉薬を水に粉砕分散して液状として素地に施釉した後に焼成する。このようにして窯業製品を製造する。本発明の釉薬は、燐酸アルミニウムを含有しているので、浸透性に優れており、釉薬を素地に施釉すると素地の内部に釉薬が浸透していく。その後焼成を行うと、釉薬と素地が焼き固まる。つまり、素地に浸透した釉薬と素地組成分とが反応して焼き固まる。これにより、本発明の釉薬により形成された釉薬層は、素地の一部にまで浸透した状態となる。
【0044】
すなわち、図面を利用して説明すると、本発明の釉薬を素地20に施釉すると素地20に釉薬層10が形成される(図1(a)参照)。そして、施釉後には、図1(b)に示すように、釉薬が素地20の内部に浸透し、浸透層15が形成される。ここで、素地20の内部に浸透するのは、主として燐酸アルミニウムである。その後、焼成すると、燐酸アルミニウムと素地とが反応してガラス化し、浸透しなかった釉薬により形成される釉薬層10自体もガラス化するので、焼成後に形成される釉薬層10は、素地の表面側の一部、すなわち、浸透層15を含めた形で形成される。
【0045】
つまり、本発明の釉薬は、上記化3の釉式におけるRO(塩基性物質)と燐酸アルミニウムとを多く含有し、また、素地は、本来、R(中性物質)とRO(酸性物質)を多く含有することから、本発明の釉薬と素地とでいわゆるマトリックスが形成され、釉薬を施釉すると、釉薬、特に、燐酸アルミニウムが素地に浸透して浸透層を形成し、その後焼成することによって施釉層及び浸透層が溶融してガラス化して、結果として釉薬層が厚く形成されるのである。なお、素地の組成や釉薬の浸透度合いによって焼成により形成される釉薬層の厚みや釉調は異なることになる。
【0046】
よって、本発明の釉薬によれば、素地に浸透して素地の釉薬塗布側の一部も釉薬層に形成するので、極めて少ない量の釉薬で済ますことが可能となる。具体的には、通常の釉薬の使用量に比べて、約20%の使用量で済ますことができ、約80%の釉薬の消費を減らすことが可能となる。これにより、製造原料のコスト削減を図ることができ、また、施釉量が少なくて済むので、焼成エネルギーを減少させることができ、また、製造設備を簡素化することができる。また、本発明の釉薬により形成された釉薬層は、素地の一部に浸透した状態で形成されるので、釉薬層が素地層から分離しにくく、釉薬層の貫乳の問題を少なくすることが可能となる。
【0047】
なお、釉薬の組成は、焼成温度等の条件に応じて調整する。調整のいくつかの具体例が以下の実施例に示される。
【0048】
次に、具体的な実施例について説明する。まず、第1実施例について説明する。この第1実施例は、1100℃の焼成温度の場合で、製品としては瓦の場合の例である。
【0049】
この第1実施例における釉薬は、基礎釉薬と、低溶融フリット(フリット)と、燐酸アルミニウムの3成分により形成されている。
【0050】
ここで、上記基礎釉薬の材料組成としては、表1に示すように、重量比で、ボールクレーが27.4%、カオリンが8.1%、ワラストナイトが24.2%、酸化亜鉛が16.1%、珪酸ジルコニウムが24.2%となっている。
【0051】
【表1】
Figure 2004210612
【0052】
また、上記基礎釉薬の化学組成としては、表2に示すように、重量比で、CaOが11.63%、ZnOが16.88%、Alが14.03%、SiOが40.45%、ZrOが17.01%となっており、モル比では、CaOが15.43%、ZnOが15.43%、Alが9.88%、SiOが49.07%、ZrOが10.19%となっている。つまり、表1の材料組成を化学組成として示すと、表2に示すようになる。
【0053】
【表2】
Figure 2004210612
【0054】
また、該基礎釉薬をゼーゲル式としての化学式で示すと、化4に示すようになる。つまり、表1の材料組成や表2の化学組成をゼーゲル式で示すと化4に示すようになる。
【0055】
【化4】
Figure 2004210612
【0056】
次に、上記低溶融フリットの化学組成としては、表3に示すように、重量比で、SiOが36.20%、Alが3.16%、CaOが11.69%、KOが1.72%、NaOが20.59%、Bが26.64%となっており、また、モル比で、SiOが38.30%、Alが2.13%、CaOが13.12%、KOが1.06%、NaOが21.28%、Bが24.11%となっている。
【0057】
【表3】
Figure 2004210612
【0058】
また、該低溶融フリットをゼーゲル式としての化学式で示すと、化5に示すようになる。つまり、表3の化学組成をゼーゲル式で示すと化5に示すようになる。
【0059】
【化5】
Figure 2004210612
【0060】
次に、上記燐酸アルミニウムとしては、メタ燐酸アルミニウム(Al(PO)を用いた。
【0061】
上記の基礎釉薬と、低溶融フリットと、燐酸アルミニウムとを混合して釉薬を生成した。つまり、上記の基礎釉薬の粉末と、低溶融フリットの粉末と、燐酸アルミニウムの粉末とを混合して釉薬を生成した。ここで、基礎釉薬と、低溶融フリットと、燐酸アルミニウムの配合割合は、表4に示すように、重量比で、基礎釉薬が62%、低溶融フリットが20%、燐酸アルミニウムが18%とした。
【0062】
【表4】
Figure 2004210612
【0063】
なお、このようにして生成された釉薬の化学組成は、表5に示すように、重量比で、SiOが33.68%、Alが15.58%、CaOが10.24%、ZnOが10.70%、NaOが4.57%、、KOが0.36%、Bが5.17%、ZrOが10.80%、Pが8.90%となり、モル比では、SiOが42.12%、Alが11.49%、CaOが13.74%、ZnOが9.91%、NaOが5.55%、、KOが0.30%、Bが5.55%、ZrOが6.61%、Pが4.73%となる。
【0064】
【表5】
Figure 2004210612
【0065】
また、釉薬をゼーゲル式としての化学式で示すと、化6に示すようになる。つまり、表5の化学組成をゼーゲル式で示すと化6に示すようになる。
【0066】
【化6】
Figure 2004210612
【0067】
そして、この釉薬を水に粉砕分散して液状とした後、釉薬を瓦用せっ器質配土により形成された素地に施釉し、その後、焼成(1100℃/90min Soaking E.K)したところ、施釉する面積当たりの通常の使用量に比べて20%の使用量でも、十分な釉薬層を形成することができた。なお、釉薬における低溶融フリットと燐酸アルミニウムの配合割合を多くすると、釉薬の融点が低下し、釉薬層の透明性が高くなる。一方、釉薬における基礎釉薬の配合割合を多くすると、釉薬の融点が高くなり釉薬層の乳濁性が高くなるという結果になった。
【0068】
なお、上記の説明では、釉薬における配合割合を、重量比で、基礎釉薬が62%、低溶融フリットが20%、燐酸アルミニウムが18%としたが、表4に示すように、重量比で、基礎釉薬が50〜70%、低溶融フリット10〜30%、燐酸アルミニウムが10〜30%の範囲内とすることが可能である。
【0069】
次に、第2実施例について説明する。この第2実施例は、酸化雰囲気における1250℃の焼成温度の場合で、製品としては、タイルや、衛生陶器等の一般陶磁器製品の場合の例である。
【0070】
この第2実施例における釉薬は、同様に、基礎釉薬と、低溶融フリット(フリット)と、燐酸アルミニウムとを有している。
【0071】
ここで、上記基礎釉薬の材料組成としては、表6に示すように、重量比で、長石(KO系)が13%、仮焼カオリンが40%、ボールクレーが5%、珪石が5%、ワラストナイトが13%、仮焼亜鉛が8%、珪酸ジルコニウムが16%となっている。
【0072】
【表6】
Figure 2004210612
【0073】
また、上記基礎釉薬の化学組成としては、表7に示すように、重量比で、SiOが50.58%で、Alが22.35%で、CaOが6.30%で、ZnOが8.23%で、KOが1.05%で、NaOが0.41%で、ZrOが11.08%となっており、モル比では、SiOが60.83%で、Alが15.80%で、CaOが8.16%で、ZnOが7.34%で、KOが6.53%で、NaOが0.82%で、ZrOが0.52%となっている。つまり、表6の材料組成を化学組成として示すと、表7に示すようになる。
【0074】
【表7】
Figure 2004210612
【0075】
また、該基礎釉薬をゼーゲル式としての化学式で示すと、化7に示すようになる。つまり、表6の材料組成や表7の化学組成をゼーゲル式で示すと化7に示すようになる。
【0076】
【化7】
Figure 2004210612
【0077】
次に、上記低溶融フリットの化学組成としては、表8に示すように、重量比で、SiOが36.20%、Alが3.16%、CaOが11.69%、KOが1.72%、NaOが20.59%、Bが26.64%となっており、また、モル比で、SiOが38.30%、Alが2.13%、CaOが13.12%、KOが1.06%、NaOが21.28%、Bが24.11%となっている。つまり、本実施例の低溶融フリットの化学組成は、上記第1実施例の場合と同様である。
【0078】
【表8】
Figure 2004210612
【0079】
また、該低溶融フリットをゼーゲル式としての化学式で示すと、化8に示すようになる。つまり、表8の化学組成をゼーゲル式で示すと化8に示すようになる。
【0080】
【化8】
Figure 2004210612
【0081】
次に、上記燐酸アルミニウムとしては、メタ燐酸アルミニウム(Al(PO)を用いた。
【0082】
上記の基礎釉薬と、低溶融フリットと、燐酸アルミニウムとを混合して釉薬を生成した。つまり、上記の基礎釉薬の粉末と、低溶融フリットの粉末と、燐酸アルミニウムの粉末とを混合して釉薬を生成した。ここで、基礎釉薬と、低溶融フリットと、燐酸アルミニウムの配合割合は、表9に示すように、重量比で、基礎釉薬が76%、低溶融フリットが14%、燐酸アルミニウムが10%とした。
【0083】
【表9】
Figure 2004210612
【0084】
なお、このようにして生成された釉薬の化学組成は、表10に示すように、重量比で、SiOが44.60%、Alが20.93%、CaOが6.56%、ZnOが6.34%、NaOが3.31%、、KOが1.06%、Bが3.89%、ZrOが8.51%、Pが4.80%となり、モル比では、SiOが54.39%、Alが15.01%、CaOが8.56%、ZnOが5.71%、NaOが3.88%、、KOが0.81%、Bが4.10%、ZrOが5.05%、Pが2.49%となる。
【0085】
【表10】
Figure 2004210612
【0086】
また、釉薬をゼーゲル式としての化学式で示すと、化9に示すようになる。つまり、表10の化学組成をゼーゲル式で示すと化9に示すようになる。
【0087】
【化9】
Figure 2004210612
【0088】
そして、この釉薬を水に粉砕分散して液状とした後、釉薬を瓦用磁器質配土により形成された素地に施釉し、その後、焼成(1250℃(OF)/90minSoaking E.K)したところ、施釉する面積当たりの通常の使用量に比べて20%の使用量でも、十分な釉薬層を形成することができた。なお、釉薬における低溶融フリットと燐酸アルミニウムの配合割合を多くすると、釉薬の融点が低下し、釉薬層の透明性が高くなる。一方、釉薬における基礎釉薬の配合割合を多くすると、釉薬の融点が高くなり釉薬層の乳濁性が高くなるという結果になった。
【0089】
なお、上記の説明では、釉薬における配合割合を、重量比で、基礎釉薬が76%、低溶融フリットが14%、燐酸アルミニウムが10%としたが、表9に示すように、重量比で、基礎釉薬が60〜80%、低溶融フリット5〜20%、燐酸アルミニウムが5〜20%の範囲内とすることが可能である。
【0090】
次に、第3実施例について説明する。この第3実施例は、特に、乳濁釉の場合の例であり、酸化雰囲気における1250℃の焼成温度の場合で、製品としては、タイルや、衛生陶器等の一般陶磁器製品の場合の例である。
【0091】
この第3実施例における釉薬は、同様に、基礎釉薬と、低溶融フリット(フリット)と、燐酸アルミニウムとを有している。
【0092】
ここで、上記基礎釉薬の材料組成としては、表11に示すように、重量比で、長石(Na系)が15%、仮焼カオリンが40%、ボールクレーが5%、珪石が5%、ワラストナイトが13%、仮焼亜鉛が7%、珪酸ジルコニウムが15%となっている。
【0093】
【表11】
Figure 2004210612
【0094】
また、上記基礎釉薬の化学組成としては、表12に示すように、重量比で、SiOが52.09%で、Alが22.34%で、CaOが6.35%で、ZnOが7.19%で、KOが1.21%で、NaOが0.47%で、ZrOが10.35%となっており、モル比では、SiOが62.30%で、Alが15.68%で、CaOが8.17%で、ZnOが6.33%で、KOが0.96%で、NaOが0.52%で、ZrOが6.04%となっている。つまり、表11の材料組成を化学組成として示すと、表12に示すようになる。
【0095】
【表12】
Figure 2004210612
【0096】
また、該基礎釉薬をゼーゲル式としての化学式で示すと、化10に示すようになる。つまり、表11の材料組成や表12の化学組成をゼーゲル式で示すと化10に示すようになる。
【0097】
【化10】
Figure 2004210612
【0098】
次に、上記低溶融フリットの化学組成としては、表13に示すように、重量比で、SiOが36.20%、Alが3.16%、CaOが11.69%、KOが1.72%、NaOが20.59%、Bが26.64%となっており、また、モル比で、SiOが38.30%、Alが2.13%、CaOが13.12%、KOが1.06%、NaOが21.28%、Bが24.11%となっている。つまり、本実施例の低溶融フリットの化学組成は、上記第1実施例及び第2実施例の場合と同様である。
【0099】
【表13】
Figure 2004210612
【0100】
また、該低溶融フリットをゼーゲル式としての化学式で示すと、化11に示すようになる。つまり、表13の化学組成をゼーゲル式で示すと化11に示すようになる。
【0101】
【化11】
Figure 2004210612
【0102】
次に、上記燐酸アルミニウムとしては、メタ燐酸アルミニウム(Al(PO)を用いた。
【0103】
上記の基礎釉薬と、低溶融フリットと、燐酸アルミニウムとを混合して釉薬を生成した。つまり、上記の基礎釉薬の粉末と、低溶融フリットの粉末と、燐酸アルミニウムの粉末とを混合して釉薬を生成した。ここで、基礎釉薬と、低溶融フリットと、燐酸アルミニウムの配合割合は、表14に示すように、重量比で、基礎釉薬が85%、低溶融フリットが6%、燐酸アルミニウムが9%とした。
【0104】
【表14】
Figure 2004210612
【0105】
なお、このようにして生成された釉薬の化学組成は、表15に示すように、重量比で、SiOが47.23%、Alが22.60%、CaOが6.17%、ZnOが6.21%、NaOが1.70%、、KOが1.15%、Bが1.67%、ZrOが8.94%、Pが4.33%となり、モル比では、SiOが57.78%、Alが16.30%、CaOが8.08%、ZnOが5.65%、NaOが1.98%、、KOが0.88%、Bが1.76%、ZrOが5.36%、Pが2.20%となる。
【0106】
【表15】
Figure 2004210612
【0107】
また、釉薬をゼーゲル式としての化学式で示すと、化12に示すようになる。つまり、表15の化学組成をゼーゲル式で示すと化12に示すようになる。
【0108】
【化12】
Figure 2004210612
【0109】
そして、この釉薬を水に分散して液状とした後、釉薬をタイル用半磁器質配土により形成された素地に施釉し、その後、焼成(1250℃/90min Soaking E.K)したところ、施釉する面積当たりの通常の使用量に比べて20%の使用量でも、十分な釉薬層を形成することができた。なお、釉薬における低溶融フリットと燐酸アルミニウムの配合割合を多くすると、釉薬の融点が低下し、マット釉(艶消し釉)としての白濁性が低くなる。一方、釉薬における基礎釉薬の配合割合を多くすると、釉薬の融点が高くなり釉薬層の白濁性が高くなるという結果になった。
【0110】
なお、上記の説明では、釉薬における配合割合を、重量比で、基礎釉薬が85%、低溶融フリットが6%、燐酸アルミニウムが9%としたが、表14に示すように、重量比で、基礎釉薬が70〜90%、低溶融フリット5〜20%、燐酸アルミニウムが5〜20%の範囲内とすることが可能である。
【0111】
次に、第4実施例について説明する。この第4実施例は、低温の焼成温度、具体的には、1000℃の焼成温度の場合で、製品としては、瓦の場合の例である。
【0112】
この第4実施例における釉薬は、同様に、基礎釉薬と、低溶融フリットと、燐酸アルミニウムとを有している。
【0113】
ここで、本実施例の釉薬の材料組成について説明すると、表16に示すように構成され、ボールクレーが18%、ワラストナイトが15%、酸化亜鉛が10%、珪酸ジルコニウムが15%、硼珪酸フリットが22%、メタ燐酸アルミニウムが20%となっている。
【0114】
【表16】
Figure 2004210612
【0115】
この表16に示す材料組成において、ボールクレーと、ワラストナイトと、酸化亜鉛と、珪酸ジルコニウムとが、上記基礎釉薬に相当する。基礎釉薬におけるボールクレーと、ワラストナイトと、酸化亜鉛と、珪酸ジルコニウムの重量比は、表16に示す基本値の重量比からすると、ボールクレーが31.0%で、ワラストナイトが25.9%で、酸化亜鉛が17.2%で、珪酸ジルコニウムが25.9%となる。また、硼珪酸フリットが、上記低溶融フリットに相当し、メタ燐酸アルミニウムが、上記珪酸ジルコニウムに相当する。
【0116】
また、釉薬の化学組成は、表17に示すように構成され、重量比で、SiOが31.98%、Alが14.64%、CaOが10.03%、ZnOが10.82%、NaOが4.90%、、KOが0.42%、Bが6.34%、ZrOが10.90%、Pが9.97%となり、モル比では、SiOが40.26%、Alが10.87%、CaOが13.52%、ZnOが10.12%、NaOが5.97%、、KOが0.38%、Bが6.87%、ZrOが6.72%、Pが5.29%となる。つまり、表16の材料組成を化学組成として示すと、表17に示すようになる。
【0117】
【表17】
Figure 2004210612
【0118】
また、釉薬をゼーゲル式としての化学式で示すと、化13に示すようになる。つまり、表17の化学組成をゼーゲル式で示すと化13に示すようになる。
【0119】
【化13】
Figure 2004210612
【0120】
本実施例の釉薬の製造方法は、上記と同様であり、各材料の粉末を混合して釉薬を生成する。
【0121】
そして、この釉薬を水に分散して液状とした後、釉薬を瓦用磁器質配土により形成された素地に施釉し、その後、焼成(1000℃/60min Soaking E.K)したところ、施釉する面積当たりの通常の使用量に比べて20%の使用量でも、十分な釉薬層を形成することができ、乳濁性光沢釉として非常に良好な釉薬であることが判明した。なお、釉薬における低溶融フリットと燐酸アルミニウムの配合割合を多くすると、釉薬の融点が低下し、釉薬層の透明性が高くなる。一方、釉薬における基礎釉薬の配合割合を多くすると、釉薬の融点が高くなり釉薬層の乳濁性が高くなるという結果になった。
【0122】
なお、上記の説明では、釉薬における配合割合を、表16の「基本値」に示す値とするとして説明したが、ボールクレーが15〜25%、ワラストナイトが10〜25%、酸化亜鉛が5〜15%、珪酸ジルコニウムが5〜20%、硼珪酸フリットが15〜30%、メタ燐酸アルミニウムが5〜25%の範囲内とすることが可能である。
【0123】
なお、上記の説明において、釉薬には、燐酸アルミニウムを含有するものとして説明したが、これには限られず、燐酸アルミニウムの化合物を用いてもよい。この燐酸アルミニウムの化合物としては、例えば、燐酸(HPO)と亜燐酸(HPO)と次亜燐酸(HPO)とにおけるいずれかと、酸化アルミニウム(Al)と水酸化アルミニウム(Al(OH)nHO)とにおけるいずれかと、を合成したものとしてもよい。また、この燐酸アルミニウムの化合物としては、燐酸基と、アルミニウム基と、を有するものであってもよい。このような場合にも、施釉した釉薬は素地に浸透し、焼成すると、素地と反応してガラス化することになる。なお、該燐酸基は、メタ燐酸基をも含む意味である。
【0124】
また、上記の説明において、釉薬は、基礎釉薬と、低溶融フリットと、燐酸アルミニウムとを有するものとして説明したが、これらにさらに、金属酸化物を加えて着色した釉薬としてもよい。また、基礎釉薬と、低溶融フリットと、燐酸アルミニウムにさらに、無機顔料を加えて着色した釉薬としてもよい。
【0125】
また、上記各実施例において釉薬の釉式を化6、化9、化12、化13に示すように説明したが、これには限られず、以下の化14に示す範囲の釉式(ゼーゲル式)を持つ釉薬であればよい。
【0126】
【化14】
Figure 2004210612
【0127】
ただし、上記化14において、X=0.30〜0.60、Y=0.25〜0.40、Z=0.05〜0.25、W=0.01〜0.10、X+Y+Z+W=1である。
【0128】
なお、上記の説明においては、窯業製品として上記各製品を例に取って説明したが、それらの各製品以外の窯業製品であってもよい。
【0129】
【発明の効果】
本発明に基づく釉薬及び窯業製品によれば、燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物を含有する等の構成となっているので、釉薬が素地に浸透して素地の釉薬塗布側の一部も釉薬層に形成するので、極めて少ない量の釉薬で済ますことが可能となり、これにより、製造原料のコスト削減を図ることができ、また、施釉量が少なくて済むので、焼成エネルギーを減少させることができ、また、製造設備を簡素化することができる。また、本発明の釉薬により形成された釉薬層は、素地の一部に浸透した状態で形成されるので、釉薬層が素地層から分離しにくく、釉薬層の貫乳の問題を少なくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の釉薬を素地に施釉し焼成する場合の状態を説明するための説明図であり、(a)は施釉直後の状態を示す説明図であり、(b)は施釉後所定時間経過後の状態を示す説明図であり、(c)は焼成後の状態を示す説明図である。
【図2】従来における釉薬を素地に施釉し焼成する場合の状態を説明するための説明図であり、(a)は施釉後の状態を示す説明図であり、(b)は焼成後の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10、10’ 釉薬層
15 浸透層
20 素地

Claims (17)

  1. 釉薬であって、
    燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物を含有することを特徴とする釉薬。
  2. 釉薬であって、
    基礎釉薬と、
    燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物と、
    を含有することを特徴とする釉薬。
  3. 釉薬であって、
    基礎釉薬と、
    フリットと、
    燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物と、
    を含有することを特徴とする釉薬。
  4. 上記フリットが、硼酸と珪酸とを主成分とするフリットである硼珪酸フリットであることを特徴とする請求項3に記載の釉薬。
  5. 上記フリットの上記釉薬における配合割合が、重量比で、0〜40%であることを特徴とする請求項3又は4に記載の釉薬。
  6. 上記基礎釉薬は、ボールクレーと、カオリンと、ワラストナイトと、酸化亜鉛と、珪酸ジルコニウムとを有することを特徴とする請求項2又は3又は4又は5に記載の釉薬。
  7. 上記基礎釉薬は、化学組成として、酸化カルシウム(CaO)と、酸化亜鉛(ZnO)と、酸化アルミニウム(Al)と、酸化珪素(SiO)と、酸化ジルコニウム(ZrO)と、を有することを特徴とする請求項2又は3又は4又は5又は6に記載の釉薬。
  8. 上記基礎釉薬の上記釉薬における配合割合が、重量比で、20〜90%であることを特徴とする請求項2又は3又は4又は5又は6又は7に記載の釉薬。
  9. 上記燐酸アルミニウムが、第1燐酸アルミニウム(Al(HPO)と、第二燐酸アルミニウム(Al(HPO)と、メタ燐酸アルミニウム(Al(PO)とにおける少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8に記載の釉薬。
  10. 上記燐酸アルミニウムの化合物が、燐酸基と、アルミニウム基と、を有することを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9に記載の釉薬。
  11. 上記燐酸アルミニウムの化合物が、燐酸(HPO)と亜燐酸(HPO)と次亜燐酸(HPO)とにおける少なくともいずれかと、酸化アルミニウム(Al)と水酸化アルミニウム(Al(OH)nHO)とにおける少なくともいずれかと、を合成したものであることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10に記載の釉薬。
  12. 上記燐酸アルミニウム及び/又は燐酸アルミニウムの化合物の上記釉薬における配合割合が、重量比で、5〜50%であることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10又は11に記載の釉薬。
  13. 上記釉薬が、さらに、着色用の金属酸化物を有することを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10又は11又は12に記載の釉薬。
  14. 上記釉薬が、さらに、着色用の無機顔料を有することを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10又は11又は12又は13に記載の釉薬。
  15. 釉薬であって、化1に示す組成を有することを特徴とする釉薬。
    Figure 2004210612
  16. 釉薬であって、
    燐酸基と、アルミニウム基と、を有することを特徴とする釉薬。
  17. 窯業製品であって、
    上記請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10又は11又は12又は13又は14又は15又は16に記載の釉薬を施釉した後焼成することにより製造されたものであることを特徴とする窯業製品。
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