JP2004210555A - カーボンナノチューブの製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】不純物が少なく、かつ精製処理が簡便で収率が高いカーボンナノチューブの製造方法を提供する。
【解決手段】炭素電極のアーク放電によりカーボンナノチューブを含む煤を生成し、得られた煤を精製する。炭素電極のアーク放電を、触媒金属及び常温で固体状のフッ素化合物の存在下で行う。フッ素化合物として、フッ化黒鉛またはポリテトラフルオロエチレンなどのフッ化炭素化合物を用いる。又、アーク放電において、硫黄を共存させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カーボンナノチューブの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カーボンナノチューブは、エレクトロニクスや医療、複合材料、エネルギーなど幅広い分野で、その適用が期待されている材料である。
【0003】
カーボンナノチューブの合成方法としては、レーザー蒸発法、アーク放電法およびCVD法が挙げられる。
【0004】
レーザー蒸発法は、黒鉛を1200℃程度に加熱した電気炉に入れ、アルゴンガスを流し込みながら黒鉛にレーザーを当てて蒸発させることによりカーボンナノチューブを含む煤を得る手法である。
【0005】
アーク放電法は、2本の黒鉛電極を1〜2mm程度離してアーク放電を起こし、電極の炭素分を蒸発させてカーボンナノチューブを含む煤を得る手法であり、例えば、下記の特許文献1、特許文献2などに記載されている。
【0006】
CVD法は、触媒となる金属微粒子と一緒に炭化水素ガスを600〜1000℃の電気炉に吹き込むことでカーボンナノチューブを得る手法である。
【0007】
それぞれの方法の長所を挙げるならば、レーザー蒸発法は単層(シングルウォール)ナノチューブやナノホーンを製造するのに適すること、アーク放電法は表面欠陥が少ないナノチューブが得られ、装置が簡便であること、そして、CVD法は生産性が高いことが挙げられる。
【0008】
カーボンナノチューブの実用においては量産性を確立することが重要であるので、いずれの製造方法においてもカーボンナノチューブの収率を増加させることは課題である。
【0009】
【特許文献1】
特許 第2845675号公報
【0010】
【特許文献2】
特許 第2705447号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
カーボンナノチューブの利用形態からは、高品質のカーボンナノチューブを得られることが重要であり、この点からは表面欠陥の少ないカーボンナノチューブを得られるアーク放電法による製法は有利であり、上述したように製造装置も簡便であるので、カーボンナノチューブの実用化に適していると考えられるが、カーボンナノチューブ製法の短所は、バッチ処理せざるを得ないことに起因する生産性が低いこと、および、不純物であるアモルファスカーボンやカーボンナノパーティクルの生成量が多く、高純度のカーボンナノチューブが得られないことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、触媒金属及びフッ素化合物の存在下で炭素電極にアーク放電を行うことにより、得られる煤に含まれるカーボンナノチューブの収量を向上させることができ、更に、硫黄を用いることによりさらに収量を高め高純度のカーボンナノチューブを得ることができることを見出した。
【0013】
本発明の一形態によれば、カーボンナノチューブの製造方法は、炭素電極のアーク放電によりカーボンナノチューブを含む煤を生成し、得られた煤を精製するカーボンナノチューブの製造方法であって、前記炭素電極のアーク放電を、触媒金属及び常温で固体状のフッ素化合物の存在下で行うことを要旨とする。
【0014】
上記アーク放電において、硫黄を共存させることにより、カーボンナノチューブの収量及びその精製純度が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
アーク放電法において、炭素電極間のアーク放電によって生じる煤には、カーボンナノチューブだけでなく、アモルファスカーボンやカーボンナノパーティクルも含まれる。従って、カーボンナノチューブを得るには、煤を精製してアモルファスカーボンやカーボンナノパーティクルを除去する必要がある。収量を上げるために、炭素電極に触媒金属を埋め込んでアーク放電を行う方法があり、非常に有効であるが、精製において更に金属除去の工程を必要とすることので、精製工程における減収を補うには更なる向上が重要である。
【0016】
本発明者らは、触媒金属と共にフッ素化合物を用いて炭素電極のアーク放電を行うと、煤のカーボンナノチューブ含有量が飛躍的に向上することを見出した。
更に、硫黄を使用すると、カーボンナノチューブの収量が増加し、精製物の純度が向上する。
【0017】
以下、本発明のカーボンナノチューブの製造方法について詳細に説明する。
【0018】
触媒金属としては、鉄、ニッケル、コバルト等、通常考えられる触媒作用をもたらす金属を単独または組み合わせて使用することができ、炭素電極の製造の際に炭素に混合して電極に一体化させて用いたり、フッ素化合物との混合物を炭素電極の孔部に埋め込んで用いたりすることが可能である。
【0019】
フッ素化合物としては、フッ化炭素化合物、具体的には、フッ化黒鉛や、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素含有高分子が挙げられる。これらは常温で固体状であり、取り扱いが容易である。常温で気体状のフッ素化合物は、反応性の点で取り扱いや装置構成に問題を生じるものが多いので、実用上から、上記のような固体状のフッ素化合物が好ましい。フッ化黒鉛は黒鉛層間化合物であり、炭素との親和性がアーク放電におけるカーボンナノチューブの収量増加に好影響を及ぼすと考えられる。フッ素化合物は、触媒金属との混合物を炭素電極に埋め込んで用いたり、アーク放電によって気化するように電極付近に配置して用いたりすることが可能である。固体状のフッ素化合物は、触媒金属と共に炭素電極に埋め込むことが簡単にしかも正確に行うことができる。
【0020】
フッ素化合物は、触媒金属100質量部に対して5〜10質量部の割合で用いるのが好ましい。
【0021】
上記フッ素化合物と共に硫黄(S)を用いると、煤中のカーボンナノチューブの収量増加及び精製純度の向上がより顕著になる。又、本発明者らの研究によれば、硫黄存在下でアーク放電した場合、カーボンナノチューブと共に作製されるカーボンナノパーティクルの耐熱温度が低下し、熱処理によるカーボンナノチューブの精製が容易になる。硫黄は、触媒金属及びフッ素化合物と共に炭素電極に埋め込んで用いたり、電極のアーク放電によって気化するように電極付近に配置して用いたりすることが可能である。硫黄とフッ素化合物との混合物を電極付近に配置してもよい。
【0022】
硫黄は、触媒金属100質量部に対して5〜10質量部の割合で用いるのが好ましい。
【0023】
触媒金属、フッ素化合物(及び硫黄)の配置構成としては、例えば、以下のようなものがある。
【0024】
1)触媒金属を含有する炭素電極にフッ素化合物(及び硫黄)を埋め込む。
【0025】
2)触媒金属を含有する炭素電極の近辺にフッ素化合物(及び硫黄)を配置する。
【0026】
3)触媒金属、フッ素化合物(及び硫黄)を炭素電極に埋め込む。
【0027】
4)触媒金属を炭素電極に埋め込み、フッ素化合物(及び硫黄)を電極の近辺に配置する。
【0028】
上記のうち、3)及び4)は、通常の炭素電極を適宜加工して用いることができるので、簡便である。
【0029】
触媒金属、フッ素化合物(及び硫黄)を炭素電極に埋め込む場合、必要に応じてこれらに炭素粉末を混合した混合物を、炭素電極の孔部に充填する。電極及び孔部の形状については特に限定されるものではないが、例えば、筒形の内径を有する管状炭素電極は、製造し易く、充填作業も容易である。触媒金属、フッ素化合物(及び硫黄)を埋め込んだ炭素電極は、アーク放電する1対の電極の陽極として用いる。
【0030】
上記構成に従って、炭素電極、触媒金属、フッ素化合物(及び硫黄)を準備し、アーク放電を行って粗製煤を生成し、精製によりこれからカーボンナノパーティクル、アモルファスカーボン及び金属を除去して、精製カーボンナノチューブが得られる。
【0031】
アーク放電は、常法に従って行うことができる。具体的には、アーク放電用真空チャンバーに炭素電極、触媒金属、フッ素化合物(及び硫黄)を配置し、100〜500torr程度のHe,Ar等の不活性ガス雰囲気中でアーク放電を行う。
放電により、炭素、触媒金属、フッ素化合物(及び硫黄)がガス化し、反応して粗製煤が生成する。
【0032】
カーボンナノチューブを含んだ粗製煤からカーボンナノチューブを精製処理する手法としては、第1の熱処理、酸処理及び第2の熱処理を行う簡便な手法が適用できる。合成直後の粗製煤(煤0)の成分構成は、カーボンナノチューブ、アモルファスカーボン、カーボンナノパーティクル、触媒金属及び黒鉛であり、第1の熱処理によって、アモルファスカーボンを除去する。アモルファスカーボンの耐熱温度は250〜450℃程度であり、第1の熱処理で、カーボンナノチューブを含んだ煤0を500℃未満程度の大気中加熱を行って煤中に含まれるアモルファスカーボンを焼失させる。これにより、得られる煤(煤1)の構成は、カーボンナノチューブ、カーボンナノパーティクル、触媒金属及び黒鉛となる。
【0033】
次の酸処理では、塩酸、硝酸等の強酸水溶液を用いて煤1中の触媒金属を溶解除去する。これにより、得られる煤(煤2)の構成は、カーボンナノチューブ、カーボンナノパーティクル及び黒鉛となる。
【0034】
3番目の工程である第2の熱処理は、大気中で600℃未満程度の加熱を行う。これにより、カーボンナノパーティクルが焼失し、最終的に、粒径の大きな黒鉛が微量残ったカーボンナノチューブが得られる。残留黒鉛の量は非常に少なく、殆ど無視することができるが、必要に応じて比重差を利用した沈降分離等の処理を行えば、簡単に除去でき、純粋なカーボンナノチューブを得ることができる。
【0035】
なお、第1および第2の熱処理過程では、カーボンナノチューブのうち耐熱温度が低いものは焼失してしまっている。
【0036】
上記精製において、第2の熱処理は、第1の熱処理において一緒に行ってアモルファスカーボン及びカーボンナノパーティクルの両方を除去してうことも可能である。つまり、第1の熱処理において、第2の熱処理の温度で加熱して両方を焼失させる。酸処理については、カーボンに覆われた金属を除去し損なうことを防止するために、熱処理の後に行うのが望ましい。
【0037】
本発明によるカーボンナノチューブの製造方法で得られる煤は、このような精製処理工程を経ても、従来に増して精製カーボンナノチューブが多く得られ、これは、耐熱温度が高いカーボンナノチューブが多く生成するためであるが、その理由については、現在のところ残念ながら言及できない。
【0038】
また、本発明においては、触媒金属及びフッ化化合物に、さらに硫黄(S)を共存させてアーク放電することで、カーボンナノチューブの収率が向上する。これに関して、本発明者らの検討によれば、硫黄を加えてアーク放電した煤では、カーボンナノチューブと共に生成するカーボンナノパーティクルの耐熱温度が低下することが分かり、焼失させる温度を低下することが可能であることを見いだした。つまり、硫黄存在下でアーク放電した場合には、精製工程の第2の加熱処理における温度を500℃未満程度に低下させることが可能となる。この結果、硫黄を用いずにアーク放電した場合の煤の精製においては焼失していたカーボンナノチューブも、焼失させなくて済むことになり、カーボンナノチューブの収率が向上する。
【0039】
なお、フッ素又はフッ素化合物及び硫黄をガス状にして雰囲気ガス中に入れてアーク放電することも可能であるが、この場合、危険性が高く、悪臭がするなどの問題があるので、装置構成上配慮が必要となる。この点、以下に説明する実施例のように固体状で取り扱うと、安全に、しかも特殊の装置を用意する必要もなく、高純度のカーボンナノチューブを得ることができる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例にて本発明をさらに説明することとするが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0041】
(実施例1)
触媒材料として鉄粉末(昭和化学製)、ニッケル粉末(添川理化学製)、コバルト粉末(添川理化学製)、硫黄粉末(添川理化学製)、フッ化カーボン粉末(ダイキン工業製)及び黒鉛粉末(東洋炭素製カーボフラン)を、鉄:ニッケル:コバルト:硫黄:フッ化カーボン:黒鉛=1:1:1:0.1:0.1:4の質量比率で混合し、充填用の触媒混合物を調製した。
【0042】
調製した触媒混合物を、5mmφの穴を開けた10mmφのカーボンロッド(東洋炭素製)に、金属分が質量で総質量の6%になるように充填した。
【0043】
アーク放電用真空チャンバーの陽極として、触媒混合物を充填したカーボンロッドをセットした。陰極として、20mmφのカーボンロッドをセットし、200TorrのHe雰囲気中で電量120Aで通電し、電極間の距離がおおむね1mmになるように調整しながら10分間アーク放電を行い、煤を1g生成した。
【0044】
第1の熱処理として、煤をマッフル炉内で300℃の大気雰囲気中で60分間焼成し、煤からアモルファスカーボンを除去した。次の酸処理として、5質量%塩酸水溶液に煤を入れて24時間酸に接触させることで触媒金属を溶解除去した。更に、第2の熱処理として、マッフル炉内で450℃の大気雰囲気中60分間加熱し、煤からカーボンナノパーティクルを除去した。
【0045】
得られた煤の質量は、110mgであった。
【0046】
(実施例2)
触媒材料として鉄粉末(昭和化学製)、ニッケル粉末(添川理化学製)、コバルト粉末(添川理化学製)、ポリテトラフルオロエチレン粉末(ダイキン工業製フッ素ファインパウダー)及び黒鉛粉末(東洋炭素製カーボフラン)を、鉄:ニッケル:コバルト:ポリテトラフルオロエチレン:黒鉛=1:1:1:0.1:4の質量比率で混合し、充填用の触媒混合物を調製した。この触媒混合物を用い、実施例1と同様にしてアーク放電及を行い、1gの煤を生成した。
【0047】
第1の熱処理として、煤をマッフル炉内で300℃の大気雰囲気中60分間焼成し、アモルファスカーボンを除去した。次の酸処理として、5質量%塩酸水溶液に煤を入れて24時間酸に接触させることで触媒金属を除去した。更に、第2の熱処理として、マッフル炉内で550℃の大気雰囲気中60分間加熱し、煤からカーボンナノパーティクルを除去した。
【0048】
得られた煤の質量は、50mgであった。
【0049】
(実施例3)
触媒材料として鉄粉末(昭和化学製)、ニッケル粉末(添川理化学製)、コバルト粉末(添川理化学製)、硫黄粉末(添川理化学製)、ポリフッ化ビニリデン樹脂粉末(クレハ化学製)及び黒鉛粉末(東洋炭素製カーボフラン)を、鉄:ニッケル:コバルト:硫黄:ポリフッ化ビニリデン:黒鉛=1:1:1:0.1:0.1:4の質量比率で混合し、充填用の触媒混合物を調製した。この触媒混合物を用い、実施例1と同様にしてアーク放電及を行い、1gの煤を生成した。
【0050】
更に、得られた煤を、実施例1と同様に精製した。
【0051】
得られた煤の質量は、110mgであった。
【0052】
(実施例4)
触媒材料として鉄粉末(昭和化学製)、ニッケル粉末(添川理化学製)、コバルト粉末(添川理化学製)、硫黄粉末(添川理化学製)、フッ化カーボン粉末(ダイキン工業製)及び黒鉛粉末(東洋炭素製カーボフラン)を、鉄:ニッケル:コバルト:硫黄:フッ化カーボン:黒鉛=1:1:1:0.1:0.1:4の質量比率で混合し、充填用の触媒混合物を調製した。この触媒混合物を用い、実施例1と同様にしてアーク放電及を行い、1gの煤を生成した。
【0053】
第1の熱処理として、煤をマッフル炉内で450℃の大気雰囲気中で60分間焼成し、煤からアモルファスカーボン及びカーボンナノパーティクルを除去した。次の酸処理として、5質量%塩酸水溶液に煤を入れて24時間酸に接触させることで触媒金属を溶解除去した。
【0054】
得られた煤の質量は、110mgであった。
【0055】
(比較例)
触媒材料として鉄粉末(昭和化学製)、ニッケル粉末(添川理化学製)、コバルト粉末(添川理化学製)及び黒鉛粉末(東洋炭素製カーボフラン)を、鉄:ニッケル:コバルト:黒鉛=1:1:1:4の質量比率で混合して充填用の触媒混合物を調製した。触媒混合物を用い、実施例1と同様にしてアーク放電を行い、1gの煤を生成した。また、煤の精製は、実施例2と同様に行った。
【0056】
得られた煤の質量は、25mgであった。
【0057】
(カーボンナノチューブの観察)
実施例1〜4及び比較例でそれぞれ作製・精製により得られた煤(カーボンナノチューブ)のSEM写真画像を図1〜5に示す。
【0058】
図1、図3及び図4の(a),(b)のカーボンナノチューブには不純物は全く見られない。また、図2(a),(b)のカーボンナノチューブでは、微量の不純物(粗大な黒鉛粒子)が若干みられる程度である。これに対し、図5(a),(b)のカーボンナノチューブでは、不純物を多量に含んだ状態となっている。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、不純物の無いまたは極めて少ないカーボンナノチューブが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたカーボンナノチューブのSEM写真画像であり、(a)は倍率5000倍、(b)は倍率20000倍における画像である。
【図2】実施例2で得られたカーボンナノチューブのSEM写真画像であり、(a)は倍率5000倍、(b)は倍率20000倍における画像である。
【図3】実施例3で得られたカーボンナノチューブのSEM写真画像であり、(a)は倍率5000倍、(b)は倍率20000倍における画像である。
【図4】実施例4で得られたカーボンナノチューブのSEM写真画像であり、(a)は倍率5000倍、(b)は倍率20000倍における画像である。
【図5】比較例で得られたカーボンナノチューブのSEM写真画像であり、(a)は倍率5000倍、(b)は倍率20000倍における画像である。

Claims (4)

  1. 炭素電極のアーク放電によりカーボンナノチューブを含む煤を生成し、得られた煤を精製するカーボンナノチューブの製造方法であって、前記炭素電極のアーク放電を、触媒金属及び常温で固体状のフッ素化合物の存在下で行うことを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  2. 前記フッ素化合物が、フッ化炭素化合物である請求項1に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  3. 前記フッ化炭素化合物が、フッ化黒鉛、ポリテトラフルオロエチレンまたはポリフッ化ビニリデンのいずれかである請求項2に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  4. 前記アーク放電において、硫黄を共存させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカーボンナノチューブの製造方法。
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