JP2004210505A - 媒体分離繰り出し機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】媒体の横へのはみ出しによる繰り出し後の搬送時の障害発生率を低下させる。
【解決手段】複数枚一括して挿入された媒体1を前記ピックアップローラ4とビルプレス5でクランプした後、ビルプレス5を下降させて前記媒体1をクランプ力から解放することで、横へのはみ出しにより前記位置規制板に当たって反りを生じた媒体1を自身の腰の強さにより正常な状態に戻し、その後ビルプレス5を上昇させて前記媒体1をピックアップローラ4とクランプする。
【選択図】 図1
【解決手段】複数枚一括して挿入された媒体1を前記ピックアップローラ4とビルプレス5でクランプした後、ビルプレス5を下降させて前記媒体1をクランプ力から解放することで、横へのはみ出しにより前記位置規制板に当たって反りを生じた媒体1を自身の腰の強さにより正常な状態に戻し、その後ビルプレス5を上昇させて前記媒体1をピックアップローラ4とクランプする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数枚一括して挿入された紙葉状の媒体を1枚ずつ分離して繰り出す媒体分離繰り出し機構に関するものである。
【従来の技術】
【0002】
【特許文献1】「特開2001−67527公報」
【0003】
媒体分離繰り出し機構を備えた装置として、金融機関の営業店等に設置される自動取引装置の紙幣入出金機がある。
図5はこの紙幣入出金機の構成を示す概略図で、30は入出金口、31は鑑別部、32は一時保留部、33は紙幣収納部である。
【0004】
この構成における入金処理は以下の通りである。
まず、入出金口30から複数枚一括して挿入された紙幣(紙葉状の媒体)は、1枚ずつ分離されて鑑別部31に搬送され、鑑別部31で真偽、金種等の鑑別と計数が行われた後、真券と鑑別された紙幣は一時保留部32に集積される。
そして取引確定後、一時保留部32の紙幣は図示しない分離手段により1枚ずつ分離され、紙幣収納部33に搬送されて金種別に収納される。
【0005】
出金または釣り釣り銭放出の処理時には、紙幣収納部33から図示しない分離手段により紙幣が1枚ずつ分離されて繰り出され、鑑別部31で真偽、金種等の鑑別と計数が行われた後、真券と鑑別された紙幣は入出金口30に送られて集積される。
そして必要枚数の紙幣が集積されると入出金口30から一括して排出される。
【0006】
図6は前記入出金口30として利用される従来の媒体分離繰り出し機構の構成を示す側面図で、特許文献1に示されるものである。
同図において1は紙葉状の媒体、2はシャッター、3はこのシャッター2の内側に設けられた媒体一括搬送手段で、この媒体一括搬送手段3は上下に対向する一対の搬送ベルト3a、3bから成り、下部搬送ベルト3bは図示しない上下動機構により上昇,下降して上部搬送ベルト3aに対して接近,離反にするようになっている。
【0007】
4はピックアップローラ、5はビルプレス(媒体押圧板)で、この両者は媒体一括搬送手段3の奥側に設けられ、搬送ベルト3a、3bに隣接するように配置されている。
ここでビルプレス5は図示しない上下動機構により上昇,下降してピックアップローラに対して接近離反できるようになっている。
【0008】
6は繰り出しローラ、7はこの繰り出しローラ6に対向設置された分離ローラで、この繰り出しローラ6と分離ローラ7は媒体を1枚ずつ分離して繰り出すゲートを構成している。
8は媒体一括搬送手段3により搬送される媒体を検知する検知センサで、発行素子と受光素子により構成されている。
【0009】
図7は媒体分離繰り出し機構の動作工程を示す側面図で、この図7及び前記図6を参照して作用について説明する。
まず、図6に示すように下部搬送ベルト3b及びビルプレス5が下降して上部搬送ベルト3a及びピックアップローラ4から離れている状態(待機状態)においてシャッター2が開き、図7(a)に示したように複数枚の媒体1が一括して上部搬送ベルト3aと下部搬送ベルト3bの間に挿入されると、その挿入された媒体1が検知センサ8により検知され、検知信号が出力される。
【0010】
この検知信号に基づいて図示しない制御部の制御により下部搬送ベルト3bが上昇して、図7(b)に示したように上部搬送ベルト3aとの間に媒体1をクランプし、そしてこの両搬送ベルトが回転して媒体1の先端部がピックアップローラ4とビルプレス5の間に送り込まれると、制御部の制御によりシャッター2が閉じ、ビルプレス5が上昇して図7(c)に示したようにピックアップローラ4との間に媒体1をクランプする。
【0011】
次に、下部搬送ベルト3bは、制御部の制御により下降して待機状態に戻り、その後、ピックアップローラ4が回転して、このピックアップローラ4に接触している媒体1が繰り出しローラと分離ローラにより構成されるゲート側に送られる。
そして、ゲートに進入した媒体1は繰り出しローラ6と分離ローラ7の回転により1枚ずつ分離して繰り出され、次工程の処理部に搬送されて行く。
【0012】
尚、分離ローラ7は繰り出しローラ6と同方向に回転して、媒体1が重なって繰り出された場合、2枚目以降の媒体1を送り戻すように機能する。
また、ビルプレス5は下部搬送ベルト3bが下降したとき、媒体1が後部側が垂れ下がらない程度の大きさに形成されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術では、以下の問題がある。
すなわち、媒体が複数枚が挿入されるとき、一部の媒体が横にはみ出した状態で挿入されることがあり、このような状態で媒体がピックアップローラとビルプレスとの間に送り込まれた場合、横にはみ出した媒体は媒体一括搬送手段及びピックアップローラとビルプレスが設けられている部分の両側に配置されている位置規制板に当たって反りを生じる。
【0014】
図8はこのような媒体の反りを生じた状態を示す正面図で、9aと9bは媒体一括搬送手段3及びピックアップローラ4とビルプレス5が設けられている部分の両側に配置されている位置規制板で、この位置規制板9aと9bは媒体1の横方向の位置を規制するものである。
この図に示したように、他の媒体1から横にはみ出した媒体1aは例えば位置規制板9aに当たって反りを生じた状態となり、このような状態のまま媒体1と共に媒体1aがピックアップローラ4とビルプレス5によりクランプされて繰り出しローラ6と分離ローラ7により分離繰り出しが行われた場合、反りを生じた媒体1は繰り出しローラ6と分離ローラ7により繰り出された後に、搬送路により搬送される際、スキューしたり、搬送路の両側に設けられているガイドに引っ掛かって、障害を発生するという問題がある。
【0015】
本発明はこのような問題を解決することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は、ピックアップローラと上下動可能な媒体押圧板の両側に媒体の位置を規制する位置規制板を有し、媒体を前記ピックアップローラと媒体押圧板との間にクランプして、ピックアップローラの回転により前記媒体をゲート側に送り、前記媒体を1枚ずつ分離して繰り出す媒体分離繰り出し機構において、 複数枚一括して挿入された媒体を前記ピックアップローラと媒体押圧板でクランプした後、媒体押圧板を下降させて前記媒体をクランプ状態から解放することで、横へのはみ出しにより前記位置規制板に当たって反りを生じた媒体を自身の腰の強さにより正常な状態に戻し、その後前記媒体押圧板を上昇させて前記媒体をピックアップローラとの間にクランプすることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明による媒体分離繰り出し機構の実施の形態について説明する。
本発明による媒体分離繰り出し機構の構成そのものは従来と同様であり、その動作が異なるので、それについて説明する。
【0018】
図1は第1の実施の形態の動作工程を示す側面図、図2はその動作フローチャートであり、この両図を参照して説明する。
尚、以下の説明においてSで示すステップは図2のSで示すステップに対応する。
まず、図1(a)に示すように下部搬送ベルト3b及びビルプレス5が下降して上部搬送ベルト3a及びピックアップローラ4から離れている状態を待機状態とし、この状態においてシャッター2(図6参照)が開き(S1)、検知センサ8により媒体1が検知されたか否かが図示しない制御部(制御手段)により判断され(S2)、検知されていない場合、媒体1の挿入を待つ。 複数枚の媒体1が一括して上部搬送ベルト3aと下部搬送ベルト3bの間に挿入され、その挿入された媒体1が検知センサ8により検知されて検知信号が出力されると、制御部はこの検知信号により媒体1が検知されたと判断して下部搬送ベルト3bを上昇させ(S3)、図1(b)に示したように上部搬送ベルト3aとの間に媒体1をクランプする。
【0019】
その後、この両搬送ベルト3a,3bが回転することで媒体1は束の状態で搬送され(S4)、その搬送開始から一定の時間内に媒体1の先端部がピックアップローラ4とビルプレス5の間に送り込まれたか否か、つまり媒体1が分離開始位置に到達したか否かが図示しない検知センサの出力信号に基づいて制御部で判断され(S5)、一定の時間内に媒体1が分離開始位置に到達しない場合は、タイムアウトとして媒体の返却が行われる。
【0020】
この返却は、両搬送ベルト3a,3bを逆回転させることにより行われ、返却後、シャッター2は閉じられる。
一定の時間内に媒体1が分離開始位置に到達すると、制御部の制御により媒体の搬送が停止され(S6)、シャッター2が閉じ、ビルプレス5が上昇して図1(c)に示したようにピックアップローラ4との間に媒体1をクランプする(S7)。
【0021】
次に、制御部の制御により下部搬送ベルト3bが下降し、これにより下部搬送ベルト3bが待機状態に戻る(S8)。
ここで整列動作として、図1(d)に示したように、制御部はビルプレス5を下降させて媒体1を一度クランプ状態から解放してフリー状態にし(S9)、再度ビルプレス5を上昇させて、ピックアップローラ4との間に媒体1をクランプさせるとにより分離状態とする(S10)。
【0022】
図3はこのときのビルプレス5の動作による媒体1の整列状態を示す正面図である。
複数枚の媒体のうち、一部の媒体が横にはみ出した状態で挿入されることに起因して、図3(a)に示したように、媒体1がビルプレス5とピックアップローラ4とでクランプされたとき、他の媒体1から横にはみ出した媒体1aが例えば位置規制板9aに当たって反りを生じているものとする。
【0023】
この状態からビルプレス5を図3(b)に示したように下降させて媒体1を一度クランプ状態から解放すると、反りを生じている媒体1aは上下の圧力からフリーの状態に解放されるため、自身の材質の腰の強さにより平らに伸びて上下の媒体1の間に納まり、はみ出し状態が解消されて整列される。
従って、その後、再びビルプレス5を上昇させて、図3(c)に示したようにピックアップローラ4との間に媒体1をクランプさせると、この状態では媒体1aは他の媒体1から横にはみ出すことなく正常な状態でクランプされることになる。
【0024】
この状態で制御部の制御によりピックアップローラ4が回転して、このピックアップローラ4に接触している媒体1が繰り出しローラ6と分離ローラ7により構成されるゲート側に送られ、そして、ゲートに進入した媒体1は図1(e)に示したように繰り出しローラ6と分離ローラ7の回転により1枚ずつ分離して繰り出され、次工程の処理部に搬送されて行く。
【0025】
以上説明した第1の実施の形態によれば、媒体をビルプレスとピックアップローラとの間にクランプした後、ビルプレスを下降させて一度媒体をクランプ状態から開放し、フリーの状態とすることで、複数枚挿入された媒体の一部が横にはみ出していても、それを整列させ、その後ピックアップローラを回転させて繰り出しローラと分離ローラによるゲートに送って1枚ずつ分離して繰り出すようにしているため、繰り出された後に搬送される際、スキューしたり、搬送路の両側に設けられているガイドへの引っ掛かりを防止でき、障害発生率を低下させることができるという効果が得られる。
【0026】
図4は第2の実施の形態を示す動作フローチャートである。
この第2の実施の形態は媒体1を一度整列した後の分離繰り出し動作で、予め設定した枚数を繰り出す毎に整列動作を繰り返し行うもので、構成は第1の実施の形態と同様である。
以下に本実施の形態の動作について説明する。
【0027】
この第2の実施の形態では、シャッター2が開いて媒体1が挿入されてから媒体1の分離繰り出し動作までは第1の実施の形態と同様に行われる。すなわち、図2のS1からS10のステップを経て、繰り出しローラ6と分離ローラ7の回転により1枚ずつ分離して繰り出す動作が行われる(S11)。
この分離動作において図示しない制御部は、ピックアップローラ4とビルプレス5によりクランプされている媒体1を検知する図示しない検知センサの出力に基づいて分離、繰り出し動作が完了したか否かを判断し(S12)、完了した場合は処理を終了するが、完了していない場合、制御部は媒体1の分離繰り出し枚数が設定枚数に達したか否かを判断する(S13)。
【0028】
その結果、設定枚数に達していない場合は、S11からの処理が繰り返されるが、設定枚数に達した場合、制御部はビルプレス5を下降させて媒体1を一度クランプ状態から解放し、再びビルプレス5を上昇させて、ピックアップローラ4との間に媒体1をクランプさせるという整列動作を行わせる。
その後、分離繰り出しが終了するまでS11からの処理が繰り返される。
【0029】
以上説明した第2の実施の形態によれば、媒体の挿入枚数が多く、下方の媒体が横にはみ出している場合、上方の媒体の重さのため、一度整列動作をしただけでは整列できないという事態が生じても、設定枚数毎に整列動作を行うため、横にはみ出している下方の媒体の整列を行うことが可能となり、整列効果をより高めることができるので、媒体の挿入数が多い場合でも、安定した媒体の分離繰り出しが可能となり、障害発生率を低減できるという効果が得られる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、媒体を媒体押圧板とピックアップローラとの間にクランプした後、媒体押圧板を下降させて一度媒体をクランプ状態から開放し、フリーの状態とすることで、複数枚挿入された媒体の一部がはみ出していても、それを整列させ、その後ピックアップローラを回転させて媒体をゲートに送って1枚ずつ分離して繰り出すようにしているため、繰り出された後に搬送される際、スキューしたり、搬送路の両側に設けられているガイドへの引っ掛かりを防止でき、障害発生率を低下させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の動作工程を示す側面図
【図2】第1の実施の形態の動作フローチャート
【図3】媒体の整列状態を示す正面図
【図4】第2の実施の形態を示す動作フローチャート
【図5】紙幣入出金機の構成を示す概略図
【図6】従来の媒体分離繰り出し機構の構成を示す側面図
【図7】従来の媒体分離繰り出し機構の動作工程を示す側面図
【図8】媒体の反りを生じた状態を示す正面図
【符号の説明】
1 媒体
2 シャッター
3 媒体一括搬送手段
3a 上部搬送ベルト
3b 下部搬送ベルト
4 ピックアップローラ
5 ビルプレス
6 繰り出しローラ
7 分離ローラ
8 検知センサ
9a,9b 位置規制板
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数枚一括して挿入された紙葉状の媒体を1枚ずつ分離して繰り出す媒体分離繰り出し機構に関するものである。
【従来の技術】
【0002】
【特許文献1】「特開2001−67527公報」
【0003】
媒体分離繰り出し機構を備えた装置として、金融機関の営業店等に設置される自動取引装置の紙幣入出金機がある。
図5はこの紙幣入出金機の構成を示す概略図で、30は入出金口、31は鑑別部、32は一時保留部、33は紙幣収納部である。
【0004】
この構成における入金処理は以下の通りである。
まず、入出金口30から複数枚一括して挿入された紙幣(紙葉状の媒体)は、1枚ずつ分離されて鑑別部31に搬送され、鑑別部31で真偽、金種等の鑑別と計数が行われた後、真券と鑑別された紙幣は一時保留部32に集積される。
そして取引確定後、一時保留部32の紙幣は図示しない分離手段により1枚ずつ分離され、紙幣収納部33に搬送されて金種別に収納される。
【0005】
出金または釣り釣り銭放出の処理時には、紙幣収納部33から図示しない分離手段により紙幣が1枚ずつ分離されて繰り出され、鑑別部31で真偽、金種等の鑑別と計数が行われた後、真券と鑑別された紙幣は入出金口30に送られて集積される。
そして必要枚数の紙幣が集積されると入出金口30から一括して排出される。
【0006】
図6は前記入出金口30として利用される従来の媒体分離繰り出し機構の構成を示す側面図で、特許文献1に示されるものである。
同図において1は紙葉状の媒体、2はシャッター、3はこのシャッター2の内側に設けられた媒体一括搬送手段で、この媒体一括搬送手段3は上下に対向する一対の搬送ベルト3a、3bから成り、下部搬送ベルト3bは図示しない上下動機構により上昇,下降して上部搬送ベルト3aに対して接近,離反にするようになっている。
【0007】
4はピックアップローラ、5はビルプレス(媒体押圧板)で、この両者は媒体一括搬送手段3の奥側に設けられ、搬送ベルト3a、3bに隣接するように配置されている。
ここでビルプレス5は図示しない上下動機構により上昇,下降してピックアップローラに対して接近離反できるようになっている。
【0008】
6は繰り出しローラ、7はこの繰り出しローラ6に対向設置された分離ローラで、この繰り出しローラ6と分離ローラ7は媒体を1枚ずつ分離して繰り出すゲートを構成している。
8は媒体一括搬送手段3により搬送される媒体を検知する検知センサで、発行素子と受光素子により構成されている。
【0009】
図7は媒体分離繰り出し機構の動作工程を示す側面図で、この図7及び前記図6を参照して作用について説明する。
まず、図6に示すように下部搬送ベルト3b及びビルプレス5が下降して上部搬送ベルト3a及びピックアップローラ4から離れている状態(待機状態)においてシャッター2が開き、図7(a)に示したように複数枚の媒体1が一括して上部搬送ベルト3aと下部搬送ベルト3bの間に挿入されると、その挿入された媒体1が検知センサ8により検知され、検知信号が出力される。
【0010】
この検知信号に基づいて図示しない制御部の制御により下部搬送ベルト3bが上昇して、図7(b)に示したように上部搬送ベルト3aとの間に媒体1をクランプし、そしてこの両搬送ベルトが回転して媒体1の先端部がピックアップローラ4とビルプレス5の間に送り込まれると、制御部の制御によりシャッター2が閉じ、ビルプレス5が上昇して図7(c)に示したようにピックアップローラ4との間に媒体1をクランプする。
【0011】
次に、下部搬送ベルト3bは、制御部の制御により下降して待機状態に戻り、その後、ピックアップローラ4が回転して、このピックアップローラ4に接触している媒体1が繰り出しローラと分離ローラにより構成されるゲート側に送られる。
そして、ゲートに進入した媒体1は繰り出しローラ6と分離ローラ7の回転により1枚ずつ分離して繰り出され、次工程の処理部に搬送されて行く。
【0012】
尚、分離ローラ7は繰り出しローラ6と同方向に回転して、媒体1が重なって繰り出された場合、2枚目以降の媒体1を送り戻すように機能する。
また、ビルプレス5は下部搬送ベルト3bが下降したとき、媒体1が後部側が垂れ下がらない程度の大きさに形成されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術では、以下の問題がある。
すなわち、媒体が複数枚が挿入されるとき、一部の媒体が横にはみ出した状態で挿入されることがあり、このような状態で媒体がピックアップローラとビルプレスとの間に送り込まれた場合、横にはみ出した媒体は媒体一括搬送手段及びピックアップローラとビルプレスが設けられている部分の両側に配置されている位置規制板に当たって反りを生じる。
【0014】
図8はこのような媒体の反りを生じた状態を示す正面図で、9aと9bは媒体一括搬送手段3及びピックアップローラ4とビルプレス5が設けられている部分の両側に配置されている位置規制板で、この位置規制板9aと9bは媒体1の横方向の位置を規制するものである。
この図に示したように、他の媒体1から横にはみ出した媒体1aは例えば位置規制板9aに当たって反りを生じた状態となり、このような状態のまま媒体1と共に媒体1aがピックアップローラ4とビルプレス5によりクランプされて繰り出しローラ6と分離ローラ7により分離繰り出しが行われた場合、反りを生じた媒体1は繰り出しローラ6と分離ローラ7により繰り出された後に、搬送路により搬送される際、スキューしたり、搬送路の両側に設けられているガイドに引っ掛かって、障害を発生するという問題がある。
【0015】
本発明はこのような問題を解決することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は、ピックアップローラと上下動可能な媒体押圧板の両側に媒体の位置を規制する位置規制板を有し、媒体を前記ピックアップローラと媒体押圧板との間にクランプして、ピックアップローラの回転により前記媒体をゲート側に送り、前記媒体を1枚ずつ分離して繰り出す媒体分離繰り出し機構において、 複数枚一括して挿入された媒体を前記ピックアップローラと媒体押圧板でクランプした後、媒体押圧板を下降させて前記媒体をクランプ状態から解放することで、横へのはみ出しにより前記位置規制板に当たって反りを生じた媒体を自身の腰の強さにより正常な状態に戻し、その後前記媒体押圧板を上昇させて前記媒体をピックアップローラとの間にクランプすることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明による媒体分離繰り出し機構の実施の形態について説明する。
本発明による媒体分離繰り出し機構の構成そのものは従来と同様であり、その動作が異なるので、それについて説明する。
【0018】
図1は第1の実施の形態の動作工程を示す側面図、図2はその動作フローチャートであり、この両図を参照して説明する。
尚、以下の説明においてSで示すステップは図2のSで示すステップに対応する。
まず、図1(a)に示すように下部搬送ベルト3b及びビルプレス5が下降して上部搬送ベルト3a及びピックアップローラ4から離れている状態を待機状態とし、この状態においてシャッター2(図6参照)が開き(S1)、検知センサ8により媒体1が検知されたか否かが図示しない制御部(制御手段)により判断され(S2)、検知されていない場合、媒体1の挿入を待つ。 複数枚の媒体1が一括して上部搬送ベルト3aと下部搬送ベルト3bの間に挿入され、その挿入された媒体1が検知センサ8により検知されて検知信号が出力されると、制御部はこの検知信号により媒体1が検知されたと判断して下部搬送ベルト3bを上昇させ(S3)、図1(b)に示したように上部搬送ベルト3aとの間に媒体1をクランプする。
【0019】
その後、この両搬送ベルト3a,3bが回転することで媒体1は束の状態で搬送され(S4)、その搬送開始から一定の時間内に媒体1の先端部がピックアップローラ4とビルプレス5の間に送り込まれたか否か、つまり媒体1が分離開始位置に到達したか否かが図示しない検知センサの出力信号に基づいて制御部で判断され(S5)、一定の時間内に媒体1が分離開始位置に到達しない場合は、タイムアウトとして媒体の返却が行われる。
【0020】
この返却は、両搬送ベルト3a,3bを逆回転させることにより行われ、返却後、シャッター2は閉じられる。
一定の時間内に媒体1が分離開始位置に到達すると、制御部の制御により媒体の搬送が停止され(S6)、シャッター2が閉じ、ビルプレス5が上昇して図1(c)に示したようにピックアップローラ4との間に媒体1をクランプする(S7)。
【0021】
次に、制御部の制御により下部搬送ベルト3bが下降し、これにより下部搬送ベルト3bが待機状態に戻る(S8)。
ここで整列動作として、図1(d)に示したように、制御部はビルプレス5を下降させて媒体1を一度クランプ状態から解放してフリー状態にし(S9)、再度ビルプレス5を上昇させて、ピックアップローラ4との間に媒体1をクランプさせるとにより分離状態とする(S10)。
【0022】
図3はこのときのビルプレス5の動作による媒体1の整列状態を示す正面図である。
複数枚の媒体のうち、一部の媒体が横にはみ出した状態で挿入されることに起因して、図3(a)に示したように、媒体1がビルプレス5とピックアップローラ4とでクランプされたとき、他の媒体1から横にはみ出した媒体1aが例えば位置規制板9aに当たって反りを生じているものとする。
【0023】
この状態からビルプレス5を図3(b)に示したように下降させて媒体1を一度クランプ状態から解放すると、反りを生じている媒体1aは上下の圧力からフリーの状態に解放されるため、自身の材質の腰の強さにより平らに伸びて上下の媒体1の間に納まり、はみ出し状態が解消されて整列される。
従って、その後、再びビルプレス5を上昇させて、図3(c)に示したようにピックアップローラ4との間に媒体1をクランプさせると、この状態では媒体1aは他の媒体1から横にはみ出すことなく正常な状態でクランプされることになる。
【0024】
この状態で制御部の制御によりピックアップローラ4が回転して、このピックアップローラ4に接触している媒体1が繰り出しローラ6と分離ローラ7により構成されるゲート側に送られ、そして、ゲートに進入した媒体1は図1(e)に示したように繰り出しローラ6と分離ローラ7の回転により1枚ずつ分離して繰り出され、次工程の処理部に搬送されて行く。
【0025】
以上説明した第1の実施の形態によれば、媒体をビルプレスとピックアップローラとの間にクランプした後、ビルプレスを下降させて一度媒体をクランプ状態から開放し、フリーの状態とすることで、複数枚挿入された媒体の一部が横にはみ出していても、それを整列させ、その後ピックアップローラを回転させて繰り出しローラと分離ローラによるゲートに送って1枚ずつ分離して繰り出すようにしているため、繰り出された後に搬送される際、スキューしたり、搬送路の両側に設けられているガイドへの引っ掛かりを防止でき、障害発生率を低下させることができるという効果が得られる。
【0026】
図4は第2の実施の形態を示す動作フローチャートである。
この第2の実施の形態は媒体1を一度整列した後の分離繰り出し動作で、予め設定した枚数を繰り出す毎に整列動作を繰り返し行うもので、構成は第1の実施の形態と同様である。
以下に本実施の形態の動作について説明する。
【0027】
この第2の実施の形態では、シャッター2が開いて媒体1が挿入されてから媒体1の分離繰り出し動作までは第1の実施の形態と同様に行われる。すなわち、図2のS1からS10のステップを経て、繰り出しローラ6と分離ローラ7の回転により1枚ずつ分離して繰り出す動作が行われる(S11)。
この分離動作において図示しない制御部は、ピックアップローラ4とビルプレス5によりクランプされている媒体1を検知する図示しない検知センサの出力に基づいて分離、繰り出し動作が完了したか否かを判断し(S12)、完了した場合は処理を終了するが、完了していない場合、制御部は媒体1の分離繰り出し枚数が設定枚数に達したか否かを判断する(S13)。
【0028】
その結果、設定枚数に達していない場合は、S11からの処理が繰り返されるが、設定枚数に達した場合、制御部はビルプレス5を下降させて媒体1を一度クランプ状態から解放し、再びビルプレス5を上昇させて、ピックアップローラ4との間に媒体1をクランプさせるという整列動作を行わせる。
その後、分離繰り出しが終了するまでS11からの処理が繰り返される。
【0029】
以上説明した第2の実施の形態によれば、媒体の挿入枚数が多く、下方の媒体が横にはみ出している場合、上方の媒体の重さのため、一度整列動作をしただけでは整列できないという事態が生じても、設定枚数毎に整列動作を行うため、横にはみ出している下方の媒体の整列を行うことが可能となり、整列効果をより高めることができるので、媒体の挿入数が多い場合でも、安定した媒体の分離繰り出しが可能となり、障害発生率を低減できるという効果が得られる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、媒体を媒体押圧板とピックアップローラとの間にクランプした後、媒体押圧板を下降させて一度媒体をクランプ状態から開放し、フリーの状態とすることで、複数枚挿入された媒体の一部がはみ出していても、それを整列させ、その後ピックアップローラを回転させて媒体をゲートに送って1枚ずつ分離して繰り出すようにしているため、繰り出された後に搬送される際、スキューしたり、搬送路の両側に設けられているガイドへの引っ掛かりを防止でき、障害発生率を低下させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の動作工程を示す側面図
【図2】第1の実施の形態の動作フローチャート
【図3】媒体の整列状態を示す正面図
【図4】第2の実施の形態を示す動作フローチャート
【図5】紙幣入出金機の構成を示す概略図
【図6】従来の媒体分離繰り出し機構の構成を示す側面図
【図7】従来の媒体分離繰り出し機構の動作工程を示す側面図
【図8】媒体の反りを生じた状態を示す正面図
【符号の説明】
1 媒体
2 シャッター
3 媒体一括搬送手段
3a 上部搬送ベルト
3b 下部搬送ベルト
4 ピックアップローラ
5 ビルプレス
6 繰り出しローラ
7 分離ローラ
8 検知センサ
9a,9b 位置規制板
Claims (2)
- ピックアップローラと上下動可能な媒体押圧板の両側に媒体の位置を規制する位置規制板を有し、媒体を前記ピックアップローラと媒体押圧板との間にクランプして、ピックアップローラの回転により前記媒体をゲート側に送り、前記媒体を1枚ずつ分離して繰り出す媒体分離繰り出し機構において、
複数枚一括して挿入された媒体を前記ピックアップローラと媒体押圧板でクランプした後、媒体押圧板を下降させて前記媒体をクランプ状態から解放することで、横へのはみ出しにより前記位置規制板に当たって反りを生じた媒体を自身の腰の強さにより正常な状態に戻し、その後前記媒体押圧板を上昇させて前記媒体をピックアップローラとの間にクランプすることを特徴とする媒体分離繰り出し機構。 - 請求項1記載の媒体分離繰り出し機構において、
予め設定した枚数の媒体を繰り出す毎に、前記媒体押圧板を下降させて前記媒体をクランプ状態から解放し、その後前記媒体押圧板を上昇させて前記媒体をピックアップローラとの間にクランプすることを特徴とする媒体分離繰り出し機構。
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2003
- 2003-01-07 JP JP2003001229A patent/JP2004210505A/ja active Pending
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