JP2004209895A - 陶芸轆轤用作業板 - Google Patents
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Abstract
【課題】制作途中の陶芸作品を、轆轤のターンテーブルに作業板ごと無造作に載せ下ろししても芯出しが確実にできて、低コストで製造でき、長期間使用しても容易に劣化しない陶芸轆轤用作業板を提供すること。
【解決手段】陶芸用轆轤のターンテーブル上に裁置して使用され、裏面に脚部を設け、当該脚部と脚部の間に、案内部によってターンテーブルが誘導されて収まる構成の陶芸轆轤用作業板であり、脚部に狭持部を設け、挟持部の内の少なくとも一つが加圧手段を有し、前記加圧手段がターンテーブルの側面を加圧することにより芯出しを可能にした陶芸轆轤用作業板を供する。加圧手段を作業板裏面と脚部との間に配した弾性体の復元力であるか、弾性を有する脚部あるいは脚部に設けた弾性体の復元力とする。前記作業板の裏面に滑動防止部を設けるか滑動防止材を配する。
【選択図】図1
【解決手段】陶芸用轆轤のターンテーブル上に裁置して使用され、裏面に脚部を設け、当該脚部と脚部の間に、案内部によってターンテーブルが誘導されて収まる構成の陶芸轆轤用作業板であり、脚部に狭持部を設け、挟持部の内の少なくとも一つが加圧手段を有し、前記加圧手段がターンテーブルの側面を加圧することにより芯出しを可能にした陶芸轆轤用作業板を供する。加圧手段を作業板裏面と脚部との間に配した弾性体の復元力であるか、弾性を有する脚部あるいは脚部に設けた弾性体の復元力とする。前記作業板の裏面に滑動防止部を設けるか滑動防止材を配する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は陶芸用轆轤に載せて使用し、自動的に芯出しができて、ターンテーブル上での滑動を防止できる陶芸轆轤用作業板に関する物である。
【0002】
【従来の技術】
従来、作陶活動に於ける轆轤を使った成形作業において、大型作品を成形した場合や成形途中の作品は、粘土が軟弱であるため轆轤のターンテーブル上から作品を移動することが困難であることから、亀板と呼ばれる作業板をターンテーブルの載せてその上に作品を形成し、亀板とともに作品を移動することにより大型作品の成形直後の作品や成形途中の移動を容易にしてきた。亀板は角を落として多角形とした板の裏面に桟を打ち付けた物であり、これを粘土の粘着性により轆轤の回転体であるターンテーブル上に張り付けて成形に使用されてきた。
【0003】
陶芸に於ける大型の作品の成形では、粘土の自重により変形や亀裂が生じやすく一気に成形できないことから、成形途中の作品を載せた亀板を一旦轆轤から外し、幾分乾燥が進んだ時点で亀板を再度轆轤に乗せ、作品に粘土を継ぎ足して成形を進める必要が生じる。この際、先に成形してある成形途中の作品を、ターンテーブルの中心軸と作品の中心軸とを合わせて、ターンテーブル上に据え付ける必要が生じる。一旦取り外した亀板を、中心軸を合わせて据え付けるには熟練が必要であり、初心者には大変面倒な、あるいは実施困難な作業であった。
【0004】
【特許文献1】実開昭51−3659
実開昭51−3659に示された考案は「ろくろの回転盤Bに外接する枠Aを、平板1の裏面に設置してなる粘土工作台」であり、具体的には「木材からなる正八角形の平板の裏面に、木材からなる4本の角棒を設置し、該角棒の内面でもって未完結の枠が、回転板に外接するように形成する。この考案の工作台をろくろの回転盤にかぶせるように設置すれば、工作台の上面は、枠とろくろの回転盤との摩擦により平板は轆轤と同時に回転する」というものである。
【0005】
上記考案の製造に当たっては高度な技術を要さないものの、轆轤の回転盤(ターンテーブル)を枠が強く圧迫するほど密着するように製造することは困難である。そのように製造し得たとしても、使用と共に摩耗等により接触面にゆるみが生じ、長期間に亘って繰り返し使用することは困難である。
【0006】
この課題を解決するものとして、上記考案の4本の角棒あるいはこれに代わる金具等にゴム等の弾性体を貼り付けて狭持部を形成することが考えられるが、この場合、複数の狭持部で前記ターンテーブルを挟み込み、ターンテーブルの裁置面に対してほぼ直角の狭持部をターンテーブルの側面を摺動しながら下に押し込むことが必要となる。
【0007】
上記の方法によれば、位置合わせが面倒であることや、設置時に前記狭持部に張り付けた弾性体の角がターンテーブルの角に当たり、使用の継続と共に弾性体がすり切れることや、ターンテーブル側面をゴム等の弾性体の表面で摺動しながら押し込むことが可能な程度の圧力では芯出しに狂いが生じやすい。無造作に作業板をターンテーブルに乗せても位置合わせが確実に出来て、長期間使用しても容易に痛まない陶芸轆轤用作業板が望まれる。
【0008】
この他、陶芸轆轤用作業板としては、複数の穴を開けた平板を轆轤のターンテーブル上に張り付けておき、作業板裏面の、上記平板の穴に対応する位置に突起物形成し、上記穴と上記突起物を嵌合させて作業板を裁置することにより、作業板とターンテーブルの位置関係を保ち、芯出しを行うものが市販されている。この作業板は芯出しが確実にできる点で優れているものの、作業板の他に取り付け盤が必要であり、据え付けにしない限り不便である。日々、様々な作業内容で、変化のある作陶活動をする場合には、作業板とは別の取り付け盤を設置する方法では作業が極めて面倒である。また、経済的とも言い難い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
無造作に作業板をターンテーブルに載せても自動的に芯出しが出来て、長期間使用しても容易に痛むことがなく、安価に製造できて使い勝手のよい陶芸轆轤用作業板を提供すること。
【0010】
【課題を解決するための手段】
陶芸用轆轤のターンテーブル上に裁置して使用され、裏面に脚部を設け、当該脚部と脚部の間にターンテーブルが収まる構成の陶芸轆轤用作業板であり、当該脚部に狭持部を設け、挟持部の内の少なくとも一つが加圧手段を有し、当該加圧手段がターンテーブルの側面を加圧することにより芯出しを可能にした陶芸轆轤用作業板を供する。
【0011】
前記作業板の裏面か挟持部か脚部かに案内部が設けてあり、前記ターンテーブル上に大まかに見当をつけて作業板を置くと、作業板の中心軸と前記ターンテーブルの中心軸とを合わせるように作業板を誘導する構成である陶芸轆轤用作業板を供する。
【0012】
前記加圧手段が、弾性を有する脚部、あるいは脚部に設けた弾性体の復元力である陶芸轆轤用作業板を供する。
【0013】
裏面に、硬質の板材を屈折させて基部と脚部と案内部によって構成された脚材を複数個配した陶芸轆轤用作業板であって、前記作業板の裏面と前記基部の間に弾性体を挟設することによって前記作業板を轆轤へ設置したときに脚部の下方端部がターンテーブルの中心軸方向に近寄るように傾かせてあり、前記案内部先端が前記ターンテーブルの中心軸から遠ざかる様に外側に開き、加圧手段を前記弾性体の復元力とし、狭持部を前記脚部の下方端部先端と案内部が交接した部位あるいは脚部側面とする陶芸轆轤用作業板を供する。
【0014】
裏面に複数個の脚部を設けた作業板であって、ターンテーブルに作業板を乗せると、前記脚部と脚部の間にターンテーブルが収まる構成であり、脚部側面に挟持部が可動的に設けられており、前記挟持部に係止爪と弾性体が設けてあり、ターンテーブルに作業板を乗せると当該係止爪がターンテーブルに係り、作業板を下方向に押し込むと当該弾性体が変形して挟持部がターンテーブル側面を狭持し、弾性体の復元力がターンテーブル側面を加圧して固定と芯出しをする陶芸轆轤用作業板を供する。
【0015】
前記作業板の裏面にゴムや合成樹脂等の柔軟材による板状体もしくは複数個の突起物を設けて滑動防止部とし、滑動防止効果を持たせた陶芸轆轤用作業板を供する。
【0016】
前記作業板にゴムや合成樹脂等の柔軟材による滑動防止材を配し、前記作業板の裏面と前記ターンテーブルの間に滑動防止材を挟めるようにした陶芸轆轤用作業板を供する。
【0017】
更に、前記ターンテーブル側面に対する加圧手段が、弾性を有する脚部、あるいは脚部に設けた弾性体の復元力である手段の、具体的手段を述べれば次の通りである。
裏面に、硬質の板材を屈折させて基部と脚部と案内部によって構成された脚材を複数個配した陶芸轆轤用作業板であって、前記脚部の下方端部が作業板を轆轤へ設置したときにターンテーブルの中心軸方向に近寄るように傾かせてあり、前記案内部先端が前記ターンテーブルの中心軸から遠ざかる様に外側に開き、加圧手段を前記弾性体の復元力とし、狭持部を前記脚部の下方端部先端と案内部が交接した部位あるいは脚部側面とする陶芸轆轤用作業板を供する。
【0018】
裏面に設けた脚部側面に、弾性体を当該脚部から浮かした状態で、ターンテーブルの中心軸方向に傾いた状態で設けることにより、前記弾性体がその復元力によって前記ターンテーブル側面に圧着することを加圧手段とし、当該弾性体の下部が前記ターンテーブルから遠ざかるように屈折して案内部を形成する陶芸轆轤用作業板を供する。
【0019】
裏面に設けた脚部側面に波状弾性体を設けることで、当該弾性体を介して前記脚部によってターンテーブルを挟み込んで作業板を轆轤へ設置し、当該弾性体の復元力によって轆轤のターンテーブル側面に圧着することを加圧手段とし、当該弾性体の下部が前記ターンテーブルから遠ざかるように屈折して案内部を形成する陶芸轆轤用作業板を供する。
【0020】
裏面に設けた脚部側面に柔軟弾性体を設け、当該弾性体の外側を硬質板材で覆い、当該弾性体を介して前記脚部によってターンテーブルを挟み込んで作業板を轆轤へ設置し、当該弾性体の復元力によって当該硬質板材が轆轤のターンテーブル側面に圧着することを加圧手段とし、当該硬質板材の下部が当該ターンテーブルから遠ざかるように屈折して案内部を形成する陶芸轆轤用作業板を供する。
【0021】
裏面に設けた脚部側面に円盤状、円柱状あるいは球状の回転体を設け、作業板を轆轤へ設置したときに当該円盤状、円柱状あるいは球状の回転体が弾力を有することで轆轤のターンテーブル側面に圧着することを加圧手段とし、前記脚部の側面下部が前記ターンテーブルから遠ざかるように屈折して案内部を形成する陶芸轆轤用作業板を供する。
【0022】
更に、前記作業板の裏面と基部の間に弾性体を挟設することによって作業板を轆轤へ設置したときに脚部の下方端部がターンテーブルの中心軸方向に近寄るように傾かせる手段の具体的手段を述べれば次の通りである。
上記作業板の裏面と前記基部の間に挟設された弾性体をゴムあるいは合成樹脂等の柔軟弾性体とする陶芸轆轤用作業板を供する。
【0023】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図を用いて説明する。
図1は実施例1に於ける陶芸轆轤用作業板裏面の斜視図であり、陶芸轆轤のターンテーブルに裁置した状態を示す。本図に於いては加圧手段を省略し、2図で表している。作業板1の裏面11に、脚部2を複数個設け、当該脚部2の側面を狭持部3とする。陶芸用轆轤4のターンテーブル41の側面411を前記狭持部A31と他の狭持部B32及び挟持部C33によって挟む。前記狭持部3の内の少なくとも一つに加圧手段5を持たせ、ターンテーブル41の側面411を中心軸方向に加圧して芯出しをする。つまり、ターンテーブル41の中心軸と作業板1の中心軸を一致させる。
【0024】
この際、ターンテーブル41と作業板1の中心点が完全に一致することが望ましいが、前記両者の位置関係が一定であれば、作業板1の中心点がターンテーブル41の中心点から僅かにずれることは実用上問題とならない。前記両者の位置関係が一定であれば、作業板1上に形成された作品の芯(中心軸)はターンテーブル41の中心軸と一致する。本図では脚部の数が3である例を取り上げているが、別の平らな板等への接地点の平面性を得るためには、脚部の数が3であるとき一番安定しており、5程度以内に構成するのが実用的である。脚部の数が1か2である場合には轆轤のターンテーブル外周に合わせた横に幅広の形状にする必要がある。
【0025】
図2は実施例1における脚部2および狭持部3の拡大図である。脚部2は基部21の孔22に通したネジ23で作業板1の裏面11に固定される。作業板1が合成樹脂等によって一体成形される場合には前記基部21及び孔22やネジ23を必要としない。狭持部3は脚部2のターンテーブル41側に位置する側面に、加圧手段5である加圧棒50を介して取り付けられる。加圧棒50は脚部2に刻まれたねじ部24と嵌合するねじ部52を有するネジ構造体であり、つまみ部51を摘んで回すことにより、前進、後退ができ、先端に狭持部3が可動的に取り付けられている。
【0026】
図1のごとく作業板1の裏面11に脚部2および狭持部3を配し、狭持面30でターンテーブルの側面411を狭持し、つまみ部51をひねる様に回すことで加圧棒50をターンテーブル側面411に向かって前進させ、狭持部3を押し出して加圧し、作業板1の芯だしをする。挟持部3の下端に案内部6が設けてあり、前記ターンテーブル41上に大まかに見当をつけて作業板1を裁置すると、作業板1の中心軸と前記ターンテーブル41の中心軸とを合わせるように作業板1を誘導する。加圧棒50を設けた脚部2が一つである場合には他の加圧棒を持たない脚部下端に案内部6を設ける。
【0027】
図3の図Aは実施例2に於ける基部21と、狭持部3(狭持面30)を兼ねた脚部2と、案内部6からなる脚材の断面図である。当該脚材は全体が硬質弾性体で成形されている。基部21には孔22があけられ、固定手段であるネジ23によって作業板1の裏面11に固定される。作業板1が脚部2を含んだ合成樹脂等による一体成形である場合には孔22やネジ23を必要としない。また、弾性体が細い棒状体であることや作業板への取り付け方法が作業板に設けた掛着部による掛着等であることも可能である。
【0028】
基部21と脚部2が交接して内角αが90度よりも若干大である角度を有し、前記脚部2の下方端部が作業板1を轆轤4へ設置したときにターンテーブル41の中心軸方向に近寄るように傾かせてあり、前記脚部2の下方端部先端と案内部6が交接し、前記案内部6の先端が前記ターンテーブル41の中心軸から遠ざかる様に外側に開き、加圧手段5を脚部2を構成する弾性体の復元力とし、狭持部3(狭持面30)を前記脚部2の下方端部先端と案内部6が交接した部位あるいは脚部2の側面とする。
【0029】
図3の図Bは実施例2に於いて、作業板1をターンテーブル41に設置する状況を示した断面図である。ターンテーブル41上に作業板1を載せる際に案内部6が作業板1を誘導するため、大まかに見当をつけて置くだけで作業板1をターンテーブル41上の適切な位置に設置できる。案内部6をターンテーブル41の角にあてがい作業板1をターンテーブル41に向かって押し込むと脚部2はターンテーブル41の中心軸から遠ざかるように押し広げられて、狭持部3(狭持面30)がターンテーブル41の側面411を挟み込み、狭持する。部材が単純な形状であるため低コストで陶芸轆轤用作業板が製造でき、簡単な操作で確実な芯出しを可能にする。
【0030】
図4の図Aは実施例2に於ける脚材のを棒状弾性体にした脚材の斜視図であり、図Bは脚材に棒状弾性体を使用した上記作業板の設置状況を示した断面図である。脚部を棒状弾性体534に置き換えても効果に変わりはない。本図では棒状弾性体534を作業板1の裏面11に設けた嵌合部12に嵌合させて掛着させた構造であるため、脚材と板材との分離が可能であることから小さく梱包できり、収納運搬に有利である。
【0031】
図5は実施例3に於ける脚材の断面図である。当該脚材は、基部21と脚部2が交接した内角がほぼ90度であり、作業板1の中心方向である前記脚部の作業板中心軸方向側面に板状弾性体53を、当該脚部2から浮かした状態で、ターンテーブル41の中心軸方向に傾けて設けることで、前記板状弾性体53がその復元力によって前記ターンテーブル側面411に圧着することを加圧手段5とし、当該板状弾性体53の下部が前記ターンテーブルから遠ざかるように屈折して案内部6を形成する。
【0032】
前記脚部2の側面を挟持部3とする。案内部6の先端を更に屈折させて弾性補助部54を形成してその先端を脚部2に隣接させ、当該先端が脚部側面を滑動可能にすることで狭持部3(狭持面30)がターンテーブル側面411を加圧する弾力を補強するものとすることが可能である。案内部6にターンテーブル41の角をあてがい、作業板1を押し込むことによって前記板状弾性体53の復元力が加圧手段として機能し、自動的に芯だしをする。前記板状弾性体53は細い棒状弾性体534と置き換えることが可能であり、効果に変わりはない。部材が単純な形状であるため低コストで陶芸轆轤用作業板が製造でき、簡単な操作で確実な芯出しを可能にする。
【0033】
図6は実施例4に於ける脚材の断面図である。本実施例は実施例3に於ける板状弾性体53を波状弾性体531に置き換えたものである。板状弾性体53を波状弾性体531に置き換えても、機能に大きな違いは生じないが、ターンテーブルの側面への加圧点が増え、均一な力がターンテーブルの側面に加わる。また、設置に伴い変形される部位の数が多くなることから、使用する素材が板状弾性体53と同一であれば加圧する力が強くなり、ターンテーブルへ作業板を固定する力も強い。また、波状弾性体が細い棒状弾性体534と置き換えることが可能であり、同様の効果を発揮する。
【0034】
図7は実施例5に於ける脚材の断面図である。基部21と脚部2が交接した内角αがほぼ90度であり、作業板1の中心部方向である前記脚部2の内側に柔軟弾性体55を配し外側を硬質板材34で覆い、作業板1を轆轤4へ設置したときに前記柔軟弾性体55の復元力によって当該硬質板材34が轆轤4のターンテーブル側面411に圧着することで加圧手段5とし、当該硬質板材34の下部が前記ターンテーブルから遠ざかるように屈折して開き、案内部6を形成する。加圧手段5がゴムや合成樹脂等の柔軟弾性体55の復元力であるため、腐食等の恐れがない。当該柔軟弾性体55は硬質板材34及び案内部6に守られ、ターンテーブル41の角及びターンテーブル側面411との摺擦によって摩耗、変形することなく長期間の使用に耐えることができる。
【0035】
図8は実施例6に於ける脚材の断面図である。脚材が基部21と脚部2が交接した内角αがほぼ90度であり、作業板1の中心軸方向である前記脚部2の内側に円盤状、円柱状あるいは球状の回転体56を配し、作業板1を轆轤4へ設置したときに当該円盤状、円柱状あるいは球状の回転体56が弾力を有することで轆轤4のターンテーブル側面411に圧着することで加圧手段5とし、前記脚部2の下部が前記ターンテーブル41から遠ざかるように屈折して案内部を形成する。
【0036】
回転体56の弾力は、当該回転体56の製造に使用する素材固有の弾力であるか、当該回転体56の構造から生じる弾力であるか、又は回転軸561の有する弾力である等の区別を有することなく、前記弾力が複合して生じる力を含め回転体56が前記ターンテーブル側面411を加圧する力そのものを指すものとする。当該回転体56は加圧手段5であると同時に狭持部3(狭持面30)である。
【0037】
加圧手段5を、前記狭持部に配した円盤状、円柱状あるいは球状の回転体の有する弾力とした場合には前記脚部間にターンテーブルを押し込む際の抵抗を減らし、容易に設置可能とすることができる。ターンテーブルの側面を回転体56が回転して移動するため、ターンテーブルへの作業板の取り付けがスムースに行われる。つまり、ターンテーブルの側面を硬質の板材等が摺擦しながら狭持部を押し込むということが無いため、ターンテーブルを傷つけることがない。
【0038】
図9の図Aは実施例7に於ける作業板1をターンテーブル41に設置する状況を示した断面図である。硬質の板材を屈折させて基部21と脚部2と案内部6を構成した脚材であり、前記作業板1の裏面11と前記基部21の間に弾性体、ここでは屈折させた板状弾性体532を挟むことによって前記作業板1を轆轤4へ設置したときに脚部2の下方端部がターンテーブル41の中心軸方向に近寄るように傾かせてあり、前記脚部2の下方端部先端と案内部6が交接し、前記案内部6の先端が前記ターンテーブル41の中心軸から遠ざかる様に外側に開き、加圧手段5を屈折させた板状弾性体532の復元力とし、狭持部3(狭持面30)を前記脚部2の下方端部先端と案内部6が交接した部位あるいは脚部2の側面とする。
【0039】
屈折させた板状弾性体532の存在により、基部21の片側が作業板の裏面11から浮き上がって設置され、挟持部3が作業板1を垂直に貫く中心軸方向に傾いて構成される。設置に当たっては案内部6をターンテーブル41の角にあてがい、作業板1をターンテーブル41に向かって押し込むと、屈折させた板状弾性体532が弾性を発揮して角度を狭め、ターンテーブル41の角が案内部6の表面を滑動し、脚部2が中心軸から離れるように押し拡げられる。狭持部3(狭持面30)がターンテーブル41の側面411に位置してターンテーブルの側面411を狭持する。
【0040】
図Bは屈折させた板状弾性体532の斜視図である。屈折させた板状弾性体532はV字型に折り曲げられた板状弾性体であって作業板1の裏面11と基部21の間に配され、固定用孔533を通したネジ23で固定される。作業板1をターンテーブル41に設置すると、屈折させた板状弾性体532によって浮き上がっていた基部21の片側が作業板1の裏面11方向に押しつけられる。屈折させた板状弾性体532は形状を復元しようとして基部21と作業板1の裏面11を離すそうとする。結果としてターンテーブル41の側面411を狭持部3(狭持面30)が加圧し、芯出しをする。板状弾性体532を細い棒状弾性体534に置き換えても同様の効果を発揮する。
【0041】
図10の図Aは実施例8に於ける作業板1をターンテーブル41に設置する状況を示した断面図である。図9の図Aに於ける弾性体であるV字型に折り曲げられた屈折させた板状弾性体532を柔軟弾性体B551に置きかえたものである。
【0042】
図Bは基部21に柔軟弾性体B551を取り付けた脚材の斜視図である。屈折させた板状弾性体532を柔軟弾性体B551に置きかえても効果に大きな違いはないが、柔軟弾性体B59は楔形等に成形することなく直方体のままで良く、組み立て時に作業板1の内側に当たる部位のネジを強く締め付けるだけで、脚部2を作業板1の中心軸方向に傾いた状態にすることが出来ると共に、挟持部3にターンテーブル41の側面411を加圧する力も与えることが出来る。弾性体はゴムや合成樹脂等による柔軟弾性体B551であるため、腐食する心配もなくなる。また、直接、ターンテーブル41を摺擦することがないため、摩耗や変形による劣化を防ぐこともできる。
【0043】
図11の図Aは実施例9の断面図である。裏面に複数個の脚部2を設けた作業板1であって、ターンテーブル41に作業板1を乗せると、前記脚部2と脚部2の間にターンテーブル41が収まる構成であり、脚部2の側面に挟持部3が可動的に配され、ターンテーブル41に作業板1を載せると狭持部3の係止爪35がターンテーブル41に係って他の狭持部3(狭持面30)と共にターンテーブルの側面11を挟持する。
【0044】
前記挟持部3に係止爪35と、への字型の遊嵌孔36を設け、前記脚部2に支持腕25を設けて遊嵌孔36に遊嵌させることにより、係止爪35がターンテーブル41の角に係止した状態で作業板1をターンテーブル41に向かって押し込むと支持腕25が遊嵌孔36に沿って滑動し、狭持部3(狭持面30)をターンテーブルの側面411に向かって加圧する。このことにより、作業板の芯出し作業が自動的になされ、かつ、作業板1のターンテーブルへの固定が同時になされる。
【0045】
図Bは前記遊嵌孔36と支持腕25の関係を示す遊嵌孔36周辺の拡大図である。作業板1を下方向に押し込むと遊嵌孔36に沿って支持腕25が下に向かって滑動し、挟持部3をターンテーブル41に押しつけて固定と芯出しをする。支持湾24がへの字型の遊嵌孔36における山の部分を乗り越えると、柔軟弾性体C552の反発力によって狭持部3全体が押し返され、支持腕25がへの字型の遊嵌孔36の最下端で止まり、安定する。
【0046】
本実施例では遊嵌孔36を設けてあるが、必ずしも遊嵌孔36は必要でなく、狭持部3の上下幅に於ける中点よりもわずか下に穴をあけ、当該孔に支持腕25を嵌合させても設置に伴う芯だし効果が得られる。しかし、本実施例のようにへの字型の遊嵌孔を有するもの方が狭持部3をターンテーブル側面411から離すことができて位置合わせがしやすくなり、ターンテーブル側面411を締め付ける力も強くなる。る。
【0047】
図12の図Aは実施例10における作業板1の裏面11を示す斜視図であり、図Bは実施例11における作業板1の裏面11を示す斜視図である。脚部2及び狭持部3に囲まれた裏面11に実施例10では板状の滑動防止部111を、実施例11では点状の滑動防止部112をそれぞれ設けた例である。前記滑動防止部は作業板の裏面11にのり付けや鋲止めによる他、作業板の裏面11に穴をあけ一部を突出させて埋設するなどの方法で固定する。
【0048】
図13は実施例10に於ける作業板1の使用の状態を示す断面図であり、前記作業板裏面11に板状の滑動防止部111を形成し、ターンテーブル41上に設置し、作業板上には成型用の粘土7を載せた状態を示す断面図である。粘土7の重量が作業板を下方向に向かって押しつけ、作業板裏面11の板状滑動防止部111がターンテーブル41の表面に圧着し、作業板1がターンテーブル41の表面を滑動することを防ぐ。
【0049】
いわゆる亀板と称される陶芸轆轤用作業板は粘土の粘着力によってターンテーブル41の表面に張り付けられて固定されて使用されることが一般的であるが、粘土が作業板を固定する力は弱く、作業板に打ち付けられた桟あるいは作業板の裏面を粘土で汚すことにもなり、場合によっては粘土が張りついてしまって剥がすことが面倒な場合も生じる。
【0050】
本願発明では狭持部3(狭持面30)によってターンテーブル41の側面411を加圧しているため、芯出しの効果と同時に滑動防止効果も生じる。しかし、狭持部3の主な目的は芯だし効果を得ることにあり、制作する作品の大きさや粘土の性質および制作者の技量等にも左右されるが、作業板1を固定する滑動防止効果は十分とは言い難い。柔軟弾性体等によって板状の滑動防止部111あるいは点状の滑動防止部112を設けることで、作業板1がターンテーブル41上で滑動することを防ぎ、安心して成形作業に当たることが出来るようになる。
【0051】
図14は実施例12における作業板1の設置の状態を示す斜視図であり、滑動防止材113を間に挟んでターンテーブル41上に作業板1を設置する様子を表した斜視図である。陶芸用轆轤4の上部に設けたターンテーブル41の上に滑動防止材113を置き、ターンテーブル41の側面411を狭持部3が挟むように作業板1を載せて設置する。滑動防止効果を得られる点では作業板1の裏面11に滑動防止部を設けたものと同様の効果が得られる。
【0052】
作業板1の裏面11に滑動防止部を設けたものと比べ、作業板1を裁置する作業の度に滑動防止材113がターンテーブル41の中央に載っているか注意する必要があり、使用に面倒さがある。しかし、作業板裏面11に滑動防止部111を張り付ける製造工程が省けると共に、滑動防止材113は作業板1の複数枚に対し一枚の割で用意すればよく、コストを削減出来る。滑動防止材113はその形状が円形の板状であることが望ましいが、紐状体の端部と端部を結合して円状にしたものや粒状の小さな塊が多数連結させたものなどでも同様の効果を生じる。また板状体であっても凹凸を設けたもの、孔を有するものも同様である。
【0053】
【発明の効果】
本発明は陶芸用轆轤のターンテーブル上に裁置して使用され、裏面に脚部を設け、当該脚部と脚部の間にターンテーブルが収まる構成の陶芸轆轤用作業板であり、当該脚部に狭持部を設け、挟持部の内の少なくとも一つが加圧手段を有し、当該加圧手段がターンテーブルの側面を加圧することにより芯出しを可能にした陶芸轆轤用作業板であるため次の効果を奏する。
【0054】
挟持部がターンテーブルの側面を加圧する加圧手段を有するため、確実な芯出し効果を有する陶芸轆轤用作業板を製造できる。
【0055】
前記作業板の裏面か挟持部か脚部かに案内部が設けてあり、前記ターンテーブル上に大まかに見当をつけて作業板を置くと、作業板の中心軸と前記ターンテーブルの中心軸とを合わせるように作業板を誘導する構成である陶芸轆轤用作業板であるため次の効果を奏する。
【0056】
構成が単純であり、ターンテーブル上に無造作に作業板を置いても、作業板の中心軸と前記ターンテーブルの中心軸との位置合わせが容易に行える陶芸轆轤用作業板を製造できる。
【0057】
前記加圧手段が、弾性を有する脚部、あるいは脚部に設けた弾性体の復元力である陶芸轆轤用作業板であるため次の効果を奏する。
【0058】
単純な形状の部材で構成でき、芯出し効果のある陶芸轆轤用作業板が低コストで製造でき、簡単な操作で確実な芯出しを可能にする。
【0059】
裏面に複数個の脚部を設けた作業板であって、ターンテーブルに作業板を乗せると、前記脚部と脚部の間にターンテーブルが収まる構成であり、脚部側面に挟持部が可動的に設けられており、前記挟持部に係止爪と弾性体が設けてあり、ターンテーブルに作業板を乗せると当該係止爪がターンテーブルに係り、作業板を下方向に押し込むと当該弾性体が変形して挟持部がターンテーブル側面を狭持し、弾性体の復元力がターンテーブル側面を加圧して固定と芯出しをする陶芸轆轤用作業板であるため次の効果を奏する。
【0060】
作業板の狭持部が自動的にターンテーブル側面を狭持し、作業板の芯出し作業を自動的行い、かつ、作業板1のターンテーブルへの固定が同時になされる。ターンテーブルを中心軸方向へ加圧する力が強いため、芯だし効果も確実であり、制作中における作業板の滑動も防ぐことが出来る。
【0061】
前記作業板の裏面にゴムや合成樹脂等の柔軟材による板状体もしくは複数個の突起物を設けて滑動防止部とし、滑動防止効果を持たせた陶芸轆轤用作業板であるため次の効果を奏する。
【0062】
粘土の重量が作業板を下方向に向かって押しつけ、作業板裏面の滑動防止部がターンテーブルの表面に圧着し、作業板がターンテーブルの表面を滑動することを防ぐことができる。
【0063】
前記作業板にゴムや合成樹脂等の柔軟材による滑動防止材を配し、前記作業板の裏面と前記ターンテーブルの間に滑動防止材を挟めるようにした陶芸轆轤用作業板であるため次の効果を奏する。
【0064】
作業板のターンテーブル上に於ける滑動防止効果が低コストで得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に於ける陶芸轆轤用作業板裏面の斜視図である。
【図2】実施例1における脚部2および狭持部3の拡大図である。
【図3】図Aは実施例2に於ける脚材の断面図である。
図Bは実施例2に於ける作業板の設置状況を示した断面図である。
【図4】図Aは実施例2に於ける脚材のを棒状弾性体にしたる脚材の斜視図である。
図Bは脚材に棒状弾性体を使用した上記作業板の設置状況を示した断面図である。
【図5】実施例3に於ける脚材の断面図である。
【図6】実施例4に於ける脚材の断面図である。
【図7】実施例5に於ける脚材の断面図である。
【図8】実施例6に於ける脚材の断面図である。
【図9】図Aは実施例7の設置状況を示した断面図である。
図Bは実施例7に於ける屈折させた板状弾性体の斜視図である。
【図10】図Aは実施例8の設置状況を示した断面図である。
図Bは実施例8に於ける脚材の斜視図である。
【図11】図Aは実施例9の断面図である。
図Bは図Aに於ける遊嵌孔周辺の拡大図である。
【図12】図Aは実施例10における作業板の裏面を示す斜視図である。
図Bは実施例11における作業板の裏面を示す斜視図である。
【図13】実施例10における作業板使用の状態を示す断面図である。
【図14】実施例12における作業板1の設置の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 作業板
11 作業板の裏面
12 嵌合部
111 板状の滑動防止部
112 点状の滑動防止部
113 滑動防止材
2 脚部
21 基部
22 孔
23 ネジ
24 ねじ部
25 支持腕
3 狭持部
30 狭持面
31 狭持部A
32 狭持部B
33 挟持部C
34 硬質板材
35 係止爪
36 遊嵌孔
4 陶芸用轆轤
41 ターンテーブル
411 ターンテーブルの側面
5 加圧手段
50 加圧棒
51 つまみ部
52 ねじ部
53 板状弾性体
531 波状弾性体
532 屈折させた板状弾性体
533 固定用孔
534 棒状弾性体
54 弾性補助部
55 柔軟弾性体
551 柔軟弾性体B
552 柔軟弾性体C
56 回転体
561 回転軸
6 案内部
7 粘土
【発明が属する技術分野】
本発明は陶芸用轆轤に載せて使用し、自動的に芯出しができて、ターンテーブル上での滑動を防止できる陶芸轆轤用作業板に関する物である。
【0002】
【従来の技術】
従来、作陶活動に於ける轆轤を使った成形作業において、大型作品を成形した場合や成形途中の作品は、粘土が軟弱であるため轆轤のターンテーブル上から作品を移動することが困難であることから、亀板と呼ばれる作業板をターンテーブルの載せてその上に作品を形成し、亀板とともに作品を移動することにより大型作品の成形直後の作品や成形途中の移動を容易にしてきた。亀板は角を落として多角形とした板の裏面に桟を打ち付けた物であり、これを粘土の粘着性により轆轤の回転体であるターンテーブル上に張り付けて成形に使用されてきた。
【0003】
陶芸に於ける大型の作品の成形では、粘土の自重により変形や亀裂が生じやすく一気に成形できないことから、成形途中の作品を載せた亀板を一旦轆轤から外し、幾分乾燥が進んだ時点で亀板を再度轆轤に乗せ、作品に粘土を継ぎ足して成形を進める必要が生じる。この際、先に成形してある成形途中の作品を、ターンテーブルの中心軸と作品の中心軸とを合わせて、ターンテーブル上に据え付ける必要が生じる。一旦取り外した亀板を、中心軸を合わせて据え付けるには熟練が必要であり、初心者には大変面倒な、あるいは実施困難な作業であった。
【0004】
【特許文献1】実開昭51−3659
実開昭51−3659に示された考案は「ろくろの回転盤Bに外接する枠Aを、平板1の裏面に設置してなる粘土工作台」であり、具体的には「木材からなる正八角形の平板の裏面に、木材からなる4本の角棒を設置し、該角棒の内面でもって未完結の枠が、回転板に外接するように形成する。この考案の工作台をろくろの回転盤にかぶせるように設置すれば、工作台の上面は、枠とろくろの回転盤との摩擦により平板は轆轤と同時に回転する」というものである。
【0005】
上記考案の製造に当たっては高度な技術を要さないものの、轆轤の回転盤(ターンテーブル)を枠が強く圧迫するほど密着するように製造することは困難である。そのように製造し得たとしても、使用と共に摩耗等により接触面にゆるみが生じ、長期間に亘って繰り返し使用することは困難である。
【0006】
この課題を解決するものとして、上記考案の4本の角棒あるいはこれに代わる金具等にゴム等の弾性体を貼り付けて狭持部を形成することが考えられるが、この場合、複数の狭持部で前記ターンテーブルを挟み込み、ターンテーブルの裁置面に対してほぼ直角の狭持部をターンテーブルの側面を摺動しながら下に押し込むことが必要となる。
【0007】
上記の方法によれば、位置合わせが面倒であることや、設置時に前記狭持部に張り付けた弾性体の角がターンテーブルの角に当たり、使用の継続と共に弾性体がすり切れることや、ターンテーブル側面をゴム等の弾性体の表面で摺動しながら押し込むことが可能な程度の圧力では芯出しに狂いが生じやすい。無造作に作業板をターンテーブルに乗せても位置合わせが確実に出来て、長期間使用しても容易に痛まない陶芸轆轤用作業板が望まれる。
【0008】
この他、陶芸轆轤用作業板としては、複数の穴を開けた平板を轆轤のターンテーブル上に張り付けておき、作業板裏面の、上記平板の穴に対応する位置に突起物形成し、上記穴と上記突起物を嵌合させて作業板を裁置することにより、作業板とターンテーブルの位置関係を保ち、芯出しを行うものが市販されている。この作業板は芯出しが確実にできる点で優れているものの、作業板の他に取り付け盤が必要であり、据え付けにしない限り不便である。日々、様々な作業内容で、変化のある作陶活動をする場合には、作業板とは別の取り付け盤を設置する方法では作業が極めて面倒である。また、経済的とも言い難い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
無造作に作業板をターンテーブルに載せても自動的に芯出しが出来て、長期間使用しても容易に痛むことがなく、安価に製造できて使い勝手のよい陶芸轆轤用作業板を提供すること。
【0010】
【課題を解決するための手段】
陶芸用轆轤のターンテーブル上に裁置して使用され、裏面に脚部を設け、当該脚部と脚部の間にターンテーブルが収まる構成の陶芸轆轤用作業板であり、当該脚部に狭持部を設け、挟持部の内の少なくとも一つが加圧手段を有し、当該加圧手段がターンテーブルの側面を加圧することにより芯出しを可能にした陶芸轆轤用作業板を供する。
【0011】
前記作業板の裏面か挟持部か脚部かに案内部が設けてあり、前記ターンテーブル上に大まかに見当をつけて作業板を置くと、作業板の中心軸と前記ターンテーブルの中心軸とを合わせるように作業板を誘導する構成である陶芸轆轤用作業板を供する。
【0012】
前記加圧手段が、弾性を有する脚部、あるいは脚部に設けた弾性体の復元力である陶芸轆轤用作業板を供する。
【0013】
裏面に、硬質の板材を屈折させて基部と脚部と案内部によって構成された脚材を複数個配した陶芸轆轤用作業板であって、前記作業板の裏面と前記基部の間に弾性体を挟設することによって前記作業板を轆轤へ設置したときに脚部の下方端部がターンテーブルの中心軸方向に近寄るように傾かせてあり、前記案内部先端が前記ターンテーブルの中心軸から遠ざかる様に外側に開き、加圧手段を前記弾性体の復元力とし、狭持部を前記脚部の下方端部先端と案内部が交接した部位あるいは脚部側面とする陶芸轆轤用作業板を供する。
【0014】
裏面に複数個の脚部を設けた作業板であって、ターンテーブルに作業板を乗せると、前記脚部と脚部の間にターンテーブルが収まる構成であり、脚部側面に挟持部が可動的に設けられており、前記挟持部に係止爪と弾性体が設けてあり、ターンテーブルに作業板を乗せると当該係止爪がターンテーブルに係り、作業板を下方向に押し込むと当該弾性体が変形して挟持部がターンテーブル側面を狭持し、弾性体の復元力がターンテーブル側面を加圧して固定と芯出しをする陶芸轆轤用作業板を供する。
【0015】
前記作業板の裏面にゴムや合成樹脂等の柔軟材による板状体もしくは複数個の突起物を設けて滑動防止部とし、滑動防止効果を持たせた陶芸轆轤用作業板を供する。
【0016】
前記作業板にゴムや合成樹脂等の柔軟材による滑動防止材を配し、前記作業板の裏面と前記ターンテーブルの間に滑動防止材を挟めるようにした陶芸轆轤用作業板を供する。
【0017】
更に、前記ターンテーブル側面に対する加圧手段が、弾性を有する脚部、あるいは脚部に設けた弾性体の復元力である手段の、具体的手段を述べれば次の通りである。
裏面に、硬質の板材を屈折させて基部と脚部と案内部によって構成された脚材を複数個配した陶芸轆轤用作業板であって、前記脚部の下方端部が作業板を轆轤へ設置したときにターンテーブルの中心軸方向に近寄るように傾かせてあり、前記案内部先端が前記ターンテーブルの中心軸から遠ざかる様に外側に開き、加圧手段を前記弾性体の復元力とし、狭持部を前記脚部の下方端部先端と案内部が交接した部位あるいは脚部側面とする陶芸轆轤用作業板を供する。
【0018】
裏面に設けた脚部側面に、弾性体を当該脚部から浮かした状態で、ターンテーブルの中心軸方向に傾いた状態で設けることにより、前記弾性体がその復元力によって前記ターンテーブル側面に圧着することを加圧手段とし、当該弾性体の下部が前記ターンテーブルから遠ざかるように屈折して案内部を形成する陶芸轆轤用作業板を供する。
【0019】
裏面に設けた脚部側面に波状弾性体を設けることで、当該弾性体を介して前記脚部によってターンテーブルを挟み込んで作業板を轆轤へ設置し、当該弾性体の復元力によって轆轤のターンテーブル側面に圧着することを加圧手段とし、当該弾性体の下部が前記ターンテーブルから遠ざかるように屈折して案内部を形成する陶芸轆轤用作業板を供する。
【0020】
裏面に設けた脚部側面に柔軟弾性体を設け、当該弾性体の外側を硬質板材で覆い、当該弾性体を介して前記脚部によってターンテーブルを挟み込んで作業板を轆轤へ設置し、当該弾性体の復元力によって当該硬質板材が轆轤のターンテーブル側面に圧着することを加圧手段とし、当該硬質板材の下部が当該ターンテーブルから遠ざかるように屈折して案内部を形成する陶芸轆轤用作業板を供する。
【0021】
裏面に設けた脚部側面に円盤状、円柱状あるいは球状の回転体を設け、作業板を轆轤へ設置したときに当該円盤状、円柱状あるいは球状の回転体が弾力を有することで轆轤のターンテーブル側面に圧着することを加圧手段とし、前記脚部の側面下部が前記ターンテーブルから遠ざかるように屈折して案内部を形成する陶芸轆轤用作業板を供する。
【0022】
更に、前記作業板の裏面と基部の間に弾性体を挟設することによって作業板を轆轤へ設置したときに脚部の下方端部がターンテーブルの中心軸方向に近寄るように傾かせる手段の具体的手段を述べれば次の通りである。
上記作業板の裏面と前記基部の間に挟設された弾性体をゴムあるいは合成樹脂等の柔軟弾性体とする陶芸轆轤用作業板を供する。
【0023】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図を用いて説明する。
図1は実施例1に於ける陶芸轆轤用作業板裏面の斜視図であり、陶芸轆轤のターンテーブルに裁置した状態を示す。本図に於いては加圧手段を省略し、2図で表している。作業板1の裏面11に、脚部2を複数個設け、当該脚部2の側面を狭持部3とする。陶芸用轆轤4のターンテーブル41の側面411を前記狭持部A31と他の狭持部B32及び挟持部C33によって挟む。前記狭持部3の内の少なくとも一つに加圧手段5を持たせ、ターンテーブル41の側面411を中心軸方向に加圧して芯出しをする。つまり、ターンテーブル41の中心軸と作業板1の中心軸を一致させる。
【0024】
この際、ターンテーブル41と作業板1の中心点が完全に一致することが望ましいが、前記両者の位置関係が一定であれば、作業板1の中心点がターンテーブル41の中心点から僅かにずれることは実用上問題とならない。前記両者の位置関係が一定であれば、作業板1上に形成された作品の芯(中心軸)はターンテーブル41の中心軸と一致する。本図では脚部の数が3である例を取り上げているが、別の平らな板等への接地点の平面性を得るためには、脚部の数が3であるとき一番安定しており、5程度以内に構成するのが実用的である。脚部の数が1か2である場合には轆轤のターンテーブル外周に合わせた横に幅広の形状にする必要がある。
【0025】
図2は実施例1における脚部2および狭持部3の拡大図である。脚部2は基部21の孔22に通したネジ23で作業板1の裏面11に固定される。作業板1が合成樹脂等によって一体成形される場合には前記基部21及び孔22やネジ23を必要としない。狭持部3は脚部2のターンテーブル41側に位置する側面に、加圧手段5である加圧棒50を介して取り付けられる。加圧棒50は脚部2に刻まれたねじ部24と嵌合するねじ部52を有するネジ構造体であり、つまみ部51を摘んで回すことにより、前進、後退ができ、先端に狭持部3が可動的に取り付けられている。
【0026】
図1のごとく作業板1の裏面11に脚部2および狭持部3を配し、狭持面30でターンテーブルの側面411を狭持し、つまみ部51をひねる様に回すことで加圧棒50をターンテーブル側面411に向かって前進させ、狭持部3を押し出して加圧し、作業板1の芯だしをする。挟持部3の下端に案内部6が設けてあり、前記ターンテーブル41上に大まかに見当をつけて作業板1を裁置すると、作業板1の中心軸と前記ターンテーブル41の中心軸とを合わせるように作業板1を誘導する。加圧棒50を設けた脚部2が一つである場合には他の加圧棒を持たない脚部下端に案内部6を設ける。
【0027】
図3の図Aは実施例2に於ける基部21と、狭持部3(狭持面30)を兼ねた脚部2と、案内部6からなる脚材の断面図である。当該脚材は全体が硬質弾性体で成形されている。基部21には孔22があけられ、固定手段であるネジ23によって作業板1の裏面11に固定される。作業板1が脚部2を含んだ合成樹脂等による一体成形である場合には孔22やネジ23を必要としない。また、弾性体が細い棒状体であることや作業板への取り付け方法が作業板に設けた掛着部による掛着等であることも可能である。
【0028】
基部21と脚部2が交接して内角αが90度よりも若干大である角度を有し、前記脚部2の下方端部が作業板1を轆轤4へ設置したときにターンテーブル41の中心軸方向に近寄るように傾かせてあり、前記脚部2の下方端部先端と案内部6が交接し、前記案内部6の先端が前記ターンテーブル41の中心軸から遠ざかる様に外側に開き、加圧手段5を脚部2を構成する弾性体の復元力とし、狭持部3(狭持面30)を前記脚部2の下方端部先端と案内部6が交接した部位あるいは脚部2の側面とする。
【0029】
図3の図Bは実施例2に於いて、作業板1をターンテーブル41に設置する状況を示した断面図である。ターンテーブル41上に作業板1を載せる際に案内部6が作業板1を誘導するため、大まかに見当をつけて置くだけで作業板1をターンテーブル41上の適切な位置に設置できる。案内部6をターンテーブル41の角にあてがい作業板1をターンテーブル41に向かって押し込むと脚部2はターンテーブル41の中心軸から遠ざかるように押し広げられて、狭持部3(狭持面30)がターンテーブル41の側面411を挟み込み、狭持する。部材が単純な形状であるため低コストで陶芸轆轤用作業板が製造でき、簡単な操作で確実な芯出しを可能にする。
【0030】
図4の図Aは実施例2に於ける脚材のを棒状弾性体にした脚材の斜視図であり、図Bは脚材に棒状弾性体を使用した上記作業板の設置状況を示した断面図である。脚部を棒状弾性体534に置き換えても効果に変わりはない。本図では棒状弾性体534を作業板1の裏面11に設けた嵌合部12に嵌合させて掛着させた構造であるため、脚材と板材との分離が可能であることから小さく梱包できり、収納運搬に有利である。
【0031】
図5は実施例3に於ける脚材の断面図である。当該脚材は、基部21と脚部2が交接した内角がほぼ90度であり、作業板1の中心方向である前記脚部の作業板中心軸方向側面に板状弾性体53を、当該脚部2から浮かした状態で、ターンテーブル41の中心軸方向に傾けて設けることで、前記板状弾性体53がその復元力によって前記ターンテーブル側面411に圧着することを加圧手段5とし、当該板状弾性体53の下部が前記ターンテーブルから遠ざかるように屈折して案内部6を形成する。
【0032】
前記脚部2の側面を挟持部3とする。案内部6の先端を更に屈折させて弾性補助部54を形成してその先端を脚部2に隣接させ、当該先端が脚部側面を滑動可能にすることで狭持部3(狭持面30)がターンテーブル側面411を加圧する弾力を補強するものとすることが可能である。案内部6にターンテーブル41の角をあてがい、作業板1を押し込むことによって前記板状弾性体53の復元力が加圧手段として機能し、自動的に芯だしをする。前記板状弾性体53は細い棒状弾性体534と置き換えることが可能であり、効果に変わりはない。部材が単純な形状であるため低コストで陶芸轆轤用作業板が製造でき、簡単な操作で確実な芯出しを可能にする。
【0033】
図6は実施例4に於ける脚材の断面図である。本実施例は実施例3に於ける板状弾性体53を波状弾性体531に置き換えたものである。板状弾性体53を波状弾性体531に置き換えても、機能に大きな違いは生じないが、ターンテーブルの側面への加圧点が増え、均一な力がターンテーブルの側面に加わる。また、設置に伴い変形される部位の数が多くなることから、使用する素材が板状弾性体53と同一であれば加圧する力が強くなり、ターンテーブルへ作業板を固定する力も強い。また、波状弾性体が細い棒状弾性体534と置き換えることが可能であり、同様の効果を発揮する。
【0034】
図7は実施例5に於ける脚材の断面図である。基部21と脚部2が交接した内角αがほぼ90度であり、作業板1の中心部方向である前記脚部2の内側に柔軟弾性体55を配し外側を硬質板材34で覆い、作業板1を轆轤4へ設置したときに前記柔軟弾性体55の復元力によって当該硬質板材34が轆轤4のターンテーブル側面411に圧着することで加圧手段5とし、当該硬質板材34の下部が前記ターンテーブルから遠ざかるように屈折して開き、案内部6を形成する。加圧手段5がゴムや合成樹脂等の柔軟弾性体55の復元力であるため、腐食等の恐れがない。当該柔軟弾性体55は硬質板材34及び案内部6に守られ、ターンテーブル41の角及びターンテーブル側面411との摺擦によって摩耗、変形することなく長期間の使用に耐えることができる。
【0035】
図8は実施例6に於ける脚材の断面図である。脚材が基部21と脚部2が交接した内角αがほぼ90度であり、作業板1の中心軸方向である前記脚部2の内側に円盤状、円柱状あるいは球状の回転体56を配し、作業板1を轆轤4へ設置したときに当該円盤状、円柱状あるいは球状の回転体56が弾力を有することで轆轤4のターンテーブル側面411に圧着することで加圧手段5とし、前記脚部2の下部が前記ターンテーブル41から遠ざかるように屈折して案内部を形成する。
【0036】
回転体56の弾力は、当該回転体56の製造に使用する素材固有の弾力であるか、当該回転体56の構造から生じる弾力であるか、又は回転軸561の有する弾力である等の区別を有することなく、前記弾力が複合して生じる力を含め回転体56が前記ターンテーブル側面411を加圧する力そのものを指すものとする。当該回転体56は加圧手段5であると同時に狭持部3(狭持面30)である。
【0037】
加圧手段5を、前記狭持部に配した円盤状、円柱状あるいは球状の回転体の有する弾力とした場合には前記脚部間にターンテーブルを押し込む際の抵抗を減らし、容易に設置可能とすることができる。ターンテーブルの側面を回転体56が回転して移動するため、ターンテーブルへの作業板の取り付けがスムースに行われる。つまり、ターンテーブルの側面を硬質の板材等が摺擦しながら狭持部を押し込むということが無いため、ターンテーブルを傷つけることがない。
【0038】
図9の図Aは実施例7に於ける作業板1をターンテーブル41に設置する状況を示した断面図である。硬質の板材を屈折させて基部21と脚部2と案内部6を構成した脚材であり、前記作業板1の裏面11と前記基部21の間に弾性体、ここでは屈折させた板状弾性体532を挟むことによって前記作業板1を轆轤4へ設置したときに脚部2の下方端部がターンテーブル41の中心軸方向に近寄るように傾かせてあり、前記脚部2の下方端部先端と案内部6が交接し、前記案内部6の先端が前記ターンテーブル41の中心軸から遠ざかる様に外側に開き、加圧手段5を屈折させた板状弾性体532の復元力とし、狭持部3(狭持面30)を前記脚部2の下方端部先端と案内部6が交接した部位あるいは脚部2の側面とする。
【0039】
屈折させた板状弾性体532の存在により、基部21の片側が作業板の裏面11から浮き上がって設置され、挟持部3が作業板1を垂直に貫く中心軸方向に傾いて構成される。設置に当たっては案内部6をターンテーブル41の角にあてがい、作業板1をターンテーブル41に向かって押し込むと、屈折させた板状弾性体532が弾性を発揮して角度を狭め、ターンテーブル41の角が案内部6の表面を滑動し、脚部2が中心軸から離れるように押し拡げられる。狭持部3(狭持面30)がターンテーブル41の側面411に位置してターンテーブルの側面411を狭持する。
【0040】
図Bは屈折させた板状弾性体532の斜視図である。屈折させた板状弾性体532はV字型に折り曲げられた板状弾性体であって作業板1の裏面11と基部21の間に配され、固定用孔533を通したネジ23で固定される。作業板1をターンテーブル41に設置すると、屈折させた板状弾性体532によって浮き上がっていた基部21の片側が作業板1の裏面11方向に押しつけられる。屈折させた板状弾性体532は形状を復元しようとして基部21と作業板1の裏面11を離すそうとする。結果としてターンテーブル41の側面411を狭持部3(狭持面30)が加圧し、芯出しをする。板状弾性体532を細い棒状弾性体534に置き換えても同様の効果を発揮する。
【0041】
図10の図Aは実施例8に於ける作業板1をターンテーブル41に設置する状況を示した断面図である。図9の図Aに於ける弾性体であるV字型に折り曲げられた屈折させた板状弾性体532を柔軟弾性体B551に置きかえたものである。
【0042】
図Bは基部21に柔軟弾性体B551を取り付けた脚材の斜視図である。屈折させた板状弾性体532を柔軟弾性体B551に置きかえても効果に大きな違いはないが、柔軟弾性体B59は楔形等に成形することなく直方体のままで良く、組み立て時に作業板1の内側に当たる部位のネジを強く締め付けるだけで、脚部2を作業板1の中心軸方向に傾いた状態にすることが出来ると共に、挟持部3にターンテーブル41の側面411を加圧する力も与えることが出来る。弾性体はゴムや合成樹脂等による柔軟弾性体B551であるため、腐食する心配もなくなる。また、直接、ターンテーブル41を摺擦することがないため、摩耗や変形による劣化を防ぐこともできる。
【0043】
図11の図Aは実施例9の断面図である。裏面に複数個の脚部2を設けた作業板1であって、ターンテーブル41に作業板1を乗せると、前記脚部2と脚部2の間にターンテーブル41が収まる構成であり、脚部2の側面に挟持部3が可動的に配され、ターンテーブル41に作業板1を載せると狭持部3の係止爪35がターンテーブル41に係って他の狭持部3(狭持面30)と共にターンテーブルの側面11を挟持する。
【0044】
前記挟持部3に係止爪35と、への字型の遊嵌孔36を設け、前記脚部2に支持腕25を設けて遊嵌孔36に遊嵌させることにより、係止爪35がターンテーブル41の角に係止した状態で作業板1をターンテーブル41に向かって押し込むと支持腕25が遊嵌孔36に沿って滑動し、狭持部3(狭持面30)をターンテーブルの側面411に向かって加圧する。このことにより、作業板の芯出し作業が自動的になされ、かつ、作業板1のターンテーブルへの固定が同時になされる。
【0045】
図Bは前記遊嵌孔36と支持腕25の関係を示す遊嵌孔36周辺の拡大図である。作業板1を下方向に押し込むと遊嵌孔36に沿って支持腕25が下に向かって滑動し、挟持部3をターンテーブル41に押しつけて固定と芯出しをする。支持湾24がへの字型の遊嵌孔36における山の部分を乗り越えると、柔軟弾性体C552の反発力によって狭持部3全体が押し返され、支持腕25がへの字型の遊嵌孔36の最下端で止まり、安定する。
【0046】
本実施例では遊嵌孔36を設けてあるが、必ずしも遊嵌孔36は必要でなく、狭持部3の上下幅に於ける中点よりもわずか下に穴をあけ、当該孔に支持腕25を嵌合させても設置に伴う芯だし効果が得られる。しかし、本実施例のようにへの字型の遊嵌孔を有するもの方が狭持部3をターンテーブル側面411から離すことができて位置合わせがしやすくなり、ターンテーブル側面411を締め付ける力も強くなる。る。
【0047】
図12の図Aは実施例10における作業板1の裏面11を示す斜視図であり、図Bは実施例11における作業板1の裏面11を示す斜視図である。脚部2及び狭持部3に囲まれた裏面11に実施例10では板状の滑動防止部111を、実施例11では点状の滑動防止部112をそれぞれ設けた例である。前記滑動防止部は作業板の裏面11にのり付けや鋲止めによる他、作業板の裏面11に穴をあけ一部を突出させて埋設するなどの方法で固定する。
【0048】
図13は実施例10に於ける作業板1の使用の状態を示す断面図であり、前記作業板裏面11に板状の滑動防止部111を形成し、ターンテーブル41上に設置し、作業板上には成型用の粘土7を載せた状態を示す断面図である。粘土7の重量が作業板を下方向に向かって押しつけ、作業板裏面11の板状滑動防止部111がターンテーブル41の表面に圧着し、作業板1がターンテーブル41の表面を滑動することを防ぐ。
【0049】
いわゆる亀板と称される陶芸轆轤用作業板は粘土の粘着力によってターンテーブル41の表面に張り付けられて固定されて使用されることが一般的であるが、粘土が作業板を固定する力は弱く、作業板に打ち付けられた桟あるいは作業板の裏面を粘土で汚すことにもなり、場合によっては粘土が張りついてしまって剥がすことが面倒な場合も生じる。
【0050】
本願発明では狭持部3(狭持面30)によってターンテーブル41の側面411を加圧しているため、芯出しの効果と同時に滑動防止効果も生じる。しかし、狭持部3の主な目的は芯だし効果を得ることにあり、制作する作品の大きさや粘土の性質および制作者の技量等にも左右されるが、作業板1を固定する滑動防止効果は十分とは言い難い。柔軟弾性体等によって板状の滑動防止部111あるいは点状の滑動防止部112を設けることで、作業板1がターンテーブル41上で滑動することを防ぎ、安心して成形作業に当たることが出来るようになる。
【0051】
図14は実施例12における作業板1の設置の状態を示す斜視図であり、滑動防止材113を間に挟んでターンテーブル41上に作業板1を設置する様子を表した斜視図である。陶芸用轆轤4の上部に設けたターンテーブル41の上に滑動防止材113を置き、ターンテーブル41の側面411を狭持部3が挟むように作業板1を載せて設置する。滑動防止効果を得られる点では作業板1の裏面11に滑動防止部を設けたものと同様の効果が得られる。
【0052】
作業板1の裏面11に滑動防止部を設けたものと比べ、作業板1を裁置する作業の度に滑動防止材113がターンテーブル41の中央に載っているか注意する必要があり、使用に面倒さがある。しかし、作業板裏面11に滑動防止部111を張り付ける製造工程が省けると共に、滑動防止材113は作業板1の複数枚に対し一枚の割で用意すればよく、コストを削減出来る。滑動防止材113はその形状が円形の板状であることが望ましいが、紐状体の端部と端部を結合して円状にしたものや粒状の小さな塊が多数連結させたものなどでも同様の効果を生じる。また板状体であっても凹凸を設けたもの、孔を有するものも同様である。
【0053】
【発明の効果】
本発明は陶芸用轆轤のターンテーブル上に裁置して使用され、裏面に脚部を設け、当該脚部と脚部の間にターンテーブルが収まる構成の陶芸轆轤用作業板であり、当該脚部に狭持部を設け、挟持部の内の少なくとも一つが加圧手段を有し、当該加圧手段がターンテーブルの側面を加圧することにより芯出しを可能にした陶芸轆轤用作業板であるため次の効果を奏する。
【0054】
挟持部がターンテーブルの側面を加圧する加圧手段を有するため、確実な芯出し効果を有する陶芸轆轤用作業板を製造できる。
【0055】
前記作業板の裏面か挟持部か脚部かに案内部が設けてあり、前記ターンテーブル上に大まかに見当をつけて作業板を置くと、作業板の中心軸と前記ターンテーブルの中心軸とを合わせるように作業板を誘導する構成である陶芸轆轤用作業板であるため次の効果を奏する。
【0056】
構成が単純であり、ターンテーブル上に無造作に作業板を置いても、作業板の中心軸と前記ターンテーブルの中心軸との位置合わせが容易に行える陶芸轆轤用作業板を製造できる。
【0057】
前記加圧手段が、弾性を有する脚部、あるいは脚部に設けた弾性体の復元力である陶芸轆轤用作業板であるため次の効果を奏する。
【0058】
単純な形状の部材で構成でき、芯出し効果のある陶芸轆轤用作業板が低コストで製造でき、簡単な操作で確実な芯出しを可能にする。
【0059】
裏面に複数個の脚部を設けた作業板であって、ターンテーブルに作業板を乗せると、前記脚部と脚部の間にターンテーブルが収まる構成であり、脚部側面に挟持部が可動的に設けられており、前記挟持部に係止爪と弾性体が設けてあり、ターンテーブルに作業板を乗せると当該係止爪がターンテーブルに係り、作業板を下方向に押し込むと当該弾性体が変形して挟持部がターンテーブル側面を狭持し、弾性体の復元力がターンテーブル側面を加圧して固定と芯出しをする陶芸轆轤用作業板であるため次の効果を奏する。
【0060】
作業板の狭持部が自動的にターンテーブル側面を狭持し、作業板の芯出し作業を自動的行い、かつ、作業板1のターンテーブルへの固定が同時になされる。ターンテーブルを中心軸方向へ加圧する力が強いため、芯だし効果も確実であり、制作中における作業板の滑動も防ぐことが出来る。
【0061】
前記作業板の裏面にゴムや合成樹脂等の柔軟材による板状体もしくは複数個の突起物を設けて滑動防止部とし、滑動防止効果を持たせた陶芸轆轤用作業板であるため次の効果を奏する。
【0062】
粘土の重量が作業板を下方向に向かって押しつけ、作業板裏面の滑動防止部がターンテーブルの表面に圧着し、作業板がターンテーブルの表面を滑動することを防ぐことができる。
【0063】
前記作業板にゴムや合成樹脂等の柔軟材による滑動防止材を配し、前記作業板の裏面と前記ターンテーブルの間に滑動防止材を挟めるようにした陶芸轆轤用作業板であるため次の効果を奏する。
【0064】
作業板のターンテーブル上に於ける滑動防止効果が低コストで得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に於ける陶芸轆轤用作業板裏面の斜視図である。
【図2】実施例1における脚部2および狭持部3の拡大図である。
【図3】図Aは実施例2に於ける脚材の断面図である。
図Bは実施例2に於ける作業板の設置状況を示した断面図である。
【図4】図Aは実施例2に於ける脚材のを棒状弾性体にしたる脚材の斜視図である。
図Bは脚材に棒状弾性体を使用した上記作業板の設置状況を示した断面図である。
【図5】実施例3に於ける脚材の断面図である。
【図6】実施例4に於ける脚材の断面図である。
【図7】実施例5に於ける脚材の断面図である。
【図8】実施例6に於ける脚材の断面図である。
【図9】図Aは実施例7の設置状況を示した断面図である。
図Bは実施例7に於ける屈折させた板状弾性体の斜視図である。
【図10】図Aは実施例8の設置状況を示した断面図である。
図Bは実施例8に於ける脚材の斜視図である。
【図11】図Aは実施例9の断面図である。
図Bは図Aに於ける遊嵌孔周辺の拡大図である。
【図12】図Aは実施例10における作業板の裏面を示す斜視図である。
図Bは実施例11における作業板の裏面を示す斜視図である。
【図13】実施例10における作業板使用の状態を示す断面図である。
【図14】実施例12における作業板1の設置の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 作業板
11 作業板の裏面
12 嵌合部
111 板状の滑動防止部
112 点状の滑動防止部
113 滑動防止材
2 脚部
21 基部
22 孔
23 ネジ
24 ねじ部
25 支持腕
3 狭持部
30 狭持面
31 狭持部A
32 狭持部B
33 挟持部C
34 硬質板材
35 係止爪
36 遊嵌孔
4 陶芸用轆轤
41 ターンテーブル
411 ターンテーブルの側面
5 加圧手段
50 加圧棒
51 つまみ部
52 ねじ部
53 板状弾性体
531 波状弾性体
532 屈折させた板状弾性体
533 固定用孔
534 棒状弾性体
54 弾性補助部
55 柔軟弾性体
551 柔軟弾性体B
552 柔軟弾性体C
56 回転体
561 回転軸
6 案内部
7 粘土
Claims (7)
- 陶芸用轆轤のターンテーブル上に裁置して使用され、裏面に脚部を設け、当該脚部と脚部の間にターンテーブルが収まる構成の陶芸轆轤用作業板であり、当該脚部に狭持部を設け、挟持部の内の少なくとも一つが加圧手段を有し、当該加圧手段がターンテーブルの側面を加圧することにより芯出しを可能にした陶芸轆轤用作業板。
- 前記作業板の裏面か挟持部か脚部かに案内部が設けてあり、前記ターンテーブル上に大まかに見当をつけて作業板を置くと、作業板の中心軸と前記ターンテーブルの中心軸とを合わせるように作業板を誘導する構成である請求項1に記載した陶芸轆轤用作業板。
- 前記加圧手段が、弾性を有する脚部、あるいは脚部に設けた弾性体の復元力である請求項1と2のいずれかに記載した陶芸轆轤用作業板。
- 裏面に、硬質の板材を屈折させて基部と脚部と案内部によって構成された脚材を複数個配した陶芸轆轤用作業板であって、前記作業板の裏面と前記基部の間に弾性体を挟設することによって前記作業板を轆轤へ設置したときに脚部の下方端部がターンテーブルの中心軸方向に近寄るように傾かせてあり、前記案内部先端が前記ターンテーブルの中心軸から遠ざかる様に外側に開き、加圧手段を前記弾性体の復元力とし、狭持部を前記脚部の下方端部先端と案内部が交接した部位あるいは脚部側面とする、請求項1に記載した陶芸轆轤用作業板。
- 裏面に複数個の脚部を設けた作業板であって、ターンテーブルに作業板を乗せると、前記脚部と脚部の間にターンテーブルが収まる構成であり、脚部側面に挟持部が可動的に設けられており、前記挟持部に係止爪と弾性体が設けてあり、ターンテーブルに作業板を乗せると当該係止爪がターンテーブルに係り、作業板を下方向に押し込むと当該弾性体が変形して挟持部がターンテーブル側面を狭持し、弾性体の復元力がターンテーブル側面を加圧して固定と芯出しをする請求項1に記載した陶芸轆轤用作業板。
- 前記作業板の裏面にゴムや合成樹脂等の柔軟材による板状体もしくは複数個の突起物を設けて滑動防止部とし、滑動防止効果を持たせた請求項1と2と3と4および5のいずれかに記載した陶芸轆轤用作業板。
- 前記作業板にゴムや合成樹脂等の柔軟材による滑動防止材を配し、前記作業板の裏面と前記ターンテーブルの間に滑動防止材を挟めるようにした請求項1と2と3と4および5のいずれかに記載した陶芸轆轤用作業板。
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