JP2004209891A - 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法及び係る形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体とその用途 - Google Patents

形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法及び係る形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体とその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】ポリブチレンテレフタレートフィルム1と、紙シート、他の熱可塑性樹脂フィルム及び金属箔からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むフィルム状成形体13とを接着し、得られた積層体のポリブチレンテレフタレート面を接触面として冷間加工用ロール26に摺接させながらポリブチレンテレフタレートフィルム1のガラス転移温度以下の温度処理し、もって冷間加工用ロールの外形に沿って冷間加工を施すことによりカール形状を示すカール性積層体11を作製し、得られたカール性積層体11を、二つのニップロール27,27’’間で平坦に保持しながら加熱空気と接触させることによりガラス転移温度を超える温度で急速に焼きなまし、焼きなましにより見かけ上平坦にしたカール性積層体11を、冷却ロール28と接触させることによりガラス転移温度以下の温度まで急冷する方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、形状記憶ポリブチレンテレフタレート積層体の製造方法及び係る形状記憶ポリブチレンテレフタレート積層体とその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、機械的強度、耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性、電気的性質等に優れるために、従来よりエンジニアリング用プラスチックとして注目され、自動車部品、電気・電子部品等の射出成形分野を中心にその応用が進められてきた。特にポリブチレンテレフタレートからなるフィルムはガスバリア性や保香性に優れるので、ポリブチレンテレフタレートフィルム又はそれを含む積層体に形状記憶性を付与することができれば、包装材等の用途に非常に有用である。
【0003】
これに対して、例えば特許文献1はポリブチレンテレフタレートと脂肪族ポリラクトンとのブロック共重合体からなる形状記憶性樹脂を記載している。特許文献2は、結晶融解エントロピーが3cal/g 以下となるように第3成分を共重合したポリエチレンテレフタレートからなる形状記憶性共重合ポリエステル成形体を記載している。特許文献3は、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレングリコールとのブロック共重合体からなる形状記憶性樹脂を記載している。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−123129号公報
【特許文献2】
特開平2−269735号公報
【特許文献3】
特開平2−240135号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし特許文献1〜3に記載の形状記憶能を有する樹脂は、いずれもポリブチレンテレフタレート単独からなる樹脂ではなく、融点が低いために耐熱性に問題があった。
【0006】
従って、本発明の目的は、優れた形状記憶性と耐熱性を有するポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法及び係る形状記憶ポリブチレンテレフタレート積層体とその用途を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、ポリブチレンテレフタレートフィルムを、そのガラス転移温度以下の温度Tでカール形状に冷間加工後、平坦に保持しながら前記ガラス転移温度を超える温度Tで急速に焼きなまし、次いで前記ガラス転移温度以下の温度Tまで急冷すると、得られるフィルムは見かけ上ほぼ平坦となるが、T以上の温度にするとカール形状を回復することを発見した。本発明はかかる発明に基づき完成したものである。
【0008】
すなわち、本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法は、(a) ポリブチレンテレフタレートフィルムと、(b) 紙シート、他の熱可塑性樹脂フィルム及び金属箔からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むフィルム状成形体とを有する形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法であって、(1) 前記ポリブチレンテレフタレートフィルムと前記フィルム状成形体とを接着し、得られた積層体のポリブチレンテレフタレートフィルム面を接触面として冷間加工用ロールに摺接させながら前記ポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度以下の温度Tで処理し、もって前記冷間加工用ロールの外形に沿って冷間加工を施すことによりカール形状を示すカール性積層体を作製し、(2) 得られたカール性積層体を、二つのニップロール間で平坦に保持しながら加熱空気と接触させることにより前記ガラス転移温度を超える温度Tで急速に焼きなまし、(3) 前記焼きなましにより見かけ上ほぼ平坦にした前記カール性積層体を、冷却ロール又は冷却空気と接触させることにより前記ガラス転移温度以下の温度Tまで急冷することを特徴とする。
【0009】
前記温度Tは35 ℃以下であり、前記温度Tは45℃超 〜65℃以下であり、前記温度Tは15 〜25 ℃であるのが好ましい。前記温度Tは15 〜25 ℃であるのがより好ましい。前記温度Tまで急冷したカール性積層体は、そのフィルム状成形体層を内側として室温で巻き取ることにより巻きフィルムとするのが好ましい。
【0010】
本発明の好ましい実施例では、前記フィルム状成形体は順に、紙シートと、接着剤層及び押出ラミネーションされたポリエチレン層からなる接着層と、シーラントフィルムとからなる層構成を有し、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムと前記フィルム状成形体とを接着する際、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムに予め接着剤層を設け、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの接着剤層と、前記フィルム状成形体の紙シート層とを、ダイより押出された溶融ポリエチレン層を介して押出ラミネーションにより接着する。
【0011】
本発明の好ましい別の実施例では、前記フィルム状成形体は順に、紙シートと、接着剤層(イ)及び押出ラミネーションされたポリエチレン層(イ)からなる接着層(イ)と、ポリエチレンテレフタレートフィルム層と、接着剤層(ロ)及び押出ラミネーションされたポリエチレン層(ロ)からなる接着層(ロ)と、シーラントフィルムとからなる層構成を有し、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムと前記フィルム状成形体とを接着する際、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムに予め接着剤層を設け、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの接着剤層と、前記フィルム状成形体の紙シート層とを、ダイより押出された溶融ポリエチレン層を介して押出ラミネーションにより接着する。
【0012】
前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの前記フィルム状成形体層側の面か、又は前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの前記シーラントフィルム層側の面に予め遮光性インク層を設けることができる。前記ポリブチレンテレフタレートフィルムと前記フィルム状成形体とを接着する際、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムに4kgf/m幅以上の張力をかけながら前記フィルム状成形体に接着するのが好ましい。前記張力は10 〜20 kgf/m幅であるのが好ましい。
【0013】
本発明の製造方法により得られる形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は、前記温度T以上の温度下で実質的に前記カール形状を回復することができる。本発明の製造方法により得られる形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの少なくとも一方の面に多数の実質的に平行な線状痕を形成することにより、任意の部位から前記線状痕に沿って実質的に直線的に裂くことができる。前記線状痕の深さはポリブチレンテレフタレートフィルム層厚みの1〜40%であるのが好ましい。前記線状痕の深さは0.1 〜10μmであるのが好ましい。前記線状痕の幅は0.1 〜10μmであるのが好ましい。前記線状痕同士の間隔は10 〜200μmであるのが好ましい。前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの少なくとも一方の面にセラミック又は金属を蒸着してもよい。
【0014】
本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は、食品用の包装材や、食品用容器の蓋体に用いる包装材として有用である。
【0015】
【発明の実施の形態】
[1] 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法
本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法は、以下の(1)〜(3)の工程を含む。
(1) ポリブチレンテレフタレートフィルムとフィルム状成形体とを接着し、得られた積層体のポリブチレンテレフタレート面を接触面として冷間加工用ロールに摺接させながらガラス転移温度以下の温度Tで処理し、もって冷間加工用ロールの外形に沿って冷間加工を施すことによりカール形状を示すカール性積層体を作製する。
(2) 得られたカール性積層体を二つのニップロール間で平坦に保持しながら、加熱空気と接触させることにより上記ガラス転移温度を超える温度Tで急速に焼きなまし、見かけ上ほぼ平坦にする。
(3) 見かけ上ほぼ平坦にしたカール性積層体を上記ガラス転移温度以下の温度Tまで急冷し、ほぼ平坦な状態を固定する。
【0016】
上記(1)〜(3)の加工工程により製造された形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は、T以上の温度下で形状回復能により実質的にカール形状を回復する。なおポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度は通常22
〜45℃である。
【0017】
ポリブチレンテレフタレートフィルム層が、上記(2)〜(3)の工程でほぼ平坦に固定されてもT以上の温度下でカール形状を回復する理由は定かではないが、例えば温度Tの冷間加工で高分子鎖の絡み合いにひずみが保持され、このひずみの大部分は温度Tでの焼きなましを急速に行えば緩和されないので、T以上の温度下でカール形状を回復するといったことが考えられる。
【0018】
以下、本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法を図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を製造するための装置の一例を示す概略側面図である。ポリブチレンテレフタレートフィルム原反を巻いたリール10から巻き戻されたフィルム1は、ガイドロール20を経て、グラビアロール21,21において一方の面に接着剤(例えばホットメルト)56が塗布され、乾燥炉23で接着剤層が乾燥される。その後、圧力調整ロール24を経て、ダイ22より押出された溶融ポリエチレン55を介して、フィルム状成形体13が接着層に重なりながら冷却ロール25とゴムロール25’との間を通る(押出ラミネーション)。得られた積層体は冷間加工用ロール26に摺接しながらポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度以下の温度Tで冷間加工される。これにより積層体のポリブチレンテレフタレートフィルム層にカール性が付与される。冷間加工用ロール26の温度は、摺接する積層体のポリブチレンテレフタレート層の温度がTとなるように調節する。得られたカール性積層体11は二つのニップロール間27,27’で平坦に保持されながら、ヒーター29による加熱空気により、ガラス転移温度を超える温度Tで急速に焼きなまされ、次いで冷却ロール28と接触することにより上記ガラス転移温度以下の温度Tで冷却される。冷却ロール28の温度は、摺接する積層体のポリブチレンテレフタレート層の温度がTとなるように調節する。その後カール性積層体は、そのフィルム状成形体層を内側として巻き取りリールにより室温で巻き取られることにより巻きフィルム12(形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50)とされる。
【0020】
カール性積層体を平坦に保持しながらガラス転移温度を超える温度Tで急速に焼きなます処理は、冷間加工により付与したカール性を消失しない程度に行う必要がある。このため温度Tは45℃超 〜65℃以下であるのが好ましく、この温度範囲まで急速に加熱して30 〜60秒間焼きなます。二つのニップロール間27,27’で平坦に保持するためにかける張力は5〜10kgf/m幅とする。ヒーター29,29の温度設定は、カール性積層体11のポリブチレンテレフタレートフィルム層が温度Tに加熱されるようにする。図1では、ヒーター29,29によりカール性積層体11の両面から加熱しているが、カール性積層体11のポリブチレンテレフタレートフィルム層側にのみヒーター29を設置してもよい。ヒーター29から出る加熱空気を、ノズルを用いてカール性積層体11のポリブチレンテレフタレートフィルム層に吹き付けてもよい。
【0021】
得られた形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は、T以上の温度条件下で放置又は処理することにより、カール形状を回復する。図1に示す例では、カール性積層体11を温度Tで冷却した後、そのフィルム状成形体層を内側として巻き取っている。上記(2)〜(3)の工程でほぼ平坦に固定されたカール性積層体11をさらに巻きフィルム12とすることにより、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50の保存時にほぼ平坦な状態を保持できる。そのため巻きフィルム12(形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50)を巻き戻す時のカール性積層体11はほぼ平坦である。
【0022】
冷間加工温度Tは、ポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度以下であることを必須とするが、35℃以下であるのが好ましく、15 〜25℃であるのがより好ましい。焼きなまし後のカール性積層体11を冷却する温度Tは、上記ガラス転移温度以下であることを必須とするが、15 〜25℃であるのが好ましい。
【0023】
形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体に使用するポリブチレンテレフタレートフィルムに特に限定はないが、[2](1)で後述する製造方法により得られるフィルムを使用するのが好ましい。ポリブチレンテレフタレートフィルムの厚みは6μm以上であるのが好ましい。
【0024】
ポリブチレンテレフタレートフィルムに積層するフィルム状成形体は、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の用途に応じて、紙シート、他の熱可塑性樹脂フィルム、金属箔等の中から適宜選択することができ、これらの組合せによる積層シートであってもよい。フィルム状成形体として、▲1▼ 紙シートと、接着剤層及び押出ラミネーションされたポリエチレン層からなる接着層と、シーラントフィルムとをこの順に有するものや、▲2▼ 紙シートと、接着剤層(イ)及び押出ラミネーションされたポリエチレン層(イ)からなる接着層(イ)と、ポリエチレンテレフタレートフィルム層と、接着剤層(ロ)及び押出ラミネーションされたポリエチレン層(ロ)からなる接着層(ロ)と、シーラントフィルムとをこの順に有するもの等が挙げられる。
【0025】
但しポリブチレンテレフタレートフィルムとポリエチレンフィルムの2層のみを接着することにより積層体を構成すると、ポリブチレンテレフタレートフィルムに付与されたカール性がポリエチレンフィルムに吸収され易く、形状記憶性が不十分となる恐れがある。よってポリブチレンテレフタレートフィルム層とポリエチレンフィルム層とを有する形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を製造する場合は、ポリブチレンテレフタレートフィルム層とポリエチレンフィルム層との間にポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)、ナイロンフィルム等からなる層を設けるのが好ましい。
【0026】
冷間加工用ロール26へのポリブチレンテレフタレートフィルム1の巻き掛け方については、図1に示すようにポリブチレンテレフタレートフィルム1の巻き込み方向と巻き解き方向とがなす角度θを45 〜60°の範囲となるようにするのが好ましい。これによりポリブチレンテレフタレートフィルム1に十分なカール性を付与することができる。角度θを所望の値にするには、冷間加工用ロール26と圧力調整ロール24’との位置関係を適宜調整すればよい。
【0027】
ポリブチレンテレフタレートフィルム1とフィルム状成形体13とを冷却ロール25,ゴムロール25’の間を通して接着する時、圧力調整ロール24により、ポリブチレンテレフタレートフィルム1に通常4kgf/m幅以上の張力をかけながら行う。特にポリブチレンテレフタレートフィルム1に10 〜20 kgf/m幅の張力をかけることにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム1を弾性伸縮可能な伸度に、機械方向に延伸しながらフィルム状成形体13に接着できる。これによりポリブチレンテレフタレートフィルム1は、弾性復元力を保持した伸長状態でフィルム状成形体13に接着される。弾性復元力を保持した伸長状態とは、ポリブチレンテレフタレートフィルム1の延伸を固定する力を解いた時に、ポリブチレンテレフタレートフィルム1が原型に収縮しようとする力を保持している状態のことである。このため形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50のカール性を一層向上することができる。本明細書において、カール性とは、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50を反らした状態で維持できるデッドホールド性とは異なり、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50を反らすことができる性質を意味する。弾性伸縮可能な伸度とは、一般的に延伸によりポリブチレンテレフタレートフィルムに外観上皺が生じない程度に約1〜3%伸ばした伸度である。
【0028】
冷間加工用ロール26の直径は20 〜80cmであるのが好ましい。これによりポリブチレンテレフタレートフィルム1に十分なカール性を付与することができる。通常冷間加工用ロール26の周速は30 〜100 m/分とする。
【0029】
図1に示す例では、ポリブチレンテレフタレートフィルムとフィルム状成形体とを押出ラミネーション法により接着しているが、ドライラミネーション法により接着してもよい。また図1に示す例では、ポリブチレンテレフタレートフィルム1の片面のみにフィルム状成形体13を接着しているが、ポリブチレンテレフタレートフィルム1の両面にフィルム状成形体13を接着した上で、カール性を付与することも可能である。
【0030】
図2は、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を製造するための装置の別の例を示す概略側面図である。なお図1に示す実施例と同じ部材又は部分には同じ参照番号を付してある。この例においては、ポリブチレンテレフタレートフィルム1とフィルム状成形体13とを、ドライラミネーション法により接着すること以外は図1に示す例と同じである。接着剤層が設けられたポリブチレンテレフタレートフィルム1は、圧力調整ロール24を経て、フィルム状成形体13が接着層に重なりながら一対の加熱ロール38,38間を通る。よってポリブチレンテレフタレートフィルム1とフィルム状成形体13との間の接着層は接着剤層のみである。但し接着強度は強い方が好ましいので、図1に示す押出ラミネーション法によりポリブチレンテレフタレートフィルム1とフィルム状成形体13とを接着するのが好ましい。なおフィルム状成形体13に関しても、押出ラミネーション法又はドライラミネーション法のいずれにより形成してもよいが、押出ラミネーション法により形成するのが好ましい。
【0031】
図3は、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を製造するための装置のさらに別の例を示す概略側面図である。なお図1に示す実施例と同じ部材又は部分には同じ参照番号を付してある。まずポリブチレンテレフタレートフィルムとフィルム状成形体とを押出ラミネーション法又はドライラミネーション法により接着し、ポリブチレンテレフタレートフィルムの片面又は両面にフィルム状成形体を有する積層体を形成する(図示せず)。得られた積層体14は、圧力調整ロール24,24を経て、トレイ形状を付与するための押し型30が押し当てられながら上記温度Tで冷間加工され、押し型30の外形に沿った変形が断続的に付与される。得られた変形積層体15は一対の焼きなまし用ロール31,31間に通され、上記温度Tで急速に焼きなまされることによりほぼ平坦化され、次いで冷却装置32,32により上記温度Tまで急冷される。ほぼ平坦化された変形積層体15は、押し型30と同型の巻き取りロール33によりコート用フィルム16と積層化されながら室温で巻き取られて巻きフィルムとされる。これにより押し型30の外形に沿った変形は潜在化されて見かけ上変形のない積層体となる。ポリブチレンテレフタレートフィルム1に押し型30を押し当てながら行う温度Tでの冷間加工は、10 〜60秒行えばよい。なお図3に示す例では、トレイ状の押し型30を用いているが、適宜形状記憶させたい所望の形状の押し型を用いることができる。
【0032】
[2] 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の層構成
図4に示すように、代表的な形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体はポリブチレンテレフタレートフィルム層51、紙シート層52及びシーラントフィルム層54を備える。以下、各層について詳述する。
【0033】
(1) ポリブチレンテレフタレートフィルム層
本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体に使用するポリブチレンテレフタレートフィルムとしては、以下に説明するインフレーション成形法又は一軸延伸法により製造されたものが好ましい。これらの製造方法により得られるポリブチレンテレフタレートフィルムを用いることにより、付与した形状を安定的に再現できる形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体が得られる。ポリブチレンテレフタレートフィルムの厚さは6μm以上であるのが好ましく、10 〜50μmであるのがより好ましく、10 〜30μmであるのがさらに好ましい。ポリブチレンテレフタレートフィルムの厚さが6μm以上であれば、十分な形状記憶能、保香性及びガスバリア性を有するとともに、光沢性及び印刷特性も良好である。
【0034】
(A) 原料ポリブチレンテレフタレート樹脂
原料とするポリブチレンテレフタレート樹脂に特に制限はないが、1,4−ブタンジオールとテレフタル酸とを構成成分とするホモポリマーからなるのが好ましい。但し形状記憶能、熱収縮性等の物性を損なわない範囲で、1,4−ブタンジオール以外のジオール成分と、テレフタル酸以外のカンボン酸成分が共重合成分として含まれていてもよい。そのようなジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンメタノール等が挙げられる。ジカルボン酸成分としては、例えば、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸等が挙げられる。好ましいポリブチレンテレフタレート樹脂の具体例としては、例えば東レ(株)から商品名「トレコン」として市販されているホモポリブチレンテレフタレート樹脂を挙げることができる。
【0035】
ポリブチレンテレフタレート樹脂には一般の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂に添加される公知の添加剤、すなわち可塑剤、酸化肪止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、界面活性剤、染料や顔料等の着色剤、流動性の改善のための潤滑剤、結晶化促進剤(核剤)、無機充填剤等も要求性能に応じ適宜使用することが出来る。また本発明の効果を阻害しない範囲で、目的に応じ少量の他の熱可塑性樹脂を補助的に添加使用することも出来る。
【0036】
(B) インフレーション成形法
図7は、ポリブチレンテレフタレートフィルムをインフレーション成形法により製造する方法の工程を示す概略側面図である。押出機412に取り付けられた環状ダイ401から押出されたチューブ状フィルムは、内部に空気が送り込まれて除々に所定の幅のフィルムに膨張し、引取り機ニップロール413に挟まれて引き取られ、巻き取りリール414により巻き取られる。
【0037】
ポリブチレンテレフタレートフィルムを製造するには、まずポリブチレンテレフタレート樹脂及び所望の添加剤などの混練を、240 〜260℃の樹脂温度で行う。混練温度が260℃より高いと、樹脂の熱劣化が進行する恐れがある。このため、二軸押出機のような押出機中で混練を行う場合、発熱しないようなスクリュー構造を有するもの、又は適当な冷却装置を有するものを使用する。なお混練温度の下限が240℃未満になると、押出量が不安定となるため好ましくない。
【0038】
インフレーション用環状ダイ401から押し出す樹脂温度は210 〜250℃とする。環状ダイ401から押し出す樹脂の温度が250℃を超えていると、第一冷却リング402によりバブル407を十分に冷却することができない。好ましくは、環状ダイ401から押し出す樹脂温度は220 〜230℃である。またインフレーション用環状ダイ401から押し出す樹脂圧力は100 〜120kg/cmとする。インフレーション用環状ダイ401の直径は150 〜300mmであるのが好ましい。
【0039】
環状ダイ401から押し出されたバブル407は、冷却装置により、冷却されながらMD方向のみならずTD方向にも延伸される。これを図8に概略的に示す。
【0040】
図8において、バブル冷却装置は、環状ダイ401の付近に設けられた第一冷却リング402と、第一冷却リング402の上方に設けられた第二冷却リング403と、第二冷却リング403のやや上方に設けられた第三冷却リング404と、第一冷却リング402と第二冷却リング403との間に設けられた円筒状のネット405と、ネット405の下部に設けられた冷却空気吹出装置406とを有する。
【0041】
以上の構成の装置において、各冷却リングの配置は空冷インフレーション法により形成されるバブル407の温度コントロールにより決まるので、以下にバブル407の形状及び温度分布について説明する。
【0042】
ダイ401の環状オリフィス411より溶融したポリブチレンテレフタレート樹脂又はポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を押し出して、バブル407を形成するが、押し出された直後のバブル407は、溶融張力が低いために細径状となり、いわゆるネック部471を形成する。ネック部471において、バブル407は主としてMD方向に延伸される。次にバブル407は急激に膨張し、所定のバブル径となる。この膨張部472において、バブル407はMD方向のみならずTD方向にも延伸される。膨張部472のほぼ上方付近にフロストライン474があり、ここでポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は冷却固化状態となる。フロストライン474より上方のバブル領域473に設けられた第二冷却リング403及び第三冷却リング404で、バブル407はさらに冷却される。
【0043】
このような空冷インフレーション法によりポリブチレンテレフタレートフィルムを得るためには、バブル407の各部の温度を以下の通りコントロールする。
(a) 環状ダイ401より押し出し直後の温度は170℃以下。
(b) ネック部471では130℃以下まで冷却。
(c) フロストライン474では100℃以下まで冷却。
(d) 第二冷却リング403により80℃以下まで冷却。
【0044】
上記条件(a)については、上述の通りであるが、条件(b)については、ネック部471で130℃以下まで冷却しないと、次の膨張部472でTD方向の延伸を十分に達成することができない。すなわちネック部471で130℃以下まで冷却されないと、膨張部472で十分な溶融張力を有さず、MD方向の延伸が主となってしまう。
【0045】
なおこのような温度条件を満たすためには、ブローアップ比を1.5 〜2.8とする。好ましくはブローアップ比を2.0 〜2.8とする。
【0046】
条件(c)について、フロストライン474でのバブル温度を100℃以下まで低くすることにより、バブル407の冷間延伸を達成することができる。このためフロストライン474においてバブル温度が100℃より高いと、膨張部472においてバブル407のMD方向及びTD方向の両方における延伸が不十分である。
【0047】
条件(d)については、フロストライン474の上方でバブル407を80℃以下に冷却することにより、均一な薄いバブル407の形成を安定化することができる。第二冷却リング403を設けずに、フロストライン474上方のバブル407の温度を80℃より高い状態に保つと、不均一な延伸が起こるおそれがあり、そのためバブル407全体が不安定となる。
【0048】
第二冷却リングによる冷却の後、さらに条件(e)として、第三冷却リング404により50℃以下まで冷却するのが好ましい。第二冷却リング403だけでバブル407を完全に冷却しようとすると、不均一な冷却が生ずるおそれがある。第三冷却リング404により30 〜40℃まで冷却するのが好ましい。これらの第二冷却リング403及び第三冷却リング404により、それより上方のバブル407では延伸が起こらない。
【0049】
以上のようなバブル407の温度コントロールを行うために、第一冷却リング402、第二冷却リング403、第三冷却リング404、ネット405及び冷却空気吹出装置406の配置は以下の通りである。
(イ) 第一冷却リング402
環状ダイ401のすぐ近くに設け、ネック部471の温度が130℃までに低下するように、冷却空気を噴出する。これにより、膨張部472以降のフロストライン474において、バブル407の温度は100℃以下となる。
(ロ) 第二冷却リング403
環状ダイ401の口径の5〜10倍の距離Hだけ環状ダイ401の上方位置に配置し、バブル407の温度が80℃以下となるように冷却空気を噴出する。
(ハ) 第三冷却リング404
環状ダイ401の口径の0.5 〜5.0倍の距離Hだけ第二冷却リング403より上方の位置に配置し、バブル407の温度が50℃以下となるように冷却空気を噴出する。(ニ) ネット405
円筒状の形状を有し、第一冷却リング402と第二冷却リング403の間に位置し、バブル407を包囲する。後述の冷却空気吹出装置406により冷却され、第一冷却リング402及び第二冷却リング403による冷却が外部の環域(気温・温度等)の影響を受けずに常に同一条件で行われ、もってバブル407の温度が前述の条件(b)〜(d)に維持されるようにバブル407周囲の温度を均一に保持する。
(ホ) 冷却空気吹出装置406
ネット405の下部外側に設けられ、ネット405の下端部に沿って円状に冷却空気吹き出し口を有し、ネット405の周囲の温度が30 〜40℃、好ましくは30 〜35℃の範囲内で安定した温度となるように冷却空気を斜上方に噴出する。斜上方に吹き出された冷却空気は、ネット405に沿って吹き上がり、ネット全体を冷却する(図8中の矢印)。
【0050】
以上の方法において、第一冷却リング402よりバブル407に噴射する冷却空気としては、加湿空気を用いるのが好ましい。加湿空気は冷水により加湿冷却した空気で、ほぼ飽和状態の水分を含有し、単なる冷却空気より約5℃も冷却効果が大きい。また第二及び第三冷却リング403,404よりバブル407に噴射する冷却空気としても、冷却効率の観点から加湿空気を用いるのが好ましい。また安定した冷却効果が得られないと、バブル407が不安定となるので、冷却空気の温度及び湿度はできるだけ変化しないようにコントロールする。
【0051】
また冷却空気吹出装置406よりネット405に噴射する冷却空気は、上述の第一〜第三冷却リング402から404の場合と同様に、加湿空気を用いてもよいし、通常の室内の空気を所望の温度に調整したものを用いてもよい。
【0052】
図9は加湿空気を供給するシステムを示す概略断面図である。ブロワーBから供給された空気は、冷水器R及び冷水リサイクルポンプPを備えた加湿器415で加湿冷却され、第一〜三冷却リング402〜404及び冷却空気吹出装置406にそれぞれ供給される。
【0053】
さらにネット405としては、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル等のプラスチック製のものや、ステンレススチール、銅、黄銅、ニッケル等の金属製のもの等を用いることができるが、その網目が5〜20メッシュのものが好ましく、特に8〜10メッシュのものが好ましい。
【0054】
ポリブチレンテレフタレート樹脂のインフレーション法による製膜は以上の要件を保持することにより可能であり、他の条件はインフレーション方式の一般的な条件が適用出来る。即ちクロスヘッドダイを用いて、上方又は下方にチューブ状溶融ポリブチレンテレフタレート樹脂を押出し、端をピンチロールで挟んでその中に空気を送り込んで所定のサイズに膨らませつつ連続的に巻き取り、この間ダイを回転又は反転して偏肉を防止する事も出来る。
【0055】
以上のようにして製造されたポリブチレンテレフタレートフィルムの熱収縮率の値は200℃までほぼ0%であり、200℃まで実質的に熱収縮しない。このためヒートシール、印刷等の二次加工においてフィルム寸法の変化が少ない。また延伸は加熱及び非加熱の両方において可能であり、例えば約130℃において3.2倍程度に容易に延伸でき、乳白色から半透明の延伸フィルムが得られる。非加熱で延伸した場合には、透明なフィルムが得られる。以上説明した製造方法により、厚み10μm以上、フィルム幅400 〜1200mmのポリブチレンテレフタレートフィルムの製造が可能である。
【0056】
以上説明した製造方法によれば、常にバブルの各部(押し出し直後、ネック部、膨張部、フロストライン)がそれぞれ所望の温度に維持されるので、品質が常に均一である。さらに冷却速度を大きくできるので、高速製膜が可能である。
【0057】
(C) 一軸延伸法
図10は、一軸延伸法によるポリブチレンテレフタレートフィルムの製造工程を示す概略側面図である。シート用ダイ(Tダイ)507から押し出された溶融樹脂505が、加熱キャスティングロール501で引き取られ、除冷却されることにより結晶化シート506が形成される。得られた結晶化シート506は、加熱キャスティングロール501とこれに平行に設けられた第2のロール502との間で延伸されることにより延伸フィルムとなる。
【0058】
(a) 結晶化シート形成工程
まずポリブチレンテレフタレート樹脂と、上記(1)で述べた添加剤、他の樹脂等とを溶融混練し、溶融樹脂505を調製する。溶融混練の方法は特に限定されないが、通常は二軸押出機中で均一に混練することにより行う。混練温度は230 〜260 ℃であるのが好ましい。混練温度が260 ℃より高いと、樹脂の熱劣化が進行する恐れがある。このため二軸押出機のような押出機中で混練を行う場合、発熱しないようなスクリュー構造を有するもの、又は適当な冷却装置を有するものを使用する。なお混練温度の下限が230 ℃未満になると、押出量が不安定となるため好ましくない。
【0059】
溶融混練した溶融樹脂505を直接に又は別の押出機を介して、或いは一旦冷却してペレット化した後再度押出機を介してシート用ダイ507から押し出す。シート用ダイ507のギャップは通常5mm以下とする。シート用ダイ507から押し出す樹脂温度は210 〜250 ℃とするのが好ましく、220 〜230 ℃とするのがより好ましい。
【0060】
このようにしてシート用ダイ507から押し出した溶融樹脂505を、加熱キャスティングロール501で引き取り、除冷却することにより結晶化シート506を形成する。結晶化シート506を形成することにより延伸に対する加工性が向上するので、高延伸化かつ薄膜化が容易になる。加熱キャスティングロール501と接触する前に、押し出された溶融樹脂505の温度が200 ℃以下に低下しないように、シート用ダイ507と加熱キャスティングロール501間の距離を20 cm以下とするのが好ましい。加熱キャスティングロール501は150 〜200 ℃に温度調整するのが好ましい。加熱キャスティングロール501の温度を200 ℃超とすると、溶融張力が低くなるため結晶化シート506の形成が困難となる。一方加熱キャスティングロール501の温度を150 ℃未満とすると、得られる結晶化シート506の結晶化度が低くなるため、後続の延伸に対する加工性が低下する。
【0061】
結晶化シート506の厚みを50 〜100μmとするのが好ましい。これにより後続の延伸工程による薄膜化が容易になる。結晶化シート506の厚みを50 〜100μmとし、かつ結晶化シート506形成の際のネックイン現象(ダイから押し出され、キャストされたシートがダイの有効幅よりも狭くなる現象)を極力抑制するには、加熱キャスティングロール501の周速を5 〜15 m/分とする。加熱キャスティングロール1の外径は35 〜70 cmであるのが好ましい。
【0062】
(b) 延伸工程
(i) 一次延伸
次いで図10に示すように、得られた結晶化シート506を加熱キャスティングロール501と第2のロール502との間で、両ロールの周速差を利用し、機械方向に延伸する(一次延伸)。この時、加熱キャスティングロール501を上記(a)で述べたように150 〜200 ℃に温度調整するとともに、加熱キャスティングロール501と第2のロール502とのロール間距離(両ロール間の共通接線間距離)を10 cm以下とするのが好ましい。このような条件で一次延伸を行うことにより、結晶化シート506が延伸される領域(延伸領域)を比較的狭くでき、且つ延伸領域の温度を130 〜150 ℃とすることができる。延伸領域の温度を130 〜150 ℃とすることにより、溶融張力を比較的高倍率の延伸に適した範囲とすることができるので、膜厚ムラの少ない均一な延伸が可能となる。また延伸領域を狭くするに従い、ネックイン現象の抑制効果が向上する。なお延伸領域の温度を一定に保つために、熱線ヒータ等を用いて両ロール間のフィルムを加熱してもよい。なお図10において、509はガイドロールを示し、508は巻き取りリールを示す。
【0063】
延伸倍率は結晶化シート506の厚みによって異なるが、1.5倍以上とするのが好ましく、2〜4倍とするのがより好ましい。延伸倍率を上げるほど透明性が向上する。加熱キャスティングロール501と第2のロール502との周速比を適宜設定することにより、所望の倍率に延伸することができる。第2のロール502の外径に特に制限はなく、加熱キャスティングロール501と同じく35 〜70 cmとすればよい。
【0064】
一次延伸の後、後述する再延伸(二次延伸)も行う場合は、第2のロール502を100 〜150 ℃に温度調整するのが好ましい。一方延伸工程として一次延伸のみを行う場合には、第2のロール502を40 ℃以下に温度調整することにより、一次延伸を施したフィルムに対して冷却固定処理を施すことができる。本明細書において、冷却固定処理とは、ポリブチレンテレフタレートのガラス転移温度(20 〜45 ℃)以下の温度でフィルムを処理することを意味する。冷却固定処理を施すことにより、延伸された状態を安定化することができる。また冷却固定処理をさらに長くしたい場合には、図11に示すように第2のロール502と平行に第3のロール503を設け、これを40 ℃以下に温度調整するとともに第2のロール502と同じ周速で回転させて、一次延伸を施したフィルムを引き取るようにすればよい。なお図11において、図10に示す製造装置と同じ部分には同じ参照番号を付してある。第3のロール503の外径は、第2のロール502と同じく35 〜70 cmとすればよい。なお図11において、510はニップロールを示す。
【0065】
第3のロール503により冷却固定処理を行う場合、第2のロール502をポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度超〜融点−50 ℃以下に温度調整してもよく、これによりフィルムの熱収縮率が一層低くなる。
【0066】
(ii) 二次延伸
一次延伸により得られた延伸フィルムをさらに機械方向に延伸するのが好ましい(二次延伸)。二次延伸により透明性が一層向上するとともに、一層薄膜化することができる。二次延伸も行う場合、図11に示す第2のロール502と第3のロール503との間に周速差を設け、機械方向に延伸する。この時、第2のロール502を100 〜150 ℃に温度調整するとともに、第2のロール502と第3のロール503とのロール間距離を10 cm以下とするのが好ましい。ロール間距離を10 cm以下とすることにより、ネックイン現象を抑制できることは、上記(i)で述べた通りである。
【0067】
二次延伸の後、後述する再々延伸(三次延伸)も行う場合は、第3のロール503を40 〜100 ℃に温度調整するのが好ましい。一方三次延伸を行わない場合には、第3のロール503を40 ℃以下に温度調整することにより、二次延伸を施したフィルムに対して冷却固定処理を施すことができる。また冷却固定処理をさらに長くしたい場合には、図12に示すように第3のロール503と平行に第4のロール504を設け、これを40 ℃以下に温度調整するとともに第3のロール503と同じ周速で回転させて、二次延伸を施したフィルムを引き取るようにすればよい。なお図12において、図12に示す製造装置と同じ部分には同じ参照番号を付してある。第4のロール504の外径は、第3のロール503と同じく35 〜70 cmとすればよい。
【0068】
なお第4のロール504により冷却固定処理を行う場合、フィルムの熱収縮率を一層低下させるために第3のロール503をポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度超〜融点−50 ℃以下に温度調整してもよい。
【0069】
(iii) 三次延伸
二次延伸により得られた延伸フィルムをさらに機械方向に延伸してもよい(三次延伸)。三次延伸も行う場合、図12に示す第3のロール503と第4のロール504との間に周速差を設け、機械方向に延伸する。この時、第3のロール503を40 〜100 ℃に温度調整するとともに、上記(i)で述べたのと同じ理由により第3のロール503と第4のロール504とのロール間距離を10 cm以下とするのが好ましい。このような冷間延伸を施すことにより、フィルムの透明性を一層向上することができる。また第4のロール504は40 ℃以下に温度調整するのが好ましく、これにより三次延伸を施したフィルムに対して冷却固定処理を施すことができる。
【0070】
(iv) 横延伸
上記(i)〜(iii)のいずれかの方法で製造されたポリブチレンテレフタレートフィルムに対して、引き続きTD(幅方向)への横延伸を施すことができる。横延伸を行う方法としては、テンター法等の公知の方法を適用すればよい。
【0071】
(v) 熱処理
以上のようにして製造されたポリブチレンテレフタレートフィルムは優れた寸法安定性を有するが、熱収縮率を一層向上させるために、さらに熱処理を施してもよい。熱処理方法としては、熱固定処理又は熱収縮処理のいずれを用いてもよい。これらの熱処理は、ポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度超〜融点−50 ℃以下で行うのが好ましい。
【0072】
熱固定処理は、テンター方式、ロール方式又は圧延方式により行う。また熱収縮処理は、テンター方式、ロール方式若しくは圧延方式により行うか、又はベルトコンベア若しくはフローティングを用いて行ってもよい。熱固定処理及び熱収縮処理を組み合せて行ってもよい。
【0073】
以上のようにして製造されたポリブチレンテレフタレートフィルムは、半透明から透明であり、従来の一軸延伸フィルムと比較して、膜厚の均一性に優れるとともに熱収縮率が低い。具体的には、平均膜厚8〜20μmのフィルムの膜厚差は1〜2μmであり、熱収縮率はMD(機械方向)0.1%以下、TD(幅方向)0.2%以下である[本明細書において、膜厚差とは、ポリブチレンテレフタレートフィルムの幅方向における中心部及び両端部の厚みをそれぞれ2点ずつ計6点測定し、そのうちの最大値と最小値との差を算出した値である。この値が小さいほうが良好な結果となる。また熱収縮率とは、ポリブチレンテレフタレートフィルムを150 ℃で10分間暴露したときのMD及びTDの収縮率をそれぞれ測定した値である。]。このためムラの少ない印刷層や金属蒸着層を形成することができる。またヒートシール、印刷等の二次加工においてフィルム寸法の変化が少ない。
【0074】
以上説明した製造方法によれば、常に加熱キャスティングロール及び第1〜第4のロールがそれぞれ所望の温度に維持されるので、品質が常に均一である。さらに未延伸フィルムの作製において一旦冷却しないので、高速製膜が可能である。
【0075】
(D) 線状痕形成
形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を即席食品用容器の蓋体用の包装材として用いる場合、フィルム状成形体と接着する前のポリブチレンテレフタレートフィルムに対して、以下に述べる方法により多数の実質的に平行な線状痕を形成しておくのが好ましい。これによりポリブチレンテレフタレートフィルムに直線的易裂性を付与することができ、蓋体を部分開封することが可能となる。直線的易裂性ポリブチレンテレフタレートフィルムは、連続走行するポリブチレンテレフタレートフィルムを、多数の微細な突起を有する線状痕形成手段に摺接させ、多数の実質的に平行な線状痕を形成することにより製造される。以下、直線的易裂性ポリブチレンテレフタレートフィルムの製造方法を図面を参照して詳細に説明する。
【0076】
(a) フィルムに進行方向の線状痕を形成する場合
図13は、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に線状痕を形成するための装置の一例を示す概略側面図である。図13は、表面に多数の微細な突起を有するロール(以下「パターン・ロール」という)602を線状痕形成手段として用い、ノズル603を圧縮空気吹き付け手段として用いた例を示す。フィルム原反を巻いたリール607から巻き戻されたポリブチレンテレフタレートフィルム601は、ニップロール671を経て、パターン・ロール602に接触する際に線状痕が形成され、得られた直線的易裂性ポリブチレンテレフタレートフィルムはニップロール672、ガイドロール673及び674を経て、巻き取りリール675に巻き取られる。
【0077】
パターン・ロール602は、図14に示すようにその回転軸がポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅方向と並行となるように定位置に固定されており、軸線方向長さがポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅より長く、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅全体がパターン・ロールに摺接するようになっている。
【0078】
張力調整ロールとしてニップロール671及び672をパターン・ロール602の前後に設けることよりパターン・ロール602を走行するポリブチレンテレフタレートフィルム601に張力を与えられるようになっている。さらに図14に示すように、ポリブチレンテレフタレートフィルム601がパターン・ロール602に摺接する面(摺接面)に、ノズル603により所定の風圧を伴った空気を吹き付けることにより、摺接面に均一な接触力をかけることができる。これによりフィルム面に均一な線状痕を形成することができる。ノズル603を用いてパターン・ロール602にポリブチレンテレフタレートフィルム601を押し付けることにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の厚みむらによる摺接面での接触不均一性を緩和することができる。パターン・ロール602にポリブチレンテレフタレートフィルム601を押し付ける手段としてゴムロールを用いると、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の厚みむらが原因となって摺接面での接触力が不均一となり、最悪の場合にはポリブチレンテレフタレートフィルム601が破損する恐れがある。このためブロワーやノズルのような空気吹き付け手段は、パターン・ロール602にポリブチレンテレフタレートフィルム601を押し付ける手段として、ゴムロールより優れている。
【0079】
パターン・ロール602は、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行速度より遅い周速で、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向の逆方向に回転させるのが好ましい。これによりフィルム皺の発生を防止できるとともに、線状痕の形成に伴い発生する削り屑がパターン・ロール602の表面に溜まるのを防止できるので、適切な長さ及び深さの線状痕を形成する上で好ましい。ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行速度は10 〜500 m/分とするのが好ましい。パターン・ロール602の周速(ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向と逆方向に回転させる速度)は、1〜50 m/分とするのが好ましい。
【0080】
パターン・ロール602としては、例えば特開2002−059487号に記載のものを用いることができる。これは金属製ロール本体の表面に鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上の微粒子を電着法、又は有機系又は無機系の結合剤により付着させた構造を有する。金属製ロール本体は、例えば鉄および鉄合金、または表面にニッケルめっき層、クロムめっき層を被覆したもの等から形成される。モース硬度5以上の微粒子としては、例えばタングステンカーバイト等の超硬合金粒子、炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子、サファイア粒子、立方晶窒化ホウ素(CBN)粒子、天然又は合成のダイヤモンド微粒子等を挙げることができる。特に硬度、強度等が大きい合成ダイヤモンド微粒子が望ましい。微粒子の粒径は形成する線状痕の深さあるいは幅に応じて適宜選択する。微粒子の粒径は10〜100μmで、粒径のばらつきが5%以下のものが望ましい。微粒子を付着させる程度は、形成する線状痕同士の間隔が所望の程度となるように、適宜選択する。均一な線状痕を得るために、微粒子はロール本体表面に50%以上付着させることが望ましい。パターン・ロール602の具体例としては、鉄製のロール本体表面に鋭い角部を有する多数の合成ダイヤモンド微粒子が50%以上の面積率でニッケル系の電着層を介して結合・固定されているものが挙げられる。パターン・ロール602の外径は2 〜20 cmであるのが好ましく、3 〜10 cmであるのがより好ましい。
【0081】
パターン・ロール602としては、金属製ロール本体の表面に金属製針が微小間隔で縦横に規則的に埋め込まれている針歯ロールを用いることもできる。また線状痕形成手段としては、パターン・ロール602の他に、プレート状本体の表面に、上記のようなモース硬度が5以上で、鋭い角部を有する微粒子を表面に多数有するパターン・プレートを用いてもよい。
【0082】
図15はポリブチレンテレフタレートフィルム601がパターン・ロール602と摺接し、線状痕が形成される様子を示す部分拡大横断面図である。例えばパターン・ロール602の表面上の微粒子604のうち少なくとも一つの微粒子の角部がポリブチレンテレフタレートフィルム601の下面に切り込んでいくが、上述のようにポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行速度はパターン・ロール602が逆回転する周速より速いので、切り込んだ微粒子604の角部がポリブチレンテレフタレートフィルム601の下面から離れるまで一本の長い線状痕が形成される。
【0083】
圧縮空気吹き付け手段としては、図16(a)に示すように帯状の吹き出し口631を有するノズル(図13〜15に示すものと同様)に代えて、図16(b)に示すように複数の吹き出し口631を有するノズルを用いてもよい。また図16(c)に示すようにフード632を有するノズルを用いてパターン・ロール602を覆う形で圧縮空気を吹き付けると、吹き出し口631から吹き出す圧縮空気が摺接面に到達するまでに拡散しにくいので、摺接面におけるポリブチレンテレフタレートフィルム601とパターン・ロール602の接触力を一層均一にすることができる。このような圧縮空気吹き付け手段により吹き付ける圧縮空気流の圧力は、0.05 〜5 kgf/cmであるのが好ましい。これにより摺接面におけるポリブチレンテレフタレートフィルム601とパターン・ロール602の接触力を均一にすることができる。より好ましい圧縮空気流の圧力は0.1 〜2 kgf/cmである。また吹き出し口631から摺接面までの距離は10 〜50 cmであるのが好ましい。圧縮空気は、少なくとも摺接面をカバーする範囲に均一に当たればよい。しかし、必要以上にブロワー又はノズルの吹き出し口631を大きくすると、適切な風圧を得るために要する圧縮空気の量が多くなるため好ましくない。
【0084】
定位置に固定したパターン・ロール602へのポリブチレンテレフタレートフィルム601の巻き掛け方については、図16(c)に示すポリブチレンテレフタレートフィルム601の巻き込み方向と巻き解き方向とがなす角度θを60 〜170°の範囲となるようにするのが好ましい。これにより線状痕の長さ及び深さが調整し易くなる。角度θは90 〜150°の範囲となるようにするのがより好ましい。角度θを所望の値にするには、パターン・ロール602の高さ位置を変更する等により、パターン・ロール602とニップロール671及び672との位置関係を適宜調整すればよい。またパターン・ロール602へのポリブチレンテレフタレートフィルム601の巻き掛け方及び外径に応じて、ニップロール671及び672によりポリブチレンテレフタレートフィルム601に与える張力とノズル603により与える風圧とを適宜調整し、所望の長さ及び深さの線状痕が得られるようにする。ニップロール671及び672によりフィルムに掛ける張力(幅当りの張力)については、0.01 〜5 kgf/cm幅の範囲となるようにするのが好ましい。
【0085】
線状痕の長さ及び深さは、所望の直線的易裂性の長さを満たすように、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の走行速度、パターン・ロール602の周速、ダイヤモンド微粒子604の粒子径、パターン・ロールの外径、ノズル603の風圧、ニップロール671及び672により与える張力等を適宜設定することにより、調整する。
【0086】
(b) フィルムに斜めの線状痕を形成する場合
図17は、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して斜めの線状痕を形成するための装置の一例を示す概略側面図である。図13に示す装置と同じ部材又は部分には同じ参照番号を付してある。図17は、線状痕形成手段として、図18に示すようにフィルム幅方向に移動可能に設置された多数のパターン・ロール621a及び621bを備えている。
【0087】
パターン・ロール621a及び621bはそれぞれガイドレール661a及び661bに沿って、そのロール軸線方向がポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅方向と直交するように直線的に移動することができる。このような構成の装置を用いる場合は、パターン・ロール621a及び621bの軸線方向長さ及びロールの幅は5〜10 cm程度でよい。またパターン・ロール621a同士の隙間は、少なくともパターン・ロール621aのロール幅より狭くし、パターン・ロール621aの密度を高くするのが好ましい。これはパターン・ロール621bについても同様である。図18に示すように多数のパターン・ロール621a及び621bを備えることにより、摺接面におけるポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅全体がパターン・ロールにより常に実質的に覆われた状態で線状痕を形成できるので、線状痕を密に形成することができる。
【0088】
またパターン・ロール621a及び621bはその高さ位置を変化させながら移動できる機構を備える(図示せず)。このような機構として、例えばパターン・ロール621a及び621bを支える支持軸651a及び651bが上下する機構や、ガイドレール661a及び661bが上下する機構等が挙げられる。このような機構を備えることにより、パターン・ロール621a及び621bをポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して直交する方向への直線的移動を伴って繰り返し一定方向にのみ摺接させることができ、その結果ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して一定の斜めの線状痕を形成することができる。
【0089】
例えば、パターン・ロール621a及び621bが右方向に移動する時にのみポリブチレンテレフタレートフィルム601に摺接し、パターン・ロール621a及び621bが左方向に移動する時には高さを下げてポリブチレンテレフタレートフィルム601から離れるようにし、かつパターン・ロール621a及び621bのどちらか一方が常にポリブチレンテレフタレートフィルム601に接触するようほぼ交互に摺接するように制御プログラムを設定すればよい。これにより斜め方向に一定の線状痕を形成することができる。
【0090】
斜め方向の線状痕のフィルム進行方向に対する角度は、パターン・ロール621a及び621bを摺接させる速度とポリブチレンテレフタレートフィルム601の走行速度を適宜調整することにより変更可能である。またパターン・ロール621a及び621bは、ポリブチレンテレフタレートフィルム601との摺接面においてポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行に対して抗う方向に回転させる。回転させる速度は、上記(a)で述べたパターン・ロール602の周速と同程度でよい。
【0091】
図19(a)及び(b)はポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して斜めの線状痕を形成するための線状痕形成手段の別の例を示す。図19(b)は、図19(a)において(A)方向から見た図である。この例では、図19に示すようなパターン・ロールをガイドレールに沿わせる方法に代えて、多数のパターン・ロール622を接続したパターン・エンドレスベルト608を用いている。このようなパターン・エンドレスベルト608を図19(a)及び(b)のように一定方向に回転させながらポリブチレンテレフタレートフィルム601に摺接させることにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して斜めの線状痕を形成することができる。またこのようなパターン・エンドレスベルト608を用いる場合、なるべくパターン・ロール622の数を多くし、パターン・ロール622の密度を高くするのが好ましい。
【0092】
図20(a)及び(b)はポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して斜めの線状痕を形成するための線状痕形成手段の別の例を示す。この例では、軸線方向長さがポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅より長い2つのパターン・ロール623a及び623bを前後に並行に設置している。これによりパターン・ロール623a及び623bを、常に摺接面におけるポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅全体に摺接させることができる。軸線方向長さはポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅の2倍以上であるのが好ましい。
【0093】
パターン・ロール623a及び623bはガイドレール662a及び662bに沿って、その回転軸線方向に直線的移動可能に設置されている。またパターン・ロール623a及び623bは、高さ位置を変化させながら移動できる機構を備える(図示せず)。このような機構を備えることにより、パターン・ロール623a及び623bをポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅方向への直線的移動を伴って繰り返し一定方向に摺接させることができ、その結果ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して一定の斜めの線状痕を形成することができる。斜め方向の線状痕のフィルム進行方向に対する角度は、パターン・ロール623a及び623bを摺接させる速度とポリブチレンテレフタレートフィルム601の走行速度を適宜調整することにより変更可能である。なお652a及び652bはそれぞれパターン・ロール623a及び623bの支持軸を示す。
【0094】
(c) フィルムに幅方向の線状痕を形成する場合
図21は、ポリブチレンテレフタレートフィルム601に幅方向の線状痕を形成するための線状痕形成手段の一例を示す。この例では、多数のパターン・ロール624aを接続したパターン・エンドレスベルト608a、及び多数のパターン・ロール624bを接続したパターン・エンドレスベルト608bを用いるので、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の中心線609の両側で互いに中心線609に対する所定の角度を保ちながらポリブチレンテレフタレートフィルム601に摺接させることが可能である。
【0095】
このような構成の手段を用いて、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行速度、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の中心線609に対するパターン・エンドレスベルト608a及び608bの角度、パターン・エンドレスベルト608a及び608bの回転速度等の運転条件を適宜設定した上で、パターン・エンドレスベルト608a及び608bをポリブチレンテレフタレートフィルム601に摺接させることにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅方向への線状痕を形成することができる。この場合、ノズルもガイドレール663a及び663bに沿って2つ設ける(図示せず)。
【0096】
なお図21の構成では、上記運転条件の設定を適宜変更することにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して斜めの線状痕を形成することもできる。
【0097】
図22は、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅方向に線状痕を形成するための線状痕形成手段の別の例を示す。この例では、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の中心線609に対して所定の角度を保つようにガイドレール664a及び664bを設け、多数のパターン・ロール625a及び625bを備えている。
【0098】
パターン・ロール625a及び625bはその高さ位置を変化させながら移動できる機構を備える(図示せず)。このような機構を備えることにより、パターン・ロール625a及び625bをポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して斜め方向への直線的移動を伴って繰り返し一定方向にのみ摺接させることができる。そのためパターン・ロール625a及び625bを摺接させる速度とポリブチレンテレフタレートフィルム601の走行速度を適宜調整することにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅方向に一定の線状痕を形成することができる。またパターン・ロール625a及び625bは、ポリブチレンテレフタレートフィルム601との摺接面においてポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行に対して抗う方向に回転させる。回転させる速度は、上記(a)で述べたパターン・ロール602の周速と同程度でよい。
【0099】
図23(a)及び(b)は、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅方向に線状痕を形成するための線状痕形成手段の別の例を示す。図23(b)は係る線状痕形成手段の左側面を示す(図23(a)における(C)方向から見た図である)。この例では、軸線方向長さがポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅より長い2つのパターン・ロール626a及び626bを備えている。これによりパターン・ロール626a及び626bを、常に摺接面におけるポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅全体に摺接させることができる。軸線方向長さは少なくともポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅の2倍以上であるのが好ましい。なお653a及び653bはそれぞれパターン・ロール626a及び626bの支持軸を示す。
【0100】
パターン・ロール626a及び626bはそれぞれガイドレール665a及び665bに沿って、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の中心線609に対して所定の角度を保つように平行移動可能に設置されている。パターン・ロール626a及び626bはその高さ位置を変化させながら移動できる機構を備える(図示せず)。また軸線方向長さについて、パターン・ロール626bはパターン・ロール626aより長い。これによりパターン・ロール626a及び626bは互いに逆方向への進行時にすれ違うことが可能である。
【0101】
図23(a)に示すように、パターン・ロール626a及び626bの回転軸がポリブチレンテレフタレートフィルム601の中心線609に対して所定の角度を保ち、かつ回転軸線方向と直交する方向へ回転軸が平行移動するように所定の距離だけパターン・ロール626a及び626bを繰り返し一定方向にポリブチレンテレフタレートフィルム601に摺接させる。図23(a)の例では、パターン・ロール626a及び626bを回転軸線方向と直交する方向のうち、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行に抗う方向に摺接させている。所定の距離だけポリブチレンテレフタレートフィルム601に摺接したパターン・ロール626a及び626bは、図23(b)に示すように、高さを下げてポリブチレンテレフタレートフィルム601から離れ、摺接した時と逆方向に所定の距離だけ戻り、再び高さを上げてポリブチレンテレフタレートフィルム601との摺接を開始するようにし、かつパターン・ロール626a及び626bのどちらか一方が常にポリブチレンテレフタレートフィルム601に摺接するように制御プログラムを設定すればよい。
【0102】
このような構成の手段を用いて、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行速度、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の中心線609に対する回転軸の角度、パターン・ロール626a及び626bを摺接させる速度等の運転条件を適宜設定した上で、パターン・ロール626a及び626bをポリブチレンテレフタレートフィルム601に摺接させることにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の幅方向への線状痕を形成することができる。この場合図23(b)に示すように、ノズル603a及び603bを設け、パターン・ロール626a及び626bのポリブチレンテレフタレートフィルム601との摺接面の移動に合わせて、ノズル603a及び603bをリレー式に移動させるようにする。これによりパターン・ロール626a又は626bのポリブチレンテレフタレートフィルム601との摺接面に対して、常にエアーを吹き付けることができる。
【0103】
なお図23(a)及び(b)の構成では、上記運転条件の設定を適宜変更することにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム601の進行方向に対して斜めの線状痕を形成することもできる。
【0104】
(E) セラミック又は金属の蒸着
ポリブチレンテレフタレートフィルムには、必要に応じて金属、セラミック等を蒸着したり、樹脂をコーティングしたりすることができる。蒸着するセラミックの具体例としてシリカ、アルミナ等が挙げられる。セラミック又は金属を蒸着することにより、ポリブチレンテレフタレートフィルムのガスバリア性が向上する。金属、セラミック等の蒸着は、公知の方法により行うことができる。金属、セラミック等を直線的易裂性ポリブチレンテレフタレートフィルムに蒸着する場合、フィルムの線状痕形成面又は非形成面のどちらに蒸着してもよい。
【0105】
(2) 紙シート層
本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は、デッドホールド性付与層として紙シートからなる層も有するのが好ましい。紙シート層52の紙の種類は限定されず、合成紙も含む。紙シート層52の厚さは、約60〜110 g/mとするのが好ましく、約75〜90 g/mとするのがより好ましい。紙シートの厚さが約60 g/m未満であると、紙シートの腰が弱すぎて、十分なデッドホールド性を付与することができない。一方、紙シートの厚さを約110 g/m超にしても、コスト高になるだけで、さらなるデッドホールド性の向上は認められない。
【0106】
(3) シーラントフィルム層
本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を即席食品用容器の蓋体に適用する場合、容器本体の上端フランジ部に熱シールするためのシーラントフィルム層54を形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体に設ける。シーラントフィルム層54は、ポリエチレンフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、ポリスチレンフィルム等により形成することができる。また蓋体を容器本体から容易に剥離できるように、シーラントフィルム54はイージーピール性を有するのが好ましい。そのために、シーラントフィルム54は比較的弱い熱接着性を有するのが好ましい。また熱シール用材料として公知のホットメルトも用いることができる。
【0107】
シーラントフィルム54として、例えば紙シート52側のポリエチレンベースフィルムと、容器本体の上端フランジ部側の低分子量ポリエチレンフィルムとの積層フィルムを使用することができる。このポリエチレンベースフィルムの厚さは約10〜40μmが好ましく、約20〜30μmがより好ましい。また低分子量ポリエチレンフィルムの厚さは約5〜20μmが好ましく、約7〜15μmがより好ましい。このような積層ポリエチレンフィルムは、例えば760FD(東レ合成フイルム(株)製)として市販されている。またシーラントフィルム54としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)とポリエチレンとの混合物からなるフィルムも使用することができる。この混合物からなるフィルムにおいて、ポリエチレンとしては線状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。この混合物からなるフィルムの厚さも約10〜40μmが好ましく、約20〜30μmがより好ましい。またホットメルト層の厚さは10〜50μmが好ましく、20〜40μmがより好ましい。
【0108】
またシーラントフィルム層54として、特願2002−183197号に開示のものを用いてもよい。特願2002−183197号に開示のシーラントフィルムは、エチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとを共重合して得られ、密度(JIS K6922)が0.870 〜0.910 g/cm、MFR(JIS K6921、190℃、2.16kg荷重)が1〜100 g/10分である直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体及びポリスチレンを含む樹脂組成物からなるものである。これにより容器本体のシール面がポリエチレン又はポリスチレンのいずれであっても、本発明の蓋体を熱シールすることにより密封性と易開封性を両立できるマルチシーラント層を形成することができる。
【0109】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体として、具体的には、エチレンと1種類の炭素数3〜18のα−オレフィンとを共重合して得られる2元共重合体、及びエチレンと2種類の炭素数3〜18のα−オレフィンとを共重合して得られる3元共重合体が挙げられる。炭素数が3〜18のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられ、単独で用いても2種以上用いてもよい。
【0110】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体は、密度が0.870 g/cm未満ではブロッキング性が悪く、シーラントフィルム形成時の伸びや破断が起きる可能性があり、フィルムのカット性にも劣る。一方、密度が0.910 g/cmを超えると容器のシール面との接着性に劣る。好ましい密度は0.875 〜0.905 g/cmである。
【0111】
また直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体は、MFRが1 g/10分未満では溶融粘度が高すぎるため押出加工時の延展性が不足し、100 g/10分超だと溶融粘度が低すぎるためネックインが大きく、成形性に劣る。好ましいMFRは2〜80 g/10分である。
【0112】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体は、公知のチタン系触媒またはメタロセン触媒を用いて重合して製造することができるが、重合触媒としてメタロセン化合物を用いて高圧イオン重合、気相重合又は溶液重合により製造した共重合体を用いるのが好ましい。
【0113】
メタロセン触媒としては、例えば特開昭58−19309号、特開昭59−95292号、特開昭60−35005号、特開昭60−35006号、特開昭60−35007号、特開昭60−35008号、特開昭60−35009号、特開昭61−130314号、特開平3−163088号、ヨーロッパ特許出願公開第420,436号明細書、米国特許第5,055,438号明細書、国際公開公報WO91/04257号明細書等に記載されているメタロセン触媒もしくはメタロセン/アルモキサン触媒、又は例えば国際公開公報WO92/07123号明細書等に開示されているようなメタロセン化合物と、かかるメタロセン化合物と反応して安定なイオンとなる化合物とからなる触媒を挙げることができる。
【0114】
このような直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体の具体例としては、商品名「カーネルKF−360」、「カーネルKF−365」、「カーネルKC−650」(いずれも日本ポリケム(株)製)等が挙げられる。
【0115】
ポリスチレンとしては、いわゆる汎用ポリスチレン樹脂、ゴム変性ポリスチレン樹脂及びこれらの混合物を用いることができる。汎用ポリスチレン樹脂として、通常はスチレンホモポリマーを用いる。またゴム変性ポリスチレン樹脂とは、ブタジエンゴム等のゴム状重合体の存在下にスチレン系モノマーを重合して得られるものである。ポリスチレンの分子構造としては直鎖型又は分岐型のいずれを用いても良い。ポリスチレンは、ジビニルベンゼン等の多官能性ビニルモノマーと共重合するか、又は多官能開始剤、多官能連鎖移動剤等を用いて重合することにより分岐型にすることができる。
【0116】
汎用ポリスチレン樹脂又はゴム変性ポリスチレン樹脂の重合に使用されるスチレン系モノマーとしては、スチレンが一般的であるが、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のアルキル置換スチレンも使用できる。ポリスチレンの具体例としては、商品名「PSP−G930」、「HIPS−475D」、「HIPS−HT516」(いずれもエーアンドエムポリスチレン(株)製)等が挙げられる。
【0117】
シーラントフィルムがポリスチレンを含むことにより、上記マルチシーラント層を形成できるだけでなく、引裂性向上効果、ブロッキング防止効果、帯電防止効果等も発現する。
【0118】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体とポリスチレンとの配合割合は、(直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体):(ポリスチレン)の重量比が50:50 〜90:10であるのが好ましく、75:25 〜85:15であるのがより好ましい。
【0119】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体とポリスチレンの合計を100重量%として直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体の割合が90重量%を超えると、容器本体のシール面がポリスチレン樹脂である場合に、接着強度が十分でなくなる。一方ポリスチレンの割合が50重量%を超えると、シール面がポリエチレン樹脂層である場合に、接着強度が十分でなくなる。
【0120】
直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体及びポリスチレンを含む樹脂組成物は、接着性、フィルム強度等を調整するために、密度が0.910 〜0.940 g/cm、MFRが1〜50 g/10分のエチレン系樹脂をさらに含むのが好ましい。このようなエチレン系樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度エチレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。エチレン系樹脂の配合割合は、シーラントフィルムを構成する樹脂組成物全体を100重量%として10 〜30重量%であるのが好ましい。樹脂組成物には、滑剤、アンチブッロキング剤、安定剤、帯電防止剤、着色剤、その他各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
【0121】
以上述べたような直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体及びポリスチレンを含む樹脂組成物からなるシーラントフィルムは、例えば直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリスチレン及びエチレン系樹脂を溶融しておき、Tダイから押し出す等の方法により成膜することができる。このようにして得られるシーラントフィルムの厚さは約10 〜40μmが好ましく、約20 〜30μmがより好ましい。
【0122】
易開封性(易引裂性)を付与するために、シーラントフィルム54にも上記(1)(D)で述べたような方法により、少なくとも一方の面に多数の実質的に平行な線状痕を形成してもよい。この場合蓋体の引裂方向とシーラントフィルムの線状痕方向が一致するようにシーラントフィルム層54を設ける。
【0123】
また易開封性(易引裂性)を付与するために、シーラントフィルム54の少なくとも引裂領域に無数の微細孔を設けてもよい。微細孔はシーラントフィルム54を貫通していても貫通していなくても良い。一般に微細孔は0.5 〜100μmの平均開口径を有し、かつ引裂領域での密度は約500個/cm以上であるのが好ましい。微細孔の密度が約500個/cm未満であると、引裂性が不十分である。なお微細孔密度の上限は技術的に可能な限りいくらでも良く、特に制限されない。
【0124】
シーラントフィルム54に微細孔を形成するには、例えば特公平7−90567号や特開2002−059487号に開示の方法を採用する。特公平7−90567号に開示の長尺多孔質シーラントフィルムの製造方法は、鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上の微粒子が表面に付着された第一ロール(上記(a)で説明したパターン・ロール8と同様のもの)と、表面が平滑な第二ロールとの間に長尺シーラントフィルムを通過させるとともに、各ロール間を通過する長尺シーラントフィルムへの押圧力を各ロールと接触するフィルム面全体に亘って均一となるように調節することにより、第一ロール表面の多数の微粒子の鋭い角部で長尺シーラントフィルムに50μm以下の径を有する貫通又は未貫通の孔を500個/cm以上の密度で多数形成するものである。
【0125】
(4) 遮光性インク層
形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体に遮光性が必要な場合、図6に示すように、遮光性インク層53を設ける。図6に示す例では、遮光性インク層53を予めポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに印刷したインク層形成PETフィルムを作成し、これをシーラントフィルム層54の外側面に設けている。このようなPETフィルムとして、例えば「エンブレットPC」(ユニチカ(株))として市販されている、一軸配向又は配向度が異なる二軸配向のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いることができる。また遮光性インク層53を、ポリブチレンテレフタレートフィルム層51の内側面に設けたり、紙シート層52の一方の面(例えば紙シート層52の内側面)に設けたりすることができる(図示せず)。遮光性インクは、例えばカーボンブラックのような黒色又は暗色の顔料又は染料を含むインクであれば、特に限定的ではない。遮光性インク層53の厚さはインク中の黒色顔料又は染料の濃度に依存するが、一般に紫外線及び可視光線を十分に遮断し得る程度であれば良い。本明細書において「外側面」及び「内側面」とは、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を即席食品用容器等の蓋体として用いた場合における容器に対する外側の面及び内側の面であることを意味する。
【0126】
(5) 層構成例
図4〜図6は、カール性の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体50を即席食品用容器の蓋体用の包装材として用いる場合の層構成を例示する。図4に示す積層体は、基本構成としてポリブチレンテレフタレートフィルム層51と、紙シート52と、シーラントフィルム層54とからなる層構成を示す。ポリブチレンテレフタレートフィルム層51と紙シート52との間には接着剤層56と押出ラミネーションされたポリエチレン層(I)55とからなる接着層(I)があり、紙シート52とシーラントフィルム層54との間には接着剤層56’と押出ラミネーションされたポリエチレン層(II)55’とからなる接着層(II)がある。図4に示す層構成例の場合、ポリブチレンテレフタレートフィルム51及び接着層(I)(55及び56)からなる外側層と、接着層(II) (55’及び56’)及びシーラントフィルム54からなる内側層(A)との層厚比は、外側層/内側層(A)=100/35 〜100/100であるのが好ましい。これにより、ポリブチレンテレフタレートフィルム51のデッドホールド性を有効に機能させることができる。
【0127】
図5は、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の剛性を高め、良好な形状記憶能を付与するために紙シート層52とシーラントフィルム層54との間にポリエチレンテレフタレート層57を設けた例を示す。なお図6において55’’は押出ラミネーションされたポリエチレン層(III)を示し、56’’は接着剤層(III)を示す。図6は、良好な遮光性を付与するためにポリエチレンテレフタレート層57の内側面に遮光性インク層53を設けた例を示す。
【0128】
[3] 形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の用途
上記[1]で述べた製造方法により得られる形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は各種包装材として有用であり、特に即席食品用容器の蓋体に用いる包装材として好適である。
(1) 即席食品用容器の蓋体
上記[1]で述べた方法により製造されるカール形状を記憶した形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を、即席食品用容器の蓋体用の包装材として用いると、アルミニウム箔等の金属を用いなくても、蓋体に十分なデッドホールド性(蓋を剥がした状態で維持できる性質)を付与することができる。即席食品用容器を製造する際、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体が蓋材シール装置により打ち抜き加工され、得られた蓋体は直ちに容器にヒートシールされる。ヒートシールにおいて、蓋体のシール部が蓋材シール装置のシールヘッドにより通常120 〜160℃に加熱され、そのとき蓋体のシール部以外の部分にも熱が加わるため、蓋体は容器にヒートシールされる時にT以上の温度条件下で処理される。そのため蓋体はカール形状を回復し、容器にシールされている間は平坦であるが、容器から剥離することにより形状記憶によるカール形状を示す。すなわち図24に示すように、蓋体2のタブ部3を持って蓋体2を容器本体7からマーク40まで剥離すると、開封によりできたフラップ部はカールしたままに保持され、アルミニウム層を有さなくても十分なデッドホールド性を有する。特に上述のようにポリブチレンテレフタレートフィルムの弾性復元力を保持した伸長状態で紙シートに接着してあると、カール性が一層向上する。従って、そのまま熱湯を注ぐことができる。このようなカール性を有する蓋体は、即席食品用容器の蓋体の他に、ゼリー、プリン等の半固体状食品用容器の蓋体、コーヒーミルク等のポーションパック用の蓋体等の用途に好適である。
【0129】
蓋体をアルミニウムレスとすることにより、焼却処理するときの環境への悪影響を回避できる。容器本体もアルミニウムレスとすれば蓋体を密封後に金属探知機による金属系異物の探知を行うことができる。よって即席食品等の安全性をいっそう高めることができるのみならず、検査コストを著しく低減することができる。
【0130】
上記[2](1)(D)で述べた直線的易裂性ポリブチレンテレフタレートフィルム層を有する形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を即席食品用容器の蓋体に適用した場合、図25に示すように、切り口4,4をタブ部3の両側に設けることにより、蓋体2を容易に部分開封することができる。蓋体2のタブ部3を指で掴んで蓋体2の反対側に引っ張ると、切り口4,4から蓋体2は直線的に引き裂かれ、蓋体2に開口部5ができる。引裂によりできたフラップ部6は十分なデッドホールド性を有し、カールしたままに保持される。従って、そのまま熱湯を開口部5に注げば良い。
【0131】
熱湯を注いだ後、フラップ部6を元の位置に戻すと、フラップ部6の片側又は両側の外縁に紙のギザギザの破断部6a(6a,6a)があるので、それが開口部5の紙のギザギザ5a(5a,5a)の破断部と係合し、フラップ部6は持ち上がらなくなる。なおこの場合開口部5の面積が従来の全面開封式の開口部より小さいのみならず、フラップ部6が開口部5に係止した状態にあるので、容器本体7を誤って転倒させても、熱湯が漏れる量は低減される。なお図25において60は乾燥麺を示す。
【0132】
容器本体7は、例えば紙、発泡スチロール等の合成樹脂により形成することができる。紙製容器本体の場合、焼却が容易であるのみならず、焼却時に環境に悪影響を及ぼすガスが発生しないという利点がある。また発泡スチロール製容器本体の場合、保温性に優れているという利点がある。容器本体7の形状は図示のものに限定されず、内容物の種類に応じて種々変更することができる。
【0133】
蓋体には、特願2002−351576号に記載のように、タブ部に切れ目又はスリット状貫通孔を設けることができる。これによりタブ部を持ち上げると蓋体は外周縁の他端方向に容易に開封でき、開封によりできたフラップ部はデッドホールド性により実質的にカールしたままであり、フラップ部を引き剥がし位置に戻した後、切れ目又はスリット状貫通孔を開口縁部に係止することにより再封できる。切れ目又はスリット状貫通孔は蓋体のシール部内よりも内側に入り込まず且つ開口縁部に係合できる位置に形成する。以下タブ部に切れ目又はスリット状貫通孔を設ける例について詳細に説明する。
【0134】
例えば図26及び図27に示す実施例では、非金属容器本体101の開口縁部111の外縁にほぼ沿った円弧状に形成されたスリット状貫通孔104が、タブ部103に設けられている。このため図28に示すように、蓋体102をめくった後、元の位置に戻し、舌片部131の内縁部を開口縁部111に係止させれば、蓋体102は持ち上がらなくなる。なお図28において、110はタブ部103を持って蓋体102を剥離する限界を示すマークである。
【0135】
図29に詳細に示すように円弧状のスリット状貫通孔104の内縁は蓋体のシール部102a(容器本体101の上端フランジ部111に熱シールされる部分)内に位置し、外縁は開口縁部111の外縁より外側に位置している。一般的にスリット状貫通孔104は、この内縁がシール部102a内よりも内側に入り込まず、且つスリット状貫通孔104の外縁とタブ部103の外縁とで形成される舌片部131の内縁部が開口縁部111に係合できる位置に設けられていればよい。スリット状貫通孔104の内縁が蓋体102のシール部102a内かそれよりも外側に位置していなければならない理由は、開封前には蓋体102が少しの隙間もなく容器本体101に熱シールされていなければならないからである。
【0136】
連続した積層フィルムを打ち抜いて蓋体102を高速で製造する場合の公差は約1mm程度であるので、スリット状貫通孔104の内縁は蓋体102のシール部102aの中心線102a’に関して外周側であるのが好ましく、外周側からシール部102aの幅Dの30〜50%の範囲内であるのがより好ましい。
【0137】
スリット状貫通孔104のスリット幅d及び両端の間隔dは、スリット状貫通孔104とタブ部103の外縁とで形成される舌片部131の内縁部が開口縁部111に係合できるように、開口縁部111の外径、開口縁部111の厚み、タブ部103の大きさ等に応じて、適宜設定すればよい。例えばお湯を注ぐカップ麺の場合、容器本体101の開口縁部111の外径を約10 cmとし、開口縁部111の厚みを3 mmすると、スリット幅dを約1〜4mmとし、両端の間隔dを約3〜6cmとするのが好ましい。以下、スリット状貫通孔104又は切れ目104が異なる蓋体102の別の実施例について後述するが、いずれの実施例においてもスリット状貫通孔104のスリット幅及び両端の間隔、並びに切れ目104の両端の間隔についての要件は、図29について述べたdやdと同じである。
【0138】
図30に示すように、蓋体102には引裂始点としてタブ部103の両側に一対の切り口105,105を設けてもよく、また図31に示すようにタブ部103の一方の側に切り口105を設けてもよい(以下特段の断りがない限り「切り口105」及び「一対の切り口105,105」をまとめて「切り口105」と称する)。これにより蓋体102を容易に開封することができる。引裂始点としての切り口105は、引裂が容易に始まるような形状であれば特に限定されず、例えばI字型ノッチとしたり、V字型ノッチにしたりすることができる。一対の切り口105,105を設ける場合、その間隔Dは、内容物の種類に応じて適宜設定することができる。例えばお湯を注ぐカップ麺の場合、容器本体101の開口縁部111の外径を約10 cmとすると、切り口105,105の間隔Dを約4〜5cmとするのが好ましい。なお喫食時に蓋体102を全面開封するために、図31に示すように蓋体102に第二のタブ部132をタブ部103と反対側の外周縁に一体的に設けても良い。
【0139】
図32は、切れ目又はスリット状貫通孔を備えた蓋体102の別の実施例を示す。この例では、スリット状貫通孔104に代えて、開口縁部111の外縁と略同一の円弧状切れ目104が設けられている。切れ目104以外では蓋体102は図26〜図29に示す実施例と同じで良いので、図26〜図29に示す蓋体102と同じ部分には同じ参照番号を付してある。円弧状切れ目104は蓋体のシール部102a内かそれよりも外側であれば、円弧状切れ目104とタブ部103の外縁とで形成される舌片部131の内縁部が開口縁部111に係合できる位置に設けることができる。好ましくは、蓋体102のシール部102aの中心線102a’に関して外周側の位置である。図32に示すような円弧状切れ目104を設ける場合、その両端には図33に示すようにエッジ切れ防止用の円形の切れ込み141,141を設けるのが好ましい。
【0140】
図34は、切れ目又はスリット状貫通孔を備えた蓋体102のさらに別の実施例を示す。この例では、スリット状貫通孔104が開口縁部111側に湾曲した円弧状に形成されている。なお図26〜図29に示す蓋体102と同じ部分には同じ参照番号を付してある。開口縁部111側に湾曲した円弧状のスリット状貫通孔104は、その内端がシール部102a内かそれよりも外側にあれば、これとタブ部103の外縁とで形成される舌片部131の内縁部が開口縁部111に係合できる位置に設ければよいが、両端部は開口縁部111の外縁かそれより外側に位置するのが好ましい。
【0141】
図35は、切れ目又はスリット状貫通孔を備えた蓋体102のさらに別の実施例を示す。なお図26〜図29に示す蓋体102と同じ部分には同じ参照番号を付してある。この例では、切れ目104が開口縁部111側に湾曲した円弧状に形成されている。開口縁部111側に湾曲した円弧状の切れ目104を設ける位置は、図34に示すスリット状貫通孔104と同様でよい。
【0142】
以上述べた切れ目104やスリット状貫通孔104を図36及び図37に示すようにミシン目状としてもよい。これらの場合、開封によりできたフラップ部を引き剥がし位置に戻し、舌片部131の内縁部を下側に押し込んでミシン目を切断することにより、舌片部131の内縁部を開口縁部111に係止することができる。
【0143】
図38は、切れ目又はスリット状貫通孔を備えた蓋体102のさらに別の実施例を示す。この例では切れ目104は実質的にコの字状に形成されている。なお図26〜図29に示す蓋体102と同じ部分には同じ参照番号を付してある。コの字状切れ目104は直線部142,142と、両直線部142,142を蓋体のシール部102a内で連結する連結部143とからなり、コの字状切れ目104の直線部142,142の先端は開口縁部111の外側に位置している。蓋体102と容器本体101とのシールを確保するために、コの字状切れ目104の連結部143が蓋体のシール部102a内に入り込んだ位置は、蓋体のシール部102aの中心線102a’に関して外周側に位置するのが好ましく、シール部102aの幅の30〜50%の範囲内であるのがより好ましい。コの字状切れ目104は2〜4個形成するのが好ましい。なお各コの字状切れ目104が「実質的にコの字」であるとは、正確にコの字である必要はなく、コの字又はUの字のように一対の直線部と連結部とからなる形状であれば良いことを意味する。
【0144】
図39及び図40は、切れ目又はスリット状貫通孔を備えた蓋体102のさらに別の実施例を示す。これらの例では切れ目104は波型状に形成されている。なお図26〜図29に示す蓋体102と同じ部分には同じ参照番号を付してある。波型状の切れ目104は、その内端がシール部102a内かそれよりも外側であれば、これとタブ部103の外縁とで形成される舌片部131の内縁部を開口縁部111に係止できる位置に設ければよいが、波型の凹凸が蓋体のシール部102a内及び開口縁部111より外側の両領域に渡るように設けるのが好ましい。波型の形状は図示のものに限定されず、適宜変更を加えることができる。なおコの字状切れ目104及び波型状切れ目104についても、上述のようにミシン目状としてもよい。
【0145】
図41及び図42は、本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を即席食品用容器の蓋体に適用した別の実施例を示す。これは特願2002−264398号に記載の湯切り可能な即席食品用容器の蓋体に、本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を適用した例である。図41及び図42に示す実施例では、蓋体202は実質的に円形状であり、タブ部203と、タブ部203に設けられた一対の切れ目204,204により形成された茸状フラップ部203aとを有する。
【0146】
図43に詳細に示すように、切れ目204,204は、タブ部203の外縁から蓋体202のシール部212内まで略L字状に延びて茸状フラップ部203aを形成する略L字部204aと、略L字部204aの先端から蓋体202の外縁と同心円状に延びる円弧部204bとからなり、切れ目204,204の円弧部204b,204bはそれらの先端241,241が互いに離れる方向に延びている。
【0147】
一対の切れ目204,204の円弧部204b,204bはいずれも、蓋体202のシール部212(容器本体201の上端フランジ部201aに熱シールされる部分)内に位置していなければならない。というのは、(イ) 開封前は蓋体202は少しの隙間もなく容器本体201に熱シールされていなければならず、かつ(ロ)茸状フラップ部203aを持って蓋体202を剥離する時には、茸状フラップ部203a及びそれに続く帯状フラップ部206だけが剥離するように、タブ部203の舌片部203bを始めとするその他の部分は容器本体201に密着していなければならないからである。
【0148】
図44は蓋体202が開封された状態を示す。蓋体202は茸状フラップ部203a及び一対の切れ目204,204の円弧部204b,204bを有するので、容易に帯状に開封することができる。茸状フラップ部203a及びそれに続く帯状フラップ部206が剥離した後には、舌片部203b,203bは、容器本体201の上端フランジ部201aに密着したまま残留する。
【0149】
蓋体202をめくった状態で熱湯を注ぎ、図45に示すように、茸状フラップ部203aと帯状フラップ部206を元の位置に戻し、茸状フラップ部203aを舌片部203b,203bに係止させるとともに、帯状フラップ部206の外縁破断部206a,206aを開口部205の側縁破断部205a,205aに係合させれば、帯状フラップ部206は持ち上がらなくなる。
【0150】
これに対して、一対の切れ目204,204の円弧部204b,204bが蓋体202のシール部212内の位置にないと舌片部203b,203bが容器本体201に密着しないため、その位置が変わり易く、茸状フラップ部203aを舌片部203b,203bに係止させにくい。
【0151】
連続した積層フィルムを打ち抜いて蓋体202を高速で製造する場合の公差は約1mm程度であるので、一対の切れ目204,204の円弧部204b,204bはいずれも、蓋体202のシール部212の中心線212aに関して外周側であるのが好ましく、外周側からシール部212の幅Dの30〜50%の範囲内であるのがより好ましい。
【0152】
一対の切り口204,204の先端241,241の間隔dは、内容物の種類に応じて適宜設定することができる。また茸状フラップ部203aは指で摘んで蓋体202を引き裂くのに十分な大きさであれば良い。この時茸状フラップ部203aの柄状部232は、茸状フラップ部203aを持って蓋体202を剥離するのに十分な強度を有すればよいが、その最小幅dは、一対の切り口204,204の先端241,241の間隔d及び茸状フラップ部203aの傘状部231の最大幅dに応じて適宜変更するのが好ましい。例えばお湯を注ぐカップ麺の場合、容器本体201の開口縁部201aの外径を約10 cmすると、切り口204,204の先端241,241の間隔dを約4〜5cmとし、茸状フラップ部203aの傘状部231の最大幅dを約2〜3cmとし、柄状部232の最小幅dを約1〜1.5cmとするのが好ましい。茸状フラップ部203aの形状は図示のものに限定されず、その趣旨を変更しない限り種々の変更を加えることができる。
【0153】
図46及び図47は、本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を即席食品用容器の蓋体に適用した別の実施例を示す。これは特願2002−161680号に記載の湯切り可能な即席食品用容器の蓋体に、本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を適用した例である。図46及び図47に示す実施例では、蓋体302は実質的に円形状であり、第一のタブ部3と第二のタブ部304とはほぼ直径方向に対向する位置に設けられている。第一のタブ部303は湯切り口形成用であり、第二のタブ部304は蓋体302の開封用である。
【0154】
第一のタブ部303は、その両端部付近に設けられた一対の直線状切れ目305a,305bと、両直線状切れ目305a,305bの間に等間隔に形成された複数の実質的にコの字状の切れ目306とを有する。図48に詳細に示すように、各コの字状切れ目306は、一対の直線部306a,306aと、それらの連結部306bとからなり、切れ目306のコの字は、その開口部が蓋体302の内側に向くように配向している。そのため、一対の直線状切れ目305a,305b及び各コの字状切れ目306の直線部306aの先端は、いずれも蓋体302の内側に向いている。なお各切れ目306が「実質的にコの字」であるとは、正確にコの字である必要はなく、コの字又はUの字のように一対の直線部と連結部とからなる形状であれば良いことを意味する。
【0155】
図48(a) に詳細に示すように、一対の直線状切れ目305a,305b及び各コの字状切れ目306の直線部306aの先端はいずれも、蓋体302のシール部312(容器本体301の上端フランジ部301aに熱シールされる部分)内に位置していなければならない。というのは、(イ) 開封前は蓋体302は少しの隙間もなく容器本体301に熱シールされていなければならず、かつ(ロ) 湯切り口の形成のために第一のタブ部303を持って蓋体302を剥離する時には、図中にハッチングで示した部分315だけが剥離するように、その他の部分は容器本体301に密着していなければならないからである。
【0156】
図48(b) はハッチング部分315が開封された状態を示す。ハッチング部分315が剥離した後には、コの字状切れ目306により囲まれた部分及びその延長部分からなる帯片部316は、容器本体301の上端フランジ部301aに密着したまま残留する。これに対して、一対の直線状切れ目305a,305b及び各コの字状切れ目306の直線部306aの先端が蓋体302のシール部312内の位置にないと、第一のタブ部303を持って蓋体302を剥離する時に、一対の直線状切れ目305a,305b及び各コの字状切れ目306の直線部306aのそれぞれ延長線に沿って蓋体302が引き裂かれず、帯片部316も剥離されてしまう。
【0157】
連続した積層フィルムを打ち抜いて蓋体302を高速で製造する場合の公差は約1mm程度であるので、一対の直線状切れ目305a,305b及び各コの字状切れ目306の直線部306aの先端はいずれも、蓋体302のシール部312の中心線312aに関して外周側であるのが好ましく、外周側からシール部312の幅Dの30〜50%の範囲内であるのがより好ましい。
【0158】
第一のタブ部303を持って蓋体302を剥離する時に、一対の直線状切れ目305a,305b及び各コの字状切れ目306の直線部306aのそれぞれ延長線に沿って蓋体302が直線的に引き裂かれるようにする観点から、直線状切れ目305a,305b及び各コの字状切れ目306の直線部306aの方向は、蓋体302の易引裂方向と実質的に一致している必要がある。
【0159】
コの字状切れ目306の数は、一対の直線状切れ目305a,305bの間隔、及びコの字状切れ目306の幅等により適宜決められるが、焼きそばの場合には麺の太さ等を考慮して、1〜6個が好ましく、2〜5個がより好ましい。例えば図49は、正確なコの字型の切れ目306を2個設けた蓋体302の一例を示す。
【0160】
直線状切れ目305a,305bとそれから最も近いコの字状切れ目との間隔d及びコの字状切れ目306同士の間隔dは、3〜10 mmであるのが好ましく、コの字状切れ目6の幅dは3〜10 mmであるのが好ましい。
【0161】
蓋体302には、第一のタブ部303を持って蓋体302を剥離する限界を示すマーク308を設けるのが好ましい。マーク308まで蓋体302を剥離すると、蓋体302及び複数の帯片部316により形成された複数の湯切り口318ができる。湯切り口318の長さはマーク308の位置により決まるので、容器内の即席食品(焼きそば等)が漏れずに効率よく湯切りができるように、マーク308の位置を決める。一般的に湯切り口318の長さは3〜10 mmであればよい。
【0162】
第二のタブ部304は、容器内の即席食品に熱湯を注ぐために蓋体302を開封するためのものである。第二のタブ部304の位置は限定的ではないが、図46及び図47に示す円形の蓋体302の場合、第一のタブ部303と直径方向に対向する位置に設けるのが好ましい。また図46及び図47に示すように、蓋体302の適当な位置に設けたマーク310まで蓋体302を容器本体301のフランジ部301aから全面的に剥離する方式でも良いが、図50に示すように部分的に剥離する方式にしても良い。この場合、第二のタブ部304の両端部付近に一対の切れ目304a,304aを設けておく。第二のタブ部304を持って蓋体302を容器本体301から剥離すると、蓋体302は切れ目304a,304aからそれらの延長線304b,304bに沿って引き裂かれる。延長線304b,304b上に適当なマーク310を設けておけば、そこで引き裂を止めることができる。
【0163】
またマーク310として、図51に示すようなU字型の一対の切り口310を設けても良い。これによりマーク310まで蓋体302を剥離した時に、剥離を停止すべき位置の確認が容易になるとともに、一対のマーク310を結ぶ線310’に沿って蓋体302が屈曲し易くなるので、剥離を容易に止めることができる。なおこのような一対の切り口310の型に限定はなく、例えばV字型のものでも良い(図示せず)。さらにマーク310として、切れ目を設けてもよい(図示せず)。
【0164】
図52は、湯切り口を有する蓋体302のさらに別の実施例を示す。なお図47及び図48に示す蓋体302と同じ部分には同じ参照番号を付してある。この例においては、図47及び図48に示す蓋体302と同様に、各第一のタブ部303は湯切り口形成用である。但し、この例では各第一のタブ部303を一つずつ引裂く。
【0165】
各第一のタブ部303は、その両端部付近に設けられた一対の直線状切れ目305a,305bを有する。図53(a)に詳細に示すように、一対の直線状切れ目305a,305bの先端はいずれも、蓋体302のシール部312内に位置していなければならない。これにより各第一のタブ部303を持って蓋体302を引裂いた時に、図53(b)に示すように図中にハッチングで示した部分315だけを容易に引裂くことができ、帯片部316が容器本体1の上端フランジ部301aに密着したまま残留する。
【0166】
第一のタブ部303の数は、一対の直線状切れ目305a,305bの間隔、帯片部316の幅等により適宜決められるが、焼きそばの場合には麺の太さ等を考慮して、1〜6個 が好ましく、3〜5個がより好ましい。また第一のタブ部303は指で摘んで蓋体302を引き裂くのに十分な大きさであれば良い。第一のタブ部303の型に限定はなく、例えば図52に示すような実質的にコの字状のものが挙げられる。
【0167】
図54は湯切り口を有する蓋体を備えた即席食品用容器の別の例を示す斜視図である。なお図46に示す実施例と同じ部材又は部分には同じ参照番号を付してある。この例では、蓋体302は実質的に長方形状であり、第一のタブ部303と第二のタブ部304とはほぼ対角線方向に対向する位置に設けられている。
【0168】
図55は湯切り口を有する蓋体302のさらに別の実施例を示す。なお図47及び図48に示す蓋体302と同じ部分には同じ参照番号を付してある。この例では、実質的に長方形状の蓋体302の一方の短辺のほぼ中央に第一のタブ部303が設けられており、第二のタブ部304は他方の短辺の対向する位置に設けられている。マーク308は直線状切れ目305a,305bの延長線308a,308a上に設けられており、蓋体302を延長線308a,308aに沿ってマーク308まで引き裂けばよい。
【0169】
図56は湯切り口を有する蓋体302のさらに別の実施例を示す。なお図50及び図55に示す蓋体302と同じ部分には同じ参照番号を付してある。この例では、実質的に長方形状の蓋体302の一方の長辺のほぼ中央に第一のタブ部303が設けられており、第二のタブ部304は他方の長辺の対向する位置に設けられている。
【0170】
図46〜56に示す容器は密封性及び湯切り性が良く、低コストであり、湯を注いだ後湯切りする必要がある焼きそば用の容器として特に有用である。図46〜56に示す容器の蓋体の第二のタブ部304に、図26〜図40に示す切れ目又はスリット状貫通孔を設けてもよい。
【0171】
蓋体は、例えば図57に示すように、形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる積層シート50を打ち抜き加工することにより、一度に複数枚製作する。打ち抜き加工はロールカッター等を用いて行うことができる。蓋体2に一対の切り口を設ける場合は、一対の切り口の方向は長尺紙シートの長手方向(ポリブチレンテレフタレートフィルムが後述する線状痕を有する場合は、その線状痕方向)と一致するようにする(図示せず)。なお打ち抜き加工は多数枚重ねた積層シートに対して行なってもよい。
【0172】
(2) 食品用トレイ
上記[1]で述べた図3に示す例により得られた形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を、平坦なまま各トレイ形状単位長さ毎にカットすることにより、食品用トレイとして使用することができる。例えば図58に示すように、得られた食品用トレイ34に即席冷凍食品35等が乗せられた後、包装用フィルム36により包装され、包装商品37とされる。図58に示すように、包装商品37は食するために電子レンジ38等により加熱されるが、この時温度T以上の温度で加熱処理されることにより、食品用トレイ34は押し型30により形成されたトレイ形状を発現する。このように形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を食品用トレイ34に適用すると、包装商品37の状態ではほぼ平坦なので容積が小さく、輸送や陳列に便利であり、加熱処理されることによりトレイ形状を発現し、食し易い状態にすることができる便利さがある。
【0173】
食品用トレイ34を包装するための包装用フィルム36には、上記[2](1)(D)で述べた特願2002−125045号に開示の方法により、少なくとも一方の面に多数の実質的に平行な線状痕が形成されているのが好ましい。これにより包装用フィルム35は、その配向性に関わらず一方向への直線的易裂性を有し、任意の部位から線状痕に沿って直線的に裂くことができる。よって食する際に、包装用フィルム35を容易に部分開封することができる。特願2002−125045号に開示の方法により形成される線状痕は、フィルムを貫通していないので、包装用フィルム35は線状痕形成後においてもガスバリア性に優れる。
【0174】
【発明の効果】
本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法は、(1) ポリブチレンテレフタレートフィルムとフィルム状成形体とを接着することにより予め積層体を作製し、そのポリブチレンテレフタレートフィルム面を接触面として冷間加工用ロールに摺接させながらポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度以下の温度Tで処理し、もって冷間加工用ロールの外形に沿って冷間加工を施すことによりカール形状を示すカール性積層体を作製する第1工程、(2) 得られたカール性積層体を、二つのニップロール間で平坦に保持しながら加熱空気と接触させることによりガラス転移温度を超える温度Tで急速に焼きなます第2工程、(3)焼きなましにより見かけ上ほぼ平坦にしたカール性積層体を、冷却ロール又は冷却空気と接触させることによりガラス転移温度以下の温度Tまで急冷することにより製造する第3工程を含む。このため本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は、温度T以上条件下で、実質的にカール形状を回復できる形状記憶性を有する。本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は、各種包装材、包装袋、即席食品用容器の蓋材等の用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を製造するための装置の一例を示す概略側面図である。
【図2】形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を製造するための装置の別の例を示す概略側面図である。
【図3】形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を製造するための装置のさらに別の例を示す概略側面図である。
【図4】形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の層構成例を示す断面図である。
【図5】形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の別の層構成例を示す断面図である。
【図6】形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体のさらに別の層構成例を示す断面図である。
【図7】インフレーション成形法によりポリブチレンテレフタレートフィルムを製造する方法の工程を示す概略側面図である。
【図8】バブルを冷却するための装置の一例を示す概略側面図である。
【図9】加湿空気を供給するシステムを示す概略断面図である。
【図10】一軸延伸法によりポリブチレンテレフタレートフィルムを製造する工程の例を示す概略側面図である。
【図11】一軸延伸法によりポリブチレンテレフタレートフィルムを製造する工程の別の例を示す概略側面図である。
【図12】一軸延伸法によりポリブチレンテレフタレートフィルムを製造する工程のさらに別の例を示す概略側面図である。
【図13】ポリブチレンテレフタレートフィルムの進行方向に線状痕を形成するための装置の一例を示す概略側面図である。
【図14】図13に示す装置において、フィルムがパターン・ロールと摺接する面に圧縮空気を吹き付ける様子を示す部分拡大平面図である。
【図15】図14に示す装置において、フィルムがパターン・ロールと摺接する様子を示す部分拡大横断面図である。
【図16】(a)はノズルの一例を示す正面図及び右側面図であり、(b)はノズルの別の例を示す正面図及び右側面図であり、(c)はフードを有するノズルを用いてパターン・ロールに圧縮空気を吹き付ける様子を示すとともに、パターン・ロールへのフィルムの巻き掛け方の例を示す概略側面図である。
【図17】ポリブチレンテレフタレートフィルムの進行方向に対して斜めの線状痕を形成するための装置の一例を示す概略側面図である。
【図18】図17に示す装置において、パターン・ロールが作動する様子を示す部分拡大平面図である。
【図19】(a)はポリブチレンテレフタレートフィルムの進行方向に対して斜めの線状痕を形成するための装置の別の例を示す部分拡大平面図であり、 (b)は(a)の図において(A)方向から見た概略側面図である。
【図20】(a)はポリブチレンテレフタレートフィルムの進行方向に対して斜めの線状痕を形成するための装置の別の例を示す部分拡大平面図であり、(b)は(a)の図において(B)方向から見た概略側面図である。
【図21】ポリブチレンテレフタレートフィルムの進行方向に対して幅方向の線状痕を形成するための装置の一例を示す部分拡大平面図である。
【図22】ポリブチレンテレフタレートフィルムの進行方向に対して幅方向の線状痕を形成するための装置の別の例を示す部分拡大平面図である。
【図23】(a)はポリブチレンテレフタレートフィルムの進行方向に対して幅方向の線状痕を形成するための装置の別の例を示す部分拡大平面図であり、(b)は(a)の図において(C)方向から見た概略側面図である。
【図24】注湯のために、本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体を開封した即席食品用容器を示す斜視図である。
【図25】注湯のために、本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体を部分開封した即席食品用容器を示す斜視図である。
【図26】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体を備えた即席食品用容器の一例を示す斜視図である。
【図27】図26の即席食品用容器を示す平面図である。
【図28】図26の即席食品用容器を開封後再封した様子を示す斜視図である。
【図29】図27の蓋体のタブ部付近を示す部分拡大図である。
【図30】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体の別の例を示す平面図である。
【図31】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図32】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図33】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図34】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図35】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図36】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図37】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図38】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図39】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図40】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図41】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体を備えた即席食品用容器の別の例を示す斜視図である。
【図42】図41の即席食品用容器を示す平面図である。
【図43】図41の蓋体のタブ部付近を示す部分拡大図である。
【図44】図41の即席食品用容器を開封した様子を示す斜視図である。
【図45】図41の即席食品用容器を開封後再封した様子を示す斜視図である。
【図46】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体を備えた即席食品用容器のさらに別の例を示す平面図である。
【図47】図46の即席食品用容器を示す平面図である。
【図48】図46の蓋体の第一のタブ部付近を示す部分拡大図であり、(a) は第一のタブ部付近の蓋体をめくっていない状態を示し、(b) は第一のタブ部付近の蓋体をめくった状態を示す。
【図49】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例の第一のタブ部付近を示す部分拡大図である。
【図50】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図51】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図52】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図53】図52の蓋体の第一のタブ部付近を示す部分拡大図であり、(a) は第一のタブ部付近の蓋体をめくっていない状態を示し、(b) は第一のタブ部付近の蓋体をめくった状態を示す。
【図54】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図55】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図56】本発明の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体のさらに別の例を示す平面図である。
【図57】形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体から複数の蓋体を打ち抜く様子を示す平面図である。
【図58】食品用トレイに用いられた形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体が形状回復する様子を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1・・・ポリブチレンテレフタレートフィルム
10・・・フィルム原反
11・・・カール性積層体
12・・・巻きフィルム
13・・・フィルム状成形体
14・・・積層体
15・・・変形積層体
16・・・コート用フィルム
20・・・ガイドロール
21・・・グラビアロール
22・・・ダイ
23・・・乾燥炉
24・・・圧力調整ロール
25・・・冷却ロール
25’・・・ゴムロール
26・・・冷間加工用ロール
27,27’・・・ニップロール
28・・・冷却ロール
29・・・ヒーター
30・・・押し型
31・・・焼きなまし用ロール
32・・・冷却装置
33・・・巻き取りロール
34・・・食品用トレイ
35・・・即席冷凍食品
36・・・包装用フィルム
37・・・包装商品
38・・・加熱ロール
2・・・蓋体
3・・・タブ部
7・・・非金属容器本体
71・・・開口縁部(上端フランジ部)
2a・・・シール部
4・・・引裂始点(切り口)
5・・・開口部
5a,6a・・・紙シート層のギザギザな破断面
6・・・フラップ部
40・・・マーク
50・・・形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体
51・・・ポリブチレンテレフタレートフィルム層
52・・・紙シート
53・・・遮光性インク層
54・・・シーラントフィルム層
55・・・ポリエチレン(層)(I)
55’・・・ポリエチレン(層)(II)
55’’・・・ポリエチレン(層)(III)
56・・・接着剤(層)(I)
56’・・・接着剤(層)(II)
56’’・・・接着剤(層)(III)
57・・・PET層
60・・・乾燥麺
101・・・非金属容器本体
111・・・開口縁部(上端フランジ部)
102・・・蓋体
102a・・・シール部
102a’・・・シール部の中心線
103・・・タブ部
131・・・舌片部
104・・・スリット状貫通孔(切れ目)
141・・・切れ込み
142・・・コの字状切れ目の直線部
143・・・コの字状切れ目の連結部
105・・・引裂始点(切り口)
105’・・・引裂始点の延長線
106・・・フラップ部
201・・・容器本体
201a・・・上端フランジ部
202・・・蓋体
212・・・シール部
212a・・・シール部の中心線
203・・・タブ部
203a・・・茸状フラップ部
231・・・茸状フラップ部の傘状部
232・・・茸状フラップ部の柄状部
203b・・・舌片部
204・・・切れ目
204a・・・切れ目の略L字部
204b・・・切れ目の円弧部
241・・・切れ目の先端
204’・・・切れ目の延長線
205・・・開口部
205a・・・紙シート層のギザギザな破断面
206・・・帯状フラップ部
206a・・・紙シート層のギザギザな破断面
230・・・乾燥麺
301・・・容器本体
301a・・・上端フランジ部
302・・・蓋体
312・・・シール部
312a・・・シール部の中心線
303・・・第一のタブ部
304・・・第二のタブ部
304a・・・切れ目
304b・・・切れ目の延長線
305a,305b・・・直線状切れ目
306・・・コの字状切れ目
306a・・・直線部
306b・・・連結部
308・・・マーク
308a・・・切れ目の延長線
310,310’・・・マーク
315・・・第一のタブ部付近で剥離する部分(ハッチング部分)
316・・・帯片部
318・・・湯切り口
401・・・環状ダイ
411・・・環状オリフィス
402・・・第一冷却リング
403・・・第二冷却リング
404・・・第三冷却リング
405・・・ネット
406・・・冷却空気吹出装置
407・・・バブル
471・・・ネック部
472・・・膨張部
473・・・バブル領域
474・・・フロストライン
412・・・押出機
413・・・引取り機ニップロール
414・・・巻き取りリール
415・・・加湿器
501・・・加熱キャスティングロール
502・・・第2のロール
503・・・第3のロール
504・・・第4のロール
505・・・溶融樹脂
506・・・結晶化シート
507・・・シート用ダイ
508・・・巻き取りリール
509・・・ガイドロール
510・・・ニップロール
601・・・フィルム
62,621a,621b,622,623a,623b,624a,624b,625a,625b,626a,626b,・・・パターン・ロール
603,603a,603b・・・ブロワー
631・・・吹き出し口
632・・・フード
604・・・ダイヤモンド微粒子
651a,651b,652a,652b,653a,653b・・・パターン・ロール用支持体
661a,661b,662a,662b,663a,663b,664a,664b,665a,665b・・・ガイドレール
607・・・フィルム原反
671,672・・・ニップロール
673,674・・・ガイドロール
675・・・巻き取りリール
608,608a,608b・・・パターン・エンドレスベルト
609・・・フィルムの中心線

Claims (16)

  1. (a) ポリブチレンテレフタレートフィルムと、
    (b) 紙シート、他の熱可塑性樹脂フィルム及び金属箔からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むフィルム状成形体
    とを有する形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法であって、
    (1) 前記ポリブチレンテレフタレートフィルムと前記フィルム状成形体とを接着し、得られた積層体のポリブチレンテレフタレートフィルム面を接触面として冷間加工用ロールに摺接させながら前記ポリブチレンテレフタレートフィルムのガラス転移温度以下の温度Tで処理し、もって前記冷間加工用ロールの外形に沿って冷間加工を施すことによりカール形状を示すカール性積層体を作製し、
    (2) 得られたカール性積層体を、二つのニップロール間で平坦に保持しながら加熱空気と接触させることにより前記ガラス転移温度を超える温度Tで急速に焼きなまし、
    (3) 前記焼きなましにより見かけ上ほぼ平坦にした前記カール性積層体を、冷却ロール又は冷却空気と接触させることにより前記ガラス転移温度以下の温度Tまで急冷する
    ことを特徴とする形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法において、前記温度Tは35 ℃以下であり、前記温度Tは45℃超 〜65℃以下であり、前記温度Tは15 〜25 ℃であることを特徴とする形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法において、前記温度Tは15 〜25 ℃であることを特徴とする形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法において、前記温度Tで急冷したカール性積層体のフィルム状成形体層を内側として室温で巻き取ることにより巻きフィルムとすることを特徴とする形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法において、前記フィルム状成形体は順に、紙シートと、接着剤層及び押出ラミネーションされたポリエチレン層からなる接着層と、シーラントフィルムとからなる層構成を有し、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムと前記フィルム状成形体とを接着する際、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムに予め接着剤層を設け、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの接着剤層と、前記フィルム状成形体の紙シート層とを、ダイより押出された溶融ポリエチレン層を介して押出ラミネーションにより接着することを特徴とする形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法において、前記フィルム状成形体は順に、紙シートと、接着剤層(イ)及び押出ラミネーションされたポリエチレン層(イ)からなる接着層(イ)と、ポリエチレンテレフタレートフィルム層と、接着剤層(ロ)及び押出ラミネーションされたポリエチレン層(ロ)からなる接着層(ロ)と、シーラントフィルムとからなる層構成を有し、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムと前記フィルム状成形体とを接着する際、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムに予め接着剤層を設け、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの接着剤層と、前記フィルム状成形体の紙シート層とを、ダイより押出された溶融ポリエチレン層を介して押出ラミネーションにより接着することを特徴とする形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法。
  7. 請求項6に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法において、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの前記フィルム状成形体層側の面か、又は前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの前記シーラントフィルム層側の面に予め遮光性インク層を設けることを特徴とする形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法において、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムと前記フィルム状成形体とを接着する際、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムに4kgf/m幅以上の張力をかけながら前記フィルム状成形体に接着することを特徴とする形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法。
  9. 請求項8に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法において、前記張力が10 〜20 kgf/m幅であることを特徴とする形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法により得られる形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体であって、前記温度T以上の温度下で実質的に前記カール形状を回復することを特徴とする形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体。
  11. 請求項10に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体において、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの少なくとも一方の面に多数の実質的に平行な線状痕が形成されており、もって任意の部位から前記線状痕に沿って実質的に直線的に裂くことができることを特徴とする形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体。
  12. 請求項11に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体において、前記線状痕の深さは前記ポリブチレンテレフタレートフィルム層の厚みの1〜40%であることを特徴とする形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体。
  13. 請求項11又は12に記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体において、前記線状痕の深さは0.1 〜10μmであり、前記線状痕の幅は0.1 〜10μmであり、かつ前記線状痕同士の間隔は10 〜200μmであることを特徴とする形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体。
  14. 請求項10〜13のいずれかに記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体において、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの少なくとも一方の面にセラミック又は金属が蒸着されていることを特徴とする形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体。
  15. 請求項10〜14のいずれかに記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなることを特徴とする包装材。
  16. 請求項10〜14のいずれかに記載の形状記憶ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなることを特徴とする容器用蓋体。
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