JP2004209418A - 中空糸膜モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化の要求に応えつつ、加湿や除湿を十分に行うことができ、品質にも優れた中空糸膜モジュールを提供する。
【解決手段】加湿効率及び除湿効率に優れた第2中空糸膜122によって円柱状の束を形成し、その外周を覆うように、機械的強度に優れた第1中空糸膜121を配設させて、第1開口部111及び第2開口部112の付近には、第1中空糸膜121が配設されるようにし、第1中空糸膜121によって流体による衝撃を緩衝させて、束内部の中空糸膜が流体から受ける衝撃を少なくした。
【選択図】 図2
【解決手段】加湿効率及び除湿効率に優れた第2中空糸膜122によって円柱状の束を形成し、その外周を覆うように、機械的強度に優れた第1中空糸膜121を配設させて、第1開口部111及び第2開口部112の付近には、第1中空糸膜121が配設されるようにし、第1中空糸膜121によって流体による衝撃を緩衝させて、束内部の中空糸膜が流体から受ける衝撃を少なくした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水分の膜分離を行う中空糸膜を備えた中空糸膜モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、加湿器や除湿器に、水分の膜分離を行う中空糸膜を備えた中空糸膜モジュールを利用したものが知られている。例えば、固体高分子型燃料電池における隔壁(イオン交換膜)を保湿するための加湿器に、中空糸膜モジュールを利用した技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6及び図7を参照して、従来技術に係る中空糸膜モジュールについて説明する。図6は従来技術に係る中空糸膜モジュールの一端側から見た図である。図7は従来技術に係る中空糸膜モジュールの使用状態を示す模式的断面図である。
【0004】
図示のように、従来技術に係る中空糸膜モジュール500は、円筒形状のケース510と、ケース510の内部に充填される複数本の中空糸膜520とを備えている。そして、ケース510の両端部には、中空糸膜520の中空内部のみが開放するように、それぞれ第1ポッティング部531,第2ポッティング部532が設けられている。
【0005】
また、ケース510の側面側の両端には、各ポッティング部よりも中央側に、それぞれ第1開口部511,第2開口部512が設けられている。
【0006】
以上の構成によって、第1ポッティング部531側から中空糸膜モジュール500内に導かれて(図7中矢印S0)、各中空糸膜520の中空内部を通り、第2ポッティング部532側から中空糸膜モジュール500の外部へと抜けていく(図7中矢印S1)、第1経路が形成される。
【0007】
また、ケース510に設けられた第1開口部511から中空糸膜モジュール500内に導かれて(図7中矢印T0)、中空糸膜束内部であって各中空糸膜520の外壁面側を通り、第2開口部512から中空糸膜モジュール500の外部へと抜けていく(図7中矢印T1)、第2経路が形成される。
【0008】
そして、これら第1経路と第2経路のうちの一方に、除湿対象流体(例えば、水蒸気などの湿潤ガスや水)を流し、他方に加湿対象流体(例えば、乾燥気体)を流すことによって、中空糸膜520による膜分離作用によって一方の経路から他方の経路に水分の透過を行わせることができる。
【0009】
これにより、除湿対象流体は除湿され、加湿対象流体は加湿されることになる。従って、以上のように構成される中空糸膜モジュール500を利用することで、加湿や除湿を行うことが可能となる。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−289228公報
【発明が解決しようとする課題】
上述のように加湿や除湿のために利用される中空糸膜モジュールにおける加湿性能や除湿性能を決定する指標としては、透過性能や膜の有効面積などが挙げられる。
【0011】
すなわち、一方の経路から他方の経路に分離される水分の透過速度が速いほど効率良く加湿や除湿を行うことが可能となり、透過速度が速いほど透過性能に優れていると言える。
【0012】
そこで、本発明は、その目的の一つとして、透過性能に優れることが挙げられる。
【0013】
また、中空糸膜の外壁面及び内壁面の有効面積が大きいほど、水分が分離される機会が多くなり、加湿や除湿をより多く行うことができる。
【0014】
そこで、本発明は、その目的の一つとして、膜の有効面積が十分大きいことが挙げられる。
【0015】
ここで、上述したように水分の透過速度を速くするためには、例えば、中空糸膜の膜厚を薄くするなどが考えられるが、膜厚を薄くすることは機械的強度の低下を招くことになる。
【0016】
また、限られたスペース内において膜の有効面積を大きくするためには、中空糸膜の外径を小さくすることが挙げられる。何故ならば、外径が小さければ、充填できる中空糸膜の本数が増えるため、充填スペースにおける容積に対する膜の有効面積の比率が上がり、膜の有効面積が大きくなるからである。
【0017】
しかし、中空糸膜の外径を小さくすると、その分だけ内径も小さくしなければならないが、内径を小さくすると、圧力損失が増えてしまう。従って、できる限り、内径を大きくする必要があるが、そうすると、中空糸膜の膜厚が薄くなってしまい、機械的強度の低下を招くことになる。
【0018】
このように透過性能や膜の有効面積を優先して、機械的強度の低い中空糸膜を利用した場合には、特に、流速の速い箇所において、流体による衝撃によって中空糸膜の揺れが大きくなって、中空糸膜が破損してしまうおそれがある。
【0019】
中空糸膜が破損すると、一方の流路と他方の流路との間でリークが発生し、中空糸膜モジュールが適用される装置に応じた様々な不具合が生ずることになる。
【0020】
そこで、本発明は、その目的の一つとして、中空糸膜の破損を防止することが挙げられる。
【0021】
また、本発明は、その目的の一つとして、小型化の要求に応えつつ、加湿や除湿を十分に行うことができ、品質にも優れていることが挙げられる。
【0022】
更に、本発明は、その目的の一つとして、小型化の要求と、流速が激しい条件下での使用が要求される、燃料電池における隔壁(イオン交換膜)を保湿するための加湿装置に好適に適用可能なことが挙げられる。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0024】
本発明は、充填する中空糸膜として、特性の異なる複数種類の中空糸膜を用いる構成を採用した。そして、流速が速く流体(除湿対象流体あるいは加湿対象流体)による衝撃が大きい領域には、機械的強度の高い第1中空糸膜を配設する構成を採用した。これにより、第1中空糸膜によって流体による衝撃を緩衝することができ、中空糸膜の破損を防止することができる。また、第1中空糸膜自体も膜分離に寄与する。ここで、「機械的強度」とは、機械的な強さを意味するものであり、例えば、機械的性質のうち引張り強さや曲げ強さや衝撃強さなどを意味する。従って、機械的強度が高いほど、流体からうける衝撃に対して揺れにくかったり、切れにくかったりすることになる。
【0025】
また、本発明の他の構成としては、流速が速く流体による衝撃が大きい領域には、膜分離に寄与しない糸を配設する構成を採用した。これにより、この糸によって流体による衝撃を緩衝することができ、中空糸膜の破損を防止することができる。この構成の場合には、膜分離に寄与しない糸が切れたとしても、加湿や除湿の性能に影響を与えることはなく、また、糸が切れた状態であっても、流体による衝撃を緩衝する機能を損なうことはない。
【0026】
ここで、流速が速く流体による衝撃が大きい領域としては、流体が中空糸膜束内に流れ込んでくる領域や中空糸膜束外へ流れ出ていく領域が挙げられる。更に、具体的な例としては、ケースに設けられた流入口や排出口の付近が挙げられる。
【0027】
また、上述の第1中空糸膜は、有効膜面積や透過速度よりも機械的強度を高めることを優先した中空糸膜である。具体的な素材の例としては、ポリメタフェニレンイソフタルアミドやポリイミドが挙げられる。また、通常、第1中空糸膜の膜厚は比較的厚いものが用いられる。
【0028】
一方、第1中空糸膜とは別に、有効膜面積あるいは透過速度のうちの少なくともいずれか一方を優先した第2中空糸膜を設けることによって、加湿性能や除湿性能を高めるようにした。具体的な素材の例としては、イミド系素材が挙げられ、その中でも、好ましくはポリエーテルイミドやポリメタフェニレンイソフタルアミドが挙げられる。
【0029】
そして、本発明における中空糸膜モジュールの更に具体的な構成としては、
ケース内に充填された中空糸膜の中空内部を通る第1経路と、中空糸膜の外壁面側を通る第2経路とを設け、一方の経路に水分を含む除湿対象流体を流し、他方の経路に加湿対象流体を流すことで、中空糸膜の膜分離作用によって一方の経路から他方の経路に水分の透過が行われる中空糸膜モジュールにおいて、
前記ケース内に充填される中空糸膜は、少なくとも第1中空糸膜と第2中空糸膜を含む特性の異なる複数種類の中空糸膜により構成されると共に、
前記第1中空糸膜は第2中空糸膜に比べて機械的強度が高く、かつ、該第1中空糸膜は、前記ケース内に束状に充填された中空糸膜束における束の表面側の領域であって、前記除湿対象流体あるいは加湿対象流体が束内に流れ込んでくる領域及び束外へ流れ出ていく領域のうちの少なくともいずれか一方に配設されていることを特徴とする。
【0030】
本発明の構成により、流体(除湿対象流体あるいは加湿対象流体)が中空糸膜束内に入り込んでくる領域及び束外へ流れ出ていく領域のうちの少なくともいずれか一方において、機械的強度の高い第1中空糸膜によって、流体による衝撃を緩衝することができる。
【0031】
そして、前記第2中空糸膜は第1中空糸膜に比べて外径が小さいと良い。
【0032】
このようにすれば、外径の小さな第2中空糸膜によって、限られたスペース内における膜の有効面積を高めることができ、加湿効率や除湿効率を高めることができる。
【0033】
また、前記第2中空糸膜は第1中空糸膜に比べて透過速度が速いことも好適である。
【0034】
このようにすれば、透過速度の速い第2中空糸膜によって、加湿効率や除湿効率を高めることができる。
【0035】
そして、加湿効率や除湿効率に優れた第2中空糸膜を用いつつ、機械的強度の高い第1中空糸膜を、流体による衝撃の高い領域に配置させることで、中空糸膜の破損を防止しつつ、加湿効率や除湿効率を高めることが可能となる。また、これにより、小型化の要求に応えつつ、加湿や除湿を十分に行うことが可能となる。更に、これにより、燃料電池における隔壁(イオン交換膜)を保湿するための加湿装置に好適に適用することが可能となる。
【0036】
また、本発明における中空糸膜モジュールの別の具体的な構成としては、
ケース内に充填された中空糸膜の中空内部を通る第1経路と、中空糸膜の外壁面側を通る第2経路とを設け、一方の経路に除湿対象流体を流し、他方の経路に加湿対象流体を流すことで、中空糸膜の膜分離作用によって一方の経路から他方の経路に水分の透過が行われる中空糸膜モジュールにおいて、
前記ケース内に束状に充填された中空糸膜束の外側であって、前記除湿対象流体あるいは加湿対象流体が束内に流れ込んでくる領域付近及び束外へ流れ出ていく領域付近のうちの少なくともいずれか一方に膜分離に寄与しない糸が配設されていることを特徴とする。
【0037】
本発明の構成により、流体が中空糸膜束内に入り込んでくる領域付近及び束外へ流れ出ていく領域付近のうちの少なくともいずれか一方において、膜分離に寄与しない糸によって、流体による衝撃を緩衝することができる。
【0038】
以上のように、機械的強度の高い第1中空糸膜あるいは膜分離に寄与しない糸を、流体による衝撃の高い領域に配設することによって、当該衝撃を緩衝できるため、他の領域には、比較的機械的強度の低い中空糸膜を採用することが可能となる。つまり、一般的に加湿効率や除湿効率を優先すると機械的強度が低くなってしまう中空糸膜を採用することが可能となるため、加湿効率及び除湿効率を高めることができる。その結果、中空糸膜の破損を防止しつつ、小型化の要求に応え、かつ、加湿や除湿を十分に行うことも可能となる。
【0039】
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0041】
(第1の実施の形態)
図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る中空糸膜モジュールについて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る中空糸膜モジュールの一端側から見た図である。図2は本発明の第1の実施の形態に係る中空糸膜モジュールの軸線に沿って切断した模式的断面図である。図3は本発明の第1の実施の形態に係る中空糸膜モジュールに配管接続部を備えたハウジングを取り付けた状態における軸線に沿って切断した模式的断面図である。
【0042】
本実施の形態に係る中空糸膜モジュール100は、円筒形状のケース110と、このケース110内に充填される、複数本の第1中空糸膜121、及び複数本の第2中空糸膜122とを備えている。
【0043】
第1中空糸膜121と第2中空糸膜122は、束になってケース110内に充填されている。そして、ケース110の両端部において、各第1中空糸膜121及び各第2中空糸膜122はいずれも中空内部のみが開放するように、第1ポッティング部131及び第2ポッティング部132により封止固定されている。通常、エポキシ等の接着剤によって充填され、これが固化することでポッティング部は形成される。
【0044】
また、ケース110の側面側の両端には、第1ポッティング部131及び第2ポッティング部132よりも中央側に、それぞれ第1開口部111及び第2開口部112が設けられている。本実施の形態では、第1開口部111及び第2開口部112は、ケース110の周方向に沿って複数個設けられている。
【0045】
以上のように構成された中空糸膜モジュール100は、例えば、図3に示すように、その両端に第1ハウジング140及び第2ハウジング150が組み付けられて利用される。
【0046】
第1ハウジング140には、第1配管接続部141と第2配管接続部142が設けられている。同様に、第2ハウジング150にも、第1配管接続部151と第2配管接続部152が設けられている。
【0047】
ここで、第1ハウジング140における第1配管接続部141は、第1ポッティング部131側において、第1中空糸膜121及び第2中空糸膜122における中空内部に通じる流路の一部となる配管の接続部である。また、第1ハウジング140における第2配管接続部142は、第1開口部111からケース110内であって、第1中空糸膜121及び第2中空糸膜122の外壁面側に通じる流路の一部となる配管の接続部である。同様に、第2ハウジング150における第1配管接続部151は、第2ポッティング部132側において、第1中空糸膜121及び第2中空糸膜122における中空内部に通じる流路の一部となる配管の接続部である。また、第2ハウジング150における第2配管接続部152は、第2開口部112からケース110内であって、第1中空糸膜121及び第2中空糸膜122の外壁面側に通じる流路の一部となる配管の接続部である。
【0048】
また、各流路間あるいは流路と外部との間で流体の漏れが発生しないように、これら第1ハウジング140及び第2ハウジング150とケース110との間にはシール性が要求される。従って、第1ハウジング140及び第2ハウジング150をケース110に組み付ける場合には、例えばOリング等のシール部材を介在させつつ、第1ハウジング140及び第2ハウジング150をケース110に組み付ける構成とするのが望ましい。
【0049】
なお、中空糸膜モジュールに組み付ける、配管接続部を備えたハウジングとしては、大別すると、中空糸膜モジュール全体を収納するタイプと、配管接続部を必要とする部分に部分的にハウジングを取り付けるタイプがある。本実施の形態では後者のタイプの一例として、ケース110の両端にそれぞれハウジングを組み付ける構成を示した。勿論、これに限らず、適宜の構成のハウジングを採用することが可能である。
【0050】
以上の構成により、各第1中空糸膜121及び各第2中空糸膜122の中空内部を通る第1経路と、各第1中空糸膜121及び各第2中空糸膜122の外壁面側を通る第2経路が形成される。
【0051】
第1経路を流れる流体に関して更に詳しく説明すると、まず、流体は第2ハウジング150の第1配管接続部151に接続された不図示の配管から第2ハウジング150内に入り、第2ポッティング部132側から中空糸膜モジュール100内に導かれる(図3中矢印S0)。そして、各第1中空糸膜121及び各第2中空糸膜122の中空内部を通り、第1ポッティング部131側から中空糸膜モジュール100の外部へ抜けて、第1ハウジング140の第1配管接続部141に接続された不図示の配管へと流れていく(図3中矢印S1)。
【0052】
次に、第2経路を流れる流体に関して更に詳しく説明すると、まず、流体は第1ハウジング140の第2配管接続部142に接続された不図示の配管から第1ハウジング140内に入り、第1開口部111からケース110内に入る(図3中矢印T0)。そして、中空糸膜束内に入り、各第1中空糸膜121及び各第2中空糸膜122の外壁面側を通っていく。その後、中空糸膜束の外側へ出て、第2開口部112からケース110の外部へと出て行き、第2配管接続部152に接続された不図示の配管へと流れていく(図3中矢印T1)。
【0053】
なお、上述した第1経路と第2経路における流体の流れる方向は、上記の説明とは逆方向でも良いが、加湿効率や除湿効率を考慮すると、中空糸膜における膜の内外において、中空内部における流体の流れる方向と膜外部における流体の流れる方向が逆方向になるのが望ましい。
【0054】
そして、これら第1経路と第2経路のうちの一方に、除湿対象流体(例えば、水蒸気などの湿潤ガスや水)を流し、他方に加湿対象流体(例えば、乾燥気体)を流すことによって、各第1中空糸膜121及び各第2中空糸膜122による膜分離作用によって一方の経路から他方の経路に水分の透過を行わせることができる。
【0055】
これにより、除湿対象流体は除湿され、加湿対象流体は加湿されることになる。従って、以上のように構成される中空糸膜モジュール100を利用することで、加湿や除湿を行うことが可能となる。
【0056】
次に、第1中空糸膜121及び第2中空糸膜122に関して、より詳しく説明する。
【0057】
第1中空糸膜121は、加湿効率や除湿効率を高めるよりも、機械的強度を高めることを優先した特性を有している。少なくとも、第1中空糸膜121は第2中空糸膜122に比べて機械的強度が高くなっている。ここで、第1中空糸膜121の機械的強度を高めるためには、例えば、以下に示す条件のうちの少なくとも1以上を満たすことで達成できる。
【0058】
条件の一つとしては、第1中空糸膜121は、その膜厚が厚いことが挙げられる。より具体的には、少なくとも第1中空糸膜121は第2中空糸膜122に比べて、その外径が大きいか、あるいはその内径が小さいかのうちの少なくともいずれか一方を満たすように構成される。このように、第1中空糸膜121は、その膜厚が厚いことで機械的強度が高くなる。
【0059】
また、他の条件の一つとしては、第1中空糸膜121が、水分の透過速度よりも中空糸膜の破断強度を優先した製造条件によって製造されることが挙げられる。
【0060】
更に、他の条件の一つとしては、第1中空糸膜121の素材が、水分の透過速度よりも中空糸膜の破断強度を優先したものであることが挙げられる。具体的な素材の例としては、ポリメタフェニレンイソフタルアミドやポリイミドが挙げられる。
【0061】
これに対して、第2中空糸膜122は、機械的強度を高めるよりも、加湿効率や除湿効率を高めることを優先した特性を有している。少なくとも、第2中空糸膜122は第1中空糸膜121に比べて加湿効率や除湿効率が高くなっている。
【0062】
ここで、加湿効率や除湿効率を高めるためには、上述のように、水分の透過性能を上げること(透過速度を速くすること)や膜の有効面積を大きくすることが挙げられる。
【0063】
水分の透過性能を上げるためには、例えば、第2中空糸膜122は、その膜厚が薄いか、中空糸膜の破断強度よりも水分の透過性能を優先した製造条件によって製造されるか、その素材が水分の透過性能を優先したものであるか、あるいは、これらのいずれか2つ以上を同時に満足するものであることが挙げられる。
【0064】
また、膜の有効面積を大きくするためには、中空糸膜の外径を小さくすることが挙げられる。何故ならば、外径が小さければ、充填できる中空糸膜の本数が増えるため、充填スペースにおける容積に対する膜の有効面積の比率が上がり、膜の有効面積が大きくなるからである。
【0065】
第2中空糸膜122の主となる素材の具体例としては、イミド系素材が挙げられ、その中でも、好ましくはポリエーテルイミドやポリメタフェニレンイソフタルアミドが挙げられる。
【0066】
以上のように、本実施の形態においては、ケース110内に充填させる中空糸膜として、特性の異なる2種類の第1中空糸膜121と第2中空糸膜122を含ませるようにした。ここで、上述のように、第1中空糸膜121は機械的強度に優れた特性を有し、一方、第2中空糸膜122は加湿効率や除湿効率に優れた特性を有する。なお、機械的強度に優れ、かつ、加湿効率や除湿効率に優れた中空糸膜を用いるのが好ましいことは勿論であるが、これらを同時に満足することは技術的に困難性が伴ってしまう。つまり、通常、加湿効率や除湿効率を高めるほど、機械的強度が低下し、機械的強度を高めるほど、加湿効率や除湿効率が低下してしまう関係にあるからである。
【0067】
そして、本実施の形態では、機械的強度に優れた第1中空糸膜121を、流体(除湿対象流体あるいは加湿対象流体)の流速が速く、流体による衝撃が大きい領域に配設するようにした。
【0068】
ここで、一般的に、中空糸膜モジュールにおいて、流体による衝撃が大きくなる領域について簡単に説明する。
【0069】
通常、中空糸膜の中空内部を通る流体に関しては、特に問題になることはない。一方、中空糸膜の外壁面側を通る流体に関しては、中空糸膜の破断等の要因となる。何故ならば、中空糸膜の外壁面は、そのような流体によって衝撃を受けるため、中空糸膜は揺動する。すると、中空糸膜の根本部分(固化されたポッティング部との界面部分)に応力が集中するため、この部分で破断等が生じることがあるからである。そして、流体による衝撃が大きくなる領域は、流速の速い領域であり、通常、流体の流れが集中する領域に相当する。更に具体的には、一般的に、中空糸膜束内に流れ込んでくる付近や中空糸膜束外に流れ出ていく付近に相当し、流入口付近や排出口付近に相当する。
【0070】
本実施の形態では、円筒形状のケース110の側面に、円周に沿って複数の第1開口部111及び第2開口部112が設けられ、これらの付近が、流速が速く、中空糸膜の受ける衝撃が大きな部分となる。
【0071】
そこで、本実施の形態では、第2中空糸膜122によって円柱状の束を形成し、その外周を覆うように、第1中空糸膜121を配設させるようにした(図1参照)。これにより、少なくとも第1開口部111及び第2開口部112の付近には、第1中空糸膜121が配設されるようにした。
【0072】
以上のように構成したことにより、中空糸膜束内に流れ込む領域及び中空糸膜束外へ流れ出ていく領域においては、機械的強度の高い第1中空糸膜121が配設されており、第1中空糸膜121が破断等による破損を生じてしまうおそれは低い。
【0073】
また、第1中空糸膜121によって流体による衝撃が緩衝されるため、束内部の中空糸膜が流体から受ける衝撃は少ない。従って、加湿効率や除湿効率を優先したことによって、第1中空糸膜121に比べて機械的強度が低くなった第2中空糸膜122においても、流体の衝撃が少ないことから膜破断等の破損が生じてしまうという問題は解消され、品質性に優れる。
【0074】
そして、第2中空糸膜122は加湿効率や除湿効率が高いため、中空糸膜モジュール100全体としてみれば、十分な加湿効率及び除湿効率を発揮するため、十分に加湿や除湿を行うことができる。また、本実施の形態では、第1中空糸膜121自体も加湿や除湿に寄与することからも、十分な加湿効率及び除湿効率を発揮する。
【0075】
次に、上記第1中空糸膜121を配設する領域に関して、更に詳しく説明する。
【0076】
第1開口部111及び第2開口部112の付近に配設する第1中空糸膜121の配設領域の範囲は、ケース110の内径寸法に対して、ケース110の内周面側における開口部の位置から2〜20%、好ましくは、5〜10%の距離の範囲である。その理由は、2%以下の場合には、緩衝機能が十分に発揮されず膜破断のおそれがあり、20%以上の場合には、加湿効率及び除湿効率を十分に高めることが困難であり、小型化の要求にも十分に応えられなくなるからである。
【0077】
以上のように、本実施の形態に係る中空糸膜モジュール100によれば、小型化の要求に応えつつ、加湿や除湿を十分に行うことができ、中空糸膜の破損を防止できることから品質性にも優れている。
【0078】
従って、本実施の形態に係る中空糸膜モジュール100は、燃料電池(固体高分子型燃料電池)における隔壁(イオン交換膜)を保湿するための加湿装置に好適に適用することができる。このような加湿装置については、例えば、特開2002−289228号公報に開示されているが、以下、簡単に説明する。
【0079】
燃料電池においては、水素と酸素の反応により電気と水蒸気が発生するが、この反応時に発生した電気は水分子を伴って移動するため、隔壁(イオン交換膜)を常に保湿しておく必要がある。
【0080】
そして、この保湿を行うために中空糸膜モジュールを利用した加湿装置を用いることが考えられている。このような加湿装置においては、加湿対象気体である乾燥空気を、コンプレッサ等によって中空糸膜モジュールに設けられた2つの経路のうちの一方に流して、乾燥空気が加湿された後に加湿された気体を隔壁に送り込む構成となる。そして、燃料電池においては、反応によって生じた排気ガスに水蒸気が含まれることから、この排気ガスを除湿対象気体として用い、これを中空糸膜モジュールに設けられた2つの経路のうちの他方に流す構成となる。
【0081】
そして、特に車載用に用いられる燃料電池用の加湿装置の場合には、中空糸膜モジュールに流れ込む空気の流量が多く、空気による衝撃が大きい条件下で使用される。また、装置の小型化の要求も高い。そして、装置の小型化に応えるために、中空糸膜モジュールを小型化した場合には、膜の単位面積当たりに対する流体の流量も大きくなるために、一層、中空糸膜が受ける衝撃も大きくなる。なお、空気流量に関しては、定置用の場合が100〜1500NL/min程度であるのに対して、車載用の場合には200〜3500NL/minである。
【0082】
このように、燃料電池用の加湿装置の場合には、これに適用される中空糸膜モジュールに対して、小型化の要求に応えつつ、加湿効率が高く、流体の流れの激しい環境下で中空糸膜の破損が生じないことが要求される。
【0083】
上述した本実施の形態に係る中空糸膜モジュール100は、これらの要求に応えることができ、燃料電池用の加湿装置に好適に用いることができる。
【0084】
これまで説明した本実施の形態に係る中空糸膜モジュール100をより具体化した実施例と、比較例とについて比較実験した結果を説明する。
【0085】
まず、実施例として、ケース110として、内径68mm,両端の側面にそれぞれ8個ずつの孔(第1開口部111及び第2開口部112に相当)を備えた円筒形状のものを用いた。
【0086】
そして、内径が500μm,外径が700μmのポリエーテルイミドからなる第2中空糸膜122を4000本用いて円筒状となるように束ね、内径が750μm,外径が1050μmのポリエーテルイミドからなる第1中空糸膜121を445本用いて、第2中空糸膜122の束の外側を覆うように配設して、2種類の中空糸膜からなる束を、上記のケース110の中に充填して中空糸膜モジュール100を作製した。
【0087】
なお、この場合の第1中空糸膜121の配設領域は、ケース110の内周面から約6mm(ケース110の内径寸法に対して8.8%)であった。
【0088】
これに対して、比較例として、実施例と同じケース内に、内径が500μm,外径が700μmのポリエーテルイミドからなる中空糸膜を5000本束状にして充填して中空糸膜モジュールを作製した。
【0089】
これらの中空糸膜モジュールに対して、中空糸膜の中空内部を通る第1経路には、温度80℃,圧力100kPa,流量1000NL/minの湿潤気体を流し、中空糸膜の外壁面側を通る第2経路には、温度65℃,圧力150kPa,流量2000NL/minの乾燥空気を流すようにした。そして、乾燥空気の流量を、2000NL/minと0NL/minが交互に変化するように繰り返す実験を行った。
【0090】
すると、上記実施例では、10000回繰り返した後も、膜の破断が生じなかったのに対して、比較例では1000回繰り返した後に、膜の破断が確認された。
【0091】
(第2の実施の形態)
図4及び図5には、本発明の第2の実施の形態が示されている。図4は本発明の第2の実施の形態に係る中空糸膜モジュールの模式的断面図である。図5は図4中、AA断面図である。
【0092】
上記第1の実施の形態のように、円筒形状のケースの側面に、流入口も排出口も設ける構成とした場合には、一般的に、中空糸膜束の中心付近の中空糸膜については加湿や除湿に寄与しにくい。そこで、ケースを内管と外管からなる2重構造とすることで、中空糸膜束全体が加湿や除湿に寄与しやすくした構成が知られている。本実施の形態では、そのような構成の場合を説明する。
【0093】
図示のように、本実施の形態に係る中空糸膜モジュール200は、円筒形状の外ケース210と、この外ケース210の内部に同心的に設けられる略円筒形状の内ケース220と、これらのケース間に充填される、複数本の第1中空糸膜231、及び複数本の第2中空糸膜232とを備えている。
【0094】
そして、外ケース210には開口部211が設けられ、内ケース220にも開口部221が設けられている。なお、ポッティング部に関しては、上記第1の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0095】
本実施の形態における第1中空糸膜231と第2中空糸膜232に関しても、上記第1の実施の形態の場合と同様であり、前者は機械的強度を優先した特性を有し、後者は加湿効率及び除湿効率を優先した特性を有し、詳細については、既に説明した通りであるので、その説明は省略する。
【0096】
そして、本実施の形態においては、中空糸膜モジュール200の一方の端面側から各第1中空糸膜231及び各第2中空糸膜232の中空内部に入り(図4中矢印S0)、中空内部を通って、外部へと抜けていく(図4中矢印S1)第1経路が形成される。
【0097】
また、内ケース220内に入り(図4中矢印T0)、その後、内ケース220に設けられた開口部221から中空糸膜束内に入り(図4中矢印T1)、各第1中空糸膜231及び各第2中空糸膜232の外壁面側を通って、外ケース210に設けられた開口部211から外部へと排出される(図4中矢印T2)第2経路が形成される。
【0098】
本実施の形態では、上記第1の実施の形態と比較すると、ケースを2重構造にした分だけ、小型化の要求に対しては欠点を有するが、第2経路に関して、中空糸膜束の全体を流れていく経路となることから、加湿効率や除湿効率が高くなる利点がある。
【0099】
そして、本実施の形態では、内ケース220に設けられた開口部221の付近と、外ケース210に設けられた開口部211の付近で流体の衝撃が大きくなる。従って、本実施の形態では、外ケース210の内周部分と、内ケース220の外周部分に第1中空糸膜231を配設して、これらの間に第2中空糸膜232を配設するようにした。
【0100】
本実施の形態においても、上記第1の実施の形態の場合と同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
【0101】
(その他の実施の形態)
上述した第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態における、機械的強度の高い第1中空糸膜の代わりに、中空糸膜ではなく、膜分離に寄与しない糸、例えば、糸の内部が詰まった(中実)の棒状樹脂を用いることも考えられる。
【0102】
この場合には、膜分離に寄与しない糸自体は、加湿や除湿に寄与されないという欠点を有するものの、この糸自体が切断等した場合でも、リークなどの問題が生じることはなく、また、流体による衝撃を緩衝できる機能を損なわないという利点がある。
【0103】
また、上記第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態において、第1中空糸膜を配設する手法に関しては、特に限定されるものではないが、複数本の第1中空糸膜を並べて簾織りにしたものを用いると好適である。
【0104】
簾織りしたものを用いれば、第2中空糸膜による束の外側に巻きつけることで(第2の実施の形態の場合には、更に、内ケースの外側に巻き付けることで)、所望の領域に容易に第1中空糸膜を配設できるため、作業が容易なものとなる。
【0105】
また、簾織りにしておけば、第1中空糸膜同士の揺れを低減できる効果もあるため、中空糸膜の膜破断を一層防止できる効果もある。
【0106】
また、上記第1の実施の形態では、特性の異なる2種類の中空糸膜を充填する構成を示したが、他にも特性の異なる中空糸膜を充填して、3種類以上の中空糸膜を充填しても良い。例えば、機械的強度や加湿効率等が、第1中空糸膜と第2中空糸膜の中間の特性を有する中空糸膜を第1中空糸膜と第2中空糸膜の間に介在させることが考えられる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、小型化の要求に応えつつ、加湿や除湿を十分に行うことができ、中空糸膜の破損を防止できることから品質性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る中空糸膜モジュールの一端側から見た図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る中空糸膜モジュールの軸線に沿って切断した模式的断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る中空糸膜モジュールに配管接続部を備えたハウジングを取り付けた状態における軸線に沿って切断した模式的断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る中空糸膜モジュールの模式的断面図である。
【図5】図4中、AA断面図である。
【図6】従来技術に係る中空糸膜モジュールの一端側から見た図である。
【図7】従来技術に係る中空糸膜モジュールの使用状態を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
100 中空糸膜モジュール
110 ケース
111 第1開口部
112 第2開口部
121 第1中空糸膜
122 第2中空糸膜
131 第1ポッティング部
132 第2ポッティング部
140 第1ハウジング
141 第1配管接続部
142 第2配管接続部
150 第2ハウジング
151 第1配管接続部
152 第2配管接続部
200 中空糸膜モジュール
210 外ケース
211 開口部
220 内ケース
221 開口部
231 第1中空糸膜
232 第2中空糸膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、水分の膜分離を行う中空糸膜を備えた中空糸膜モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、加湿器や除湿器に、水分の膜分離を行う中空糸膜を備えた中空糸膜モジュールを利用したものが知られている。例えば、固体高分子型燃料電池における隔壁(イオン交換膜)を保湿するための加湿器に、中空糸膜モジュールを利用した技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6及び図7を参照して、従来技術に係る中空糸膜モジュールについて説明する。図6は従来技術に係る中空糸膜モジュールの一端側から見た図である。図7は従来技術に係る中空糸膜モジュールの使用状態を示す模式的断面図である。
【0004】
図示のように、従来技術に係る中空糸膜モジュール500は、円筒形状のケース510と、ケース510の内部に充填される複数本の中空糸膜520とを備えている。そして、ケース510の両端部には、中空糸膜520の中空内部のみが開放するように、それぞれ第1ポッティング部531,第2ポッティング部532が設けられている。
【0005】
また、ケース510の側面側の両端には、各ポッティング部よりも中央側に、それぞれ第1開口部511,第2開口部512が設けられている。
【0006】
以上の構成によって、第1ポッティング部531側から中空糸膜モジュール500内に導かれて(図7中矢印S0)、各中空糸膜520の中空内部を通り、第2ポッティング部532側から中空糸膜モジュール500の外部へと抜けていく(図7中矢印S1)、第1経路が形成される。
【0007】
また、ケース510に設けられた第1開口部511から中空糸膜モジュール500内に導かれて(図7中矢印T0)、中空糸膜束内部であって各中空糸膜520の外壁面側を通り、第2開口部512から中空糸膜モジュール500の外部へと抜けていく(図7中矢印T1)、第2経路が形成される。
【0008】
そして、これら第1経路と第2経路のうちの一方に、除湿対象流体(例えば、水蒸気などの湿潤ガスや水)を流し、他方に加湿対象流体(例えば、乾燥気体)を流すことによって、中空糸膜520による膜分離作用によって一方の経路から他方の経路に水分の透過を行わせることができる。
【0009】
これにより、除湿対象流体は除湿され、加湿対象流体は加湿されることになる。従って、以上のように構成される中空糸膜モジュール500を利用することで、加湿や除湿を行うことが可能となる。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−289228公報
【発明が解決しようとする課題】
上述のように加湿や除湿のために利用される中空糸膜モジュールにおける加湿性能や除湿性能を決定する指標としては、透過性能や膜の有効面積などが挙げられる。
【0011】
すなわち、一方の経路から他方の経路に分離される水分の透過速度が速いほど効率良く加湿や除湿を行うことが可能となり、透過速度が速いほど透過性能に優れていると言える。
【0012】
そこで、本発明は、その目的の一つとして、透過性能に優れることが挙げられる。
【0013】
また、中空糸膜の外壁面及び内壁面の有効面積が大きいほど、水分が分離される機会が多くなり、加湿や除湿をより多く行うことができる。
【0014】
そこで、本発明は、その目的の一つとして、膜の有効面積が十分大きいことが挙げられる。
【0015】
ここで、上述したように水分の透過速度を速くするためには、例えば、中空糸膜の膜厚を薄くするなどが考えられるが、膜厚を薄くすることは機械的強度の低下を招くことになる。
【0016】
また、限られたスペース内において膜の有効面積を大きくするためには、中空糸膜の外径を小さくすることが挙げられる。何故ならば、外径が小さければ、充填できる中空糸膜の本数が増えるため、充填スペースにおける容積に対する膜の有効面積の比率が上がり、膜の有効面積が大きくなるからである。
【0017】
しかし、中空糸膜の外径を小さくすると、その分だけ内径も小さくしなければならないが、内径を小さくすると、圧力損失が増えてしまう。従って、できる限り、内径を大きくする必要があるが、そうすると、中空糸膜の膜厚が薄くなってしまい、機械的強度の低下を招くことになる。
【0018】
このように透過性能や膜の有効面積を優先して、機械的強度の低い中空糸膜を利用した場合には、特に、流速の速い箇所において、流体による衝撃によって中空糸膜の揺れが大きくなって、中空糸膜が破損してしまうおそれがある。
【0019】
中空糸膜が破損すると、一方の流路と他方の流路との間でリークが発生し、中空糸膜モジュールが適用される装置に応じた様々な不具合が生ずることになる。
【0020】
そこで、本発明は、その目的の一つとして、中空糸膜の破損を防止することが挙げられる。
【0021】
また、本発明は、その目的の一つとして、小型化の要求に応えつつ、加湿や除湿を十分に行うことができ、品質にも優れていることが挙げられる。
【0022】
更に、本発明は、その目的の一つとして、小型化の要求と、流速が激しい条件下での使用が要求される、燃料電池における隔壁(イオン交換膜)を保湿するための加湿装置に好適に適用可能なことが挙げられる。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0024】
本発明は、充填する中空糸膜として、特性の異なる複数種類の中空糸膜を用いる構成を採用した。そして、流速が速く流体(除湿対象流体あるいは加湿対象流体)による衝撃が大きい領域には、機械的強度の高い第1中空糸膜を配設する構成を採用した。これにより、第1中空糸膜によって流体による衝撃を緩衝することができ、中空糸膜の破損を防止することができる。また、第1中空糸膜自体も膜分離に寄与する。ここで、「機械的強度」とは、機械的な強さを意味するものであり、例えば、機械的性質のうち引張り強さや曲げ強さや衝撃強さなどを意味する。従って、機械的強度が高いほど、流体からうける衝撃に対して揺れにくかったり、切れにくかったりすることになる。
【0025】
また、本発明の他の構成としては、流速が速く流体による衝撃が大きい領域には、膜分離に寄与しない糸を配設する構成を採用した。これにより、この糸によって流体による衝撃を緩衝することができ、中空糸膜の破損を防止することができる。この構成の場合には、膜分離に寄与しない糸が切れたとしても、加湿や除湿の性能に影響を与えることはなく、また、糸が切れた状態であっても、流体による衝撃を緩衝する機能を損なうことはない。
【0026】
ここで、流速が速く流体による衝撃が大きい領域としては、流体が中空糸膜束内に流れ込んでくる領域や中空糸膜束外へ流れ出ていく領域が挙げられる。更に、具体的な例としては、ケースに設けられた流入口や排出口の付近が挙げられる。
【0027】
また、上述の第1中空糸膜は、有効膜面積や透過速度よりも機械的強度を高めることを優先した中空糸膜である。具体的な素材の例としては、ポリメタフェニレンイソフタルアミドやポリイミドが挙げられる。また、通常、第1中空糸膜の膜厚は比較的厚いものが用いられる。
【0028】
一方、第1中空糸膜とは別に、有効膜面積あるいは透過速度のうちの少なくともいずれか一方を優先した第2中空糸膜を設けることによって、加湿性能や除湿性能を高めるようにした。具体的な素材の例としては、イミド系素材が挙げられ、その中でも、好ましくはポリエーテルイミドやポリメタフェニレンイソフタルアミドが挙げられる。
【0029】
そして、本発明における中空糸膜モジュールの更に具体的な構成としては、
ケース内に充填された中空糸膜の中空内部を通る第1経路と、中空糸膜の外壁面側を通る第2経路とを設け、一方の経路に水分を含む除湿対象流体を流し、他方の経路に加湿対象流体を流すことで、中空糸膜の膜分離作用によって一方の経路から他方の経路に水分の透過が行われる中空糸膜モジュールにおいて、
前記ケース内に充填される中空糸膜は、少なくとも第1中空糸膜と第2中空糸膜を含む特性の異なる複数種類の中空糸膜により構成されると共に、
前記第1中空糸膜は第2中空糸膜に比べて機械的強度が高く、かつ、該第1中空糸膜は、前記ケース内に束状に充填された中空糸膜束における束の表面側の領域であって、前記除湿対象流体あるいは加湿対象流体が束内に流れ込んでくる領域及び束外へ流れ出ていく領域のうちの少なくともいずれか一方に配設されていることを特徴とする。
【0030】
本発明の構成により、流体(除湿対象流体あるいは加湿対象流体)が中空糸膜束内に入り込んでくる領域及び束外へ流れ出ていく領域のうちの少なくともいずれか一方において、機械的強度の高い第1中空糸膜によって、流体による衝撃を緩衝することができる。
【0031】
そして、前記第2中空糸膜は第1中空糸膜に比べて外径が小さいと良い。
【0032】
このようにすれば、外径の小さな第2中空糸膜によって、限られたスペース内における膜の有効面積を高めることができ、加湿効率や除湿効率を高めることができる。
【0033】
また、前記第2中空糸膜は第1中空糸膜に比べて透過速度が速いことも好適である。
【0034】
このようにすれば、透過速度の速い第2中空糸膜によって、加湿効率や除湿効率を高めることができる。
【0035】
そして、加湿効率や除湿効率に優れた第2中空糸膜を用いつつ、機械的強度の高い第1中空糸膜を、流体による衝撃の高い領域に配置させることで、中空糸膜の破損を防止しつつ、加湿効率や除湿効率を高めることが可能となる。また、これにより、小型化の要求に応えつつ、加湿や除湿を十分に行うことが可能となる。更に、これにより、燃料電池における隔壁(イオン交換膜)を保湿するための加湿装置に好適に適用することが可能となる。
【0036】
また、本発明における中空糸膜モジュールの別の具体的な構成としては、
ケース内に充填された中空糸膜の中空内部を通る第1経路と、中空糸膜の外壁面側を通る第2経路とを設け、一方の経路に除湿対象流体を流し、他方の経路に加湿対象流体を流すことで、中空糸膜の膜分離作用によって一方の経路から他方の経路に水分の透過が行われる中空糸膜モジュールにおいて、
前記ケース内に束状に充填された中空糸膜束の外側であって、前記除湿対象流体あるいは加湿対象流体が束内に流れ込んでくる領域付近及び束外へ流れ出ていく領域付近のうちの少なくともいずれか一方に膜分離に寄与しない糸が配設されていることを特徴とする。
【0037】
本発明の構成により、流体が中空糸膜束内に入り込んでくる領域付近及び束外へ流れ出ていく領域付近のうちの少なくともいずれか一方において、膜分離に寄与しない糸によって、流体による衝撃を緩衝することができる。
【0038】
以上のように、機械的強度の高い第1中空糸膜あるいは膜分離に寄与しない糸を、流体による衝撃の高い領域に配設することによって、当該衝撃を緩衝できるため、他の領域には、比較的機械的強度の低い中空糸膜を採用することが可能となる。つまり、一般的に加湿効率や除湿効率を優先すると機械的強度が低くなってしまう中空糸膜を採用することが可能となるため、加湿効率及び除湿効率を高めることができる。その結果、中空糸膜の破損を防止しつつ、小型化の要求に応え、かつ、加湿や除湿を十分に行うことも可能となる。
【0039】
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0041】
(第1の実施の形態)
図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る中空糸膜モジュールについて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る中空糸膜モジュールの一端側から見た図である。図2は本発明の第1の実施の形態に係る中空糸膜モジュールの軸線に沿って切断した模式的断面図である。図3は本発明の第1の実施の形態に係る中空糸膜モジュールに配管接続部を備えたハウジングを取り付けた状態における軸線に沿って切断した模式的断面図である。
【0042】
本実施の形態に係る中空糸膜モジュール100は、円筒形状のケース110と、このケース110内に充填される、複数本の第1中空糸膜121、及び複数本の第2中空糸膜122とを備えている。
【0043】
第1中空糸膜121と第2中空糸膜122は、束になってケース110内に充填されている。そして、ケース110の両端部において、各第1中空糸膜121及び各第2中空糸膜122はいずれも中空内部のみが開放するように、第1ポッティング部131及び第2ポッティング部132により封止固定されている。通常、エポキシ等の接着剤によって充填され、これが固化することでポッティング部は形成される。
【0044】
また、ケース110の側面側の両端には、第1ポッティング部131及び第2ポッティング部132よりも中央側に、それぞれ第1開口部111及び第2開口部112が設けられている。本実施の形態では、第1開口部111及び第2開口部112は、ケース110の周方向に沿って複数個設けられている。
【0045】
以上のように構成された中空糸膜モジュール100は、例えば、図3に示すように、その両端に第1ハウジング140及び第2ハウジング150が組み付けられて利用される。
【0046】
第1ハウジング140には、第1配管接続部141と第2配管接続部142が設けられている。同様に、第2ハウジング150にも、第1配管接続部151と第2配管接続部152が設けられている。
【0047】
ここで、第1ハウジング140における第1配管接続部141は、第1ポッティング部131側において、第1中空糸膜121及び第2中空糸膜122における中空内部に通じる流路の一部となる配管の接続部である。また、第1ハウジング140における第2配管接続部142は、第1開口部111からケース110内であって、第1中空糸膜121及び第2中空糸膜122の外壁面側に通じる流路の一部となる配管の接続部である。同様に、第2ハウジング150における第1配管接続部151は、第2ポッティング部132側において、第1中空糸膜121及び第2中空糸膜122における中空内部に通じる流路の一部となる配管の接続部である。また、第2ハウジング150における第2配管接続部152は、第2開口部112からケース110内であって、第1中空糸膜121及び第2中空糸膜122の外壁面側に通じる流路の一部となる配管の接続部である。
【0048】
また、各流路間あるいは流路と外部との間で流体の漏れが発生しないように、これら第1ハウジング140及び第2ハウジング150とケース110との間にはシール性が要求される。従って、第1ハウジング140及び第2ハウジング150をケース110に組み付ける場合には、例えばOリング等のシール部材を介在させつつ、第1ハウジング140及び第2ハウジング150をケース110に組み付ける構成とするのが望ましい。
【0049】
なお、中空糸膜モジュールに組み付ける、配管接続部を備えたハウジングとしては、大別すると、中空糸膜モジュール全体を収納するタイプと、配管接続部を必要とする部分に部分的にハウジングを取り付けるタイプがある。本実施の形態では後者のタイプの一例として、ケース110の両端にそれぞれハウジングを組み付ける構成を示した。勿論、これに限らず、適宜の構成のハウジングを採用することが可能である。
【0050】
以上の構成により、各第1中空糸膜121及び各第2中空糸膜122の中空内部を通る第1経路と、各第1中空糸膜121及び各第2中空糸膜122の外壁面側を通る第2経路が形成される。
【0051】
第1経路を流れる流体に関して更に詳しく説明すると、まず、流体は第2ハウジング150の第1配管接続部151に接続された不図示の配管から第2ハウジング150内に入り、第2ポッティング部132側から中空糸膜モジュール100内に導かれる(図3中矢印S0)。そして、各第1中空糸膜121及び各第2中空糸膜122の中空内部を通り、第1ポッティング部131側から中空糸膜モジュール100の外部へ抜けて、第1ハウジング140の第1配管接続部141に接続された不図示の配管へと流れていく(図3中矢印S1)。
【0052】
次に、第2経路を流れる流体に関して更に詳しく説明すると、まず、流体は第1ハウジング140の第2配管接続部142に接続された不図示の配管から第1ハウジング140内に入り、第1開口部111からケース110内に入る(図3中矢印T0)。そして、中空糸膜束内に入り、各第1中空糸膜121及び各第2中空糸膜122の外壁面側を通っていく。その後、中空糸膜束の外側へ出て、第2開口部112からケース110の外部へと出て行き、第2配管接続部152に接続された不図示の配管へと流れていく(図3中矢印T1)。
【0053】
なお、上述した第1経路と第2経路における流体の流れる方向は、上記の説明とは逆方向でも良いが、加湿効率や除湿効率を考慮すると、中空糸膜における膜の内外において、中空内部における流体の流れる方向と膜外部における流体の流れる方向が逆方向になるのが望ましい。
【0054】
そして、これら第1経路と第2経路のうちの一方に、除湿対象流体(例えば、水蒸気などの湿潤ガスや水)を流し、他方に加湿対象流体(例えば、乾燥気体)を流すことによって、各第1中空糸膜121及び各第2中空糸膜122による膜分離作用によって一方の経路から他方の経路に水分の透過を行わせることができる。
【0055】
これにより、除湿対象流体は除湿され、加湿対象流体は加湿されることになる。従って、以上のように構成される中空糸膜モジュール100を利用することで、加湿や除湿を行うことが可能となる。
【0056】
次に、第1中空糸膜121及び第2中空糸膜122に関して、より詳しく説明する。
【0057】
第1中空糸膜121は、加湿効率や除湿効率を高めるよりも、機械的強度を高めることを優先した特性を有している。少なくとも、第1中空糸膜121は第2中空糸膜122に比べて機械的強度が高くなっている。ここで、第1中空糸膜121の機械的強度を高めるためには、例えば、以下に示す条件のうちの少なくとも1以上を満たすことで達成できる。
【0058】
条件の一つとしては、第1中空糸膜121は、その膜厚が厚いことが挙げられる。より具体的には、少なくとも第1中空糸膜121は第2中空糸膜122に比べて、その外径が大きいか、あるいはその内径が小さいかのうちの少なくともいずれか一方を満たすように構成される。このように、第1中空糸膜121は、その膜厚が厚いことで機械的強度が高くなる。
【0059】
また、他の条件の一つとしては、第1中空糸膜121が、水分の透過速度よりも中空糸膜の破断強度を優先した製造条件によって製造されることが挙げられる。
【0060】
更に、他の条件の一つとしては、第1中空糸膜121の素材が、水分の透過速度よりも中空糸膜の破断強度を優先したものであることが挙げられる。具体的な素材の例としては、ポリメタフェニレンイソフタルアミドやポリイミドが挙げられる。
【0061】
これに対して、第2中空糸膜122は、機械的強度を高めるよりも、加湿効率や除湿効率を高めることを優先した特性を有している。少なくとも、第2中空糸膜122は第1中空糸膜121に比べて加湿効率や除湿効率が高くなっている。
【0062】
ここで、加湿効率や除湿効率を高めるためには、上述のように、水分の透過性能を上げること(透過速度を速くすること)や膜の有効面積を大きくすることが挙げられる。
【0063】
水分の透過性能を上げるためには、例えば、第2中空糸膜122は、その膜厚が薄いか、中空糸膜の破断強度よりも水分の透過性能を優先した製造条件によって製造されるか、その素材が水分の透過性能を優先したものであるか、あるいは、これらのいずれか2つ以上を同時に満足するものであることが挙げられる。
【0064】
また、膜の有効面積を大きくするためには、中空糸膜の外径を小さくすることが挙げられる。何故ならば、外径が小さければ、充填できる中空糸膜の本数が増えるため、充填スペースにおける容積に対する膜の有効面積の比率が上がり、膜の有効面積が大きくなるからである。
【0065】
第2中空糸膜122の主となる素材の具体例としては、イミド系素材が挙げられ、その中でも、好ましくはポリエーテルイミドやポリメタフェニレンイソフタルアミドが挙げられる。
【0066】
以上のように、本実施の形態においては、ケース110内に充填させる中空糸膜として、特性の異なる2種類の第1中空糸膜121と第2中空糸膜122を含ませるようにした。ここで、上述のように、第1中空糸膜121は機械的強度に優れた特性を有し、一方、第2中空糸膜122は加湿効率や除湿効率に優れた特性を有する。なお、機械的強度に優れ、かつ、加湿効率や除湿効率に優れた中空糸膜を用いるのが好ましいことは勿論であるが、これらを同時に満足することは技術的に困難性が伴ってしまう。つまり、通常、加湿効率や除湿効率を高めるほど、機械的強度が低下し、機械的強度を高めるほど、加湿効率や除湿効率が低下してしまう関係にあるからである。
【0067】
そして、本実施の形態では、機械的強度に優れた第1中空糸膜121を、流体(除湿対象流体あるいは加湿対象流体)の流速が速く、流体による衝撃が大きい領域に配設するようにした。
【0068】
ここで、一般的に、中空糸膜モジュールにおいて、流体による衝撃が大きくなる領域について簡単に説明する。
【0069】
通常、中空糸膜の中空内部を通る流体に関しては、特に問題になることはない。一方、中空糸膜の外壁面側を通る流体に関しては、中空糸膜の破断等の要因となる。何故ならば、中空糸膜の外壁面は、そのような流体によって衝撃を受けるため、中空糸膜は揺動する。すると、中空糸膜の根本部分(固化されたポッティング部との界面部分)に応力が集中するため、この部分で破断等が生じることがあるからである。そして、流体による衝撃が大きくなる領域は、流速の速い領域であり、通常、流体の流れが集中する領域に相当する。更に具体的には、一般的に、中空糸膜束内に流れ込んでくる付近や中空糸膜束外に流れ出ていく付近に相当し、流入口付近や排出口付近に相当する。
【0070】
本実施の形態では、円筒形状のケース110の側面に、円周に沿って複数の第1開口部111及び第2開口部112が設けられ、これらの付近が、流速が速く、中空糸膜の受ける衝撃が大きな部分となる。
【0071】
そこで、本実施の形態では、第2中空糸膜122によって円柱状の束を形成し、その外周を覆うように、第1中空糸膜121を配設させるようにした(図1参照)。これにより、少なくとも第1開口部111及び第2開口部112の付近には、第1中空糸膜121が配設されるようにした。
【0072】
以上のように構成したことにより、中空糸膜束内に流れ込む領域及び中空糸膜束外へ流れ出ていく領域においては、機械的強度の高い第1中空糸膜121が配設されており、第1中空糸膜121が破断等による破損を生じてしまうおそれは低い。
【0073】
また、第1中空糸膜121によって流体による衝撃が緩衝されるため、束内部の中空糸膜が流体から受ける衝撃は少ない。従って、加湿効率や除湿効率を優先したことによって、第1中空糸膜121に比べて機械的強度が低くなった第2中空糸膜122においても、流体の衝撃が少ないことから膜破断等の破損が生じてしまうという問題は解消され、品質性に優れる。
【0074】
そして、第2中空糸膜122は加湿効率や除湿効率が高いため、中空糸膜モジュール100全体としてみれば、十分な加湿効率及び除湿効率を発揮するため、十分に加湿や除湿を行うことができる。また、本実施の形態では、第1中空糸膜121自体も加湿や除湿に寄与することからも、十分な加湿効率及び除湿効率を発揮する。
【0075】
次に、上記第1中空糸膜121を配設する領域に関して、更に詳しく説明する。
【0076】
第1開口部111及び第2開口部112の付近に配設する第1中空糸膜121の配設領域の範囲は、ケース110の内径寸法に対して、ケース110の内周面側における開口部の位置から2〜20%、好ましくは、5〜10%の距離の範囲である。その理由は、2%以下の場合には、緩衝機能が十分に発揮されず膜破断のおそれがあり、20%以上の場合には、加湿効率及び除湿効率を十分に高めることが困難であり、小型化の要求にも十分に応えられなくなるからである。
【0077】
以上のように、本実施の形態に係る中空糸膜モジュール100によれば、小型化の要求に応えつつ、加湿や除湿を十分に行うことができ、中空糸膜の破損を防止できることから品質性にも優れている。
【0078】
従って、本実施の形態に係る中空糸膜モジュール100は、燃料電池(固体高分子型燃料電池)における隔壁(イオン交換膜)を保湿するための加湿装置に好適に適用することができる。このような加湿装置については、例えば、特開2002−289228号公報に開示されているが、以下、簡単に説明する。
【0079】
燃料電池においては、水素と酸素の反応により電気と水蒸気が発生するが、この反応時に発生した電気は水分子を伴って移動するため、隔壁(イオン交換膜)を常に保湿しておく必要がある。
【0080】
そして、この保湿を行うために中空糸膜モジュールを利用した加湿装置を用いることが考えられている。このような加湿装置においては、加湿対象気体である乾燥空気を、コンプレッサ等によって中空糸膜モジュールに設けられた2つの経路のうちの一方に流して、乾燥空気が加湿された後に加湿された気体を隔壁に送り込む構成となる。そして、燃料電池においては、反応によって生じた排気ガスに水蒸気が含まれることから、この排気ガスを除湿対象気体として用い、これを中空糸膜モジュールに設けられた2つの経路のうちの他方に流す構成となる。
【0081】
そして、特に車載用に用いられる燃料電池用の加湿装置の場合には、中空糸膜モジュールに流れ込む空気の流量が多く、空気による衝撃が大きい条件下で使用される。また、装置の小型化の要求も高い。そして、装置の小型化に応えるために、中空糸膜モジュールを小型化した場合には、膜の単位面積当たりに対する流体の流量も大きくなるために、一層、中空糸膜が受ける衝撃も大きくなる。なお、空気流量に関しては、定置用の場合が100〜1500NL/min程度であるのに対して、車載用の場合には200〜3500NL/minである。
【0082】
このように、燃料電池用の加湿装置の場合には、これに適用される中空糸膜モジュールに対して、小型化の要求に応えつつ、加湿効率が高く、流体の流れの激しい環境下で中空糸膜の破損が生じないことが要求される。
【0083】
上述した本実施の形態に係る中空糸膜モジュール100は、これらの要求に応えることができ、燃料電池用の加湿装置に好適に用いることができる。
【0084】
これまで説明した本実施の形態に係る中空糸膜モジュール100をより具体化した実施例と、比較例とについて比較実験した結果を説明する。
【0085】
まず、実施例として、ケース110として、内径68mm,両端の側面にそれぞれ8個ずつの孔(第1開口部111及び第2開口部112に相当)を備えた円筒形状のものを用いた。
【0086】
そして、内径が500μm,外径が700μmのポリエーテルイミドからなる第2中空糸膜122を4000本用いて円筒状となるように束ね、内径が750μm,外径が1050μmのポリエーテルイミドからなる第1中空糸膜121を445本用いて、第2中空糸膜122の束の外側を覆うように配設して、2種類の中空糸膜からなる束を、上記のケース110の中に充填して中空糸膜モジュール100を作製した。
【0087】
なお、この場合の第1中空糸膜121の配設領域は、ケース110の内周面から約6mm(ケース110の内径寸法に対して8.8%)であった。
【0088】
これに対して、比較例として、実施例と同じケース内に、内径が500μm,外径が700μmのポリエーテルイミドからなる中空糸膜を5000本束状にして充填して中空糸膜モジュールを作製した。
【0089】
これらの中空糸膜モジュールに対して、中空糸膜の中空内部を通る第1経路には、温度80℃,圧力100kPa,流量1000NL/minの湿潤気体を流し、中空糸膜の外壁面側を通る第2経路には、温度65℃,圧力150kPa,流量2000NL/minの乾燥空気を流すようにした。そして、乾燥空気の流量を、2000NL/minと0NL/minが交互に変化するように繰り返す実験を行った。
【0090】
すると、上記実施例では、10000回繰り返した後も、膜の破断が生じなかったのに対して、比較例では1000回繰り返した後に、膜の破断が確認された。
【0091】
(第2の実施の形態)
図4及び図5には、本発明の第2の実施の形態が示されている。図4は本発明の第2の実施の形態に係る中空糸膜モジュールの模式的断面図である。図5は図4中、AA断面図である。
【0092】
上記第1の実施の形態のように、円筒形状のケースの側面に、流入口も排出口も設ける構成とした場合には、一般的に、中空糸膜束の中心付近の中空糸膜については加湿や除湿に寄与しにくい。そこで、ケースを内管と外管からなる2重構造とすることで、中空糸膜束全体が加湿や除湿に寄与しやすくした構成が知られている。本実施の形態では、そのような構成の場合を説明する。
【0093】
図示のように、本実施の形態に係る中空糸膜モジュール200は、円筒形状の外ケース210と、この外ケース210の内部に同心的に設けられる略円筒形状の内ケース220と、これらのケース間に充填される、複数本の第1中空糸膜231、及び複数本の第2中空糸膜232とを備えている。
【0094】
そして、外ケース210には開口部211が設けられ、内ケース220にも開口部221が設けられている。なお、ポッティング部に関しては、上記第1の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0095】
本実施の形態における第1中空糸膜231と第2中空糸膜232に関しても、上記第1の実施の形態の場合と同様であり、前者は機械的強度を優先した特性を有し、後者は加湿効率及び除湿効率を優先した特性を有し、詳細については、既に説明した通りであるので、その説明は省略する。
【0096】
そして、本実施の形態においては、中空糸膜モジュール200の一方の端面側から各第1中空糸膜231及び各第2中空糸膜232の中空内部に入り(図4中矢印S0)、中空内部を通って、外部へと抜けていく(図4中矢印S1)第1経路が形成される。
【0097】
また、内ケース220内に入り(図4中矢印T0)、その後、内ケース220に設けられた開口部221から中空糸膜束内に入り(図4中矢印T1)、各第1中空糸膜231及び各第2中空糸膜232の外壁面側を通って、外ケース210に設けられた開口部211から外部へと排出される(図4中矢印T2)第2経路が形成される。
【0098】
本実施の形態では、上記第1の実施の形態と比較すると、ケースを2重構造にした分だけ、小型化の要求に対しては欠点を有するが、第2経路に関して、中空糸膜束の全体を流れていく経路となることから、加湿効率や除湿効率が高くなる利点がある。
【0099】
そして、本実施の形態では、内ケース220に設けられた開口部221の付近と、外ケース210に設けられた開口部211の付近で流体の衝撃が大きくなる。従って、本実施の形態では、外ケース210の内周部分と、内ケース220の外周部分に第1中空糸膜231を配設して、これらの間に第2中空糸膜232を配設するようにした。
【0100】
本実施の形態においても、上記第1の実施の形態の場合と同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
【0101】
(その他の実施の形態)
上述した第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態における、機械的強度の高い第1中空糸膜の代わりに、中空糸膜ではなく、膜分離に寄与しない糸、例えば、糸の内部が詰まった(中実)の棒状樹脂を用いることも考えられる。
【0102】
この場合には、膜分離に寄与しない糸自体は、加湿や除湿に寄与されないという欠点を有するものの、この糸自体が切断等した場合でも、リークなどの問題が生じることはなく、また、流体による衝撃を緩衝できる機能を損なわないという利点がある。
【0103】
また、上記第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態において、第1中空糸膜を配設する手法に関しては、特に限定されるものではないが、複数本の第1中空糸膜を並べて簾織りにしたものを用いると好適である。
【0104】
簾織りしたものを用いれば、第2中空糸膜による束の外側に巻きつけることで(第2の実施の形態の場合には、更に、内ケースの外側に巻き付けることで)、所望の領域に容易に第1中空糸膜を配設できるため、作業が容易なものとなる。
【0105】
また、簾織りにしておけば、第1中空糸膜同士の揺れを低減できる効果もあるため、中空糸膜の膜破断を一層防止できる効果もある。
【0106】
また、上記第1の実施の形態では、特性の異なる2種類の中空糸膜を充填する構成を示したが、他にも特性の異なる中空糸膜を充填して、3種類以上の中空糸膜を充填しても良い。例えば、機械的強度や加湿効率等が、第1中空糸膜と第2中空糸膜の中間の特性を有する中空糸膜を第1中空糸膜と第2中空糸膜の間に介在させることが考えられる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、小型化の要求に応えつつ、加湿や除湿を十分に行うことができ、中空糸膜の破損を防止できることから品質性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る中空糸膜モジュールの一端側から見た図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る中空糸膜モジュールの軸線に沿って切断した模式的断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る中空糸膜モジュールに配管接続部を備えたハウジングを取り付けた状態における軸線に沿って切断した模式的断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る中空糸膜モジュールの模式的断面図である。
【図5】図4中、AA断面図である。
【図6】従来技術に係る中空糸膜モジュールの一端側から見た図である。
【図7】従来技術に係る中空糸膜モジュールの使用状態を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
100 中空糸膜モジュール
110 ケース
111 第1開口部
112 第2開口部
121 第1中空糸膜
122 第2中空糸膜
131 第1ポッティング部
132 第2ポッティング部
140 第1ハウジング
141 第1配管接続部
142 第2配管接続部
150 第2ハウジング
151 第1配管接続部
152 第2配管接続部
200 中空糸膜モジュール
210 外ケース
211 開口部
220 内ケース
221 開口部
231 第1中空糸膜
232 第2中空糸膜
Claims (4)
- ケース内に充填された中空糸膜の中空内部を通る第1経路と、中空糸膜の外壁面側を通る第2経路とを設け、一方の経路に除湿対象流体を流し、他方の経路に加湿対象流体を流すことで、中空糸膜の膜分離作用によって一方の経路から他方の経路に水分の透過が行われる中空糸膜モジュールにおいて、
前記ケース内に充填される中空糸膜は、少なくとも第1中空糸膜と第2中空糸膜を含む特性の異なる複数種類の中空糸膜により構成されると共に、
前記第1中空糸膜は第2中空糸膜に比べて機械的強度が高く、かつ、該第1中空糸膜は、前記ケース内に束状に充填された中空糸膜束における束の表面側の領域であって、前記除湿対象流体あるいは加湿対象流体が束内に流れ込んでくる領域及び束外へ流れ出ていく領域のうちの少なくともいずれか一方に配設されていることを特徴とする中空糸膜モジュール。 - 前記第2中空糸膜は第1中空糸膜に比べて外径が小さいことを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
- 前記第2中空糸膜は第1中空糸膜に比べて透過速度が速いことを特徴とする請求項1または2に記載の中空糸膜モジュール。
- ケース内に充填された中空糸膜の中空内部を通る第1経路と、中空糸膜の外壁面側を通る第2経路とを設け、一方の経路に除湿対象流体を流し、他方の経路に加湿対象流体を流すことで、中空糸膜の膜分離作用によって一方の経路から他方の経路に水分の透過が行われる中空糸膜モジュールにおいて、
前記ケース内に束状に充填された中空糸膜束の外側であって、前記除湿対象流体あるいは加湿対象流体が束内に流れ込んでくる領域付近及び束外へ流れ出ていく領域付近のうちの少なくともいずれか一方に膜分離に寄与しない糸が配設されていることを特徴とする中空糸膜モジュール。
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