JP2004209352A - チャンバーへの物品供給方法および物品供給装置 - Google Patents

チャンバーへの物品供給方法および物品供給装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コンテナ容器34を使ってアイソレータ2内に供給する物品の供給量の調整を可能にする。
【解決手段】アイソレータ2の壁面2cの開口部2eに、フレキシブルスリーブ42を介して接続口36が取り付けられている。接続口は外周のフランジ38と、内部に嵌合された蓋40とを備えている。移送容器34は、開口側にフランジ34aが形成され、内部に蓋50が設けられている。容器34内に滅菌されたゴム栓を収容し、蓋50を閉めて密封した状態で、前記アイソレータの接続口36に容器の開口側を密着させ回転させることにより、両者のフランジ同士を連結し、蓋同士も連結する。両者の蓋を一体的に開放して、容器からアイソレータ内のホッパ6にゴム栓を供給する。接続口がフレキシブルスリーブによってアイソレータに取り付けられているので、容器の位置を自由に変更して、ゴム栓の供給量を調整することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、例えばアイソレータのように、内部空間を外部から遮断したチャンバーの内部に物品を供給する方法および装置に係り、特に、内部を密封した容器内に収容した物品を、外部から遮断した状態のままで、チャンバーの内部空間に供給するようにしたチャンバーへの物品供給方法および物品供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アイソレータのように密閉した空間を有するチャンバーの内部に、充填機や打栓機等の処理装置を設置し、このチャンバー内で充填および打栓等の処理を行う装置がすでに知られている。このようなチャンバー内に設置した装置で処理を行う場合には、ゴム栓等の処理に必要な物品を外部からチャンバー内に供給する必要がある。
【0003】
前記のように外部と遮断されたチャンバーの内部空間に、外部から物品を供給する方法として、内部を密封した容器を物品移送容器として用いたものが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された構造は、チャンバーに内側に開く蓋を設けるとともに、密封容器に外方に開く蓋を設け、これら蓋が、それぞれチャンバーおよび密封容器に設けたフランジの開口部を閉塞するようになっている。そして、チャンバーと密封容器のフランジ同士を合わせ、密封容器を相対的に回転させることにより、両者の蓋に設けられている連結構造によりこれら両蓋を相互に連結し、これら連結状態の蓋を一体としてチャンバーの内部側に開放することにより、チャンバーと密封容器の内部を連通して、密封容器内の物品をチャンバー内に供給する。
【0004】
前記物品移送用の密封容器として、比較的剛性を有するプラスチックや金属により製作されたコンテナ容器と、容易に変形可能な樹脂シートで製作されたバッグ容器とが知られている。コンテナ容器の場合には、チャンバー側の接続部の蓋が垂直な壁面に取り付けられている場合には、物品をコンテナ容器から直接チャンバー内に投入することができないので、通常は、チャンバーの壁面を傾斜させ、この傾斜面に接続部の蓋を取り付けている。
【0005】
【特許文献1】
特許3100508号公報(第2頁、図5)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記のようにチャンバーの傾斜した壁面に接続部の蓋を設けた場合には、コンテナ容器内の物品をチャンバー内に供給することはできるが、コンテナ容器内の物品は一気にチャンバー内に供給されてしまい、供給量を調整することができないという問題があった。また、傾斜壁面を設けるためにチャンバーの製作コストが高くなるという問題もあった。
【0007】
そこで、チャンバー内への物品の供給量を調整するために、物品移送用の密封容器として従来からバッグ容器が用いられている。バッグ容器を用いた場合には、容器の形状や位置を自由に変えることができるので、チャンバー内への物品の供給量を調整でき、しかも、チャンバー側に傾斜面を設ける必要がないので、チャンバーの製作コストを低減することができる。
【0008】
しかしながら、フレキシブルな素材からなるバッグ容器の場合には、輸送中の傷等により破れてしまい、密封状態を維持できないという危険性があった。特に、物品移送用の容器は数が多いので、一個ずつ検査をすることは困難であり、バッグ容器の破れを発見できない危険性があった。
【0009】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、破れるおそれのないコンテナ容器を用いて、供給量を調整可能なチャンバーへの物品供給方法および物品供給装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係るチャンバーへの物品供給方法は、内部空間を外部と遮断するチャンバーの壁面に設けられた接続口に、内部が密封された移送容器の開口側を結合し、チャンバーの接続口の蓋と移送容器の開口側の蓋とを一体的に開放して、前記移送容器内に収容した物品をチャンバー内に供給する方法であって、特に、前記チャンバーの壁面に形成した開口部と前記接続口とを、変形可能な素材からなる連結部材により気密を保持して接続し、前記移送容器内の物品をチャンバー内に供給する際に、前記連結部材の変形により移送容器の傾斜量を調整するものである。
【0011】
この発明方法では、移送容器の開口側と結合されるチャンバーの接続口と、チャンバーの開口部とが、変形可能な素材からなる連結部材により接続されているので、接続口とともに移送容器を移動させることができ、その傾斜量を調整してチャンバー内への物品の供給量を調節することができる。しかも、容器側は、硬質な素材からなるコンテナ容器を用いることができるので、破れるおそれが無く信頼性が高い。
【0012】
また、請求項2に記載の発明に係るチャンバーへの物品供給装置は、内部空間を外部と遮断するとともに、その壁面に接続口が設けられたチャンバーと、内部を密封するとともに、前記チャンバーの接続口の蓋に結合可能な蓋を有する移送容器とを備え、この移送容器の開口側を前記チャンバーの接続口に結合した後、接続口の蓋と移送容器の蓋とを一体的に開放して、チャンバー内に物品を供給するものであって、特に、前記チャンバーの壁面に形成した開口部に、前記接続口を変形可能な素材からなる連結部材を介して気密に取付けるとともに、接続口を支持する支持手段を設けたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により本発明を説明する。図1は本発明の一実施の形態に係るチャンバーへの物品供給装置の概略構成図、図2は要部の拡大断面図である。この実施の形態では、内部空間を外部から遮断するチャンバー(アイソレータ)2内に、バイアル充填打栓機4が設置されており、このチャンバー2内に配置されたホッパ6内に、外部からゴム栓等の物品をを供給する。
【0014】
このアイソレータ2には、過酸化水素ガス発生器等の滅菌ガス供給手段8が設けられている。この滅菌ガス供給手段8は、アイソレータ2の天板2aに設けられたガス供給口10と底部壁面2bに設けられた排気口12との間を接続する配管14に設けられている。この配管14の供給口10側にはフィルタ16が介装されている。また、配管14の供給口10側と排気口12側にそれぞれバルブ18、20が設けられており、これらバルブ18、20を開閉することによって、滅菌ガス供給手段8とアイソレータ2内を連通して滅菌ガスを供給し、または遮断して供給を停止するようになっている。
【0015】
前記供給口10側に設けられたフィルタ16には、別の配管22を介して給気ブロア24が接続されており、この給気ブロア24の作動によりアイソレータ2内に無菌エアを供給できるようになっている。また、この無菌エア供給用配管22にも、バルブ26が設けられている。前記バイアル充填打栓機4の運転中には、アイソレータ2の天井から下方に向けて無菌エアを供給し、一方向流(アイソレータ2内でバイアル充填打栓機4等の装置を運転する際に、この装置から出る粉塵が舞い上がるの防ぐため、室内の天井部から下方へ向けてクリーンエラーを送り、このクリーンエアーによって粉塵を下方に押さえつける働きをさせること)を行うようになっている。なお、前記排気口12には、バルブ28を有する排気管30を介して排気用ブロア32が接続されており、生産運転中には、前記給気ブロア24によってアイソレータ2内に無菌エアを送り込むとともに、この排気ブロア32によってアイソレータ2内の排気を行うようになっている。
【0016】
前記アイソレータ2のホッパ6が配置されている側の側壁2cの、ホッパ6の上面よりもやや上方に開口部2dが形成されている。この開口部2dの周囲には、外方に突出した筒状の係止部2eが設けられている。この開口部2dに、内部が密封された移送容器(コンテナ)34を結合する接続口36を取り付けるようになっている。
【0017】
接続口36は、その外周部を構成するフランジ38と、このフランジ38内に気密を保持して嵌合される蓋40とを備えている。蓋40は外周にテーパ面が形成され、フランジ38の内周部に形成されたテーパ面に密着する。この蓋40には、アイソレータ2の内部側に向けて開放するための取っ手40aが設けられている。
【0018】
接続口36のフランジ38は、外周部38aがアイソレータ2側を向いた筒状になっており、この筒状部38aの外面側と、前記アイソレータ2の開口部2dに形成された筒状係止部2eとの間に、変形可能なシート状の素材からなる筒状の連結部材(フレキシブルスリーブ)42が装着される。フレキシブルスリーブ42の両端部が、前記フランジ36の筒状部38aと開口部2dの筒状係止部2eの外周にそれぞれ嵌合され、クランプ44、46により、気密を保持して固定されている。なお、前記接続口36のフランジ38は、ステンレス等の金属で製作されている。また、フレキシブルスリーブ42は、変形可能な合成樹脂等から製作されている。
【0019】
接続口36は、フレキシブルスリーブ42によってアイソレータ2に取り付けられているので、そのままでは下方に垂れ下がってしまい、フレキシブルスリーブ42に接続部36の重量によって負荷がかかってしまう。そのため、この実施の形態では、接続口36を支持する支持手段48が設けられている。支持手段48は接続口36の下部側に当接する支持部38aと、アイソレータ2が配置されている床面に載置されて支持部48aを支持する支持フレーム38bとを備えており、接続口36を垂直の姿勢に保つようにしている。なお、支持手段48は接続口36を支持できる構成であればよく、アイソレータ2の壁面2cに直接支持フレームを固定しても良い。また、接続口36を下方から支持するのではなく、上方から吊り下げて支持するようにしても良い。
【0020】
前記コンテナ34は、開口側にフランジ34aが設けられており、このフランジ34aの内周側に気密を保持して蓋50が嵌合される。このコンテナ34のフランジ34aと、前記接続口36のフランジ38は、密着させて相対的に回転させると互いに連結される。また、フランジ38、34a同士を連結すると、同時に、接続口36の蓋40とコンテナ34の蓋50とが互いに連結される。
【0021】
以上の構成に係るチャンバーへの物品供給装置の作動について説明する。アイソレータ2内に設置したバイアル充填打栓機4の生産運転前に、アイソレータ2内の滅菌を行う。先ず、滅菌ガス供給手段8の配管14内に設けられているバルブ18、20を開放して過酸化水素ガス発生器等の滅菌ガス供給手段8を作動させる。また、無菌エア供給用配管22のバルブ26、排気用ブロア32の配管30に設けられたバルブ28を閉じる。
【0022】
滅菌ガス供給手段8を作動させると、この滅菌ガス供給手段8で生成した過酸化水素ガス等の滅菌ガスが、供給口10からアイソレータ2内に送り込まれるとともに、排気口12からアイソレータ2内のエアが吸引され、配管14を通って循環する。
【0023】
アイソレータ2内の滅菌を行った後、バイアル充填打栓機4の運転を行う。このときには、滅菌ガス供給手段8の作動を停止させ、その前後のバルブ18、20を閉じる。そして、無菌エア供給用配管22のバルブ26を開放して給気ブロア24を駆動することにより、アイソレータ2内に無菌エアを供給するとともに、排気管30のバルブ28を開放し、排気用ブロア32を駆動してアイソレータ2内のエアを排出する。このようにアイソレータ2の天井から無菌エアを下方に向けて吹き出すことにより前述の一方向流を形成する。
【0024】
アイソレータ2内を前記状態にして、バイアル充填打栓機4によってバイアルに薬剤の充填を行い、その後、ゴム栓の打栓を行う。ホッパ6内に収容されているゴム栓が減少すると、外部からゴム栓の補充を行う。
【0025】
このときには、内部が滅菌されたコンテナ34内に、予め滅菌されたゴム栓を収容し、蓋50によりこのコンテナ34の内部を密封する。ゴム栓を収容したコンテナ34を運び、その開口側に設けられたフランジ34aをアイソレータ2の接続口36のフランジ38に密着させる。この状態でコンテナ34を所定角度回転させると、接続口36のフランジ38とコンテナ34のフランジ34aとが気密を保持した状態で連結される。また、フランジ38、34a同士が連結されると同時に、接続口36の蓋40とコンテナ34の蓋50とが気密を保持した状態で連結される。
【0026】
その後、アイソレータ2に設けられたグローブ等を介して、人手により接続口36の蓋40の取っ手40aを引いて、接続口36の蓋40とコンテナ34の蓋50とを一体としてアイソレータ2の内部側に取り外して開放する。アイソレータ2の接続口36とコンテナ34の内部とが連通し、コンテナ34内のゴム栓等の物品をアイソレータ2内に投入可能になる。そこで、コンテナ34をフレキシブルスリーブ42を介して、アイソレータ2の壁面2cに対して傾斜させることにより必要量のゴム栓をホッパ6内に投入する。
【0027】
前記コンテナ34と連結されている接続口36は、フレキシブルスリーブ42を介してアイソレータ2の開口部2eに取り付けられているので、コンテナ34の傾きや高さを自由に変えることができ、コンテナ34内に収容されているゴム栓のホッパ6内への供給量を調整することができる。しかも、バッグ容器ではなくコンテナ容器34を使えるので、容器が破れて滅菌状態が破壊されるおそれもない。また、アイソレータ2に傾斜面を設ける必要がないので、アイソレータ2の製作費用が少なくてすむ。前記フレキシブルスリーブ42は、表面に蛇腹を備えたベローズでも良い。いずれにしても、変形可能であり、かつ、接続口36をアイソレータ2と密閉可能に連結できるものであれば、その他の材質、形状等であっても良い。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、内部空間を外部と遮断するチャンバーの壁面に設けられた接続口に、内部が密封された移送容器の開口側を結合し、チャンバーの接続口の蓋と移送容器の開口側の蓋とを一体的に開放して、前記移送容器内に収容した物品をチャンバー内に供給するチャンバーへの物品供給方法において、前記チャンバーの壁面に形成した開口部と前記接続口とを、変形可能な素材からなる連結部材により気密を保持して接続し、前記移送容器内の物品をチャンバー内に供給する際に、前記連結部材の変形により移送容器の傾斜量を調整することを可能にしたので、コンテナ容器でも連結部材を変形させることにより傾斜させて物品を供給することができ、物品の供給量を調整することができる。また、バッグ容器でなくコンテナ容器を使えるので、容器の破損のおそれがない。なお、連結部材はフレキシブルな材質を用いるので、穴が開く等の危険があるが、アイソレータに取り付けてあるので、運転時にリーク検査を行うことによりチェック可能である。また、アイソレータに傾斜した壁面を設ける必要がないので、アイソレータの製作コストが低減する。
【0029】
本発明に係るチャンバーへの物品供給装置では、前記物品供給方法を容易に、しかも確実に実施することができる。さらに、接続口を支持手段で支持することにより、フレキシブルな連結部材によけいな負荷をかけずに接続口を支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るチャンバー内への物品供給装置の全体の構成を示す概略図である。
【図2】前記チャンバー内への物品供給装置の要部を拡大して示す図である。
【符号の説明】
2 チャンバー(アイソレータ)
2c チャンバーの壁面
2d チャンバーの開口部
34 移送容器(コンテナ)
36 接続口
40 接続口の蓋
42 連結部材(フレキシブルスリーブ)
50 移送容器の蓋

Claims (2)

  1. 内部空間を外部と遮断するチャンバーの壁面に設けられた接続口に、内部が密封された移送容器の開口側を結合し、チャンバーの接続口の蓋と移送容器の開口側の蓋とを一体的に開放して、前記移送容器内に収容した物品をチャンバー内に供給するチャンバーへの物品供給方法において、
    前記チャンバーの壁面に形成した開口部と前記接続口とを、変形可能な素材からなる連結部材により気密を保持して接続し、前記移送容器内の物品をチャンバー内に供給する際に、前記連結部材の変形により移送容器の傾斜量を調整することを特徴とするチャンバーへの物品供給方法。
  2. 内部空間を外部と遮断するとともに、その壁面に接続口が設けられたチャンバーと、内部を密封するとともに、前記チャンバーの接続口の蓋に結合可能な蓋を有する移送容器とを備え、この移送容器の開口側を前記チャンバーの接続口に結合した後、接続口の蓋と移送容器の蓋とを一体的に開放して、チャンバー内に物品を供給するチャンバー内への物品供給装置において、
    前記チャンバーの壁面に形成した開口部に、前記接続口を変形可能な素材からなる連結部材を介して気密に取付けるとともに、接続口を支持する支持手段を設けたことを特徴とするチャンバーへの物品供給装置。
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