JP2004209099A - マクラの高さの調整方法 - Google Patents

マクラの高さの調整方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004209099A
JP2004209099A JP2003001481A JP2003001481A JP2004209099A JP 2004209099 A JP2004209099 A JP 2004209099A JP 2003001481 A JP2003001481 A JP 2003001481A JP 2003001481 A JP2003001481 A JP 2003001481A JP 2004209099 A JP2004209099 A JP 2004209099A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
macula
height
floor
user
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003001481A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4024152B2 (ja
Inventor
Shuori Yamada
朱織 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2003001481A priority Critical patent/JP4024152B2/ja
Publication of JP2004209099A publication Critical patent/JP2004209099A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4024152B2 publication Critical patent/JP4024152B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Bedding Items (AREA)

Abstract

【課題】頸椎症状を発生させず、また、治癒できるマクラを提供する。
【解決手段】使用者11が横向き姿勢で、頭部6をマクラ120(130)の上に載置して床面10上に寝た状態において、この使用者11の体軸中心線Fと床面10とが、ほぼ平行になるように前記マクラの高さhを調整することを特徴とするマクラの調整方法。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、睡眠状態において人間にとって整理的に重要な意味を持つ寝返りを促し、かつ解剖学的に頸椎を安定して支持し、その結果、肩凝りや手の痺れなどの頸椎症状を解消できる特性を持つマクラ及びそのマクラの高さの調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マクラは、頭部に感触よく接触し、首の部分あるはその近傍から両肩に至るまで柔らかく安定して支持できるような機能を持つものが多く使用されている。
【0003】
消費者は、何を基準にしてマクラを選べばよいのかが、現実問題である。例えば、子供と大人、女性と男性とが違うサイズのマクラを使用することは予想がつく。つまり、体格を主体としてマクラを選定すればよいのである。
【0004】
このように、従来はマクラのサイズに個人に適合したものはなく、多くて男性物が2〜3種類、また、女性物も同様に2〜3種類しか準備されていない。しかし、同性、同年代でも人間の体格の個人差は大きく、マクラの適合性に大きく影響するものである。
【0005】
成人男性を例にとれば、身長150cm代で50kgの人と、身長180cm代で体重90kg代での人では、体格が大きく異なり、それに応じてマクラの高さも異なるべきであるが、現実には前記のように3種類のマクラより選択するほかはなく、これでは余りにも大まかになってしまう。
【0006】
マクラに関して多数の発明が提案されているが、特許公報に記載されたマクラの例を説明すると、次の通りである。
【0007】
1)使用者の好みや気分あるいはその他の状況にあわせて感触や使用感を選択でき、更に、使用者の頭部及びその近傍の血行の促進を目的としてマクラとして合成樹脂発泡シートからなる板状クッション層を下部に配置し、その上に複数枚のクッション材料からなる高通気性と低蓄熱性を持つクッション材料複合層を積層した積層体を形成し、その積層体をメッシュ袋内に収容し、更に、このメッシュ袋には多数個のマグネット片を分散状態で固定したものが提案されている(例えば、特許文献1参照) 。
【0008】
2)また、マクラ本体の上部に、高さ調節用の合成樹脂発泡体シートを複数枚重ね、その上部を直接頭部及び首部に接する表面の被覆体で覆い、その端をマクラ本体の底部に面フアスナーで止めた構造のマクラが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平10─94467号公報
【特許文献2】
特開2001─169887号公報
【0010】
前記のように、一般にはマクラは既製品を購入してそのまま使用する場合が多いが、解剖学的にマクラは頸椎(首部の骨)の安定を図るための大切な器具であり、しかも、使用者の体に合ったマクラを使用することは人間の快適な睡眠のみならず、様々な身体症状の予防および治療において重要なものである。
【0011】
このようにマクラは使用感のみならず、解剖学的に首部の骨、即ち、頸椎の状態を考慮してその高さを決定しなければならないものであるが、通常はこのような医学的な配慮は全くと言ってよい程なされていない。多くのマクラは個人の体格を無視して使用され、その結果、気づかないうちに頸椎に大きな負担をかけ、長期に使用しているうちに肩凝りや頭痛や手や顔面のシビレ等の「頸椎症状」を悪化させている場合が多い。
【0012】
前記のように従来より多数の形状や機能を持つマクラが提案されているが、それらの多くは感触や使用感、更にデザインなどを考慮した快適性を求めることに重点をおき、使用者の好みや気分を選択の基準にすることが多い。
【0013】
例えば、前記特開平10─94467号公報に記載された発明のマクラは、合成樹脂発泡体からなる板状のクッション層と、このクッション層の上に多数のクッション板を積層するように構成し、マクラの高さを使用者の好みに合わせて調節できる構造を持つものを提案している。
【0014】
しかし、この発明は、マクラの「高さ」を如何なる方法あるいは尺度を持って決定したらよいのかを教えるものではなく、従って、使用者は単にマクラの上に頭部を載せた状態における、短時間の使用感を主体にして高さを決めており、このマクラは後述するように、解剖学的に適した高さのものを教示するものではない。
【0015】
また、特開2001─169887号公報に記載された発明のマクラは、頭部の裏側から首部、そして肩部に至るまで全体的に支持できるような断面形状にマクラを形成する構造を提案している。そしてこのマクラは、人が仰向けに寝た状態では頭部から背まで支持するように構成している。
【0016】
従って、多くの場合、マクラの高さは仰向けに寝た状態の使用者の感触により決定しており、かなり高いマクラが選定される傾向がある。このように高いマクラを使用した場合、特に姿勢を横向きに変えると頭部が必要以上に持ち上げられ、その結果として首が「くの字状」に上方に折れ曲がった状態(前傾姿勢)にならざるを得ない。
【0017】
最近は頭部から肩部に至る面積でスッポリと全体を支持し、感触や色彩、そしてデザイン性が重視されたマクラが使用されるようになっている。これは従来から多く使用されていたマクラのように、単に頭部を支持するものと比較すると、かなり変形したデザインのものが多くなっている。
【0018】
また、一般に頭部後方を全体的に安定して支持すると称されているマクラとしてドーナツ型のものがある。このマクラは、中央の穴部あるいは窪みに頭部を載せて後頭部を丸く支持した状態で使用されるもので、一応は仰向けに寝た状態で頭部を安定させることができる。
【0019】
しかし、このマクラは、頭部を左右に回転させるにはマクラの一部が顔面を支持するので、大きな抵抗がある上に、頭頸の安定状態が非常に悪くなる。このような理由から、頸部に負担を掛けることなく寝返りを打つことは不可能に近いものである。
【0020】
【発明が解決すべき課題】
人間の頸椎は生理的に前方に凸に湾曲(生理的前湾)しているが、これは起立時の筋肉によって頭部の重量を支持する安定姿勢からきたものである。これに対して、この起立姿勢からフトンやベッドの上に横たわり、頭部をマクラに載せた場合は、頭部の重量(体重の約10%、8〜10kg)はマクラに支持されることになり、頸椎の状態、つまり首や肩の筋肉が弛緩することになり、首部の筋肉にかかる重量が変化し、その結果、頸椎の状態も変化する。
【0021】
このように首部にかかる負担を実質的に取り除けるのは、就寝時のみであり、この意味において、マクラによる頭部の支持状態は頸椎に大きな影響を与えるものであり、頸椎の姿勢を神経を圧迫しないように保持することは重要である。
【0022】
一方、寝返りは、人間の睡眠において重要なものであり、無意識に行なわれる寝返りという体動によって、人間の体液(血液、リンパ液、関節液など)の流れを促進する。従って、寝返りができない寝姿であると、前記体液が人体の各部で滞り、その結果、痛みや痺れ、血液循環不良などの様々な頸椎症状を引き起こす原因となるのである。
【0023】
言うまでもなく、人体は、体重や身長、頭部の大きさ、頸部の高さ(長さ)や太さ、肩幅、胸と背面との間の厚みなど、個人差が大きい。従って、本来ならば、これらの諸条件を解剖学的に考慮した個人々々に適合するマクラを製作する必要があるが、従来のマクラは、寝返り時の頸椎の安定姿勢まで、全く考慮されていないと言える。
【0024】
マクラを使用する第2の目的は、仰向けあるいは横向けに関係なく、睡眠中における頭部とこれに関連して首部を安定して支持することにあり、マクラはその機能を持つべきである。しかし、実際には人の睡眠の初期から熟睡、そして目覚めに至るまでの睡眠状態の全体、特に寝返りをうち易いかどうかまで考慮されていないことが多い。
【0025】
本発明者は整形外科に関係していることから、人の睡眠状態を観察する機会がしばしばあるが、それによると、就寝の最初は仰向き姿勢(仰臥位)で眠りにつくことが多いが、一晩中そのままの姿勢を維持している人は極めて稀であり、睡眠中に横向き姿勢(側臥位)になったり、元の仰向け姿勢に反転する「寝返り」動作を驚くほど「ダイナミック」に行っていることが多い。従って、この睡眠状態の観察結果からしても、寝返りとマクラとの関係について検討することが重要であることが分かる。
【0026】
なお、人体が横向き(横向き臥床)において安定するための姿勢について説明すると、寝姿を上から見た場合に、体の下側の片手を前方に出し、それに伴なって下側の肩を少し前方に出している。そして体の上側の片手は骨盤の上に載せ、両足は軽く前方に屈曲させて体を前側に倒れないように保持している。この状態を頭部側から見ると、肩の線は床面に垂直な線に対して約30度程度の角度をもって上向き姿勢を保持している。
【0027】
(頸椎の状態について)
前記のように本発明者は多数の人の頸椎症状の原因を解明する目的で睡眠姿勢と頸椎症状との関係について観察する機会があった。その観察結果によると、個人差はあるが、少ない人でも一晩に5〜6回、多い人になると8回あるいはそれ以上も寝返りをうっている。
【0028】
この睡眠中の観察結果から、マクラは、単に、快適性や使用感、そしてデザイン性のみではなく、睡眠中の「寝返り」運動のうち易さを考慮しながら、頸椎を安定して支持できる構造のものを採用することが重要である。
【0029】
即ち、睡眠の初期に仰向き姿勢でマクラの高さを合せて理想的な頸椎の状態を得ることができても、睡眠中期に左右に寝返り運動で横向きになった場合、人体の側面視において、人体の中心線である体軸中心線(例えば鼻と胸骨の中心とを結ぶ線)が直線状に維持できず、多くの場合は体軸中心線に対して頸部の中心線は「くの字形」に上向きに曲がっていることが多い。
【0030】
この頸部の構造を解剖学的に説明すると、図5のように頸部1は椎体2(首の骨)が7個、直列に積み上げられた状態で構成されている。そして人が直立状態にある時は、隣接する椎体2の間に、この椎体2の上下面に形成された小さな窪み3の合面に小さな頸間孔4が形成される。
【0031】
そしてこの頸間孔4の部分より、それぞれ1本の神経5が引き出されており、この神経5は頭部6、頸部1、背部7や図示しない手などに伸びて、人体各部の動きや感覚的な痛みなどを司っている。
【0032】
極端な例であるが、例えば、自動車事故やサッカー等のスポーツによって頭部と頸部に大きな力が作用して外傷を受けた場合に、頸部に痛みを感じ、それに伴なって手に痛みや痺れを感じたり、場合によってはマヒなどの症状を訴える場合がある。この症状は、前記椎体2を安定位置及び間隔で維持している頸部1の筋肉が異常をきたして正常な状態で頭部の支持ができないことを意味している。
【0033】
この現象は、7個からなる椎体2の配列の変化などで椎間孔4が変形し、この椎間孔4を形成している骨の部分で人体各部に通ずる神経5を圧迫して「頸椎症状」を発現したことを意味している。
【0034】
ところで、睡眠においては、前記のように椎間孔4が大きく変形するような場合は少ないものの、長い睡眠時間中の「寝返り動作」により椎体2どうしの位置や姿勢が変化し、それに伴なって椎間孔4の大きさが小さくなり、椎体2により神経5を圧迫して肩凝りや頭痛、更に手や顔面のしびれなどの頸椎症状を引き起すのである。
【0035】
以下に、不適切な高さな形状のマクラを使用した時の椎間孔の変形に伴う症状誘発の機構について説明する。
【0036】
図6〜図8は、仰向け姿勢で床面10上に人体11を横たえた状態の側面図であり、頸部1を形成している椎体2の状態を描いたものである。
【0037】
図6はマクラ12が使用者の体型に対して「低過ぎる」場合で、頸部1を構成する椎体2は上方に凸形に湾曲して配列されている。この状態は図5に示した正常な椎間孔4が異常に狭小になり、その結果、神経5を圧迫している。 また、図8は逆にマクラ12が「高過ぎる」場合で、この場合は頸体2は下方に湾曲して椎間孔4が狭小になって神経5を圧迫している。
【0038】
更に、図7は後述する本発明のマクラ12を使用して椎体2の配列状態が良好な場合を示すもので、これは図6及び図8のマクラの高さが不適な状態とは全く異なり、椎体2の配列が図5に示した立姿勢に近い状態になっており、この状態になると椎間孔4が最大に拡大して、これより引き出される神経5を全く圧迫しないようになっている。
【0039】
なお、従来のマクラの多くは、図7に示すように頸部1の後方の最適空間13が形成されないものが多いが、この最適空間13は人が寝返り運動を行う場合に頭部6を回転させるのに抵抗を少なくするためのものである。
【0040】
ところで、肩凝りや手の痺れなどの頸椎症状を長期間放置しておくと、肩凝りなどが慢性化し、場合によっては頸部1等の筋肉が変形して曲がりが発生したり、肩部7が左右のバランスを失って片方に傾斜したり、手の動きや感覚に支障が生ずるなどの各種の症状を引き起こすことになる。このような現象を避ける意味において、この頸椎症状をなるべく早く解消することが必要である。
【0041】
興味深い話をすれば、この頸椎症状を訴えて整形外科を受診するとき、リハビリテーションの一つである頸椎牽引(頸に革ベルとを付け、前上方に引上る)処方されることがある。この前上方に引く角度こそ、本発明の頸椎安定位、つまり図7に示す椎間孔が最大となる角度なのである。
【0042】
このマクラの高さは、人が仰向けになった状態における床面に平行な線と頸部の中心線とが形成する角度(仰臥角:図1の角度α)と、横向きになった時の体軸の中心線と頭部の中心(鼻の中心)を結ぶ線(側臥線:図2の線F)との関係から決定されなければならないのである。
【0043】
本発明は、従来のマクラの高さと形状に起因する解剖学的な問題点を解消することを目的とするものであって、各種の頸椎症状を解消ないし緩和が自然にできるマクラの高さの調整方法を提供することにある。
【0044】
また、仰向け姿勢と横向き姿勢とにおいても頸椎を安定した位置に保持するとことが可能であり、寝返り動作を安全な状態で、しかも「ダイナミック」に行うことができ、前記両姿勢において図5を参照して説明した椎間孔4を大きく開口した状態に保持することによって、神経5を圧迫することのないマクラの高さの調整方法を提供することにある。
【0045】
更に、別の目的とするところは、体格や体型の異なる人体に対する最適なマクラを提供することにある。
【0046】
本発明者は、人体の特徴である身長と体重と体型(体格)と首部を構成する頸椎の状態、更に、寝返りの状態を観察した結果、マクラの高さの最適な調整方法を開発したものであり、以下にその調整方法を説明する。
【0047】
本発明者は、長年の整形外科医として経験より、頸椎症状を持つ患者のためのマクラの大きさを選定して使用させ、その頸椎症状が回復できるマクラを決定してきた。この方法は患者の体格すなわら身長や太り具合と頸椎症状を観察した上で、マクラの高さの見当をつけて当てがい、そしてマクラの高さを微調整し、更に、この調整されたマクラを使用させて改善度を確認して最適なマクラを決定してきた。
【0048】
しかし、このような患者の就寝状態の観察を考慮してマクラの高さを決定する方法は、長年の経験を持った者、特に頸椎の様子を理解できる者以外が行うことは困難である上に、しかも、その高さの決定にかなりの時間と手順を必要とする問題があった。
【0049】
そこで、本発明者は、身長と体重からマクラの高さを割り出す方法がないものかどうかを検討した結果、下記本発明に到達したのである。
【0050】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係るマクラの高さの調整方法は次の通りである。
【0051】
1)使用者が横向き姿勢で、頭部をマクラの上に載置して床面上に寝た状態において、この使用者の体軸中心線と床面とが、ほぼ平行になるように前記マクラの高さを調整することを特徴としている。
【0052】
2)使用者が横向き姿勢で、頭部を複数枚の弾性板の積層構造を有するマクラの上に載置して床面上に寝た状態において、この使用者の体軸中心線と床面とがぼぼ平行になるように、前記弾性板の枚数を選定して前記マクラの高さを調整することを特徴としている。
【0053】
3)前記体軸中心線は、胸骨の中心部と鼻の中心とを結ぶ線であることを特徴としている。
【0054】
4)使用者が上向き姿勢で、頭部をマクラの上に載置して床面上に寝た状態において、頸椎が床面に平行する線と、この線に対して10度前後の角度で前傾するように前記マクラの高さを調整することを特徴としている。
【0055】
5)使用者が横向き姿勢で、頭部をマクラの上に載置して床面上に寝た状態において、この使用者の体軸中心線と床面とがほぼ平行になると共に、同マクラ上を回転して上向き姿勢において、頸椎が床面に平行する線に対して10度前後の角度で前傾するように前記マクラの高さを調整することを特徴としている。
【0056】
なお、マクラの高さの基準を得るための体格スコアについて説明すると、下記の通りである。
【0057】
6)更に、使用者が横向き姿勢で、頭部をマクラの上に載置して床面上に寝た状態において、この使用者の体軸中心線と床面とが、ほぼ平行になる高さを有し、更に体を仰向けにするために頭部を回転できる弾性を持つマクラと、前記体軸中心線と床面との間の距離を測定できるスケールとの組合わせからなるマクラ装置である。
【0058】
また、本発明に関連する基礎的情報は下記の通りである。
【0059】
A)身長を複数の区分に分けて各区分にスコアを付けて身長スコアとすると共に、体重を複数の区分に分けて各区分にスコアを付けて体重スコアとし、前記身長スコアと体重スコアとを加算して体格スコアとした。
【0060】
そして縦軸にマクラの高さを、横軸に前記体格スコアをとったマクラの高さ決定グラフを作成した。次に、マクラの使用者の身長と体重より前記体格スコアを決定し、この体格スコアを前記マクラの高さ決定グラフに適用してマクラの高さを決定する。
【0061】
B)身長を140cm以下の最小値と、191cm以上の最大値と、141cmから190cmまでの中間値とに分け、前記中間値を4〜6cmの範囲に区分し、前記最小値に最小身長スコアを付し、前記最大値に最大身長スコアを付し、前記中間値に最小身長スコアと最大身長スコアの間の中間身長スコアに漸増するスコアを付した。また、体重を45kg以下の最小値と、101kg以上の最大値と、46kgから100kgまでの中間値とに分け、前記中間値を4〜6kgの範囲に区分し、前記最小値に最小体重スコアを付し、前記最大体重スコアに最大体重スコアを付した。前記中間値に、最小体重スコアと最大体重スコアの間の中間体重スコアに漸増するスコアを付し、前記身長スコアと体重スコアとを加算して体格スコアとした。
そして縦軸にマクラの高さを、横軸に前記体格スコアをとったマクラの高さ決定グラフを作成し、マクラの使用者の身長と体重の測定結果より体格スコアを得て、この体格スコアを前記マクラの高さ決定グラフに適用してマクラの高さを決定する。
【0062】
C)更に具体的には、身長を140cm以下と、141cmから190cmと、更に191cm以上の間を、ほぼ5〜10cm、好ましくは5cm間隔で区分し、前記140cm以下を身長スコア1、前記191cmを身長スコア11として身長スコアを配分した。
また、体重45kg以下と、46kgから100kgと、更に101kg以、上の間を、ぼぼ5〜10kg、好ましくは5kg間隔で区分した。そして前記45kg以下を体重スコア1、前記101kg以上を体重スコア11とし体重スコアを配分した。そして前記身長スコアと体重スコアとを加算して体格スコアを算出した。
【0063】
次に、縦軸にマクラの高さ、横軸に前記体格スコアをとったマクラの高さを決定するためのグラフを作成し、マクラの使用者の身長と体重の測定結果より、体格スコアを選定し、この体格スコアを前記マクラの高さ決定グラフに適用してマクラの高さを決定する。
【0064】
D)上面に凹凸がなく、ほぼ平坦な形状で、頭部の重量を作用させた場合に、後頭部を前記上面に深く埋まらない状態で支持する程度の弾性力を持ったマクラにおいて、マクラの使用者が床面上に横たわった状態で、この使用者の鼻と胸骨の中心部とを結ぶ線と前記床面とが平行になるようにマクラの高さを調整する。
【0065】
E)上面に凹凸がなく、ほぼ平坦な形状で、頭部の重量を作用させた場合に、後頭部を前記上面に深く埋まらない状態で支持する程度の弾性力を持ったマクラであり、このマクラは、使用者が仰臥姿勢と横臥姿勢とに寝姿勢を回転させた時、前記上面の凹凸により頭部の回転を妨害しないように弾性支持する。
【0066】
F)マクラの高さの調節には、複数枚のシート、好ましくはウレタン等の合成樹脂発泡体シートを使用すること、3〜6mm、特に5mmのシートを使用すること短時間に使用者に適したマクラの高さを調整することができる。
【0067】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0068】
図1は、人が睡眠する初期に多い仰向け姿勢(仰臥姿勢)であり、床面10上に人体11が仰向けに寝て、頭部6の下面にマクラ120を置いた状態を示している。
【0069】
図1におけるポイントAは背部と床面11の接触点、ポイントBは頸部1の背後のマクラ等に支持されない空間点、更にポイントCはマクラ120に頭部6が支持される支承点をそれぞれ示している。本発明のマクラは、通常のマクラと異なり、ポイントAとCとで頭部6の重量を支持し、ポイントBでは可及的にマクラ120で支持されない、非支持点としている。
【0070】
このように頭部6をマクラ120上のポイントCで支持できるということは、マクラ120の表面と後頭部6aの沈んだ深さdが余り大きくないことを意味しており、頭部6の大きさとその重さにもよるが、その沈んだ深さdは後頭部6aに堅さや圧迫感を感じない程度である。
【0071】
従って、このマクラ120は表面層と下層の二層構造、あるいは下層と中間層と表面層の三層構造のものが主として採用される。また、このマクラ120に使用する素材はウレタンフォームのシートを採用しているが、具体的には、(株)シンワ(東京都荒川区)の軟質ウレタンフォームで、厚さが5,15,20,50mmのシートを組合せて構成するのが良いが、これに限定されるものではない。
特に微調整が必要な場合には5mmを中心として4,6あるいは7mmなど、各種の厚さのもの等を準備しておくのが便利である。
【0072】
(マクラの使用感)
本発明に係るマクラ120は、使用初期においては頭部6をやや硬めの合成樹脂発泡体の上に弾力を持って、余り沈まない状態で支持された感触であり、一般のマクラに比較すると堅めのものを使用している。
【0073】
従って、仰向け姿勢から横向き姿勢に寝返りにより寝姿が変化する際、頭部6がマクラ120の平坦な上面を左右にコロコロと自由に回転することができる柔らかさと弾性力を持っている。
【0074】
なお、参考として提示した特開2001─169887号公報に記載されたマクラは、図3に記載されているように、図1におけるポイントA、B及びC、更に頭部6の後面を全面的に支持するようになっている。しかも、このマクラは頭部の後方を比較的柔らかく広く支持しているので、一見すると安定感があるように思われる。しかし、これは寝返りの際に大きな抵抗を発生するので、簡単に頸椎を簡単に安定させることはできない。
【0075】
図1に示す仰向け姿勢(仰臥姿勢)は、睡眠初期に多くの人がとる状態であるが、この場合における直線Dは床面10と平行する基準線(仮想線)である。そして線Eは、頭部6がやや上向きに傾斜した姿勢にある場合の頸椎1の角度、つまり、「仰臥角α」を示している。
【0076】
この仰臥角αを形成する状態は、頭部6がマクラ120によって上方に持ち上げられた形であり、これは、解剖学的に椎間孔4(図5及び図7参照)が最も拡大した状態であり、神経5は最も自由で圧迫されない状態にある。
【0077】
仰向け姿勢における線Dと線Eとのなす角の仰臥角αは、多数の寝姿のデータより、10度を中心としてプラス・マイナス2〜3度程度であり、この範囲を越えると頭部6を持ち上げる状態となり、前記したように椎間孔4が縮小して神経5を圧迫することになるので、これを避けるようにマクラ120の高さを調整する必要がある。
【0078】
図2は、横向き姿勢(横臥姿勢)におけるマクラ120の高さと人体11の姿勢との関係を示すものである。この状態では下側になる手11aを人体11の前の方に投げ出したように伸ばして人体11が前のめりになることを防いでいる。なお、上側の手の置き所と脚部の屈伸状態は前記した通りである。
【0079】
この場合の人体11の胸骨の中心点Mと、鼻の中心点Nとを通る直線F(体軸中心線)が、床面10とほぼ「平行」になるような高さにマクラ120を調整する必要がある。
【0080】
前記のように図1に示す仰臥角αは10度前後が最も適している。そしてこの仰臥角αを得るマクラの高さhは、図2に示す床面10に平行する体軸中心線Fとを満足するマクラ120の高さhに相当している点も興味のあることである。
【0081】
この高さが、本発明でいう「快適マクラの高さ」であり、このマクラの高さhを維持するように、個人々々のマクラの高さを調整すると、解剖学的に頸部1が最も安定し、図5あるいは図7に示す椎体2の間の椎間孔4が最も拡開した状態となっていることは言うまでもない。
【0082】
次に、本発明の基礎データに関係する、マクラの使用者の身長、体重、体型とマクラの高さを解剖学的に決定した手順について説明する。
(身長スコア、体重スコア、体格スコア)
本発明は、マクラの高さを簡単に調整ないし割出す方法を提供するものであるが、その裏付けを確認するために、体格を決定する指数(点数)として、「身長スコアと体重スコア」を規定し、これを下記の表1にまとめた。そしてこれらの二つのスコアを加算したスコアを、「体格スコア」とした。
【0083】
この身長スコアと体重スコアの決定には、本発明者が接触した頸椎疾患の患者、約50名のデータを整理して得られたものである。これのデータは図4に示されている。
【0084】
この図4のデータを得るために、まず、2cm刻みにマクラの高さを設定したが、これでは図1及び図2に示す状態にマクラを調整することが煩雑であった。
【0085】
同様に1cm刻みに設定したところ、やや適合するものが増えたものの、図2の横向きと図1の仰向けとでマクラの高さhを同時に満足することができず、高さに差を生じた。
【0086】
実際には、図1の仰向けでマクラの高さが適合しても図2の横向きでは低くすぎて、体軸中心線Fが床面10と平行にならず、頸部1が図6に示すように上方に凸に曲がってしまう。また、横向きで適合しても、仰向けでは高すぎて頭部6が図8に示すように前傾位となる不都合が生じた。
【0087】
このことから、5mm刻みの微量調節を設定すると、図1と図2及び図5を参照して説明した頸体2を安定して保持できる高さhを持つマクラ120とすることができたのである。
(身長スコアと体重スコア)
詳細は表1に記載しているが、身長スコアは、身長を140cm以下と、141〜180cmの間を5cm刻みで、181〜190cmを10cm刻みと、更に191cm以上とに身長の区分を11段階とし、身長スコアの最小値を1、最大値を11とした。
【0088】
また、体重スコアは、体重を45kg以下と、46〜80kgを5kg刻みで81〜90kgと、91〜100kgと、更に101kg以上の11段階に区分し、体重スコアの最小値を1とし、最大値を11とした。
(体格スコア、身長・体重スコア)
前記のように決定した身長スコアと体重スコアを個人的に決定し、両者の合計スコアを、その人の体格スコアとした。
【0089】
身長スコアと体重スコアとの区分は、前記区分より少ない区分、あるいは更に多くの区分とすることが可能であるが、多くの頸椎症状を持つ患者のデータを分類するには、表1に示した区分によると、マクラの高さを正確に調整することができる。
【0090】
【表1】
Figure 2004209099
【0091】
図3は、縦軸に頸椎症状を訴えている患者約50名のアンケート点数を示しており、下段は頸椎症状を「自己管理」できる人を、中段は薬剤の投与などを行ないながら、「病院で経過観察」の必要のなる人の大・小を、また、上段は注射や薬剤の投与等をしながら、「病院で治療の必要有」の人の大・中・小をそれぞれ示している。
【0092】
なお、縦軸アンケートした患者のアンケート数を、そして横軸の点1は、患者が使用しているマクラの高さ(マクラ調節前)のものを使用した場合を、横軸の点2は、本発明者が、同患者の仰向け姿勢と横向き姿勢を見ながら、マクラの高さを調整した後の同頸椎症状(肩凝りや手の痺れ等)が改善されたアンケート点数を記載したものである。この図によれば、マクラの高さを本発明によって調整することで、約90%もの患者の頸椎症状が改善されていることが分かる。
【0093】
図4は、前記表1に示す身長スコアと体重スコア(体格スコア)と、マクラの高さとの関係を示している。この図の作成には、身長スコアとマクラの高さのグラフと、体重スコアとマクラの高さのグラフを別々に描いて各スコアのバラツキを確認している。
【0094】
更に、これらのスコアを加算して縦軸にマクラの高さを、横軸に体格スコアを描いたもので、前記のように身長スコアと体重スコアを11段階に区分した後、これをスコア化(点数化)したことによって、線Kに示すように、相関係数が0.89と高度に相関していることを示している。
【0095】
横軸の身長体重スコアは、本発明のマクラの高さを調整する方法を見いだすための基礎データ用の指数であり、この図から言えることは、背中や腕に厚みがある体格の良い人は高いマクラを、逆に女性や体格の小さい人はそれより低いマクラをすることを正確に数値化することができるのである。
【0096】
(基礎実験とマクラの高さの決定方法)
以上詳述した手順により、
1)頸椎症状を訴える人などのマクラを選定する人の体重と身長を測定する。
2)次に、表1を参照して、身長スコアと体重スコアとを選定し、更に、両スコアを加算して身長体重スコア(体格スコア)を得る。
3)前記体格スコアを図4のグラフの横軸上に、例えば点Mの縦線を適用し、前記のようにして求めた線Kに合致する横線Nより縦軸のマクラの高さを決定することができる。
【0097】
この基礎実験より、前記図1及び図2に示すようにマクラの使用者を裸ないしこれに近い状態で床面上に横向きや仰向けにして、床面10と平行する線Dと頸部の線Eとこれらの線の交差角度(仰臥角α)、更に、床面10に平行な体軸中心線Fを求める手順を省略しても、その人に略適用できるマクラの高さをほぼ決定したり、おおよその目安とすることが可能であることが分かった。
【0098】
(実 施 例)
本発明者は、前記図3の頸椎症状の患者の改善データと、図4の体格スコアを利用し、図1に示す仰臥角αと、図2に示す体軸中心線Fとの関係を身長に測定して分析することによって、体軸中心線Fを床面10と平行にするようにマクラの高さを決定できる基礎実験を考慮して、図3に示すように頸椎症状が大幅に減少することを確認した結果、本発明に到達した。
【0099】
即ち、図2に示した方法で体軸中間線Fを満足するマクラ120の「高さh」を求めることにより、図1に示したマクラの高さhも同時に満足することが分かったのである。
【0100】
図9は人体11を床面10(測定台)の上に横向きで、下側の腕11aを前側に伸ばし、上側の腕を腰部に載せ、脚部を軽く前屈にした安定姿勢(横臥姿勢)に保持した状態で、高さhを調整できるマクラ130の上に頭部6を載せた。
【0101】
また、体軸中心線Fを測定するために、胸骨の中心点のマークMと、鼻の中心点にマークNを付けておく。なお、このマークは粘着剤で着脱できるものが適当である。
【0102】
次に、図10に示すようにマクラ130の側部に体軸中心線F(図2)の測定装置131を配置する。この測定装置131は、図11に示すように円板状あるいは四角形の基礎部30の中心にスケール柱31を植立させ、そのスケール柱31に嵌合部32aを介して透明な移動杆32を上下に移動可能で固定具32cで固定可能に設けている。この移動杆32はアルリル樹脂などの透明な材料で構成され、中央部に水平線S1と距離が記載されており、嵌合部32aに設けた開口32bよりスケール柱31上の高さS2を読み取るように構成されている。
【0103】
なお、床面10と、上下に移動する移動杆32の水平線S1とは常に平行な状態にあり、嵌合部32aを上下させて固定具32cで固定した後に開口32bを通じて読取った高さ寸法S2は、そのマクラ130の高さhを示している。
【0104】
また、前記移動杆32には矢印x方向に移動する、体軸中心線Fを指示するための指示具35が設けられている。この指示具35は、前記移動杆32の背面のレール部に嵌合して移動する基礎部材35aと、この基礎部材35aに仰伏可能に取付けられたロッド35bと、このロッド35bに対してスライド可能に嵌合した筒体35cで構成され、前記筒体35cの先端35dで、例えば図9の点Mあるいは点Mと点Nの間の仮想線を指示することができる。
【0105】
このマクラ130は複数枚の弾性板(好ましくは、厚さが5mmの高弾性ウレタン発泡シートを使用する)を追加したり、取出したりして高さhを任意に調整するようにした積層型のものが一般的である。
【0106】
また、別の構造としては図12に示すコマを移動させて高さを調整するもの、あるいはネジを回転させて高さを調整するものなど、各種のものを採用することができる。
【0107】
検体である人体11に合ったマクラ130の高さhを測定する場合は、図9のように人体11を横向き姿勢で寝せた状態で、図10に示すように測定器131を頭部6に接近させて置き、固定具32c(ネジ)を操作して移動杆32をスケール柱31に沿って上下させ、更に指示具35を人体に沿って移動させながら、胸骨の中心部と鼻の中心部に固定されているマークM、Nと水平線S1とを合わせる。
【0108】
もし、マクラ130の高さhが不適当な場合は前記マークM,Nと水平線S1とが合致しないので、その場合はマクラの構造に弾性板を加えたり、取出したりしてマクラの高さhを変えてマークM,Nと水平線S1が合致させ、その時のスケール柱31上の高さS2を読み取り、その人体11に適合したマクラ130の高さhを決定する。
【0109】
なお、前記体軸中心線(M−N)は人体11の前傾斜の程度により微妙に変動するので、測定者は人体11が所定の位置で安定するように脚部の位置や肩部の位置などを調節しなければならない。この調節には若干の熟練が必要である。
【0110】
図12は高さを調整できるマクラ130の内部構造を示すもので、上部構造として低反発ウレタン40(15mm)と、高反発ウレタン41(15mm)を積層し、下部構造として段付板材42(15mm)と段付板材43(15mm)を積層している。
【0111】
そして2枚の段付板材42、43の対面部分に段差部44を形成し、この段差部44にコマ45を挟持するように配置している。なお、図示されていないが、全体は綺麗な1〜2mm程度の薄い布製のカバーで覆われているが、このカバーによって前記のような操作を経て正確に調節されたマクラの高さに影響を与えないようになっている。
【0112】
図12はコマ45を外側の第1の段差部に配置した高さhが最も低い60mmの場合を示している。次の内側の第2の段差部にコマ45を配置すると高さhは65mm、更にコマ45を第3の段差部に配置すると高さhは70mm、更にコマ45を第4の段差部に配置すると高さhは75mmに調整できる。
【0113】
【発明の効果】
人間の頭部は8〜10kgの重量があり、起床時にはその負担が首にかかる。この首の負担を除げるのは唯一、臥床時のみであり、この時の頭頸部のポジション、つまり、マクラの調整は極めて重要である。
【0114】
本発明に係るマクラの調整方法は、使用者が横向き姿勢で、頭部をマクラの上に載置して床面上に寝た状態において、この使用者の体軸中心線と床面とが、ほぼ平行になるように前記マクラの高さを調整することを特徴としている。
【0115】
従って、本発明によれば、簡単な操作で使用者にとって頭頸部、特に頸椎が最も安定し、椎体の間に形成される椎間孔が最大に拡大し、椎間孔より引出される神経を圧迫することがない、最適なマクラの高さに調整することができる。
【0116】
また、人が仰向け姿勢と横向き姿勢(寝返り姿勢)において、頸椎の間の椎間孔を最大の開口状態に保持し、その結果、頸部の神経を圧迫することがないので安らかな眠りを得ることができる。
【0117】
このように就寝中の寝返り運動を簡単にでき、頸部の神経を圧迫することがないので、頸椎症状である頭痛や手の痺れなどを発生させず、また、回復ないし軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】人体の仰向け姿勢とマクラとの関係を示す側面図である。
【図2】人体の横向き姿勢とマクラとの関係を示す側面図である。
【図3】本発明の調節法によりマクラの高さを調節した時の頸椎症状の改善を示すグラフである。
【図4】マクラの高さと体格スコアとの関係を示すグラフである。
【図5】頸椎と神経の関係を示す説明図である。
【図6】マクラが低すぎる場合の頸椎の状態の説明図である。
【図7】マクラの高さが最適な頸椎の状態(本発明の状態)の説明図である。
【図8】マクラの高さが高すぎる場合の頸椎の状態の説明図である。
【図9】適合するマクラの高さを計測する際の正しい横向き姿勢を示す正面図である。
【図10】適合するマクラの高さを計測する際の計測器と人体との関係図である。
【図11】マクラの高さを調整するための測定器の斜視図である。
【図12】高さを調整できるマクラの内部構造の側面図である。
【符号の簡単な説明】
1 頸部 2 椎体 3 窪み 4 椎間孔
5 神経 6 頭部 7 背部
11 人体 10 床面 11 人体(使用者) 11a 腕
30 基礎部 31 スケール柱 32 移動杆 32a 勘合部
32b 開口 32c 固定具
35 指示具 35a 基礎部材 35b ロッド
35c 筒体 35d 先端
40 低反発ウレタン 41 高反発ウレタン 42,43 段付板材
45 コマ
120,130 マクラ

Claims (6)

  1. 使用者が横向き姿勢で、頭部をマクラの上に載置して床面上に寝た状態において、この使用者の体軸中心線と床面とが、ほぼ平行になるように前記マクラの高さを調整することを特徴とするマクラの調整方法。
  2. 使用者が横向き姿勢で、頭部を複数枚の弾性板の積層構造を有するマクラの上に載置して床面上に寝た状態において、この使用者の体軸中心線と床面とがぼぼ平行になるように、前記弾性板の枚数を選定して前記マクラの高さを調整することを特徴とするマクラの調整方法。
  3. 前記体軸中心線は、胸骨の中心部と鼻の中心とを結ぶ線であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のマクラの調整方法。
  4. 使用者が上向き姿勢で、頭部をマクラの上に載置して床面上に寝た状態において、頸椎が床面に平行する線と、この線に対して10度前後の角度で上に向くように前記マクラの高さを調整することを特徴とするマクラの調整方法。
  5. 使用者が横向き姿勢で、頭部をマクラの上に載置して床面上に寝た状態において、この使用者の体軸中心線と床面とがほぼ平行になると共に、同マクラ上を回転して上向き姿勢において、頸椎が床面に平行する線に対して10度前後の角度で前傾するように前記マクラの高さを調整することを特徴とするマクラの調整方法。
  6. 使用者が横向き姿勢で、頭部をマクラの上に載置して床面上に寝た状態において、この使用者の体軸中心線と床面とが、ほぼ平行になる高さを有し、更に体を仰向けにするために頭部を回転できる弾性を持つマクラと、
    前記体軸中心線と床面との間の距離を測定できるスケールとの組合わせからなるマクラ装置。
JP2003001481A 2003-01-07 2003-01-07 マクラの高さの調整方法 Expired - Lifetime JP4024152B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003001481A JP4024152B2 (ja) 2003-01-07 2003-01-07 マクラの高さの調整方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003001481A JP4024152B2 (ja) 2003-01-07 2003-01-07 マクラの高さの調整方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004209099A true JP2004209099A (ja) 2004-07-29
JP4024152B2 JP4024152B2 (ja) 2007-12-19

Family

ID=32819499

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003001481A Expired - Lifetime JP4024152B2 (ja) 2003-01-07 2003-01-07 マクラの高さの調整方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4024152B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006125250A1 (en) * 2005-05-23 2006-11-30 Healthcare Alliance Pty Limited Pillow selection & sleeper appraisal
AU2006251849B2 (en) * 2005-05-23 2011-10-13 Healthcare Alliance Pty Limited Pillow selection and sleeper appraisal
GB2488751A (en) * 2011-02-15 2012-09-12 Kulwinder Bajwa Selecting a pillow for a user
CN103284530A (zh) * 2012-02-22 2013-09-11 绿样实业股份有限公司 定制枕头结构及其测量和制作方法
CN103300655A (zh) * 2005-09-15 2013-09-18 睡眠科技有限公司 枕头选择装置
JP2016019726A (ja) * 2014-06-17 2016-02-04 株式会社 山田朱織枕研究所 仰側臥位対応ベッド
JP2018149216A (ja) * 2017-03-15 2018-09-27 ロフテー株式会社 情報処理方法、枕の製造方法、情報処理システム、およびプログラム
JP7279989B1 (ja) * 2022-06-24 2023-05-23 トラタニ株式会社
WO2023248495A1 (ja) * 2022-06-24 2023-12-28 トラタニ株式会社

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006125250A1 (en) * 2005-05-23 2006-11-30 Healthcare Alliance Pty Limited Pillow selection & sleeper appraisal
US8033030B2 (en) 2005-05-23 2011-10-11 Macfarlane Andrew Robert Pillow selection and sleeper appraisal
AU2006251849B2 (en) * 2005-05-23 2011-10-13 Healthcare Alliance Pty Limited Pillow selection and sleeper appraisal
CN103300655A (zh) * 2005-09-15 2013-09-18 睡眠科技有限公司 枕头选择装置
GB2488751A (en) * 2011-02-15 2012-09-12 Kulwinder Bajwa Selecting a pillow for a user
US9671208B2 (en) 2011-02-15 2017-06-06 Kulwinder Bajwa Supply of pillows, and a device for use therein
CN103284530A (zh) * 2012-02-22 2013-09-11 绿样实业股份有限公司 定制枕头结构及其测量和制作方法
JP2016019726A (ja) * 2014-06-17 2016-02-04 株式会社 山田朱織枕研究所 仰側臥位対応ベッド
JP2018149216A (ja) * 2017-03-15 2018-09-27 ロフテー株式会社 情報処理方法、枕の製造方法、情報処理システム、およびプログラム
JP7279989B1 (ja) * 2022-06-24 2023-05-23 トラタニ株式会社
WO2023248495A1 (ja) * 2022-06-24 2023-12-28 トラタニ株式会社
WO2023248470A1 (ja) * 2022-06-24 2023-12-28 トラタニ株式会社

Also Published As

Publication number Publication date
JP4024152B2 (ja) 2007-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10813821B2 (en) Therapeutic pillow
Korakakis et al. Physiotherapist perceptions of optimal sitting and standing posture
US6817049B1 (en) Therapeutic pillow
KR101577903B1 (ko) 교정 및 치료 효과를 가지는 베개
US6691353B2 (en) Arm pillow
JP6535229B2 (ja) 仰側臥位対応ベッド
JP2008517686A (ja) 人間工学的枕
JP4024152B2 (ja) マクラの高さの調整方法
US20070143927A1 (en) Cushion and method of evaluating the cushion
US11013336B2 (en) Kyphosis back cushion device
CN111787833A (zh) 枕头、枕头的制造方法、枕头制造系统、计算机程序和睡姿测定装置
WO2021176956A1 (ja) 寝返り補助パッド及び寝返り補助マットレス
Normand et al. Biomechanical effects of a lumbar support in a mattress
CN108882796A (zh) 身体支撑件
KR101828021B1 (ko) 위산 역류성 식도염 환자를 위한 목뼈와 어깨보호 기능을 지닌 등받이와 일체화된 베개
WO2021187210A1 (ja) 腰枕および腰枕セット
TW200904383A (en) Bedding system utilizing muscle strength testing and the method of selection and application thereof
Joshi et al. Effect of McKenzie self-therapy protocol on forward head posture and respiratory functions of school going adolescent girls
Li et al. Can pillow height effect the body pressure distribution and sleep comfort: A study of quinquagenarian women
JP3244980U (ja) 脊柱管狭窄症用指圧マット
Syrop et al. A study of sitting posture variations using the nose and mandible as reference points
JP2001169887A (ja) 使用者の後頭部と首の高さに調節できる枕
WO2017165243A1 (en) Snore reduction device and method
Holden et al. Specifications for a mass producible static lounge chair for the elderly
JP3136330U (ja) システム枕の高さ調整用シート

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040824

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040922

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041022

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20041108

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20050114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071002

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4024152

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101012

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101012

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111012

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111012

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121012

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131012

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term