JP2004209036A - 眼のトレーニング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】つぎつぎと発現する目標に向かって視線を追従させることにより眼筋を積極的に働かせて衰えた筋力を回復させたり、スポーツ選手の眼筋を鍛えて動体視力を向上させたりする装置であって、眼筋の活性化を図るとともに、脳のイメージ構成機能、方向認識機能、記憶機能、計算機能などの活性化を図り、さらに思考したとおりに筋肉を正確に素早く動くようにさせる神経の伝達機能の活性化をも図る装置を得ることを課題とする。
【解決手段】視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置に、音声を発生させる装置を加え、音声によりその目標位置や方向を訓練者に告知し、時計のイメージを利用するような具体的な運用技術を加えた装置とすることにより課題を達成する。
【選択図】 図5
【解決手段】視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置に、音声を発生させる装置を加え、音声によりその目標位置や方向を訓練者に告知し、時計のイメージを利用するような具体的な運用技術を加えた装置とすることにより課題を達成する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、移動する目標に向かって視点を追従させることにより眼筋を積極的に働かせて衰えた眼筋の機能を回復させたり、スポーツ選手の眼筋を鍛えて動体視力を向上させたりする眼のトレーニング装置であって、視点の方向を決定させる目標位置や方向を使用者が認識する直前あるいは認識すると同時あるいは認識した直後に、目標の位置や方向を音声により訓練者に告知し、具体的に提供される目標の位置や方向という外部情報や、音声という外部情報に反応して脳が確実に働くようにして集中力を持続させ、眼筋の活性化を図るとともに、脳のイメージ構成機能と方向認識機能と記憶機能の活性化および思考したとおりに筋肉を正確に素早く動くようにさせる神経の伝達機能の活性化をも図る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来広く一般的に知られた眼のトレーニング方法による訓練や、眼のトレーニング装置を使用する場合には、スクリーンやモニターや表示板に目標となる映像や光点が具体的に表示されるので、訓練者は目標体を視認する必要があった。そして、それら従来の眼のトレーニング装置においては、目標体をひたすら目で追いかけるだけの単純で反射的な運動訓練がおこなわれるだけであって、訓練中には「考える」とか「想像する」とか「記憶する」とか「計算する」とかの脳の活動はほとんど必要とされることがなく、少し長い時間をかけた訓練をおこなうと、訓練者は集中力を失い、もうろうとした浅い睡眠状態に入ってしまうか、あるいは、まるで軽い催眠状態に入ってしまったかのような無意識に近い状態で目標体をうつろに追いかけ回しているだけであった。
【0003】
過去において、スクリーンやモニターに映し出される映像を凝視させたり、設定した箇所に次々に現れる標識状の目標体や発光体を凝視させたり、前後や左右に移動するする標識状の目標体や発光体を凝視させたりする装置がいくつか発明され考案されたりしていたが、具体的な運用技術にまで深く踏み込んだものはなく、いずれも単純な反復訓練をするだけのものばかりであり、訓練はおもしろくなかった。そして、毎日続けるとか、3日に1回などように定期的におこなうということこそが大切なのにも関わらず、何日か経つとつまらなくなって訓練をやめてしまうことが多かった。単純でつまらない反復訓練だけでは脳はすぐに不活性な状態に陥ってしまい、そのような状況下での眼のトレーニングでは大きな効果を期待することはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に人は20歳を過ぎると脳の細胞は部分的に消失が始まると言われており、30歳代に入ると老眼にもなりはじめ、そして40歳代に入ると老眼の進行は加速され、眼筋や毛様体の瞬発力や持続力なども失われてゆき、視力的にボーッとし始めるにつれて頭もボーッとしてしまったような気になり、やがては記憶力や集中力、判断力、計算力、神経の伝達能力なども失われてゆく。これは肉体的な老化に伴うものなので、大半の人は眼筋や毛様体の衰えとともに老眼となってゆき、脳の働きもそれに伴い加速度的に衰えてゆく。本発明は、移動する目標に向かって視点を追従させることにより眼筋を積極的に働かせて衰えた筋力を回復させたり、スポーツ選手の眼筋を鍛えて動体視力を向上させたりすることができる眼のトレーニング装置に関するものあって、視点の方向を決定させる目標体の位置を、装置の使用者が目標体を認識する直前あるいは認識すると同時あるいは認識した直後に、トレーニング装置に連動した出力装置により音声で訓練者に告知し、具体的に提供される目標の位置や方向という外部情報や、音声という外部情報に反応して脳が確実に働くようにして集中力を持続させ、眼筋の活性化を図るとともに、脳のイメージ構成機能、方向認識機能、記憶機能、計算機能などの活性化を図り、さらに思考したとおりに筋肉を正確に素早く動くようにさせる神経の伝達機能の活性化をも図る装置を得ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、前記各請求項に記載された手段によって達成される。具体的には、従来の技術による眼のトレーニング装置に、音声を発生させる装置を加え、請求項3,4,5にて例示するような具体的な運用技術を加えた装置により課題が達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
具体的な実施形態を示す。本発明の基本となる従来技術には、以下に示すようなものがある。(1)視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置が、スクリーンまたはモニターを利用した装置であり、視点の目標位置や方向を決定させる目標体が映像または光点であることを特徴とするもの。(2)視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置が、移動する発光体または点滅する発光体の集合体を利用した装置であることを特徴とするもの。(3)出願人の発明である特願2002−128083のような、視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置が、顔面に装着できるタイプであり、刺激発生装置によって皮膚へのピンポイントの刺激を与え、その刺激されたポイントを視点移動の目標ポイントとすることを特徴とするもの。(4)出願人の発明である特願2002−369140のような、視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置が、音を利用した装置であることを特徴とするもの。以上(1)から(4)のような装置に、音声を発生させる装置を加え、訓練者に視点を定めるための目標位置や方向を告知することで、単に眼のトレーニングを行うだけでなく、脳のトレーニングも行えるようにしたものが発明の実施の形態となる。本発明の主体は、視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置と、視点を定めるための目標位置や方向を訓練者に告知する装置と技術の組み合わせにある。
【0007】
【発明の実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。本発明は前記した(1)や(2)のような装置、すなわち、スクリーンまたはモニターを利用した装置や移動する発光体または点滅する発光体の集合体を利用した装置のような、具体的な目標を実際に視認するタイプのトレーニング装置と組み合わせたものでも勿論よい。しかし、前記した(3)や(4)のような装置、すなわち、顔面皮膚に加えられたピンポイント刺激の位置や実存する音源が発する音の位置や音響装置により合成され疑似空間に配置された疑似音源が発する音の位置を、眼を閉じた状態で訓練者が感じ取って空間的なイメージを脳内に創りだし、感じた位置や方向に視点を移動させることで訓練を行うことを推奨するタイプのトレーニング装置と組み合わせたものによるほうが、より高い脳のイメージ構成能力や情報処理能力などが必要とされるので、大きな訓練効果を期待できる。したがって以下においては、音響装置により合成され疑似空間に配置された疑似音源が発する音の位置を、眼を閉じた状態で訓練者が感じ取って空間的なイメージを脳内に創りだし、感じた位置や方向に視点を移動させることで訓練を行うことを推奨するタイプのトレーニング装置と組み合わせたものを実施例として説明する。
【0008】
図1は、本発明に係る眼のトレーニング装置を使用した実施例を説明する略式説明図である。立体音響を合成する機能を有するサラウンドタイプのヘッドフォン1を装着した訓練者2は、立体音響によって合成された空間に平面3の存在を感じ取っている。平面3には時計をイメージさせる1から12までの数字が配置されていることを、訓練者2は音声により知らされている。ここで、知らされている、とはどういうことなのかを説明する。トレーニング装置を作動させると、はじめに音声で「あなたの眼の前に、一辺が2メートルくらいの大きな壁があります。そして、あなたはその壁から50センチメートルくらい離れた所に立っています。イメージできましたか?」と語りかけてくる。訓練者2がそのような状況をイメージできたころを見計らって、「その壁には、壁いっぱいの大きさの時計が掛かっています。直径が2メートル近くもある、とても大きな時計で、1時から12時を表す数字があなたの頭と同じくらいの大きさで描かれています。そして、それらの数字の裏側にはそれぞれにスピーカーが付いています。つまり、スピーカーが12個付いている時計というわけです。今からその時計の12の文字のところにあるスピーカーからボーンというような音が出ますから、良く聞いていてください。」という音声案内があり、すぐに12の数字の位置にあるスピーカーから、ボーンというような音が発せられる。勿論、この音は立体音響を合成する機能を有するサラウンドタイプのヘッドフォン1により創り出された疑似音源より発せられたものであり、訓練者2は、時計の12の数字のところにスピーカーがあって、そのスピーカーがボーンというような音を出しているとの錯覚を覚えているだけである。そして「では次に、時計の1の文字のところにあるスピーカーからボーンというような音が出ますから、良く聞いていてください。」と続けられ、すぐに1の数字の位置にあるスピーカーから、ボーンというような音が発せられる。同様の内容の音声案内と音の発生が2時の位置から11時の位置まで繰り返されることにより、訓練者2は、時計のように配置された1から12までの数字が、自分に対してどのような位置関係にあるのかをイメージできることになる。数字の位置紹介がひととおり終わったら、「次に、12時、3時、6時、9時、という時計回りの順序で音がなりますから、しっかりと聞き取って、それぞれの位置を覚えてくださいね。」という音声案内があり、すぐに12、3,6,9,の数字の位置にあるスピーカーから、ボーンというような音が発せられる。12と6により垂直方向が認識され、3と9により水平方向が認識される。このあたりで訓練者2は、眼の前にある大きな時計につけられた1から12までの数字の位置を、平面3が実在するかのように、かなり具体的にイメージすることができてくる。「時計」という単語を聞いただけで、多くの人が1から12までの数字が円周状に配置された壁掛け時計などを具体的に思い描くことができる。日常的に見慣れたこの「時計」というイメージをそのまま利用することは、訓練を極めて容易なものにしてくれる効果がある。
【0009】
ここで注目しておかなければならないことがある。立体音響を合成する機能を有するサラウンドタイプのヘッドフォンとしては、特開平5−336599に示されるような仮想現実視聴覚装置が発明されており、また具体的にも、ドルビーラボラトリーズ社がドルビーヘッドフォンとして開発した製品などが存在するが、ヘッドフォン使用者の顔の正面50センチメートルの位置より上方に向かって80センチメートルの位置に音源がある、などの正確な位置関係を認識させるほどの音響合成性能を有した製品はまだ実用化されていないのである。したがって、ただ単に立体音響を合成する機能を有するサラウンドタイプのヘッドフォンを使用者が装着して音を聞くだけでは、現在のところ、音源がどこにあるのかを正確に認識することはできないのである。
【0010】
本発明によれば、不十分であってもある程度の位置確認ができる立体音響を合成する装置があれば、具体的な訓練内容をイメージさせる音声案内と、音声案内の内容に適した音源位置情報を訓練者に与えることにより、与えた刺激以上にはっきりとした位置や方向を訓練者の脳内にイメージさせ、イメージの中で認識した位置や方向に訓練者の視点を大きく移動させることができ、眼のトレーニングと脳のトレーニングを同時に行うことができるようになる。
【0011】
音声案内により、装置の使用者は、非常に厳しい内容の位置関係を認識し記憶しなければならない。しかし、一度その位置関係を頭の中に正しくイメージさせてしまえば、次には、かなりあいまいな位置関係しか分からないような音情報などしか与えられなくても、脳のイメージ構成能力の助けを借りることにより、イメージの中の正しい位置関係に照らし合わせて最も近い位置や方向を認識することができるようになる。
【0012】
脳のイメージの中に、眼の前にある大きな時計の、1から12までの数字の正しい位置関係ができあがった後に本当の訓練がはじまる。訓練者2は高齢の方であるか、あるいは若くても普段あまり大きく眼を動かさないで、何かを長時間凝視するような仕事をしていて、眼の筋肉が正常に働きにくくなっている方であると仮定する。そのような方のために、まずは軽いストレッチ運動からはいる。音声で「9時のところから音が出ます。音がしたら、あなたがイメージしている大きな時計の9の数字を見てください。」と案内が行われ、9の位置より音が出る。訓練者2は9の位置に視点を移動させる。しかし、訓練者2は普段あまり大きく眼球を動かしていないので、9の位置に視点を移動させたつもりでも、実はイメージしている9の位置にまで視点が移動していないことがある。これでは十分なストレッチは行われない。そこで音声で「もう一度、9時のところから音が出ます。音がしたら、今度は9の数字をギュッとにらみつけてください。思いっきり左の方向を見ます。9の数字を通り越すくらいに左を見ても構いませんよ。」と案内が行われ、9の位置より音が出る。訓練者2は「さっきの9よりも、もっと左か。」と意識するので、確実に9の位置に視点を移動させるか、9の位置を越えるくらいにまで視点を移動させる。これと同様のことを、数字3の位置に対しても行い、右を見なさい、もっと右を見なさいと案内してあげる。視点移動のスピードを、1秒に1回くらいとすれば、ほどよい訓練となる。音声案内を「9,3,9、3,…………」として、左右への交互移動訓練を繰り返す。しかし前述したように、単に9,3,と指示しただでけでは、眼球の動きがにぶい訓練者2は、確実に9と3の数字に視点を合わせていないことが多い。そこで音声で「9,9,3,3,」と案内し、ひとつずつの数字を2回ずつ追わせるようにして、確実な視点の移動とにらみつける動作をさせる。訓練のイメージとして、1秒に1回くらいの間隔で「9,9,3,3,」という繰り返しが行われるということが脳に刷り込まれたら、音声案内の内容を「9,もっと左,3,もっと右,」という繰り返しにきりかえる。勿論、「もっと左」の案内に対しては、音が数字の9の位置よりももっと左に巻き込んだような左耳に近い位置から出るようにする。「もっと右」の案内に対しては、音が数字の3の位置よりももっと右に巻き込んだような右耳に近い位置から出るようにする。これにより視点は通常視野の限界に近いレベルにまで移動させられるようになり、眼筋の十分なストレッチ運動を行うことができるようになる。
【0013】
基本となる左右方向の訓練が終了したら、上下方向や、斜め方向を含めた訓練にはいる。これは音声案内の内容を「12,6。 1,7。 2,8。 3,9。 4,10。 5,11。 6,12。 7,1。 8,2。 9,3。 10,4。 11,5。」のように、ほぼ時計の中心に対して点対称となる位置を交互に案内する方法により容易に実現される。はじめは規則正しくスタート位置を時計回り方向などに進行しさせ、慣れてきたらスタート位置をランダムに変化させるのも良い。音声の案内と、案内された数字の位置で音が発せられるタイミングのずれは、音声案内完了の0.2秒後から0.4秒後くらいに音が発せられるのが良い。音声案内により0.2秒から0.4秒くらいという極めて短い時間内に数字の位置をイメージして視点を移動し、音の発生位置を確認して自分の眼球の動作に間違いがないことを確認することで、訓練に自信が持てるようになる。
【0014】
上下左右や斜め方向に関する視点の移動訓練が終了したら、記憶力や計算力の向上を図る訓練に移行する。ここまでの訓練で、時計に書かれた数字の位置は、ほぼ完全にイメージとして脳内に確立されている。したがって数字を音声案内するだけで、視点は素早く目標の位置に移動するようになっている。音声案内された数字に視点を移動させるだけの訓練に加え、計算をさせることにより、脳は一瞬のうちに何種類もの作業をこなさなければならず、脳は強制的に活性化させられるようになる。何種類もの作業とは、音声案内を聞いて内容を理解する作業、音声案内による数字の位置をイメージ空間の中で創りだし確認する作業、音声案内による数字の位置に眼球を移動する作業、音声案内による数字と音声案内による計算の方法によって導き出される答えに対応する数字の位置をイメージ空間の中で確認する作業、そして答えに対応する数字の位置に眼球を移動する作業などである。これらの作業を1秒程度の時間内に行い、何十回、何百回と繰り返すことは、脳にとっても、眼にとっても非常に激しい訓練となる。
【0015】
図2を用いて、具体的な手順を説明する。図2は、図1にて示した時計部分のみを表示した、訓練手順の説明図である。訓練は3の位置より始まるので、図中にSTARTと表示しておく。以下の説明においては、「 」状のかっこ内に示される「数字に関する音声案内」を、およそ1秒間に1回のリズムくらいで行うものとする。そして、( )状のかっこ内に示される音声案内を、(計算方法などを示す補助案内)として、数字に関する音声案内の間にはさんで入れていくものとする。つまり音声案内としては、およそ0.5秒に1回のリズムで「数字に関する音声案内」と(計算方法などを示す補助案内)とが交互になされるプログラムになっているものとする。音声案内がスタートすると、〈「3」(+)〉、〈「9」(=)〉、〈「12」(では次)〉、のように、1拍が〈 〉状のかっこ内に示される3拍子のリズムで案内がされ、これが3拍子1ブロックの基本パターンとなる。この時、音声案内と同期するように3拍子のリズムで刻まれるゆったりとしたワルツ形式の音楽などがバックグラウンドミュージックとしてプログラムに組み込まれていて流れていれば、とてもリラックスした精神状態での訓練ができるようになる。次にまた「12」(−)「4」(=)「8」(では次)、のように、3拍子のリズムに乗った音声案内が繰り返される。そして、「2」(×)「6」(=)「12」(では次)、「10」(÷)「5」(=)「2」、(では次)、のように音声案内がされた時点で、訓練者は、図2にて示されるような、方向を表す線群にて示されるように、垂直方向、水平方向、右斜め方向、左斜め方向の、ほぼすべての方向に、日常生活においてはほとんど動かすことのないほどの範囲で、視点を大きく移動させられていることになる。しかも、わずかこれだけの時間内で、足す、引く、掛ける、割るといった基本的な計算をもすべてさせられている。このように、バックグラウンドミュージックに乗りながら、ゆったりとした気分で、音声案内にしたがって簡単な計算をし、脳内にイメージされた数字の位置に視点を移動させるだけで、眼球の移動能力が高まり、脳のイメージ構成機能、方向認識機能、記憶機能、計算機能などの活性化を図り、さらに思考したとおりに筋肉を正確に素早く動くようにさせる神経の伝達機能の活性化をも図ることができる。
【0016】
図3を用いて、4拍子のリズムを利用した具体的な手順を説明する。図3は、図1にて示した時計部分のみを表示した、訓練手順の説明図である。訓練は12の位置より始まるので、図中にSTARTと表示しておく。音声案内がスタートすると、〈「12」(−)〉、〈「8」(+)〉、〈「2」(=)〉、〈「6」(では次)〉、のように、4拍子のリズムで案内がされ、これが1ブロック4拍子の基本パターンとなる。1ブロックの基本パターン中に計算が2回含まれており、計算が1回であった3拍子の基本パターンに比べて、より高度な計算力と記憶力が要求される。すなわち、「12」(−)「8」と案内された時点で視点は12の位置から8の位置へと移動しているが、計算結果である「4」を記憶したまま視点を2の位置に移動し、頭の中では「4」(+)「2」(=)「6」の計算を行い、計算結果である「6」をイメージして視点を6の位置に移動させることになる。次にまた〈「9」(+)〉、〈「3」(÷)〉、〈「6」(=)〉、〈「2」(では次)〉、のように、4拍子のリズムに乗った音声案内が繰り返される。この場合、はじめの計算結果に対して次の計算を行ってゆくので、9+3=12,12÷6=2との答えが導き出される。この答えは数学の式である9+3÷6=の答えとは異なる。はじめの計算結果に対して次の計算を行ってゆくという本発明によるルールは、訓練前に十分に訓練者に説明しておく必要がある。そして、〈「12」(−)〉、〈「6」(×)〉、〈「2」(=)〉、〈「12」(では次)〉、のように音声案内がされた時点で、訓練者は、図3にて示されるような、方向を表す線群にて示されるように、垂直方向、水平方向、右斜め方向、左斜め方向の、ほぼすべての方向に、日常生活においてはほとんど動かすことのないほどの範囲で、視点を大きく移動させられていることになる。しかも訓練者はわずかこれだけの時間内で、ひとつの計算結果を記憶しながら、連続する2度の計算をさせられるという高度な情報処理をおこなっており、わずか3回の計算式に従うだけの訓練で、足す、引く、掛ける、割るといった基本的な計算もすべてさせられている。勿論この時、音声案内と同期するように4拍子のリズムで刻まれるゆったりとした音楽などがバックグラウンドミュージックとしてプログラムに組み込まれて流れていれば、非常に高度な訓練のわりには、とてもリラックスした精神状態での訓練を行うことができるようになる。区切りのある音楽を利用することで、「この1曲が終わったら少し休憩しよう」などの考え方もできるので、たとえば1曲が3分間の曲であれば、少なくとも3分間は「区切りがつくまで」との意識が働き、集中した訓練ができるようになり効果的である。
【0017】
図4は、本発明に係る眼のトレーニング装置を使用した実施例を説明する略式説明図である。立体音響を合成する機能を有するサラウンドタイプのヘッドフォン4を装着した訓練者5は、立体音響によって合成された空間に平面6の存在を感じ取っている。平面6には時計をイメージさせる1から12までの数字が配置されており、さらにその数字群の外周に時計の24時間制をイメージさせる13から24までの数字が配置されていることを、訓練者5は音声により知らされている。それぞれの数字の位置にはスピーカーが配置されており、合計24個のスピーカーが存在することも、訓練者5は音声により知らされている。時計の数字を音声案内して、単純に視点を大きく動かすだけならば、時計は12時間制で十分である。たとえば(3,9,12,6,2,8,10,4)などの数字を音声案内して視点をそれらの数字の位置に追従させれば、それだけでも垂直方向、水平方向、右斜め方向、左斜め方向の、ほぼすべての方向に、日常生活においてはほとんど動かすことのないほどの範囲で、視点を大きく移動させられていることになる。しかし、視点の移動とほぼ同時に、計算をさせたり、計算の結果を記憶したまま次の作業に移行させるなどの複合的な頭脳訓練を行うにあたっては、1から12までの数字だけでは、変化に富んだ適切な計算式をつぎつぎと作りだしていくことが難しくなる。ここで、1から24までの数字を扱うことが許されれば、1から12までの数字しか使えない場合に比べ、何百倍、あるいはそれ以上の種類の変化に富んだ計算式を作ることができるようになる。たとえば、2×8=16,23−7=16,3+21=24,18÷2=9,のような計算式である。この計算式に従うだけでも、垂直方向、水平方向、右斜め方向、左斜め方向の、ほぼすべての方向に、視点を大きく移動させられている。そして、足す、引く、掛ける、割るといった基本的な計算に変わりはないものの、23−7などの計算式は、普段あまり計算をしない方にとっては、とてもストレスの大きい計算式となっており、そのような計算式をかなり自由に作りだし提供することで、計算力の向上に大きな効果が期待できるようになる。前述した、ひとつの計算結果を記憶しながら次の計算を行う4拍子の訓練に必要な計算式も、1から24までの数字を使えば、かなり自由に作りだし提供することができるようになる。また24時間制の概念は、確実な時間を相手に伝える必要があるビジネスや公務などに主として用いられていて、あまり日常的ではないので、一般の人に突然、「17時に、逢おうね」などと言うことはあまりない。そのような一般の人に、24時間制の概念を身につけてもらうための訓練として本発明を利用してもらえば、おおいに役立つものである。図1のような訓練を(12HOURS GAME)、図4のような訓練を(24HOURS GAME)などと呼ぶことによれば、訓練ではなくなるので、楽しくなり、毎日訓練を続けることができるようになる。(24HOURS GAME)にしたときには、計算の苦手な訓練者でも、ゆっくりと計算できるように、音声案内に(ゆっくりモード)を用意するなどの配慮が必要である。ここで(24HOURS GAME)を例にとって、少し変化のある訓練の実施例を述べる。図4における1から12までの数字はそのままの平面位置に置き、13から24までの数字を、訓練者から1.5メートル離れた前方にある平面上に移動し、数字の位置を、前後のふたつの平面で同じイメージとなるように並べ替えて配置する。これは立体音響を合成するソフトウェアの変更により対応できる。そのようにした本発明の実施例の構成イメージを、略式説明図である図5にて示す。このようにすることで、訓練者は距離感の異なるふたつの平面を認識し、そのふたつの平面間で視点を移動させることによって深い距離感を味わうことができるので、ひとつの平面上の訓練に飽きてしまった頃に実施すると、また変わった印象を受けるので、新鮮な気持ちを取り戻して訓練にのぞむようになる。この、距離感の異なるふたつの平面を認識し、そのふたつの平面間で視点を前後移動させるという訓練には特別な効果が加わる。たとえ音源が疑似音源であったとしても、近くに音源がある、と脳がイメージの中で認識すれば、脳は眼に対して近くを見るように指令を出し、眼はその指令に従う。毛様体が働くことによってピントが調節されるという説が正しければ、毛様体は近くを見るように働く。また、眼筋が働くことによってピントが調節されるという説が正しければ、眼筋は近くを見るように働く。あるいは、毛様体と眼筋が同時に働くことによってピントが調節されるというのであれば、毛様体と眼筋は協同して近くを見るように働く。人は脳でモノを見ている、という本論で考えれば、まぶたを閉じていたり、暗闇の中にいたりしても、音源が近くにあると脳が認識してその音源を見ようとするのであれば、視線をその方向に向けるように眼筋は働き、眼のピントも音源の位置に合わせて調節される。暗闇の中だからといって、眼が脳よりの指令を拒否することはない。眼に意志はない。脳が「認識した近くの目標にピントを合わせろ」と指令を出せば、光のあるなしに関わらず眼はそのように働く。この訓練は、ピント調節の機能を高める効果がある。
【0018】
図6は、本発明に係る眼のトレーニング装置を使用した他の実施例を説明する略式説明図である。出願人の発明である特願2002−128083のような、視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置が、顔面に装着できるタイプであり、視点の目標位置や方向を決定させる目標が、皮膚への刺激発生装置によるピンポイントの刺激であることを特徴とするゴーグルタイプのものを利用した実施例である。ここでいうゴーグルタイプとは、一般でいうところのゴーグルに付いているような視界をさえぎるようなシールド板などを必要とするものではなく、また立ち上がり部が高い縁周り本体や、耳にかける目的の部材や、頭に回して縁周り本体を固定する目的のゴムバンドなども特には必要としない。極端にいえば、シリコンゴム製で顔面の凹凸にフィットする3次元形状をした厚さ4ミリ程度、幅10ミリ程度の略楕円状のリング板であって、リングを12等分するような位置に極めて小さなブザーを12個埋め込んだような製品であっても良い。ゴーグル7の顔面への接触部には、黒点にて示されるような位置に12個のピンポイント刺激発生装置、たとえば小さなブザーのようなものが配置されている。この12個の刺激発生装置が、12時間制の時計の数字に1対1で対応していることを、訓練者8は音声により知らされている。ゴーグル7を装着した訓練者8は、音声案内が「1」であったときには図6のように、右目の視線を矢印9の方向に向け、左目の視線を矢印10の方向に向ける。立体音響を合成する機能を有するサラウンドタイプのヘッドフォンを利用した場合には、合成音と音声案内と脳のイメージ構成能力により、時計の数字には具体的な位置、すなわち空間座標が与えられていた。そして、訓練者もその空間座標を感じ取って訓練にのぞんでいた。しかし、ゴーグルタイプのものを利用した今度の実施例では、ピンポイント刺激が直接的に顔面に加えられるので、時計の数字の位置は顔面皮膚上にあることになる。つまりイメージとして、訓練者は、1から12までの時計の数字がペタペタと自分の顔に貼り付けられているものと考えればよい。そして、それらの数字がビービーと振動するなどして、数字の位置を訓練者にダイレクトに認識させると考えればよい。たとえば、3時や9時を示すポイントは、眼の外側のこめかみあたりになる。3時のポイントで刺激を与えると、訓練者は自分の右こめかみを見ようとする。しかし、実際には眼球はそれほど極端に真横には動けないので、視点がこめかみの3時のポイントに一致することはない。視線を3時の方向に向けようとするだけである。しかし、このような「自分の眼の周りの、顔面皮膚上のワンポイントを見ようとする作業」は、自分の前にある何かを見ようとする訓練に比べ、眼球は常に視野の限界ともいえる方向に動かされるので、眼筋の訓練としては非常に大きな効果が得られる。ゴーグルタイプのものを利用したこの実施例でも、(12HOURS GAME)を行うことで、訓練は楽しいものとなり、毎日訓練を続けることができるようになる。(12HOURS GAME)の変形バージョンもある。音声案内が「正三角形」となったときに、(12,8,4、12)の4個の数字位置が刺激という情報として訓練者に与えられる。視点が指示どおりに移動した時には、頭の中にはいつも見慣れた真円状の時計がイメージされているので、図形としての正三角形ができあがる。つまり(数字を図形で覚えようゲーム)である。「逆正三角形」の時には(6,10,2、6)の4個の数字、「ひし形」の時には(12,9,6、3,12)の5個の数字、という具合である。その他、「縦長の長方形」(1,11,7、5,1)、「横長の長方形」(10,2,4、8,10)、「6角形」(12,10,8、6,4,2,12)、「8の字形」(1,11,5、7,1)などのように、幾種類もの図形を時計の文字の中に創り出すことができる。「正三角形」という言葉から、その形状をイメージし、指示されるであろう数字(12,8,4、12)を訓練者は予測する。そして予測どおりにゲームは進む。思ったとおりにことが進行する。これは、とても気持ちの良いことである。時計の文字を応用したこのような「気持ちの良いゲーム」を訓練におりまぜることによっても、訓練者に新鮮な気持ちを取り戻させることができ、訓練を持続させる効果が出る。
【0019】
次に図7を用いて、地図などにて用いられるコンパスをイメージさせる8方位を利用した実施例を説明する。図7は、本発明に係る眼のトレーニング装置を使用した実施例を説明する略式説明図である。立体音響を合成する機能を有するサラウンドタイプのヘッドフォン11を装着した訓練者12は、立体音響によって合成された空間に、自分の前50センチメートルくらいの位置に平面の存在を感じ取っている。平面には地図などにて用いられるコンパスをイメージさせるN,S,W,E,とNW,SW,NE,SEの文字が配置されており、それぞれの文字の位置にはスピーカーが配置されていることを、訓練者12は音声によりすでに知らされている。この訓練は、方位を認識する目的を含んでいるので、指示された方位に視点を移動したら、必ず視点をセンターポイント13に戻すことをルールとする。音声案内がスタートすると、〈「N」(もどして)〉と案内がされる。Nの位置で音が発せられ、すぐにセンターポイント13の位置で音が発せられる。訓練者12は視点をNの位置へ移動させ、すぐにセンターポイント13に視線を戻す。これでNという方位が、センターポイント13の上方に位置することを確認でき、Nという方位がイメージとして上の方向であると認識できるようになる。同様に、〈「W」(もどして)〉と案内がされるとWの位置で音が発せられ、すぐにセンターポイント13の位置で音が発せられる。訓練者12は視点をWの位置へ移動させ、すぐにセンターポイント13に視線を戻す。これでWという方位が、センターポイント13の左方に位置することを確認でき、Wという方位がイメージとして左の方向であると認識できるようになる。また同様に、〈「NE」(もどして)〉と案内がされるとNEの位置で音が発せられ、すぐにセンターポイント13の位置で音が発せられる。訓練者12は視点をNEの位置へ移動させ、すぐにセンターポイント13に視線を戻す。これでNEという方位が、センターポイント13の右斜め上45度に位置することを確認でき、NEという方位がイメージとして右斜め上45度の方向であると認識できるようになる。すべての方位に対して同様の訓練を行うことにより、方向感覚がしっかりと身に付くようになる。この訓練の特徴は、8方位のいずれかの位置へ視点を移動させ、すぐにセンターポイント13に視線を戻す、というところにある。どこに視点を移動させても、素早く視点をセンターポイント13に戻すという訓練は、スポーツ選手に有効な訓練である。目標とするポイントに顔の正面を向けたまま注意力をそらさないで、周囲の状況を素早い眼球の動きで一瞬の内に判断して、素早く視点を目標に戻しプレーをすることができるようになるからである。周囲の状況を的確に把握し、目標に対して常に顔の正面を向け、意識を集中して目標を注視しプレーすることはスポーツの基本である。
【0020】
次に図8を用いて、移動位置を記憶するゲームである実施例を説明する。図8は、本発明に係る眼のトレーニング装置を使用した実施例を説明する略式説明図である。立体音響を合成する機能を有するサラウンドタイプのヘッドフォン14を装着した訓練者15は、立体音響によって合成された空間に、自分の前50センチメートルくらいの位置に平面の存在を感じ取っている。平面には9個のスピーカーが配置されていることを、訓練者15は音声によりすでに知らされている。音はスピーカーの中央からピンポイント的に発せられる。この実施例では、スピーカーの位置に特別な文字や数字を配置する必要はない。音声案内がスタートすると、〈(上に1歩)(右に1歩)(下に1歩)(左に1歩)(左に1歩)(下に1歩)(右に1歩)(右に1歩)〉と、あたかも平面上を1歩ずつ歩くかのような案内がされる。音声案内に伴い、それぞれの位置でスピーカーの中央からピンポイント的に音が発せられる。訓練者15は矢印16〜矢印23に至るコースを歩いたイメージを頭の中に描き、記憶する。この場合はセンターポイント24をスタートしてから8個のポイントを通過するので、記憶すべき情報は8個である。通常の人は、低年齢の子供で4個程度、成人でも7個程度が確実に覚えられる情報の数である。したがって8桁の数字を覚えることは、かなり難しい作業といえる。しかし矢印16〜矢印23に至るコースのように、図形的なイメージを伴う情報は記憶しやい。「では、もう一度同じコースをたどってみましょう。」と音声案内がはいり、前回と同じコースのとおりに音が発せられて行き、それに合わせて視線を移動させて行く。音が発せられる前に自分の視線を次のポイント、次のポイントと先に移動させていき、すべてが正解だった時には大きな満足感が得られる。そして、また満足感を得たいので、「さあ、次の問題をやってみようか。」と訓練を楽しんで行うようになる。訓練がつまらない、つらい、きつい、苦しい、などと感じてしまうことが、従来の眼のトレーニング装置の欠点であったが、本発明によれば、訓練が楽しいゲームのように感じられるようになる。
【0021】
本発明は、前記の実施例の形態に限定されるものではなく、部分的な改変や、構成要素の数や形状や材質の変更などにより、実施の形態は変化する。ヘッドフォンには、電源となる乾電池、電源をONしたりOFFしたりするためのスイッチ、音を発生させるスピーカー、スピーカーを駆動させるアンプ、仮想空間を創り出すためのプログラムと訓練モードごとに疑似音源位置を決定させるプログラムが組み込まれたコンピュータ装置、訓練のモードを切り替えるためのスイッチ、外部機器からの信号を取り入れるための入力端子や赤外線受信装置などが組み込まれているか、ヘッドフォンを軽量化するために、音を発生させるスピーカーと信号を受信する装置とヘッドフォンを機能させるのに必要な最低限の電源装置以外の装置をすべて外部機器に集中させても良いし、外部機器とヘッドフォンとの信号のやりとりに赤外線装置を利用すれば、コードレス状態になり、軽量で非常に使用感の良い訓練装置となる。なお、本発明の主体は、ヘッドフォンを主たる実施例とするような、視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置と、視点を定めるための目標位置や方向を訓練者に告知する装置と技術の組み合わせにあるので、前述したような電源、スイッチ、スピーカー、アンプ、プログラムが組み込まれたコンピュータ装置、入力端子や赤外線受信装置、配線、電子制御系などの図示と説明は省略する。
【0022】
なお、本発明による眼の訓練を、通常視野の限界に近い大きな範囲でリズミカルにそしてスピーディーにやってみると、1分間ほどの訓練でも「ものすごく目が疲れた、頭がクラクラする。」といった感じになる。これは、通常の生活では動かすことも意識することもない視野の周辺限界範囲にまで視線と意識を移動させたことによる疲労感である。普段は平地しか歩いていない人が、突然、絶壁を駆け上がるような訓練となるので、はじめはゆっくりとした眼球の動きをさせるとか、視点の移動範囲をあまり大きくしないとか、訓練者の年齢や能力を十分に考えたプログラムで訓練をすすめる必要がある。リラックスモード、ウォーキングモード、ストレッチモード、ジョギングモード、スポーツモード、ハードスポーツモードなどのように段階的に練度を上げていく訓練モードをプログラム的に用意し、いろいろな機能が衰えてきている高年齢の方から、最大限の能力向上を望むプロのスポーツ選手にいたる、あらゆる人に対応できる眼のトレーニング装置とすることが望ましい。また、事前告知のタイミングも、装置が作動する直前0.2秒とか、0.5秒とか、訓練者が快適と思えるタイミングに音声が発せられるように調節できる機構が組み込まれる方がよい。事前告知のタイミングが、装置が作動する直前0.2秒から0.4秒くらいが、最も効果的な訓練となるが、高年齢の方や、何らかの障害を持たれた方などにとっては、事前の音声案内は、次の作業を強制されるような嫌悪感のある案内ともなりうるので、そのような方には、まず初めに位置や方向などの具体的な情報を、映像や光点や音や刺激として与えてしまい、視点の移動が完了したころに音声案内でその位置や方向を知らせてやるほうが、「うん、これで良かったのだな。」と自分の行為に対しての確信が得られるので、次の訓練に対しても自信を持ってのぞめるようになる。まずは訓練がイヤにならない環境を提供することが大切である。訓練者が訓練に対して十分な自信を持てるようになれば、事後の告知であったものを、装置の作動と同時に音声案内がされるように、タイミングを少しずつ調整していけばよい。毎日訓練を続けていけば、やがては脳も眼も十分に活性化されるので、その時には、大きな効果が得られる事前告知に切り替えていけばよい。
【0023】
【発明の効果】
眼は脳の延長であるといって良いくらい脳と直結した器官である。視力とは、脳が何かを見ようとする力であり、イメージ構成能力の向上は総合的な視力の向上に直結する。目標を見ようとすることにより視覚を司る後頭葉が刺激され、音声情報を処理しようとして側頭葉が刺激される。そして、脳に2以上の仕事を同時にさせることにより前頭葉が刺激される。前頭葉は人間を人間たらしめる大切な部分であり、意志決定や何かをしようとする気持ちのわき上がり、すなわち創造性も前頭葉の仕事であり、記憶しろという命令も前頭葉が出す。精神的な作業を司る機能が前頭葉にはたくさんあり、ひとつひとつは単純な作業でも複数の作業を同時に行うことにより前頭葉が強く刺激され、老化防止やボケ防止に高い効果が期待できることが広く知られている。本発明によれば、見る、聞く、考える、イメージする、記憶する、計算する、筋肉を動かすなどの訓練がほぼ同時に行われるので、後頭葉、側頭葉、前頭葉が効率よく活性化され、眼と耳と脳の連携が強化され、眼球を動かす能力を主体とした視力の向上を図るとともに、記憶力の向上、情報処理能力の向上、創造力の向上などをも図ることができる。もう少し具体的に説明すると、従来のような単純な目標凝視訓練装置や視点の目標追跡訓練装置によるよりは、位置や方向を指示する装置に音声発生装置を加え、音声によって位置や方向を脳に知らせ、位置や方向をはっきりと脳にイメージさせたうえでそれらの情報を記憶と照らし合わせる作業を行わせながら目標に向けて眼球を動かす訓練を行う本発明による方が、脳は全体的に活性化されると言い換えることができる。そして、活性化された脳よりのより強い信号が視神経や眼球や水晶体などにも加わって眼全体を活性化し、脳のイメージ構成能力などを含めた総合的な視力が向上する。本発明によって目標を見ようとする時に加えられる音声情報は記憶情報を呼び起こし、脳を積極的に刺激して脳内に特定のイメージを創り上げさせ、簡単な計算やゲームなどを行うことにより脳の情報処理能力も活性化させ、集中力も持続させる。眼球を動かす筋力が鍛えられて視点を移動させるスピードが速くなり、脳の記憶力と情報処理能力が高まり頭の回転が速くなった状態で文章を読めば、短時間でより多くの文章を読むことができるようになり、読んだ内容をイメージとして深く認識でき記憶できるようになるので、総合的な理解力も向上する。本発明は、ものを見るための総合的な力を「視力」と考えることを基本としている。一般的に知られている視力検査表は「ランドルト環」とよばれるアルファベットの「C」に似た記号を用いている。視力1.5とか、視力0.7とかの結果が出る検査表である。しかし、その検査表で判断されるのは、5メートルの距離からどれくらい細かくものを見分けることができるかという静止視力のみである。30センチメートルの距離からどれくらい細かくものを見分けることができるかという近距離視力はまた別の視力である。その他、距離感をはかる能力である深視力、動いているものを見極める能力である動体視力、視野の中に入ったものをどれだけ把握できるかという能力である周辺視力、瞬間的に目標を見極める能力である瞬間視力、両眼の視線が見るものに向かって正しく集中していく能力である輻輳力(ふくそうりょく)なども大切な「視力」であり、思った時に思ったとおりに素早く眼球を目標に向けて動かす能力も「視力」である。また、左右の眼球に入ってきた異なる映像情報を、ひとつの立体的な映像として認識する脳の能力も「視力」である。これらいくつもの視力の中のどれかひとつでも欠けていれば、動くものを正しく識別したり、変化する周囲の様子を正しく認識することはできなくなり、日常生活にも支障をきたすこととなる。よく考えれば分かることであるが、眼の網膜に映った映像は上下左右が逆転した倒立像であり、脳がそれを正立像に変換して自分との相対的な位置関係を正しく認識している。情報の入り口は眼であるが、情報の最終処理は脳が行っているのである。すなわち、最終的には、ものは眼ではなく、脳で見ていると言える。したがって、脳が不活性な状態では正常にものを見ることはできない。はいってきた情報をうまく処理できない、せっかくの情報も覚えていられない、情報の位置関係がはっきり認識できない、情報の存在する空間を正しくイメージできない、情報を処理する集中力が持続できないなどの不活性な状態にある脳を、正しい手順で刺激して正常に働かせてやれば、脳内機能をも含めた総合的な意味での「視力回復」が図れるのである。見る、聞く、考える、イメージする、記憶する、計算する、筋肉を動かすというような作業をほぼ同時に行う本発明によれば、いま述べたような本当の意味での「視力回復」の訓練を行うことができるようになる。視力回復の効果に加えて特別に得られるものとして、時計を映像的にイメージさせ時刻を方位的に意識させる1から12または1から24までの数字や、地図や地形を映像的にイメージさせ方位を意識させるN,S、E,WやNE,NW、SE,SWなどのアルファベットの文字や北、南、東、西、北東、北西、南東、南西などの文字が配置された空間を、脳の中に瞬間的に構成させる訓練は、数字の持つ意味や文字の持つ意味を映像的にとらえる能力や、いくつかの数字や文字によって作られる図形的イメージを映像的にとらえる能力を発達させ、右脳を活性化させ発達させる効果がある。右脳の活性化と発達は、創造力の活性化と発達に直結し、芸術的な仕事に従事している人や、企画や開発の仕事に従事している人にとって最も必要とされる独創性を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を説明する略式説明図。
【図2】訓練手順の説明図。
【図3】訓練手順の説明図。
【図4】実施例を説明する略式説明図。
【図5】実施例を説明する略式説明図。
【図6】実施例を説明する略式説明図。
【図7】実施例を説明する略式説明図。
【図8】実施例を説明する略式説明図。
【符号の説明】
1、4,11,14…………ヘッドフォン
2、5,8,12,15……訓練者
3、6…………………………平面
7………………………………ゴーグル
9,10,16,17,18,19,20,21,22,23……矢印
13,24……………………センターポイント
【発明が属する技術分野】
本発明は、移動する目標に向かって視点を追従させることにより眼筋を積極的に働かせて衰えた眼筋の機能を回復させたり、スポーツ選手の眼筋を鍛えて動体視力を向上させたりする眼のトレーニング装置であって、視点の方向を決定させる目標位置や方向を使用者が認識する直前あるいは認識すると同時あるいは認識した直後に、目標の位置や方向を音声により訓練者に告知し、具体的に提供される目標の位置や方向という外部情報や、音声という外部情報に反応して脳が確実に働くようにして集中力を持続させ、眼筋の活性化を図るとともに、脳のイメージ構成機能と方向認識機能と記憶機能の活性化および思考したとおりに筋肉を正確に素早く動くようにさせる神経の伝達機能の活性化をも図る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来広く一般的に知られた眼のトレーニング方法による訓練や、眼のトレーニング装置を使用する場合には、スクリーンやモニターや表示板に目標となる映像や光点が具体的に表示されるので、訓練者は目標体を視認する必要があった。そして、それら従来の眼のトレーニング装置においては、目標体をひたすら目で追いかけるだけの単純で反射的な運動訓練がおこなわれるだけであって、訓練中には「考える」とか「想像する」とか「記憶する」とか「計算する」とかの脳の活動はほとんど必要とされることがなく、少し長い時間をかけた訓練をおこなうと、訓練者は集中力を失い、もうろうとした浅い睡眠状態に入ってしまうか、あるいは、まるで軽い催眠状態に入ってしまったかのような無意識に近い状態で目標体をうつろに追いかけ回しているだけであった。
【0003】
過去において、スクリーンやモニターに映し出される映像を凝視させたり、設定した箇所に次々に現れる標識状の目標体や発光体を凝視させたり、前後や左右に移動するする標識状の目標体や発光体を凝視させたりする装置がいくつか発明され考案されたりしていたが、具体的な運用技術にまで深く踏み込んだものはなく、いずれも単純な反復訓練をするだけのものばかりであり、訓練はおもしろくなかった。そして、毎日続けるとか、3日に1回などように定期的におこなうということこそが大切なのにも関わらず、何日か経つとつまらなくなって訓練をやめてしまうことが多かった。単純でつまらない反復訓練だけでは脳はすぐに不活性な状態に陥ってしまい、そのような状況下での眼のトレーニングでは大きな効果を期待することはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に人は20歳を過ぎると脳の細胞は部分的に消失が始まると言われており、30歳代に入ると老眼にもなりはじめ、そして40歳代に入ると老眼の進行は加速され、眼筋や毛様体の瞬発力や持続力なども失われてゆき、視力的にボーッとし始めるにつれて頭もボーッとしてしまったような気になり、やがては記憶力や集中力、判断力、計算力、神経の伝達能力なども失われてゆく。これは肉体的な老化に伴うものなので、大半の人は眼筋や毛様体の衰えとともに老眼となってゆき、脳の働きもそれに伴い加速度的に衰えてゆく。本発明は、移動する目標に向かって視点を追従させることにより眼筋を積極的に働かせて衰えた筋力を回復させたり、スポーツ選手の眼筋を鍛えて動体視力を向上させたりすることができる眼のトレーニング装置に関するものあって、視点の方向を決定させる目標体の位置を、装置の使用者が目標体を認識する直前あるいは認識すると同時あるいは認識した直後に、トレーニング装置に連動した出力装置により音声で訓練者に告知し、具体的に提供される目標の位置や方向という外部情報や、音声という外部情報に反応して脳が確実に働くようにして集中力を持続させ、眼筋の活性化を図るとともに、脳のイメージ構成機能、方向認識機能、記憶機能、計算機能などの活性化を図り、さらに思考したとおりに筋肉を正確に素早く動くようにさせる神経の伝達機能の活性化をも図る装置を得ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、前記各請求項に記載された手段によって達成される。具体的には、従来の技術による眼のトレーニング装置に、音声を発生させる装置を加え、請求項3,4,5にて例示するような具体的な運用技術を加えた装置により課題が達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
具体的な実施形態を示す。本発明の基本となる従来技術には、以下に示すようなものがある。(1)視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置が、スクリーンまたはモニターを利用した装置であり、視点の目標位置や方向を決定させる目標体が映像または光点であることを特徴とするもの。(2)視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置が、移動する発光体または点滅する発光体の集合体を利用した装置であることを特徴とするもの。(3)出願人の発明である特願2002−128083のような、視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置が、顔面に装着できるタイプであり、刺激発生装置によって皮膚へのピンポイントの刺激を与え、その刺激されたポイントを視点移動の目標ポイントとすることを特徴とするもの。(4)出願人の発明である特願2002−369140のような、視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置が、音を利用した装置であることを特徴とするもの。以上(1)から(4)のような装置に、音声を発生させる装置を加え、訓練者に視点を定めるための目標位置や方向を告知することで、単に眼のトレーニングを行うだけでなく、脳のトレーニングも行えるようにしたものが発明の実施の形態となる。本発明の主体は、視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置と、視点を定めるための目標位置や方向を訓練者に告知する装置と技術の組み合わせにある。
【0007】
【発明の実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。本発明は前記した(1)や(2)のような装置、すなわち、スクリーンまたはモニターを利用した装置や移動する発光体または点滅する発光体の集合体を利用した装置のような、具体的な目標を実際に視認するタイプのトレーニング装置と組み合わせたものでも勿論よい。しかし、前記した(3)や(4)のような装置、すなわち、顔面皮膚に加えられたピンポイント刺激の位置や実存する音源が発する音の位置や音響装置により合成され疑似空間に配置された疑似音源が発する音の位置を、眼を閉じた状態で訓練者が感じ取って空間的なイメージを脳内に創りだし、感じた位置や方向に視点を移動させることで訓練を行うことを推奨するタイプのトレーニング装置と組み合わせたものによるほうが、より高い脳のイメージ構成能力や情報処理能力などが必要とされるので、大きな訓練効果を期待できる。したがって以下においては、音響装置により合成され疑似空間に配置された疑似音源が発する音の位置を、眼を閉じた状態で訓練者が感じ取って空間的なイメージを脳内に創りだし、感じた位置や方向に視点を移動させることで訓練を行うことを推奨するタイプのトレーニング装置と組み合わせたものを実施例として説明する。
【0008】
図1は、本発明に係る眼のトレーニング装置を使用した実施例を説明する略式説明図である。立体音響を合成する機能を有するサラウンドタイプのヘッドフォン1を装着した訓練者2は、立体音響によって合成された空間に平面3の存在を感じ取っている。平面3には時計をイメージさせる1から12までの数字が配置されていることを、訓練者2は音声により知らされている。ここで、知らされている、とはどういうことなのかを説明する。トレーニング装置を作動させると、はじめに音声で「あなたの眼の前に、一辺が2メートルくらいの大きな壁があります。そして、あなたはその壁から50センチメートルくらい離れた所に立っています。イメージできましたか?」と語りかけてくる。訓練者2がそのような状況をイメージできたころを見計らって、「その壁には、壁いっぱいの大きさの時計が掛かっています。直径が2メートル近くもある、とても大きな時計で、1時から12時を表す数字があなたの頭と同じくらいの大きさで描かれています。そして、それらの数字の裏側にはそれぞれにスピーカーが付いています。つまり、スピーカーが12個付いている時計というわけです。今からその時計の12の文字のところにあるスピーカーからボーンというような音が出ますから、良く聞いていてください。」という音声案内があり、すぐに12の数字の位置にあるスピーカーから、ボーンというような音が発せられる。勿論、この音は立体音響を合成する機能を有するサラウンドタイプのヘッドフォン1により創り出された疑似音源より発せられたものであり、訓練者2は、時計の12の数字のところにスピーカーがあって、そのスピーカーがボーンというような音を出しているとの錯覚を覚えているだけである。そして「では次に、時計の1の文字のところにあるスピーカーからボーンというような音が出ますから、良く聞いていてください。」と続けられ、すぐに1の数字の位置にあるスピーカーから、ボーンというような音が発せられる。同様の内容の音声案内と音の発生が2時の位置から11時の位置まで繰り返されることにより、訓練者2は、時計のように配置された1から12までの数字が、自分に対してどのような位置関係にあるのかをイメージできることになる。数字の位置紹介がひととおり終わったら、「次に、12時、3時、6時、9時、という時計回りの順序で音がなりますから、しっかりと聞き取って、それぞれの位置を覚えてくださいね。」という音声案内があり、すぐに12、3,6,9,の数字の位置にあるスピーカーから、ボーンというような音が発せられる。12と6により垂直方向が認識され、3と9により水平方向が認識される。このあたりで訓練者2は、眼の前にある大きな時計につけられた1から12までの数字の位置を、平面3が実在するかのように、かなり具体的にイメージすることができてくる。「時計」という単語を聞いただけで、多くの人が1から12までの数字が円周状に配置された壁掛け時計などを具体的に思い描くことができる。日常的に見慣れたこの「時計」というイメージをそのまま利用することは、訓練を極めて容易なものにしてくれる効果がある。
【0009】
ここで注目しておかなければならないことがある。立体音響を合成する機能を有するサラウンドタイプのヘッドフォンとしては、特開平5−336599に示されるような仮想現実視聴覚装置が発明されており、また具体的にも、ドルビーラボラトリーズ社がドルビーヘッドフォンとして開発した製品などが存在するが、ヘッドフォン使用者の顔の正面50センチメートルの位置より上方に向かって80センチメートルの位置に音源がある、などの正確な位置関係を認識させるほどの音響合成性能を有した製品はまだ実用化されていないのである。したがって、ただ単に立体音響を合成する機能を有するサラウンドタイプのヘッドフォンを使用者が装着して音を聞くだけでは、現在のところ、音源がどこにあるのかを正確に認識することはできないのである。
【0010】
本発明によれば、不十分であってもある程度の位置確認ができる立体音響を合成する装置があれば、具体的な訓練内容をイメージさせる音声案内と、音声案内の内容に適した音源位置情報を訓練者に与えることにより、与えた刺激以上にはっきりとした位置や方向を訓練者の脳内にイメージさせ、イメージの中で認識した位置や方向に訓練者の視点を大きく移動させることができ、眼のトレーニングと脳のトレーニングを同時に行うことができるようになる。
【0011】
音声案内により、装置の使用者は、非常に厳しい内容の位置関係を認識し記憶しなければならない。しかし、一度その位置関係を頭の中に正しくイメージさせてしまえば、次には、かなりあいまいな位置関係しか分からないような音情報などしか与えられなくても、脳のイメージ構成能力の助けを借りることにより、イメージの中の正しい位置関係に照らし合わせて最も近い位置や方向を認識することができるようになる。
【0012】
脳のイメージの中に、眼の前にある大きな時計の、1から12までの数字の正しい位置関係ができあがった後に本当の訓練がはじまる。訓練者2は高齢の方であるか、あるいは若くても普段あまり大きく眼を動かさないで、何かを長時間凝視するような仕事をしていて、眼の筋肉が正常に働きにくくなっている方であると仮定する。そのような方のために、まずは軽いストレッチ運動からはいる。音声で「9時のところから音が出ます。音がしたら、あなたがイメージしている大きな時計の9の数字を見てください。」と案内が行われ、9の位置より音が出る。訓練者2は9の位置に視点を移動させる。しかし、訓練者2は普段あまり大きく眼球を動かしていないので、9の位置に視点を移動させたつもりでも、実はイメージしている9の位置にまで視点が移動していないことがある。これでは十分なストレッチは行われない。そこで音声で「もう一度、9時のところから音が出ます。音がしたら、今度は9の数字をギュッとにらみつけてください。思いっきり左の方向を見ます。9の数字を通り越すくらいに左を見ても構いませんよ。」と案内が行われ、9の位置より音が出る。訓練者2は「さっきの9よりも、もっと左か。」と意識するので、確実に9の位置に視点を移動させるか、9の位置を越えるくらいにまで視点を移動させる。これと同様のことを、数字3の位置に対しても行い、右を見なさい、もっと右を見なさいと案内してあげる。視点移動のスピードを、1秒に1回くらいとすれば、ほどよい訓練となる。音声案内を「9,3,9、3,…………」として、左右への交互移動訓練を繰り返す。しかし前述したように、単に9,3,と指示しただでけでは、眼球の動きがにぶい訓練者2は、確実に9と3の数字に視点を合わせていないことが多い。そこで音声で「9,9,3,3,」と案内し、ひとつずつの数字を2回ずつ追わせるようにして、確実な視点の移動とにらみつける動作をさせる。訓練のイメージとして、1秒に1回くらいの間隔で「9,9,3,3,」という繰り返しが行われるということが脳に刷り込まれたら、音声案内の内容を「9,もっと左,3,もっと右,」という繰り返しにきりかえる。勿論、「もっと左」の案内に対しては、音が数字の9の位置よりももっと左に巻き込んだような左耳に近い位置から出るようにする。「もっと右」の案内に対しては、音が数字の3の位置よりももっと右に巻き込んだような右耳に近い位置から出るようにする。これにより視点は通常視野の限界に近いレベルにまで移動させられるようになり、眼筋の十分なストレッチ運動を行うことができるようになる。
【0013】
基本となる左右方向の訓練が終了したら、上下方向や、斜め方向を含めた訓練にはいる。これは音声案内の内容を「12,6。 1,7。 2,8。 3,9。 4,10。 5,11。 6,12。 7,1。 8,2。 9,3。 10,4。 11,5。」のように、ほぼ時計の中心に対して点対称となる位置を交互に案内する方法により容易に実現される。はじめは規則正しくスタート位置を時計回り方向などに進行しさせ、慣れてきたらスタート位置をランダムに変化させるのも良い。音声の案内と、案内された数字の位置で音が発せられるタイミングのずれは、音声案内完了の0.2秒後から0.4秒後くらいに音が発せられるのが良い。音声案内により0.2秒から0.4秒くらいという極めて短い時間内に数字の位置をイメージして視点を移動し、音の発生位置を確認して自分の眼球の動作に間違いがないことを確認することで、訓練に自信が持てるようになる。
【0014】
上下左右や斜め方向に関する視点の移動訓練が終了したら、記憶力や計算力の向上を図る訓練に移行する。ここまでの訓練で、時計に書かれた数字の位置は、ほぼ完全にイメージとして脳内に確立されている。したがって数字を音声案内するだけで、視点は素早く目標の位置に移動するようになっている。音声案内された数字に視点を移動させるだけの訓練に加え、計算をさせることにより、脳は一瞬のうちに何種類もの作業をこなさなければならず、脳は強制的に活性化させられるようになる。何種類もの作業とは、音声案内を聞いて内容を理解する作業、音声案内による数字の位置をイメージ空間の中で創りだし確認する作業、音声案内による数字の位置に眼球を移動する作業、音声案内による数字と音声案内による計算の方法によって導き出される答えに対応する数字の位置をイメージ空間の中で確認する作業、そして答えに対応する数字の位置に眼球を移動する作業などである。これらの作業を1秒程度の時間内に行い、何十回、何百回と繰り返すことは、脳にとっても、眼にとっても非常に激しい訓練となる。
【0015】
図2を用いて、具体的な手順を説明する。図2は、図1にて示した時計部分のみを表示した、訓練手順の説明図である。訓練は3の位置より始まるので、図中にSTARTと表示しておく。以下の説明においては、「 」状のかっこ内に示される「数字に関する音声案内」を、およそ1秒間に1回のリズムくらいで行うものとする。そして、( )状のかっこ内に示される音声案内を、(計算方法などを示す補助案内)として、数字に関する音声案内の間にはさんで入れていくものとする。つまり音声案内としては、およそ0.5秒に1回のリズムで「数字に関する音声案内」と(計算方法などを示す補助案内)とが交互になされるプログラムになっているものとする。音声案内がスタートすると、〈「3」(+)〉、〈「9」(=)〉、〈「12」(では次)〉、のように、1拍が〈 〉状のかっこ内に示される3拍子のリズムで案内がされ、これが3拍子1ブロックの基本パターンとなる。この時、音声案内と同期するように3拍子のリズムで刻まれるゆったりとしたワルツ形式の音楽などがバックグラウンドミュージックとしてプログラムに組み込まれていて流れていれば、とてもリラックスした精神状態での訓練ができるようになる。次にまた「12」(−)「4」(=)「8」(では次)、のように、3拍子のリズムに乗った音声案内が繰り返される。そして、「2」(×)「6」(=)「12」(では次)、「10」(÷)「5」(=)「2」、(では次)、のように音声案内がされた時点で、訓練者は、図2にて示されるような、方向を表す線群にて示されるように、垂直方向、水平方向、右斜め方向、左斜め方向の、ほぼすべての方向に、日常生活においてはほとんど動かすことのないほどの範囲で、視点を大きく移動させられていることになる。しかも、わずかこれだけの時間内で、足す、引く、掛ける、割るといった基本的な計算をもすべてさせられている。このように、バックグラウンドミュージックに乗りながら、ゆったりとした気分で、音声案内にしたがって簡単な計算をし、脳内にイメージされた数字の位置に視点を移動させるだけで、眼球の移動能力が高まり、脳のイメージ構成機能、方向認識機能、記憶機能、計算機能などの活性化を図り、さらに思考したとおりに筋肉を正確に素早く動くようにさせる神経の伝達機能の活性化をも図ることができる。
【0016】
図3を用いて、4拍子のリズムを利用した具体的な手順を説明する。図3は、図1にて示した時計部分のみを表示した、訓練手順の説明図である。訓練は12の位置より始まるので、図中にSTARTと表示しておく。音声案内がスタートすると、〈「12」(−)〉、〈「8」(+)〉、〈「2」(=)〉、〈「6」(では次)〉、のように、4拍子のリズムで案内がされ、これが1ブロック4拍子の基本パターンとなる。1ブロックの基本パターン中に計算が2回含まれており、計算が1回であった3拍子の基本パターンに比べて、より高度な計算力と記憶力が要求される。すなわち、「12」(−)「8」と案内された時点で視点は12の位置から8の位置へと移動しているが、計算結果である「4」を記憶したまま視点を2の位置に移動し、頭の中では「4」(+)「2」(=)「6」の計算を行い、計算結果である「6」をイメージして視点を6の位置に移動させることになる。次にまた〈「9」(+)〉、〈「3」(÷)〉、〈「6」(=)〉、〈「2」(では次)〉、のように、4拍子のリズムに乗った音声案内が繰り返される。この場合、はじめの計算結果に対して次の計算を行ってゆくので、9+3=12,12÷6=2との答えが導き出される。この答えは数学の式である9+3÷6=の答えとは異なる。はじめの計算結果に対して次の計算を行ってゆくという本発明によるルールは、訓練前に十分に訓練者に説明しておく必要がある。そして、〈「12」(−)〉、〈「6」(×)〉、〈「2」(=)〉、〈「12」(では次)〉、のように音声案内がされた時点で、訓練者は、図3にて示されるような、方向を表す線群にて示されるように、垂直方向、水平方向、右斜め方向、左斜め方向の、ほぼすべての方向に、日常生活においてはほとんど動かすことのないほどの範囲で、視点を大きく移動させられていることになる。しかも訓練者はわずかこれだけの時間内で、ひとつの計算結果を記憶しながら、連続する2度の計算をさせられるという高度な情報処理をおこなっており、わずか3回の計算式に従うだけの訓練で、足す、引く、掛ける、割るといった基本的な計算もすべてさせられている。勿論この時、音声案内と同期するように4拍子のリズムで刻まれるゆったりとした音楽などがバックグラウンドミュージックとしてプログラムに組み込まれて流れていれば、非常に高度な訓練のわりには、とてもリラックスした精神状態での訓練を行うことができるようになる。区切りのある音楽を利用することで、「この1曲が終わったら少し休憩しよう」などの考え方もできるので、たとえば1曲が3分間の曲であれば、少なくとも3分間は「区切りがつくまで」との意識が働き、集中した訓練ができるようになり効果的である。
【0017】
図4は、本発明に係る眼のトレーニング装置を使用した実施例を説明する略式説明図である。立体音響を合成する機能を有するサラウンドタイプのヘッドフォン4を装着した訓練者5は、立体音響によって合成された空間に平面6の存在を感じ取っている。平面6には時計をイメージさせる1から12までの数字が配置されており、さらにその数字群の外周に時計の24時間制をイメージさせる13から24までの数字が配置されていることを、訓練者5は音声により知らされている。それぞれの数字の位置にはスピーカーが配置されており、合計24個のスピーカーが存在することも、訓練者5は音声により知らされている。時計の数字を音声案内して、単純に視点を大きく動かすだけならば、時計は12時間制で十分である。たとえば(3,9,12,6,2,8,10,4)などの数字を音声案内して視点をそれらの数字の位置に追従させれば、それだけでも垂直方向、水平方向、右斜め方向、左斜め方向の、ほぼすべての方向に、日常生活においてはほとんど動かすことのないほどの範囲で、視点を大きく移動させられていることになる。しかし、視点の移動とほぼ同時に、計算をさせたり、計算の結果を記憶したまま次の作業に移行させるなどの複合的な頭脳訓練を行うにあたっては、1から12までの数字だけでは、変化に富んだ適切な計算式をつぎつぎと作りだしていくことが難しくなる。ここで、1から24までの数字を扱うことが許されれば、1から12までの数字しか使えない場合に比べ、何百倍、あるいはそれ以上の種類の変化に富んだ計算式を作ることができるようになる。たとえば、2×8=16,23−7=16,3+21=24,18÷2=9,のような計算式である。この計算式に従うだけでも、垂直方向、水平方向、右斜め方向、左斜め方向の、ほぼすべての方向に、視点を大きく移動させられている。そして、足す、引く、掛ける、割るといった基本的な計算に変わりはないものの、23−7などの計算式は、普段あまり計算をしない方にとっては、とてもストレスの大きい計算式となっており、そのような計算式をかなり自由に作りだし提供することで、計算力の向上に大きな効果が期待できるようになる。前述した、ひとつの計算結果を記憶しながら次の計算を行う4拍子の訓練に必要な計算式も、1から24までの数字を使えば、かなり自由に作りだし提供することができるようになる。また24時間制の概念は、確実な時間を相手に伝える必要があるビジネスや公務などに主として用いられていて、あまり日常的ではないので、一般の人に突然、「17時に、逢おうね」などと言うことはあまりない。そのような一般の人に、24時間制の概念を身につけてもらうための訓練として本発明を利用してもらえば、おおいに役立つものである。図1のような訓練を(12HOURS GAME)、図4のような訓練を(24HOURS GAME)などと呼ぶことによれば、訓練ではなくなるので、楽しくなり、毎日訓練を続けることができるようになる。(24HOURS GAME)にしたときには、計算の苦手な訓練者でも、ゆっくりと計算できるように、音声案内に(ゆっくりモード)を用意するなどの配慮が必要である。ここで(24HOURS GAME)を例にとって、少し変化のある訓練の実施例を述べる。図4における1から12までの数字はそのままの平面位置に置き、13から24までの数字を、訓練者から1.5メートル離れた前方にある平面上に移動し、数字の位置を、前後のふたつの平面で同じイメージとなるように並べ替えて配置する。これは立体音響を合成するソフトウェアの変更により対応できる。そのようにした本発明の実施例の構成イメージを、略式説明図である図5にて示す。このようにすることで、訓練者は距離感の異なるふたつの平面を認識し、そのふたつの平面間で視点を移動させることによって深い距離感を味わうことができるので、ひとつの平面上の訓練に飽きてしまった頃に実施すると、また変わった印象を受けるので、新鮮な気持ちを取り戻して訓練にのぞむようになる。この、距離感の異なるふたつの平面を認識し、そのふたつの平面間で視点を前後移動させるという訓練には特別な効果が加わる。たとえ音源が疑似音源であったとしても、近くに音源がある、と脳がイメージの中で認識すれば、脳は眼に対して近くを見るように指令を出し、眼はその指令に従う。毛様体が働くことによってピントが調節されるという説が正しければ、毛様体は近くを見るように働く。また、眼筋が働くことによってピントが調節されるという説が正しければ、眼筋は近くを見るように働く。あるいは、毛様体と眼筋が同時に働くことによってピントが調節されるというのであれば、毛様体と眼筋は協同して近くを見るように働く。人は脳でモノを見ている、という本論で考えれば、まぶたを閉じていたり、暗闇の中にいたりしても、音源が近くにあると脳が認識してその音源を見ようとするのであれば、視線をその方向に向けるように眼筋は働き、眼のピントも音源の位置に合わせて調節される。暗闇の中だからといって、眼が脳よりの指令を拒否することはない。眼に意志はない。脳が「認識した近くの目標にピントを合わせろ」と指令を出せば、光のあるなしに関わらず眼はそのように働く。この訓練は、ピント調節の機能を高める効果がある。
【0018】
図6は、本発明に係る眼のトレーニング装置を使用した他の実施例を説明する略式説明図である。出願人の発明である特願2002−128083のような、視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置が、顔面に装着できるタイプであり、視点の目標位置や方向を決定させる目標が、皮膚への刺激発生装置によるピンポイントの刺激であることを特徴とするゴーグルタイプのものを利用した実施例である。ここでいうゴーグルタイプとは、一般でいうところのゴーグルに付いているような視界をさえぎるようなシールド板などを必要とするものではなく、また立ち上がり部が高い縁周り本体や、耳にかける目的の部材や、頭に回して縁周り本体を固定する目的のゴムバンドなども特には必要としない。極端にいえば、シリコンゴム製で顔面の凹凸にフィットする3次元形状をした厚さ4ミリ程度、幅10ミリ程度の略楕円状のリング板であって、リングを12等分するような位置に極めて小さなブザーを12個埋め込んだような製品であっても良い。ゴーグル7の顔面への接触部には、黒点にて示されるような位置に12個のピンポイント刺激発生装置、たとえば小さなブザーのようなものが配置されている。この12個の刺激発生装置が、12時間制の時計の数字に1対1で対応していることを、訓練者8は音声により知らされている。ゴーグル7を装着した訓練者8は、音声案内が「1」であったときには図6のように、右目の視線を矢印9の方向に向け、左目の視線を矢印10の方向に向ける。立体音響を合成する機能を有するサラウンドタイプのヘッドフォンを利用した場合には、合成音と音声案内と脳のイメージ構成能力により、時計の数字には具体的な位置、すなわち空間座標が与えられていた。そして、訓練者もその空間座標を感じ取って訓練にのぞんでいた。しかし、ゴーグルタイプのものを利用した今度の実施例では、ピンポイント刺激が直接的に顔面に加えられるので、時計の数字の位置は顔面皮膚上にあることになる。つまりイメージとして、訓練者は、1から12までの時計の数字がペタペタと自分の顔に貼り付けられているものと考えればよい。そして、それらの数字がビービーと振動するなどして、数字の位置を訓練者にダイレクトに認識させると考えればよい。たとえば、3時や9時を示すポイントは、眼の外側のこめかみあたりになる。3時のポイントで刺激を与えると、訓練者は自分の右こめかみを見ようとする。しかし、実際には眼球はそれほど極端に真横には動けないので、視点がこめかみの3時のポイントに一致することはない。視線を3時の方向に向けようとするだけである。しかし、このような「自分の眼の周りの、顔面皮膚上のワンポイントを見ようとする作業」は、自分の前にある何かを見ようとする訓練に比べ、眼球は常に視野の限界ともいえる方向に動かされるので、眼筋の訓練としては非常に大きな効果が得られる。ゴーグルタイプのものを利用したこの実施例でも、(12HOURS GAME)を行うことで、訓練は楽しいものとなり、毎日訓練を続けることができるようになる。(12HOURS GAME)の変形バージョンもある。音声案内が「正三角形」となったときに、(12,8,4、12)の4個の数字位置が刺激という情報として訓練者に与えられる。視点が指示どおりに移動した時には、頭の中にはいつも見慣れた真円状の時計がイメージされているので、図形としての正三角形ができあがる。つまり(数字を図形で覚えようゲーム)である。「逆正三角形」の時には(6,10,2、6)の4個の数字、「ひし形」の時には(12,9,6、3,12)の5個の数字、という具合である。その他、「縦長の長方形」(1,11,7、5,1)、「横長の長方形」(10,2,4、8,10)、「6角形」(12,10,8、6,4,2,12)、「8の字形」(1,11,5、7,1)などのように、幾種類もの図形を時計の文字の中に創り出すことができる。「正三角形」という言葉から、その形状をイメージし、指示されるであろう数字(12,8,4、12)を訓練者は予測する。そして予測どおりにゲームは進む。思ったとおりにことが進行する。これは、とても気持ちの良いことである。時計の文字を応用したこのような「気持ちの良いゲーム」を訓練におりまぜることによっても、訓練者に新鮮な気持ちを取り戻させることができ、訓練を持続させる効果が出る。
【0019】
次に図7を用いて、地図などにて用いられるコンパスをイメージさせる8方位を利用した実施例を説明する。図7は、本発明に係る眼のトレーニング装置を使用した実施例を説明する略式説明図である。立体音響を合成する機能を有するサラウンドタイプのヘッドフォン11を装着した訓練者12は、立体音響によって合成された空間に、自分の前50センチメートルくらいの位置に平面の存在を感じ取っている。平面には地図などにて用いられるコンパスをイメージさせるN,S,W,E,とNW,SW,NE,SEの文字が配置されており、それぞれの文字の位置にはスピーカーが配置されていることを、訓練者12は音声によりすでに知らされている。この訓練は、方位を認識する目的を含んでいるので、指示された方位に視点を移動したら、必ず視点をセンターポイント13に戻すことをルールとする。音声案内がスタートすると、〈「N」(もどして)〉と案内がされる。Nの位置で音が発せられ、すぐにセンターポイント13の位置で音が発せられる。訓練者12は視点をNの位置へ移動させ、すぐにセンターポイント13に視線を戻す。これでNという方位が、センターポイント13の上方に位置することを確認でき、Nという方位がイメージとして上の方向であると認識できるようになる。同様に、〈「W」(もどして)〉と案内がされるとWの位置で音が発せられ、すぐにセンターポイント13の位置で音が発せられる。訓練者12は視点をWの位置へ移動させ、すぐにセンターポイント13に視線を戻す。これでWという方位が、センターポイント13の左方に位置することを確認でき、Wという方位がイメージとして左の方向であると認識できるようになる。また同様に、〈「NE」(もどして)〉と案内がされるとNEの位置で音が発せられ、すぐにセンターポイント13の位置で音が発せられる。訓練者12は視点をNEの位置へ移動させ、すぐにセンターポイント13に視線を戻す。これでNEという方位が、センターポイント13の右斜め上45度に位置することを確認でき、NEという方位がイメージとして右斜め上45度の方向であると認識できるようになる。すべての方位に対して同様の訓練を行うことにより、方向感覚がしっかりと身に付くようになる。この訓練の特徴は、8方位のいずれかの位置へ視点を移動させ、すぐにセンターポイント13に視線を戻す、というところにある。どこに視点を移動させても、素早く視点をセンターポイント13に戻すという訓練は、スポーツ選手に有効な訓練である。目標とするポイントに顔の正面を向けたまま注意力をそらさないで、周囲の状況を素早い眼球の動きで一瞬の内に判断して、素早く視点を目標に戻しプレーをすることができるようになるからである。周囲の状況を的確に把握し、目標に対して常に顔の正面を向け、意識を集中して目標を注視しプレーすることはスポーツの基本である。
【0020】
次に図8を用いて、移動位置を記憶するゲームである実施例を説明する。図8は、本発明に係る眼のトレーニング装置を使用した実施例を説明する略式説明図である。立体音響を合成する機能を有するサラウンドタイプのヘッドフォン14を装着した訓練者15は、立体音響によって合成された空間に、自分の前50センチメートルくらいの位置に平面の存在を感じ取っている。平面には9個のスピーカーが配置されていることを、訓練者15は音声によりすでに知らされている。音はスピーカーの中央からピンポイント的に発せられる。この実施例では、スピーカーの位置に特別な文字や数字を配置する必要はない。音声案内がスタートすると、〈(上に1歩)(右に1歩)(下に1歩)(左に1歩)(左に1歩)(下に1歩)(右に1歩)(右に1歩)〉と、あたかも平面上を1歩ずつ歩くかのような案内がされる。音声案内に伴い、それぞれの位置でスピーカーの中央からピンポイント的に音が発せられる。訓練者15は矢印16〜矢印23に至るコースを歩いたイメージを頭の中に描き、記憶する。この場合はセンターポイント24をスタートしてから8個のポイントを通過するので、記憶すべき情報は8個である。通常の人は、低年齢の子供で4個程度、成人でも7個程度が確実に覚えられる情報の数である。したがって8桁の数字を覚えることは、かなり難しい作業といえる。しかし矢印16〜矢印23に至るコースのように、図形的なイメージを伴う情報は記憶しやい。「では、もう一度同じコースをたどってみましょう。」と音声案内がはいり、前回と同じコースのとおりに音が発せられて行き、それに合わせて視線を移動させて行く。音が発せられる前に自分の視線を次のポイント、次のポイントと先に移動させていき、すべてが正解だった時には大きな満足感が得られる。そして、また満足感を得たいので、「さあ、次の問題をやってみようか。」と訓練を楽しんで行うようになる。訓練がつまらない、つらい、きつい、苦しい、などと感じてしまうことが、従来の眼のトレーニング装置の欠点であったが、本発明によれば、訓練が楽しいゲームのように感じられるようになる。
【0021】
本発明は、前記の実施例の形態に限定されるものではなく、部分的な改変や、構成要素の数や形状や材質の変更などにより、実施の形態は変化する。ヘッドフォンには、電源となる乾電池、電源をONしたりOFFしたりするためのスイッチ、音を発生させるスピーカー、スピーカーを駆動させるアンプ、仮想空間を創り出すためのプログラムと訓練モードごとに疑似音源位置を決定させるプログラムが組み込まれたコンピュータ装置、訓練のモードを切り替えるためのスイッチ、外部機器からの信号を取り入れるための入力端子や赤外線受信装置などが組み込まれているか、ヘッドフォンを軽量化するために、音を発生させるスピーカーと信号を受信する装置とヘッドフォンを機能させるのに必要な最低限の電源装置以外の装置をすべて外部機器に集中させても良いし、外部機器とヘッドフォンとの信号のやりとりに赤外線装置を利用すれば、コードレス状態になり、軽量で非常に使用感の良い訓練装置となる。なお、本発明の主体は、ヘッドフォンを主たる実施例とするような、視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置と、視点を定めるための目標位置や方向を訓練者に告知する装置と技術の組み合わせにあるので、前述したような電源、スイッチ、スピーカー、アンプ、プログラムが組み込まれたコンピュータ装置、入力端子や赤外線受信装置、配線、電子制御系などの図示と説明は省略する。
【0022】
なお、本発明による眼の訓練を、通常視野の限界に近い大きな範囲でリズミカルにそしてスピーディーにやってみると、1分間ほどの訓練でも「ものすごく目が疲れた、頭がクラクラする。」といった感じになる。これは、通常の生活では動かすことも意識することもない視野の周辺限界範囲にまで視線と意識を移動させたことによる疲労感である。普段は平地しか歩いていない人が、突然、絶壁を駆け上がるような訓練となるので、はじめはゆっくりとした眼球の動きをさせるとか、視点の移動範囲をあまり大きくしないとか、訓練者の年齢や能力を十分に考えたプログラムで訓練をすすめる必要がある。リラックスモード、ウォーキングモード、ストレッチモード、ジョギングモード、スポーツモード、ハードスポーツモードなどのように段階的に練度を上げていく訓練モードをプログラム的に用意し、いろいろな機能が衰えてきている高年齢の方から、最大限の能力向上を望むプロのスポーツ選手にいたる、あらゆる人に対応できる眼のトレーニング装置とすることが望ましい。また、事前告知のタイミングも、装置が作動する直前0.2秒とか、0.5秒とか、訓練者が快適と思えるタイミングに音声が発せられるように調節できる機構が組み込まれる方がよい。事前告知のタイミングが、装置が作動する直前0.2秒から0.4秒くらいが、最も効果的な訓練となるが、高年齢の方や、何らかの障害を持たれた方などにとっては、事前の音声案内は、次の作業を強制されるような嫌悪感のある案内ともなりうるので、そのような方には、まず初めに位置や方向などの具体的な情報を、映像や光点や音や刺激として与えてしまい、視点の移動が完了したころに音声案内でその位置や方向を知らせてやるほうが、「うん、これで良かったのだな。」と自分の行為に対しての確信が得られるので、次の訓練に対しても自信を持ってのぞめるようになる。まずは訓練がイヤにならない環境を提供することが大切である。訓練者が訓練に対して十分な自信を持てるようになれば、事後の告知であったものを、装置の作動と同時に音声案内がされるように、タイミングを少しずつ調整していけばよい。毎日訓練を続けていけば、やがては脳も眼も十分に活性化されるので、その時には、大きな効果が得られる事前告知に切り替えていけばよい。
【0023】
【発明の効果】
眼は脳の延長であるといって良いくらい脳と直結した器官である。視力とは、脳が何かを見ようとする力であり、イメージ構成能力の向上は総合的な視力の向上に直結する。目標を見ようとすることにより視覚を司る後頭葉が刺激され、音声情報を処理しようとして側頭葉が刺激される。そして、脳に2以上の仕事を同時にさせることにより前頭葉が刺激される。前頭葉は人間を人間たらしめる大切な部分であり、意志決定や何かをしようとする気持ちのわき上がり、すなわち創造性も前頭葉の仕事であり、記憶しろという命令も前頭葉が出す。精神的な作業を司る機能が前頭葉にはたくさんあり、ひとつひとつは単純な作業でも複数の作業を同時に行うことにより前頭葉が強く刺激され、老化防止やボケ防止に高い効果が期待できることが広く知られている。本発明によれば、見る、聞く、考える、イメージする、記憶する、計算する、筋肉を動かすなどの訓練がほぼ同時に行われるので、後頭葉、側頭葉、前頭葉が効率よく活性化され、眼と耳と脳の連携が強化され、眼球を動かす能力を主体とした視力の向上を図るとともに、記憶力の向上、情報処理能力の向上、創造力の向上などをも図ることができる。もう少し具体的に説明すると、従来のような単純な目標凝視訓練装置や視点の目標追跡訓練装置によるよりは、位置や方向を指示する装置に音声発生装置を加え、音声によって位置や方向を脳に知らせ、位置や方向をはっきりと脳にイメージさせたうえでそれらの情報を記憶と照らし合わせる作業を行わせながら目標に向けて眼球を動かす訓練を行う本発明による方が、脳は全体的に活性化されると言い換えることができる。そして、活性化された脳よりのより強い信号が視神経や眼球や水晶体などにも加わって眼全体を活性化し、脳のイメージ構成能力などを含めた総合的な視力が向上する。本発明によって目標を見ようとする時に加えられる音声情報は記憶情報を呼び起こし、脳を積極的に刺激して脳内に特定のイメージを創り上げさせ、簡単な計算やゲームなどを行うことにより脳の情報処理能力も活性化させ、集中力も持続させる。眼球を動かす筋力が鍛えられて視点を移動させるスピードが速くなり、脳の記憶力と情報処理能力が高まり頭の回転が速くなった状態で文章を読めば、短時間でより多くの文章を読むことができるようになり、読んだ内容をイメージとして深く認識でき記憶できるようになるので、総合的な理解力も向上する。本発明は、ものを見るための総合的な力を「視力」と考えることを基本としている。一般的に知られている視力検査表は「ランドルト環」とよばれるアルファベットの「C」に似た記号を用いている。視力1.5とか、視力0.7とかの結果が出る検査表である。しかし、その検査表で判断されるのは、5メートルの距離からどれくらい細かくものを見分けることができるかという静止視力のみである。30センチメートルの距離からどれくらい細かくものを見分けることができるかという近距離視力はまた別の視力である。その他、距離感をはかる能力である深視力、動いているものを見極める能力である動体視力、視野の中に入ったものをどれだけ把握できるかという能力である周辺視力、瞬間的に目標を見極める能力である瞬間視力、両眼の視線が見るものに向かって正しく集中していく能力である輻輳力(ふくそうりょく)なども大切な「視力」であり、思った時に思ったとおりに素早く眼球を目標に向けて動かす能力も「視力」である。また、左右の眼球に入ってきた異なる映像情報を、ひとつの立体的な映像として認識する脳の能力も「視力」である。これらいくつもの視力の中のどれかひとつでも欠けていれば、動くものを正しく識別したり、変化する周囲の様子を正しく認識することはできなくなり、日常生活にも支障をきたすこととなる。よく考えれば分かることであるが、眼の網膜に映った映像は上下左右が逆転した倒立像であり、脳がそれを正立像に変換して自分との相対的な位置関係を正しく認識している。情報の入り口は眼であるが、情報の最終処理は脳が行っているのである。すなわち、最終的には、ものは眼ではなく、脳で見ていると言える。したがって、脳が不活性な状態では正常にものを見ることはできない。はいってきた情報をうまく処理できない、せっかくの情報も覚えていられない、情報の位置関係がはっきり認識できない、情報の存在する空間を正しくイメージできない、情報を処理する集中力が持続できないなどの不活性な状態にある脳を、正しい手順で刺激して正常に働かせてやれば、脳内機能をも含めた総合的な意味での「視力回復」が図れるのである。見る、聞く、考える、イメージする、記憶する、計算する、筋肉を動かすというような作業をほぼ同時に行う本発明によれば、いま述べたような本当の意味での「視力回復」の訓練を行うことができるようになる。視力回復の効果に加えて特別に得られるものとして、時計を映像的にイメージさせ時刻を方位的に意識させる1から12または1から24までの数字や、地図や地形を映像的にイメージさせ方位を意識させるN,S、E,WやNE,NW、SE,SWなどのアルファベットの文字や北、南、東、西、北東、北西、南東、南西などの文字が配置された空間を、脳の中に瞬間的に構成させる訓練は、数字の持つ意味や文字の持つ意味を映像的にとらえる能力や、いくつかの数字や文字によって作られる図形的イメージを映像的にとらえる能力を発達させ、右脳を活性化させ発達させる効果がある。右脳の活性化と発達は、創造力の活性化と発達に直結し、芸術的な仕事に従事している人や、企画や開発の仕事に従事している人にとって最も必要とされる独創性を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を説明する略式説明図。
【図2】訓練手順の説明図。
【図3】訓練手順の説明図。
【図4】実施例を説明する略式説明図。
【図5】実施例を説明する略式説明図。
【図6】実施例を説明する略式説明図。
【図7】実施例を説明する略式説明図。
【図8】実施例を説明する略式説明図。
【符号の説明】
1、4,11,14…………ヘッドフォン
2、5,8,12,15……訓練者
3、6…………………………平面
7………………………………ゴーグル
9,10,16,17,18,19,20,21,22,23……矢印
13,24……………………センターポイント
Claims (5)
- 視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置において、トレーニング装置が作動して目標位置や方向を指示しようとする直前に、音声によりその目標位置や方向を訓練者に告知し、音声という外部情報に反応してまず第一に脳を働かせ、音声によって知らされた目標位置や方向を一度思考し、次にイメージした目標位置や方向へ視点を動かすという手順を訓練者に踏ませることにより、脳のイメージ構成機能と、方向認識機能と、記憶機能と、計算機能と、思考したとおりに目を正確に素早く動くようにさせる神経の伝達機能の活性化を図るとともに、眼球を動かす筋肉や水晶体をコントロールする毛様体などの活性化を図ることを特徴とする、事前告知機能付きの眼のトレーニング装置。
- 視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置において、トレーニング装置が作動して目標位置や方向を指示するのとほぼ同時にあるいは直後に、音声によりその目標位置や方向を訓練者に告知し、反射的にほとんど何も考えない状態で移動する目標にただ単純に視点を追従させることで訓練を完了するのではなく、音声によって知らされた目標位置や方向を思考し、イメージした目標位置や方向へ視点を動かしたことを脳で確認するという手順を訓練者に踏ませることにより、具体的に提供される目標の位置や方向という外部情報や音声という外部情報に反応して確実に脳を働かせ、反応が速いとか遅いとかを気にしたりすることなく、あるいは老化の進行具合などを気にしたりすることなく、脳のイメージ構成機能と、方向認識機能と、記憶機能と、計算機能と、思考したとおりに目を正確に素早く動くようにさせる神経の伝達機能の活性化を図るとともに、眼球を動かす筋肉や水晶体をコントロールする毛様体などの活性化を図ることを特徴とする、告知機能付きの眼のトレーニング装置。
- 視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置が、時計をイメージさせる12方位を利用した装置であることを特徴とする請求項1記載または請求項2記載の眼のトレーニング装置。
- 視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置が、時計をイメージさせる12方位を利用した装置であり、訓練者への告知内容が、答えが1から12までの整数あるいは1から12および13から24までの整数(すなわち時刻をイメージさせる位置や方向に対応した数字)となる演算内容であることを特徴とする請求項1記載または請求項2記載の眼のトレーニング装置。
- 視点を定めるための目標位置や方向を指示する装置を有する眼のトレーニング装置が、地図などにて用いられるコンパスをイメージさせる8方位を利用した装置であることを特徴とする請求項1記載または請求項2記載の眼のトレーニング装置。
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