JP2004208971A - 針組立体 - Google Patents
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Abstract
【課題】針先の切れ味が良いことと、穿刺時に針を介しての感覚が伝わり易いこととの両立を図ることができる針組立体を提供すること。
【解決手段】本発明の針組立体は、好ましくは硬膜外針に適用することができ、外針2と、外針2の基端部に固着されたハブと、外針2内に挿入される内針(芯材)と、内針の基端部に固着されたハブとで構成されている。外針2の針先3は、それより基端側の外針本体部に対し若干湾曲して形成されており、この針先3には、開口31の全周を囲む刃面4が形成されている。そして、刃面4の最先端部41を除く所定の部位には、粗面5が形成されている。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の針組立体は、好ましくは硬膜外針に適用することができ、外針2と、外針2の基端部に固着されたハブと、外針2内に挿入される内針(芯材)と、内針の基端部に固着されたハブとで構成されている。外針2の針先3は、それより基端側の外針本体部に対し若干湾曲して形成されており、この針先3には、開口31の全周を囲む刃面4が形成されている。そして、刃面4の最先端部41を除く所定の部位には、粗面5が形成されている。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば麻酔薬のような薬液を注入するために生体内に針を穿刺するための針組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
硬膜外麻酔手技は、術中において副作用の高い全身麻酔量を低減化することができ、また、術後も術後痛を緩和することができ、運動神経系や消化器官系を阻害されずに患者の早期リハビリ、早期回復、早期退院を促進する効果があるとして注目され、広く実施されている。
【0003】
この硬膜外麻酔手技の一般的な操作法を説明すると、背面を消毒し局部浸潤麻酔をした後、外針内に内針を挿入した針組立体よりなる硬膜外針を背中皮膚面から穿刺して行き、棘間靭帯に到達後、内針を抜く。その後、硬膜外腔を確認するために、生理食塩水を入れたシリンジを接続して押し子の感覚を確かめながら硬膜外腔位置を探すLОR(Loss Of Resistance)法を行う。
【0004】
ところで、医師等の術者がこのような硬膜外針を背中に穿刺する際、硬膜外針の切れ味に関する要求は、「切れ味の良い針」と「切れ味の悪い針」とに2分されている。これらは、互いに相反する性質である。
【0005】
「切れ味の良い針」を好む術者としては、一番切れの悪い皮膚部の切れが良く、スムーズに棘間靭帯付近まで針を押し進められるような、ストレスを感じない手技を求めており、「切れ味の悪い針」を好む術者は、針を介して皮下組織の感覚が伝わり、棘間靭帯付近のブツブツもしくはザクザクした感覚が伝わることにより針先が棘間靭帯付近に到達したことが確認され、手を放して内針を引き抜くことができる。
【0006】
しかし、「切れ味の良い針」では、切れが良く、針の刺入がし易いという利点がある反面、前述したような感覚がほとんど伝わらず、穿刺しすぎて、硬膜を破り神経組織を傷つけてしまうという医療事故を発生する可能性がある。一方、「切れ味の悪い針」では、皮下組織の感覚が伝わるという利点がある反面、皮膚部分への穿刺がし難い(穿刺抵抗が大きい)ので、穿刺操作時にストレスを感じ、また、強く突っ張ってから一気に深い部分まで突き刺してしまい、そのため、硬膜を破り神経組織を傷つけてしまうという医療事故を発生する可能性がある。
【0007】
なお、硬膜外針として、針先の刃面の形状に工夫をしたものが知られている。すなわち、外針の針先の刃面が側面視で波形(S字形状)をなしているものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
しかし、この硬膜外針においても、針先の切れ味が良いことと、穿刺時に針を介しての感覚が伝わり易いこととの両立を図ることはできない。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−79088号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術の課題を解消すべくなされたもので、針先の切れ味が良いことと、穿刺時に針を介しての感覚が伝わり易いこととの両立を図ることができる針組立体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により達成される。
【0012】
(1) 先端部に針先を有する外針と、外針内に挿入される芯材とを有する針組立体であって、
前記外針の針先は、刃面を有し、前記刃面の最先端部を除く所定の部位に粗面加工が施されていることを特徴とする針組立体。
【0013】
(2) 前記刃面の長軸方向の長さをL0、前記粗面が形成されていない最先端部の前記長軸方向の長さをL1としたとき、L1/L0が0.05〜0.15である上記(1)に記載の針組立体。
【0014】
(3) 前記刃面の総面積をS0、前記粗面の総面積をS1としたとき、S1/S0が0.1〜0.9である上記(1)または(2)に記載の針組立体。
【0015】
(4) 前記粗面の表面粗さRmaxが、15〜70μmである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の針組立体。
【0016】
(5) 前記刃面の前記粗面が形成されている部位の基端側に、粗面が形成されていない部位を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の針組立体。
【0017】
(6) 硬膜外針として用いられる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の針組立体。
【0018】
(7) 脊椎麻酔針または神経ブロック針として用いられる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の針組立体。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の針組立体を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1および図2は、それぞれ、本発明の針組立体を硬膜外針に適用した場合の実施形態を示す側面図および断面側面図(縦断面図)、図3は、図1および図2に示す硬膜外針における外針の針先の構成を示す拡大斜視図、図4は、同外針の刃面に形成された粗面の領域を示す平面図である。以下の説明では、図1〜図4中の左側を「基端」、右側を「先端」という。
【0021】
図示の針組立体(硬膜外針)1は、主に麻酔薬を注入するための硬膜外カテーテルを患者の硬膜外腔に挿入する操作の際に用いられるものであり、外針2と、外針2の基端部に固着されたハブ6と、外針2内に挿入される内針(芯材)7と、内針7の基端部に固着されたハブ8とで構成されている。
【0022】
内針7は、図示の構成では中実の棒状体で構成されているが、中空でもよい。また、外針2のハブ6には、麻酔薬等を注入するためのシリンジ(図示せず)の先端部が接続可能とされている。
【0023】
内針7を外針2の基端側から外針2内に挿入し、内針7のハブ8が外針2のハブ6に嵌合すると、この状態で、内針7の針先は、外針2の針先3とほぼ一致し、針先3の開口(先端開口)31の少なくとも半分以上を塞ぐように構成されている。
【0024】
外針2および内針7の構成材料は、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、Ni−Ti合金等の超弾性合金等の各種金属材料、ポリフェニレンサルファイド等の各種硬質樹脂材料等が挙げられる。
【0025】
外針2の外径は、特に限定されないが、0.6〜2.0mm程度が好ましく、0.8〜1.3mm程度がより好ましい。
【0026】
外針2の内径は、特に限定されないが、0.5〜1.9mm程度が好ましく、0.7〜1.2mm程度がより好ましい。
【0027】
外針2の針先3は、それより基端側の外針本体部に対し若干湾曲して形成されており、この針先3には、刃面(先端斜めエッジ部)4が設けられている。この刃面4は、開口31の全周を囲むように形成され、その全体形状は、楕円のリング状をなしている。
【0028】
本発明では、刃面4の最先端部41を除く所定の部位に粗面加工が施されている。すなわち、図3および図4に示すように、刃面4の最先端部41には粗面加工が施されておらず、それより基端側の部位に粗面加工が施され、粗面5が形成されている。さらに、粗面5の基端側の部位には、再び粗面が形成されていない領域がある。
【0029】
このように、刃面4の所定の部位に粗面5を形成することにより、外針2を皮下組織に穿刺する際に、外針2の刺入を進めるのに伴い、皮下組織の感覚が刃面4を介して術者の手(ハブ6を把持する手)に伝わり易くなり、例えば棘間靭帯付近のブツブツもしくはザクザクした感覚も認識することができるようになる。
【0030】
ただし、粗面5は、刃面4の最先端部41を除く所定の部位に形成されているため、外針2を皮下組織に穿刺する際に、針先3は、最先端部41により良好な切れ味が確保され、皮膚表面から棘間靭帯付近まで、外針2を円滑に押し進めることができ、術者のストレスが軽減されるとともに、過剰に穿刺する等の誤操作が防止され、安全性が向上する。
【0031】
最先端部41や粗面5の条件、特に、刃面4上における最先端部41の長さ、粗面5の形成箇所、形成領域の面積比、粗面5の粗さ等は、それぞれ、特に限定されないが、以下に述べるような範囲であるのが好ましい。
【0032】
刃面4の長軸方向(図4中の左右方向)の長さをL0、粗面5が形成されていない最先端部41の前記長軸方向の長さをL1としたとき、L1/L0は、0.05〜0.15であるのが好ましく、0.08〜0.1であるのがより好ましい。L1/L0の値が大きすぎると、刃面4全体に対する粗面5の占める面積比が小さくなり、穿刺操作の際に皮下組織の感覚が術者の手に伝わり易くなるという効果が少なくなる。一方、L1/L0の値が小さすぎると、針先3の切れ味が低下し、穿刺抵抗が増大する傾向を示す。
【0033】
また、刃面4の総面積をS0、粗面5の総面積をS1としたとき、S1/S0は、0.1〜0.9であるのが好ましく、0.4〜0.8であるのがより好ましい。S1/S0の値が小さすぎると、穿刺操作の際に皮下組織の感覚が術者の手に伝わり易くなるという効果が少なくなる。一方、S1/S0の値が大きすぎると、針先3の切れ味が低下し、穿刺抵抗が増大する傾向を示す。
【0034】
粗面5の表面粗さRmax(JIS B 0601で規定)は、15〜70μmであるのが好ましく、30〜55μmであるのがより好ましい。粗面5の表面粗さRmaxが大きすぎると、前記S1/S0の値が大きい場合等に、針先3の切れ味が低下し、穿刺抵抗が増大することがある。また、粗面5の表面粗さRmaxが小さすぎると、前記S1/S0の値が小さい場合等に、穿刺操作の際に皮下組織の感覚が術者の手に伝わり易くなるという効果が少なくなる。
【0035】
粗面加工の方法(粗面5の形成方法)は、特に限定されず、例えばヤスリや砥石による加工、ショットブラスト、サンドブラスト、ガラスビーズブラスト等によるブラスト処理、レーザ加工、エッチング処置等の化学処理、ワイヤーカット等、またはこれらを適宜組み合わせた方法が挙げられる。なお、これらの方法を実行するに際し、最先端部41等の粗面を形成しない部位に対しては、マスキングを施して粗面加工がなされないようにする、あるいは、一旦、刃面4の全面に粗面加工がなされた後に、鏡面加工(鏡面研磨)を施す等により非粗面状態に回復する等の方法が可能である。
【0036】
図5、図6および図7は、それぞれ、外針2の刃面に形成された粗面5の領域の他の例を示す平面図である。以下、これらについて順次説明する。
【0037】
図5に示す例は、図4に示す例に比べて、最先端部41の面積が大きく、L1/L0がより大きい値となっている。これにより、図4に示す例に比べ、針先3の切れ味がより向上する。
【0038】
なお、図4および図5に示す例は、共に、粗面5の基端側には、粗面が形成されていない領域を有している。これにより、皮下靭帯穿刺時に靭帯の損傷を低減することができるという効果を有する。
【0039】
図6に示す例は、最先端部41の面積、すなわち、L1/L0を比較的大きくとった構成となっている。これにより、針先3の切れ味がさらに向上する。
【0040】
図7に示す例は、最先端部41の面積、すなわち、L1/L0を比較的小さくとった構成となっている。これにより、穿刺操作の際に皮下組織の感覚が術者の手により伝わり易くなる。
【0041】
次に、針組立体(硬膜外針)1の使用方法の一例について説明する。
▲1▼ まず、針組立体1の外針2と内針7とを組立てた状態(図1および図2に示す状態)で、術者はこれを患者の腰部(穿刺部位)に皮膚表面に穿刺する。
【0042】
▲2▼ 次に、針組立体1を皮下組織に徐々に穿刺してゆき、針先3が棘間靭帯付近に到達したら、その前進を一旦止める。そして、外針2から内針7を引き抜く。
【0043】
▲3▼ 次に、外針2のハブ6に、所定量の空気を収納したシリンジ(ガスケットの摺動抵抗が低い低摩擦シリンジ)を装着する。そして、外針2をさらに前進させると、針先3が患者の硬膜外腔に到達する。このとき、硬膜外腔は、陰圧となっているので、前記低摩擦シリンジ内の空気が硬膜外腔に流出して、低摩擦シリンジ内の容積が減少する方向にガスケットおよびプランジャが移動する。術者は、これを視認することにより、針先3が硬膜外腔に達したことを知る。
【0044】
▲4▼ 次に、低摩擦シリンジをハブ6から取り外し、外針2の基端から、外針2内に硬膜外カテーテルを挿通し、その先端を患者の硬膜外腔内に挿入する。
【0045】
▲5▼ 次に、外針2を患者から引き抜き、続いて、外針2を硬膜外カテーテルの基端から引き抜いて取り外す。
【0046】
▲6▼ 次に、硬膜外カテーテルの基端に、コネクタ等を介して麻酔薬を収納したシリンジ等を接続し、このシリンジを操作して麻酔薬の注入を行う。麻酔薬は、患者に挿入、留置された硬膜外カテーテルを介して硬膜外腔に投与される。
【0047】
なお、以上では、本発明の針組立体を硬膜外針に適用した場合を例に説明したが、本発明の針組立体の用途等は、これに限定されるものではなく、例えば、脊椎麻酔針、神経ブロック針等に適用することもできる。特に、脊椎麻酔針、神経ブロック針に適用する場合には、前記と同様の効果が得られるので、好ましい。
【0048】
【実施例】
(実施例1)
外径1.25mm、内径0.95mmのステンレス鋼製外針と、外径0.74mmのステンレス鋼製内針(いずれも図1〜図4に示す構成のもの)とを作製し、これらを組み立てて針組立体(硬膜外針)を得た。外針の針先に対しては、針先の最先端部を除く部位に、ガラスビーズブラスト処理にて粗面を形成した。この粗面の表面粗さRmaxは、20μmであった。
【0049】
刃面における前記L1/L0の値および前記S1/S0の値は、下記表1に示す通りである。
【0050】
(実施例2)
外針の刃面上における粗面の形成領域を図5に示すようなパターンとした以外は実施例1と同一の針組立体を作製した。粗面の表面粗さRmaxは、32μmであった。
【0051】
刃面における前記L1/L0の値および前記S1/S0の値は、下記表1に示す通りである。
【0052】
(実施例3)
外針の刃面上における粗面の形成領域を図6に示すようなパターンとした以外は実施例1と同一の針組立体を作製した。粗面の表面粗さRmaxは、25μmであった。
【0053】
刃面における前記L1/L0の値および前記S1/S0の値は、下記表1に示す通りである。
【0054】
(実施例4)
外針の刃面上における粗面の形成領域を図7に示すようなパターンとした以外は実施例1と同一の針組立体を作製した。粗面の表面粗さRmaxは、16μmであった。
【0055】
刃面における前記L1/L0の値および前記S1/S0の値は、下記表1に示す通りである。
【0056】
(比較例1)
外針の刃面上に粗面を全く形成しなかった以外は実施例1と同一の針組立体を作製した。刃面における前記L1/L0の値は1、前記S1/S0の値は0である。
【0057】
(比較例2)
外針の刃面の全面を粗面とした以外は実施例1と同一の針組立体を作製した。粗面の表面粗さRmaxは、20μmであった。刃面における前記L1/L0の値は0、前記S1/S0の値は1である。
【0058】
前記実施例1〜4、比較例1、2の針組立体を用いて、穿刺試験を行った。
評価用サンプル10として、豚の第一腰椎から第四腰椎までの皮膚から脊髄までのブロックを切り出したものを用い、穿刺位置は、錐体と錐体の間から硬膜外腔に到り易いように棘突起の頭側15〜20mmの範囲とした。
【0059】
穿刺抵抗の測定は、島津製作所社製オートグラフ(AGS−100A/校正対象機器:PJ−1)において500Nのロードセルを用い、第8図に示すような治具9にて各針組立体(外針に内針を挿入した状態のもの)を挟持、固定し、評価用サンプル10に対する穿刺試験を行った。
【0060】
評価用サンプル10は、θ=30°で傾斜したサンプル固定台11上にセットした。また、治具9においては、各針組立体のハブ6をチャック91で掴んで固定し、テストスピード50mm/分にて図8中矢印方向に降下させ、評価用サンプル10の背中側皮膚部から皮下靭帯、棘間靭帯、横靭帯を順次経て硬膜外腔まで穿刺させてゆき、各部位での荷重(穿刺抵抗)の測定を行った。このうち、代表的に、皮膚部穿刺時および皮下靭帯部穿刺時における荷重(穿刺抵抗)の測定値を下記表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
表1からわかるように、実施例1〜4の針組立体によれば、適度な切れ味の良さが確保され、穿刺操作時、針を介して感覚が伝わることとの両立を図ることができる。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、外針の針先の切れ味が良いこと(穿刺抵抗が小さいこと)と、穿刺時に針を介しての感覚が伝わり易いこととの両立を図ることができる。その結果、穿刺操作の際の術者のストレスを軽減し、誤操作による事故を防止し、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の針組立体を硬膜外針に適用した場合の実施形態を示す側面図である。
【図2】本発明の針組立体を硬膜外針に適用した場合の実施形態を示す断面側面図である。
【図3】図1および図2に示す硬膜外針における外針の針先の構成を示す拡大斜視図である。
【図4】硬膜外針における外針の刃面に形成された粗面の領域を示す平面図である。
【図5】硬膜外針における外針の刃面に形成された粗面の領域の他の例を示す平面図である。
【図6】硬膜外針における外針の刃面に形成された粗面の領域の他の例を示す平面図である。
【図7】硬膜外針における外針の刃面に形成された粗面の領域の他の例を示す平面図である。
【図8】本発明の実施例における穿刺試験の方法を示す図である。
【符号の説明】
1 針組立体(硬膜外針)
2 外針
3 針先
31 開口(先端開口)
4 刃面
41 最先端部
5 粗面
6 ハブ
7 内針(芯材)
8 ハブ
9 治具
91 チャック
10 評価用サンプル
11 サンプル固定台
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば麻酔薬のような薬液を注入するために生体内に針を穿刺するための針組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
硬膜外麻酔手技は、術中において副作用の高い全身麻酔量を低減化することができ、また、術後も術後痛を緩和することができ、運動神経系や消化器官系を阻害されずに患者の早期リハビリ、早期回復、早期退院を促進する効果があるとして注目され、広く実施されている。
【0003】
この硬膜外麻酔手技の一般的な操作法を説明すると、背面を消毒し局部浸潤麻酔をした後、外針内に内針を挿入した針組立体よりなる硬膜外針を背中皮膚面から穿刺して行き、棘間靭帯に到達後、内針を抜く。その後、硬膜外腔を確認するために、生理食塩水を入れたシリンジを接続して押し子の感覚を確かめながら硬膜外腔位置を探すLОR(Loss Of Resistance)法を行う。
【0004】
ところで、医師等の術者がこのような硬膜外針を背中に穿刺する際、硬膜外針の切れ味に関する要求は、「切れ味の良い針」と「切れ味の悪い針」とに2分されている。これらは、互いに相反する性質である。
【0005】
「切れ味の良い針」を好む術者としては、一番切れの悪い皮膚部の切れが良く、スムーズに棘間靭帯付近まで針を押し進められるような、ストレスを感じない手技を求めており、「切れ味の悪い針」を好む術者は、針を介して皮下組織の感覚が伝わり、棘間靭帯付近のブツブツもしくはザクザクした感覚が伝わることにより針先が棘間靭帯付近に到達したことが確認され、手を放して内針を引き抜くことができる。
【0006】
しかし、「切れ味の良い針」では、切れが良く、針の刺入がし易いという利点がある反面、前述したような感覚がほとんど伝わらず、穿刺しすぎて、硬膜を破り神経組織を傷つけてしまうという医療事故を発生する可能性がある。一方、「切れ味の悪い針」では、皮下組織の感覚が伝わるという利点がある反面、皮膚部分への穿刺がし難い(穿刺抵抗が大きい)ので、穿刺操作時にストレスを感じ、また、強く突っ張ってから一気に深い部分まで突き刺してしまい、そのため、硬膜を破り神経組織を傷つけてしまうという医療事故を発生する可能性がある。
【0007】
なお、硬膜外針として、針先の刃面の形状に工夫をしたものが知られている。すなわち、外針の針先の刃面が側面視で波形(S字形状)をなしているものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
しかし、この硬膜外針においても、針先の切れ味が良いことと、穿刺時に針を介しての感覚が伝わり易いこととの両立を図ることはできない。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−79088号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術の課題を解消すべくなされたもので、針先の切れ味が良いことと、穿刺時に針を介しての感覚が伝わり易いこととの両立を図ることができる針組立体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により達成される。
【0012】
(1) 先端部に針先を有する外針と、外針内に挿入される芯材とを有する針組立体であって、
前記外針の針先は、刃面を有し、前記刃面の最先端部を除く所定の部位に粗面加工が施されていることを特徴とする針組立体。
【0013】
(2) 前記刃面の長軸方向の長さをL0、前記粗面が形成されていない最先端部の前記長軸方向の長さをL1としたとき、L1/L0が0.05〜0.15である上記(1)に記載の針組立体。
【0014】
(3) 前記刃面の総面積をS0、前記粗面の総面積をS1としたとき、S1/S0が0.1〜0.9である上記(1)または(2)に記載の針組立体。
【0015】
(4) 前記粗面の表面粗さRmaxが、15〜70μmである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の針組立体。
【0016】
(5) 前記刃面の前記粗面が形成されている部位の基端側に、粗面が形成されていない部位を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の針組立体。
【0017】
(6) 硬膜外針として用いられる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の針組立体。
【0018】
(7) 脊椎麻酔針または神経ブロック針として用いられる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の針組立体。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の針組立体を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1および図2は、それぞれ、本発明の針組立体を硬膜外針に適用した場合の実施形態を示す側面図および断面側面図(縦断面図)、図3は、図1および図2に示す硬膜外針における外針の針先の構成を示す拡大斜視図、図4は、同外針の刃面に形成された粗面の領域を示す平面図である。以下の説明では、図1〜図4中の左側を「基端」、右側を「先端」という。
【0021】
図示の針組立体(硬膜外針)1は、主に麻酔薬を注入するための硬膜外カテーテルを患者の硬膜外腔に挿入する操作の際に用いられるものであり、外針2と、外針2の基端部に固着されたハブ6と、外針2内に挿入される内針(芯材)7と、内針7の基端部に固着されたハブ8とで構成されている。
【0022】
内針7は、図示の構成では中実の棒状体で構成されているが、中空でもよい。また、外針2のハブ6には、麻酔薬等を注入するためのシリンジ(図示せず)の先端部が接続可能とされている。
【0023】
内針7を外針2の基端側から外針2内に挿入し、内針7のハブ8が外針2のハブ6に嵌合すると、この状態で、内針7の針先は、外針2の針先3とほぼ一致し、針先3の開口(先端開口)31の少なくとも半分以上を塞ぐように構成されている。
【0024】
外針2および内針7の構成材料は、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、Ni−Ti合金等の超弾性合金等の各種金属材料、ポリフェニレンサルファイド等の各種硬質樹脂材料等が挙げられる。
【0025】
外針2の外径は、特に限定されないが、0.6〜2.0mm程度が好ましく、0.8〜1.3mm程度がより好ましい。
【0026】
外針2の内径は、特に限定されないが、0.5〜1.9mm程度が好ましく、0.7〜1.2mm程度がより好ましい。
【0027】
外針2の針先3は、それより基端側の外針本体部に対し若干湾曲して形成されており、この針先3には、刃面(先端斜めエッジ部)4が設けられている。この刃面4は、開口31の全周を囲むように形成され、その全体形状は、楕円のリング状をなしている。
【0028】
本発明では、刃面4の最先端部41を除く所定の部位に粗面加工が施されている。すなわち、図3および図4に示すように、刃面4の最先端部41には粗面加工が施されておらず、それより基端側の部位に粗面加工が施され、粗面5が形成されている。さらに、粗面5の基端側の部位には、再び粗面が形成されていない領域がある。
【0029】
このように、刃面4の所定の部位に粗面5を形成することにより、外針2を皮下組織に穿刺する際に、外針2の刺入を進めるのに伴い、皮下組織の感覚が刃面4を介して術者の手(ハブ6を把持する手)に伝わり易くなり、例えば棘間靭帯付近のブツブツもしくはザクザクした感覚も認識することができるようになる。
【0030】
ただし、粗面5は、刃面4の最先端部41を除く所定の部位に形成されているため、外針2を皮下組織に穿刺する際に、針先3は、最先端部41により良好な切れ味が確保され、皮膚表面から棘間靭帯付近まで、外針2を円滑に押し進めることができ、術者のストレスが軽減されるとともに、過剰に穿刺する等の誤操作が防止され、安全性が向上する。
【0031】
最先端部41や粗面5の条件、特に、刃面4上における最先端部41の長さ、粗面5の形成箇所、形成領域の面積比、粗面5の粗さ等は、それぞれ、特に限定されないが、以下に述べるような範囲であるのが好ましい。
【0032】
刃面4の長軸方向(図4中の左右方向)の長さをL0、粗面5が形成されていない最先端部41の前記長軸方向の長さをL1としたとき、L1/L0は、0.05〜0.15であるのが好ましく、0.08〜0.1であるのがより好ましい。L1/L0の値が大きすぎると、刃面4全体に対する粗面5の占める面積比が小さくなり、穿刺操作の際に皮下組織の感覚が術者の手に伝わり易くなるという効果が少なくなる。一方、L1/L0の値が小さすぎると、針先3の切れ味が低下し、穿刺抵抗が増大する傾向を示す。
【0033】
また、刃面4の総面積をS0、粗面5の総面積をS1としたとき、S1/S0は、0.1〜0.9であるのが好ましく、0.4〜0.8であるのがより好ましい。S1/S0の値が小さすぎると、穿刺操作の際に皮下組織の感覚が術者の手に伝わり易くなるという効果が少なくなる。一方、S1/S0の値が大きすぎると、針先3の切れ味が低下し、穿刺抵抗が増大する傾向を示す。
【0034】
粗面5の表面粗さRmax(JIS B 0601で規定)は、15〜70μmであるのが好ましく、30〜55μmであるのがより好ましい。粗面5の表面粗さRmaxが大きすぎると、前記S1/S0の値が大きい場合等に、針先3の切れ味が低下し、穿刺抵抗が増大することがある。また、粗面5の表面粗さRmaxが小さすぎると、前記S1/S0の値が小さい場合等に、穿刺操作の際に皮下組織の感覚が術者の手に伝わり易くなるという効果が少なくなる。
【0035】
粗面加工の方法(粗面5の形成方法)は、特に限定されず、例えばヤスリや砥石による加工、ショットブラスト、サンドブラスト、ガラスビーズブラスト等によるブラスト処理、レーザ加工、エッチング処置等の化学処理、ワイヤーカット等、またはこれらを適宜組み合わせた方法が挙げられる。なお、これらの方法を実行するに際し、最先端部41等の粗面を形成しない部位に対しては、マスキングを施して粗面加工がなされないようにする、あるいは、一旦、刃面4の全面に粗面加工がなされた後に、鏡面加工(鏡面研磨)を施す等により非粗面状態に回復する等の方法が可能である。
【0036】
図5、図6および図7は、それぞれ、外針2の刃面に形成された粗面5の領域の他の例を示す平面図である。以下、これらについて順次説明する。
【0037】
図5に示す例は、図4に示す例に比べて、最先端部41の面積が大きく、L1/L0がより大きい値となっている。これにより、図4に示す例に比べ、針先3の切れ味がより向上する。
【0038】
なお、図4および図5に示す例は、共に、粗面5の基端側には、粗面が形成されていない領域を有している。これにより、皮下靭帯穿刺時に靭帯の損傷を低減することができるという効果を有する。
【0039】
図6に示す例は、最先端部41の面積、すなわち、L1/L0を比較的大きくとった構成となっている。これにより、針先3の切れ味がさらに向上する。
【0040】
図7に示す例は、最先端部41の面積、すなわち、L1/L0を比較的小さくとった構成となっている。これにより、穿刺操作の際に皮下組織の感覚が術者の手により伝わり易くなる。
【0041】
次に、針組立体(硬膜外針)1の使用方法の一例について説明する。
▲1▼ まず、針組立体1の外針2と内針7とを組立てた状態(図1および図2に示す状態)で、術者はこれを患者の腰部(穿刺部位)に皮膚表面に穿刺する。
【0042】
▲2▼ 次に、針組立体1を皮下組織に徐々に穿刺してゆき、針先3が棘間靭帯付近に到達したら、その前進を一旦止める。そして、外針2から内針7を引き抜く。
【0043】
▲3▼ 次に、外針2のハブ6に、所定量の空気を収納したシリンジ(ガスケットの摺動抵抗が低い低摩擦シリンジ)を装着する。そして、外針2をさらに前進させると、針先3が患者の硬膜外腔に到達する。このとき、硬膜外腔は、陰圧となっているので、前記低摩擦シリンジ内の空気が硬膜外腔に流出して、低摩擦シリンジ内の容積が減少する方向にガスケットおよびプランジャが移動する。術者は、これを視認することにより、針先3が硬膜外腔に達したことを知る。
【0044】
▲4▼ 次に、低摩擦シリンジをハブ6から取り外し、外針2の基端から、外針2内に硬膜外カテーテルを挿通し、その先端を患者の硬膜外腔内に挿入する。
【0045】
▲5▼ 次に、外針2を患者から引き抜き、続いて、外針2を硬膜外カテーテルの基端から引き抜いて取り外す。
【0046】
▲6▼ 次に、硬膜外カテーテルの基端に、コネクタ等を介して麻酔薬を収納したシリンジ等を接続し、このシリンジを操作して麻酔薬の注入を行う。麻酔薬は、患者に挿入、留置された硬膜外カテーテルを介して硬膜外腔に投与される。
【0047】
なお、以上では、本発明の針組立体を硬膜外針に適用した場合を例に説明したが、本発明の針組立体の用途等は、これに限定されるものではなく、例えば、脊椎麻酔針、神経ブロック針等に適用することもできる。特に、脊椎麻酔針、神経ブロック針に適用する場合には、前記と同様の効果が得られるので、好ましい。
【0048】
【実施例】
(実施例1)
外径1.25mm、内径0.95mmのステンレス鋼製外針と、外径0.74mmのステンレス鋼製内針(いずれも図1〜図4に示す構成のもの)とを作製し、これらを組み立てて針組立体(硬膜外針)を得た。外針の針先に対しては、針先の最先端部を除く部位に、ガラスビーズブラスト処理にて粗面を形成した。この粗面の表面粗さRmaxは、20μmであった。
【0049】
刃面における前記L1/L0の値および前記S1/S0の値は、下記表1に示す通りである。
【0050】
(実施例2)
外針の刃面上における粗面の形成領域を図5に示すようなパターンとした以外は実施例1と同一の針組立体を作製した。粗面の表面粗さRmaxは、32μmであった。
【0051】
刃面における前記L1/L0の値および前記S1/S0の値は、下記表1に示す通りである。
【0052】
(実施例3)
外針の刃面上における粗面の形成領域を図6に示すようなパターンとした以外は実施例1と同一の針組立体を作製した。粗面の表面粗さRmaxは、25μmであった。
【0053】
刃面における前記L1/L0の値および前記S1/S0の値は、下記表1に示す通りである。
【0054】
(実施例4)
外針の刃面上における粗面の形成領域を図7に示すようなパターンとした以外は実施例1と同一の針組立体を作製した。粗面の表面粗さRmaxは、16μmであった。
【0055】
刃面における前記L1/L0の値および前記S1/S0の値は、下記表1に示す通りである。
【0056】
(比較例1)
外針の刃面上に粗面を全く形成しなかった以外は実施例1と同一の針組立体を作製した。刃面における前記L1/L0の値は1、前記S1/S0の値は0である。
【0057】
(比較例2)
外針の刃面の全面を粗面とした以外は実施例1と同一の針組立体を作製した。粗面の表面粗さRmaxは、20μmであった。刃面における前記L1/L0の値は0、前記S1/S0の値は1である。
【0058】
前記実施例1〜4、比較例1、2の針組立体を用いて、穿刺試験を行った。
評価用サンプル10として、豚の第一腰椎から第四腰椎までの皮膚から脊髄までのブロックを切り出したものを用い、穿刺位置は、錐体と錐体の間から硬膜外腔に到り易いように棘突起の頭側15〜20mmの範囲とした。
【0059】
穿刺抵抗の測定は、島津製作所社製オートグラフ(AGS−100A/校正対象機器:PJ−1)において500Nのロードセルを用い、第8図に示すような治具9にて各針組立体(外針に内針を挿入した状態のもの)を挟持、固定し、評価用サンプル10に対する穿刺試験を行った。
【0060】
評価用サンプル10は、θ=30°で傾斜したサンプル固定台11上にセットした。また、治具9においては、各針組立体のハブ6をチャック91で掴んで固定し、テストスピード50mm/分にて図8中矢印方向に降下させ、評価用サンプル10の背中側皮膚部から皮下靭帯、棘間靭帯、横靭帯を順次経て硬膜外腔まで穿刺させてゆき、各部位での荷重(穿刺抵抗)の測定を行った。このうち、代表的に、皮膚部穿刺時および皮下靭帯部穿刺時における荷重(穿刺抵抗)の測定値を下記表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
表1からわかるように、実施例1〜4の針組立体によれば、適度な切れ味の良さが確保され、穿刺操作時、針を介して感覚が伝わることとの両立を図ることができる。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、外針の針先の切れ味が良いこと(穿刺抵抗が小さいこと)と、穿刺時に針を介しての感覚が伝わり易いこととの両立を図ることができる。その結果、穿刺操作の際の術者のストレスを軽減し、誤操作による事故を防止し、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の針組立体を硬膜外針に適用した場合の実施形態を示す側面図である。
【図2】本発明の針組立体を硬膜外針に適用した場合の実施形態を示す断面側面図である。
【図3】図1および図2に示す硬膜外針における外針の針先の構成を示す拡大斜視図である。
【図4】硬膜外針における外針の刃面に形成された粗面の領域を示す平面図である。
【図5】硬膜外針における外針の刃面に形成された粗面の領域の他の例を示す平面図である。
【図6】硬膜外針における外針の刃面に形成された粗面の領域の他の例を示す平面図である。
【図7】硬膜外針における外針の刃面に形成された粗面の領域の他の例を示す平面図である。
【図8】本発明の実施例における穿刺試験の方法を示す図である。
【符号の説明】
1 針組立体(硬膜外針)
2 外針
3 針先
31 開口(先端開口)
4 刃面
41 最先端部
5 粗面
6 ハブ
7 内針(芯材)
8 ハブ
9 治具
91 チャック
10 評価用サンプル
11 サンプル固定台
Claims (7)
- 先端部に針先を有する外針と、外針内に挿入される芯材とを有する針組立体であって、
前記外針の針先は、刃面を有し、前記刃面の最先端部を除く所定の部位に粗面加工が施されていることを特徴とする針組立体。 - 前記刃面の長軸方向の長さをL0、前記粗面が形成されていない最先端部の前記長軸方向の長さをL1としたとき、L1/L0が0.05〜0.15である請求項1に記載の針組立体。
- 前記刃面の総面積をS0、前記粗面の総面積をS1としたとき、S1/S0が0.1〜0.9である請求項1または2に記載の針組立体。
- 前記粗面の表面粗さRmaxが、15〜70μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の針組立体。
- 前記刃面の前記粗面が形成されている部位の基端側に、粗面が形成されていない部位を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の針組立体。
- 硬膜外針として用いられる請求項1ないし5のいずれかに記載の針組立体。
- 脊椎麻酔針または神経ブロック針として用いられる請求項1ないし5のいずれかに記載の針組立体。
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