JP2004207966A - Atmセル送受信制御方式及びその方法並びに移動通信基地局装置 - Google Patents

Atmセル送受信制御方式及びその方法並びに移動通信基地局装置 Download PDF

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Abstract

【課題】物理レイヤデバイスが実装されていない状態であっても、ATMレイヤデバイス内にセル滞留を生じさせないバスを構成することを可能とする、ATMセル送受信制御方式及びその方法並びに移動通信基地局装置を提供する。
【解決手段】ATMレイヤデバイスと複数の物理レイヤデバイスとがバスを介して接続され、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへポーリングを行い、このポーリングに対する応答信号を受信して、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへセルを送信するようにしたATM装置におけるATMセル送受信制御方式であって、前記ATMレイヤデバイスは、前記物理レイヤデバイスからの前記応答信号を前記ATMレイヤデバイスに接続せず、前記応答信号が常時受信許可の状態にあるよう制御する制御手段を備える、ことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)セル送受信制御方式及びその方法並びに移動通信基地局装置に関し、特に、ATMレイヤデバイスと複数の物理レイヤデバイスとがバスを介して接続され、ATMレイヤデバイスから物理レイヤデバイスへポーリングを行い、このポーリングに対する応答信号を受信してATMレイヤデバイスと物理レイヤデバイスとの間でセルを送受信する際に、物理レイヤデバイスが実装されていない状態であっても、ATMレイヤデバイス内にセル滞留を生じさせないバスを構成することを可能とする、ATMセル送受信制御方式及びその方法並びに移動通信基地局装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ATMセルの多重・分離などを行うATM装置において、ATMレイヤデバイスと物理レイヤデバイスとの間の標準化されたインタフェースとして、UTOPIA(Universal Test and Operation PHY(Physical Layer Protocol) Interface for ATM )と名づけられたインタフェースがATMフォーラムによって提唱されている。UTOPIAのインタフェースにはいくつかのレベルがあり、そのうちのUTOPIAレベル2と称されるインタフェースは、主に、1つのATMレイヤデバイスと複数の物理レイヤデバイスとの間のインタフェースについて定義している。
【0003】
ATMレイヤデバイスと複数の物理レイヤデバイスとの間でセルを送受信する際には、UTOPIAレベル2インタフェースのハンドシェーク制御を利用して、ATMレイヤデバイスから物理レイヤデバイスに対するポーリングを行い、このポーリングに対する応答信号を受信してからセルの送受信を行うようになっている。
【0004】
UTOPIAレベル2インタフェースのハンドシェーク制御においては、通常、ATMレイヤデバイスからのポーリングに対して、物理レイヤデバイスがセルを受信可能な状態にある場合には、応答信号としてのTxCLAV信号をHighレベルとして送出するようになっている。そして、TxCLAV信号がHighレベルであることを検知したATMレイヤデバイスが該当物理レイヤデバイスに対してセルの送信を行うようになっている。
【0005】
しかしながら、この標準的なハンドシェーク制御を利用するだけでは、所望のセル送受信制御が実現できない場合には、あえてこの応答信号の状態に関わらず、セルを送信してしまうよう制御している従来例も存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
この特許文献1の公報に開示されたATMセル配信方法においては、同報配信のATMセルに関しては、TxCLAV信号が受信可能を示しているか否かに関わらず、ATMレイヤデバイスからUTOPIAバスを介して物理レイヤデバイスに対してセルを送信するようにしている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−308884号公報(第3−5頁、図1−4)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のUTOPIAレベル2インタフェースのハンドシェーク制御においては、実装されていない物理レイヤデバイスに対してセル送信の要求があった場合には、該当する物理レイヤデバイスからセル受信可能を示す応答信号(TxCLAV)が返されないため、セルを送信しようとしているATMレイヤデバイス内にセルが滞留し、セル滞留が発生しつづけてATMレイヤデバイスの備えるバッファが満杯になってしまい、実装されている物理レイヤデバイスに対してもセルを送信することが出来なくなってしまう、という欠点を有している。
【0009】
この状況に付き、図6を参照して更に詳細に説明する。
【0010】
なお、以降の説明における前提として、上述のATM装置は、図1に示すような移動通信基地局装置に適用されているものであるとする。そして、図1に示す移動通信基地局装置100は、ATMレイヤデバイスであるところのATMスイッチ10と、物理レイヤデバイスであるところの複数の送受信機20とが、UTOPIAレベル2インタフェースで規定されるUTOPIAバス50を介して接続されているものとする。ATMスイッチ10及び送受信機20は、移動通信基地局装置100に実装されるカード構成をとっており、挿抜可能な構造となっている。UTOPIAバス50は、移動通信基地局装置100のバックボードにて配線されている。送受信機20は、送受信機(0)20−0から送受信機(30)20−30までの31個が実装可能である。従って、場合によっては、送受信機(0)から送受信機(4)及び送受信機(11)から送受信機(30)までは移動通信基地局装置100内に実装され、送受信機(5)20−5から送受信機(10)20−10までは実装されない、という状態も有り得るものである。
【0011】
図6は、従来のUTOPIAレベル2インタフェースのハンドシェーク制御のタイミングチャートであり、ATMスイッチ10から送受信機20へセルを送信する下りバスのタイミングチャートを示すものである。
【0012】
UTOPIAレベル2インタフェースにおいては、送受信機20は、ATMスイッチ10のポーリングに対して、セルが受信できる状態にある時にはTxCLAV信号を受信許可(H(High)レベル)で出力し、セルが受信できない状態にある時には受信非許可(L(Low)レベル)を出力する。ここで、「送受信機(N+3)20−n+3が実装されていない」という前提で説明する。なお、以下の説明においては、各送受信機20に付した参照符号(20−n+3など)は省略し、また、図中においては、送受信機を「PHY」と略記するものとする。
【0013】
ATMスイッチ10は、送受信機(N+1)へのセル送信中に(図6の(チ))ポーリングをして各送受信機(PHY)からのTxCLAV信号を検出する。ATMスイッチ10は、図6(ロ)のTxClk「2」の時に、図6(ハ)のTxADDRに送受信機(N+2)のアドレス(N+2)を出力してポーリングを行い、このポーリングに応答して、送受信機(N+2)は、TxClk「3」の時に、セル受信が可能なため図6(ニ)のTxCLAV信号を受信許可(Hレベル)で通知している。
【0014】
以下同様に、実装されている送受信機(N−3)、送受信機(N−2)、送受信機(N−1)、送受信機(N+1)、送受信機(N)からも、TxCLAV信号が受信許可(Hレベル)にて通知されているが、送受信機(N+3)は実装されていないので、TxClk「10」のポーリングに対しTxClk「11」の時にTxCLAV信号を通知することができない。
【0015】
従って、仮にTxClk「2」の時に送受信機(N)宛てと送受信機(N+3)宛てのセルが、ATMスイッチ10に入力されたとしても、送受信機(N+3)のアドレスが送受信機(N)のアドレスより先にあるにも関わらず、TxClk「11」の時にTxCLAV信号が無い(Lレベルである)ため、ATMスイッチ10は、送受信機(N+3)へのセル送信は行わない。
【0016】
次に、TxClk「15」の時の送受信機(N)からのTxCLAV信号が受信許可(Hレベル)であるために、ATMスイッチ10は、送受信機(N+1)へのセル送信が完了したTxClk「17」の時点から送受信機(N)宛てのセル送信を開始している(図6(ヘ)のTxDATAによる)。このとき、ATMスイッチ10には、送受信機(N+3)宛てのセルが滞留してしまうこととなる。
【0017】
以上説明したように、図1に示す移動通信基地局装置100内において、ATM標準のUTOPIAレベル2インタフェースをそのまま使用し、マルチPHY(複数の送受信機)構成の実現を行う場合、以下のような問題点を有するものとなる。
【0018】
第1の問題点は、ATMスイッチ内に、実装されていない送受信機へのセル滞留が発生しまうということである。セル滞留が発生しつづけてATMスイッチの備えるバッファが満杯となり、ATMスイッチは、実装されている送受信機に対してもセルを送信することができなくなってしまう。その理由は、装置を構成する上で、送受信機が常時実装されているとは限らないために、仮に送受信機(N+3)が実装されていないとすると、ATMスイッチは送受信機(N+3)からのTxCLAV信号を検出することができず、従って、送受信機(N+3)宛てのセルが入力されるとATMスイッチ内に溜め込み続けてしまうからである。
【0019】
第2の問題点は、送受信機が他の送受信機の実装状態を把握しておかなければならないということである。その理由は、第1の問題点で挙げているように、或る送受信機が実装されていない送受信機に対してセルを送信してしまうと、ATMスイッチ内にセル滞留を発生させてしまうためである。
【0020】
本発明は、上述した事情を改善する為に成されたものであり、従って本発明の目的は、ATMレイヤデバイスと複数の物理レイヤデバイスとがバスを介して接続され、ATMレイヤデバイスから物理レイヤデバイスへポーリングを行い、このポーリングに対する応答信号を受信してATMレイヤデバイスと物理レイヤデバイスとの間でセルを送受信する際に、物理レイヤデバイスが実装されていない状態であっても、ATMレイヤデバイス内にセル滞留を生じさせないバスを構成することを可能とする、ATMセル送受信制御方式及びその方法並びに移動通信基地局装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係わる発明は、ATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)レイヤデバイスと複数の物理レイヤデバイスとがバスを介して接続され、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへポーリングを行い、このポーリングに対する応答信号を受信して、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへセルを送信するようにしたATM装置におけるATMセル送受信制御方式であって、
前記ATMレイヤデバイスは、前記物理レイヤデバイスからの前記応答信号を前記ATMレイヤデバイスに接続せず、前記応答信号が常時受信許可の状態にあるよう制御する制御手段を備える、ことを特徴とするATMセル送受信制御方式である。
【0022】
請求項2に係わる発明は、請求項1に記載のATMセル送受信制御方式であって、前記バスはUTOPIA(Universal Test and Operation PHY(Physical Layer Protocol) Interface for ATM )レベル2バスであり、前記応答信号は前記物理レイヤデバイスがセル受信可能であることを示すTxCLAV信号である、ことを特徴とする。
【0023】
請求項3に係わる発明は、ATMレイヤデバイスと複数の物理レイヤデバイスとがバスを介して接続され、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへポーリングを行い、このポーリングに対する応答信号を受信して、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへセルを送信するようにしたATM装置におけるATMセル送受信制御方式であって、
前記ATMレイヤデバイスと前記物理レイヤデバイスとの間に、前記物理レイヤデバイスからの前記応答信号が受信非許可を示すものである場合には前記応答信号を前記ATMレイヤデバイスに接続し、その他の場合には前記応答信号が常時受信許可の状態にあるよう制御する制御回路を備える、ことを特徴とするATMセル送受信制御方式である。
【0024】
請求項4に係わる発明は、請求項3に記載のATMセル送受信制御方式であって、前記バスはUTOPIAレベル2バスであり、前記応答信号は前記物理レイヤデバイスがセル受信可能であることを示すTxCLAV信号である、ことを特徴とする。
【0025】
請求項5に係わる発明は、ATMレイヤデバイスと複数の物理レイヤデバイスとがバスを介して接続され、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへポーリングを行い、このポーリングに対する応答信号を受信して、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへセルを送信するようにしたATM装置におけるATMセル送受信制御方法であって、
前記ATMレイヤデバイスは、前記物理レイヤデバイスからの前記応答信号を前記ATMレイヤデバイスに接続せず、前記応答信号が常時受信許可の状態にあるよう制御するステップを実行する、ことを特徴とするATMセル送受信制御方法である。
【0026】
請求項6に係わる発明は、請求項5に記載のATMセル送受信制御方法であって、前記バスはUTOPIAレベル2バスであり、前記応答信号は前記物理レイヤデバイスがセル受信可能であることを示すTxCLAV信号である、ことを特徴とする。
【0027】
請求項7に係わる発明は、ATMレイヤデバイスと複数の物理レイヤデバイスとがバスを介して接続され、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへポーリングを行い、このポーリングに対する応答信号を受信して、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへセルを送信するようにしたATM装置におけるATMセル送受信制御方法であって、
前記ATMレイヤデバイスと前記物理レイヤデバイスとの間で、前記物理レイヤデバイスからの前記応答信号が受信非許可を示すものである場合には前記応答信号を前記ATMレイヤデバイスに接続するステップを実行し、その他の場合には前記応答信号が常時受信許可の状態にあるよう制御するステップを実行する、ことを特徴とするATMセル送受信制御方法である。
【0028】
請求項8に係わる発明は、請求項7に記載のATMセル送受信制御方法であって、前記バスはUTOPIAレベル2バスであり、前記応答信号は前記物理レイヤデバイスがセル受信可能であることを示すTxCLAV信号である、ことを特徴とする。
【0029】
請求項9に係わる発明は、請求項1から請求項4の何れか1項に記載のATMセル送受信制御方式を備えることを特徴とする移動通信基地局装置である。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0031】
図1は、本発明のATMセル送受信制御方式の一実施形態を示すブロック図である。
【0032】
図1に示す本実施の形態は、ATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)セル送受信制御方式が、移動通信基地局装置に適用された場合の一例を示すものであり、移動通信基地局装置100は、ATMレイヤデバイスであるところのATMスイッチ10と、物理レイヤデバイスであるところの複数の送受信機20とから構成されている。そして、ATMスイッチ10と送受信機20とは、UTOPIA(Universal Test and Operation PHY(Physical Layer Protocol) Interface for ATM )レベル2インタフェースで規定されるUTOPIAバス50を介して接続されている。
【0033】
ATMスイッチ10及び送受信機20は、移動通信基地局装置100に実装されるカード構成をとっており、挿抜可能な構造となっている。UTOPIAバス50は、移動通信基地局装置100のバックボードにて配線されている。送受信機20は、送受信機(0)20−0から送受信機(30)20−30までの31個が実装可能である。従って、場合によっては、送受信機(0)から送受信機(4)及び送受信機(11)から送受信機(30)までは移動通信基地局装置100内に実装され、送受信機(5)20−5から送受信機(10)20−10までは実装されない、という状態も有り得るものである。
【0034】
なお、以降の説明において、ATMスイッチ10を、UTOPIAレベル2のマスタとして動作するものであるため、「UTOPIAマスタ」とも称し、送受信機20を、UTOPIAレベル2のスレーブとして動作するものであるため、「UTOPIAスレーブ」とも称するものとする。
【0035】
次に、図2を参照して、本実施形態におけるATMスイッチ10と各送受信機20との、下りバス、すなわち、ATMスイッチ10から送受信機20へセルを送信する際のバスの構成(Tx側)について説明する。
【0036】
図2は、本実施形態の下りバスの構成の一例を説明するブロック図である。
【0037】
図2において、ATMスイッチ10と送受信機(N)20−nとがUTOPIAバス50を介して接続されている。なお、送受信機(N)20−n以外の他の送受信機20も、同様のUTOPIAバス50を介してATMスイッチ10と接続されるものであるが、他の送受信機20の図示は省略しているものである。
【0038】
ATMスイッチ10と送受信機(N)20−nとは、TxADDR[0〜4]、TxDATA[0〜7]、TxSOC、TxENBの各信号線で接続されているが、送受信機(N)20−nからのTxCLAV信号はATMスイッチ10には接続されずに(図2のC1)、ATMスイッチ10側でH固定(Highレベルで固定)としている(図2のC2)。
【0039】
ここで、下りバスを構成する各信号線について説明を行っておく。
【0040】
図2において、TxADDR信号は各送受信機20を表すアドレス(以下UTOPIAアドレスという)で、5ビット(TxADDR[0〜4]の[0〜4]が、0ビット目から4ビット目までの5ビットであることを示している)で構成されているため、送受信機20のアドレス「0(ゼロ)」から「30」までを表すことが可能である(「31」(16進数で記すと「1Fh」である)は予約語となっており、アドレスとしては使用不可である)。
【0041】
TxDATAは、8ビットパラレル([0〜7])で1セル長53バイト(1セルの送信に53クロックを要す)分のATMセルデータであり、TxSOC信号はセルの先頭を1クロック幅の「H(High)レベル」で示すセルパルス信号、TxENB信号はセルデータの有効性を「L(Low)レベル」で示すイネーブル信号である。
【0042】
TxCLAV信号は、上述したように、本実施形態においてはATMスイッチ10側でH固定としている。通常のUTOPIAレベル2インタフェースにおいては、ポーリングによりTxADDR[0〜4]で示された送受信機20におけるセルの受信可否を表す信号であり、「Hレベル」で受信許可を示し、「Lレベル」で受信非許可を示すようになっている。
【0043】
次に、図3を参照して、本実施形態の動作について説明する。
【0044】
通常のUTOPIAレベル2インタフェースの下りバスにおいて、UTOPIAスレーブは、UTOPIAマスタからポーリングされるUTOPIAアドレスをモニタし、自己のUTOPIAアドレスがきた次のクロックで、セルの受信が可能であればTxCLAV信号を受信許可(Hレベル)でUTOPIAマスタに対して通知する。UTOPIAマスタは、UTOPIAスレーブからのTxCLAV信号の受信許可(Hレベル)を検出し、UTOPIAスレーブ宛てのセルがあるときにはTxENB信号をアサートし、UTOPIAスレーブにセルを受信する準備をさせてから、セルをUTOPIAスレーブに対して送信する。UTOPIAマスタはセルの先頭を示すTxSOC信号も送信し、UTOPIAスレーブはTxSOC信号が送信されたタイミングからセルの受信を開始する。
【0045】
図3は、本実施形態の動作を説明する下りバスのタイミングチャートである。
【0046】
送受信機20は、ATMスイッチ10によりポーリングされるUTOPIAアドレスをモニタし、自己のUTOPIAアドレスがきた次のクロックで、セルの受信が可能であればTxCLAV信号を受信許可(Hレベル)でATMスイッチ10に対して通知するが、本実施形態においては、各送受信機20からのTxCLAV信号を接続しておらず、ATMスイッチ10内で、TxCLAV信号を常時受信許可に固定している(H固定)ので、ATMスイッチ10は各送受信機20が常にセルを受信可能な状態であると認識する。
【0047】
ここで、「送受信機(N+3)20−n+3が実装されていない」という前提で説明する。なお、以下の説明においては、各送受信機20に付した参照符号(20−n+3など)は省略し、また、図中においては、送受信機を「PHY」と略記するものとする。
【0048】
送受信機(N+1)へのセル送信中に(図3の(チ))、ATMスイッチ10はUTOPIAアドレスポーリングを再開する(図3の(イ))。ATMスイッチ10は、図3(ロ)のTxClk「2」の時に、図3(ハ)のTxADDRに送受信機(N+2)のUTOPIAアドレス(N+2)を出力してポーリングを行う。このポーリングに対する応答時、すなわち、TxClk「3」の時に、図3(ニ)のTxCLAV信号は、受信許可(Hレベル)であるため、ATMスイッチ10は、送受信機(N+2)がセル受信可能である事を検出する。
【0049】
以下同様に、実装されている送受信機(N−3)、送受信機(N−2)、送受信機(N−1)、送受信機(N+1)、送受信機(N)からも、TxCLAV信号が受信許可(Hレベル)にて通知されるため、該当送受信機は全てセル受信可能であるものとATMスイッチ10は認識する。
【0050】
そして、TxClk「10」の時の送受信機(N+3)へのポーリングに対しても、TxClk「11」の時のTxCLAV信号が受信許可(Hレベル)を示している為、送受信機(N+3)もセル受信可能であるものと、ATMスイッチ10は認識する(図3のC3)。
【0051】
ここで、仮にTxClk「2」の時に送受信機(N)宛てと送受信機(N+3)宛てのセルが、ATMスイッチ10に入力されたとしても、送受信機(N+3)が実装されていないにも関わらず、TxClk「11」の時に図3(ニ)のTxCLAV信号が受信許可(Hレベル)であるため、ATMスイッチ10は、送受信機(N+1)へのセル送信が完了したTxClk「17」の時点から、送受信機(N+3)のUTOPIAアドレスが送受信機(N)のUTOPIAアドレスよりも先に出されている為、送受信機(N+3)を選択し(TxCLK「16」の時点でTxADDRに(N+3)を出力する事による)、送受信機(N+3)に対してTxENB信号をアサートして(図3(ホ)のTxCLK「16」の時点)、セル送信を開始している(図3(ヘ)のTxDATAによる)。ATMスイッチ10は、TxClk「17」のセル送信開始と同時に、セルの先頭を示すTxSOC信号も送信する(図3の(ト)、及び図3のC4)。
【0052】
TxCLK「17」の時点からセル送信が行われても、当然、送受信機(N+3)は実装されていないので、出力されたセルが引き取られることは無い。しかし、ATMスイッチ10に送受信機(N+3)宛てのセルが滞留することは無い。
【0053】
以上説明したように、本実施形態によれば、ATMスイッチ10内にセルの滞留が発生する事が無い、という効果を奏する。その理由は、ATMスイッチ10の下りバスのTxCLAV信号が、常時アクティブになっている為、仮に或る送受信機(N)が実装されていない状態であったとしても、ATMスイッチ10からは送受信機(N)宛てのセルを送信することが可能であるからである。
【0054】
また、或る送受信機が他の送受信機の実装状態に留意しなくて良い、という効果をも奏するものである。従って、或る送受信機が他の送受信機の実装状態を考慮し、実装されていない送受信装置に対してはセルを送信しないよう制御する、といった余分な処理を行わずに済むようになる。
【0055】
次に、図4、図5を参照して、本発明のATMセル送受信方式の第2の実施形態について説明する。
【0056】
図4は、第2の実施形態の下りバスの構成の一例を説明するブロック図である。なお、図4において図2に示す構成要素に対応するものは同一の参照数字または符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
図4に示す第2の実施形態の下りバスの構成は、第1の実施形態と同様に、図1に示した移動通信基地局装置100に適用されるものである。
【0058】
そして、図4において、ATMスイッチ10と送受信機(N)20−nとがUTOPIAバス50を介して接続されている。なお、送受信機(N)20−n以外の他の送受信機20も、同様のUTOPIAバス50を介してATMスイッチ10と接続されるものであるが、他の送受信機20の図示は省略しているものである。
【0059】
ATMスイッチ10と送受信機(N)20−nとは、TxADDR[0〜4]、TxDATA[0〜7]、TxSOC、TxENBの各信号線で接続されているが、送受信機(N)20−nからのTxCLAV信号は、CLAV制御回路30を通じてATMスイッチ10に接続されている。そして、CLAV制御回路30は、送受信機(N)20−nがセルを受信することができない時に受信非許可(Lレベル)をATMスイッチ10に対して出力し(図4のC5)、それ以外はハイインピーダンス状態となるようになっている(図4のC6)。
【0060】
次に、図5を参照して、第2の実施形態の動作について説明する。
【0061】
図5は、第2の実施形態の動作を説明する下りバスのタイミングチャートである。なお、図5において図3に示す構成要素に対応するものは同一の参照数字または符号を付し、その説明を省略する。
【0062】
ATMスイッチ10内では、TxCLAV信号はプルアップされているので、各送受信機20がセルを受信できない時のみ、CLAV制御回路30によりTxCLAV信号が受信非許可(Lレベル)の状態となり、その他の場合は、受信許可(Hレベル)の状態となるよう制御される。すなわち、ATMスイッチ10は、各送受信機20がセルを受信できない時のみ、受信非許可(Lレベル)であると認識し、その他の場合は、受信許可(Hレベル)であると認識する。
【0063】
ここで、「送受信機(N+3)20−n+3が実装されていない」という前提で説明する。なお、以下の説明においては、各送受信機20に付した参照符号(20−n+3など)は省略し、また、図中においては、送受信機を「PHY」と略記するものとする。
【0064】
ATMスイッチ10は、送受信機(N+1)へのセル送信中に(図5の(チ))ポーリングをして(図5の(イ))、各送受信機からのTxCLAV信号を検出する。図5(ロ)のTxClk「2」の時に、図5(ハ)のTxADDRに送受信機(N+2)のUTOPIAアドレス(N+2)を出力してポーリングを行い、このポーリングに対する応答として、送受信機(N+2)はTxClk「3」の時にセル受信ができないため、図5(ニ)のTxCLAV信号を受信非許可(Lレベル)で通知している。
【0065】
同様に、実装されている送受信機(N−1)でもセル受信ができないため、TxClk「9」の時にTxCLAV信号が受信非許可(Lレベル)となっている。ATMスイッチ10は、送受信機(N+2)宛てと送受信機(N−1)宛てのセルが入ってきていてもセルを送信せずに、送受信機(N+2)と送受信機(N−1)が受信許可(Hレベル)になるまでセルを一時格納しておく。
【0066】
送受信機(N−3)、送受信機(N−2)、送受信機(N+1)、送受信機(N)は受信可能であるため、CLAV制御回路30はハイインピーダンス状態となり、ATMスイッチ10は自カード内でのプルアップによりこれらの送受信機の受信許可(Hレベル)を認識する。
【0067】
ここで、仮にTxClk「2」の時に、送受信機(N)宛てと送受信機(N+3)宛てのセルがATMスイッチ10に入力されると、送受信機(N+3)は実装されていないけれども、TxClk「11」の時にTxCLAV信号が受信許可(Hレベル)であるため、ATMスイッチ10は、送受信機(N+1)へのセル送信が完了したTxClk「17」の時点から、送受信機(N)よりもUTOPIAアドレスが先に出されている送受信機(N+3)に対して、送受信機(N+3)を選択し(TxClk「16」の時点でTxADDRに(N+3)を出力する事による)、TxENB信号をアサートして(図5(ホ)のTxClk「16」の時点)、セル送信を開始している(図5(ヘ)のTxDATAによる)。ATMスイッチ10は、TxClk「17」のセル送信開始と同時に、セルの先頭を示すTxSOC信号も送信する(図5の(ト))。
【0068】
TxCLK「17」の時点からセル送信が行われても、当然、送受信機(N+3)は実装されていないので、出力されたセルが引き取られることは無い。しかし、ATMスイッチ10に送受信機(N+3)宛てのセルが滞留することは無い。
【0069】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、ATMスイッチ10が、送受信機20の備えるセル受信用のFIFOバッファの状態も確認しながら、セル送信を行う事が可能となるという新たな効果を奏するものとなる。その理由は、送受信機20の備えるFIFOバッファが満杯の時は、該送受信機20からのTxCLAV信号が受信非許可(Lレベル)となるからである。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のATMセル送受信制御方式及びその方法並びに移動通信基地局装置は、ATMレイヤデバイスであるところのATMスイッチの下りバスのTxCLAV信号が、常時アクティブになっている為、物理レイヤデバイスであるところの或る送受信機が実装されていない状態であったとしても、ATMスイッチからは該当送受信機宛てのセルを送信することが可能であるため、ATMスイッチ内にセルの滞留が発生する事が無い、という効果を有している。
【0071】
また、ATMスイッチが、実装されている送受信機の備えるセル受信用のバッファの状態を確認しながら、セル送信を行う事が可能となる、という効果をも有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のATMセル送受信制御方式の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の下りバスの構成の一例を説明するブロック図である。
【図3】本実施形態の動作を説明する下りバスのタイミングチャートである。
【図4】第2の実施形態の下りバスの構成の一例を説明するブロック図である。
【図5】第2の実施形態の動作を説明する下りバスのタイミングチャートである。
【図6】従来のUTOPIAレベル2インタフェースのハンドシェーク制御のタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 ATMスイッチ
20 送受信機
30 CLAV制御回路
50 UTOPIAバス
100 移動通信基地局装置

Claims (9)

  1. ATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)レイヤデバイスと複数の物理レイヤデバイスとがバスを介して接続され、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへポーリングを行い、このポーリングに対する応答信号を受信して、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへセルを送信するようにしたATM装置におけるATMセル送受信制御方式であって、
    前記ATMレイヤデバイスは、前記物理レイヤデバイスからの前記応答信号を前記ATMレイヤデバイスに接続せず、前記応答信号が常時受信許可の状態にあるよう制御する制御手段を備える、ことを特徴とするATMセル送受信制御方式。
  2. 前記バスはUTOPIA(Universal Test and Operation PHY(Physical Layer Protocol) Interface for ATM )レベル2バスであり、前記応答信号は前記物理レイヤデバイスがセル受信可能であることを示すTxCLAV信号である、ことを特徴とする請求項1に記載のATMセル送受信制御方式。
  3. ATMレイヤデバイスと複数の物理レイヤデバイスとがバスを介して接続され、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへポーリングを行い、このポーリングに対する応答信号を受信して、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへセルを送信するようにしたATM装置におけるATMセル送受信制御方式であって、
    前記ATMレイヤデバイスと前記物理レイヤデバイスとの間に、前記物理レイヤデバイスからの前記応答信号が受信非許可を示すものである場合には前記応答信号を前記ATMレイヤデバイスに接続し、その他の場合には前記応答信号が常時受信許可の状態にあるよう制御する制御回路を備える、ことを特徴とするATMセル送受信制御方式。
  4. 前記バスはUTOPIAレベル2バスであり、前記応答信号は前記物理レイヤデバイスがセル受信可能であることを示すTxCLAV信号である、ことを特徴とする請求項3に記載のATMセル送受信制御方式。
  5. ATMレイヤデバイスと複数の物理レイヤデバイスとがバスを介して接続され、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへポーリングを行い、このポーリングに対する応答信号を受信して、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへセルを送信するようにしたATM装置におけるATMセル送受信制御方法であって、
    前記ATMレイヤデバイスは、前記物理レイヤデバイスからの前記応答信号を前記ATMレイヤデバイスに接続せず、前記応答信号が常時受信許可の状態にあるよう制御するステップを実行する、ことを特徴とするATMセル送受信制御方法。
  6. 前記バスはUTOPIAレベル2バスであり、前記応答信号は前記物理レイヤデバイスがセル受信可能であることを示すTxCLAV信号である、ことを特徴とする請求項5に記載のATMセル送受信制御方法。
  7. ATMレイヤデバイスと複数の物理レイヤデバイスとがバスを介して接続され、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへポーリングを行い、このポーリングに対する応答信号を受信して、前記ATMレイヤデバイスから前記物理レイヤデバイスへセルを送信するようにしたATM装置におけるATMセル送受信制御方法であって、
    前記ATMレイヤデバイスと前記物理レイヤデバイスとの間で、前記物理レイヤデバイスからの前記応答信号が受信非許可を示すものである場合には前記応答信号を前記ATMレイヤデバイスに接続するステップを実行し、その他の場合には前記応答信号が常時受信許可の状態にあるよう制御するステップを実行する、ことを特徴とするATMセル送受信制御方法。
  8. 前記バスはUTOPIAレベル2バスであり、前記応答信号は前記物理レイヤデバイスがセル受信可能であることを示すTxCLAV信号である、ことを特徴とする請求項7に記載のATMセル送受信制御方法。
  9. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載のATMセル送受信制御方式を備えることを特徴とする移動通信基地局装置。
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