JP2004207785A - 電子メール送信方法、電子メール送信プログラムおよび電子メール送信装置 - Google Patents
電子メール送信方法、電子メール送信プログラムおよび電子メール送信装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】電子メールの受信者間で発生するアドレスの漏洩を確実に防止すること。
【解決手段】送信元のユーザAは、送信したいメールの「Toヘッダ」にユーザB・CおよびDのメールアドレスを設定し、当該メールをメール端末101aからメールサーバ100に送信する(▲1▼)。メールサーバ100では上記メールを3つ複製し、1通目のメールでは「Toヘッダ」をBのアドレスのみ、2通目のメールではCのアドレスのみ、3通目のメールではDのアドレスのみに、それぞれ差し替える(▲2▼)。そして1通目をメール端末101b、2通目をメール端末101c、3通目をメール端末101dに、それぞれ送信する(▲3▼)。また、B〜Dの全員があらかじめ指定されたドメイン内のユーザである場合は、例外的に上記のようなアドレスの書き換えをおこなわず、受信したメールをそのまま転送する。
【選択図】 図1
【解決手段】送信元のユーザAは、送信したいメールの「Toヘッダ」にユーザB・CおよびDのメールアドレスを設定し、当該メールをメール端末101aからメールサーバ100に送信する(▲1▼)。メールサーバ100では上記メールを3つ複製し、1通目のメールでは「Toヘッダ」をBのアドレスのみ、2通目のメールではCのアドレスのみ、3通目のメールではDのアドレスのみに、それぞれ差し替える(▲2▼)。そして1通目をメール端末101b、2通目をメール端末101c、3通目をメール端末101dに、それぞれ送信する(▲3▼)。また、B〜Dの全員があらかじめ指定されたドメイン内のユーザである場合は、例外的に上記のようなアドレスの書き換えをおこなわず、受信したメールをそのまま転送する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、第1の情報処理装置から受信した電子メールをそのメールヘッダに設定されたアドレスで特定される複数の第2の情報処理装置に送信する電子メール送信方法、電子メール送信プログラムおよび電子メール送信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットの急速な普及に伴い、ほんの数年前まではある程度知識のあるユーザしか利用しなかった電子メールが、まったく予備知識のない初心者、あるいはコンピュータとは無縁の携帯電話ユーザなどにも広く利用されるようになってきている。
【0003】
【非特許文献1】
株式会社ツインスパーク、“白やぎさん”、[online]、[平成14年11月15日検索]、インターネット<URL:http://www.inac.co.jp/shiroyagi/intro/index.html>
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そしてこうした初心者の参入に伴い、従来はもっぱらユーザの自己責任や自己管理に委ねられていた様々な問題、特にセキュリティ関連の対策を個々のユーザに期待することが難しくなってきている。そうした問題の一つに、受信者間でのメールアドレスの漏洩がある。
【0005】
すなわち、まったくの初心者であるとメールヘッダの「To:」と「Cc:」と「Bcc:」の区別もつかないため、複数人に宛ててメールを送信しようとして、各人のアドレスを「Toヘッダ」に列記してしまうことがある。また、ヘッダの区別はついていても不注意などからそうしてしまうこともある。この場合、受信者間で他の受信者のアドレスが相互に漏洩するのは避けられない。
【0006】
こうした漏洩を防ぐため、ユーザへの教育を徹底するのも一つの方策であるが、必ずしも成果があるとは言えず万全でない場合が多い。
【0007】
また、複数の宛先を持つ一つの電子メールを、一つの宛先を持つ複数の電子メールに分割するソフトウエアも存在するが(たとえば上記非特許文献1などを参照。)、アドレスの漏洩が発生することやその防止の必要性さえ認識していなければ、こうしたソフトウエアを導入することもないので、初心者には有効な対策を期待することができない。
【0008】
この発明は上記従来技術による問題を解決するため、電子メールの受信者間で発生するアドレスの漏洩を確実に防止するとともに、漏洩しても差し支えない受信者間ではアドレスを公開することが可能な電子メール送信方法、電子メール送信プログラムおよび電子メール送信装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる電子メール送信方法、電子メール送信プログラムまたは電子メール送信装置は、第1の情報処理装置から受信した電子メールのメールヘッダ内の、複数のアドレスを個々のアドレスに分割するとともに、当該メールをアドレスの個数分だけ複製し、複製された個々のメールの「Toヘッダ」内のアドレスを、分割された個々のアドレスに置換の上、それぞれのアドレスで特定される第2の情報処理装置に送信することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる電子メール送信方法は、分割された個々のアドレスが同一のドメインに所属するものでない場合に、前記メールを前記アドレスの個数分だけ複製することを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる電子メール送信方法は、分割された個々のアドレスが同一のドメインに所属するものであっても、当該ドメインがあらかじめ指定されたドメインでない場合は、前記メールを前記アドレスの個数分だけ複製することを特徴とする。
【0012】
これらの発明によって、複数の宛先が設定されたメールはメールサーバで宛先ごとに複製され、それぞれの「Toヘッダ」が各宛先のアドレスのみに書き換えられた上で送信される。ただし、全宛先が指定された同一ドメイン内の場合は例外的にそのまま送信される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる電子メール送信方法、電子メール送信プログラムおよび電子メール送信装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる電子メール送信装置を含む、電子メールシステムの全体構成を示す説明図である。
【0015】
図中、100はインターネットに設置されたメールサーバ(SMTPサーバ)であり、これが本発明による電子メール送信装置に相当する。また、101a〜dは電子メールの送受信が可能な各種機器、たとえばデスクトップPCやノートPC、携帯電話などであって(以下ではこれら機器を「メール端末」と総称する)、図示しないISPのアクセスポイントなどを介してインターネットに接続されている。
【0016】
ここではたとえば、メール端末101aのユーザAが、メール端末101bのユーザB、メール端末101cのユーザCおよびメール端末101dのユーザDに宛ててメールを送信するものとする。
【0017】
ユーザAは、送信したいメールの「Toヘッダ」にB・CおよびDのメールアドレスを設定し、当該メールをメール端末101aからメールサーバ100に送信する(図中▲1▼)。なお、図中「BBB@○○○.ne.jp」はユーザBのアドレス、「CCC@△△△.ne.jp」はユーザCのアドレス、「DDD@×××.ne.jp」はユーザDのアドレスであるものとする。
【0018】
そして従来技術のメールサーバでは、受信したメールをそのまま各宛先へ送信するだけであったが、本発明によるメールサーバ100では、受信したメールを宛先ごとに複製し、複製した各メールの「Toヘッダ」を個々の宛先のみに差し替える。
【0019】
すなわち図示するように、B・C・Dの3つのアドレスが設定されたメールを3つ複製し、1通目のメールでは「Toヘッダ」をBのアドレスのみ、2通目のメールではCのアドレスのみ、3通目のメールではDのアドレスのみに、それぞれ差し替える(図中▲2▼)。そして1通目をメール端末101b、2通目をメール端末101c、3通目をメール端末101dに、それぞれ送信する(図中▲3▼)。その結果各端末が受信するメールには、他の受信者のアドレスが一切含まれず、受信者間でのアドレスの漏洩を防止することができる。
【0020】
図2は、この発明の実施の形態1にかかる電子メール送信装置、すなわちメールサーバ100のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図示するように実施の形態1にかかる電子メール送信装置は、CPU201、ROM202、RAM203、HDD(ハードディスクドライブ)204、HD(ハードディスク)205、FDD(フレキシブルディスクドライブ)206、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フレキシブルディスク)207、ディスプレイ208、ネットワークI/F(インターフェース)209、キーボード211およびマウス212を備えている。また、上記各部はバスまたはケーブル200によって接続されている。
【0022】
ここで、CPU201は装置全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。
【0023】
HDD204は、CPU201の制御にしたがってHD205に対するデータのリード/ライトを制御する。HD205は、HDD204の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する。
【0024】
FDD206は、CPU201の制御にしたがってFD207に対するデータのリード/ライトを制御する。FD207は、FDD206の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する。着脱可能な記録媒体としては、FD207のほか、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリーカードなどであってもよい。
【0025】
ディスプレイ208は、たとえばCRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどであって、カーソル、ウインドウ、アイコンなどをはじめ、文書や画像などの各種データを表示する。ネットワークI/F209は、通信回線210を通じてインターネットに接続されるとともに、当該ネットワークと装置内部とのデータの送受信を司る。
【0026】
キーボード211は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、装置内部へデータを入力する。タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス212は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウインドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様の機能を備えるものであれば、トラックボール、ジョイスティック、十字キー、ジョグダイヤルなどであってもよい。
【0027】
つぎに、図3はこの発明の実施の形態1にかかる電子メール送信装置、すなわちメールサーバ100の機能的構成を示す説明図である。
【0028】
図示するように実施の形態1にかかる電子メール送信装置は、メール受信部300、アドレス分割部301、メール複製部302、アドレス置換部303およびメール送信部304を含む構成である。
【0029】
メール受信部300は、メール端末101aからSMTPプロトコルにしたがって送信されてきた電子メールを受信する機能部である。受信されたメールは、後述するアドレス分割部301に引き渡される。
【0030】
アドレス分割部301は、メール受信部300から引き渡された電子メールの「Toヘッダ」、「Ccヘッダ」および「Bccヘッダ」を参照して、そこに設定された個々のアドレスを切り出すとともに、切り出したアドレスの個数をカウントする機能部である。ヘッダ内では複数のアドレスはコンマ「,」など、所定の記号によって区切られているので、アドレス分割部301は上記記号を手がかりに、アドレスの分割とその個数の計数とをおこなう。
【0031】
そしてアドレスが1個だった場合は、メール受信部300から入力したメールを後述するメール送信部304にそのまま出力する。また、ヘッダ内のアドレスが2個以上(複数)だった場合は、上記メールとアドレスの個数とを後述するメール複製部302に、分割した個々のアドレスを後述するアドレス置換部303に、それぞれ引き渡す。
【0032】
メール複製部302は、アドレス分割部301から引き渡されたメールを引き渡されたアドレスの個数分だけ複製する機能部である。複製されたメールは、後述するアドレス置換部303に引き渡される。
【0033】
アドレス置換部303は、メール複製部302から入力した複数のメールのそれぞれについて、その「Toヘッダ」内のアドレスを、アドレス分割部301から入力した個々のアドレスで置換する機能部である。なお、複製されたメールの「Ccヘッダ」および「Bccヘッダ」内のアドレス(もしあれば)は単純に削除する。そしてアドレス置換後のメールは、後述するメール送信部304に引き渡される。
【0034】
メール送信部304は、アドレス分割部301またはアドレス置換部303から入力した電子メールを、それぞれのメールヘッダで設定されたアドレスに送信する機能部である。メール送信部304から発信されたメールは、ヘッダ内のアドレスで特定されるメールサーバ(図示せず)の受信ボックスへ配信され、最終的にメール端末101b〜dにダウンロードされる。
【0035】
つぎに、図4はこの発明の実施の形態1にかかる電子メール送信装置、すなわちメールサーバ100における電子メール送信処理の手順を示すフローチャートである。ここでは図1のケース、すなわちメール端末101aのユーザAがメール端末101b・c・dのユーザB・C・Dに宛ててメールを送信する例で説明する。
【0036】
メールサーバ100のメール受信部300が、メール端末101aから電子メールを受信すると(ステップS401:Yes)、当該メールを引き渡されたアドレス分割部301が、その「Toヘッダ」・「Ccヘッダ」および「Bccヘッダ」に設定されている個々のアドレスを切り出す(ステップS402)。
【0037】
そしてヘッダ内のアドレスが1個のみであった場合は(ステップS403:Yes)、メール受信部300が受信したメールはアドレス分割部301を経てメール送信部304に引き渡され、そのまま上記アドレスで特定される宛先に向けて発信される(ステップS404)。
【0038】
一方、ヘッダ内のアドレスが2個以上であった場合は(ステップS403:No)、アドレス分割部301は上記メールと、当該メールに設定されたアドレスの個数とをメール複製部302に、分割後の個々のアドレスをアドレス置換部303に、それぞれ出力する。そしてメール複製部302では、当該メールを当該個数分、上記例では3個だけ複製して(ステップS405)、アドレス置換部303に出力する。
【0039】
またアドレス置換部303では、これら3通のメールのうち1通については、その「Toヘッダ」内のアドレスをアドレス分割部301から入力したユーザBのアドレス(BBB@○○○.ne.jp)で差し替える。同様に、もう1通ではユーザCのアドレス(CCC@△△△.ne.jp)、残りの1通ではユーザDのアドレス(DDD@×××.ne.jp)に、それぞれ置換する(ステップS406)。
【0040】
そして、ヘッダ置換後の3通のメールはアドレス置換部303からメール送信部304に引き渡され、それぞれのアドレスで特定される宛先に向けて送信される(ステップS404)。
【0041】
以上説明した実施の形態1によれば、ユーザAがユーザB・C・Dの3者に対してメールを送ろうとして、ヘッダ内に全員のアドレスを列記してしまった場合でも、メールサーバ100により当該メールは宛先ごとに分割されるので、受信者間でのアドレスの漏洩が発生しない。
【0042】
なお、上記は「Toヘッダ」に複数のアドレスが列記されていた例であるが、たとえば「Toヘッダ」にBのアドレス、「Ccヘッダ」にCとDのアドレスが設定されていた場合にも、当該メールはヘッダ内のアドレスの個数分、すなわち3つに複製されて、各メールの「Toヘッダ」にそれぞれB・C・Dのアドレスが設定される。
【0043】
(実施の形態2)
さて、上述した実施の形態1はアドレスの漏洩を完全に防止する例であるが、ケースによっては受信者間でアドレスが知られても構わないことがある。たとえば同一社内の複数の社員に宛ててメールを送信する場合、通常は社員間でアドレスが漏洩しても何ら問題がない。むしろ、そのメールが他のどの社員に送られているか分かったほうが便宜なことも多い。
【0044】
そこで以下に説明する実施の形態2のように、あらかじめドメインを指定しておき、受信者の全員が当該ドメインに所属している場合には上述のようなアドレスの書き換えをおこなわないようにしてもよい。なお、例外的に実施の形態1の処理をスキップするという意味で、以下では上記ドメインを「例外ドメイン」と呼ぶ。
【0045】
図5は、この発明の実施の形態2にかかる電子メール送信装置を含む、電子メールシステムの全体構成を示す説明図である。図1との差異は、受信者であるユーザB〜Dのメール端末501b〜dがいずれも同一のLAN内に存在する点であり、アドレスもそれぞれ「BBB@○△×.co.jp」「CCC@○△×.co.jp」「DDD@○△×.co.jp」と、アットマーク以下が共通になっている。
【0046】
メールサーバ500は、ユーザAのメール端末501aから送信されてきたメールの受信者B〜Dが、図示するようにあらかじめ指定された同一のドメイン(例外ドメイン)内のユーザであった場合、受信したメールをそのままメール端末501b・501c・501dに送信する。
【0047】
実施の形態2にかかる電子メール送信装置のハードウエア構成は、図2に示した実施の形態1のそれと同様であるので説明を省略する。図6はこの発明の実施の形態2にかかる電子メール送信装置、すなわちメールサーバ500の機能的構成を示す説明図である。実施の形態2によるメールサーバ500は、図3に示した実施の形態1のメールサーバ100に、新たにドメイン記憶部605とドメイン検査部606とが追加された構成である。
【0048】
ドメイン記憶部605は、メールサーバ500の管理者によりあらかじめ指定された例外ドメイン、ここではたとえば「○△×.co.jp」を保持する機能部である。
【0049】
ドメイン検査部606は、アドレス分割部601により分割されたアドレスがすべて同一ドメインのものであり、かつ当該ドメインがドメイン記憶部605に保持された例外ドメインと一致するかどうかを検査する機能部である。
【0050】
そして、上記条件が満たされる場合には、アドレス分割部601から入力したメールをメール送信部604に引き渡す。他方、上記条件が満たされない場合には、アドレス分割部601から入力したメールと当該メールに設定されたアドレスの個数とをメール複製部602に、同じくアドレス分割部601から入力した個々のアドレスをアドレス置換部603に、それぞれ引き渡す。
【0051】
つぎに、図7はこの発明の実施の形態2にかかる電子メール送信装置、すなわちメールサーバ500における電子メール送信処理の手順を示すフローチャートである。ここでは図5のケース、すなわちメール端末501aのユーザAがメール端末501b・c・dのユーザB・C・Dに宛ててメールを送信する例で説明する。
【0052】
メールサーバ500のメール受信部600が、メール端末501aから電子メールを受信すると(ステップS701:Yes)、当該メールを引き渡されたアドレス分割部601が、その「Toヘッダ」・「Ccヘッダ」および「Bccヘッダ」に設定されている個々のアドレスを切り出す(ステップS702)。
【0053】
そしてヘッダ内のアドレスが1個のみであった場合は(ステップS703:Yes)、メール受信部600が受信したメールはアドレス分割部601を経てメール送信部604に引き渡され、そのまま上記アドレスで特定される宛先に向けて発信される(ステップS704)。
【0054】
一方、ヘッダ内のアドレスが2個以上であった場合は(ステップS703:No)、アドレス分割部601は上記メールと、当該メールに設定されたアドレスの個数、および分割後の個々のアドレスをドメイン検査部606に出力する。
【0055】
ドメイン検査部606は、まず上記複数のアドレスがすべて同一のドメインに所属するものかどうかを判定し(ステップS705)、全受信者のドメインが共通であれば(ステップS705:Yes)、つぎに当該ドメインがドメイン記憶部605に保持された例外ドメインであるかどうかを判定する(ステップS706)。
【0056】
そして、全受信者のアドレスが同一の例外ドメインに所属する場合には(ステップS705:Yes、ステップS706:Yes)、アドレス分割部601から入力したメールをメール送信部604に出力し、メール送信部604は当該メールをそのまま、上記アドレスで特定される宛先に向けて発信する(ステップS704)。
【0057】
他方、受信者の一人でも異なるドメインに所属していたり(ステップS705:No)、全受信者についてドメインは共通でも、当該ドメインが例外ドメインでなかったり(ステップS706:No)した場合は、アドレス分割部601から入力したメールと、当該メールに設定されたアドレスの個数とがメール複製部602に、分割後の個々のアドレスがアドレス置換部603に、それぞれ出力される。
【0058】
そしてメール複製部602では、上記メールを上記個数分だけ複製して(ステップS707)、アドレス置換部603に出力する。さらにアドレス置換部603で、これら3通のメールの「Toヘッダ」内のアドレスを、アドレス分割部601から入力した個々のアドレスに置換する(ステップS708)。そして、ヘッダ置換後の3通のメールはアドレス置換部603からメール送信部604に引き渡され、それぞれのアドレスで特定される宛先に向けて送信される(ステップS704)。
【0059】
以上説明した実施の形態2によれば、メールの全受信者が同一社内など、あらかじめ指定された例外ドメインのユーザである場合は、例外的にアドレスの書き換えがおこなわれず、従来技術のメールサーバと同様の動作となる。
【0060】
(実施の形態3)
さて、上述した実施の形態2では、受信者に例外ドメイン以外のユーザが一人でも含まれると、受信者ごとにメールを複製してアドレスを差し替えることになる。したがって、たとえば例外ドメイン内の社員B・Cおよび例外ドメイン外の非社員Dに宛ててメールを送る場合、当該メールはB宛てのメール、C宛てのメール、D宛てのメールの3つに分割されることになる。
【0061】
しかしながら、少なくともBとCとの間では相互にアドレスが知られても構わない。そこで以下で説明する実施の形態3のように、例外ドメイン内のユーザに対しては、当該ドメイン内の全受信者のアドレスが記述されたメールを送信するようにしてもよい。
【0062】
図8は、この発明の実施の形態3にかかる電子メール送信装置を含む、電子メールシステムの全体構成を示す説明図である。図5との差異は、受信者中にLAN内(例外ドメイン内)のユーザとLAN外のユーザとが混在している点であり、受信者B〜Dのアドレスもそれぞれ「BBB@○△×.co.jp」「CCC@○△×.co.jp」「DDD@×××.ne.jp」と、Dのみアットマーク以下が異なっている。
【0063】
メールサーバ800は、ユーザAのメール端末801aから送信されてきたメールの受信者B〜Dのうち、例外ドメイン内のユーザには当該ドメイン内の全受信者のアドレスが設定されたメール、例外ドメイン外のユーザには当該受信者のアドレスのみが設定されたメールをそれぞれ送信する。
【0064】
実施の形態3にかかる電子メール送信装置のハードウエア構成は、図2に示した実施の形態1および2のそれと同様であるので説明を省略する。また、実施の形態3にかかる電子メール送信装置の機能的構成と、当該装置における電子メール送信処理の手順も、図6および図7に示した実施の形態2のそれと同様であるが、アドレス置換部603におけるアドレスの置換処理(ステップS708)のみが、実施の形態2と実施の形態3とでは若干異なっている。
【0065】
すなわち、実施の形態2によるアドレス置換部603は、メール複製部602でアドレスの個数分だけ複製されたメールのぞれぞれに、一つずつアドレスを設定していたが、実施の形態3によるアドレス置換部603は、例外ドメイン内のユーザ用のメールでは、当該ドメイン内の全受信者のアドレスを設定する。
【0066】
その結果図8に示すように、ユーザAから送信されてきたB・C・D宛てのメールは、BおよびC宛てのメール2通、Dのみ宛てのメール1通に分割され、それぞれのユーザに送信される、受信者側から見ると、例外ドメイン内のユーザB−C間では相互にアドレスが開示されているが、例外ドメイン外のユーザDのアドレスがBおよびCに知られることはなく、逆にBおよびCのアドレスがDに知られることもない。
【0067】
以上説明した実施の形態3によれば、同一社内など例外ドメイン内の受信者間ではアドレスを公開することで、従来の利便性を維持する一方、社外ユーザなどへの不用意なアドレスの漏洩を防止することができる。そして実施の形態1〜3に共通するメリットとして、メールの送信者Aに特段の知識や意識がなくても、個人情報の意図せぬ漏洩を避けられることが挙げられる。
【0068】
なお、上述したメール受信部300/600、アドレス分割部301/601、メール複製部302/602、アドレス置換部303/603、メール送信部304/604およびドメイン検査部606は、具体的にはHD205からRAM203に読み出されたプログラムをCPU201が実行することにより実現される。このプログラムはHD205のほか、FD207、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MOなどの各種の記録媒体に格納して配布することができ、ネットワークを介して配布することも可能である。
【0069】
(付記1)第1の情報処理装置から受信した電子メールを当該電子メールのメールヘッダに設定されたアドレスで特定される複数の第2の情報処理装置に送信する電子メール送信方法であって、
前記メールヘッダに設定された複数のアドレスを個々のアドレスに分割するアドレス分割工程と、
前記電子メールを前記アドレス分割工程で分割されたアドレスの個数分だけ複製するメール複製工程と、
前記メール複製工程で複製された個々の電子メールの「Toヘッダ」に設定されたアドレスを、前記アドレス分割工程で分割された個々のアドレスに置換するアドレス置換工程と、
前記アドレス置換工程でアドレスを置換された電子メールを、前記第2の情報処理装置のうち置換後のそれぞれのアドレスで特定されるものに対して送信するメール送信工程と、
を含んだことを特徴とする電子メール送信方法。
【0070】
(付記2)前記アドレス分割工程では、前記メールヘッダ中の「Toヘッダ」、「Ccヘッダ」および「Bccヘッダ」に設定された複数のアドレスを個々のアドレスに分割することを特徴とする前記付記1に記載の電子メール送信方法。
【0071】
(付記3)さらに、前記アドレス分割工程で分割された個々のアドレスが同一のドメインに所属するものであるかどうかを判定する第1の判定工程を含み、
前記メール複製工程では、前記第1の判定工程で前記アドレスが同一のドメインに所属するものでないと判定された場合に、前記電子メールを前記アドレスの個数分だけ複製することを特徴とする前記付記1または付記2に記載の電子メール送信方法。
【0072】
(付記4)さらに、前記第1の判定工程で前記アドレスが同一のドメインに所属するものであると判定された場合に、当該同一のドメインがあらかじめ指定されたドメインであるかどうかを判定する第2の判定工程を含み、
前記メール複製工程では、前記第2の判定工程で前記ドメインがあらかじめ指定されたドメインでないと判定された場合に、前記電子メールを前記アドレスの個数分だけ複製することを特徴とする前記付記3に記載の電子メール送信方法。
【0073】
(付記5)前記アドレス置換工程では、前記メール複製工程で複製された個々の電子メールの「Toヘッダ」に設定されたアドレスを、前記アドレス分割工程で分割されたアドレスのうち同一ドメインに所属する複数のアドレスに置換することを特徴とする前記付記1〜付記4のいずれか一つに記載の電子メール送信方法。
【0074】
(付記6)第1の情報処理装置から受信した電子メールを当該電子メールのメールヘッダに設定されたアドレスで特定される複数の第2の情報処理装置に送信する電子メール送信プログラムであって、
前記メールヘッダに設定された複数のアドレスを個々のアドレスに分割させるアドレス分割工程と、
前記電子メールを前記アドレス分割工程で分割されたアドレスの個数分だけ複製させるメール複製工程と、
前記メール複製工程で複製された個々の電子メールの「Toヘッダ」に設定されたアドレスを、前記アドレス分割工程で分割された個々のアドレスに置換させするアドレス置換工程と、
前記アドレス置換工程でアドレスを置換された電子メールを、前記第2の情報処理装置のうち置換後のそれぞれのアドレスで特定されるものに対して送信させるメール送信工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする電子メール送信プログラム。
【0075】
(付記7)さらに、前記アドレス分割工程で分割された個々のアドレスが同一のドメインに所属するものであるかどうかを判定させる第1の判定工程を含み、
前記メール複製工程では、前記第1の判定工程で前記アドレスが同一のドメインに所属するものでないと判定された場合に、前記電子メールを前記アドレスの個数分だけ複製させることを特徴とする前記付記6に記載の電子メール送信プログラム。
【0076】
(付記8)さらに、前記第1の判定工程で前記アドレスが同一のドメインに所属するものであると判定された場合に、当該同一のドメインがあらかじめ指定されたドメインであるかどうかを判定させる第2の判定工程を含み、
前記メール複製工程では、前記第2の判定工程で前記ドメインがあらかじめ指定されたドメインでないと判定された場合に、前記電子メールを前記アドレスの個数分だけ複製させることを特徴とする前記付記7に記載の電子メール送信プログラム。
【0077】
(付記9)第1の情報処理装置から受信した電子メールを当該電子メールのメールヘッダに設定されたアドレスで特定される複数の第2の情報処理装置に送信する電子メール送信装置であって、
前記メールヘッダに設定された複数のアドレスを個々のアドレスに分割するアドレス分割手段と、
前記電子メールを前記アドレス分割手段により分割されたアドレスの個数分だけ複製するメール複製手段と、
前記メール複製手段により複製された個々の電子メールの「Toヘッダ」に設定されたアドレスを、前記アドレス分割手段により分割された個々のアドレスに置換するアドレス置換手段と、
前記アドレス置換手段によりアドレスを置換された電子メールを、前記第2の情報処理装置のうち置換後のそれぞれのアドレスで特定されるものに対して送信するメール送信手段と、
を備えたことを特徴とする電子メール送信装置。
【0078】
(付記10)さらに、前記アドレス分割手段により分割された個々のアドレスが同一のドメインに所属するものであるかどうかを判定する第1の判定手段を備え、
前記メール複製手段は、前記第1の判定手段により前記アドレスが同一のドメインに所属するものでないと判定された場合に、前記電子メールを前記アドレスの個数分だけ複製することを特徴とする前記付記9に記載の電子メール送信装置。
【0079】
(付記11)さらに、前記第1の判定手段により前記アドレスが同一のドメインに所属するものであると判定された場合に、当該同一のドメインがあらかじめ指定されたドメインであるかどうかを判定する第2の判定手段を備え、
前記メール複製手段は、前記第2の判定手段により前記ドメインがあらかじめ指定されたドメインでないと判定された場合に、前記電子メールを前記アドレスの個数分だけ複製することを特徴とする前記付記10に記載の電子メール送信装置。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数の宛先が設定されたメールはメールサーバで宛先ごとに複製され、それぞれの「Toヘッダ」が各宛先のアドレスのみに書き換えられた上で送信されるので、電子メールの受信者間で発生するアドレスの漏洩を確実に防止するとともに、漏洩しても差し支えない受信者間ではアドレスを公開することが可能な電子メール送信方法、電子メール送信プログラムおよび電子メール送信装置が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる電子メール送信装置を含む、電子メールシステムの全体構成を示す説明図である。
【図2】この発明の実施の形態1にかかる電子メール送信装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1にかかる電子メール送信装置の機能的構成を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1にかかる電子メール送信装置における、電子メール送信処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2にかかる電子メール送信装置を含む、電子メールシステムの全体構成を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態2にかかる電子メール送信装置の機能的構成を示す説明図である。
【図7】この発明の実施の形態2にかかる電子メール送信装置における、電子メール送信処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態3にかかる電子メール送信装置を含む、電子メールシステムの全体構成を示す説明図である。
【符号の説明】
100,500,800 メールサーバ(SMTPサーバ)
101a〜d,501a〜d,801a〜d メール端末
200 バスまたはケーブル
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 HDD
205 HD
206 FDD
207 FD
208 ディスプレイ
209 ネットワークI/F
210 通信回線
211 キーボード
212 マウス
300,600 メール受信部
301,601 アドレス分割部
302,602 メール複製部
303,603 アドレス置換部
304,604 メール送信部
605 ドメイン記憶部
606 ドメイン検査部
【発明の属する技術分野】
この発明は、第1の情報処理装置から受信した電子メールをそのメールヘッダに設定されたアドレスで特定される複数の第2の情報処理装置に送信する電子メール送信方法、電子メール送信プログラムおよび電子メール送信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットの急速な普及に伴い、ほんの数年前まではある程度知識のあるユーザしか利用しなかった電子メールが、まったく予備知識のない初心者、あるいはコンピュータとは無縁の携帯電話ユーザなどにも広く利用されるようになってきている。
【0003】
【非特許文献1】
株式会社ツインスパーク、“白やぎさん”、[online]、[平成14年11月15日検索]、インターネット<URL:http://www.inac.co.jp/shiroyagi/intro/index.html>
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そしてこうした初心者の参入に伴い、従来はもっぱらユーザの自己責任や自己管理に委ねられていた様々な問題、特にセキュリティ関連の対策を個々のユーザに期待することが難しくなってきている。そうした問題の一つに、受信者間でのメールアドレスの漏洩がある。
【0005】
すなわち、まったくの初心者であるとメールヘッダの「To:」と「Cc:」と「Bcc:」の区別もつかないため、複数人に宛ててメールを送信しようとして、各人のアドレスを「Toヘッダ」に列記してしまうことがある。また、ヘッダの区別はついていても不注意などからそうしてしまうこともある。この場合、受信者間で他の受信者のアドレスが相互に漏洩するのは避けられない。
【0006】
こうした漏洩を防ぐため、ユーザへの教育を徹底するのも一つの方策であるが、必ずしも成果があるとは言えず万全でない場合が多い。
【0007】
また、複数の宛先を持つ一つの電子メールを、一つの宛先を持つ複数の電子メールに分割するソフトウエアも存在するが(たとえば上記非特許文献1などを参照。)、アドレスの漏洩が発生することやその防止の必要性さえ認識していなければ、こうしたソフトウエアを導入することもないので、初心者には有効な対策を期待することができない。
【0008】
この発明は上記従来技術による問題を解決するため、電子メールの受信者間で発生するアドレスの漏洩を確実に防止するとともに、漏洩しても差し支えない受信者間ではアドレスを公開することが可能な電子メール送信方法、電子メール送信プログラムおよび電子メール送信装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる電子メール送信方法、電子メール送信プログラムまたは電子メール送信装置は、第1の情報処理装置から受信した電子メールのメールヘッダ内の、複数のアドレスを個々のアドレスに分割するとともに、当該メールをアドレスの個数分だけ複製し、複製された個々のメールの「Toヘッダ」内のアドレスを、分割された個々のアドレスに置換の上、それぞれのアドレスで特定される第2の情報処理装置に送信することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる電子メール送信方法は、分割された個々のアドレスが同一のドメインに所属するものでない場合に、前記メールを前記アドレスの個数分だけ複製することを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる電子メール送信方法は、分割された個々のアドレスが同一のドメインに所属するものであっても、当該ドメインがあらかじめ指定されたドメインでない場合は、前記メールを前記アドレスの個数分だけ複製することを特徴とする。
【0012】
これらの発明によって、複数の宛先が設定されたメールはメールサーバで宛先ごとに複製され、それぞれの「Toヘッダ」が各宛先のアドレスのみに書き換えられた上で送信される。ただし、全宛先が指定された同一ドメイン内の場合は例外的にそのまま送信される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる電子メール送信方法、電子メール送信プログラムおよび電子メール送信装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる電子メール送信装置を含む、電子メールシステムの全体構成を示す説明図である。
【0015】
図中、100はインターネットに設置されたメールサーバ(SMTPサーバ)であり、これが本発明による電子メール送信装置に相当する。また、101a〜dは電子メールの送受信が可能な各種機器、たとえばデスクトップPCやノートPC、携帯電話などであって(以下ではこれら機器を「メール端末」と総称する)、図示しないISPのアクセスポイントなどを介してインターネットに接続されている。
【0016】
ここではたとえば、メール端末101aのユーザAが、メール端末101bのユーザB、メール端末101cのユーザCおよびメール端末101dのユーザDに宛ててメールを送信するものとする。
【0017】
ユーザAは、送信したいメールの「Toヘッダ」にB・CおよびDのメールアドレスを設定し、当該メールをメール端末101aからメールサーバ100に送信する(図中▲1▼)。なお、図中「BBB@○○○.ne.jp」はユーザBのアドレス、「CCC@△△△.ne.jp」はユーザCのアドレス、「DDD@×××.ne.jp」はユーザDのアドレスであるものとする。
【0018】
そして従来技術のメールサーバでは、受信したメールをそのまま各宛先へ送信するだけであったが、本発明によるメールサーバ100では、受信したメールを宛先ごとに複製し、複製した各メールの「Toヘッダ」を個々の宛先のみに差し替える。
【0019】
すなわち図示するように、B・C・Dの3つのアドレスが設定されたメールを3つ複製し、1通目のメールでは「Toヘッダ」をBのアドレスのみ、2通目のメールではCのアドレスのみ、3通目のメールではDのアドレスのみに、それぞれ差し替える(図中▲2▼)。そして1通目をメール端末101b、2通目をメール端末101c、3通目をメール端末101dに、それぞれ送信する(図中▲3▼)。その結果各端末が受信するメールには、他の受信者のアドレスが一切含まれず、受信者間でのアドレスの漏洩を防止することができる。
【0020】
図2は、この発明の実施の形態1にかかる電子メール送信装置、すなわちメールサーバ100のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図示するように実施の形態1にかかる電子メール送信装置は、CPU201、ROM202、RAM203、HDD(ハードディスクドライブ)204、HD(ハードディスク)205、FDD(フレキシブルディスクドライブ)206、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フレキシブルディスク)207、ディスプレイ208、ネットワークI/F(インターフェース)209、キーボード211およびマウス212を備えている。また、上記各部はバスまたはケーブル200によって接続されている。
【0022】
ここで、CPU201は装置全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。
【0023】
HDD204は、CPU201の制御にしたがってHD205に対するデータのリード/ライトを制御する。HD205は、HDD204の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する。
【0024】
FDD206は、CPU201の制御にしたがってFD207に対するデータのリード/ライトを制御する。FD207は、FDD206の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する。着脱可能な記録媒体としては、FD207のほか、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリーカードなどであってもよい。
【0025】
ディスプレイ208は、たとえばCRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどであって、カーソル、ウインドウ、アイコンなどをはじめ、文書や画像などの各種データを表示する。ネットワークI/F209は、通信回線210を通じてインターネットに接続されるとともに、当該ネットワークと装置内部とのデータの送受信を司る。
【0026】
キーボード211は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、装置内部へデータを入力する。タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス212は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウインドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様の機能を備えるものであれば、トラックボール、ジョイスティック、十字キー、ジョグダイヤルなどであってもよい。
【0027】
つぎに、図3はこの発明の実施の形態1にかかる電子メール送信装置、すなわちメールサーバ100の機能的構成を示す説明図である。
【0028】
図示するように実施の形態1にかかる電子メール送信装置は、メール受信部300、アドレス分割部301、メール複製部302、アドレス置換部303およびメール送信部304を含む構成である。
【0029】
メール受信部300は、メール端末101aからSMTPプロトコルにしたがって送信されてきた電子メールを受信する機能部である。受信されたメールは、後述するアドレス分割部301に引き渡される。
【0030】
アドレス分割部301は、メール受信部300から引き渡された電子メールの「Toヘッダ」、「Ccヘッダ」および「Bccヘッダ」を参照して、そこに設定された個々のアドレスを切り出すとともに、切り出したアドレスの個数をカウントする機能部である。ヘッダ内では複数のアドレスはコンマ「,」など、所定の記号によって区切られているので、アドレス分割部301は上記記号を手がかりに、アドレスの分割とその個数の計数とをおこなう。
【0031】
そしてアドレスが1個だった場合は、メール受信部300から入力したメールを後述するメール送信部304にそのまま出力する。また、ヘッダ内のアドレスが2個以上(複数)だった場合は、上記メールとアドレスの個数とを後述するメール複製部302に、分割した個々のアドレスを後述するアドレス置換部303に、それぞれ引き渡す。
【0032】
メール複製部302は、アドレス分割部301から引き渡されたメールを引き渡されたアドレスの個数分だけ複製する機能部である。複製されたメールは、後述するアドレス置換部303に引き渡される。
【0033】
アドレス置換部303は、メール複製部302から入力した複数のメールのそれぞれについて、その「Toヘッダ」内のアドレスを、アドレス分割部301から入力した個々のアドレスで置換する機能部である。なお、複製されたメールの「Ccヘッダ」および「Bccヘッダ」内のアドレス(もしあれば)は単純に削除する。そしてアドレス置換後のメールは、後述するメール送信部304に引き渡される。
【0034】
メール送信部304は、アドレス分割部301またはアドレス置換部303から入力した電子メールを、それぞれのメールヘッダで設定されたアドレスに送信する機能部である。メール送信部304から発信されたメールは、ヘッダ内のアドレスで特定されるメールサーバ(図示せず)の受信ボックスへ配信され、最終的にメール端末101b〜dにダウンロードされる。
【0035】
つぎに、図4はこの発明の実施の形態1にかかる電子メール送信装置、すなわちメールサーバ100における電子メール送信処理の手順を示すフローチャートである。ここでは図1のケース、すなわちメール端末101aのユーザAがメール端末101b・c・dのユーザB・C・Dに宛ててメールを送信する例で説明する。
【0036】
メールサーバ100のメール受信部300が、メール端末101aから電子メールを受信すると(ステップS401:Yes)、当該メールを引き渡されたアドレス分割部301が、その「Toヘッダ」・「Ccヘッダ」および「Bccヘッダ」に設定されている個々のアドレスを切り出す(ステップS402)。
【0037】
そしてヘッダ内のアドレスが1個のみであった場合は(ステップS403:Yes)、メール受信部300が受信したメールはアドレス分割部301を経てメール送信部304に引き渡され、そのまま上記アドレスで特定される宛先に向けて発信される(ステップS404)。
【0038】
一方、ヘッダ内のアドレスが2個以上であった場合は(ステップS403:No)、アドレス分割部301は上記メールと、当該メールに設定されたアドレスの個数とをメール複製部302に、分割後の個々のアドレスをアドレス置換部303に、それぞれ出力する。そしてメール複製部302では、当該メールを当該個数分、上記例では3個だけ複製して(ステップS405)、アドレス置換部303に出力する。
【0039】
またアドレス置換部303では、これら3通のメールのうち1通については、その「Toヘッダ」内のアドレスをアドレス分割部301から入力したユーザBのアドレス(BBB@○○○.ne.jp)で差し替える。同様に、もう1通ではユーザCのアドレス(CCC@△△△.ne.jp)、残りの1通ではユーザDのアドレス(DDD@×××.ne.jp)に、それぞれ置換する(ステップS406)。
【0040】
そして、ヘッダ置換後の3通のメールはアドレス置換部303からメール送信部304に引き渡され、それぞれのアドレスで特定される宛先に向けて送信される(ステップS404)。
【0041】
以上説明した実施の形態1によれば、ユーザAがユーザB・C・Dの3者に対してメールを送ろうとして、ヘッダ内に全員のアドレスを列記してしまった場合でも、メールサーバ100により当該メールは宛先ごとに分割されるので、受信者間でのアドレスの漏洩が発生しない。
【0042】
なお、上記は「Toヘッダ」に複数のアドレスが列記されていた例であるが、たとえば「Toヘッダ」にBのアドレス、「Ccヘッダ」にCとDのアドレスが設定されていた場合にも、当該メールはヘッダ内のアドレスの個数分、すなわち3つに複製されて、各メールの「Toヘッダ」にそれぞれB・C・Dのアドレスが設定される。
【0043】
(実施の形態2)
さて、上述した実施の形態1はアドレスの漏洩を完全に防止する例であるが、ケースによっては受信者間でアドレスが知られても構わないことがある。たとえば同一社内の複数の社員に宛ててメールを送信する場合、通常は社員間でアドレスが漏洩しても何ら問題がない。むしろ、そのメールが他のどの社員に送られているか分かったほうが便宜なことも多い。
【0044】
そこで以下に説明する実施の形態2のように、あらかじめドメインを指定しておき、受信者の全員が当該ドメインに所属している場合には上述のようなアドレスの書き換えをおこなわないようにしてもよい。なお、例外的に実施の形態1の処理をスキップするという意味で、以下では上記ドメインを「例外ドメイン」と呼ぶ。
【0045】
図5は、この発明の実施の形態2にかかる電子メール送信装置を含む、電子メールシステムの全体構成を示す説明図である。図1との差異は、受信者であるユーザB〜Dのメール端末501b〜dがいずれも同一のLAN内に存在する点であり、アドレスもそれぞれ「BBB@○△×.co.jp」「CCC@○△×.co.jp」「DDD@○△×.co.jp」と、アットマーク以下が共通になっている。
【0046】
メールサーバ500は、ユーザAのメール端末501aから送信されてきたメールの受信者B〜Dが、図示するようにあらかじめ指定された同一のドメイン(例外ドメイン)内のユーザであった場合、受信したメールをそのままメール端末501b・501c・501dに送信する。
【0047】
実施の形態2にかかる電子メール送信装置のハードウエア構成は、図2に示した実施の形態1のそれと同様であるので説明を省略する。図6はこの発明の実施の形態2にかかる電子メール送信装置、すなわちメールサーバ500の機能的構成を示す説明図である。実施の形態2によるメールサーバ500は、図3に示した実施の形態1のメールサーバ100に、新たにドメイン記憶部605とドメイン検査部606とが追加された構成である。
【0048】
ドメイン記憶部605は、メールサーバ500の管理者によりあらかじめ指定された例外ドメイン、ここではたとえば「○△×.co.jp」を保持する機能部である。
【0049】
ドメイン検査部606は、アドレス分割部601により分割されたアドレスがすべて同一ドメインのものであり、かつ当該ドメインがドメイン記憶部605に保持された例外ドメインと一致するかどうかを検査する機能部である。
【0050】
そして、上記条件が満たされる場合には、アドレス分割部601から入力したメールをメール送信部604に引き渡す。他方、上記条件が満たされない場合には、アドレス分割部601から入力したメールと当該メールに設定されたアドレスの個数とをメール複製部602に、同じくアドレス分割部601から入力した個々のアドレスをアドレス置換部603に、それぞれ引き渡す。
【0051】
つぎに、図7はこの発明の実施の形態2にかかる電子メール送信装置、すなわちメールサーバ500における電子メール送信処理の手順を示すフローチャートである。ここでは図5のケース、すなわちメール端末501aのユーザAがメール端末501b・c・dのユーザB・C・Dに宛ててメールを送信する例で説明する。
【0052】
メールサーバ500のメール受信部600が、メール端末501aから電子メールを受信すると(ステップS701:Yes)、当該メールを引き渡されたアドレス分割部601が、その「Toヘッダ」・「Ccヘッダ」および「Bccヘッダ」に設定されている個々のアドレスを切り出す(ステップS702)。
【0053】
そしてヘッダ内のアドレスが1個のみであった場合は(ステップS703:Yes)、メール受信部600が受信したメールはアドレス分割部601を経てメール送信部604に引き渡され、そのまま上記アドレスで特定される宛先に向けて発信される(ステップS704)。
【0054】
一方、ヘッダ内のアドレスが2個以上であった場合は(ステップS703:No)、アドレス分割部601は上記メールと、当該メールに設定されたアドレスの個数、および分割後の個々のアドレスをドメイン検査部606に出力する。
【0055】
ドメイン検査部606は、まず上記複数のアドレスがすべて同一のドメインに所属するものかどうかを判定し(ステップS705)、全受信者のドメインが共通であれば(ステップS705:Yes)、つぎに当該ドメインがドメイン記憶部605に保持された例外ドメインであるかどうかを判定する(ステップS706)。
【0056】
そして、全受信者のアドレスが同一の例外ドメインに所属する場合には(ステップS705:Yes、ステップS706:Yes)、アドレス分割部601から入力したメールをメール送信部604に出力し、メール送信部604は当該メールをそのまま、上記アドレスで特定される宛先に向けて発信する(ステップS704)。
【0057】
他方、受信者の一人でも異なるドメインに所属していたり(ステップS705:No)、全受信者についてドメインは共通でも、当該ドメインが例外ドメインでなかったり(ステップS706:No)した場合は、アドレス分割部601から入力したメールと、当該メールに設定されたアドレスの個数とがメール複製部602に、分割後の個々のアドレスがアドレス置換部603に、それぞれ出力される。
【0058】
そしてメール複製部602では、上記メールを上記個数分だけ複製して(ステップS707)、アドレス置換部603に出力する。さらにアドレス置換部603で、これら3通のメールの「Toヘッダ」内のアドレスを、アドレス分割部601から入力した個々のアドレスに置換する(ステップS708)。そして、ヘッダ置換後の3通のメールはアドレス置換部603からメール送信部604に引き渡され、それぞれのアドレスで特定される宛先に向けて送信される(ステップS704)。
【0059】
以上説明した実施の形態2によれば、メールの全受信者が同一社内など、あらかじめ指定された例外ドメインのユーザである場合は、例外的にアドレスの書き換えがおこなわれず、従来技術のメールサーバと同様の動作となる。
【0060】
(実施の形態3)
さて、上述した実施の形態2では、受信者に例外ドメイン以外のユーザが一人でも含まれると、受信者ごとにメールを複製してアドレスを差し替えることになる。したがって、たとえば例外ドメイン内の社員B・Cおよび例外ドメイン外の非社員Dに宛ててメールを送る場合、当該メールはB宛てのメール、C宛てのメール、D宛てのメールの3つに分割されることになる。
【0061】
しかしながら、少なくともBとCとの間では相互にアドレスが知られても構わない。そこで以下で説明する実施の形態3のように、例外ドメイン内のユーザに対しては、当該ドメイン内の全受信者のアドレスが記述されたメールを送信するようにしてもよい。
【0062】
図8は、この発明の実施の形態3にかかる電子メール送信装置を含む、電子メールシステムの全体構成を示す説明図である。図5との差異は、受信者中にLAN内(例外ドメイン内)のユーザとLAN外のユーザとが混在している点であり、受信者B〜Dのアドレスもそれぞれ「BBB@○△×.co.jp」「CCC@○△×.co.jp」「DDD@×××.ne.jp」と、Dのみアットマーク以下が異なっている。
【0063】
メールサーバ800は、ユーザAのメール端末801aから送信されてきたメールの受信者B〜Dのうち、例外ドメイン内のユーザには当該ドメイン内の全受信者のアドレスが設定されたメール、例外ドメイン外のユーザには当該受信者のアドレスのみが設定されたメールをそれぞれ送信する。
【0064】
実施の形態3にかかる電子メール送信装置のハードウエア構成は、図2に示した実施の形態1および2のそれと同様であるので説明を省略する。また、実施の形態3にかかる電子メール送信装置の機能的構成と、当該装置における電子メール送信処理の手順も、図6および図7に示した実施の形態2のそれと同様であるが、アドレス置換部603におけるアドレスの置換処理(ステップS708)のみが、実施の形態2と実施の形態3とでは若干異なっている。
【0065】
すなわち、実施の形態2によるアドレス置換部603は、メール複製部602でアドレスの個数分だけ複製されたメールのぞれぞれに、一つずつアドレスを設定していたが、実施の形態3によるアドレス置換部603は、例外ドメイン内のユーザ用のメールでは、当該ドメイン内の全受信者のアドレスを設定する。
【0066】
その結果図8に示すように、ユーザAから送信されてきたB・C・D宛てのメールは、BおよびC宛てのメール2通、Dのみ宛てのメール1通に分割され、それぞれのユーザに送信される、受信者側から見ると、例外ドメイン内のユーザB−C間では相互にアドレスが開示されているが、例外ドメイン外のユーザDのアドレスがBおよびCに知られることはなく、逆にBおよびCのアドレスがDに知られることもない。
【0067】
以上説明した実施の形態3によれば、同一社内など例外ドメイン内の受信者間ではアドレスを公開することで、従来の利便性を維持する一方、社外ユーザなどへの不用意なアドレスの漏洩を防止することができる。そして実施の形態1〜3に共通するメリットとして、メールの送信者Aに特段の知識や意識がなくても、個人情報の意図せぬ漏洩を避けられることが挙げられる。
【0068】
なお、上述したメール受信部300/600、アドレス分割部301/601、メール複製部302/602、アドレス置換部303/603、メール送信部304/604およびドメイン検査部606は、具体的にはHD205からRAM203に読み出されたプログラムをCPU201が実行することにより実現される。このプログラムはHD205のほか、FD207、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MOなどの各種の記録媒体に格納して配布することができ、ネットワークを介して配布することも可能である。
【0069】
(付記1)第1の情報処理装置から受信した電子メールを当該電子メールのメールヘッダに設定されたアドレスで特定される複数の第2の情報処理装置に送信する電子メール送信方法であって、
前記メールヘッダに設定された複数のアドレスを個々のアドレスに分割するアドレス分割工程と、
前記電子メールを前記アドレス分割工程で分割されたアドレスの個数分だけ複製するメール複製工程と、
前記メール複製工程で複製された個々の電子メールの「Toヘッダ」に設定されたアドレスを、前記アドレス分割工程で分割された個々のアドレスに置換するアドレス置換工程と、
前記アドレス置換工程でアドレスを置換された電子メールを、前記第2の情報処理装置のうち置換後のそれぞれのアドレスで特定されるものに対して送信するメール送信工程と、
を含んだことを特徴とする電子メール送信方法。
【0070】
(付記2)前記アドレス分割工程では、前記メールヘッダ中の「Toヘッダ」、「Ccヘッダ」および「Bccヘッダ」に設定された複数のアドレスを個々のアドレスに分割することを特徴とする前記付記1に記載の電子メール送信方法。
【0071】
(付記3)さらに、前記アドレス分割工程で分割された個々のアドレスが同一のドメインに所属するものであるかどうかを判定する第1の判定工程を含み、
前記メール複製工程では、前記第1の判定工程で前記アドレスが同一のドメインに所属するものでないと判定された場合に、前記電子メールを前記アドレスの個数分だけ複製することを特徴とする前記付記1または付記2に記載の電子メール送信方法。
【0072】
(付記4)さらに、前記第1の判定工程で前記アドレスが同一のドメインに所属するものであると判定された場合に、当該同一のドメインがあらかじめ指定されたドメインであるかどうかを判定する第2の判定工程を含み、
前記メール複製工程では、前記第2の判定工程で前記ドメインがあらかじめ指定されたドメインでないと判定された場合に、前記電子メールを前記アドレスの個数分だけ複製することを特徴とする前記付記3に記載の電子メール送信方法。
【0073】
(付記5)前記アドレス置換工程では、前記メール複製工程で複製された個々の電子メールの「Toヘッダ」に設定されたアドレスを、前記アドレス分割工程で分割されたアドレスのうち同一ドメインに所属する複数のアドレスに置換することを特徴とする前記付記1〜付記4のいずれか一つに記載の電子メール送信方法。
【0074】
(付記6)第1の情報処理装置から受信した電子メールを当該電子メールのメールヘッダに設定されたアドレスで特定される複数の第2の情報処理装置に送信する電子メール送信プログラムであって、
前記メールヘッダに設定された複数のアドレスを個々のアドレスに分割させるアドレス分割工程と、
前記電子メールを前記アドレス分割工程で分割されたアドレスの個数分だけ複製させるメール複製工程と、
前記メール複製工程で複製された個々の電子メールの「Toヘッダ」に設定されたアドレスを、前記アドレス分割工程で分割された個々のアドレスに置換させするアドレス置換工程と、
前記アドレス置換工程でアドレスを置換された電子メールを、前記第2の情報処理装置のうち置換後のそれぞれのアドレスで特定されるものに対して送信させるメール送信工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする電子メール送信プログラム。
【0075】
(付記7)さらに、前記アドレス分割工程で分割された個々のアドレスが同一のドメインに所属するものであるかどうかを判定させる第1の判定工程を含み、
前記メール複製工程では、前記第1の判定工程で前記アドレスが同一のドメインに所属するものでないと判定された場合に、前記電子メールを前記アドレスの個数分だけ複製させることを特徴とする前記付記6に記載の電子メール送信プログラム。
【0076】
(付記8)さらに、前記第1の判定工程で前記アドレスが同一のドメインに所属するものであると判定された場合に、当該同一のドメインがあらかじめ指定されたドメインであるかどうかを判定させる第2の判定工程を含み、
前記メール複製工程では、前記第2の判定工程で前記ドメインがあらかじめ指定されたドメインでないと判定された場合に、前記電子メールを前記アドレスの個数分だけ複製させることを特徴とする前記付記7に記載の電子メール送信プログラム。
【0077】
(付記9)第1の情報処理装置から受信した電子メールを当該電子メールのメールヘッダに設定されたアドレスで特定される複数の第2の情報処理装置に送信する電子メール送信装置であって、
前記メールヘッダに設定された複数のアドレスを個々のアドレスに分割するアドレス分割手段と、
前記電子メールを前記アドレス分割手段により分割されたアドレスの個数分だけ複製するメール複製手段と、
前記メール複製手段により複製された個々の電子メールの「Toヘッダ」に設定されたアドレスを、前記アドレス分割手段により分割された個々のアドレスに置換するアドレス置換手段と、
前記アドレス置換手段によりアドレスを置換された電子メールを、前記第2の情報処理装置のうち置換後のそれぞれのアドレスで特定されるものに対して送信するメール送信手段と、
を備えたことを特徴とする電子メール送信装置。
【0078】
(付記10)さらに、前記アドレス分割手段により分割された個々のアドレスが同一のドメインに所属するものであるかどうかを判定する第1の判定手段を備え、
前記メール複製手段は、前記第1の判定手段により前記アドレスが同一のドメインに所属するものでないと判定された場合に、前記電子メールを前記アドレスの個数分だけ複製することを特徴とする前記付記9に記載の電子メール送信装置。
【0079】
(付記11)さらに、前記第1の判定手段により前記アドレスが同一のドメインに所属するものであると判定された場合に、当該同一のドメインがあらかじめ指定されたドメインであるかどうかを判定する第2の判定手段を備え、
前記メール複製手段は、前記第2の判定手段により前記ドメインがあらかじめ指定されたドメインでないと判定された場合に、前記電子メールを前記アドレスの個数分だけ複製することを特徴とする前記付記10に記載の電子メール送信装置。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数の宛先が設定されたメールはメールサーバで宛先ごとに複製され、それぞれの「Toヘッダ」が各宛先のアドレスのみに書き換えられた上で送信されるので、電子メールの受信者間で発生するアドレスの漏洩を確実に防止するとともに、漏洩しても差し支えない受信者間ではアドレスを公開することが可能な電子メール送信方法、電子メール送信プログラムおよび電子メール送信装置が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる電子メール送信装置を含む、電子メールシステムの全体構成を示す説明図である。
【図2】この発明の実施の形態1にかかる電子メール送信装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1にかかる電子メール送信装置の機能的構成を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1にかかる電子メール送信装置における、電子メール送信処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2にかかる電子メール送信装置を含む、電子メールシステムの全体構成を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態2にかかる電子メール送信装置の機能的構成を示す説明図である。
【図7】この発明の実施の形態2にかかる電子メール送信装置における、電子メール送信処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態3にかかる電子メール送信装置を含む、電子メールシステムの全体構成を示す説明図である。
【符号の説明】
100,500,800 メールサーバ(SMTPサーバ)
101a〜d,501a〜d,801a〜d メール端末
200 バスまたはケーブル
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 HDD
205 HD
206 FDD
207 FD
208 ディスプレイ
209 ネットワークI/F
210 通信回線
211 キーボード
212 マウス
300,600 メール受信部
301,601 アドレス分割部
302,602 メール複製部
303,603 アドレス置換部
304,604 メール送信部
605 ドメイン記憶部
606 ドメイン検査部
Claims (5)
- 第1の情報処理装置から受信した電子メールを当該電子メールのメールヘッダに設定されたアドレスで特定される複数の第2の情報処理装置に送信する電子メール送信方法であって、
前記メールヘッダに設定された複数のアドレスを個々のアドレスに分割するアドレス分割工程と、
前記電子メールを前記アドレス分割工程で分割されたアドレスの個数分だけ複製するメール複製工程と、
前記メール複製工程で複製された個々の電子メールの「Toヘッダ」に設定されたアドレスを、前記アドレス分割工程で分割された個々のアドレスに置換するアドレス置換工程と、
前記アドレス置換工程でアドレスを置換された電子メールを、前記第2の情報処理装置のうち置換後のそれぞれのアドレスで特定されるものに対して送信するメール送信工程と、
を含んだことを特徴とする電子メール送信方法。 - さらに、前記アドレス分割工程で分割された個々のアドレスが同一のドメインに所属するものであるかどうかを判定する第1の判定工程を含み、
前記メール複製工程では、前記第1の判定工程で前記アドレスが同一のドメインに所属するものでないと判定された場合に、前記電子メールを前記アドレスの個数分だけ複製することを特徴とする前記請求項1に記載の電子メール送信方法。 - さらに、前記第1の判定工程で前記アドレスが同一のドメインに所属するものであると判定された場合に、当該同一のドメインがあらかじめ指定されたドメインであるかどうかを判定する第2の判定工程を含み、
前記メール複製工程では、前記第2の判定工程で前記ドメインがあらかじめ指定されたドメインでないと判定された場合に、前記電子メールを前記アドレスの個数分だけ複製することを特徴とする前記請求項2に記載の電子メール送信方法。 - 第1の情報処理装置から受信した電子メールを当該電子メールのメールヘッダに設定されたアドレスで特定される複数の第2の情報処理装置に送信する電子メール送信プログラムであって、
前記メールヘッダに設定された複数のアドレスを個々のアドレスに分割させるアドレス分割工程と、
前記電子メールを前記アドレス分割工程で分割されたアドレスの個数分だけ複製させるメール複製工程と、
前記メール複製工程で複製された個々の電子メールの「Toヘッダ」に設定されたアドレスを、前記アドレス分割工程で分割された個々のアドレスに置換させるアドレス置換工程と、
前記アドレス置換工程でアドレスを置換された電子メールを、前記第2の情報処理装置のうち置換後のそれぞれのアドレスで特定されるものに対して送信させるメール送信工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする電子メール送信プログラム。 - 第1の情報処理装置から受信した電子メールを当該電子メールのメールヘッダに設定されたアドレスで特定される複数の第2の情報処理装置に送信する電子メール送信装置であって、
前記メールヘッダに設定された複数のアドレスを個々のアドレスに分割するアドレス分割手段と、
前記電子メールを前記アドレス分割手段により分割されたアドレスの個数分だけ複製するメール複製手段と、
前記メール複製手段により複製された個々の電子メールの「Toヘッダ」に設定されたアドレスを、前記アドレス分割手段により分割された個々のアドレスに置換するアドレス置換手段と、
前記アドレス置換手段によりアドレスを置換された電子メールを、前記第2の情報処理装置のうち置換後のそれぞれのアドレスで特定されるものに対して送信するメール送信手段と、
を備えたことを特徴とする電子メール送信装置。
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