JP2004207636A - 多層配線板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】狭ピッチ回路形成を可能とし、絶縁フィルムと回路の密着性と密着耐熱性を向上させた多層配線板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ベース基材1の表面に形成したシードコート2上に選択的に金属導体を析出・積層させて回路4を形成する工程と、前記回路表面を粗化する工程と、回路1を備えたシート基材1と熱可塑性樹脂からなる樹脂シート5をラミネートし、樹脂シート5に回路4を転写して片面配線板8を作成する工程と、片面配線板8の樹脂シート5を穴あけし、回路4を底面とするホールHを形成するとともに、前記ホールH内に導電性物質7を充填する工程と、複数の片面配線板8を積層した後、加熱プレスして各層を接着する工程とからなる多層配線板の製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】ベース基材1の表面に形成したシードコート2上に選択的に金属導体を析出・積層させて回路4を形成する工程と、前記回路表面を粗化する工程と、回路1を備えたシート基材1と熱可塑性樹脂からなる樹脂シート5をラミネートし、樹脂シート5に回路4を転写して片面配線板8を作成する工程と、片面配線板8の樹脂シート5を穴あけし、回路4を底面とするホールHを形成するとともに、前記ホールH内に導電性物質7を充填する工程と、複数の片面配線板8を積層した後、加熱プレスして各層を接着する工程とからなる多層配線板の製造方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、狭ピッチ回路形成を可能とし、かつ絶縁フィルムと回路の密着性と密着耐熱性を向上させた多層配線板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁フィルム上に銅箔を設けた銅張積層板において、接着剤を使用して絶縁フィルムと銅箔を接着した、絶縁フィルム/接着剤/銅箔の銅張積層板では耐熱性に問題があった。すなわち接着剤を使用した3層銅張積層板では、接着剤の溶融温度(Tg)が100℃以下であるために、ハンダ付けなどの工程で接着剤が溶融し、絶縁フィルムと銅箔とがずれる虞があった。
従って、最近では、接着剤を使用しない無接着剤フレキシブル金属積層体が使用されている。そして、この無接着剤フレキシブル金属積層体として、キャスティング法やラミネート法によって絶縁フィルムの表面に金属層を設けてなる無接着剤フレキシブル金属積層体(例えば、特許文献1を参照)や、メタライズ法によって絶縁フィルムの表面に金属層を設けてなる無接着剤フレキシブル金属積層体(例えば、特許文献2を参照)がある。
【0003】
キャスティング法やラミネート法による無接着剤フレキシブル金属積層体の製造方法は、例えば、銅板の上に溶融状態の熱可塑性ポリイミド樹脂を流し込むことによって、ポリイミドフィルムと銅層(金属層)からなる銅張積層板を形成する。
そして、前記キャスティング法やラミネート法により作成した、銅層/絶縁フィルムの2層構造の無接着剤フレキシブル金属積層体(銅張積層板)を使用して多層配線板を製造する場合、前記銅張積層板を貫通するスルーホールを形成するとともに、スルーホールをメッキ処理した後、サブトラクト法によって回路形成することによって、絶縁フィルムと回路の密着性および密着耐熱性が優れた片面配線板を作成し、その後、前記片面配線板を複数積層し、加熱プレスにより各層を接着することによって、多層配線板を取得していた。
なおサブトラクト法による回路形成は、エッチング処理によって選択的に銅層を除去し、所望とする回路形成部分の銅を残し、銅回路を形成する。
【0004】
一方、メタライズ法による無接着剤フレキシブル金属積層体の製造方法は、ポリイミドフィルム表面に厚さ数千Åの金属シード層(銅)を形成後、めっき処理によって金属導体(銅)を析出・積層し、ポリイミドフィルムと銅層からなる銅張積層板を形成する。
前記メタライズ法によって配線板を製造する場合、セミアディティブ法によりポリイミドフィルム表面の回路形成部分に選択的に金属導体を析出・積層させて回路形成できるため、L/S=40μm以下の狭ピッチ回路が形成された配線板を取得できる。そしてこの配線板(片面配線板)を複数積層し、加熱プレスにより各層を接着することによって、多層配線板を取得できる。
【0005】
図4は、セミアディティブ法により回路形成した配線板(片面配線板)の製造方法を示すものである。
ポリイミドフィルム(絶縁フィルム)101の表面全体に蒸着やスパッタリングによって厚さ2000Åのシードコート102を形成した後、前記シードコート102上にドライフィルムレジスト103を貼り付け(ロールラミネート)、このドライフィルムレジスト103に回路設計図を露光・現像し、回路形成部分のレジストを除去し、非回路形成部のみをレジスト103でマスキングする。
その後、電解銅めっきによって、非マスキング部に銅を析出・積層させ、銅回路104を形成するとともに、レジスト103を剥離した後、非回路形成部のシードコート102をエッチングによって除去することによって、必要とするところ(回路形成部)のみに銅を析出・積層し、ポリイミドフィルム101の表面に銅回路104を形成した配線板(片面配線板)100を作成していた。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−281866号公報
【特許文献2】
特公平2−55943号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、サブトラクト法によって配線板を製造した場合、絶縁フィルムと回路の優れた密着性や密着耐熱性は得られるものの、エッチング処理による回路形成時に、エッチングの進行に伴って回路部分も侵食されるため、回路の狭ピッチ化に限界があった。
また、セミアディティブ法によって配線板を製造した場合、L/S=40μm以下の狭ピッチの回路を形成することができるものの、キャスティング法やラミネート法による金属積層体に比べて、絶縁フィルムと回路との密着性や密着耐熱性が劣るものであった。
【0008】
従って、狭ピッチ化された回路形成を可能とし、かつ絶縁フィルムと銅回路の密着性と密着耐熱性を向上せしめた片面配線板を積層した多層配線板を製造することが望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明による多層配線板は、ベース基材の表面に形成したシードコート上に選択的に銅を析出・積層させて形成した回路を、熱可塑性樹脂からなる樹脂シートに接着(転写)せしめた片面配線板を複数積層し、各層を接着せしめた多層配線板であって、さらに樹脂シートに導電性物質を充填したホールが形成され、異層(異なる片面配線板)にある回路間の導通性が確保されている。
【0010】
またこの発明による多層配線板の製造方法は、ベース基材の表面に形成したシードコート上に選択的に金属導体を析出・積層させて回路を形成する工程と、熱可塑性樹脂からなる樹脂シートに前記回路を転写し、片面配線板を作成する工程と、片面配線板の樹脂シートを穴あけし、回路を底面とするホールを形成するとともに、前記ホール内に導電性物質を充填する工程と、複数の片面配線板を積層した後、加熱プレスして各層を接着する工程とからなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明による多層配線板の製造方法について、図1から図3を参照して説明する。
この発明による多層配線板の製造方法では、まず、樹脂シート5の片面に任意の回路4を形成した片面配線板8を作成した後(図1を参照)、複数の片面配線板を積層し、各層を接着することによって多層配線板10を取得する(図3を参照)。
【0012】
図1は、片面配線板8の作成方法について説明する図である。
図1に示す作成方法によれば、例えば、ポリイミドやポリエステルなどの絶縁フィルムや、銅との密着性の小さなシート、あるいはシート表面に銅との密着性を小さくするようにせしめたシートからなるベース基材1の表面全体に、銅(Cu)を蒸着またはスパッタリングし、ベース基材1の表面にシードコート2を形成する。
その後、前記シードコート2の表面の非回路形成部をレジスト3でマスキングする。
【0013】
非回路形成部のみをレジスト3でマスキングするにあたって、シードコート2の表面にドライフィルムレジストをラミネート(またはロールラミネート)した後、前記ドライフィルレジストに回路設計図を露光・現像し、回路形成部(任意)のレジストを除去し、非回路形成部のみをレジスト3でマスキングする。
なお、シードコート2の表面に液状レジストを塗布してレジスト層を形成した後、レジスト層に回路設計図を露光・現像し、回路形成部(任意)のレジストを除去し、非回路形成部をレジスト3でマスキングしてもよい。
【0014】
その後、非回路形成部がレジスト3でマスキングされている状態で電解銅めっき処理することによって、非マスキング部(シードコート2が露出している部分)に銅(Cu)を析出・積層し、銅回路4を形成する。
【0015】
さらに図1に示す片面配線板の作成方法では、銅回路4を形成した後、レジスト3を剥離し、その後、銅回路4の表面をブラスト処理によって粗化して粗面4aを形成する。
なお、レジスト3の層厚と同等になるように銅を析出・積層して銅回路4を形成した後、ブラスト処理し、レジスト3および銅回路4の表面を粗化し、粗面4aを形成してもよい。
【0016】
続いて、シート基材1に形成された回路4を熱可塑性樹脂からなる樹脂シート5に転写し、片面配線板8を作成する。
【0017】
すなわち、ベース基材1に形成した回路4の粗面4aと、熱塑性樹脂からなる樹脂シート5を対向させ、ラミネートあるいは加熱プレスすることによって、ベース基材1に形成されている回路4の表面(粗面4a)に樹脂シート5を接着(密着)する。その後、回路4を備えるシート基材1と熱可塑性樹脂からなる樹脂シート5を貼り合わせたものから、シート基材1とシードコート2を剥離・除去し、樹脂シート5に回路4が密着した片面配線板8を取得する。
【0018】
このとき、熱可塑性樹脂を熱硬化させることによって、樹脂シート5に回路4を接着させるため、回路4と樹脂シート5は、ラミネート法やキャスティング法による接着と同等な密着性および密着耐熱性が確保される。
そして、回路4の表面が粗化されている(粗面4aが形成されている)ことによって、熱可塑性樹脂に回路表面(粗面4a)が埋まり込んで、回路4と樹脂シート5の密着性を向上することができる。
【0019】
なお、回路4を備えたシート基材1と樹脂シート5を貼り合わせたものから、シート基材1とシードコート2を剥離・除去する場合、シート基材1とシードコート2を一括剥離する方法や、シート基材1を剥離した後、エッチング処理によりシードコート2を除去する方法がある。
シードコート2をエッチングによって除去する場合は、サブトラクト法によるエッチングによる回路形成と異なり、非常に薄膜状に形成されたシードコート2を溶解除去するだけなので、処理時間も短く、そのためエッチング処理による回路侵食の虞はなく、狭ピッチ回路の形成が可能である。
【0020】
また、レジスト3を備えた状態でベース基材1と樹脂シート5を貼り合わせた場合、シート基材1とシードコート2を剥離・除去した後、レジスト3を剥離し、樹脂シート5の表面に回路4が密着した片面配線板8を取得する。
【0021】
次に、片面配線板8の非回路面(回路4が形成されていない面)にマスク6を被覆した後、マスク6表面から樹脂シート5を穴あけして、回路4を底面とするホールHを形成するとともに、前記ホールH内に導電性物質(例えば導電性ペースト)7を充填し、その後、マスク6を除去して、樹脂シート5の表面に回路4が密着した片面配線板8に、導電性物質7を充填したホールHを形成する。
なお、レーザー加工により穴することで、精密なホールHを形成することができる。
【0022】
図1に示す片面配線板の作成方法によって取得した片面配線板8について、図2に示す。
この片面配線板8によれば、任意の部分に選択的に銅を析出・積層して回路4を形成するため、狭ピッチ回路形成が可能であり、また熱可塑性樹脂を熱硬化して回路4と樹脂シート5を接着せしめたことにより、高い密着性と密着耐熱性が確保されている。
また、図2に示す片面配線板8には、複数の片面配線板6を積層して多層配線板を製造したとき、異層(異なる片面配線板8)にある回路間の導通性を確保するため、導電性物質7を充填したホールHが形成されている。
【0023】
図2に示す片面配線板8を使用した多層配線板の製造方法について図3を参照して説明する。
【0024】
この製造方法では、複数の片面配線板8を、回路面(回路4が形成されている面)を一方に揃えて積層し、加熱プレスすることによって各層(各片面配線板8)を接着して多層配線板10を製造する。
図3では、回路4が上になるように配設した3枚の片面配線板8を積み重ねる(積層する)とともに、最下層に金属板9を配設し、加熱プレスによって各層(各片面配線板8と金属板9)を接着し、その後、最下層に接着した金属板9をエッチング処理し、回路4を形成する。
このとき、上側に配設される片面配線板8のホールHに充填した導電性物質7が、下側に配設される片面配線板8の回路4の表面に当接するよう、各片面配線板8を積層することによって、異層(異なる片面配線板8)にある回路間の導通性を確保することができる。
【0025】
以上のように、ベース基材1の表面に形成したシードコート2上に選択的に銅を析出・積層して形成した回路4を、熱可塑性樹脂からなる樹脂シート6の表面に転写することによって、狭ピッチ化された回路形成が可能であり、かつ回路4と樹脂シート5との高い密着性と密着耐熱性が確保された片面配線板8を取得することができる。さらに前記片面配線板8の樹脂シート5に、ホール内に導電性物質7を充填したホールHを形成し、この片面配線板8を複数積層し、各層を接着することによって、異層にある回路間の導通性を確保した多層配線板10を取得することができる。
【0026】
続いて、この発明による多層配線板を構成する片面配線板の製造方法の好適な実施例について、以下に説明する。
【0027】
この実施例では、ベース基材1としてポリイミドフィルムであるカプトンEN(東レデュポン製)を使用する。
そして、このベース基材1をスパッタチャンバにセットし、プラズマガスにアルゴンを用い、7×10−3Torrの真空下でスパッタリングにより2000Åの銅(Cu)層を形成し、ベース基材1の表面全体に、銅(Cu)からなるシードコート2を形成する。
【0028】
そしてスパッタチャンバから、表面にシードコート2を形成したベース基材1を取り出し、さらに前記シードコート2の上にドライフィルムレジスト(日立化成製)をラミネートし、このドライフィルムレジストに回路設計図を露光・現像することによって、非回路形成部のみをレジスト3でマスキングする。
【0029】
その後、電解銅めっき処理を行い、非マスキング部に銅(Cu)を析出・積層して、ベース基材1に銅回路4を形成する。
なお電解銅めっきには下記の硫酸銅めっき浴を用い、この硫酸銅めっき浴中に浸したベース基材1のシードコート2に電気を流すことによって、非マスキング部に銅を析出・積層し、銅回路4を形成した。
〔硫酸銅めっき浴〕
硫酸銅5水塩 ………………………………………… 75g/l
硫酸 …………………………………………………… 190g/l
塩酸イオン …………………………………………… 50mg/l
カッパーグリーム CLX−A(メルテックス製)…… 5mm/l
カッパーグリーム CLX−C(メルテックス製)…… 5mm/l
【0030】
非マスキング部に銅を析出・積層させて銅回路4を形成した後、銅回路4とレジスト3の表面をブラスト処理し、回路表面を粗化する(粗面4a)。
【0031】
そして前記回路4の上から熱可塑性ポリイミドからなる樹脂シート6を貼り合わせ、ラミネートすることによって熱可塑性ポリイミドを熱硬化させて、銅回路4とレジスト3の表面に樹脂シート5を接着する。
【0032】
その後、ベース基材1を剥離するとともに、一般的な銅エッチャント(例えば、塩化鉄)を用いてエッチング処理し、シードコート2を除去する。
そして、3%水酸化ナトリウム水溶液を用いてレジスト3を剥離し、樹脂シート5の表面(片面)に銅回路4が密着した片面配線板8を取得する。
【0033】
こうして製造した片面配線板の剥離強度について、IPC−TM−650に準拠して測定した結果、17N/cmであった。また、この片面配線板を180℃で2時間熱処理した後(熱処理後)の剥離強度は、16N/cmであった。
これに対し、図4に示す従来技術(セミアディティブ法)によって製造された片面配線板の密着性および密着耐熱性は低く、剥離強度は12N/cmであり、180℃で2時間熱処理した後(熱処理後)の剥離強度は、7N/cmであった。
【0034】
そして、上記の片面配線板(高い密着性および耐熱密着性を確保した片面配線板)8の非回路面にマスク6を被覆した後、マスク6の表面から樹脂シート5に穴あけし、回路4を底面とするホールHを形成するとともに、前記ホール内に導電性ペースト7を充填し、その後、マスク6を剥離する。
その後、複数の片面配線板8を積層し、加熱プレスによって各層を接着することによって、導電性ペースト7を充填したホールHによって異層にある回路間の導通性が確保され、かつ狭ピッチ回路形成が可能で、かつ回路と絶縁フィルム(樹脂シート)が密着した多層配線板10を取得することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、ベース基材1の表面に形成したシードコート2上に選択的に金属導体を析出・積層させて回路4を形成する工程と、回路表面を粗化する工程と、前記回路4を備えたベース基材1と熱可塑性樹脂からなる樹脂シート5を、ラミネートあるいは加熱プレスすることによって回路4の表面に樹脂シートを接着する工程と、ベース基材1およびシードコート2を除去し、片面配線板8を作成する工程と、前記片面配線板8の樹脂シート5を穴あけし、回路4を底面とするホールHを形成するとともに、前記ホールH内に導電性物質7を充填する工程と、複数の片面配線板8を積層した後、加熱プレスして各層を接着する工程とから多層配線板を製造する。
これによって、狭ピッチ回路形成を可能とし、また絶縁フィルムと回路との高い密着性と密着耐熱性が確保された多層配線板を取得することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】片面配線板の作成法を説明する図。
【図2】片面配線板の断面図。
【図3】多層配線板の製造方法を説明する図。
【図4】従来技術による片面配線板の製造方法を説明する図。
【符号の説明】
1 ベース基材
2 シードコート
3 レジスト
4 銅回路
5 樹脂シート
6 マスク
7 導電性物質
8 片面配線板
9 金属板
10 多層配線板
H ホール
【発明の属する技術分野】
この発明は、狭ピッチ回路形成を可能とし、かつ絶縁フィルムと回路の密着性と密着耐熱性を向上させた多層配線板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁フィルム上に銅箔を設けた銅張積層板において、接着剤を使用して絶縁フィルムと銅箔を接着した、絶縁フィルム/接着剤/銅箔の銅張積層板では耐熱性に問題があった。すなわち接着剤を使用した3層銅張積層板では、接着剤の溶融温度(Tg)が100℃以下であるために、ハンダ付けなどの工程で接着剤が溶融し、絶縁フィルムと銅箔とがずれる虞があった。
従って、最近では、接着剤を使用しない無接着剤フレキシブル金属積層体が使用されている。そして、この無接着剤フレキシブル金属積層体として、キャスティング法やラミネート法によって絶縁フィルムの表面に金属層を設けてなる無接着剤フレキシブル金属積層体(例えば、特許文献1を参照)や、メタライズ法によって絶縁フィルムの表面に金属層を設けてなる無接着剤フレキシブル金属積層体(例えば、特許文献2を参照)がある。
【0003】
キャスティング法やラミネート法による無接着剤フレキシブル金属積層体の製造方法は、例えば、銅板の上に溶融状態の熱可塑性ポリイミド樹脂を流し込むことによって、ポリイミドフィルムと銅層(金属層)からなる銅張積層板を形成する。
そして、前記キャスティング法やラミネート法により作成した、銅層/絶縁フィルムの2層構造の無接着剤フレキシブル金属積層体(銅張積層板)を使用して多層配線板を製造する場合、前記銅張積層板を貫通するスルーホールを形成するとともに、スルーホールをメッキ処理した後、サブトラクト法によって回路形成することによって、絶縁フィルムと回路の密着性および密着耐熱性が優れた片面配線板を作成し、その後、前記片面配線板を複数積層し、加熱プレスにより各層を接着することによって、多層配線板を取得していた。
なおサブトラクト法による回路形成は、エッチング処理によって選択的に銅層を除去し、所望とする回路形成部分の銅を残し、銅回路を形成する。
【0004】
一方、メタライズ法による無接着剤フレキシブル金属積層体の製造方法は、ポリイミドフィルム表面に厚さ数千Åの金属シード層(銅)を形成後、めっき処理によって金属導体(銅)を析出・積層し、ポリイミドフィルムと銅層からなる銅張積層板を形成する。
前記メタライズ法によって配線板を製造する場合、セミアディティブ法によりポリイミドフィルム表面の回路形成部分に選択的に金属導体を析出・積層させて回路形成できるため、L/S=40μm以下の狭ピッチ回路が形成された配線板を取得できる。そしてこの配線板(片面配線板)を複数積層し、加熱プレスにより各層を接着することによって、多層配線板を取得できる。
【0005】
図4は、セミアディティブ法により回路形成した配線板(片面配線板)の製造方法を示すものである。
ポリイミドフィルム(絶縁フィルム)101の表面全体に蒸着やスパッタリングによって厚さ2000Åのシードコート102を形成した後、前記シードコート102上にドライフィルムレジスト103を貼り付け(ロールラミネート)、このドライフィルムレジスト103に回路設計図を露光・現像し、回路形成部分のレジストを除去し、非回路形成部のみをレジスト103でマスキングする。
その後、電解銅めっきによって、非マスキング部に銅を析出・積層させ、銅回路104を形成するとともに、レジスト103を剥離した後、非回路形成部のシードコート102をエッチングによって除去することによって、必要とするところ(回路形成部)のみに銅を析出・積層し、ポリイミドフィルム101の表面に銅回路104を形成した配線板(片面配線板)100を作成していた。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−281866号公報
【特許文献2】
特公平2−55943号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、サブトラクト法によって配線板を製造した場合、絶縁フィルムと回路の優れた密着性や密着耐熱性は得られるものの、エッチング処理による回路形成時に、エッチングの進行に伴って回路部分も侵食されるため、回路の狭ピッチ化に限界があった。
また、セミアディティブ法によって配線板を製造した場合、L/S=40μm以下の狭ピッチの回路を形成することができるものの、キャスティング法やラミネート法による金属積層体に比べて、絶縁フィルムと回路との密着性や密着耐熱性が劣るものであった。
【0008】
従って、狭ピッチ化された回路形成を可能とし、かつ絶縁フィルムと銅回路の密着性と密着耐熱性を向上せしめた片面配線板を積層した多層配線板を製造することが望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明による多層配線板は、ベース基材の表面に形成したシードコート上に選択的に銅を析出・積層させて形成した回路を、熱可塑性樹脂からなる樹脂シートに接着(転写)せしめた片面配線板を複数積層し、各層を接着せしめた多層配線板であって、さらに樹脂シートに導電性物質を充填したホールが形成され、異層(異なる片面配線板)にある回路間の導通性が確保されている。
【0010】
またこの発明による多層配線板の製造方法は、ベース基材の表面に形成したシードコート上に選択的に金属導体を析出・積層させて回路を形成する工程と、熱可塑性樹脂からなる樹脂シートに前記回路を転写し、片面配線板を作成する工程と、片面配線板の樹脂シートを穴あけし、回路を底面とするホールを形成するとともに、前記ホール内に導電性物質を充填する工程と、複数の片面配線板を積層した後、加熱プレスして各層を接着する工程とからなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明による多層配線板の製造方法について、図1から図3を参照して説明する。
この発明による多層配線板の製造方法では、まず、樹脂シート5の片面に任意の回路4を形成した片面配線板8を作成した後(図1を参照)、複数の片面配線板を積層し、各層を接着することによって多層配線板10を取得する(図3を参照)。
【0012】
図1は、片面配線板8の作成方法について説明する図である。
図1に示す作成方法によれば、例えば、ポリイミドやポリエステルなどの絶縁フィルムや、銅との密着性の小さなシート、あるいはシート表面に銅との密着性を小さくするようにせしめたシートからなるベース基材1の表面全体に、銅(Cu)を蒸着またはスパッタリングし、ベース基材1の表面にシードコート2を形成する。
その後、前記シードコート2の表面の非回路形成部をレジスト3でマスキングする。
【0013】
非回路形成部のみをレジスト3でマスキングするにあたって、シードコート2の表面にドライフィルムレジストをラミネート(またはロールラミネート)した後、前記ドライフィルレジストに回路設計図を露光・現像し、回路形成部(任意)のレジストを除去し、非回路形成部のみをレジスト3でマスキングする。
なお、シードコート2の表面に液状レジストを塗布してレジスト層を形成した後、レジスト層に回路設計図を露光・現像し、回路形成部(任意)のレジストを除去し、非回路形成部をレジスト3でマスキングしてもよい。
【0014】
その後、非回路形成部がレジスト3でマスキングされている状態で電解銅めっき処理することによって、非マスキング部(シードコート2が露出している部分)に銅(Cu)を析出・積層し、銅回路4を形成する。
【0015】
さらに図1に示す片面配線板の作成方法では、銅回路4を形成した後、レジスト3を剥離し、その後、銅回路4の表面をブラスト処理によって粗化して粗面4aを形成する。
なお、レジスト3の層厚と同等になるように銅を析出・積層して銅回路4を形成した後、ブラスト処理し、レジスト3および銅回路4の表面を粗化し、粗面4aを形成してもよい。
【0016】
続いて、シート基材1に形成された回路4を熱可塑性樹脂からなる樹脂シート5に転写し、片面配線板8を作成する。
【0017】
すなわち、ベース基材1に形成した回路4の粗面4aと、熱塑性樹脂からなる樹脂シート5を対向させ、ラミネートあるいは加熱プレスすることによって、ベース基材1に形成されている回路4の表面(粗面4a)に樹脂シート5を接着(密着)する。その後、回路4を備えるシート基材1と熱可塑性樹脂からなる樹脂シート5を貼り合わせたものから、シート基材1とシードコート2を剥離・除去し、樹脂シート5に回路4が密着した片面配線板8を取得する。
【0018】
このとき、熱可塑性樹脂を熱硬化させることによって、樹脂シート5に回路4を接着させるため、回路4と樹脂シート5は、ラミネート法やキャスティング法による接着と同等な密着性および密着耐熱性が確保される。
そして、回路4の表面が粗化されている(粗面4aが形成されている)ことによって、熱可塑性樹脂に回路表面(粗面4a)が埋まり込んで、回路4と樹脂シート5の密着性を向上することができる。
【0019】
なお、回路4を備えたシート基材1と樹脂シート5を貼り合わせたものから、シート基材1とシードコート2を剥離・除去する場合、シート基材1とシードコート2を一括剥離する方法や、シート基材1を剥離した後、エッチング処理によりシードコート2を除去する方法がある。
シードコート2をエッチングによって除去する場合は、サブトラクト法によるエッチングによる回路形成と異なり、非常に薄膜状に形成されたシードコート2を溶解除去するだけなので、処理時間も短く、そのためエッチング処理による回路侵食の虞はなく、狭ピッチ回路の形成が可能である。
【0020】
また、レジスト3を備えた状態でベース基材1と樹脂シート5を貼り合わせた場合、シート基材1とシードコート2を剥離・除去した後、レジスト3を剥離し、樹脂シート5の表面に回路4が密着した片面配線板8を取得する。
【0021】
次に、片面配線板8の非回路面(回路4が形成されていない面)にマスク6を被覆した後、マスク6表面から樹脂シート5を穴あけして、回路4を底面とするホールHを形成するとともに、前記ホールH内に導電性物質(例えば導電性ペースト)7を充填し、その後、マスク6を除去して、樹脂シート5の表面に回路4が密着した片面配線板8に、導電性物質7を充填したホールHを形成する。
なお、レーザー加工により穴することで、精密なホールHを形成することができる。
【0022】
図1に示す片面配線板の作成方法によって取得した片面配線板8について、図2に示す。
この片面配線板8によれば、任意の部分に選択的に銅を析出・積層して回路4を形成するため、狭ピッチ回路形成が可能であり、また熱可塑性樹脂を熱硬化して回路4と樹脂シート5を接着せしめたことにより、高い密着性と密着耐熱性が確保されている。
また、図2に示す片面配線板8には、複数の片面配線板6を積層して多層配線板を製造したとき、異層(異なる片面配線板8)にある回路間の導通性を確保するため、導電性物質7を充填したホールHが形成されている。
【0023】
図2に示す片面配線板8を使用した多層配線板の製造方法について図3を参照して説明する。
【0024】
この製造方法では、複数の片面配線板8を、回路面(回路4が形成されている面)を一方に揃えて積層し、加熱プレスすることによって各層(各片面配線板8)を接着して多層配線板10を製造する。
図3では、回路4が上になるように配設した3枚の片面配線板8を積み重ねる(積層する)とともに、最下層に金属板9を配設し、加熱プレスによって各層(各片面配線板8と金属板9)を接着し、その後、最下層に接着した金属板9をエッチング処理し、回路4を形成する。
このとき、上側に配設される片面配線板8のホールHに充填した導電性物質7が、下側に配設される片面配線板8の回路4の表面に当接するよう、各片面配線板8を積層することによって、異層(異なる片面配線板8)にある回路間の導通性を確保することができる。
【0025】
以上のように、ベース基材1の表面に形成したシードコート2上に選択的に銅を析出・積層して形成した回路4を、熱可塑性樹脂からなる樹脂シート6の表面に転写することによって、狭ピッチ化された回路形成が可能であり、かつ回路4と樹脂シート5との高い密着性と密着耐熱性が確保された片面配線板8を取得することができる。さらに前記片面配線板8の樹脂シート5に、ホール内に導電性物質7を充填したホールHを形成し、この片面配線板8を複数積層し、各層を接着することによって、異層にある回路間の導通性を確保した多層配線板10を取得することができる。
【0026】
続いて、この発明による多層配線板を構成する片面配線板の製造方法の好適な実施例について、以下に説明する。
【0027】
この実施例では、ベース基材1としてポリイミドフィルムであるカプトンEN(東レデュポン製)を使用する。
そして、このベース基材1をスパッタチャンバにセットし、プラズマガスにアルゴンを用い、7×10−3Torrの真空下でスパッタリングにより2000Åの銅(Cu)層を形成し、ベース基材1の表面全体に、銅(Cu)からなるシードコート2を形成する。
【0028】
そしてスパッタチャンバから、表面にシードコート2を形成したベース基材1を取り出し、さらに前記シードコート2の上にドライフィルムレジスト(日立化成製)をラミネートし、このドライフィルムレジストに回路設計図を露光・現像することによって、非回路形成部のみをレジスト3でマスキングする。
【0029】
その後、電解銅めっき処理を行い、非マスキング部に銅(Cu)を析出・積層して、ベース基材1に銅回路4を形成する。
なお電解銅めっきには下記の硫酸銅めっき浴を用い、この硫酸銅めっき浴中に浸したベース基材1のシードコート2に電気を流すことによって、非マスキング部に銅を析出・積層し、銅回路4を形成した。
〔硫酸銅めっき浴〕
硫酸銅5水塩 ………………………………………… 75g/l
硫酸 …………………………………………………… 190g/l
塩酸イオン …………………………………………… 50mg/l
カッパーグリーム CLX−A(メルテックス製)…… 5mm/l
カッパーグリーム CLX−C(メルテックス製)…… 5mm/l
【0030】
非マスキング部に銅を析出・積層させて銅回路4を形成した後、銅回路4とレジスト3の表面をブラスト処理し、回路表面を粗化する(粗面4a)。
【0031】
そして前記回路4の上から熱可塑性ポリイミドからなる樹脂シート6を貼り合わせ、ラミネートすることによって熱可塑性ポリイミドを熱硬化させて、銅回路4とレジスト3の表面に樹脂シート5を接着する。
【0032】
その後、ベース基材1を剥離するとともに、一般的な銅エッチャント(例えば、塩化鉄)を用いてエッチング処理し、シードコート2を除去する。
そして、3%水酸化ナトリウム水溶液を用いてレジスト3を剥離し、樹脂シート5の表面(片面)に銅回路4が密着した片面配線板8を取得する。
【0033】
こうして製造した片面配線板の剥離強度について、IPC−TM−650に準拠して測定した結果、17N/cmであった。また、この片面配線板を180℃で2時間熱処理した後(熱処理後)の剥離強度は、16N/cmであった。
これに対し、図4に示す従来技術(セミアディティブ法)によって製造された片面配線板の密着性および密着耐熱性は低く、剥離強度は12N/cmであり、180℃で2時間熱処理した後(熱処理後)の剥離強度は、7N/cmであった。
【0034】
そして、上記の片面配線板(高い密着性および耐熱密着性を確保した片面配線板)8の非回路面にマスク6を被覆した後、マスク6の表面から樹脂シート5に穴あけし、回路4を底面とするホールHを形成するとともに、前記ホール内に導電性ペースト7を充填し、その後、マスク6を剥離する。
その後、複数の片面配線板8を積層し、加熱プレスによって各層を接着することによって、導電性ペースト7を充填したホールHによって異層にある回路間の導通性が確保され、かつ狭ピッチ回路形成が可能で、かつ回路と絶縁フィルム(樹脂シート)が密着した多層配線板10を取得することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、ベース基材1の表面に形成したシードコート2上に選択的に金属導体を析出・積層させて回路4を形成する工程と、回路表面を粗化する工程と、前記回路4を備えたベース基材1と熱可塑性樹脂からなる樹脂シート5を、ラミネートあるいは加熱プレスすることによって回路4の表面に樹脂シートを接着する工程と、ベース基材1およびシードコート2を除去し、片面配線板8を作成する工程と、前記片面配線板8の樹脂シート5を穴あけし、回路4を底面とするホールHを形成するとともに、前記ホールH内に導電性物質7を充填する工程と、複数の片面配線板8を積層した後、加熱プレスして各層を接着する工程とから多層配線板を製造する。
これによって、狭ピッチ回路形成を可能とし、また絶縁フィルムと回路との高い密着性と密着耐熱性が確保された多層配線板を取得することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】片面配線板の作成法を説明する図。
【図2】片面配線板の断面図。
【図3】多層配線板の製造方法を説明する図。
【図4】従来技術による片面配線板の製造方法を説明する図。
【符号の説明】
1 ベース基材
2 シードコート
3 レジスト
4 銅回路
5 樹脂シート
6 マスク
7 導電性物質
8 片面配線板
9 金属板
10 多層配線板
H ホール
Claims (8)
- ベース基材(1)表面に形成したシードコート(2)上に選択的に銅を析出・積層させて形成した回路(4)を、熱可塑性樹脂からなる樹脂シート(5)に接着せしめた片面配線板(8)を複数積層し、各層を接着せしめた多層配線板であって、
樹脂シート(5)に導電性物質(7)を充填したホール(H)が形成され、異層にある回路間の導通性が確保されていることを特徴とする多層配線板。 - 熱可塑性ポリイミドからなる樹脂シート(5)を熱硬化させることによって、樹脂シート(5)と回路(4)を接着せしめたことを特徴とする請求項1に記載の多層配線板。
- 樹脂シート(5)に接着する回路(4)の表面が粗化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の多層配線板。
- 接着剤を使用することなく絶縁フィルムと回路の密着性を確保した多層配線板の製造方法において、
ベース基材(1)の表面にシードコート(2)を形成するとともに、シードコート(2)上の非回路形成部をレジスト(3)でマスキングした後、電解銅めっきにより非マスキング部に銅を析出・積層させ、ベース基材(1)に回路(4)を形成する工程と、
レジスト(3)を剥離するとともに、回路(4)の表面を粗化する工程と、
回路(4)を備えたベース基材(1)に樹脂シート(5)に貼り合わせ、ラミネートすることによって回路(4)の表面に樹脂シート(5)を接着する工程と、
シート基材(1)とシードコート(2)を剥離・除去して片面配線板(8)を作成する工程と、
片面配線板(8)の樹脂シート(5)を穴あけし、回路(4)を底面とするホール(H)を形成するとともに、前記ホール(H)内に導電性物質(7)を充填する工程と、
複数の片面配線板(8)を積層した後、加熱プレスして各層を接着する工程と、からなることを特徴とする多層配線板の製造方法。 - 接着剤を使用することなく絶縁フィルムと回路の密着性を確保した多層配線板の製造方法において、
ベース基材(1)の表面にシードコート(2)を形成するとともに、シードコート(2)上の非回路形成部をレジスト(3)でマスキングした後、電解銅めっきにより非マスキング部に銅を析出・積層させ、ベース基材(1)に回路(4)を形成する工程と、
前記回路(4)の表面を粗化する工程と、
回路(4)を備えたベース基材(1)に樹脂シート(5)に貼り合わせ、ラミネートすることによって回路(4)の表面に樹脂シート(5)を接着する工程と、
シート基材(1)とシードコート(2)を剥離・除去するとともに、レジスト(3)を剥離して片面配線板(8)を作成する工程と、
片面配線板(8)の樹脂シート(5)を穴あけし、回路(4)を底面とするホール(H)を形成するとともに、前記ホール(H)内に導電性物質(7)を充填する工程と、
複数の片面配線板(8)を積層した後、加熱プレスして各層を接着する工程と、からなることを特徴とする多層配線板の製造方法。 - 複数の片面配線板(8)を、回路面を上にして積み重ねるとともに、最下層に金属板(9)を配設し、加熱プレスして各層を接着するとともに、最下層の金属板(9)をエッチング処理し、回路(4)を形成することを特徴とする請求項4または5に記載の多層配線板の製造方法。
- 熱可塑性ポリイミドからなる樹脂シート(5)を使用することを特徴とする請求項4から6の何れか1項に記載の多層配線板の製造方法。
- シードコート(2)が、銅であることを特徴とする請求項4か7の何れか1項に記載の多層配線板の製造方法。
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