JP2004206559A - エンボス可能な非接触通信機能を備えたicカード - Google Patents
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Abstract
【課題】ICカード本体のエンボス加工のずれやアンテナ配置のずれ等の要素が絡んだ場合にもカードに設けられたアンテナパターンの断線を防止し、カードリーダによっても、また従来通りのエンボス情報読み取り端末によってもカード情報を確実に読み取りできる非接触通信機能を備えたICカードを提供する。
【解決手段】カード1本体のカード基材に凹凸形状の文字又は記号2、3、4を表示するエンボス加工領域と、ICチップ6と、ICチップ6に接続されたアンテナパターン5とを備えた非接触通信機能を備えたICカードであって、前記エンボス加工領域内を通過する前記アンテナパターン5の少なくとも一つが互いに隣り合うエンボス行間領域を含む領域内に敷設されている。
【選択図】図1
【解決手段】カード1本体のカード基材に凹凸形状の文字又は記号2、3、4を表示するエンボス加工領域と、ICチップ6と、ICチップ6に接続されたアンテナパターン5とを備えた非接触通信機能を備えたICカードであって、前記エンボス加工領域内を通過する前記アンテナパターン5の少なくとも一つが互いに隣り合うエンボス行間領域を含む領域内に敷設されている。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンボス加工文字が形成できる非接触通信機能を備えたICカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、銀行カード、キャッシュカード、IDカード等、重要かつ大量なデータを記憶、処理する目的でICチップを用いたICカードが普及しており、近年では、ICカードの外部端子と外部端末を接続して使用する接触式のICカードだけでなく、アンテナを内蔵し、電波や静電結合により非接触で外部機器との間でデータ交換を行う非接触通信機能を備えたICカードの使用が増加し、カードの出し入れの不要、外部端末のメンテナンスの軽減等の理由から、需要が高まっている。
【0003】
非接触通信機能を備えたICカードは、空間に高周波電磁界や超音波、光等の振動エネルギーの場を設けて、そのエネルギーを吸収、整流してカードに内蔵された電子回路を駆動する直流電力源とし、この場の交流成分の周波数をそのまま用いるか、或いは逓倍や分周して識別信号とし、この識別信号を、アンテナ又はコイルやコンデンサ等の結合器を介して、データを半導体素子の情報処理回路に伝送するものである。
【0004】
さて、一般的に、非接触通信機能を備えたICカードは以下のように製作される。導電性ペースト印刷、巻線溶着加工、銅箔エッチング加工などによって製作された非接触伝達用の金属箔のアンテナ又はコイルを持つフィルム状に形成されたアンテナ基板にICモジュールが実装され、オーバーシートと基材によって挟み込まれ、ラミネートされてカードが製作される。
【0005】
このとき、アンテナ又はコイルとICモジュールとの接続のための2つのアンテナ接続端子は、アンテナ基板上に露出している。ICモジュールには、ICが実装され、アンテナとの接続のための端子が設けられている。アンテナ基板の2つのアンテナ接続端子には、導電性接着フィルムが貼付される。ICモジュールの接続端子と端子に導電性接着フィルムが貼付されたアンテナ基板とが、双方の接続端子を重なり合うように整合され、ICモジュールがアンテナ基板に据え付けられた後、熱と圧力を加えてICモジュールの端子とアンテナ端子とが結合されて実装を終了する。
【0006】
その他、最近ではICモジュールを形成することなく、アンテナを形成したフィルムや、基板上にICチップを直接導電性接着フィルムを用いて実装する方法が多く採用されている。
【0007】
各種カードには、印刷などの表示の他にエンボス表示が設けられている。例えば、図2(a)の平面図に示すように、カード1の表面にはカード固有の表示情報、例えばカード所有者の氏名、カード番号、会員番号、カード有効期限などカードの凹凸により表示する、いわゆるエンボス加工による浮き出し文字(エンボス文字)が形成されている。この表示情報は固有の情報であり、可視情報として利用されている。
【0008】
エンボス加工は、カード1の片側の面、通常は裏面側より文字パターンがそれぞれ形成された打刻用キー(アルファベット文字、数字、かな文字、カタカナ文字など)によって所望の文字情報が打刻され、図2(b)に示す概略断面図のように、カード1表面側にカード材が凸状に浮き出し、所望の文字情報がエンボス文字10として形成される。一方、裏面側は文字パターンが凹状に形成される。
【0009】
前記非接触通信機能を備えたICカードは、情報通信用のアンテナパターンがカード基材内に設けられている。微細なアンテナパターンがある場所にカード表面からエンボス加工を行うと、アンテナパターンが断線される可能性があり、情報の通信が不能になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ICカード本体のエンボス加工のずれや、アンテナ配置のずれ等の要素が絡んだ場合にも、ICカードに設けられたアンテナパターンの断線を防止し、カードリーダによっても、また従来通りのエンボス情報読み取り端末によっても、カード情報を確実に読み取ることができる非接触通信機能を備えたICカードを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は係る課題を解決するものであり、請求項1に係る発明は、カード基材と、前記カード基材に凹凸形状の文字又は記号を表示するエンボス加工領域と、ICチップと、ICチップに接続されたアンテナパターンとを備えた非接触通信機能を備えたICカードであって、前記エンボス加工領域内を通過する前記アンテナパターンの少なくとも一つが、互いに隣り合うエンボス行間領域を含む領域内に敷設されていることを特徴とするエンボス可能な非接触通信機能を備えたICカードである。
【0012】
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係るエンボス可能な非接触通信機能を備えたICカードにおいて、前記エンボス加工領域内を通過する前記アンテナパターンの幅dは、エンボス行間の間隔幅Lよりも少なくとも広いことを特徴とするエンボス可能な非接触通信機能を備えたICカードである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳しく説明する。
図1は本発明によるエンボス可能な非接触通信機能を備えたICカード1の構成の一例を透視化した概念的な平面図である。
【0014】
図1に示すようにICカード1本体のカード基材の積層内部には、ICチップ6とアンテナパターン5と、カード1の表面には磁気ストライプ7を備え、また図2(a)の平面図に示すように、ICカード1本体にはエンボス加工領域を備え、例えばエンボス加工領域8とエンボス加工領域9を備え、図2(b)の部分側断面図に示すように、ICカード1本体表面側に、カード基材が凸状に浮き出し、所望の文字情報がエンボス文字10として形成され、他方、裏面側は文字パターンが凹状に形成されている。
【0015】
図1に示すアンテナパターン5は、銅線や金属箔やをエッチングしたもの、導電ペーストを印刷したもの等が用いられる。この一例ではアンテナパターン5は細幅アンテナパターン5Aを3回〜4回巻きしたものであるが、コイルの巻数は1〜数回巻が一般的であり、リーダライタとの通信周波数において共振するように調整することで効率良く電力が得られ、ICチップ6に電力を供給することができる。
【0016】
エンボスされたICカードには、ISO7811規格によってエンボス加工のための2つの領域が設けられている。エンボス加工領域8は、カード所有者の会員番号などの認識番号のために割り当てられ、エンボス加工領域9は、氏名やその他の必要データが保有者の識別エンボスデータのため割り当てられる。両エンボス加工領域共に、図2(b)に示すように、カード1本体が凹凸形成され、情報がエンボス文字として形成される。
【0017】
その場合、カード基材の層内に張り巡らされているアンテナパターン5は、前記エンボス加工によって断線する可能性があり、その部分の幅を補強することで断線を防ぐことができる。
【0018】
図1に示すように、本発明のICカード1は、例えば、エンボス加工領域9のエンボス加工によるエンボス行3(例えば数字「00/00 0」)とエンボス行4(例えば文字「ABCDEF GHIJKLMN」)を備え、前記エンボス加工領域9内を通過する前記アンテナパターン5を構成する細幅アンテナパターン5Aの少なくとも一部が、その互いの隣接するエンボス行3、4の行間(又は中心部)領域を含む領域を通るように太幅アンテナパターン5Bとして敷設されている。
【0019】
図3は、本発明のICカード1における前記エンボス行3、4と、その行間(又は中心部、Oはエンボス行間の中心線)を通る太幅アンテナパターン5Bを拡大したものである。
【0020】
細幅アンテナパターン5Aの幅aは、一例として1.0mm程度であるのに対し、この補強された太幅アンテナパターン5Bの縦方向の幅dは、エンボス行3とエンボス行4の行間の間隔Lより広くなっている。
【0021】
このため、例えば、コイル状アンテナパターンなどアンテナパターン5の配置工程や、エンボス加工工程等のカード製造加工工程において加工ずれが発生し、アンテナパータン5とエンボス行3、4との相対位置が、図3に示すような位置から図4に示すような位置に変動してずれが発生した場合でも、エンボス加工にてオーバーラップするアンテナパターン5の一部に形成した太幅アンテナパターン5Bは、エンボス加工による断線や折損のドラブルを回避でき、完全に切断されることがない。
【0022】
このように本発明の実施の形態によって、コイルアンテナパターン配置工程やエンボス加工工程において、双方のずれ量(例えば最大のずれ量)が、図4に示すようになった場合においても、太幅アンテナパターン5Bの一部領域は残り、エンボス加工による影響を回避できるので、アンテナパターンが完全に切断されることはなく、エンボス加工された際でも、常に安定した非接触通信機能を保持したICカードとなる。
【0023】
図5は、エンボス加工領域9の中に、エンボス行11、12、13、14の4行のエンボスがなされた透視平面図であり、本発明によれば、例えばエンボス行11、12、13、14にエンボス加工ずれが生じた場合においても、太幅アンテナパターン5B、5Cの一部領域は残るので、完全に切断されることはない。
【0024】
上記のように、本発明の非接触通信機能を備えるICカードおいては、隣り合うエンボス行の中心を含む領域に敷設されるアンテナパターンは一本に限らず、本数が複数に渡る場合においても適用が可能である。
【0025】
本発明の実施の形態においては、エンボス行の数及びエンボス行の有無は限定されることはなく、例えば、図6のように、エンボス加工領域9の中にエンボス行11、12、13、14の4行のエンボス加工領域を想定しながら、エンボス行12、13、14の3行のエンボスがなされた場合においても、本発明における非接触通信機能を備えるICカードの適用が可能である。
【0026】
また本発明の実施の形態においては、非接触機能を備えるICカードのカード基材内に4回巻のコイルアンテナパターン5を備える例を示したが、コイルパターン5の巻き回数が変わる場合においても、本発明における非接触通信機能を備えるICカードの適用が可能である。
【0027】
また本発明の実施の形態においては、非接触機能を備えるICカードのカード基材内に、ICチップを一つ備える例を示したが、ICチップを複数備える場合においても、本発明における非接触通信機能を備えるICカードの適用が可能である。
【0028】
また本発明の実施の形態においては、アンテナパターン5を備えた非接触通信機能を備えるICカードの例を示したが、同時に、アンテナパターン5と外部接続端子(図示せず)とを備えた、非接触通信機能と接触による接触通信機能との両方の情報伝達機能を備えるICカードにおいても、本発明における非接触通信機能を備えるICカードの適用が可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明における非接触通信機能を備えるICカードによれば、隣り合うエンボス行とエンボス行の行間の中心を含む領域に、アンテナパターンが少なくとも一本は敷設されるので、エンボス加工によっても断線を防ぐことができる。また、そのアンテナパターンの幅は、エンボス行とエンボス行の行間の幅よりも少なくとも広くなされたものであり、この構成によって、アンテナパターンがアンテナ配置と、エンボス加工に誤差が生じ、断線する可能性がある場合においても、断線を防ぐことができる。
【0030】
さらに本発明によれば、エンボス加工領域内において、ISO7811に基づいたどのようなエンボス加工がなされる場合においても対応可能な非接触通信機能を備えるICカードを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非接触通信機能を備えるICカードの実施の形態を説明する透視平面図。
【図2】(a)は本発明の非接触通信機能を備えるICカード表面の磁気ストライプ領域とエンボス加工領域を示した平面図、(b)はそのエンボス加工を断面的に示した側断面図。
【図3】本発明の非接触通信機能を備えるICカードのエンボス行とその行間を通るアンテナパターンの部分拡大平面図。
【図4】本発明の非接触通信機能を備えるICカードのエンボス行とその行間を通るアンテナパターンの部分拡大平面図。
【図5】本発明の非接触通信機能を備えるICカードの他の実施の形態を説明する透視平面図。
【図6】本発明の非接触通信機能を備えるICカードのその他の実施の形態を説明する透視平面図。
【符号の説明】
1…非接触通信機能を備えたICカード 2、3、4…エンボス行
5…アンテナパターン 5A…細幅アンテナパターン
5B…太幅アンテナパータン 6…ICチップ 7…磁気ストライプ
8、9…エンボス加工領域 10…エンボス加工文字
11、12、13、14…エンボス行
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンボス加工文字が形成できる非接触通信機能を備えたICカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、銀行カード、キャッシュカード、IDカード等、重要かつ大量なデータを記憶、処理する目的でICチップを用いたICカードが普及しており、近年では、ICカードの外部端子と外部端末を接続して使用する接触式のICカードだけでなく、アンテナを内蔵し、電波や静電結合により非接触で外部機器との間でデータ交換を行う非接触通信機能を備えたICカードの使用が増加し、カードの出し入れの不要、外部端末のメンテナンスの軽減等の理由から、需要が高まっている。
【0003】
非接触通信機能を備えたICカードは、空間に高周波電磁界や超音波、光等の振動エネルギーの場を設けて、そのエネルギーを吸収、整流してカードに内蔵された電子回路を駆動する直流電力源とし、この場の交流成分の周波数をそのまま用いるか、或いは逓倍や分周して識別信号とし、この識別信号を、アンテナ又はコイルやコンデンサ等の結合器を介して、データを半導体素子の情報処理回路に伝送するものである。
【0004】
さて、一般的に、非接触通信機能を備えたICカードは以下のように製作される。導電性ペースト印刷、巻線溶着加工、銅箔エッチング加工などによって製作された非接触伝達用の金属箔のアンテナ又はコイルを持つフィルム状に形成されたアンテナ基板にICモジュールが実装され、オーバーシートと基材によって挟み込まれ、ラミネートされてカードが製作される。
【0005】
このとき、アンテナ又はコイルとICモジュールとの接続のための2つのアンテナ接続端子は、アンテナ基板上に露出している。ICモジュールには、ICが実装され、アンテナとの接続のための端子が設けられている。アンテナ基板の2つのアンテナ接続端子には、導電性接着フィルムが貼付される。ICモジュールの接続端子と端子に導電性接着フィルムが貼付されたアンテナ基板とが、双方の接続端子を重なり合うように整合され、ICモジュールがアンテナ基板に据え付けられた後、熱と圧力を加えてICモジュールの端子とアンテナ端子とが結合されて実装を終了する。
【0006】
その他、最近ではICモジュールを形成することなく、アンテナを形成したフィルムや、基板上にICチップを直接導電性接着フィルムを用いて実装する方法が多く採用されている。
【0007】
各種カードには、印刷などの表示の他にエンボス表示が設けられている。例えば、図2(a)の平面図に示すように、カード1の表面にはカード固有の表示情報、例えばカード所有者の氏名、カード番号、会員番号、カード有効期限などカードの凹凸により表示する、いわゆるエンボス加工による浮き出し文字(エンボス文字)が形成されている。この表示情報は固有の情報であり、可視情報として利用されている。
【0008】
エンボス加工は、カード1の片側の面、通常は裏面側より文字パターンがそれぞれ形成された打刻用キー(アルファベット文字、数字、かな文字、カタカナ文字など)によって所望の文字情報が打刻され、図2(b)に示す概略断面図のように、カード1表面側にカード材が凸状に浮き出し、所望の文字情報がエンボス文字10として形成される。一方、裏面側は文字パターンが凹状に形成される。
【0009】
前記非接触通信機能を備えたICカードは、情報通信用のアンテナパターンがカード基材内に設けられている。微細なアンテナパターンがある場所にカード表面からエンボス加工を行うと、アンテナパターンが断線される可能性があり、情報の通信が不能になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ICカード本体のエンボス加工のずれや、アンテナ配置のずれ等の要素が絡んだ場合にも、ICカードに設けられたアンテナパターンの断線を防止し、カードリーダによっても、また従来通りのエンボス情報読み取り端末によっても、カード情報を確実に読み取ることができる非接触通信機能を備えたICカードを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は係る課題を解決するものであり、請求項1に係る発明は、カード基材と、前記カード基材に凹凸形状の文字又は記号を表示するエンボス加工領域と、ICチップと、ICチップに接続されたアンテナパターンとを備えた非接触通信機能を備えたICカードであって、前記エンボス加工領域内を通過する前記アンテナパターンの少なくとも一つが、互いに隣り合うエンボス行間領域を含む領域内に敷設されていることを特徴とするエンボス可能な非接触通信機能を備えたICカードである。
【0012】
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係るエンボス可能な非接触通信機能を備えたICカードにおいて、前記エンボス加工領域内を通過する前記アンテナパターンの幅dは、エンボス行間の間隔幅Lよりも少なくとも広いことを特徴とするエンボス可能な非接触通信機能を備えたICカードである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳しく説明する。
図1は本発明によるエンボス可能な非接触通信機能を備えたICカード1の構成の一例を透視化した概念的な平面図である。
【0014】
図1に示すようにICカード1本体のカード基材の積層内部には、ICチップ6とアンテナパターン5と、カード1の表面には磁気ストライプ7を備え、また図2(a)の平面図に示すように、ICカード1本体にはエンボス加工領域を備え、例えばエンボス加工領域8とエンボス加工領域9を備え、図2(b)の部分側断面図に示すように、ICカード1本体表面側に、カード基材が凸状に浮き出し、所望の文字情報がエンボス文字10として形成され、他方、裏面側は文字パターンが凹状に形成されている。
【0015】
図1に示すアンテナパターン5は、銅線や金属箔やをエッチングしたもの、導電ペーストを印刷したもの等が用いられる。この一例ではアンテナパターン5は細幅アンテナパターン5Aを3回〜4回巻きしたものであるが、コイルの巻数は1〜数回巻が一般的であり、リーダライタとの通信周波数において共振するように調整することで効率良く電力が得られ、ICチップ6に電力を供給することができる。
【0016】
エンボスされたICカードには、ISO7811規格によってエンボス加工のための2つの領域が設けられている。エンボス加工領域8は、カード所有者の会員番号などの認識番号のために割り当てられ、エンボス加工領域9は、氏名やその他の必要データが保有者の識別エンボスデータのため割り当てられる。両エンボス加工領域共に、図2(b)に示すように、カード1本体が凹凸形成され、情報がエンボス文字として形成される。
【0017】
その場合、カード基材の層内に張り巡らされているアンテナパターン5は、前記エンボス加工によって断線する可能性があり、その部分の幅を補強することで断線を防ぐことができる。
【0018】
図1に示すように、本発明のICカード1は、例えば、エンボス加工領域9のエンボス加工によるエンボス行3(例えば数字「00/00 0」)とエンボス行4(例えば文字「ABCDEF GHIJKLMN」)を備え、前記エンボス加工領域9内を通過する前記アンテナパターン5を構成する細幅アンテナパターン5Aの少なくとも一部が、その互いの隣接するエンボス行3、4の行間(又は中心部)領域を含む領域を通るように太幅アンテナパターン5Bとして敷設されている。
【0019】
図3は、本発明のICカード1における前記エンボス行3、4と、その行間(又は中心部、Oはエンボス行間の中心線)を通る太幅アンテナパターン5Bを拡大したものである。
【0020】
細幅アンテナパターン5Aの幅aは、一例として1.0mm程度であるのに対し、この補強された太幅アンテナパターン5Bの縦方向の幅dは、エンボス行3とエンボス行4の行間の間隔Lより広くなっている。
【0021】
このため、例えば、コイル状アンテナパターンなどアンテナパターン5の配置工程や、エンボス加工工程等のカード製造加工工程において加工ずれが発生し、アンテナパータン5とエンボス行3、4との相対位置が、図3に示すような位置から図4に示すような位置に変動してずれが発生した場合でも、エンボス加工にてオーバーラップするアンテナパターン5の一部に形成した太幅アンテナパターン5Bは、エンボス加工による断線や折損のドラブルを回避でき、完全に切断されることがない。
【0022】
このように本発明の実施の形態によって、コイルアンテナパターン配置工程やエンボス加工工程において、双方のずれ量(例えば最大のずれ量)が、図4に示すようになった場合においても、太幅アンテナパターン5Bの一部領域は残り、エンボス加工による影響を回避できるので、アンテナパターンが完全に切断されることはなく、エンボス加工された際でも、常に安定した非接触通信機能を保持したICカードとなる。
【0023】
図5は、エンボス加工領域9の中に、エンボス行11、12、13、14の4行のエンボスがなされた透視平面図であり、本発明によれば、例えばエンボス行11、12、13、14にエンボス加工ずれが生じた場合においても、太幅アンテナパターン5B、5Cの一部領域は残るので、完全に切断されることはない。
【0024】
上記のように、本発明の非接触通信機能を備えるICカードおいては、隣り合うエンボス行の中心を含む領域に敷設されるアンテナパターンは一本に限らず、本数が複数に渡る場合においても適用が可能である。
【0025】
本発明の実施の形態においては、エンボス行の数及びエンボス行の有無は限定されることはなく、例えば、図6のように、エンボス加工領域9の中にエンボス行11、12、13、14の4行のエンボス加工領域を想定しながら、エンボス行12、13、14の3行のエンボスがなされた場合においても、本発明における非接触通信機能を備えるICカードの適用が可能である。
【0026】
また本発明の実施の形態においては、非接触機能を備えるICカードのカード基材内に4回巻のコイルアンテナパターン5を備える例を示したが、コイルパターン5の巻き回数が変わる場合においても、本発明における非接触通信機能を備えるICカードの適用が可能である。
【0027】
また本発明の実施の形態においては、非接触機能を備えるICカードのカード基材内に、ICチップを一つ備える例を示したが、ICチップを複数備える場合においても、本発明における非接触通信機能を備えるICカードの適用が可能である。
【0028】
また本発明の実施の形態においては、アンテナパターン5を備えた非接触通信機能を備えるICカードの例を示したが、同時に、アンテナパターン5と外部接続端子(図示せず)とを備えた、非接触通信機能と接触による接触通信機能との両方の情報伝達機能を備えるICカードにおいても、本発明における非接触通信機能を備えるICカードの適用が可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明における非接触通信機能を備えるICカードによれば、隣り合うエンボス行とエンボス行の行間の中心を含む領域に、アンテナパターンが少なくとも一本は敷設されるので、エンボス加工によっても断線を防ぐことができる。また、そのアンテナパターンの幅は、エンボス行とエンボス行の行間の幅よりも少なくとも広くなされたものであり、この構成によって、アンテナパターンがアンテナ配置と、エンボス加工に誤差が生じ、断線する可能性がある場合においても、断線を防ぐことができる。
【0030】
さらに本発明によれば、エンボス加工領域内において、ISO7811に基づいたどのようなエンボス加工がなされる場合においても対応可能な非接触通信機能を備えるICカードを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非接触通信機能を備えるICカードの実施の形態を説明する透視平面図。
【図2】(a)は本発明の非接触通信機能を備えるICカード表面の磁気ストライプ領域とエンボス加工領域を示した平面図、(b)はそのエンボス加工を断面的に示した側断面図。
【図3】本発明の非接触通信機能を備えるICカードのエンボス行とその行間を通るアンテナパターンの部分拡大平面図。
【図4】本発明の非接触通信機能を備えるICカードのエンボス行とその行間を通るアンテナパターンの部分拡大平面図。
【図5】本発明の非接触通信機能を備えるICカードの他の実施の形態を説明する透視平面図。
【図6】本発明の非接触通信機能を備えるICカードのその他の実施の形態を説明する透視平面図。
【符号の説明】
1…非接触通信機能を備えたICカード 2、3、4…エンボス行
5…アンテナパターン 5A…細幅アンテナパターン
5B…太幅アンテナパータン 6…ICチップ 7…磁気ストライプ
8、9…エンボス加工領域 10…エンボス加工文字
11、12、13、14…エンボス行
Claims (2)
- カード基材と、前記カード基材に凹凸形状の文字又は記号を表示するエンボス加工領域と、ICチップと、ICチップに接続されたアンテナパターンとを備えた非接触通信機能を備えたICカードであって、前記エンボス加工領域内を通過する前記アンテナパターンの少なくとも一部が、互いに隣り合うエンボス行間領域を含む領域内に敷設されていることを特徴とするエンボス可能な非接触通信機能を備えたICカード。
- 前記エンボス加工領域内を通過する前記アンテナパターンの幅dは、エンボス行間の間隔幅Lよりも少なくとも広いことを特徴とする請求項1記載のエンボス可能な非接触通信機能を備えたICカード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002376740A JP2004206559A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | エンボス可能な非接触通信機能を備えたicカード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002376740A JP2004206559A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | エンボス可能な非接触通信機能を備えたicカード |
Publications (1)
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JP2004206559A true JP2004206559A (ja) | 2004-07-22 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002376740A Pending JP2004206559A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | エンボス可能な非接触通信機能を備えたicカード |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011118821A (ja) * | 2009-12-07 | 2011-06-16 | Kyodo Printing Co Ltd | Icカード |
CN102470955A (zh) * | 2009-09-30 | 2012-05-23 | 大日本印刷株式会社 | 片材和容器 |
-
2002
- 2002-12-26 JP JP2002376740A patent/JP2004206559A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102470955A (zh) * | 2009-09-30 | 2012-05-23 | 大日本印刷株式会社 | 片材和容器 |
JP2011118821A (ja) * | 2009-12-07 | 2011-06-16 | Kyodo Printing Co Ltd | Icカード |
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