JP2004206515A - 制御装置 - Google Patents

制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004206515A
JP2004206515A JP2002376104A JP2002376104A JP2004206515A JP 2004206515 A JP2004206515 A JP 2004206515A JP 2002376104 A JP2002376104 A JP 2002376104A JP 2002376104 A JP2002376104 A JP 2002376104A JP 2004206515 A JP2004206515 A JP 2004206515A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
amount
operation amount
value
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002376104A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Kihara
健 木原
Noriaki Koyama
典昭 小山
Yoshiro Sugihara
義朗 杉原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RKC Instrument Inc
Original Assignee
RKC Instrument Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RKC Instrument Inc filed Critical RKC Instrument Inc
Priority to JP2002376104A priority Critical patent/JP2004206515A/ja
Publication of JP2004206515A publication Critical patent/JP2004206515A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

【課題】制御対象に構造的な変化が生じて制御量が急変しても、オーバーシュートを発生させ難く、制御量が安定する時間を早める。
【解決手段】第1、第2の操作量演算部17、19は、制御対象15の構造変化に対応する制御モデル、制御量PVおよび操作量SVに基づきその制御対象15の状態推定量を出力し、それら制御量PVと目標値SVとの偏差積分量に状態推定量を加算し、所定の初期値を考慮して操作量MV1、2を出力する。スイッチSW1、SW2は、制御対象15の構造変化を示す構造変化信号に対応して第1、第2の操作量演算部17、19を選択するよう切り換える。初期値制御部21は、切換え前に選択されていた第1又は第2の操作量演算部17、19から入力した状態推定量などの初期値を、切換によって選択された第2又は第1の操作量演算部19、17に出力する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は制御対象をフィードバック制御する制御装置に係り、特に、制御対象の構造変化に伴う外乱が発生する制御系(制御対象を含む制御システム)において、その制御対象に係る状態推定機能および状態フィードバック機能を有する制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、制御対象をフィードバック制御する場合、操作量MVを加えた制御対象からの制御量PVを測定し、この制御量PVと所定の目標値SVとの偏差が小さくなるようにその操作量MVを演算出力して行うが、制御対象には種々の外乱が加わり易く、これによって制御量PVが変化してしまう。
【0003】
そして、制御理論上、制御対象に対する外乱を考察する場合、図5に示すように、加算器1において操作量MVに対し外乱としてのステップ状又はインパルス状信号aを加算して制御対象3に加え、この制御対象3から出力される制御量PVの変化を測定して行うのが一般的である。
【0004】
ところが、実際には、制御対象3から出力される制御量PVは、そのような外乱信号a以外に、制御対象3自体の構造変化によって変化することが頻繁にある。
【0005】
例えば、図6に示すように、センサ5が配置されヒータ7で加熱制御された熱板9上に、比較的低温の被加熱物(例えば半導体ウェーハ)11を載置して加熱加工した後これを取り除き、これを一定周期で繰り返す場合が考えられる。
【0006】
実際には、被加熱物11が熱板9に接触した時点で、制御対象3はヒータ(熱板)7と被加熱物11を組合せたものであり、接触時の温度変化はヒータ7と被加熱物11の2つの熱容量に蓄積された熱量が接触により移動することによって発生する。このような外乱を本明細書では「構造変化型外乱」と称する。
【0007】
そのような加熱加工工程では、熱板9の温度と被加熱物11の初期温度との間に差があると、それらの熱容量間の熱移動によって熱板9と被加熱物11の間に大きな温度変化が発生するが、制御対象3はあくまでもヒータ9であり、従来の考え方では、制御対象3としてのヒータ9に被加熱物11という外乱が加わったものと考えて制御していた。
【0008】
なお、構造が変化する制御対象に対する制御装置に関して特許文献をあげれば、特許文献1(特開平7−319546号)がある。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−319546号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の制御では、制御対象3がヒータ7と被加熱物11の複合体でありながら、ヒータ7に対してのフィードバック制御しか行っておらず、ヒータ7に対してのみ最適化されているだけで、被加熱物11自体が制御対象3に含まれていないため、被加熱物11の温度が考慮されていなかった。
【0011】
そのため、熱板9上にこれと温度差のある被加熱物11が載置されると、熱容量間の熱移動による熱板9の温度変化に伴い、大きな外乱が加わった状態となって制御量PVの急激な変化が発生し、速い制御量PVの変化に追随させるために必要以上に操作量MVを出力してしまう、所謂オーバーシュートを生じさせ易い課題があった。
【0012】
しかも、連続的又は定期的にこのような構造変化型外乱が生じると、周囲の雰囲気によるピークレベルのシフトの問題や、接触した被加熱物11の初期温度に応じてピークレベルにばらつきが生じる問題もあり、制御量PVが安定するまでの時間が長くなったり不揃いになる課題もあった。
【0013】
このような課題は、加熱制御した熱板9に被加熱物11を載置して加熱加工する場合に限らず、図示はしないが、射出成形機のノズルに金型を当接させる構成など、制御の過程で制御対象の構造が変化する一般的な構成でも、同様に発生し易い。
【0014】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、制御対象に構造的な変化が生じて制御量が急激に変化しても、オーバーシュートを発生させ難く、制御量が安定までの時間を早くかつ一定にすることが容易な制御装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そのような課題を解決するために本発明は、制御対象に対応した制御モデルと、その制御対象からの制御量および制御対象への操作量とに基づきその制御対象の状態を推定して状態推定量を出力し、それら制御量と目標値との偏差の積分量にその状態推定量のフィードバック量を加算し、その制御量を目標値に近づける操作量を制御対象側へ出力する複数の操作量演算部であって、その制御対象の構造変化に対応した制御モデルおよび所定の初期値から、その構造変化に対応した操作量を出力する複数の操作量演算部と、それら制御対象の構造変化を示す構造変化信号に基づき、この構造変化信号に対応した操作量演算部を選択するよう切り換えてその操作量を制御対象側へ出力するスイッチと、その操作量演算部が切換えられたとき、切換え前に選択されていた操作量演算部からそれまでの状態推定量、積分量および操作量を上記初期値として入力し、この切換によって選択された前記操作量演算部にそれら入力初期値を出力する初期値制御部とを具備している。
【0016】
そして、本発明において、上記初期値制御部には、その切換えの前後における状態推定量の数を検出し、この検出結果に基づき、切換え選択された上記操作量演算部に対応させた初期値を演算出力する機能を備えることが可能である。
【0017】
また、本発明において、上記操作量演算部には、その操作量が所定の出力リミット値に達したとき、当該操作量を前記出力リミット値に一致させるよう上記積分演算における積分量の演算を変更する機能を設けることも可能である。
【0018】
さらに、本発明において、上記操作量演算部には、その切換え前に選択されていた操作量演算部からの操作量に基づき、その切換え時に当該操作量の変動を抑える積分変更量を算出して上記積分量の演算を変更させる機能を設けることも可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る制御装置の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る制御装置の実施の形態を示すブロック図である。
図1において、構造変化検出部13は、制御対象15の構造変化に対応した構造変化信号を外部から入力してそのまま出力するか、又は制御対象15からの制御量PVを入力し、その変化、例えば制御量PV値が一定値以上に変化したとか、制御量PV値の傾きが一定値以上になったことを自動的に検出して構造変化信号として出力するもので、スイッチSW1、SW2、第1の操作量演算部17、第2の操作量演算部19および初期値制御部21に接続されている。
【0021】
外部から入力する構造変化信号は、手動による入力のほか、図示しない別の制御装置からのオンラインによる電子的な入力であっても良いが、制御対象15の構造変化の状態に対応しこれを特定する変化信号であることが好ましい。
【0022】
例えば、構造変化信号は、2ビットのデジタル表現による「00」、「01」、「10」、「11」で4種類の識別が可能であるし、5種類以上の場合はビット数を増加することにより可能となる。
【0023】
また、複数の構造を選択するには、手動や、図示しない外部のシーケンス制御による上記構造変化信号を構造変化検出部13に入力する構成の他に、構造変化に対応させた構造変化信号を自動的に得て行う構成もある。
【0024】
すなわち、上述した図6において、被加熱物11にチャンバ(図示せず)を載せる場合を想定すると、構造物の重量を自動的に検出して構造変化信号として出力することもできる。
【0025】
また、図6において、熱板9のみの構成を構造1とし、これに被加熱物11として半導体ウェーハを加えた構成を構造2とし、更に、この構造2にチャンバを加えた構成を構造3とし、各構造1〜3の重量を自動的に検出して対応する構造変化信号を出力する構成も可能である。
【0026】
制御対象15の構造変化が2種類の場合は、単なるオンオフ信号でも良く、図1および以下の説明は、制御対象15の構造変化が2種類、例えば上述した図6に示すように、熱板9に被加熱物11を載置させた状態(後述する第1の構造)と載置させない状態(後述する第2の構造)を例にしている。
【0027】
この場合、構造変化信号は、例えば第1の構造の選択に対応してオン信号、第2の構造の選択に対応してオフ信号とする。
【0028】
スイッチSW1の切換端子P1には、制御対象15の構造変化に対応した目標値SVが加えられており、スイッチSW1の選択端子P2は第1の操作量演算部17に接続され、選択端子P3は第2の操作量演算部19に接続されている。
【0029】
スイッチSW1は、構造変化検出部13からの構造変化信号(オンオフ信号)によって目標値SVを第1又は第2の操作量演算部17、19へ選択的に出力する機能を有している。
【0030】
第1の操作量演算部17は、制御対象15の第1の構造に対応した制御モデル、制御量PV、目標値SVに基づき第1の構造に係る状態を推定して状態推定量を演算し、第1の構造に対応した制御量PVと目標値SVの偏差の積分量に、その状態推定量のフィードバック量を加算し、制御量PVを目標値SVに近づける操作量MV1を制御対象15側へ出力するもので、スイッチSW2の選択端子P2に接続されている。
【0031】
なお、フィードバック量は、後述するように、制御モデルと極配置に基づき演算されたフィードバックゲインと状態推定量が積算されたものである。
【0032】
第1の操作量演算部17は、初期値制御部21にも接続されており、後述するように初期値制御部21を介して入力した第2の操作量演算部19からの初期値を用いてその操作量MV1を出力し、構造変化信号(オフ信号)を受けると、それまで推定していた状態推定値、演算してきた積分値およびその時点の操作量MV1を初期値として、初期値制御部21に出力する機能を有している。
【0033】
第2の操作量演算部19は、制御対象15の第2の構造に対応した制御モデル、制御量PV、目標値SVに基づき第2の構造に係る状態を推定して状態推定量を演算し、第2の構造に対応した制御量PVと目標値SVの偏差の積分量に、その状態推定量のフィードバック量を加算し、制御量PVを目標値SVに近づける操作量MV2を制御対象15側へ出力するもので、スイッチSW2の選択端子P3に接続されている。
【0034】
第2の操作量演算部19は、初期値制御部21にも接続されており、初期値制御部21を介して入力した第1の操作量演算部17からの初期値を用いてその操作量MV2を出力し、構造変化信号(オン信号)を受けると、それまで推定していた状態推定値、演算してきた積分値およびその時点の操作量MV2を初期値として、初期値制御部21に出力する機能を有している。
【0035】
なお、それら第1および第2の操作量演算部17、19の詳細は後述する。
【0036】
初期値制御部21は、構造変化信号(オフ信号)に基づき制御対象15が第1の構造から第2の構造へ変化するとき、それまで第1の操作量演算部17で演算を行っていた状態推定値、積分値および操作量MV1を初期値として入力し、その後に制御出力演算を行う第2の操作量演算部19にそれら初期値を出力する一方、構造変化信号(オン信号)に基づき第2の構造から第1の構造へ変化するとき、第2の操作量演算部19で演算を行っていた状態推定値、積分値および操作量MV2を新たな初期値として入力し、その後に制御出力演算を行う第1の操作量演算部17に対してそれら初期値を出力する機能を有している。
【0037】
また、初期値制御部21は、制御対象15の構造変化の前後における状態推定量の数を制御モデルから検出し、変化後の第1又は第2の操作量演算部17、19に対応する初期値をこの検出結果に基づき演算する機能を有し、制御対象15のモデル次数が変化するに伴って、不足又は余剰の状態量が発生しても、それらを補って次数を一致させる処理機能を有している。
【0038】
スイッチSW2は、構造変化信号(オンオフ信号)によって第1又は第2の操作量演算部17、19からの操作量MV1、MV2を、共通端子P1を介して制御対象15側に選択的に出力する機能を有している。すなわち、スイッチSW1、SW2は、第1、第2の操作量演算部17、19の選択手段として機能している。
【0039】
制御対象15は、例えば図6に示したように、センサ5が配置されヒータ7によって一定温度に制御された熱板9と、半導体ウェーハなどの被加熱物11とを含んでなるものである。
【0040】
図2は、上述した第1の操作量演算部17を具体的構成を示すブロック図であり、第2の操作量演算部19も基本的には同様である。
【0041】
図2において、制御モデル設定部23は、制御対象15に関する第1の構造について、予め同定され制御モデルを設定する部分であり、コントローラゲイン演算部25および状態推定部27に接続され、これらに制御モデルを出力するものである。
【0042】
制御モデルは、例えば熱板9や被加熱物11の温度など、物理的な意味をもつ状態量で設計された状態空間モデルであり、一般に状態方程式「x=Ax+bu」や出力方程式「y=cx」の形式で表されて別途設計されたものであり、制御モデル設定部23はその電子的な入力部である。
【0043】
コントローラゲイン演算部25は、制御モデル設定部23からの制御モデルと、後述する極配置設定部29からの極配置情報を受け、制御モデルについてのコントローラゲインを演算する機能を有し、状態推定部27および出力演算部31に接続されている。
【0044】
コントローラゲインは、フィードバックゲイン、オブザーバゲインなどの制御や状態推定に関するパラメータであり、状態推定部27および出力演算部31に出力される。
【0045】
極配置設定部29は、コントローラゲインを演算する際の指標となる制御系の極に関する極配置情報を設定する部分であり、この極配置情報をコントローラゲイン演算部25に出力する機能を有する。
【0046】
状態推定部27は、制御対象15からの制御量PV、後述する出力リミッタ33からの操作量MV1、コントローラゲイン演算部25からのコントローラゲイン、制御モデル設定部23からの制御モデルから、制御対象15の第1の構造に対応する制御モデルについての状態の推定を行って状態推定値を出力するもので、出力演算部31、後述する積分変更部35および上述した初期値制御部21に接続されている。
【0047】
状態推定部27は、構造変化信号(オフ信号)をうけたとき、状態推定値を初期値制御部21に出力する機能を有し、構造変化信号(オン信号)を受けたとき、第2の操作量演算部19からの状態推定値を初期値制御部21から入力する機能を有している。
【0048】
従って、状態推定部27は、構造変化後、初期値制御部21からの初期値(状態推定量)に基づき状態推定を行う機能を有している。
【0049】
減算器37は、制御対象15の構造変化に対応した目標値SVから制御量PVを減算して偏差を得るもので、積分器39に接続されている。
【0050】
積分器39は、減算器37からの偏差および積分変更部35からの値を入力して積分するもので、出力演算部31および初期値制御部21に接続されており、積分値を出力演算部31に出力する機能を有している。
【0051】
積分器39は、構造変化信号(オフ信号)の入力に対応して、それまで積分した積分値を初期値制御部21に出力し、構造変化信号(オン信号)の入力に対応して、第2の操作量演算部19からの積分値を初期値制御部21から入力する機能を有している。
【0052】
積分器39は、構造変化直後、初期値制御部21からの初期値(積分値)に基づき積分演算する一方、後述する積分変更量に基づき積分演算する機能を有する。
【0053】
出力演算部31は、状態推定値、積分値およびフィードバックゲインを用いて操作量MV1を演算するもので、出力リミッタ33に接続されている。
【0054】
出力リミッタ33は、操作量MV1が所定のリミット値を越えたとき、出力量をリミット値以下に抑える出力リミット処理をして操作量MV1を出力するものであり、状態推定部27、状態推定値設定部21およびスイッチSW2の選択端子P2に接続されている。
【0055】
出力リミッタ33は、操作量MV1が所定のリミット値を越えたとき、例えばリミット値を超えた超過値を積分変更部35へ出力する機能も有している。
【0056】
積分変更部35は、その超過値に基づき、積分器39の出力を調整するように積分変更量を演算して積分器39に出力するリセットワインドアップ防止機能を有している。
【0057】
また、積分変更部35は、制御対象15の構造が変化した際に操作量MV1の急な変動が起こらないよう、出力演算部31からのコントローラゲイン、状態推定部27からの状態推定値、初期値制御部21からの初期値(状態推定量)および操作量MV2を受け、出力演算部31からの操作量MV1が切換え前の操作量MV2と一致するよう、積分変更量を積分器39に出力する機能も有している。
【0058】
すなわち、積分変更部35は、切換え前に選択されていた第1又は第2の操作量演算部17、19からの操作量MV1、MV2に基づき、その切換え時に当該操作量MV1とMV2が一致するような積分変更量を算出して積分器39へ出力するバンプレス演算機能も有している。
【0059】
第2の操作量演算部19は、便宜上図2を用いて説明すれば、制御モデル設定部23では、制御対象15に関する第2の構造について同定された制御モデルを設定し、コントローラゲイン演算部25ではその制御モデルのコントローラゲインを演算し、状態推定部27では、その制御モデルについての状態の推定を行い、減算器37、積分器39、出力演算部31および出力リミッタ33から操作量MV2を出力する機能を有し、第1の操作量演算部17とほぼ同様の構成となっている。
【0060】
次に、上述した本発明に係る制御装置の動作を簡単に説明する。
まず、図1に示す構造変化検出部13から、制御対象15の第1の構造を示す構造変化信号(オン信号)が出力された場合を説明する。
【0061】
この場合、スイッチSW1、SW2では共通端子P1が一方の選択端子P2を選択するから、目標値SVが第1の操作量演算部17に加えられ、第1の操作量演算部17では第1の構造に対応した操作量MV1を演算し、スイッチSW2の一方の選択端子P2から共通端子P1を介してその制御量MV1が制御対象15へ加えられ、制御対象15から出力される制御量PVがフィードバックされてフィードバック制御される。
【0062】
すなわち、第1の操作量演算部17では、図2に示すように、制御モデル設定部23で設定された制御対象15の第1の構造についての制御モデルがコントローラゲイン演算部25に加えられ、コントローラゲイン演算部25にて極配置情報に基づきコントローラゲインが演算され、状態推定部27および出力演算部31へ出力される。
【0063】
状態推定部27では、制御量PV、操作量MV1およびコントローラゲインから、制御対象15の第1の構造に対応する制御モデルについての状態推定値が推定され、それが出力演算部31へ出力される。
【0064】
減算器37では、第1の構造に係る目標値SVから制御量PVを減算して偏差を得て積分器39へ出力し、積分器39では、その偏差および積分変更部35からの積分変更量を入力して積分し、出力演算部31へ出力する。
【0065】
出力演算部31では、状態推定値、積分値およびフィードバックゲインを用いて操作量MV1を演算して、出力リミッタ33へ出力する。
【0066】
出力リミッタ33では、操作量MV1が所定のリミット値を越えたとき、出力リミット処理して操作量MV1を出力する一方、操作量MV1が所定のリミット値を越えたとき、リミット値を超えた超過値を積分変更部35へ出力する。
【0067】
積分変更部35では、その超過値に基づき積分変更量を演算し、これを積分器39へ出力する。
【0068】
積分器39では、積分変更部35からの積分変更量を受け、操作量MV1が所定のリミット値に一致するように積分値の変更を行う。
【0069】
次に、図1に示す構造変化検出部13から、制御対象15の第2の構造を示す構造変化信号(オフ信号)が出力された場合を説明する。
【0070】
この場合、第1の操作量演算部17では、それまで演算してきた状態推定値、積分値および操作量MV1を、状態推定部27、積分器39および出力リミッタ33から初期値制御部21へ出力するとともに、初期値制御部21は、それらを初期値として、第2の操作量演算部19の状態推定部27、積分変更部35へ出力する。
【0071】
このとき、積分変更部35では、操作量MV2がMV1と一致するように、積分変更量を演算してこれを積分器39へ出力する。
【0072】
他方、スイッチSW1、SW2では共通端子P1が他方の選択端子P3を選択するから、目標値SVが第2の操作量演算部19に加えられ、第2の操作量演算部19では第2の構造に対応した操作量MV2を演算し、スイッチSW2の他方の選択端子P3から共通端子P1を介して操作量MV2が制御対象15へ加えられ、制御対象15から出力される制御量PVがフィードバックされてフィードバック制御される。
【0073】
すなわち、第2の操作量演算部19では、図2に示すように、制御モデル設定部23で設定された制御対象15の第2の構造についての制御モデルがコントローラゲイン演算部25に加えられ、コントローラゲイン演算部25にて極配置情報に基づきコントローラゲインが演算されて状態推定部27および出力演算部31に出力される。
【0074】
状態推定部27では、初期値である初期値制御部21からの状態推定値、制御量PVおよび操作量MV2、コントローラゲイン演算部25からのコントローラゲインから、制御対象15の第2の構造に対応する制御モデルについての状態推定値を推定し、出力演算部31へ出力する。
【0075】
減算器37では、第2の構造に係る目標値SVから制御量PVを減算して偏差を得て積分器39へ出力し、積分器39では、その偏差、初期値制御部21からの積分値および積分変更部35からの積分変更量を入力して積分し、出力演算部31へ出力する。
【0076】
出力演算部31では、状態推定値、積分値およびフィードバックゲインを用いて操作量MV2を演算し、出力リミッタ33へ出力する。
【0077】
出力リミッタ33では、操作量MV2が所定のリミット値を越えたとき、操作量MV2を抑える出力リミット処理をして出力する。
【0078】
出力リミッタ33は、操作量MV2が所定のリミット値を越えたとき、リミット値を超えた超過値を積分変更部35へ出力する。
【0079】
積分変更部35では、それら超過値を受け、積分変更量を積分器39に出力する。
【0080】
積分器39では、その積分変更量に基づき、積分値の調整をして出力する。
【0081】
さらに、図1に示す構造変化検出部13から、制御対象15の第1の構造を示す構造変化信号(オン信号)が出力されたとき、第2の操作量演算部19では、それまで演算してきた状態推定値、積分値および操作量MV2を、状態推定部27、積分器39および出力リミッタ33から初期値制御部21へ出力する。
【0082】
初期値制御部21は、それらを初期値として第1の操作量演算部17の状態推定部27、積分変更部35へ出力し、第1の操作量演算部17が第2の操作量演算部19と同様に動作する。このとき積分変更部35では、操作量MV1がMV2と一致するように積分変更量を演算し、これを積分器39へ出力する。
【0083】
このような本発明に係る制御装置は、第1の操作量演算部17および第2の操作量演算部19は、各々制御対象15の第1および第2の構造に対応する制御モデルや極配置情報とコントローラゲインに基づく状態推定値を用い、これと目標値SVや操作量PVなどから操作量MV1、MV2を演算出力するから、構造変化する制御対象の数や要素に合わせた操作量演算部17、19を複数通り設計し、構造の変化に合わせて第1、第2の操作量演算部17、19を切り換えれば、制御対象について構造が変化しても、その変化した構造を構成する構成要素を考慮し、正確で速い制御が可能となる。
【0084】
しかも、第1、第2の操作量演算部17、19は、制御対象15に係る全ての要素に対して状態推定を行うことが可能で、それに対してフィードバック制御を行うことができるし、コントローラゲインの調整もそれぞれの制御対象15の構造によって指定できるため、自由度の高い制御が可能である。
【0085】
また、第1および第2の構造の間で変化があっても、それまで演算してきた状態推定値、積分値、操作量MV2などの初期値が初期値制御部21を介して第1および第2の操作量演算部17、19の間で引き継がれて操作量MV1、MV2の演算に利用できるので、第1および第2の構造の変化に伴う制御量の急変を無視できるようになり、オーバーシュートを発生させ難いうえ、制御量が安定するまでの時間を早くかつ一定化することが容易となる。
【0086】
そして、本発明は、過積分によるオーバーシュート(アンダーシュート)を防止するために出力が飽和した場合には、積分変更部35および積分器39によって積分値を調整する機能もあるから、この点からもオーバーシュート(アンダーシュート)を防止できる。
【0087】
図3は、本発明の制御装置による制御特性を示すものであり、オーバーシュート量が従来に比べ減少し、安定までの時間も早いことが分かる。
【0088】
他方、図4は従来の制御装置による制御特性を示すものであり、急激な制御量の変化によって、瞬時に出力の飽和が起こり、結果としてオーバーシュートを引き起こしていることが分かる。
【0089】
上述した第1、第2の操作量演算部17、19における状態推定部27は、各種オブザーバ演算機能、例えば同一次元オブザーバ、最小次元オブザーバ、カルマンフィルタなど、状態を推定できるよう形成されていれば良い。
【0090】
上述した実施の形態では、制御対象15の構造変化が2種類の場合について、構造変化信号を単なるオンオフ信号として説明したが、本発明では制御対象15が2種類以上に変化する構成でも実施可能である。
【0091】
その場合には、変化する構成に合わせた第1、第2、第3…の操作量演算部を設けて構成し、それに合わせて初期値制御部やスイッチを形成するとともに、それら第1、第2、第3…の操作量演算部を選択できるような構造変化信号とすることが必要である。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、制御対象に関する制御モデル、制御量および操作量に基づきその制御対象の状態推定量を出力し、それら制御量と目標値との偏差積分量にその状態推定量を加算して操作量を出力する複数の操作量演算部であって、その制御対象の構造変化に対応した制御モデルおよび所定の初期値から構造変化に対応した操作量を出力する複数の操作量演算部と、それら制御対象の構造変化を示す構造変化信号に対応した操作量演算部を選択するよう切り換えてその操作量を出力するスイッチと、その操作量演算部が切換えられたとき、切換え前に選択されていた操作量演算部からそれら状態推定量、積分量および操作量を上記初期値として入力し、この切換によって選択された操作量演算部にそれら入力初期値を出力する初期値制御部とを具備するから、制御対象に構造的な変化に基づき構造変化型外乱が生じても、オーバーシュートを発生させ難く、制御量が安定するまでの時間を早くかつ一定にすることが容易である。
そして、その切換えの前後における状態推定量の数を検出し、この検出結果に基づき、切換え選択された上記操作量演算部に対応させた初期値を演算出力する機能を上記初期値制御部に備える構成では、上述した効果に加え、状態推定量の数の大きき異なる制御対象間で構造切換えがあっても、同様にオーバーシュートを発生させ難く、制御量が安定するまでの時間を早くかつ一定にすることが容易である。
さらに、その操作量が所定の出力リミット値に達したとき、当該操作量を抑える積分変更量を算出して上記積分量の演算を変更する機能を上記操作量演算部に設ける構成では、上述した効果に加え、過積分を抑えて適切な積分値を速く得ることが可能である。
さらにまた、その切換え前に選択されていた操作量演算部からの操作量に基づき、その切換え時に当該操作量の変動を抑える積分変更量を算出して上記積分量の演算を変更させる機能を上記操作量演算部に設ける構成では、構造切換え時に、操作量の差が大きくても操作量の急変を抑えて安定した制御を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示す第1、第2の操作量演算部を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る制御装置の制御特性を示す図である。
【図4】従来の制御装置に係る制御特性を示す図である。
【図5】従来の制御装置を説明する参考となる図である。
【図6】従来の制御装置を説明する参考となる図である。
【符号の説明】
1 加算器
3、15 制御対象
5 センサ
7 ヒータ
9 熱板
11 被加熱物(半導体ウェーハ)
13 構造変化検出部
17 第1の操作量演算部(操作量演算部)
19 第2の操作量演算部(操作量演算部)
21 初期値制御部
23 制御モデル設定部
25 コントローラゲイン演算部
27 状態推定部
29 極配置設定部
31 出力演算部
33 出力リミッタ
35 積分変更部
37 減算器
39 積分器
P1 共通端子
P2、P3 選択端子
SW1、SW2 スイッチ

Claims (4)

  1. 制御対象に対応した制御モデルと、前記制御対象からの制御量および前記制御対象への操作量とに基づき前記制御対象の状態を推定して状態推定量を出力し、前記制御量と目標値との偏差の積分量に前記状態推定量のフィードバック量を加算し、前記制御量を目標値に近づける前記操作量を前記制御対象側へ出力する複数の操作量演算部であって、前記制御対象の構造変化に対応した前記制御モデルおよび所定の初期値から前記構造変化に対応した前記操作量を出力する複数の操作量演算部と、
    前記構造変化を示す構造変化信号に基づき、この構造変化信号に対応した前記操作量演算部を選択するよう切り換え、前記操作量を前記制御対象側へ出力するスイッチと、
    前記操作量演算部が切換えられたとき、切換え前に選択されていた前記操作量演算部からそれまでの状態推定量、積分量および操作量を前記初期値として入力し、切換によって選択された前記操作量演算部に前記初期値を出力する初期値制御部と、
    とを具備することを特徴とする制御装置。
  2. 前記初期値制御部は、前記切換えの前後における前記状態推定量の数を検出し、この検出結果に基づき、切換え選択された前記操作量演算部に対応させた前記初期値を演算する機能を有する請求項1記載の制御装置。
  3. 前記操作量演算部は、前記操作量が所定の出力リミット値に達したとき、当該操作量を前記出力リミット値に一致させるよう前記積分演算における積分量の演算を変更する機能を有する請求項1又は2記載の制御装置。
  4. 前記操作量演算部は、前記切換え前に選択されていた前記操作量演算部からの前記操作量に基づき、前記切換え時に当該操作量の変動を抑える積分変更量を算出して前記積分量の演算を変更させる機能を有する請求項1、2又は3記載の制御装置。
JP2002376104A 2002-12-26 2002-12-26 制御装置 Pending JP2004206515A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002376104A JP2004206515A (ja) 2002-12-26 2002-12-26 制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002376104A JP2004206515A (ja) 2002-12-26 2002-12-26 制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004206515A true JP2004206515A (ja) 2004-07-22

Family

ID=32813650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002376104A Pending JP2004206515A (ja) 2002-12-26 2002-12-26 制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004206515A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006099352A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Rkc Instrument Inc 温度推定装置およびこれを用いた制御装置
WO2010041338A1 (ja) * 2008-10-10 2010-04-15 三菱電機株式会社 調節装置
JP2010198517A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Daihatsu Motor Co Ltd 可変構造制御装置
WO2015060136A1 (ja) * 2013-10-22 2015-04-30 日立オートモティブシステムズ株式会社 負荷電流制御装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006099352A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Rkc Instrument Inc 温度推定装置およびこれを用いた制御装置
WO2010041338A1 (ja) * 2008-10-10 2010-04-15 三菱電機株式会社 調節装置
AU2008362695B2 (en) * 2008-10-10 2013-09-12 Mitsubishi Electric Corporation Adjuster
JP2010198517A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Daihatsu Motor Co Ltd 可変構造制御装置
WO2015060136A1 (ja) * 2013-10-22 2015-04-30 日立オートモティブシステムズ株式会社 負荷電流制御装置
JPWO2015060136A1 (ja) * 2013-10-22 2017-03-09 日立オートモティブシステムズ株式会社 負荷電流制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4639821B2 (ja) 目標値加工装置、温度調節器および制御プロセス実行システム
US6496749B1 (en) Semiconductor producing apparatus and temperature control method therefor
JP3555609B2 (ja) 制御装置、温度調節器および熱処理装置
EP1291741A1 (en) Controller, temperature regulator, and heat treatment apparatus
KR920004079B1 (ko) 프로세스 제어장치 및 방법
KR20130007965A (ko) 제어 장치 및 방법
KR100944660B1 (ko) 열매체 유체를 이용해서 대상물의 온도를 조절하기 위한장치 및 방법
CN107077104B (zh) 控制装置
US6911628B1 (en) Control system and control unit
JP2004206515A (ja) 制御装置
CN116880616B (zh) 热流道温度控制方法、温度控制器、电子设备及存储介质
JP2004086858A (ja) 制御装置、温度調節器および熱処理装置
KR20160119511A (ko) 퍼지 pid 제어기 생성 장치 및 그 생성 방법
RU2211470C2 (ru) Адаптивная цифровая комбинированная система управления нестационарными технологическими объектами
KR100248840B1 (ko) 제어시스템
JP3833479B2 (ja) 制御装置
JP6610676B2 (ja) 温度制御装置及び温度制御方法
JPH11305805A (ja) プロセス制御方法及びそれを用いる電子デバイス製造方法
JP3546424B2 (ja) 制御装置
JP2506900B2 (ja) 時間比例制御装置
JPS6382010A (ja) 自動利得制御装置
JP3890355B2 (ja) ボイラ制御装置
JP3473347B2 (ja) 制御装置
JP3412020B2 (ja) 流体の温度制御装置
JP3791289B2 (ja) 比例動作調節計

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041203

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070129

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070220

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20070406

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070925