JP2004206051A - ロッドレンズアレイ、その製造方法、イメージセンサおよびプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】高温環境下でも、高解像度用途に適した性能を発揮できるロッドレンズアレイ、及び、このようなロッドレンズアレイを備えたイメージセンサ、プリンタ等を提供すること。
【解決手段】本発明のロッドレンズアレイ10は、複数本のプラスチックロッドレンズ16が、各レンズの中心軸が互いに略平行方向となるように一列に配列され接着剤18で固定されたプラスチックロッドレンズ列を少なくとも1列、備えたロッドレンズアレイであって、前記プラスチックロッドレンズ列内での前記プラスチックロッドレンズの配列ピッチが一定で、前記接着剤は硬化後の熱変形温度が前記プラスチックロッドレンズの熱変形温度よりも低いことを特徴としている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のロッドレンズアレイ10は、複数本のプラスチックロッドレンズ16が、各レンズの中心軸が互いに略平行方向となるように一列に配列され接着剤18で固定されたプラスチックロッドレンズ列を少なくとも1列、備えたロッドレンズアレイであって、前記プラスチックロッドレンズ列内での前記プラスチックロッドレンズの配列ピッチが一定で、前記接着剤は硬化後の熱変形温度が前記プラスチックロッドレンズの熱変形温度よりも低いことを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロッドレンズアレイ、イメージセンサおよびプリンタに関し、より詳細には、例えば、高解像度のイメージセンサ、プリンタ等に用いられるロッドレンズアレイ、その製造方法、及び、このようなロッドレンズアレイを備えたイメージセンサおよびプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
微小レンズの一つとして、両端面が鏡面研磨された円柱状のプラスチックロッドレンズが知られている。このようなプラスチックロッドレンズは、単体で用いられる他に、複数のレンズを一列または複数列に配列して一体化させたロッドレンズアレイの形態とされ、複写機、ファクシミリ、スキャナ、ハンドスキャナ等で使用されるイメージセンサ用の光学部品として、あるいは、光源にLED(発光ダイオード)を用いたLEDプリンタ、液晶素子を用いた液晶プリンタ、EL素子を用いたELプリンタのような装置における書き込みデバイス用の光学部品として用いられている。
従来、このようなロッドレンズアレイは、配列された複数のレンズがシリコン系等の熱硬化型接着剤によって固定されていた。しかし、このような熱硬化型接着剤は、一般に熱変形温度が高く、プラスチックロッドレンズの接着固定に80〜150℃という高温下で数時間から数十時間の硬化が必要で、硬化中にプラスチックロッドレンズが熱変形したり、レンズ特性が変化したりするという問題があった。そこで、プラスチックロッドレンズの熱変形温度以下の温度でプラスチックロッドレンズの接着固定を行える反応型ホットメルト型接着剤を使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3000528号
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、適切な反応型ホットメルト接着剤を選択してプラスチックロッドレンズの接着固定を行うことにより、硬化後の接着剤層の熱変形温度をプラスチックロッドレンズよりも高くなるので、耐熱温度の高いプラスチックロッドレンズアレイが得られると考えられてきた。
このような接着剤層の熱変形温度がプラスチックロッドレンズの熱変形温度よりも高い構成は、プラスチックロッドレンズは、温度が上昇しても変形しにくい接着剤層で囲まれている構造である。プラスチックロッドレンズの熱膨張は、プラスチックロッドレンズアレイに用いられている基板や接着剤の熱膨張よりも大きいため、接着剤層(硬化後の接着剤)の熱変形温度がプラスチックロッドレンズの熱変形温度よりも高い場合には、プラスチックロッドレンズが熱膨張しようとしても膨張できず、この結果、プラスチックロッドレンズに変形が生じてしまうことが分かった。
このため、このようなロッドレンズアレイには、高温環境下で使用すると、プラスチックロッドレンズが変形してしまい、特に、600dpi以上の高解像度のイメージセンサやLEDプリンタ等に使用した場合には、必要とされる高い性能が発揮できなくなるという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、高温環境下でも、高解像度用途に適した性能を発揮できるロッドレンズアレイ、及び、このようなロッドレンズアレイを備えたイメージセンサ、プリンタ等を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、複数本のプラスチックロッドレンズが、各レンズの中心軸が互いに略平行方向となるように一列に配列され接着剤で固定されたプラスチックロッドレンズ列を少なくとも1列、備えたロッドレンズアレイであって、前記プラスチックロッドレンズ列内での前記プラスチックロッドレンズの配列ピッチが一定で、前記接着剤は硬化後の熱変形温度が前記プラスチックロッドレンズの熱変形温度よりも低い、ことを特徴とするロッドレンズアレイが提供される。
このような構成によれば、プラスチックロッドレンズを基板等に接着固定している接着剤の熱変形温度が、プラスチックロッドレンズの熱変形温度よりも低く設定されているので、周辺環境の温度が高くなった場合には、接着剤層が先に変形し易くなる。このため、温度上昇により、プラスチックロッドレンズが熱膨張しても、プラスチックロッドレンズを囲む接着剤層が変形して、この熱膨張を吸収し、プラスチックロッドレンズの変形が抑制される。
【0005】
本発明の好ましい態様では、前記接着剤が、ホットメルト接着剤である。本発明の他の好ましい態様では、プラスチックロッドレンズ列内で、隣接するプラスチックロッドレンズが密着していない、即ち、プラスチックロッドレンズの配列ピッチが、プラスチックロッドレンズの直径よりも大きく設定されている。
本発明の他の態様によれば、上記構成を備えたロッドレンズアレイを備えたイメージセンサまたはプリンタが提供される。
【0006】
本発明の別の態様によれば、複数本のプラスチックロッドレンズが、中心軸が互いに略平行方向となるように配列され接着剤で固定されたプラスチックロッドレンズ列を少なくとも1列、備えたロッドレンズアレイの製造方法であって、中心軸が互いに略平行方向となるように配列された複数本の前記プラスチックロッドレンズを、硬化後の熱変形温度が前記プラスチックロッドレンズの熱変形温度より低い接着剤で固定するステップと、前記接着剤による固定ステップに先だって、前記プラスチックロッドレンズを、60℃以上の温度で6時間以上、加熱処理する予備加熱ステップを備えていることを特徴とするロッドレンズアレイの製造方法が提供される。
このように60℃以上の温度で6時間以上、熱処理を施すことによりプラスチックロッドレンズの熱変形温度が高くなり、ロッドレンズアレイの耐熱特性が向上する。
【0007】
本発明の他の構成によれば、複数本のプラスチックロッドレンズが、中心軸が互いに略平行方向となるように配列され接着剤で固定されたプラスチックロッドレンズ列を少なくとも1列、備えたロッドレンズアレイの製造方法であって、中心軸が互いに略平行方向となるように配列された複数本の前記プラスチックロッドレンズを、前記接着剤で固定するステップと、前記接着剤による固定ステップに先だって、前記プラスチックロッドレンズを、60℃以上の温度で6時間以上、加熱処理する予備加熱ステップを備えていることを特徴とするロッドレンズアレイの製造方法が提供される。
このように60℃以上の温度で6時間以上、熱処理を施すことによりプラスチックロッドレンズの熱変形温度が高くなり、ロッドレンズアレイの耐熱特性が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態のロッドレンズアレイについて詳細に説明する。
プラスチックロッドレンズの構造
まず、本実施形態のロッドレンズアレイを構成するプラスチックロッドレンズの構造について説明する。本実施形態では、プラスチックロッドレンズは、円筒状であり、中心軸から外周面に向かって屈折率が連続的に減少している。さらに、少なくとも中心軸から0.3r〜0.7r(但し、rは断面の半径)の範囲における屈折率n(L)の分布は、下記式(1)で規定される2次曲線で近似される。
n(L)=n0{1−(g2/2)r2}...(1)
(但し、式(1)中、n0は、プラスチックロッドレンズの中心軸における屈折率、Lはプラスチックロッドレンズの中心軸からの距離(0≦L≦r)、gはプラスチックロッドレンズの屈折率分布定数、n(L)はLの位置における屈折率を、それぞれ表す。)
【0009】
本発明のプラスチックロッドレンズの中心軸の屈折率n0は、1.4〜1.6であることが好ましい。中心軸の屈折率n0がこの範囲にあると、材料的な選択肢が広く、良好な屈折率分布を形成し易いため好ましい。
さらに、本実施形態で用いられるプラスチックロッドレンズでは、中心軸から0.6r以上の外側の領域に、プラスチックロッドレンズの伝送光のうち少なくとも一部の光を吸収する光吸収剤が含有させられ、厚さ50μm以上の光吸収層が設けられている。これは、一般に、プラスチックロッドレンズを製造する場合、中心軸から離れるにつれて、理想的な屈折率分布からのずれが大きい部分が形成され易いので、この部分を光吸収層に含めるためである。一般に、イメージセンサやLEDプリンタ等では、光源として、400〜900nmの波長の光を出射する光源が用いられているので、光吸収層に含有させる光吸収剤として、400〜900nmのうち少なくとも一部の波長域の光を吸収するものを用いることが好ましい。400〜900nmのうち特定波長域の光のみを吸収する光吸収剤としては、600nm〜近赤外線領域に吸収のある日本化薬製Kayasorb CY−10等、600〜700nmに吸収のある三菱化学製Diaresin B1ue 4G等、550〜650nmに吸収のある日本化薬製Kayaset B1ueACR等、500〜600nmに吸収のある三井東圧染料MS Magenta HM−1450等、400〜500nmに吸収のある三井東圧染料MS Ye11ow HD−180等がある。また、400〜900nmのうち全波長域の光を吸収する光吸収剤としては、黒色染料等がある。以上例示した光吸収剤を単独で用いても良いし、複数種類組み合わせて用いることもできる。
【0010】
プラスチックロッドレンズの製造方法
次に、本実施形態のプラスチックロッドレンズの製造方法の一例について、説明する。プラスチック材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレートと他の単量体との共重合体等が使用され、その熱変形温度は、一般に、75〜95℃程度である。他の単量体としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート(屈折率n=1.37〜1.44)、屈折率n=1.43〜1.62の(メタ)アクリレート類、例えば、エチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート、アルキレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン−ジ又はトリ−(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール−ジ、トリまたはテトラ−(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、その他、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、フッ素化アルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのプラスチックの熱変形温度は、一般に、75〜90℃程度である。
【0011】
はじめに、硬化後の屈折率nがn1>n2>...>nnとなるN種類(但し、N≧3)の層形成用溶液(第1層形成用溶液〜第N層形成用溶液)を調製し、これらN個の層形成用溶液を、硬化後に中心軸から外周面に向かって順次屈折率が低くなるような配置で、同心円状に押し出し、第1層から第N層が同心円状に積層形成された、未硬化の糸状体を紡糸する。なお、紡糸後に、中心軸から0.6r以上外側に位置する層のうち少なくとも1層を構成する層形成用溶液には、溶液調製時にあらかじめ光吸収剤を含有させておく。
【0012】
次に、紡糸後の糸状体に、糸状体の屈折率分布が中心軸から外周面に向かって連続的に変化するように、隣接する層中の物質を相互拡散させる相互拡散処理を施した後、硬化処理を施す。なお、相互拡散処理は、窒素等の不活性ガス雰囲気で、層間の物質(単量体)濃度の差により拡散させて、連続的な屈折率分布を形成させることにより、行うことができる。また、相互拡散処理と硬化処理とを同時に施すことも可能である。
硬化処理後に得られる糸状体をそのままプラスチックロッドレンズとして使用しても良いし、必要に応じて加熱延伸、緩和処理を行っても良い。得られた糸状体を所定長さずつ切断することにより、プラスチックロッドレンズが製造される。また、相互拡散処理、硬化処理、加熱延伸処理、緩和処理については、連続的に行っても良いし、バッチ式で行っても良い。
【0013】
ロッドレンズアレイの構造
次に、本実施形態のロッドレンズアレイの構造を図1に沿って説明する。図1は、本発明の一実施形態のロッドレンズアレイの各プラスチックロッドレンズの長手方向軸線に直交する方向の模式的な断面図である。
図1に示されているように、本実施形態のロッドレンズアレイ10では、対向配置された第1の基板(下側基板)12と第2の基板(上側基板)14との間に、上述した構成のロッドレンズ16が複数本、配置されている。ロッドレンズアレイ10は、各プラスチックロッドレンズ16が、その中心軸が互いに略平行方向となるように、一列に配列されたロッドレンズ列を二列、備えている。各ロッドレンズ列内では、各プラスチックロッドレンズ16は、その中心軸に対して垂直方向に配列されている。各プラスチックロッドレンズ16および基板12、14は、それぞれの間に空間を形成するように配置されている。従って、各プラスチックロッドレンズ16のピッチ(配列ピッチ)は、各プラスチックロッドレンズ16のレンズ径よりも大きく設定され、プラスチックロッドレンズ列内で隣接するプラスチックロッドレンズが密着していない構成とされている。また、プラスチックロッドレンズの配列ピッチは一定に設定されている。
【0014】
各プラスチックロッドレンズ16および基板12、14の間の空間には、硬化後の熱変形温度が、プラスチックロッドレンズの熱変形温度より低い接着剤18が充填され、各プラスチックロッドレンズ16および基板12、14を接着固定する接着剤層が形成されている。接着剤は、カーボンブラック、染料等の遮光剤を含有するのが好ましい。
さらに、二列のプラスチックロッドレンズ列は、列間の間隔を狭くすべく各プラスチックロッドレンズ16が俵積み状に配列されるように位置決めされている。このような構成により、限定された空間に、より多くのプラスチックロッドレンズ16を配列させることができ、透過する光量を大きくすることができる。
【0015】
本実施形態のロッドレンズアレイは、m=X0/D(X0:視野半径,D:プラスチックロッドレンズの配列ピッチ,X0=−r1cos(Z0π/P)、r1はプラスチックロッドレンズの有効半径、Z0はプラスチックロッドレンズの長さ、Pはプラスチックロッドレンズの周期長すなわちP=2π/gである。)で表される重なり度mが、1列ロッドレンズアレイの場合は、1.05≦m≦1.28、または、1.53≦m≦1.8、または、2.03≦m≦2.3、または、m≧2.5であることが好ましい。重なり度を上記の範囲以外とすると光量斑が大きくなるため好ましくない。2列ロッドレンズアレイの場合は、0.87≦m≦1.0、または、1.1≦m≦1.23、または、m≧1.33であることが好ましい。
【0016】
また、光量を高くする目的で、1列ロッドレンズアレイの場合に、1.05≦m≦1.28、または、1.53≦m≦1.8、2列ロッドレンズアレイの場合に、0.87≦m≦1.0、または、1.1≦m≦1.23とすることは更に好ましい。
重なり度をこれらの範囲にすることにより、ロッドレンズアレイの光量を高く、かつ、光量斑を比較的小さくすることができる。
【0017】
本実施形態のロッドレンズアレイに用いられている接着剤は、硬化後の熱変形温度がプラスチックロッドレンズを構成するプラスチックより低い接着剤であり、好ましくは、熱変形温度が70℃以下のものである。
また、接着剤としては、プラスチックロッドレンズの熱膨張を吸収できるものであるのが好ましく、特に、ホットメルト接着剤が好ましい。中でも、合成ゴム系のホットメルト接着剤やウレタン系のホットメルト接着剤は接着温度も低く、熱変形温度も低いため、特に好ましい。また、熱変形温度がレンズよりも低ければ、架橋構造を取る接着剤を用いても良く、ウレタン系の湿気硬化型のホットメルト接着剤なども好ましい。
【0018】
このような接着剤の例としては、ダイアボンド工業製のホットメルト接着剤メルトロンシリーズ(熱変形温度40〜80℃)、積水化学工業製のホットメルト接着剤エスダインシリーズ(熱変形温度40〜60℃)、東亜合成化学製ホットメルト接着剤アロンメルトシリーズ(熱変形温度65〜80℃)、などが好ましく用いられる。ダイアボンド工業製のメルトロンBタイプのB−350、B−353などは、熱変形温度が50〜60℃と低く、熱可塑性合成ゴム系のホットメルト接着剤であるため、好ましい。
【0019】
また、湿気硬化型ホットメルト接着剤としては、積水化学工業製のエスダインシリーズなどが好ましい。なお、本明細書において、熱変形温度はASTM D648により規定されている方法により測定されたものを用いる。これらの接着剤は、硬化後の熱変形温度がプラスチックロッドレンズの材料よりも低いため、プラスチックロッドレンズが環境温度により膨張しても接着剤層が変形してプラスチックロッドレンズの体積変化を吸収するため、プラスチックロッドレンズの塑性変形が起こりにくく、環境温度による性能低下の小さいロッドレンズアレイを得ることができる。
【0020】
ロッドレンズアレイの製造方法
次に、上記実施形態のロッドレンズアレイ10の製造方法について説明する。
まず、プラスチックロッドレンズ16を60℃以上の温度で6時間以上加熱処理する。この加熱処理の温度は、60℃以上、かつ、プラスチックロッドレンズの熱変形温度より低ければ良い。また、可能な範囲で高い温度で行う方が、短時間で熱変形温度が向上するため好ましい。加熱処理の時間は、6時間以上であれば熱変形温度の向上の効果が得られるが、24時間以上加熱処理を行うことは、熱変形温度の向上の効果が十分に得られるため、更に好ましい。60℃以上の温度で6時間以上熱処理することによりレンズの熱変形温度が向上し、レンズアレイの耐熱特性が向上する。
【0021】
次いで、レンズ配列面に一定ピッチの溝と吸引機構とを有する配列治具上に、複数本のプラスチックロッドレンズ16をその中心軸が略平行となるように配列し、1列目のレンズ列を形成する。吸引機構は、真空吸引機構が好ましい。次いで、硬化後の熱変形温度が、プラスチックロッドレンズの熱変形温度より低い接着剤18を片面に塗布した第1の基板12を用意し、この第1の基板12を、接着剤塗布面が配列治具上のレンズ列に向くようにして、配列治具上のレンズ列上に載せ、接着剤の熱変形温度以上且つプラスチックロッドレンズの熱変形温度以下の温度で加熱しながら、第1の基板12の上からプレスし、レンズ列を第1の基板12に接着する。
【0022】
次に、接着剤18の熱変形温度以下まで冷却した後、配列治具上から第1の基板12を剥離して、配列治具上に配列されていたレンズ列を第1の基板12に転写する。なお、基板としては、プラスチックロッドレンズ16が配列治具より移される面である転写面が平面状のものを用いても良いが、吸引配列面のプラスチックロッドレンズの配列ピッチ(溝のピッチ)と同じピッチの溝を備えたものを用いても良い。吸引配列面のレンズの配列ピッチ(溝のピッチ)と同じピッチの溝を備えたものを用いる場合は、基板の溝にレンズが納まるようにレンズを接着することが好ましい。また、溝付きの基板を、第1の基板12だけでなく第2の基板14に用いても良い。第1の基板12への接着剤の塗布方法としては、一般的な接着剤用のアプリケーターを用いて接着剤を加熱溶解して塗布する方法がある。
【0023】
1列のロッドレンズ列を備えたロッドレンズアレイを作成する場合は、接着剤18を塗布した第2の基板14を、その接着剤塗布面が第1の基板12に接着(転写)されているロッドレンズ列に対向するように、第1の基板12に接着されたロッドレンズレンズ16の上に載せ、レンズの熱変形温度以下の温度で加熱しながらプレスする。この接着剤18も、硬化後の熱変形温度が、プラスチックロッドレンズの熱変形温度より低い接着剤である。
【0024】
また、本実施形態のように、2列のレンズ列を有するロッドレンズアレイを作成するときには、上記の手順で第1の基板にレンズ列を接着したものを2組作製して、一方(または両方)の基板上のレンズ列にホットメルト接着剤を塗布し、2列のレンズ列が俵積みになるように重ねあわせた後、プラスチックロッドレンズの熱変形温度以下の温度で加熱しながらプレスする。
【0025】
接着剤には、カーボンブラック、染料等の遮光剤をあらかじめ添加しておくことが好ましい。
接着した後、第1の基板12、第2の基板14、プラスチックロッドレンズ16によって構成されたロッドレンズアレイを所望の長さに切断し、各プラスチックロッドレンズ16の両端面を、ダイアモンド刃等を用いて鏡面状に仕上げることにより、本実施形態のロッドレンズアレイ10を得る。
【0026】
なお、以上の製造方法においては、配列治具上に1列目のレンズ列を配置した後、第1の基板12上に接着する例を説明したが、配列治具を用いずに、直接、一定ピッチの溝を有する第1の基板12上に接着剤を塗布しておいて、その上に1列目のレンズ列を形成することも可能である。
また、プラスチックロッドレンズを60℃以上の温度で6時間以上加熱処理する工程は、接着剤でプラスチックロッドレンズを接着固定する以前であればどの段階で行っても良く、例えば、配列治具への配列後に行っても良い。
【0027】
イメージセンサ
次に、本実施形態のロッドレンズアレイのイメージセンサへの使用例を説明する。このイメージセンサは、ロッドレンズアレイとして本実施形態のロッドレンズアレイを利用している点以外は、公知のイメージセンサと同一の構成を備えている。
【0028】
図2は、本実施形態のロッドレンズアレイ10を使用したイメージセンサの主要部の構成を概略的に示す模式的な斜視図であり、図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。図2及び図3に示されているように、図示のイメージセンサは、読み取り原稿を照明するための一対の光源20、20と、読み取り原稿からの反射光を光電変換素子に結像するためのロッドレンズアレイ10と、原稿からの反射光を受光しこれを電気信号に変換する光電変換素子22と、を備えている。光源20は、LEDアレイ24と、LEDアレイ24から出射した光を読み取り原稿に向かってライン状に照射する導光部材26とを備えている。イメージセンサは、さらに、光源20、ロッドレンズアレイ10、光電変換素子22等を収容する筐体28と、読み取り原稿を安定的に固定するカバーガラス30(図2では省略)とを備えている。
【0029】
このイメージセンサでは、LEDアレイ24から出射した光は、読み取り原稿を固定するカバーガラス30に面した導光部材26の切欠き部から、カバーガラス上の読み取り原稿に向けて、図3に鎖線で示されているように出射される。読み取り原稿で反射した光は、図3に一点鎖線で示されているように、ロッドレンズアレイ10によって光電変換素子22上に結像される。
【0030】
光源は、原稿面を照明するためのものでありLEDの他に、白熱電球、冷陰極管などが用いられるが、特定波長の光を利用しやすい点からLEDが好ましい。これらの光源は、特定波長をカットするため、フィルタ素子と組み合わせて用いられるのが好ましい。
【0031】
このイメージセンサは、発光波長の異なる複数種のLEDを用いてカラーイメージセンサとすることもできる。この場合、光源が、青色、緑色および赤色の3色にそれぞれ相当する発光波長の異なる複数のLEDから構成されていることが好ましい。カラーイメージセンサとして用いる場合、発光波長のピークは、色再現性を良くする目的から、それぞれ450〜480nm(青)、510〜560nm(緑)、600〜660nm(赤)とすることが好ましい。このような光源を備えた照明装置においては、光源から導光体に光が入射し、導光体からの出射光が原稿面を照明するように構成されている。
【0032】
このイメージセンサは、使用されているロッドレンズアレイ10が、接着剤の熱変形温度がプラスチックロッドレンズの熱変形温度よりも低いロッドレンズアレイを備えたものであるので、プラスチックロッドレンズの熱変形温度近傍(例えば、70℃以上)の高温環境下で処理した後でも、プラスチックロッドレンズの変形による光学性能低下が小さいため、600dpi以上の高解像度としても、カラー画像のにじみや斑を抑制することができ、優れた読み取り画像の特性を有するものとなる。
【0033】
(プリンタ)
次に、本実施形態のロッドレンズアレイのプリンタへの使用例を説明する。このプリンタは、ロッドレンズアレイとして本実施形態のロッドレンズアレイ10を利用している点以外は、基本的な構成は公知のプリンタと同一である。
図4は、本実施形態のロッドレンズアレイ10を使用したプリンタの主要部の構成を概略的に示す模式的な側面図であり、図5は、図4のプリンタの書き込み部の構成を示す正面からの模式的な拡大図である。図4に示されているように、図示のプリンタは、感光ドラム40を備えている。感光ドラム40の外方には、矢印Aで示す感光ドラム40の回転方向に沿って、除電クリーニングローラ42と、帯電ローラ44と、書き込み部46と、現像部48と、転写ローラ50とが設けられている。また、このプリンタは、プリント用紙を、矢印Bで示す方向に沿って感光ドラム40に供給する搬送機構(図示せず)を備えている。さらに、プリンタは、感光ドラム40の下流側に定着部52を備えている。
【0034】
書き込み部46は、図5に示されているように、プリントする情報に対応した光を照射するように制御されるライン状の光源54と、光源54からの光56を感光ドラム40上に結像させるローラレンズアレイ10とを備えている。光源54は、LEDをアレイ状の配列したLEDチップであるのが好ましい。印刷方式は、特に限定されるものではないが、高速のカラー印刷が可能となるタンデム方式が好ましい。
このプリンタは、ロッドレンズアレイ10が、接着剤の熱変形温度がプラスチックロッドレンズの熱変形温度よりも低いので、高温環境下で処理した後でもレンズの変形による光学性能低下が小さいため、600dpi以上の高解像度としても、印画斑を抑制することができ、優れた印字特性を有するものとなる。
また、プリンタの光源は、LEDアレイに限られるものではなく、液晶シャッター、ELアレイ等でもよい。
【0035】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の変更・変形が可能である。
【0036】
【実施例】
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、各実施例、比較例において、屈折率分布の測定は、カールツァイス社製インターファコ干渉顕微鏡を用い、公知の方法に基づいて行った。また、熱変形温度の測定はASTM D648に規定された方法で測定した。
【0037】
(実施例1)
ロッドレンズアレイ
本実施例においてプラスチックロッドレンズとして、断面の半径rが0.30mm、中心軸の屈折率が1.506、中心軸から0.22r〜0.78rの範囲における屈折率分布が上記式(1)で近似でき、740nmの波長の光についての屈折率分布定数gが0.87mm−1のものを用いた。また、このプラスチックロッドレンズは中心から0.73r〜0.99rの範囲に、染料をほぼ均一に含有する光吸収層を、約78μmの厚みで形成した。このプラスチックロッドレンズの熱変形温度は78℃であった。
このプラスチックロッドレンズを複数本と、フェノール樹脂製で厚さ1.0mmの基板と、接着剤として、カーボンブラックを2質量%添加したダイアボンド工業製のメルトロンB−350(熱可塑性合成ゴムケーシングホットメルト接着剤、硬化後の熱変形温度60℃)を用い、上記実施形態で説明したような方法で、ロッドレンズアレイ(2列)を得た。なお、ロッドレンズアレイのレンズ列内で隣接するプラスチックロッドレンズの配列ピッチは0.61mm、レンズ長は4.2mmとした。
実施例1のロッドレンズアレイの740nmの波長の光についての共役長は9.9mm、12Lp/mmのMTF(modulation transfer function)の平均値は70%であった。また、525nmの波長の光についての共役長は9.1mm、12Lp/mmのMTFの平均値は72%であった。
このロッドレンズアレイを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻して再度特性を測定した。740nmの波長の光についての共役長は9.9mm、12Lp/mmのMTFの平均値は70%であり、特性に変化がなかった。また、525nmの波長の光についての共役長は9.1mm、12Lp/mmのMTFの平均値は72%であり変化がなかった。
【0038】
イメージセンサ
実施例1のロッドレンズアレイを用い、発光波長470nm,525nm,630nmのLEDを用いて解像度600dpiの本発明のカラーイメージセンサを作製した。このイメージセンサでカラー画像を読み取ったところ、色のにじみ印画斑がなく、良好なカラー画像が得られた。
このイメージセンサを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻してカラー画像を読み取ったところ、色のにじみがなく、良好なカラー画像が得られた。
【0039】
プリンタ
実施例1のロッドレンズアレイを用い、解像度600dpiの本発明のプリンタ(LEDの発光波長740nm)を作製した。このプリンタで600dpiのテストチャートをプリントしたところ、印画斑がなく、階調特性にも優れ、良好な印字が得られた。
このプリンタを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻して600dpiのテストチャートをプリントしたところ、印画斑がなく、階調特性にも優れ、良好な印字が得られた。
【0040】
(比較例)
ロッドレンズアレイ
実施例1のプラスチックロッドレンズを用い、接着剤として熱硬化型エポキシ系接着剤(硬化後の熱変形温度100℃)を用い、列内の隣接するプラスチックロッドレンズが密着(すなわち配列ピッチ0.6mm)した形態であること以外は実施例1と同様にして2列のロッドレンズアレイを作製した。
比較例1のロッドレンズアレイの740nmの波長の光についての共役長は9.9mm、12Lp/mmのMTFの平均値は70%であった。また、525nmの波長の光についての共役長は9.1mm、12Lp/mmのMTFの平均値は72%であった。
このロッドレンズアレイを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻して再度特性を測定した。740nmの波長の光についての共役長は9.7mmに変化し、元の共役長(9.9mm)で測定した12Lp/mmのMTFの平均値は65%であり、特性が低下した。また、525nmの波長の光についての共役長は8.9mmに変化し、元の共役長(9.1mm)で測定した12Lp/mmのMTFの平均値は66%であり、特性が低下した。
【0041】
イメージセンサ
比較例1のロッドレンズアレイを用い、実施例1と同様にしてカラーイメージセンサを作製した。このイメージセンサでカラー画像を読み取ったところ、色のにじみ印画斑がなく、良好なカラー画像が得られた。
このイメージセンサを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻してカラー画像を読み取ったところ、色のにじみが発生し、得られたカラー画像の画質が低下した。
【0042】
プリンタ
得られたロッドレンズアレイを用い、実施例1と同様にして解像度600dpiのLEDプリンタを作製した。このプリンタで600dpiのテストチャートをプリントしたところ、印画斑がなく、階調特性にも優れ、良好な印字が得られた。
このプリンタを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻して600dpiのテストチャートをプリントしたところ、印画斑が発生し、階調特性も低下し、印字特性が低下した。
【0043】
(実施例2)
ロッドレンズアレイ
実施例1のプラスチックロッドレンズを、基板への接着に先だって、70℃で48時間熱処理した。このプラスチックロッドレンズの熱変形温度は88℃であった。
このプラスチックロッドレンズを複数本と、フェノール樹脂製で厚さ1.0mmの基板と、接着剤として、カーボンブラックを2質量%添加した積水化学製のエスダイン9607(ウレタン系湿気硬化型接着剤、硬化後の熱変形温度70℃)を用い、接着剤の架橋反応を行うために、40℃相対湿度90%で24時間処理した以外は、実施例1と同様にしてロッドレンズアレイ(2列)を得た。なお、ロッドレンズアレイのレンズ列内で隣接するプラスチックロッドレンズの配列ピッチは0.61mm、レンズ長は4.2mmとした。
実施例2のロッドレンズアレイの740nmの波長の光についての共役長は9.9mm、12Lp/mmのMTFの平均値は71%であった。また、525nmの波長の光についての共役長は9.1mm、12Lp/mmのMTFの平均値は72%であった。
このロッドレンズアレイを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻して再度特性を測定した。740nmの波長の光についての共役長は9.9mm、12Lp/mmのMTFの平均値は71%であり、特性に変化がなかった。また、525nmの波長の光についての共役長は9.1mm、12Lp/mmのMTFの平均値は72%であり変化がなかった。
【0044】
イメージセンサ
実施例2のロッドレンズアレイを用い、実施例1と同様にして解像度600dpiの本発明のカラーイメージセンサを作製した。このイメージセンサでカラー画像を読み取ったところ、色のにじみ印画斑がなく、良好なカラー画像が得られた。
このイメージセンサを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻してカラー画像を読み取ったところ、色のにじみがなく、良好なカラー画像が得られた。
【0045】
プリンタ
実施例2のロッドレンズアレイを用い、解像度600dpiの本発明のプリンタ(LEDの発光波長740nm)を作製した。このプリンタで600dpiのテストチャートをプリントしたところ、印画斑がなく、階調特性にも優れ、良好な印字が得られた。
このプリンタを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻して600dpiのテストチャートをプリントしたところ、印画斑がなく、階調特性にも優れ、良好な印字が得られた。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、周辺環境の温度上昇によるレンズの変形が発生しにくく、高解像度の用途に適したロッドレンズアレイ、及び、このようなロッドレンズアレイを備えたイメージセンサ、プリンタが提供される。
また、本発明の製造方法によれば、温度上昇によるレンズの変形が発生しにくく、高解像度の用途に適したロッドレンズアレイ、及び、このようなロッドレンズアレイを備えたイメージセンサ、プリンタが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のロッドレンズアレイの構成を示す模式的な図面である。
【図2】本実施形態のロッドレンズアレイを使用したイメージセンサの主要部の構成を概略的に示す模式的な斜視図である。
【図3】III−III線に沿った断面図である。
【図4】本実施形態のロッドレンズアレイを使用したプリンタの主要部の構成を概略的に示す模式的な側面図である。
【図5】図4のプリンタの書き込み部の構成を示す正面からの模式的な拡大図である。
【符号の説明】
10:ロッドレンズアレイ
12:第1の基板
14:第2の基板
16:プラスチックロッドレンズ
18:接着剤
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロッドレンズアレイ、イメージセンサおよびプリンタに関し、より詳細には、例えば、高解像度のイメージセンサ、プリンタ等に用いられるロッドレンズアレイ、その製造方法、及び、このようなロッドレンズアレイを備えたイメージセンサおよびプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
微小レンズの一つとして、両端面が鏡面研磨された円柱状のプラスチックロッドレンズが知られている。このようなプラスチックロッドレンズは、単体で用いられる他に、複数のレンズを一列または複数列に配列して一体化させたロッドレンズアレイの形態とされ、複写機、ファクシミリ、スキャナ、ハンドスキャナ等で使用されるイメージセンサ用の光学部品として、あるいは、光源にLED(発光ダイオード)を用いたLEDプリンタ、液晶素子を用いた液晶プリンタ、EL素子を用いたELプリンタのような装置における書き込みデバイス用の光学部品として用いられている。
従来、このようなロッドレンズアレイは、配列された複数のレンズがシリコン系等の熱硬化型接着剤によって固定されていた。しかし、このような熱硬化型接着剤は、一般に熱変形温度が高く、プラスチックロッドレンズの接着固定に80〜150℃という高温下で数時間から数十時間の硬化が必要で、硬化中にプラスチックロッドレンズが熱変形したり、レンズ特性が変化したりするという問題があった。そこで、プラスチックロッドレンズの熱変形温度以下の温度でプラスチックロッドレンズの接着固定を行える反応型ホットメルト型接着剤を使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3000528号
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、適切な反応型ホットメルト接着剤を選択してプラスチックロッドレンズの接着固定を行うことにより、硬化後の接着剤層の熱変形温度をプラスチックロッドレンズよりも高くなるので、耐熱温度の高いプラスチックロッドレンズアレイが得られると考えられてきた。
このような接着剤層の熱変形温度がプラスチックロッドレンズの熱変形温度よりも高い構成は、プラスチックロッドレンズは、温度が上昇しても変形しにくい接着剤層で囲まれている構造である。プラスチックロッドレンズの熱膨張は、プラスチックロッドレンズアレイに用いられている基板や接着剤の熱膨張よりも大きいため、接着剤層(硬化後の接着剤)の熱変形温度がプラスチックロッドレンズの熱変形温度よりも高い場合には、プラスチックロッドレンズが熱膨張しようとしても膨張できず、この結果、プラスチックロッドレンズに変形が生じてしまうことが分かった。
このため、このようなロッドレンズアレイには、高温環境下で使用すると、プラスチックロッドレンズが変形してしまい、特に、600dpi以上の高解像度のイメージセンサやLEDプリンタ等に使用した場合には、必要とされる高い性能が発揮できなくなるという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、高温環境下でも、高解像度用途に適した性能を発揮できるロッドレンズアレイ、及び、このようなロッドレンズアレイを備えたイメージセンサ、プリンタ等を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、複数本のプラスチックロッドレンズが、各レンズの中心軸が互いに略平行方向となるように一列に配列され接着剤で固定されたプラスチックロッドレンズ列を少なくとも1列、備えたロッドレンズアレイであって、前記プラスチックロッドレンズ列内での前記プラスチックロッドレンズの配列ピッチが一定で、前記接着剤は硬化後の熱変形温度が前記プラスチックロッドレンズの熱変形温度よりも低い、ことを特徴とするロッドレンズアレイが提供される。
このような構成によれば、プラスチックロッドレンズを基板等に接着固定している接着剤の熱変形温度が、プラスチックロッドレンズの熱変形温度よりも低く設定されているので、周辺環境の温度が高くなった場合には、接着剤層が先に変形し易くなる。このため、温度上昇により、プラスチックロッドレンズが熱膨張しても、プラスチックロッドレンズを囲む接着剤層が変形して、この熱膨張を吸収し、プラスチックロッドレンズの変形が抑制される。
【0005】
本発明の好ましい態様では、前記接着剤が、ホットメルト接着剤である。本発明の他の好ましい態様では、プラスチックロッドレンズ列内で、隣接するプラスチックロッドレンズが密着していない、即ち、プラスチックロッドレンズの配列ピッチが、プラスチックロッドレンズの直径よりも大きく設定されている。
本発明の他の態様によれば、上記構成を備えたロッドレンズアレイを備えたイメージセンサまたはプリンタが提供される。
【0006】
本発明の別の態様によれば、複数本のプラスチックロッドレンズが、中心軸が互いに略平行方向となるように配列され接着剤で固定されたプラスチックロッドレンズ列を少なくとも1列、備えたロッドレンズアレイの製造方法であって、中心軸が互いに略平行方向となるように配列された複数本の前記プラスチックロッドレンズを、硬化後の熱変形温度が前記プラスチックロッドレンズの熱変形温度より低い接着剤で固定するステップと、前記接着剤による固定ステップに先だって、前記プラスチックロッドレンズを、60℃以上の温度で6時間以上、加熱処理する予備加熱ステップを備えていることを特徴とするロッドレンズアレイの製造方法が提供される。
このように60℃以上の温度で6時間以上、熱処理を施すことによりプラスチックロッドレンズの熱変形温度が高くなり、ロッドレンズアレイの耐熱特性が向上する。
【0007】
本発明の他の構成によれば、複数本のプラスチックロッドレンズが、中心軸が互いに略平行方向となるように配列され接着剤で固定されたプラスチックロッドレンズ列を少なくとも1列、備えたロッドレンズアレイの製造方法であって、中心軸が互いに略平行方向となるように配列された複数本の前記プラスチックロッドレンズを、前記接着剤で固定するステップと、前記接着剤による固定ステップに先だって、前記プラスチックロッドレンズを、60℃以上の温度で6時間以上、加熱処理する予備加熱ステップを備えていることを特徴とするロッドレンズアレイの製造方法が提供される。
このように60℃以上の温度で6時間以上、熱処理を施すことによりプラスチックロッドレンズの熱変形温度が高くなり、ロッドレンズアレイの耐熱特性が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態のロッドレンズアレイについて詳細に説明する。
プラスチックロッドレンズの構造
まず、本実施形態のロッドレンズアレイを構成するプラスチックロッドレンズの構造について説明する。本実施形態では、プラスチックロッドレンズは、円筒状であり、中心軸から外周面に向かって屈折率が連続的に減少している。さらに、少なくとも中心軸から0.3r〜0.7r(但し、rは断面の半径)の範囲における屈折率n(L)の分布は、下記式(1)で規定される2次曲線で近似される。
n(L)=n0{1−(g2/2)r2}...(1)
(但し、式(1)中、n0は、プラスチックロッドレンズの中心軸における屈折率、Lはプラスチックロッドレンズの中心軸からの距離(0≦L≦r)、gはプラスチックロッドレンズの屈折率分布定数、n(L)はLの位置における屈折率を、それぞれ表す。)
【0009】
本発明のプラスチックロッドレンズの中心軸の屈折率n0は、1.4〜1.6であることが好ましい。中心軸の屈折率n0がこの範囲にあると、材料的な選択肢が広く、良好な屈折率分布を形成し易いため好ましい。
さらに、本実施形態で用いられるプラスチックロッドレンズでは、中心軸から0.6r以上の外側の領域に、プラスチックロッドレンズの伝送光のうち少なくとも一部の光を吸収する光吸収剤が含有させられ、厚さ50μm以上の光吸収層が設けられている。これは、一般に、プラスチックロッドレンズを製造する場合、中心軸から離れるにつれて、理想的な屈折率分布からのずれが大きい部分が形成され易いので、この部分を光吸収層に含めるためである。一般に、イメージセンサやLEDプリンタ等では、光源として、400〜900nmの波長の光を出射する光源が用いられているので、光吸収層に含有させる光吸収剤として、400〜900nmのうち少なくとも一部の波長域の光を吸収するものを用いることが好ましい。400〜900nmのうち特定波長域の光のみを吸収する光吸収剤としては、600nm〜近赤外線領域に吸収のある日本化薬製Kayasorb CY−10等、600〜700nmに吸収のある三菱化学製Diaresin B1ue 4G等、550〜650nmに吸収のある日本化薬製Kayaset B1ueACR等、500〜600nmに吸収のある三井東圧染料MS Magenta HM−1450等、400〜500nmに吸収のある三井東圧染料MS Ye11ow HD−180等がある。また、400〜900nmのうち全波長域の光を吸収する光吸収剤としては、黒色染料等がある。以上例示した光吸収剤を単独で用いても良いし、複数種類組み合わせて用いることもできる。
【0010】
プラスチックロッドレンズの製造方法
次に、本実施形態のプラスチックロッドレンズの製造方法の一例について、説明する。プラスチック材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレートと他の単量体との共重合体等が使用され、その熱変形温度は、一般に、75〜95℃程度である。他の単量体としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート(屈折率n=1.37〜1.44)、屈折率n=1.43〜1.62の(メタ)アクリレート類、例えば、エチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート、アルキレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン−ジ又はトリ−(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール−ジ、トリまたはテトラ−(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、その他、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、フッ素化アルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのプラスチックの熱変形温度は、一般に、75〜90℃程度である。
【0011】
はじめに、硬化後の屈折率nがn1>n2>...>nnとなるN種類(但し、N≧3)の層形成用溶液(第1層形成用溶液〜第N層形成用溶液)を調製し、これらN個の層形成用溶液を、硬化後に中心軸から外周面に向かって順次屈折率が低くなるような配置で、同心円状に押し出し、第1層から第N層が同心円状に積層形成された、未硬化の糸状体を紡糸する。なお、紡糸後に、中心軸から0.6r以上外側に位置する層のうち少なくとも1層を構成する層形成用溶液には、溶液調製時にあらかじめ光吸収剤を含有させておく。
【0012】
次に、紡糸後の糸状体に、糸状体の屈折率分布が中心軸から外周面に向かって連続的に変化するように、隣接する層中の物質を相互拡散させる相互拡散処理を施した後、硬化処理を施す。なお、相互拡散処理は、窒素等の不活性ガス雰囲気で、層間の物質(単量体)濃度の差により拡散させて、連続的な屈折率分布を形成させることにより、行うことができる。また、相互拡散処理と硬化処理とを同時に施すことも可能である。
硬化処理後に得られる糸状体をそのままプラスチックロッドレンズとして使用しても良いし、必要に応じて加熱延伸、緩和処理を行っても良い。得られた糸状体を所定長さずつ切断することにより、プラスチックロッドレンズが製造される。また、相互拡散処理、硬化処理、加熱延伸処理、緩和処理については、連続的に行っても良いし、バッチ式で行っても良い。
【0013】
ロッドレンズアレイの構造
次に、本実施形態のロッドレンズアレイの構造を図1に沿って説明する。図1は、本発明の一実施形態のロッドレンズアレイの各プラスチックロッドレンズの長手方向軸線に直交する方向の模式的な断面図である。
図1に示されているように、本実施形態のロッドレンズアレイ10では、対向配置された第1の基板(下側基板)12と第2の基板(上側基板)14との間に、上述した構成のロッドレンズ16が複数本、配置されている。ロッドレンズアレイ10は、各プラスチックロッドレンズ16が、その中心軸が互いに略平行方向となるように、一列に配列されたロッドレンズ列を二列、備えている。各ロッドレンズ列内では、各プラスチックロッドレンズ16は、その中心軸に対して垂直方向に配列されている。各プラスチックロッドレンズ16および基板12、14は、それぞれの間に空間を形成するように配置されている。従って、各プラスチックロッドレンズ16のピッチ(配列ピッチ)は、各プラスチックロッドレンズ16のレンズ径よりも大きく設定され、プラスチックロッドレンズ列内で隣接するプラスチックロッドレンズが密着していない構成とされている。また、プラスチックロッドレンズの配列ピッチは一定に設定されている。
【0014】
各プラスチックロッドレンズ16および基板12、14の間の空間には、硬化後の熱変形温度が、プラスチックロッドレンズの熱変形温度より低い接着剤18が充填され、各プラスチックロッドレンズ16および基板12、14を接着固定する接着剤層が形成されている。接着剤は、カーボンブラック、染料等の遮光剤を含有するのが好ましい。
さらに、二列のプラスチックロッドレンズ列は、列間の間隔を狭くすべく各プラスチックロッドレンズ16が俵積み状に配列されるように位置決めされている。このような構成により、限定された空間に、より多くのプラスチックロッドレンズ16を配列させることができ、透過する光量を大きくすることができる。
【0015】
本実施形態のロッドレンズアレイは、m=X0/D(X0:視野半径,D:プラスチックロッドレンズの配列ピッチ,X0=−r1cos(Z0π/P)、r1はプラスチックロッドレンズの有効半径、Z0はプラスチックロッドレンズの長さ、Pはプラスチックロッドレンズの周期長すなわちP=2π/gである。)で表される重なり度mが、1列ロッドレンズアレイの場合は、1.05≦m≦1.28、または、1.53≦m≦1.8、または、2.03≦m≦2.3、または、m≧2.5であることが好ましい。重なり度を上記の範囲以外とすると光量斑が大きくなるため好ましくない。2列ロッドレンズアレイの場合は、0.87≦m≦1.0、または、1.1≦m≦1.23、または、m≧1.33であることが好ましい。
【0016】
また、光量を高くする目的で、1列ロッドレンズアレイの場合に、1.05≦m≦1.28、または、1.53≦m≦1.8、2列ロッドレンズアレイの場合に、0.87≦m≦1.0、または、1.1≦m≦1.23とすることは更に好ましい。
重なり度をこれらの範囲にすることにより、ロッドレンズアレイの光量を高く、かつ、光量斑を比較的小さくすることができる。
【0017】
本実施形態のロッドレンズアレイに用いられている接着剤は、硬化後の熱変形温度がプラスチックロッドレンズを構成するプラスチックより低い接着剤であり、好ましくは、熱変形温度が70℃以下のものである。
また、接着剤としては、プラスチックロッドレンズの熱膨張を吸収できるものであるのが好ましく、特に、ホットメルト接着剤が好ましい。中でも、合成ゴム系のホットメルト接着剤やウレタン系のホットメルト接着剤は接着温度も低く、熱変形温度も低いため、特に好ましい。また、熱変形温度がレンズよりも低ければ、架橋構造を取る接着剤を用いても良く、ウレタン系の湿気硬化型のホットメルト接着剤なども好ましい。
【0018】
このような接着剤の例としては、ダイアボンド工業製のホットメルト接着剤メルトロンシリーズ(熱変形温度40〜80℃)、積水化学工業製のホットメルト接着剤エスダインシリーズ(熱変形温度40〜60℃)、東亜合成化学製ホットメルト接着剤アロンメルトシリーズ(熱変形温度65〜80℃)、などが好ましく用いられる。ダイアボンド工業製のメルトロンBタイプのB−350、B−353などは、熱変形温度が50〜60℃と低く、熱可塑性合成ゴム系のホットメルト接着剤であるため、好ましい。
【0019】
また、湿気硬化型ホットメルト接着剤としては、積水化学工業製のエスダインシリーズなどが好ましい。なお、本明細書において、熱変形温度はASTM D648により規定されている方法により測定されたものを用いる。これらの接着剤は、硬化後の熱変形温度がプラスチックロッドレンズの材料よりも低いため、プラスチックロッドレンズが環境温度により膨張しても接着剤層が変形してプラスチックロッドレンズの体積変化を吸収するため、プラスチックロッドレンズの塑性変形が起こりにくく、環境温度による性能低下の小さいロッドレンズアレイを得ることができる。
【0020】
ロッドレンズアレイの製造方法
次に、上記実施形態のロッドレンズアレイ10の製造方法について説明する。
まず、プラスチックロッドレンズ16を60℃以上の温度で6時間以上加熱処理する。この加熱処理の温度は、60℃以上、かつ、プラスチックロッドレンズの熱変形温度より低ければ良い。また、可能な範囲で高い温度で行う方が、短時間で熱変形温度が向上するため好ましい。加熱処理の時間は、6時間以上であれば熱変形温度の向上の効果が得られるが、24時間以上加熱処理を行うことは、熱変形温度の向上の効果が十分に得られるため、更に好ましい。60℃以上の温度で6時間以上熱処理することによりレンズの熱変形温度が向上し、レンズアレイの耐熱特性が向上する。
【0021】
次いで、レンズ配列面に一定ピッチの溝と吸引機構とを有する配列治具上に、複数本のプラスチックロッドレンズ16をその中心軸が略平行となるように配列し、1列目のレンズ列を形成する。吸引機構は、真空吸引機構が好ましい。次いで、硬化後の熱変形温度が、プラスチックロッドレンズの熱変形温度より低い接着剤18を片面に塗布した第1の基板12を用意し、この第1の基板12を、接着剤塗布面が配列治具上のレンズ列に向くようにして、配列治具上のレンズ列上に載せ、接着剤の熱変形温度以上且つプラスチックロッドレンズの熱変形温度以下の温度で加熱しながら、第1の基板12の上からプレスし、レンズ列を第1の基板12に接着する。
【0022】
次に、接着剤18の熱変形温度以下まで冷却した後、配列治具上から第1の基板12を剥離して、配列治具上に配列されていたレンズ列を第1の基板12に転写する。なお、基板としては、プラスチックロッドレンズ16が配列治具より移される面である転写面が平面状のものを用いても良いが、吸引配列面のプラスチックロッドレンズの配列ピッチ(溝のピッチ)と同じピッチの溝を備えたものを用いても良い。吸引配列面のレンズの配列ピッチ(溝のピッチ)と同じピッチの溝を備えたものを用いる場合は、基板の溝にレンズが納まるようにレンズを接着することが好ましい。また、溝付きの基板を、第1の基板12だけでなく第2の基板14に用いても良い。第1の基板12への接着剤の塗布方法としては、一般的な接着剤用のアプリケーターを用いて接着剤を加熱溶解して塗布する方法がある。
【0023】
1列のロッドレンズ列を備えたロッドレンズアレイを作成する場合は、接着剤18を塗布した第2の基板14を、その接着剤塗布面が第1の基板12に接着(転写)されているロッドレンズ列に対向するように、第1の基板12に接着されたロッドレンズレンズ16の上に載せ、レンズの熱変形温度以下の温度で加熱しながらプレスする。この接着剤18も、硬化後の熱変形温度が、プラスチックロッドレンズの熱変形温度より低い接着剤である。
【0024】
また、本実施形態のように、2列のレンズ列を有するロッドレンズアレイを作成するときには、上記の手順で第1の基板にレンズ列を接着したものを2組作製して、一方(または両方)の基板上のレンズ列にホットメルト接着剤を塗布し、2列のレンズ列が俵積みになるように重ねあわせた後、プラスチックロッドレンズの熱変形温度以下の温度で加熱しながらプレスする。
【0025】
接着剤には、カーボンブラック、染料等の遮光剤をあらかじめ添加しておくことが好ましい。
接着した後、第1の基板12、第2の基板14、プラスチックロッドレンズ16によって構成されたロッドレンズアレイを所望の長さに切断し、各プラスチックロッドレンズ16の両端面を、ダイアモンド刃等を用いて鏡面状に仕上げることにより、本実施形態のロッドレンズアレイ10を得る。
【0026】
なお、以上の製造方法においては、配列治具上に1列目のレンズ列を配置した後、第1の基板12上に接着する例を説明したが、配列治具を用いずに、直接、一定ピッチの溝を有する第1の基板12上に接着剤を塗布しておいて、その上に1列目のレンズ列を形成することも可能である。
また、プラスチックロッドレンズを60℃以上の温度で6時間以上加熱処理する工程は、接着剤でプラスチックロッドレンズを接着固定する以前であればどの段階で行っても良く、例えば、配列治具への配列後に行っても良い。
【0027】
イメージセンサ
次に、本実施形態のロッドレンズアレイのイメージセンサへの使用例を説明する。このイメージセンサは、ロッドレンズアレイとして本実施形態のロッドレンズアレイを利用している点以外は、公知のイメージセンサと同一の構成を備えている。
【0028】
図2は、本実施形態のロッドレンズアレイ10を使用したイメージセンサの主要部の構成を概略的に示す模式的な斜視図であり、図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。図2及び図3に示されているように、図示のイメージセンサは、読み取り原稿を照明するための一対の光源20、20と、読み取り原稿からの反射光を光電変換素子に結像するためのロッドレンズアレイ10と、原稿からの反射光を受光しこれを電気信号に変換する光電変換素子22と、を備えている。光源20は、LEDアレイ24と、LEDアレイ24から出射した光を読み取り原稿に向かってライン状に照射する導光部材26とを備えている。イメージセンサは、さらに、光源20、ロッドレンズアレイ10、光電変換素子22等を収容する筐体28と、読み取り原稿を安定的に固定するカバーガラス30(図2では省略)とを備えている。
【0029】
このイメージセンサでは、LEDアレイ24から出射した光は、読み取り原稿を固定するカバーガラス30に面した導光部材26の切欠き部から、カバーガラス上の読み取り原稿に向けて、図3に鎖線で示されているように出射される。読み取り原稿で反射した光は、図3に一点鎖線で示されているように、ロッドレンズアレイ10によって光電変換素子22上に結像される。
【0030】
光源は、原稿面を照明するためのものでありLEDの他に、白熱電球、冷陰極管などが用いられるが、特定波長の光を利用しやすい点からLEDが好ましい。これらの光源は、特定波長をカットするため、フィルタ素子と組み合わせて用いられるのが好ましい。
【0031】
このイメージセンサは、発光波長の異なる複数種のLEDを用いてカラーイメージセンサとすることもできる。この場合、光源が、青色、緑色および赤色の3色にそれぞれ相当する発光波長の異なる複数のLEDから構成されていることが好ましい。カラーイメージセンサとして用いる場合、発光波長のピークは、色再現性を良くする目的から、それぞれ450〜480nm(青)、510〜560nm(緑)、600〜660nm(赤)とすることが好ましい。このような光源を備えた照明装置においては、光源から導光体に光が入射し、導光体からの出射光が原稿面を照明するように構成されている。
【0032】
このイメージセンサは、使用されているロッドレンズアレイ10が、接着剤の熱変形温度がプラスチックロッドレンズの熱変形温度よりも低いロッドレンズアレイを備えたものであるので、プラスチックロッドレンズの熱変形温度近傍(例えば、70℃以上)の高温環境下で処理した後でも、プラスチックロッドレンズの変形による光学性能低下が小さいため、600dpi以上の高解像度としても、カラー画像のにじみや斑を抑制することができ、優れた読み取り画像の特性を有するものとなる。
【0033】
(プリンタ)
次に、本実施形態のロッドレンズアレイのプリンタへの使用例を説明する。このプリンタは、ロッドレンズアレイとして本実施形態のロッドレンズアレイ10を利用している点以外は、基本的な構成は公知のプリンタと同一である。
図4は、本実施形態のロッドレンズアレイ10を使用したプリンタの主要部の構成を概略的に示す模式的な側面図であり、図5は、図4のプリンタの書き込み部の構成を示す正面からの模式的な拡大図である。図4に示されているように、図示のプリンタは、感光ドラム40を備えている。感光ドラム40の外方には、矢印Aで示す感光ドラム40の回転方向に沿って、除電クリーニングローラ42と、帯電ローラ44と、書き込み部46と、現像部48と、転写ローラ50とが設けられている。また、このプリンタは、プリント用紙を、矢印Bで示す方向に沿って感光ドラム40に供給する搬送機構(図示せず)を備えている。さらに、プリンタは、感光ドラム40の下流側に定着部52を備えている。
【0034】
書き込み部46は、図5に示されているように、プリントする情報に対応した光を照射するように制御されるライン状の光源54と、光源54からの光56を感光ドラム40上に結像させるローラレンズアレイ10とを備えている。光源54は、LEDをアレイ状の配列したLEDチップであるのが好ましい。印刷方式は、特に限定されるものではないが、高速のカラー印刷が可能となるタンデム方式が好ましい。
このプリンタは、ロッドレンズアレイ10が、接着剤の熱変形温度がプラスチックロッドレンズの熱変形温度よりも低いので、高温環境下で処理した後でもレンズの変形による光学性能低下が小さいため、600dpi以上の高解像度としても、印画斑を抑制することができ、優れた印字特性を有するものとなる。
また、プリンタの光源は、LEDアレイに限られるものではなく、液晶シャッター、ELアレイ等でもよい。
【0035】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の変更・変形が可能である。
【0036】
【実施例】
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、各実施例、比較例において、屈折率分布の測定は、カールツァイス社製インターファコ干渉顕微鏡を用い、公知の方法に基づいて行った。また、熱変形温度の測定はASTM D648に規定された方法で測定した。
【0037】
(実施例1)
ロッドレンズアレイ
本実施例においてプラスチックロッドレンズとして、断面の半径rが0.30mm、中心軸の屈折率が1.506、中心軸から0.22r〜0.78rの範囲における屈折率分布が上記式(1)で近似でき、740nmの波長の光についての屈折率分布定数gが0.87mm−1のものを用いた。また、このプラスチックロッドレンズは中心から0.73r〜0.99rの範囲に、染料をほぼ均一に含有する光吸収層を、約78μmの厚みで形成した。このプラスチックロッドレンズの熱変形温度は78℃であった。
このプラスチックロッドレンズを複数本と、フェノール樹脂製で厚さ1.0mmの基板と、接着剤として、カーボンブラックを2質量%添加したダイアボンド工業製のメルトロンB−350(熱可塑性合成ゴムケーシングホットメルト接着剤、硬化後の熱変形温度60℃)を用い、上記実施形態で説明したような方法で、ロッドレンズアレイ(2列)を得た。なお、ロッドレンズアレイのレンズ列内で隣接するプラスチックロッドレンズの配列ピッチは0.61mm、レンズ長は4.2mmとした。
実施例1のロッドレンズアレイの740nmの波長の光についての共役長は9.9mm、12Lp/mmのMTF(modulation transfer function)の平均値は70%であった。また、525nmの波長の光についての共役長は9.1mm、12Lp/mmのMTFの平均値は72%であった。
このロッドレンズアレイを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻して再度特性を測定した。740nmの波長の光についての共役長は9.9mm、12Lp/mmのMTFの平均値は70%であり、特性に変化がなかった。また、525nmの波長の光についての共役長は9.1mm、12Lp/mmのMTFの平均値は72%であり変化がなかった。
【0038】
イメージセンサ
実施例1のロッドレンズアレイを用い、発光波長470nm,525nm,630nmのLEDを用いて解像度600dpiの本発明のカラーイメージセンサを作製した。このイメージセンサでカラー画像を読み取ったところ、色のにじみ印画斑がなく、良好なカラー画像が得られた。
このイメージセンサを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻してカラー画像を読み取ったところ、色のにじみがなく、良好なカラー画像が得られた。
【0039】
プリンタ
実施例1のロッドレンズアレイを用い、解像度600dpiの本発明のプリンタ(LEDの発光波長740nm)を作製した。このプリンタで600dpiのテストチャートをプリントしたところ、印画斑がなく、階調特性にも優れ、良好な印字が得られた。
このプリンタを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻して600dpiのテストチャートをプリントしたところ、印画斑がなく、階調特性にも優れ、良好な印字が得られた。
【0040】
(比較例)
ロッドレンズアレイ
実施例1のプラスチックロッドレンズを用い、接着剤として熱硬化型エポキシ系接着剤(硬化後の熱変形温度100℃)を用い、列内の隣接するプラスチックロッドレンズが密着(すなわち配列ピッチ0.6mm)した形態であること以外は実施例1と同様にして2列のロッドレンズアレイを作製した。
比較例1のロッドレンズアレイの740nmの波長の光についての共役長は9.9mm、12Lp/mmのMTFの平均値は70%であった。また、525nmの波長の光についての共役長は9.1mm、12Lp/mmのMTFの平均値は72%であった。
このロッドレンズアレイを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻して再度特性を測定した。740nmの波長の光についての共役長は9.7mmに変化し、元の共役長(9.9mm)で測定した12Lp/mmのMTFの平均値は65%であり、特性が低下した。また、525nmの波長の光についての共役長は8.9mmに変化し、元の共役長(9.1mm)で測定した12Lp/mmのMTFの平均値は66%であり、特性が低下した。
【0041】
イメージセンサ
比較例1のロッドレンズアレイを用い、実施例1と同様にしてカラーイメージセンサを作製した。このイメージセンサでカラー画像を読み取ったところ、色のにじみ印画斑がなく、良好なカラー画像が得られた。
このイメージセンサを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻してカラー画像を読み取ったところ、色のにじみが発生し、得られたカラー画像の画質が低下した。
【0042】
プリンタ
得られたロッドレンズアレイを用い、実施例1と同様にして解像度600dpiのLEDプリンタを作製した。このプリンタで600dpiのテストチャートをプリントしたところ、印画斑がなく、階調特性にも優れ、良好な印字が得られた。
このプリンタを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻して600dpiのテストチャートをプリントしたところ、印画斑が発生し、階調特性も低下し、印字特性が低下した。
【0043】
(実施例2)
ロッドレンズアレイ
実施例1のプラスチックロッドレンズを、基板への接着に先だって、70℃で48時間熱処理した。このプラスチックロッドレンズの熱変形温度は88℃であった。
このプラスチックロッドレンズを複数本と、フェノール樹脂製で厚さ1.0mmの基板と、接着剤として、カーボンブラックを2質量%添加した積水化学製のエスダイン9607(ウレタン系湿気硬化型接着剤、硬化後の熱変形温度70℃)を用い、接着剤の架橋反応を行うために、40℃相対湿度90%で24時間処理した以外は、実施例1と同様にしてロッドレンズアレイ(2列)を得た。なお、ロッドレンズアレイのレンズ列内で隣接するプラスチックロッドレンズの配列ピッチは0.61mm、レンズ長は4.2mmとした。
実施例2のロッドレンズアレイの740nmの波長の光についての共役長は9.9mm、12Lp/mmのMTFの平均値は71%であった。また、525nmの波長の光についての共役長は9.1mm、12Lp/mmのMTFの平均値は72%であった。
このロッドレンズアレイを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻して再度特性を測定した。740nmの波長の光についての共役長は9.9mm、12Lp/mmのMTFの平均値は71%であり、特性に変化がなかった。また、525nmの波長の光についての共役長は9.1mm、12Lp/mmのMTFの平均値は72%であり変化がなかった。
【0044】
イメージセンサ
実施例2のロッドレンズアレイを用い、実施例1と同様にして解像度600dpiの本発明のカラーイメージセンサを作製した。このイメージセンサでカラー画像を読み取ったところ、色のにじみ印画斑がなく、良好なカラー画像が得られた。
このイメージセンサを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻してカラー画像を読み取ったところ、色のにじみがなく、良好なカラー画像が得られた。
【0045】
プリンタ
実施例2のロッドレンズアレイを用い、解像度600dpiの本発明のプリンタ(LEDの発光波長740nm)を作製した。このプリンタで600dpiのテストチャートをプリントしたところ、印画斑がなく、階調特性にも優れ、良好な印字が得られた。
このプリンタを、75℃の環境下で72時間処理した後、室温に戻して600dpiのテストチャートをプリントしたところ、印画斑がなく、階調特性にも優れ、良好な印字が得られた。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、周辺環境の温度上昇によるレンズの変形が発生しにくく、高解像度の用途に適したロッドレンズアレイ、及び、このようなロッドレンズアレイを備えたイメージセンサ、プリンタが提供される。
また、本発明の製造方法によれば、温度上昇によるレンズの変形が発生しにくく、高解像度の用途に適したロッドレンズアレイ、及び、このようなロッドレンズアレイを備えたイメージセンサ、プリンタが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のロッドレンズアレイの構成を示す模式的な図面である。
【図2】本実施形態のロッドレンズアレイを使用したイメージセンサの主要部の構成を概略的に示す模式的な斜視図である。
【図3】III−III線に沿った断面図である。
【図4】本実施形態のロッドレンズアレイを使用したプリンタの主要部の構成を概略的に示す模式的な側面図である。
【図5】図4のプリンタの書き込み部の構成を示す正面からの模式的な拡大図である。
【符号の説明】
10:ロッドレンズアレイ
12:第1の基板
14:第2の基板
16:プラスチックロッドレンズ
18:接着剤
Claims (7)
- 複数本のプラスチックロッドレンズが、各レンズの中心軸が互いに略平行方向となるように一列に配列され接着剤で固定されたプラスチックロッドレンズ列を少なくとも1列、備えたロッドレンズアレイであって、
前記プラスチックロッドレンズ列内での前記プラスチックロッドレンズの配列ピッチが一定で、
前記接着剤は硬化後の熱変形温度が前記プラスチックロッドレンズの熱変形温度よりも低い、
ことを特徴とするロッドレンズアレイ。 - 前記接着剤が、ホットメルト接着剤である、
請求項1に記載のロッドレンズアレイ。 - プラスチックロッドレンズ列内で隣接するプラスチックロッドレンズが密着していない、
請求項1または2に記載のロッドレンズアレイ。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のロッドレンズアレイを備えている、
ことを特徴とするイメージセンサ。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のロッドレンズアレイを備えている、
ことを特徴とするプリンタ。 - 複数本のプラスチックロッドレンズが、中心軸が互いに略平行方向となるように配列され接着剤で固定されたプラスチックロッドレンズ列を少なくとも1列、備えたロッドレンズアレイの製造方法であって、
中心軸が互いに略平行方向となるように配列された複数本の前記プラスチックロッドレンズを、硬化後の熱変形温度が前記プラスチックロッドレンズの熱変形温度より低い接着剤で固定するステップと、
前記接着剤による固定ステップに先だって、前記プラスチックロッドレンズを、60℃以上の温度で6時間以上、加熱処理する予備加熱ステップを備えている、
ことを特徴とするロッドレンズアレイの製造方法。 - 複数本のプラスチックロッドレンズが、中心軸が互いに略平行方向となるように配列され接着剤で固定されたプラスチックロッドレンズ列を少なくとも1列、備えたロッドレンズアレイの製造方法であって、
中心軸が互いに略平行方向となるように配列された複数本の前記プラスチックロッドレンズを、前記接着剤で固定するステップと、
前記接着剤による固定ステップに先だって、前記プラスチックロッドレンズを、60℃以上の温度で6時間以上、加熱処理する予備加熱ステップを備えている、
ことを特徴とするロッドレンズアレイの製造方法。
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JP2003151197A JP2004206051A (ja) | 2002-10-29 | 2003-05-28 | ロッドレンズアレイ、その製造方法、イメージセンサおよびプリンタ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006181849A (ja) * | 2004-12-27 | 2006-07-13 | Oki Data Corp | レンズアレイ、露光装置及び画像形成装置 |
JP2016060154A (ja) * | 2014-09-19 | 2016-04-25 | 株式会社沖データ | 露光装置及び画像形成装置 |
-
2003
- 2003-05-28 JP JP2003151197A patent/JP2004206051A/ja active Pending
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