JP2004205171A - キッチン及びキッチンの補助部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】厨房室の加熱調理器側と居室との間の側壁を取り除いて開放した場合、居室側から厨房室の加熱調理器側に風が入り込むため、加熱調理器の上方に配設されるレンジフードは効果的に煙や熱気を吸い込むことができないという課題があった。
【解決手段】電熱型加熱調理器14の上部と、レンジフード20の下部との間が開放されている場合、遮蔽ボード40を壁面Aに対して略垂直を形成する位置にキッチンパネル30から引き出すことによって、リビング側Bと厨房側Cとを遮蔽状態とすることができ風除けの効果を奏することが可能になる。これにより、電熱型加熱調理器14にて発生した煙や熱気を効果的にレンジフード20にて吸い込むことが可能になる。一方、不使用時はキッチンパネル30側に収容することによってオープンキッチンのデザインおよび作業性を向上させることが可能になる。
【選択図】 図2
【解決手段】電熱型加熱調理器14の上部と、レンジフード20の下部との間が開放されている場合、遮蔽ボード40を壁面Aに対して略垂直を形成する位置にキッチンパネル30から引き出すことによって、リビング側Bと厨房側Cとを遮蔽状態とすることができ風除けの効果を奏することが可能になる。これにより、電熱型加熱調理器14にて発生した煙や熱気を効果的にレンジフード20にて吸い込むことが可能になる。一方、不使用時はキッチンパネル30側に収容することによってオープンキッチンのデザインおよび作業性を向上させることが可能になる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キッチンおよびキッチンの補助部材に関し、特に、加熱調理器とレンジフードとの間の空間を遮蔽可能なキッチンおよびキッチンの補助部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オープン式や対面式のキッチンにおいて、厨房室を居室から目隠しするものが知られている。かかるキッチンは、厨房室と居室とを遮る遮視板を腰壁に収容可能に設け、不意の来客時等に当該遮視板を引き上げて居室から厨房室を迅速に目隠しすることができるようにしたものである。また、厨房室の加熱調理器が設置される側と居室との間には側壁が設けられ遮断されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−207782号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のキッチンにおいては、厨房室の加熱調理器が設置されている側と居室との間にレンジフードを設置するための側壁が形成されており、この側壁によって完全なオープン式又は対面式のキッチンを作ることができないという課題があった。一方、厨房室の加熱調理器側と居室との間の側壁を取り除いて開放した場合、窓を開けたり扇風機などを使用したりした場合には、加熱調理器周辺の空気流等の影響を受けて、レンジフードにおける煙や熱気等の捕集効率が低下してしまう場合があるという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、オープン式又は対面式のキッチンの利点を損なうことなく、レンジフードの捕集効率の低下を抑制することが可能なキッチンおよびキッチンの補助部材の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、本体上部に配設されたカウンターに設けられる加熱調理器と、上記加熱調理器の上方に配設されたレンジフードとを備えると共に、奥行方向において上記加熱調理器とレンジフードとの間の空間が開放されたキッチンにおいて、上記空間を遮蔽する遮蔽部材を具備する構成としてある。
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、加熱調理器とレンジフードとの間の空間を遮蔽部材にて遮蔽する。これによって、加熱調理器周辺の空気流等の影響を低減させてレンジフードの捕集効率の低下を抑制することが可能となる。
【0007】
遮蔽部材に採用して好適な構成の一例として、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のキッチンにおいて、上記遮蔽部材は、略垂直方向に回転軸を有する略板形状に形成されるとともに、同略板形状を回転軸によって回転させつつ上記空間に配設されて同空間を遮蔽する構成としてある。
上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、遮蔽部材を略板形状にて形成する。そして、この略板形状の略垂直方向に回転軸を備えさせ、空間を遮蔽する場合は、この回転軸によって略板形状を回転させて空間を遮蔽可能な位置に持ってくる。
【0008】
略板形状に形成した遮蔽部材の好適な配置方法の一例として、請求項3にかかる発明は、請求項2に記載のキッチンにおいて、上記本体は、壁面に接して設置されるとともに、上記遮蔽部材は、非遮蔽時に上記略板形状を上記壁面に面して配設され、遮蔽時に上記回転軸にて回転されつつ上記調理側の左右側の上記空間に配設されて同空間を遮蔽する構成としてある。
上記のように構成した請求項3にかかる発明においては、本体を壁面に接するように設置する。かかる場合、非遮蔽時は、この壁面に略板形状を面させておくとともに、遮蔽時に回転軸にて同略板形状を回転させつつ、調理側の左右側の空間を略板形状にて遮蔽する。これによって、非遮蔽時は、壁面に遮蔽部材を収容しておくことができるとともに、遮蔽時には、適宜遮蔽部材にて空間を遮蔽することが可能になる。
【0009】
回転軸にて略板形状の遮蔽部材を回転させて空間を遮蔽し風除けをする場合、適宜所望の位置に略板形状の遮蔽部材を位置決めして固定することができると好適である。そこで、請求項4にかかる発明は、請求項2または請求項3のいずれかに記載のキッチンにおいて、上記遮蔽部材は、上記回転軸に上記板状形状を所定の回転位置に固定可能な位置決め構造を有する構成としてある。
上記のように構成した請求項4にかかる発明においては、遮蔽部材を所定の回転位置に固定する位置決め構造を備えさせる。従って、略板形状の遮蔽部材を回転させつつ空間を遮蔽するに際しては、この位置決め構造にて適宜位置あわせをしつつ、所定位置にて固定させる。従って、遮蔽部材を安定させて空間に配設することが可能になる。
【0010】
遮蔽部材は所定の回転軸にて回転させられつつ空間を遮蔽する。このとき、態様によっては遮蔽部材が加熱調理器の上部を通過する。かかる場合、加熱調理器上に鍋ややかん等の調理器具が載置されていると、遮蔽部材の回転動作の障害になる。そこで、請求項5にかかる発明は、請求項2〜請求項4のいずれかに記載のキッチンにおいて、上記遮蔽部材は、上記略板形状を高さ方向もしくは幅方向に伸縮可能な構造を有する構成としてある。
上記のように構成した請求項5にかかる発明においては、遮蔽部材の略板形状を高さ方向もしくは幅方向に伸縮可能な構造に形成する。これによって、加熱調理器の上方を通過するに際しては、略板形状の遮蔽部材を高さ方向もしくは幅方向に縮小させる。そして、空間を遮蔽する位置に回転させてから、高さ方向もしくは幅方向に伸長させる。これによって、略板形状の遮蔽部材を回転させるに際して加熱調理器上に載置された調理器具に干渉することを防止することができる。
【0011】
遮蔽部材に採用して好適な他の構成の一例として、請求項6にかかる発明は、請求項1に記載のキッチンにおいて、上記遮蔽部材は、遮蔽シートをロール状に巻いて形成するとともに、上記ロール状の遮蔽シートを繰り出すことにより上記空間に配設させて同空間を遮蔽する構成としてある。
上記のように構成した請求項6にかかる発明においては、遮蔽シートをロール状に巻いて遮蔽部材を形成する。かかる場合、空間を遮蔽するに際して、ロール状の遮蔽シートを繰り出す。そして、この繰り出した遮蔽シートを空間に配設させることによってこの空間を遮蔽する。これによって、適宜遮蔽シートを繰り出すことによって空間を遮蔽することができる。
【0012】
遮蔽部材を適宜レンジフードや加熱調理器に取り付けることができると好適である。そこで、請求項7にかかる発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のキッチンにおいて、上記遮蔽部材は、上記加熱調理器の上部略周縁部もしくは上記レンジフードの下部略周縁部に着脱可能に形成される構成としてある。
上記のように構成した請求項7にかかる発明においては、遮蔽部材を加熱調理器の上部略周縁部もしくはレンジフードの下部略周縁部に着脱可能に形成する。これにより、必要に応じて着脱できるため、不必要な場合は遮蔽部材を隠しておくことができるので、キッチンの美観を向上させることが可能になる。
【0013】
加熱調理器の作動に連動させて遮蔽部材による遮蔽を自動的に行うことができると作業性が良くなる。そこで、請求項8にかかる発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載のキッチンにおいて、上記加熱調理器の作動に連動させて上記遮蔽部材を上記空間に配設させて同空間を遮蔽させる遮蔽制御手段を有する構成としてある。
上記のように構成した請求項8にかかる発明においては、遮断制御手段の制御に基づいて、加熱調理器の作動に連動させて遮蔽部材を空間に配設させる。これによって、ユーザは遮蔽部材を適宜操作する必要がないため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0014】
加熱調理器の作動が完了すると、直ぐに遮蔽部材による遮蔽を終了させても良い。しかし、加熱調理器の煙や熱気は加熱調理器の作動が終わった後においても、加熱調理器周辺に残存する。そこで、請求項9にかかる発明は、請求項8に記載のキッチンにおいて、上記遮蔽制御手段は、上記加熱調理器の作動終了後、所定時間が経過した場合に上記遮蔽部材の上記空間における配設状態を解除する構成としてある。
上記のように構成した請求項9にかかる発明において、遮蔽制御手段は加熱調理器の作動終了後、所定時間が経過した場合に、遮蔽部材の上記空間における配設状態を解除する。これによって、加熱調理器周辺に残存する煙や熱気をレンジフードにて捕集することが可能になる。
【0015】
電熱型加熱調理器にて調理した際に発生する油等が飛散することを防ぐため、カウンターにオイルガードが設けられる場合がある。かかる場合においても遮蔽部材を適用すると好適である。そこで、請求項10にかかる発明は、請求項1〜請求項9のいずれかに記載のキッチンにおいて、上記カウンターは、上記加熱調理器の周縁部に所定高さにて立設されて形成されるオイルガードが設けられるとともに、上記遮蔽部材は、同オイルガード面とともに上記空間を遮蔽する構成としてある。
上記のように構成した請求項10にかかる発明においては、カウンターの加熱調理器の周縁部に所定高さのオイルガードが立設されて形成された場合、遮蔽部材およびオイルガード面にて空間を遮蔽する。このとき、遮蔽部材とオイルガードとの隙間が補助上昇気流を生み出し、捕集効率の向上に寄与することとなり好適である。また、遮蔽部材の回転時等においても、電熱型加熱調理器14上から調理器具を退かす必要がなくなり好適である。
【0016】
さらに、上述してきた遮蔽部材はキッチンの一構成としてその機能を発揮し、単独の部材としても取り引きの対象となり得る。従って、かかる機能を発揮するキッチンの補助部材としても本発明が成立することは言うまでない。そこで、請求項11にかかる発明は、本体上面に配設された加熱調理器と同加熱調理器の上方に配設されたレンジフードとの間に配設可能なキッチンの補助部材であって、上記加熱調理器の上部略周縁部とレンジフード側との間の空間もしくは上記レンジフードの下部略周縁部と加熱調理器側との間の空間に配設されるとともに、同空間を遮蔽可能な構成としてある。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、遮蔽部材を空間に配設することにより、加熱調理器とレンジフードとの間の空間を遮蔽することが可能となり、レンジフードの捕集効率の低下を抑制することが可能なキッチンを提供することができる。
また、請求項2にかかる発明によれば、回転軸にて適宜略板形状を回転させつつ空間を遮蔽することが可能になる。
さらに、請求項3にかかる発明によれば、非遮蔽時に略板形状の遮蔽部材を壁面に収容しておくことができるとともに、遮蔽時に適宜遮蔽部材にて空間を遮蔽することが可能になる。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、遮蔽部材を安定させて空間に配設することが可能になる。
【0018】
さらに、請求項5にかかる発明によれば、略板形状の遮蔽部材を回転させるに際して加熱調理器上に載置された調理器具に干渉することを防止することができる。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、遮蔽部材に採用して好適な他の構成を提示できる。
さらに、請求項7にかかる発明によれば、キッチンの美観を向上させることが可能になる。
さらに、請求項8にかかる発明によれば、ユーザは遮蔽部材を適宜操作する必要がないため、ユーザの利便性を向上させることができる。
さらに、請求項9にかかる発明によれば、加熱調理器周辺に残存する煙や熱気をレンジフードにて捕集することが可能になる。
【0019】
さらに、請求項10にかかる発明によれば、より効果的に煙や熱気を捕集することができるとともに、加熱調理器上に載置された調理器具への干渉を防止することが可能になる。
さらに、請求項11にかかる発明によれば、遮蔽部材を空間に配設することにより、加熱調理器とレンジフードとの間の空間を遮蔽することが可能となり、レンジフードの捕集効率の低下を抑制することが可能なキッチンの補助部材を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施形態について説明する。
(1)キッチンの全体構成:
(2)遮蔽部材の構成:
(3)変形例1:
(4)変形例2:
(5)変形例3:
(6)変形例4:
(7)変形例5:
(8)まとめ:
【0021】
(1)キッチンの全体構成:
図1は、本発明にかかるキッチンの全体外観を斜視した外観斜視図である。同図において、キッチン100は、本体10とレンジフード20とを有する構成となっている。本体10は略長方形の箱体にて形成されており、幅方向の一方の端部が壁面Aに接するとともに、幅方向が壁面Aに対して略垂直になるように設置されている。本体10の上部にはカウンター11が配設されている。そして、カウンター11の壁面Aから離れた所定位置にシンク12が形成され、略中央部にはサブシンク13が形成されている。そして、カウンター11の壁面A寄りに電熱型加熱調理器14が設けられている。
【0022】
レンジフード20は電熱型加熱調理器14の上方に壁面Aに対して配設されるとともに、レンジフード20とカウンター11との間にはキッチンパネル30が配設され、壁面Aが汚れないようになっている。本実施形態におけるキッチン100は、リビングBと厨房Cとを本体10を挟んで開放することによって、完全な対面式のオープンキッチンを実現している。このため、デザイン的にも大変優れ、また、完全なオープンキッチンであるため、本体10を挟んでの食器や鍋を遣り取りする作業等の作業性を向上させることができる。特に、本体10における電熱型加熱調理器14部分において、リビングBと厨房Cとが開放されているため、鍋、やかん等をリビングBに運び出したり、電熱型加熱調理器14に置いたりする作業が容易にできる。ここで、かかる構成のキッチン100においては、ユーザが電熱型加熱調理器14を利用して調理を行う場合、調理時に発生する煙や熱気等は、レンジフード20にて捕集され屋外に排出される。
【0023】
しかし、リビングBと厨房Cとの間が開放状態であるため、レンジフード20による煙等の捕集に関しては、電熱型加熱調理器14周辺の空気流の影響を受けやすく、特に、窓を開けたり扇風機などを使用した場合には、煙や熱気等がリビングBに流れ込んだり拡散してしまい、レンジフード20の捕集効率が著しく低下してしまうといった問題点がある。更に、電熱型加熱調理器の場合には、ガス調理器のように周囲の空気が熱せられないことから、加熱調理器の周囲に熱気による上昇気流が発生しないことが多く、周囲の空気流等の影響をより一層受けやすい。そこで、本実施形態においては、調理時等必要に応じて、リビングBと厨房Cとの間を所定の遮蔽部材によって遮蔽し、レンジフード20の捕集効率の低下を抑制することを可能にするとともに、不必要時はこの遮蔽部材を収容してリビングBと厨房Cとを開放状態にすることによって、オープンキッチンのデザイン性や作業性等の利点を損なわないようにすることを可能にする。
【0024】
(2)遮蔽部材の構成:
図2は、上述した機能を実現可能な遮蔽部材の構成の一例を示した構成図である。同図においては、レンジフード20側から電熱型加熱調理器14の上部を観た状態を示している。この遮蔽部材は、所定の板厚を有するとともに、板高さHが略レンジフード20の下端からカウンター11の上面までの高さ寸法よりも若干短い長さに形成され、また、板幅Wが略電熱型加熱調理器14の略長手方向の長さと略同じかやや長く形成された略板形状の遮蔽ボード40を備える構成となっている。この遮蔽ボード40は、キッチンパネル30のリビングB側に配設された蝶番41を介して同キッチンパネル30に対して開閉可能に設けられている。
【0025】
すなわち、閉時は遮蔽ボード40はキッチンパネル30に面するように収容されて、電熱型加熱調理器14とレンジフード20との間は開放される。一方、開時、すなわち、遮蔽時は遮蔽ボード40は壁面Aに対して略垂直となる位置にキッチンパネル30から引き出され、リビングBと厨房Cとを遮蔽状態とすることができる。従って、閉時はオープンキッチンの利点であるデザイン性や作業性を損なうことがなく、開時はレンジフード20の捕集効率の低下を抑制することが可能となる。
【0026】
図3は、上述した遮蔽ボード40の遮蔽時の状態を厨房C側から観た図であり、図4は、同遮蔽ボード40の収容時の状態を同じ方向から観た図である。図において、遮蔽ボード40の自由端上部には、フック挿入孔40aが形成されている。ここで、本実施形態においては、細長に形成するとともに、上端を二股に水平方向に分割しつつ、当該二股の端部を下方に折り返したフック部材50を使用して、遮蔽ボード40の遮蔽時に当該遮蔽ボード40をレンジフード20に対して固定する。かかる場合、レンジフード20の壁面Aから略垂直方向に延びる側面の下部には、フード下端部を内側に所定の長さ折り返すとともに、同内側に折り返した所定の長さのフード下端部をさらに上方に折り返すことによって、折り返し部21が形成してある。
【0027】
そして、遮蔽ボード40をキッチンパネル30から開きつつ、壁面Aに対して略垂直位置となるように配置し、フック部材50の細長形状の下端部をフック挿入孔40aに挿入して遮蔽ボード40に装着するとともに、同フック部材50上端に形成された折り返し部をレンジフード20の折り返し部21に引き掛けることによって、同位置にて遮蔽ボード40を固定する。一方、収容時には、キッチンパネル30の上部に配設した、上部が開放されているフック掛部材31に、フック部材50の上端に形成された折り返し部を引き掛けることによって、遮蔽ボード40をキッチンパネル30に面するように収容する。
【0028】
ここで、本実施形態においては、蝶番41を使用して遮蔽ボード40を開閉するとともに、フック部材50をレンジフード20の折り返し部21に引き掛けることにより同遮蔽ボード40の遮蔽状態を固定する構成を採用した。むろん、遮蔽ボード40を固定する構成はこれに限定されるものではなく、例えば、蝶番に所定位置にて位置決め固定することが可能な構造を採用し、適宜所望の遮蔽位置にて遮蔽ボード40を停止させて固定する構成を採用しても良い。 また、上述してきた遮蔽ボード40を形成する素材としては、ステンレス、アルミ、チタン等の金属を採用すると、外観を美しくすることができるとともに、お手入れ性、耐食性を確保することができて好ましい。
【0029】
上述した遮蔽ボード40を採用することにより、調理時等、必要な場面で電熱型加熱調理器14の上方についてリビングBと厨房Cとを遮蔽することによって、電熱型加熱調理器14周囲に発生する空気流等の影響を低減させてレンジフード20の捕集効率の低下を抑制することを可能にした。一方、このような遮蔽ボード40を開閉させるにあたり、同遮蔽ボード40の下辺は電熱型加熱調理器14の上面付近を通過することになる。このとき、電熱型加熱調理器14上に鍋等が載置されていると、遮蔽ボード40の開閉動作の障害になる。従って、同遮蔽ボード40の開閉時には電熱型加熱調理器14上に載置された鍋等を退かす必要があり煩雑である。かかる場合、同電熱型加熱調理器14上の鍋等を退かすことなく、遮蔽ボード40の開閉動作を行うことができると好適である。
【0030】
(3)変形例1:
図5は、かかる機能を実現可能にする遮蔽ボードの構成を示した構成図である。同図においては、遮蔽ボード401に同遮蔽ボード401を幅方向に伸縮可能な蛇腹構造401aを形成する。かかる場合、この蛇腹構造401aを収縮させた状態でキッチンパネル30に対して収容しておく。そして、遮蔽時には遮蔽ボード401を壁面Aに対して略垂直になる位置に同蛇腹構造401aを伸長させるとともに、フック部材50を使用して上述したように遮蔽ボード401をレンジフード20に固定する。
【0031】
これにより、開閉動作時は電熱型加熱調理器14の上面付近を通過することがないため、同電熱型加熱調理器14上に鍋等が載置されていたとしても障害にならない。また、上述した実施形態においては蛇腹構造401aを採用して遮蔽ボード401を幅方向に伸縮可能にしたが、むろん、図7に示すように、高さ方向に伸縮可能な蛇腹構造402aを有する遮蔽ボード402を採用しても同等の効果を奏することが可能になることは言うまでもない。
【0032】
上述してきた実施形態においては、閉時に遮蔽ボード40をキッチンパネル30に面するように収容し、開時に同遮蔽ボード40を引き出してリビングBと厨房Cとの間を遮蔽する構成を採用した。このように、遮蔽ボード40を必要に応じて遮蔽および収容することによって、オープンキッチンのデザイン性および作業性を損なうことなく、電熱型加熱調理器14周囲に生じる空気流等を遮蔽し、レンジフード20の捕集効率の低下を抑制することを可能にした。このように必要に応じて遮蔽ボードの遮蔽および収容を行うという観点においては、遮蔽ボードを着脱可能とし、必要時にリビングBと厨房Cとの間を遮蔽可能に取り付けし、不必要時に取り外すという構成を考えることができる。この場合においても、上述したオープンキッチンのデザイン性および作業性を損なわせることが無いとともに、キッチンパネル30側に収容構造等を設ける必要がないため、構成を簡素化することができる。
【0033】
(4)変形例2:
図8は、このような着脱可能な遮蔽ボードの構成の一例を示した構成図である。同図においては、壁面Aもしくはキッチンパネル30の所定位置にスポット部材403a,403bを設置する。このスポット部材403aは、下方に開口した細中空形状の挿入孔403cが形成されているとともに、スポット部材403bは、上方に開口した細中空形状の挿入孔403dが形成されている。スポット部材403a,403bは、挿入孔403dの開口面から挿入孔403dの開口面までの距離が遮蔽ボード403の高さ寸法より若干長めになるように設置されている。そして、遮蔽ボード403の上下端面における幅方向の一方の端部には、上下方向に立設された略棒形状の挿入部材403e,403fが形成されている。ここで、挿入部材403eは遮蔽ボード403に形成された細孔に装着されるとともに、同細孔内部に配設されるバネ403gにて支持されている。
【0034】
従って、同挿入部材403eはこのバネ403gの作用に基づいて上下動作可能になっている。一方、挿入部材403fは遮蔽ボード403に対して固定されている。かかる構成において、遮蔽ボード403を装着して遮蔽を行うに際しては、先ず、挿入部材403eをスポット部材403aの挿入孔403cに差し込む。次に、遮蔽ボード402を押し上げて挿入部材403eをバネ403gの付勢に抗させて押し下げつつ同挿入部材403fを挿入孔403dに差し込む。これにより、挿入部材403eはバネ403gによって付勢され挿入孔403cに係止され、遮蔽ボード403は遮蔽状態として取り付けられる。一方、遮蔽ボード403を取り外す場合は遮蔽ボード403を押し上げて挿入部材403eをバネ403gの付勢に抗させて押し下げつつ取り外す。
【0035】
また、図9は、着脱可能な遮蔽ボードの他の構成の一例を示した構成図である。同図においては、遮蔽ボード404の上部に上端が水平方向に二股に分かれるとともに、この二股の端部が下方に折り返しされてフック部が形成されたフック部材404a,404bを配設する。そして、このフック部材404a,404bを上述したレンジフード20の折り返し部21に引き掛けることによって、遮蔽ボード404を装着する。ここで、本実施形態においては詳述しないが、遮蔽ボード404をフック部材404a,404bにてレンジフード20の折り返し部21に装着した際に、ナット等の固定手段を利用してフック部材404a,404bをレンジフード20の折り返し部21に固定するようにしても良い。また、キッチンパネル30や壁面A等に図示しないフック部材等を設けておき、収容時には、遮蔽ボード404を当該フック等に引っ掛けて収容する。
【0036】
(5)変形例3:
必要時に電熱型加熱調理器14とレンジフード20との間の空間について、リビングBと厨房Cとを遮蔽部材にて遮蔽し、不必要時にこの遮蔽部材を収容する機能を実現可能とする遮蔽ボードの他の構成を図11に示す。同図においては、レンジフード20のリビングB側の側面に回転軸405aを有する遮蔽ボード405を採用する。かかる場合、収容時は遮蔽ボード405をレンジフード20下面に面するように収容するとともに、遮蔽時は遮蔽ボード405を略垂直方向に下降させる。
【0037】
(6)変形例4:
さらに、必要時に電熱型加熱調理器14とレンジフード20との間の空間について、リビングBと厨房Cとを遮蔽部材にて遮蔽し、不必要時にこの遮蔽部材を収容する機能を実現可能とする遮蔽ボードの他の構成を図12および図13に示す。図においては、遮蔽部材として遮蔽シート406を採用する。かかる場合、同遮蔽シート406を巻いてロール状とし、格納箱406aに格納する。そして、必要時にロール状の遮蔽シート406を引いて繰り出し、リビングBと厨房Cとの間を遮蔽可能にする。一方、不必要時は遮蔽シート406を巻き戻して格納箱406aに収容する。
【0038】
リビングBと厨房Cとの間の空間は電熱型加熱調理器14を使用するときに遮蔽が必要となり、電熱型加熱調理器14を使用しないときに不必要となる。従って、この電熱型加熱調理器14の作動状態に応じて、自動的に上述した遮蔽シート406を繰り出して同空間の遮蔽を行うとともに、巻き取って収容をすることができると、ユーザの作業性が向上して好適である。
【0039】
図14は、かかる機能を実現可能な制御システムの構成を示した構成図である。同図において、遮蔽シート406のロール軸に対して回転動作を伝達可能にモータ406bを接続する。そして、このモータ406bの回転制御を行うコントローラ406cを配置し、同コントローラ406cに電熱型加熱調理器14の作動/停止を認識可能な制御信号を入力させる。コントローラ406cはこの制御信号に応じてモータ406bの回転動作を制御し、遮蔽シート406を繰り出したり巻き取ったりすることにより、同遮蔽シート406による上記空間の遮蔽および同遮蔽シート406の格納箱406aへの収容を実行する。ここで、上述した制御信号は、有線にてコントローラ406cに入力させても良いし、赤外線明滅信号等を使用して無線にてコントローラ406cに入力させても良い。また、このような自動システムは、遮蔽部材が遮蔽シート406の態様に限定されるものではなく、遮蔽ボード40,401〜405の場合においても適宜適用可能である。かかる場合、例えば回転軸等にモータを接続するように構成すれば良く、その制御方法は設計事項である。
【0040】
ここで、上述した制御システムが実行する遮蔽制御処理の処理内容を図15のフローチャートに示す。同図において、先ず最初に電熱型加熱調理器14が作動されたか否かを判別する(ステップS100)。電熱型加熱調理器14が作動された場合は、モータ406bを遮蔽シート406の繰り出し方向に回転動作させることにより、同遮蔽シート406を下降させる(ステップS105)。そして、遮蔽シート406が所定の長さ繰り出されると(ステップS110)、モータ406bの回転動作を停止させることにより、遮蔽シート406の下降動作を停止させる(ステップS115)。
【0041】
これによって、遮蔽シート406による遮蔽が行われることになる。一方、電熱型加熱調理器14の作動が停止されると(ステップS120)、停止後から所定時間経過したか否かを判別し(ステップS125)、所定時間経過が判別された場合に、モータ406bを遮蔽シート406の巻き取り方向に回転動作させることにより、同遮蔽シート406を上昇させて格納箱406aに収容する(ステップS130)。このように電熱型加熱調理器14の作動が停止してから所定時間経過後に遮蔽シート406の遮蔽を解除することにより、電熱型加熱調理器14の使用後に同電熱型加熱調理器14周辺に残存する煙や熱気等をレンジフード20にて捕集することが可能となり好適である。
【0042】
(7)変形例5:
電熱型加熱調理器14にて調理した際に発生する油等が飛散することを防ぐため、図16に示すようにカウンター11にはオイルガードが設けられることがある。このようにオイルガード60を設けた場合においても、上述してきた遮蔽ボード40等をキッチン10に適用することができることは言うまでもない。かかる場合は、オイルガード60の高さを考慮して遮蔽ボード40等の板高さHを形成すれば良い。このようにオイルガード60を設けた場合、遮蔽ボード40等とオイルガード60との隙間が補助上昇気流を生み出し、捕集効率の向上に寄与することとなり好適である。また、遮蔽ボード40等の回転時等においても、鍋等を電熱型加熱調理器14上から退かす必要がなくなり好適である。
【0043】
(8)まとめ:
このように、リビングBと厨房Cとで電熱型加熱調理器14とレンジフード20との間が開放されている場合、遮蔽ボード40を壁面Aに対して略垂直となる位置にキッチンパネル30から引き出すことによって、リビングBと厨房Cとを遮蔽状態とすることが可能になる。これにより、電熱型加熱調理器14周囲の空気流等の影響を低減させてレンジフード20の捕集効率の低下を抑制することができる。一方、不使用時はキッチンパネル30側に収容することによってオープンキッチンのデザインおよび作業性を維持させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるキッチンの全体外観を斜視した外観斜視図である。
【図2】遮蔽部材の構成をレンジフード側から観た場合の構成図である。
【図3】遮蔽ボードの遮蔽時の状態を電熱型加熱調理器の調理側から観た図である。
【図4】遮蔽ボードの収容時の状態を電熱型加熱調理器の調理側から観た図である。
【図5】幅方向に伸縮可能な遮蔽ボードの構成を示した構成図である。
【図6】レンジフード側から電熱型加熱調理器を観た図である。
【図7】高さ方向に伸縮可能な遮蔽ボードの構成を示した構成図である。
【図8】着脱可能な遮蔽ボードの構成を示した構成図である。
【図9】着脱可能な遮蔽ボードの構成を示した構成図である。
【図10】着脱可能な遮蔽ボードの構成を示した構成図である。
【図11】遮蔽部材の他の構成の一例を示した構成図である。
【図12】遮蔽部材の他の構成の一例を示した構成図である。
【図13】遮蔽部材の他の構成の一例を示した構成図である。
【図14】制御システムの概略構成を示した構成図である。
【図15】遮蔽制御処理の処理内容を示したフローチャートである。
【図16】キッチンの全体外観を斜視した外観斜視図である。
【符号の説明】
100…キッチン
10…本体
11…カウンター
12…シンク
13…サブシンク
14…電熱型加熱調理器
20…レンジフード
21…折り返し部
30…キッチンパネル
31…フック掛部材
40…遮蔽ボード
40a…フック挿入孔
41…蝶番
50…フック部材
A…壁面
B…リビング
C…厨房
【発明の属する技術分野】
本発明は、キッチンおよびキッチンの補助部材に関し、特に、加熱調理器とレンジフードとの間の空間を遮蔽可能なキッチンおよびキッチンの補助部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オープン式や対面式のキッチンにおいて、厨房室を居室から目隠しするものが知られている。かかるキッチンは、厨房室と居室とを遮る遮視板を腰壁に収容可能に設け、不意の来客時等に当該遮視板を引き上げて居室から厨房室を迅速に目隠しすることができるようにしたものである。また、厨房室の加熱調理器が設置される側と居室との間には側壁が設けられ遮断されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−207782号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のキッチンにおいては、厨房室の加熱調理器が設置されている側と居室との間にレンジフードを設置するための側壁が形成されており、この側壁によって完全なオープン式又は対面式のキッチンを作ることができないという課題があった。一方、厨房室の加熱調理器側と居室との間の側壁を取り除いて開放した場合、窓を開けたり扇風機などを使用したりした場合には、加熱調理器周辺の空気流等の影響を受けて、レンジフードにおける煙や熱気等の捕集効率が低下してしまう場合があるという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、オープン式又は対面式のキッチンの利点を損なうことなく、レンジフードの捕集効率の低下を抑制することが可能なキッチンおよびキッチンの補助部材の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、本体上部に配設されたカウンターに設けられる加熱調理器と、上記加熱調理器の上方に配設されたレンジフードとを備えると共に、奥行方向において上記加熱調理器とレンジフードとの間の空間が開放されたキッチンにおいて、上記空間を遮蔽する遮蔽部材を具備する構成としてある。
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、加熱調理器とレンジフードとの間の空間を遮蔽部材にて遮蔽する。これによって、加熱調理器周辺の空気流等の影響を低減させてレンジフードの捕集効率の低下を抑制することが可能となる。
【0007】
遮蔽部材に採用して好適な構成の一例として、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のキッチンにおいて、上記遮蔽部材は、略垂直方向に回転軸を有する略板形状に形成されるとともに、同略板形状を回転軸によって回転させつつ上記空間に配設されて同空間を遮蔽する構成としてある。
上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、遮蔽部材を略板形状にて形成する。そして、この略板形状の略垂直方向に回転軸を備えさせ、空間を遮蔽する場合は、この回転軸によって略板形状を回転させて空間を遮蔽可能な位置に持ってくる。
【0008】
略板形状に形成した遮蔽部材の好適な配置方法の一例として、請求項3にかかる発明は、請求項2に記載のキッチンにおいて、上記本体は、壁面に接して設置されるとともに、上記遮蔽部材は、非遮蔽時に上記略板形状を上記壁面に面して配設され、遮蔽時に上記回転軸にて回転されつつ上記調理側の左右側の上記空間に配設されて同空間を遮蔽する構成としてある。
上記のように構成した請求項3にかかる発明においては、本体を壁面に接するように設置する。かかる場合、非遮蔽時は、この壁面に略板形状を面させておくとともに、遮蔽時に回転軸にて同略板形状を回転させつつ、調理側の左右側の空間を略板形状にて遮蔽する。これによって、非遮蔽時は、壁面に遮蔽部材を収容しておくことができるとともに、遮蔽時には、適宜遮蔽部材にて空間を遮蔽することが可能になる。
【0009】
回転軸にて略板形状の遮蔽部材を回転させて空間を遮蔽し風除けをする場合、適宜所望の位置に略板形状の遮蔽部材を位置決めして固定することができると好適である。そこで、請求項4にかかる発明は、請求項2または請求項3のいずれかに記載のキッチンにおいて、上記遮蔽部材は、上記回転軸に上記板状形状を所定の回転位置に固定可能な位置決め構造を有する構成としてある。
上記のように構成した請求項4にかかる発明においては、遮蔽部材を所定の回転位置に固定する位置決め構造を備えさせる。従って、略板形状の遮蔽部材を回転させつつ空間を遮蔽するに際しては、この位置決め構造にて適宜位置あわせをしつつ、所定位置にて固定させる。従って、遮蔽部材を安定させて空間に配設することが可能になる。
【0010】
遮蔽部材は所定の回転軸にて回転させられつつ空間を遮蔽する。このとき、態様によっては遮蔽部材が加熱調理器の上部を通過する。かかる場合、加熱調理器上に鍋ややかん等の調理器具が載置されていると、遮蔽部材の回転動作の障害になる。そこで、請求項5にかかる発明は、請求項2〜請求項4のいずれかに記載のキッチンにおいて、上記遮蔽部材は、上記略板形状を高さ方向もしくは幅方向に伸縮可能な構造を有する構成としてある。
上記のように構成した請求項5にかかる発明においては、遮蔽部材の略板形状を高さ方向もしくは幅方向に伸縮可能な構造に形成する。これによって、加熱調理器の上方を通過するに際しては、略板形状の遮蔽部材を高さ方向もしくは幅方向に縮小させる。そして、空間を遮蔽する位置に回転させてから、高さ方向もしくは幅方向に伸長させる。これによって、略板形状の遮蔽部材を回転させるに際して加熱調理器上に載置された調理器具に干渉することを防止することができる。
【0011】
遮蔽部材に採用して好適な他の構成の一例として、請求項6にかかる発明は、請求項1に記載のキッチンにおいて、上記遮蔽部材は、遮蔽シートをロール状に巻いて形成するとともに、上記ロール状の遮蔽シートを繰り出すことにより上記空間に配設させて同空間を遮蔽する構成としてある。
上記のように構成した請求項6にかかる発明においては、遮蔽シートをロール状に巻いて遮蔽部材を形成する。かかる場合、空間を遮蔽するに際して、ロール状の遮蔽シートを繰り出す。そして、この繰り出した遮蔽シートを空間に配設させることによってこの空間を遮蔽する。これによって、適宜遮蔽シートを繰り出すことによって空間を遮蔽することができる。
【0012】
遮蔽部材を適宜レンジフードや加熱調理器に取り付けることができると好適である。そこで、請求項7にかかる発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のキッチンにおいて、上記遮蔽部材は、上記加熱調理器の上部略周縁部もしくは上記レンジフードの下部略周縁部に着脱可能に形成される構成としてある。
上記のように構成した請求項7にかかる発明においては、遮蔽部材を加熱調理器の上部略周縁部もしくはレンジフードの下部略周縁部に着脱可能に形成する。これにより、必要に応じて着脱できるため、不必要な場合は遮蔽部材を隠しておくことができるので、キッチンの美観を向上させることが可能になる。
【0013】
加熱調理器の作動に連動させて遮蔽部材による遮蔽を自動的に行うことができると作業性が良くなる。そこで、請求項8にかかる発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載のキッチンにおいて、上記加熱調理器の作動に連動させて上記遮蔽部材を上記空間に配設させて同空間を遮蔽させる遮蔽制御手段を有する構成としてある。
上記のように構成した請求項8にかかる発明においては、遮断制御手段の制御に基づいて、加熱調理器の作動に連動させて遮蔽部材を空間に配設させる。これによって、ユーザは遮蔽部材を適宜操作する必要がないため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0014】
加熱調理器の作動が完了すると、直ぐに遮蔽部材による遮蔽を終了させても良い。しかし、加熱調理器の煙や熱気は加熱調理器の作動が終わった後においても、加熱調理器周辺に残存する。そこで、請求項9にかかる発明は、請求項8に記載のキッチンにおいて、上記遮蔽制御手段は、上記加熱調理器の作動終了後、所定時間が経過した場合に上記遮蔽部材の上記空間における配設状態を解除する構成としてある。
上記のように構成した請求項9にかかる発明において、遮蔽制御手段は加熱調理器の作動終了後、所定時間が経過した場合に、遮蔽部材の上記空間における配設状態を解除する。これによって、加熱調理器周辺に残存する煙や熱気をレンジフードにて捕集することが可能になる。
【0015】
電熱型加熱調理器にて調理した際に発生する油等が飛散することを防ぐため、カウンターにオイルガードが設けられる場合がある。かかる場合においても遮蔽部材を適用すると好適である。そこで、請求項10にかかる発明は、請求項1〜請求項9のいずれかに記載のキッチンにおいて、上記カウンターは、上記加熱調理器の周縁部に所定高さにて立設されて形成されるオイルガードが設けられるとともに、上記遮蔽部材は、同オイルガード面とともに上記空間を遮蔽する構成としてある。
上記のように構成した請求項10にかかる発明においては、カウンターの加熱調理器の周縁部に所定高さのオイルガードが立設されて形成された場合、遮蔽部材およびオイルガード面にて空間を遮蔽する。このとき、遮蔽部材とオイルガードとの隙間が補助上昇気流を生み出し、捕集効率の向上に寄与することとなり好適である。また、遮蔽部材の回転時等においても、電熱型加熱調理器14上から調理器具を退かす必要がなくなり好適である。
【0016】
さらに、上述してきた遮蔽部材はキッチンの一構成としてその機能を発揮し、単独の部材としても取り引きの対象となり得る。従って、かかる機能を発揮するキッチンの補助部材としても本発明が成立することは言うまでない。そこで、請求項11にかかる発明は、本体上面に配設された加熱調理器と同加熱調理器の上方に配設されたレンジフードとの間に配設可能なキッチンの補助部材であって、上記加熱調理器の上部略周縁部とレンジフード側との間の空間もしくは上記レンジフードの下部略周縁部と加熱調理器側との間の空間に配設されるとともに、同空間を遮蔽可能な構成としてある。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、遮蔽部材を空間に配設することにより、加熱調理器とレンジフードとの間の空間を遮蔽することが可能となり、レンジフードの捕集効率の低下を抑制することが可能なキッチンを提供することができる。
また、請求項2にかかる発明によれば、回転軸にて適宜略板形状を回転させつつ空間を遮蔽することが可能になる。
さらに、請求項3にかかる発明によれば、非遮蔽時に略板形状の遮蔽部材を壁面に収容しておくことができるとともに、遮蔽時に適宜遮蔽部材にて空間を遮蔽することが可能になる。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、遮蔽部材を安定させて空間に配設することが可能になる。
【0018】
さらに、請求項5にかかる発明によれば、略板形状の遮蔽部材を回転させるに際して加熱調理器上に載置された調理器具に干渉することを防止することができる。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、遮蔽部材に採用して好適な他の構成を提示できる。
さらに、請求項7にかかる発明によれば、キッチンの美観を向上させることが可能になる。
さらに、請求項8にかかる発明によれば、ユーザは遮蔽部材を適宜操作する必要がないため、ユーザの利便性を向上させることができる。
さらに、請求項9にかかる発明によれば、加熱調理器周辺に残存する煙や熱気をレンジフードにて捕集することが可能になる。
【0019】
さらに、請求項10にかかる発明によれば、より効果的に煙や熱気を捕集することができるとともに、加熱調理器上に載置された調理器具への干渉を防止することが可能になる。
さらに、請求項11にかかる発明によれば、遮蔽部材を空間に配設することにより、加熱調理器とレンジフードとの間の空間を遮蔽することが可能となり、レンジフードの捕集効率の低下を抑制することが可能なキッチンの補助部材を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施形態について説明する。
(1)キッチンの全体構成:
(2)遮蔽部材の構成:
(3)変形例1:
(4)変形例2:
(5)変形例3:
(6)変形例4:
(7)変形例5:
(8)まとめ:
【0021】
(1)キッチンの全体構成:
図1は、本発明にかかるキッチンの全体外観を斜視した外観斜視図である。同図において、キッチン100は、本体10とレンジフード20とを有する構成となっている。本体10は略長方形の箱体にて形成されており、幅方向の一方の端部が壁面Aに接するとともに、幅方向が壁面Aに対して略垂直になるように設置されている。本体10の上部にはカウンター11が配設されている。そして、カウンター11の壁面Aから離れた所定位置にシンク12が形成され、略中央部にはサブシンク13が形成されている。そして、カウンター11の壁面A寄りに電熱型加熱調理器14が設けられている。
【0022】
レンジフード20は電熱型加熱調理器14の上方に壁面Aに対して配設されるとともに、レンジフード20とカウンター11との間にはキッチンパネル30が配設され、壁面Aが汚れないようになっている。本実施形態におけるキッチン100は、リビングBと厨房Cとを本体10を挟んで開放することによって、完全な対面式のオープンキッチンを実現している。このため、デザイン的にも大変優れ、また、完全なオープンキッチンであるため、本体10を挟んでの食器や鍋を遣り取りする作業等の作業性を向上させることができる。特に、本体10における電熱型加熱調理器14部分において、リビングBと厨房Cとが開放されているため、鍋、やかん等をリビングBに運び出したり、電熱型加熱調理器14に置いたりする作業が容易にできる。ここで、かかる構成のキッチン100においては、ユーザが電熱型加熱調理器14を利用して調理を行う場合、調理時に発生する煙や熱気等は、レンジフード20にて捕集され屋外に排出される。
【0023】
しかし、リビングBと厨房Cとの間が開放状態であるため、レンジフード20による煙等の捕集に関しては、電熱型加熱調理器14周辺の空気流の影響を受けやすく、特に、窓を開けたり扇風機などを使用した場合には、煙や熱気等がリビングBに流れ込んだり拡散してしまい、レンジフード20の捕集効率が著しく低下してしまうといった問題点がある。更に、電熱型加熱調理器の場合には、ガス調理器のように周囲の空気が熱せられないことから、加熱調理器の周囲に熱気による上昇気流が発生しないことが多く、周囲の空気流等の影響をより一層受けやすい。そこで、本実施形態においては、調理時等必要に応じて、リビングBと厨房Cとの間を所定の遮蔽部材によって遮蔽し、レンジフード20の捕集効率の低下を抑制することを可能にするとともに、不必要時はこの遮蔽部材を収容してリビングBと厨房Cとを開放状態にすることによって、オープンキッチンのデザイン性や作業性等の利点を損なわないようにすることを可能にする。
【0024】
(2)遮蔽部材の構成:
図2は、上述した機能を実現可能な遮蔽部材の構成の一例を示した構成図である。同図においては、レンジフード20側から電熱型加熱調理器14の上部を観た状態を示している。この遮蔽部材は、所定の板厚を有するとともに、板高さHが略レンジフード20の下端からカウンター11の上面までの高さ寸法よりも若干短い長さに形成され、また、板幅Wが略電熱型加熱調理器14の略長手方向の長さと略同じかやや長く形成された略板形状の遮蔽ボード40を備える構成となっている。この遮蔽ボード40は、キッチンパネル30のリビングB側に配設された蝶番41を介して同キッチンパネル30に対して開閉可能に設けられている。
【0025】
すなわち、閉時は遮蔽ボード40はキッチンパネル30に面するように収容されて、電熱型加熱調理器14とレンジフード20との間は開放される。一方、開時、すなわち、遮蔽時は遮蔽ボード40は壁面Aに対して略垂直となる位置にキッチンパネル30から引き出され、リビングBと厨房Cとを遮蔽状態とすることができる。従って、閉時はオープンキッチンの利点であるデザイン性や作業性を損なうことがなく、開時はレンジフード20の捕集効率の低下を抑制することが可能となる。
【0026】
図3は、上述した遮蔽ボード40の遮蔽時の状態を厨房C側から観た図であり、図4は、同遮蔽ボード40の収容時の状態を同じ方向から観た図である。図において、遮蔽ボード40の自由端上部には、フック挿入孔40aが形成されている。ここで、本実施形態においては、細長に形成するとともに、上端を二股に水平方向に分割しつつ、当該二股の端部を下方に折り返したフック部材50を使用して、遮蔽ボード40の遮蔽時に当該遮蔽ボード40をレンジフード20に対して固定する。かかる場合、レンジフード20の壁面Aから略垂直方向に延びる側面の下部には、フード下端部を内側に所定の長さ折り返すとともに、同内側に折り返した所定の長さのフード下端部をさらに上方に折り返すことによって、折り返し部21が形成してある。
【0027】
そして、遮蔽ボード40をキッチンパネル30から開きつつ、壁面Aに対して略垂直位置となるように配置し、フック部材50の細長形状の下端部をフック挿入孔40aに挿入して遮蔽ボード40に装着するとともに、同フック部材50上端に形成された折り返し部をレンジフード20の折り返し部21に引き掛けることによって、同位置にて遮蔽ボード40を固定する。一方、収容時には、キッチンパネル30の上部に配設した、上部が開放されているフック掛部材31に、フック部材50の上端に形成された折り返し部を引き掛けることによって、遮蔽ボード40をキッチンパネル30に面するように収容する。
【0028】
ここで、本実施形態においては、蝶番41を使用して遮蔽ボード40を開閉するとともに、フック部材50をレンジフード20の折り返し部21に引き掛けることにより同遮蔽ボード40の遮蔽状態を固定する構成を採用した。むろん、遮蔽ボード40を固定する構成はこれに限定されるものではなく、例えば、蝶番に所定位置にて位置決め固定することが可能な構造を採用し、適宜所望の遮蔽位置にて遮蔽ボード40を停止させて固定する構成を採用しても良い。 また、上述してきた遮蔽ボード40を形成する素材としては、ステンレス、アルミ、チタン等の金属を採用すると、外観を美しくすることができるとともに、お手入れ性、耐食性を確保することができて好ましい。
【0029】
上述した遮蔽ボード40を採用することにより、調理時等、必要な場面で電熱型加熱調理器14の上方についてリビングBと厨房Cとを遮蔽することによって、電熱型加熱調理器14周囲に発生する空気流等の影響を低減させてレンジフード20の捕集効率の低下を抑制することを可能にした。一方、このような遮蔽ボード40を開閉させるにあたり、同遮蔽ボード40の下辺は電熱型加熱調理器14の上面付近を通過することになる。このとき、電熱型加熱調理器14上に鍋等が載置されていると、遮蔽ボード40の開閉動作の障害になる。従って、同遮蔽ボード40の開閉時には電熱型加熱調理器14上に載置された鍋等を退かす必要があり煩雑である。かかる場合、同電熱型加熱調理器14上の鍋等を退かすことなく、遮蔽ボード40の開閉動作を行うことができると好適である。
【0030】
(3)変形例1:
図5は、かかる機能を実現可能にする遮蔽ボードの構成を示した構成図である。同図においては、遮蔽ボード401に同遮蔽ボード401を幅方向に伸縮可能な蛇腹構造401aを形成する。かかる場合、この蛇腹構造401aを収縮させた状態でキッチンパネル30に対して収容しておく。そして、遮蔽時には遮蔽ボード401を壁面Aに対して略垂直になる位置に同蛇腹構造401aを伸長させるとともに、フック部材50を使用して上述したように遮蔽ボード401をレンジフード20に固定する。
【0031】
これにより、開閉動作時は電熱型加熱調理器14の上面付近を通過することがないため、同電熱型加熱調理器14上に鍋等が載置されていたとしても障害にならない。また、上述した実施形態においては蛇腹構造401aを採用して遮蔽ボード401を幅方向に伸縮可能にしたが、むろん、図7に示すように、高さ方向に伸縮可能な蛇腹構造402aを有する遮蔽ボード402を採用しても同等の効果を奏することが可能になることは言うまでもない。
【0032】
上述してきた実施形態においては、閉時に遮蔽ボード40をキッチンパネル30に面するように収容し、開時に同遮蔽ボード40を引き出してリビングBと厨房Cとの間を遮蔽する構成を採用した。このように、遮蔽ボード40を必要に応じて遮蔽および収容することによって、オープンキッチンのデザイン性および作業性を損なうことなく、電熱型加熱調理器14周囲に生じる空気流等を遮蔽し、レンジフード20の捕集効率の低下を抑制することを可能にした。このように必要に応じて遮蔽ボードの遮蔽および収容を行うという観点においては、遮蔽ボードを着脱可能とし、必要時にリビングBと厨房Cとの間を遮蔽可能に取り付けし、不必要時に取り外すという構成を考えることができる。この場合においても、上述したオープンキッチンのデザイン性および作業性を損なわせることが無いとともに、キッチンパネル30側に収容構造等を設ける必要がないため、構成を簡素化することができる。
【0033】
(4)変形例2:
図8は、このような着脱可能な遮蔽ボードの構成の一例を示した構成図である。同図においては、壁面Aもしくはキッチンパネル30の所定位置にスポット部材403a,403bを設置する。このスポット部材403aは、下方に開口した細中空形状の挿入孔403cが形成されているとともに、スポット部材403bは、上方に開口した細中空形状の挿入孔403dが形成されている。スポット部材403a,403bは、挿入孔403dの開口面から挿入孔403dの開口面までの距離が遮蔽ボード403の高さ寸法より若干長めになるように設置されている。そして、遮蔽ボード403の上下端面における幅方向の一方の端部には、上下方向に立設された略棒形状の挿入部材403e,403fが形成されている。ここで、挿入部材403eは遮蔽ボード403に形成された細孔に装着されるとともに、同細孔内部に配設されるバネ403gにて支持されている。
【0034】
従って、同挿入部材403eはこのバネ403gの作用に基づいて上下動作可能になっている。一方、挿入部材403fは遮蔽ボード403に対して固定されている。かかる構成において、遮蔽ボード403を装着して遮蔽を行うに際しては、先ず、挿入部材403eをスポット部材403aの挿入孔403cに差し込む。次に、遮蔽ボード402を押し上げて挿入部材403eをバネ403gの付勢に抗させて押し下げつつ同挿入部材403fを挿入孔403dに差し込む。これにより、挿入部材403eはバネ403gによって付勢され挿入孔403cに係止され、遮蔽ボード403は遮蔽状態として取り付けられる。一方、遮蔽ボード403を取り外す場合は遮蔽ボード403を押し上げて挿入部材403eをバネ403gの付勢に抗させて押し下げつつ取り外す。
【0035】
また、図9は、着脱可能な遮蔽ボードの他の構成の一例を示した構成図である。同図においては、遮蔽ボード404の上部に上端が水平方向に二股に分かれるとともに、この二股の端部が下方に折り返しされてフック部が形成されたフック部材404a,404bを配設する。そして、このフック部材404a,404bを上述したレンジフード20の折り返し部21に引き掛けることによって、遮蔽ボード404を装着する。ここで、本実施形態においては詳述しないが、遮蔽ボード404をフック部材404a,404bにてレンジフード20の折り返し部21に装着した際に、ナット等の固定手段を利用してフック部材404a,404bをレンジフード20の折り返し部21に固定するようにしても良い。また、キッチンパネル30や壁面A等に図示しないフック部材等を設けておき、収容時には、遮蔽ボード404を当該フック等に引っ掛けて収容する。
【0036】
(5)変形例3:
必要時に電熱型加熱調理器14とレンジフード20との間の空間について、リビングBと厨房Cとを遮蔽部材にて遮蔽し、不必要時にこの遮蔽部材を収容する機能を実現可能とする遮蔽ボードの他の構成を図11に示す。同図においては、レンジフード20のリビングB側の側面に回転軸405aを有する遮蔽ボード405を採用する。かかる場合、収容時は遮蔽ボード405をレンジフード20下面に面するように収容するとともに、遮蔽時は遮蔽ボード405を略垂直方向に下降させる。
【0037】
(6)変形例4:
さらに、必要時に電熱型加熱調理器14とレンジフード20との間の空間について、リビングBと厨房Cとを遮蔽部材にて遮蔽し、不必要時にこの遮蔽部材を収容する機能を実現可能とする遮蔽ボードの他の構成を図12および図13に示す。図においては、遮蔽部材として遮蔽シート406を採用する。かかる場合、同遮蔽シート406を巻いてロール状とし、格納箱406aに格納する。そして、必要時にロール状の遮蔽シート406を引いて繰り出し、リビングBと厨房Cとの間を遮蔽可能にする。一方、不必要時は遮蔽シート406を巻き戻して格納箱406aに収容する。
【0038】
リビングBと厨房Cとの間の空間は電熱型加熱調理器14を使用するときに遮蔽が必要となり、電熱型加熱調理器14を使用しないときに不必要となる。従って、この電熱型加熱調理器14の作動状態に応じて、自動的に上述した遮蔽シート406を繰り出して同空間の遮蔽を行うとともに、巻き取って収容をすることができると、ユーザの作業性が向上して好適である。
【0039】
図14は、かかる機能を実現可能な制御システムの構成を示した構成図である。同図において、遮蔽シート406のロール軸に対して回転動作を伝達可能にモータ406bを接続する。そして、このモータ406bの回転制御を行うコントローラ406cを配置し、同コントローラ406cに電熱型加熱調理器14の作動/停止を認識可能な制御信号を入力させる。コントローラ406cはこの制御信号に応じてモータ406bの回転動作を制御し、遮蔽シート406を繰り出したり巻き取ったりすることにより、同遮蔽シート406による上記空間の遮蔽および同遮蔽シート406の格納箱406aへの収容を実行する。ここで、上述した制御信号は、有線にてコントローラ406cに入力させても良いし、赤外線明滅信号等を使用して無線にてコントローラ406cに入力させても良い。また、このような自動システムは、遮蔽部材が遮蔽シート406の態様に限定されるものではなく、遮蔽ボード40,401〜405の場合においても適宜適用可能である。かかる場合、例えば回転軸等にモータを接続するように構成すれば良く、その制御方法は設計事項である。
【0040】
ここで、上述した制御システムが実行する遮蔽制御処理の処理内容を図15のフローチャートに示す。同図において、先ず最初に電熱型加熱調理器14が作動されたか否かを判別する(ステップS100)。電熱型加熱調理器14が作動された場合は、モータ406bを遮蔽シート406の繰り出し方向に回転動作させることにより、同遮蔽シート406を下降させる(ステップS105)。そして、遮蔽シート406が所定の長さ繰り出されると(ステップS110)、モータ406bの回転動作を停止させることにより、遮蔽シート406の下降動作を停止させる(ステップS115)。
【0041】
これによって、遮蔽シート406による遮蔽が行われることになる。一方、電熱型加熱調理器14の作動が停止されると(ステップS120)、停止後から所定時間経過したか否かを判別し(ステップS125)、所定時間経過が判別された場合に、モータ406bを遮蔽シート406の巻き取り方向に回転動作させることにより、同遮蔽シート406を上昇させて格納箱406aに収容する(ステップS130)。このように電熱型加熱調理器14の作動が停止してから所定時間経過後に遮蔽シート406の遮蔽を解除することにより、電熱型加熱調理器14の使用後に同電熱型加熱調理器14周辺に残存する煙や熱気等をレンジフード20にて捕集することが可能となり好適である。
【0042】
(7)変形例5:
電熱型加熱調理器14にて調理した際に発生する油等が飛散することを防ぐため、図16に示すようにカウンター11にはオイルガードが設けられることがある。このようにオイルガード60を設けた場合においても、上述してきた遮蔽ボード40等をキッチン10に適用することができることは言うまでもない。かかる場合は、オイルガード60の高さを考慮して遮蔽ボード40等の板高さHを形成すれば良い。このようにオイルガード60を設けた場合、遮蔽ボード40等とオイルガード60との隙間が補助上昇気流を生み出し、捕集効率の向上に寄与することとなり好適である。また、遮蔽ボード40等の回転時等においても、鍋等を電熱型加熱調理器14上から退かす必要がなくなり好適である。
【0043】
(8)まとめ:
このように、リビングBと厨房Cとで電熱型加熱調理器14とレンジフード20との間が開放されている場合、遮蔽ボード40を壁面Aに対して略垂直となる位置にキッチンパネル30から引き出すことによって、リビングBと厨房Cとを遮蔽状態とすることが可能になる。これにより、電熱型加熱調理器14周囲の空気流等の影響を低減させてレンジフード20の捕集効率の低下を抑制することができる。一方、不使用時はキッチンパネル30側に収容することによってオープンキッチンのデザインおよび作業性を維持させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるキッチンの全体外観を斜視した外観斜視図である。
【図2】遮蔽部材の構成をレンジフード側から観た場合の構成図である。
【図3】遮蔽ボードの遮蔽時の状態を電熱型加熱調理器の調理側から観た図である。
【図4】遮蔽ボードの収容時の状態を電熱型加熱調理器の調理側から観た図である。
【図5】幅方向に伸縮可能な遮蔽ボードの構成を示した構成図である。
【図6】レンジフード側から電熱型加熱調理器を観た図である。
【図7】高さ方向に伸縮可能な遮蔽ボードの構成を示した構成図である。
【図8】着脱可能な遮蔽ボードの構成を示した構成図である。
【図9】着脱可能な遮蔽ボードの構成を示した構成図である。
【図10】着脱可能な遮蔽ボードの構成を示した構成図である。
【図11】遮蔽部材の他の構成の一例を示した構成図である。
【図12】遮蔽部材の他の構成の一例を示した構成図である。
【図13】遮蔽部材の他の構成の一例を示した構成図である。
【図14】制御システムの概略構成を示した構成図である。
【図15】遮蔽制御処理の処理内容を示したフローチャートである。
【図16】キッチンの全体外観を斜視した外観斜視図である。
【符号の説明】
100…キッチン
10…本体
11…カウンター
12…シンク
13…サブシンク
14…電熱型加熱調理器
20…レンジフード
21…折り返し部
30…キッチンパネル
31…フック掛部材
40…遮蔽ボード
40a…フック挿入孔
41…蝶番
50…フック部材
A…壁面
B…リビング
C…厨房
Claims (11)
- 本体上部に配設されたカウンターに設けられる加熱調理器と、上記加熱調理器の上方に配設されたレンジフードとを備えると共に、奥行方向において上記加熱調理器とレンジフードとの間の空間が開放されたキッチンにおいて、
上記空間を遮蔽する遮蔽部材を具備することを特徴とするキッチン。 - 上記遮蔽部材は、略垂直方向に回転軸を有する略板形状に形成されるとともに、同略板形状を回転軸によって回転させつつ上記空間に配設されて同空間を遮蔽することを特徴とする請求項1に記載のキッチン。
- 上記本体は、壁面に接して設置されるとともに、上記遮蔽部材は、非遮蔽時に上記略板形状を上記壁面に面して配設され、遮蔽時に上記回転軸にて回転されつつ上記空間に配設されて同空間を遮蔽することを特徴とする請求項2に記載のキッチン。
- 上記遮蔽部材は、上記回転軸に上記略板形状を所定の回転位置に固定可能な位置決め構造を有することを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載のキッチン。
- 上記遮蔽部材は、上記略板形状を高さ方向もしくは幅方向に伸縮可能な構造を有することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載のキッチン。
- 上記遮蔽部材は、遮蔽シートをロール状に巻いて形成するとともに、上記ロール状の遮蔽シートを繰り出すことにより上記空間に配設させて同空間を遮蔽することを特徴とする請求項1に記載のキッチン。
- 上記遮蔽部材は、上記加熱調理器の上部略周縁部もしくは上記レンジフードの下部略周縁部に着脱可能に形成されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のキッチン。
- 上記加熱調理器の作動に連動させて上記遮蔽部材を上記空間に配設させて同空間を遮蔽させる遮蔽制御手段を有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のキッチン。
- 上記遮蔽制御手段は、上記加熱調理器の作動終了後、所定時間が経過した場合に上記遮蔽部材の上記空間における配設状態を解除することを特徴とする請求項8に記載のキッチン。
- 上記カウンターは、上記加熱調理器の周縁部に所定高さにて立設されて形成されるオイルガードが設けられるとともに、上記遮蔽部材は、同オイルガード面とともに上記空間を遮蔽することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載のキッチン。
- 本体上部に配設されたカウンターに設けられる加熱調理器と同加熱調理器の上方に配設されたレンジフードとの間に配設可能なキッチンの補助部材であって、
上記加熱調理器の上部略周縁部とレンジフード側との間の空間もしくは上記レンジフードの下部略周縁部と加熱調理器側との間の空間に配設されるとともに、同空間を遮蔽可能なことを特徴とするキッチンの補助部材。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002377459A JP2004205171A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | キッチン及びキッチンの補助部材 |
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Publications (1)
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JP2004205171A true JP2004205171A (ja) | 2004-07-22 |
Family
ID=32814629
Family Applications (1)
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JP2002377459A Pending JP2004205171A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | キッチン及びキッチンの補助部材 |
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JP (1) | JP2004205171A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010082145A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Misawa Homes Co Ltd | 調理設備 |
CN112344401A (zh) * | 2019-08-08 | 2021-02-09 | 陈育书 | 升降式遮蔽、导引烹饪油烟装置 |
JP7368792B2 (ja) | 2020-01-16 | 2023-10-25 | Toto株式会社 | 対面型キッチン |
-
2002
- 2002-12-26 JP JP2002377459A patent/JP2004205171A/ja active Pending
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CN112344401A (zh) * | 2019-08-08 | 2021-02-09 | 陈育书 | 升降式遮蔽、导引烹饪油烟装置 |
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