JP2004204861A - 制振方法、制振具および制振構造 - Google Patents

制振方法、制振具および制振構造 Download PDF

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寿夫 和田
Mitsuaki Oda
光秋 織田
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Abstract

【課題】低コストで簡単に施工でき、しかも管の全域において振動を効果的に抑制できるという、好ましい制振構造等を提供する。
【解決手段】線11に多数の粒子12を付属させてなる制振具10を、配管1の表面上にらせん状に巻き付ける。その巻き付けは、粒子12が配管1の表面に接触し、かつ配管1に対して相対変位し得るように行う。また、配管1の側部にその長さ方向に沿わせて間隔保持用ワイヤ16を通し、線11に対して交差する各点で結びつけている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
請求項に係る発明は、管(配管やダクト、または管でできた梁や柱)の振動(騒音を含む)を減衰させることのできる制振方法、制振具および制振構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
管の振動を減衰させ、または管から発せられる騒音を低減するためには、一般に制振材やラギングが採用される。つまり、管の表面(外周)にゴム等の制振材を貼り付け、または、ロックウール材やその保護材等からなるラギングを管の回りに施工する。
【0003】
また、下記の特許文献1には、管用の他の制振構造として図11に示すものが提案されている。すなわち、管1の外側に複数個のマス93をそれぞれバネ92を介して取り付け、マス93同士をワイヤロープ94によって連結するという構造である。管1が風などによって振動するとき、マス93が振動するとともにワイヤロープ94が伸長・屈曲することによって振動エネルギが吸収され、もって管1の振動が抑制される。なお、図中の符号91は、バネ92およびマス93の取付部材である。
【特許文献1】実開昭62−85643号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
管の表面に制振材やラギングを設ける従来の制振方法には、つぎのようなデメリットがあった。すなわち、
イ) 管の外周全面に対して広く施工するので、かなりのコストがかかるうえ、管の重量も相当に増加する。管の重量が増すと、その管や支持手段の補強が必要になる場合があり、それによってもコストが増す。
ロ) 高温度で使用される管については、特殊な制振材・接着剤等が必要となってコスト的に一層の不利が生じるほか、施工の困難な場合もあり得る。
ハ) 接着剤が硬化するのを待つ必要があるため、施工完了まで長い期間を必要とする。また、曲がった管や分岐・集合部分を含む管、マンホール等の開閉部分を含む管などに対しては、施工が簡単でないために施工期間およびコストがさらに増加する。接着によって恒久的な施工とするので、一時的に施工をして後に制振を解除するといった用途には使用できないという不利もある。
【0005】
一方、図11に示す制振構造には、つぎのような課題がある。
ニ) 構造が比較的複雑であり、低コストで簡単に管に取り付けられるものではない。管への必要部材の取り付けは、溶接等によって取付部材91を管1の外周に固定するとともに、マス93の付いたバネ92をその取付部材91上の複数箇所に取り付け、さらにマス93間をワイヤロープ94で連結することによって行う。しかし、管1上に取付部材91を固定することや、バネ92を介して取付部材91にマス93を取り付けることなどは、相当の技能を有する作業員の手によらなければ実施することが難しい。
ホ) 上記特許文献1には、管1のうち振動振幅の大きな位置(両端が支持されている場合の中央位置など)に上記の制振構造を設ける旨が記載されているが、実際には、管1の長さ方向に沿った多数箇所に配置する必要があると推測される。管1は特定の1箇所のみが振動するのではないからである。とくに、管1の横断面内での振動、つまり壁面が半径方向に変位する振動は、管1におけるあらゆる横断面においても発生している。そのような横断面内の振動に対しても十分な抑制効果を得るためには、上記の制振構造を、管1の長さ方向に間隔を十分に詰めて多数配置する必要がある。しかし、上記ニ)のように取り付けの容易でないものを多数配置するとなると、設備コストは相当に上昇することとなる。
【0006】
請求項に係る発明は、低コストで簡単に施工でき、しかも管の全域において振動を効果的に抑制できるという、好ましい制振構造等を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した制振方法は、管の振動を減衰させるため、マスを有する線状体を、そのマスが管の表面に接触し、かつ管に対して相対変位し得るように、らせん状に管に巻き付けることを特徴とする。
ここでいう「線状体」とは、ひも・ワイヤ・ロープ等の線のほか、中空の筒状のものまたは筒の形をなすように編まれたネット状のもの等であって管の表面に線のごとく巻かれるものをさす。「マスを有する線状体」には、線状体そのものがマス(質量体)である場合と、別のマスが線に付属している場合との両方を含む。また、上記したようにマスが管に対して「相対変位し得る」とは、管の表面にマスが衝突または摺動(擦れ合うこと)し得ることをいう。管に対する巻き付けは、管の外側に巻く場合のほか、管の内面に接するよう管の内側に巻く場合を含むものとする。なお、管には、内部に流体を流す手段としての管のほか、構造体(柱や梁など)として使用される管をも含み、円形の管には限らない。
【0008】
この制振方法によれば、管が振動するとき、その表面(外面または内面)に巻かれたマスのある線状体と管自体とが微小な衝突や摺動を起こす。これにより、管の振動エネルギーはその衝突・摺動等により熱エネルギーに変換されて消散し、振動が減衰する。管の表面における振動が抑制されるのであるから、管から発せられる騒音も当然に低減させられる。このようにして振動を減衰させるメカニズムは、せん断変形を利用した制振材(ゴム等)の振動減衰メカニズムとは基本的に相違するものである。
【0009】
マスを有する線状体を管に対してらせん状に巻けばよいことから、施工は、溶接など特殊な技能を有しない者によっても短時間で簡単に完了でき、所要コストも低い。上記線状体を、管の表面に対し全域において強固に接着等する必要がないことから、この制振方法は、恒久的な制振策とするのではなく一時的な対策として採用するうえでも適している。
線状体をらせん状に巻くのであるから、管の長さ方向に沿ったどの横断面においても線状体が存在し、そのマスが連続的に、または極めて短い間隔で管の表面に接触する。そのため、管のあらゆる部分で発生している振動に対して、この方法によれば効果的に抑制作用が発揮される。
【0010】
請求項2に記載の制振方法は、とくに、上記のマスとして複数の球状粒子を線状体に付属させることを特徴とする。
「球状」とは、楕円状の球や卵形など、概ね球状のものを含む概念である。本請求項の発明では、そのような球状の粒子を、線状体の外側に付属させ、または筒状もしくはネット状の線状体の内側に付属させる。
【0011】
この制振方法によれば、上記した「マスを有する線状体」として、用途に応じた適当な特性をもつものを容易に構成できる。各マスの材質や質量、大きさ、表面性状、配置間隔などを、線状体の材質等とは別に任意に選定することが可能だからである。管の材質や太さ、振動の強さ、使用環境などに合わせて球状粒子を適切に選ぶことにより、最適な制振方法を実現できる。
【0012】
請求項3に記載の制振方法はさらに、上記のマスとして、吸音機能を有するものを使用することを特徴とする。
ここでいう「マス」は、線状体そのものか、線状体に付属していて線状体そのものとは異なる質量体か、またはそれらの双方をさす。また、吸音機能を有するマスとしては、表面部分等に多孔質材料を有するものなどを使用できる。
【0013】
この請求項の方法によれば、管が発する騒音を低減するうえでとくに顕著な効果がある。マスを有する線状体が、上述のように管の振動を減衰させることに加え、管の表面などから発せられる音に対する吸音機能をも発揮するからである。マスの吸音機能は、その線状体を巻いた管以外の箇所から発生する騒音に対しても作用するから、この方法は、管以外に騒音源がある場合にも効果的である。
【0014】
請求項4に記載の制振方法はとくに、上記の線状体を、らせんの向きの異なるものを含めて複数回、管に巻くことを特徴とする。
【0015】
マスを有する線状体は、一般に、巻付けピッチを小さくする(間隔を詰めて巻く)など、マスが多い(高質量になる)ように巻く方が制振効果が高い。しかし発明者らの実験によれば、らせんの向きを異ならせて複数回管に巻くことがとくに効果的であった。したがって、この請求項の方法によれば、少ないマスの使用により、低コストで簡単に高い制振効果を得られることになる。
【0016】
請求項5に記載した制振具は、管の表面にらせん状に巻き付けられ得る線状体に対し、挿通孔(通し穴)のある複数の粒子を数珠状に通していることを特徴とする。
線状体に通した粒子同士の間隔が変化しないようにする必要がある場合には、さらに、弾性のある線状体を使用するとともにそれに対する粒子の挿通孔のはめ合いをタイトにしたり、粒子と粒子との間で線状体にスペーサ(筒状部材など間隔保持用の部品)を通したり、または、ほとんど間隔をとらずに密に粒子を通したりするとよい。
【0017】
こうした構成をもつ制振具なら、粒子が管の表面に接触し、かつ管に対して相対変位し得るようにらせん状に管に巻くことによって、上述の制振方法を実現することができる。したがって、上記したように振動エネルギーを効果的に減衰させ、もって管の表面の広い部分で振動(騒音を含む)を低減することが可能である。十分な長さのものを用意して上記のように巻けば足りることから、管に対する施工を短時間で簡単に行えるという利点もある。
【0018】
制振具自体についても、粒子に挿通孔を形成したうえその挿通孔に線状体を通すことによって低コストで容易に構成できる。粒子と線状体とをそれぞれ任意に選定することができるので、管の材質や太さ、振動の強さ、使用環境などに合った最適な制振方法をとることも容易に行える。この制振具はさらに、未使用の時点において線状体を適宜に屈曲させたり重ね合わせたりしてコンパクトにまとめることが可能であるため、流通や取引の過程を含め、施工前(および管から取り外した後)の取り扱いを簡便に行える、という特徴も有している。
【0019】
請求項6に記載の制振具は、内部スペースを有していながら管の表面にらせん状に巻き付けられ得る線状体の内部スペース内に、複数の粒子を挿入したことを特徴とする。
「内部スペースを有していながら管の表面にらせん状に巻き付けられ得る線状体」としては、ゴムや樹脂等でできたチューブ(図5の例を参照)、または全体的に筒の形をなすように編まれたネットなどが考えられる。なお、線状体に通した粒子同士の間隔が変化しないようにするには、内部スペースの寸法よりも大きめの粒子を挿入して各粒子が線状体から締付け力を受けるようにするか、粒子と粒子との間で線状体の内部にスペーサを入れ、または、ほとんど間隔をとらずに密に粒子を挿入するなどするとよい。
【0020】
このような制振具によっても、先の請求項の制振具と同様、管に対する取り付けを短時間で簡単に行うとともに管の振動を効果的に低減することができる。粒子が管の表面に直接またはチューブ等を介して間接的に接触し、かつ管に対して相対変位し得るように、この制振具をらせん状に管に巻くことにより、先に述べた制振方法を実現することができるからである。
制振具そのものに関しても、上記請求項の制振具と同様の利点がある。すなわち、制振具自体が低コストで容易に構成でき、管や振動の状態に合わせた好適化をはかるとともに、施工前の形態をコンパクトにして取り扱いの簡便化を実現することができる。
【0021】
請求項7に記載の制振具はとくに、上記の線状体としてバネ状のコイル(バネ鋼のように弾性の高い線材をらせんに巻いてコイルバネのようにしたもの。円形のものとは限らない)を使用したことを特徴とする。
【0022】
複数の粒子が適度な圧力で管の表面に押し付けられるよう、線状体としてのコイルの巻き径を適切に設定すれば、この制振具は、容易に、かつ好ましい状態で管に取り付けられる。すなわち、コイルを管に巻き付けたとき、コイルのもつ弾性力に基づき、管に対する制振具の取り付け位置が安定するとともに、管の振動時に管との間で粒子が相対変位を起こして管の振動を減衰させるからである。
なお、この制振具は、管の内表面に粒子が接触するように管の内側に配置することも容易に行える。そのようにする場合にも、コイルの弾性力によって管に対する制振具の取り付け位置が定まり、管と粒子との相対変位による振動抑制作用が安定的に発揮されるからである。
【0023】
請求項8に記載の制振具は、とくに、上記の粒子として多孔質の球形のものを使用することを特徴とする。
前記した「球状」と同じく、「球形」には、楕円状の球や卵形などのように概ね球状の形を含むものとする。多孔質の粒子としてはたとえば、空孔を含むセラミックスや発泡金属でできたものを使用するとよい。
【0024】
この制振具を上記のように管に巻き付ければ、振動や騒音を低減する効果がとくに顕著なものとなる。それは、主として、多孔質の粒子を使用するためにその粒子が吸音機能を発揮するからである。すなわち、多孔質であるために粒子の表面付近に存在する多数の空孔内で空気が振動を起こし、もって、管の振動や音にともなうエネルギーが空孔壁面と空気との摩擦による熱エネルギーに変化して減衰する。
なお、粒子を球状にすれば、管に対する制振具の巻き付けを行いやすいというメリットもある。巻き付けの際、粒子の向きを意図的に整えなくても、管に対する接触状況が一律に定まるからである。
【0025】
請求項9に記載の制振具はとくに、上記の粒子のうちに、磁力を有するもの(たとえば磁石球)を含めることを特徴とする。
このようにすると、当該一部の粒子がもつ磁力の作用により、制振具を管(鋼管など磁性体であるもの)表面に固定することが容易である。磁力によって管に固定されるそれら粒子により他の粒子の位置を概ね規制できるので、特定箇所に偏らないよう粒子を均一に配置することも容易に行える。管の内表面に粒子が接触するよう、磁力を利用して管の内側にこの制振具を取り付けることも難しくない。
【0026】
請求項10に記載した制振構造は、上記の制振具を用いる制振構造であって、管の表面に上記の線状体をらせん状に巻き付けるとともに、間隔保持手段によりその線状体を、巻付けピッチ(またはリード)の変化がないように保つことを特徴とする。
間隔保持手段としては、たとえばひもやワイヤを、上記の線状体に対して多数箇所で結びつけるよう管の長さ方向に沿って延ばすとよい。図1に示したワイヤ16は、間隔保持手段の一例である。
【0027】
上記の制振具とともに間隔保持手段を使用するこのような制振構造によれば、当該制振具を用いて前述の制振方法を実現することにより前記のように有利に管の振動を減衰させることができ、しかも、そのような効果を長期間安定的に得ることができる。管の表面に制振具を巻き付けた後、その巻付けピッチが経時的に変化すれば、マスの分布が偏って広い範囲にもマスの存在しない部分が生じがちだが、この請求項の制振構造にしたがって間隔保持手段を使用するなら、巻付けピッチが安定的に保持され、マスの分布の偏ることが防止されるからである。管の表面上でマスの分布が偏らなければ、管のどの部分においても適切な制振効果がもたらされることになる。
【0028】
請求項11に記載の制振構造は、上記の制振具を用いる制振構造であって、管の表面に上記の線状体をらせん状に巻き付けるとともに、弾性支持手段を用い、その線状体が同支持手段の弾性に基づいて適度な張力を発生し、かつ、管の表面と粒子との間の接触圧力が適正になるように保つことを特徴とする。
弾性支持手段としては、ゴムやバネのような部材を、管の表面と制振具の線状体との間に、管の半径方向に弾性変形し得るように取り付けるとよい。図2に示すブッシュ17は、そのように取り付けた弾性支持手段の一例である。それらを取り付けることにより、管の表面と粒子との間の接触圧力が適正(振動によって両者間に相対変位が生じ得る圧力)になるよう、線状体に適度な張力(管・粒子間の接触圧力が上記のとおり適正になる張力)を発生させるのである。
【0029】
上記のように制振具とともに弾性支持手段を使用するこの制振構造によれば、当該制振具を用いて前述の制振方法を実現し前記のように有利に管の振動を減衰させ得ることに加え、やはり、そのような効果を長期間安定的に発揮させることが可能である。それは、つぎのように説明できる。
管に巻き付けた線状体は、長期間使用されると温度変化などに起因して長さが変化することがあり、したがって管の表面とマスとの接触状態が変化することも考えられる。しかし、この請求項の制振構造によれば、弾性支持手段が適宜に弾性変形をして線状体の長さ変化を相殺するので、たとえ線状体の長さが経年変化等しても、管に対する粒子の接触状態はほとんど変化しない。そのため、この制振構造によれば、管の振動を減衰させる効果が安定的に発揮されるのである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施に関する形態を図面を用いて紹介する。
図1は、制振構造としての第一の形態を示す側面図である。配管1の外周面上に制振具10を巻き付けている。制振具10は、ワイヤロープである線11を多数の粒子12にさし通したものである。各粒子12には、中心部を貫通するように挿通孔を形成しておき、その挿通孔に線11を通す。粒子12としては、低コストで容易に製造できるうえ重量的な負担を招きにくい木球(木製・球状のもの)を使用している。またこの例では、隣接する粒子12の間で線11に細い筒状のスペーサ(図示省略)をはめることにより、粒子12間の間隔が変化しないようにしている。スペーサをそのように使用すると、付加する粒子12の数を少なくして重量を軽減しながらも、制振効果を確保することもできる。しかし、当該スペーサを使用せずに、線11に対して粒子12を密に、つまり隣接のものが接触し合うように配置するのもよい。
【0031】
配管1に対する制振具10の施工は、図示のように、配管1上にほぼ一定のピッチ(巻付け間隔)でらせん状に巻き付けることにより行っている。巻き付けの強さ、すなわち線11に付与する張力は、ほとんどすべての粒子12が管1の表面に接触するとともに、管1が振動するとき多くの粒子が管1の表面に対して衝突しまたは摺動する程度のものとする。半分近い数の粒子12(配管1のうちたとえば水平な部分の下半分にあるもの)が管1に接触しないほど巻き付けが緩かったり、逆に、粒子12が管1の表面に対して相対変位を起こし得ないほど巻き付けが強かったりするのは、好ましくない。
【0032】
配管1には直管部分のほかに屈曲部1aやフランジ1bなど特殊な部分も含まれているが、そのような特殊な部分においても制振具10の施工方法に変化はない。つまり、上記のようにらせん状に、適度なピッチ・適度な強さで配管1上に制振具10を巻くだけである。線11の端部を溶接やロウ付によって配管1の表面に固定する(または配管1上で当該端部を結び付ける)のが好ましいことを除き、どの部分においても、接着剤を用いたり溶接を行ったりする必要はない。
【0033】
ただし、図1の制振構造においては、配管1の側部にその長さ方向に沿わせて間隔保持用ワイヤ16(線11としてのワイヤロープよりも細いもの)を通し、線11に対して交差する各点で結びつけている。このようにすれば、上記のとおりほぼ一定のピッチで配管1上に巻き付けた線11について、振動等の作用でそのピッチが変化することを防止できる。つまり、多数の箇所で線11に結んだこのワイヤ16は、線11の間隔保持手段として機能する。
【0034】
配管1に対しこのように制振具10とワイヤ16とを使用した制振構造においては、1)粒子12が配管1の表面に対して微小な衝突や摺動を起こすのにともない、配管1の振動や騒音が低減される、2)粒子12は配管1の表面上にほぼ均一に分布して、長さ方向にも周方向にも多数箇所で配管1に接触するので、あらゆる横断面内で配管1の壁面が半径方向に変位するような振動に対しても抑制効果を発揮する。3)制振具10の構造が簡単であるうえ、配管1に対するその取り付け(施工)も容易であるから、短時間で簡単に工事を完了でき、工事コストも安価である、4)巻付けピッチが安定的に保持されるため、上記のような制振効果を長期間にわたって得ることができる−などといったメリットがある。
【0035】
なお、上の例で使用する木球の粒子12は、その表面を多孔質(たとえばコルク状のもの)にすればなお好ましい。粒子12の表面において吸音作用が発揮されるので、配管1または他の箇所から発生する騒音を一層効果的に低減できるからである。また、粒子12を使用せずに制振具10を構成することも可能である。線11として、太めのゴムひもや金属ワイヤなど、長さあたりの質量が重いものをらせん状に巻けば、粒子12を使用しなくとも、その線11が配管1に対して衝突や摺動を起こし、上記と同様の制振作用がもたらされる。
【0036】
図2(a)は、制振構造について第二の実施形態を示す側面図である。この制振構造も、ワイヤロープである線11を木製・球状の多数の粒子12にさし通した図1のものと同じ制振具10を、配管1の外周面上にらせん状に巻き付けることにより構成している。
【0037】
この図2(a)の例では、巻き付けた制振具10の線11と配管1の表面との間の複数箇所に、図2(b)に示す弾性支持用ブッシュ17を取り付けている。ブッシュ17は、弾性変形量の大きい直方体形状のゴム製部材で、上面に溝17aを形成したものである。底面から溝17aの底部までの高さ(厚さ)は、粒子12の半径よりも大きい。
【0038】
配管1に制振具10を巻き付ける際、線11のうち粒子12のない箇所のところどころ(たとえば粒子12の数の約半数に相当する数の箇所)で、配管1の表面と線11との間にこのブッシュ17を取り付ける。具体的には、溝17a内に線11をはめたうえ、そのブッシュ17の底面を配管1の表面に密着させる。こうしてブッシュ17を取り付け、そのゴムの弾性力で線11を支持させれば、線11に適度な張力をもたせやすい。つまり、のちに線11が長さ変化を起こしても、ブッシュ17が線11に弾性力を及ぼし続けるかぎりは、線11が配管1上で不適当に緩んだり締まったりすることがない。
【0039】
したがって図2の例では、配管1上に巻いた線11の張力、したがって配管1の表面に対する粒子12の接触圧力が安定してほぼ一定に保たれる。そのため、配管1の表面に対する粒子12の相対変位が常に好ましい状態で引き起こされ、振動や騒音に対する減衰効果(制振効果)が安定的に発揮されることになる。
【0040】
なお、図1の例で使用した間隔保持用のワイヤ16は、この図2の例でも併せて使用することができる。あるいは、ブッシュ17の底面と配管1の表面との間に接着剤を使用するなどしてブッシュ17の位置を固定するのもよい。そのようにすれば、制振具10の巻付けピッチが安定保持されるため、制振効果が長期間一層安定的に維持される。そのほか、粒子12の取付け密度や材質、表面性状等を適宜に変更できること、粒子12を使用しないで線11に質量をもたせるのみによっても制振具10を構成できることなどは、図1の例における場合と同様である。
【0041】
つづく図3は、別の制振構造を示すもので、制振具20を外周に巻き付けた配管1等の横断面図である。この例では、十分な重さのある線21を、粒子を取り付けずに制振具20としたほか、線21用の弾性支持手段として、図2の例で用いたブッシュ17ではなく図示の弾性支持用バネ18を使用している。
【0042】
このバネ18は、耐食性に富んだバネ鋼鋼板を素材とし、配管1の表面に接触する部分と、制振具10の線21をつかむ部分とを一体に形成してなるものである。当該つかむ部分によって線21を把持させるとともに、他の部分を配管1の表面に接触させる。このように弾性支持用バネ18を使用しながら、適切な張力をもたせて線21を配管1上に巻き付けると、線21は、熱膨張等による長さの変化の有無にかかわらず、バネ18がもつ弾性力によってつねにほぼ一定の力で配管1上に接触する。つまり線21が、配管1に対し、微小な衝突や摺動を起こし得るような適切な力で接触しつづけることにより、図2の例における制振具10と同様、振動や騒音に対する減衰効果が安定して発揮される。なお、弾性支持用バネ18とともに使用する制振具20が、図2の制振具10のように粒子を含むものであっても差し支えないことは言うまでもない。
【0043】
図4は、第四の実施形態としての制振構造を示すものである。図示のものは、図3の例と同様、粒子を含まない線31のみで制振具30を構成した例である。線31としては、前述のように質量の重めのゴムひもや金属ワイヤを使用し、やはりらせん状に巻き付けている。
【0044】
図4の例では、配管1のうちとくに振動の激しい部分に対し、制振具30の線31を2回(つまり二重巻きに)巻き付けている点に特徴がある。しかもその2回の巻き付けは、同じ向きのらせんを繰り返すのではなく、らせんの向きを互いに異ならせて行っている。つまり、線31の前半部31aを右ネジ状のらせんに巻き進んだうえ、施工範囲の端部で折り返し、今度はその後半部31bを左ネジ状のらせんに巻く(またはその逆の巻き方をする)。
【0045】
上記のように配管1上に線31を複数回巻き付けると、しかもその中にらせんの向きの異なるものを含めると、その配管1の振動・騒音をとくに効果的に減衰させることができる。図示のように線31のみの制振具30ではなく、線とともに粒子を含む制振具を、同じように向きを異にして複数回巻く場合にも、同様に高い減衰効果が得られる。
【0046】
図5は、さらに他の形式の制振具40を示す縦断面図である。この制振具40は、塩化ビニル等の樹脂でできたチューブを線状体41とし、そのチューブの内部スペース41aに粒子42(木球や樹脂球など)を入れたものである。チューブの内部スペース41a内に適当な間隔をとって粒子42を入れたのち、粒子42同士の間の部分においてチューブを加熱成形等して直径を収縮させ、もってチューブ内で粒子42が移動しにくいようにする。ただし、内部スペース41aに密に粒子42を挿入するなら、チューブを収縮させる必要はない。
【0047】
このような制振具40も、粒子42を内蔵させた状態のまま、チューブすなわち線状体41を管の回りにらせん状に巻き付ければ、その管に対して制振効果を発揮させることができる。線状体41の巻付け強さが適切であれば、振動する管に対して粒子42が相対変位をし、チューブを介して管の表面に微小な衝突や摺動を起こす結果、配管1の振動を減衰させるからである。制振具40の製造や管への取り付けが低コストで容易に行えること、管における種々の方向への振動に対して効果があることについても、図1等に示した制振具と同様である。
【0048】
なお、図5の例では筒状のチューブを線状体41とし、その内部に粒子42を挿入しているが、チューブに代えて、全体が筒の形をなすようにワイヤやひも等で編まれたネットを使用するのもよい。そのようなネットの中にこぼれないように複数の粒子を入れることによっても、管の回りに巻き付けられる制振具を構成することができ、管に巻いた状態では、上記と同じ理由によってその管の制振をなすことができる。
【0049】
表1には、制振具の形式とその巻き付け態様とを種々変更して行った制振実験について、実験条件の一覧を示す。制振具を巻き付ける配管(鋼管)は、表に示すとおり外径125mm、厚さ1.5mm、長さ1000mmで、重量は4.6kgである。実験では、このような配管に対し間欠的(インパルス的)に力を加え、それによって発生する振動を測定する。
【表1】
Figure 2004204861
【0050】
この配管に対し、条件▲1▼・▲2▼・▲3▼では、外径14mm・密度1.3g/cm3の木球を細いワイヤ上に密に(各木球が接し合うように)差し通してなる制振具を巻き付ける。条件▲1▼では、その巻き付けのピッチ(間隔)を100mmとし、巻き線(制振具)を長さ4.4m、重量にして0.56kgだけ一重のらせん状に巻き、配管における重量増加率が12%になるようにしている。条件▲2▼では、巻き付けのピッチを50mmにすることにより、条件▲1▼に対して巻き線長さと巻き線重量、重量増加率をそれぞれ2倍にする。条件▲3▼では、ピッチを100mmとしながらも図4の例と同様にらせんの向きを違えて二重巻きにし、もって巻き線長さと巻き線重量、重量増加率を条件▲2▼に一致させている。
【0051】
一方、条件▲4▼では、木球等の粒子を含まないゴムひもを制振具とし、これをピッチ100mmで上記の配管上に巻き付けている。一重のらせん状に巻き、巻き線の長さを4.4mとしている。ゴムひも自身の密度や、巻き線とした重量、および重量増加率は表1に示すとおりである。
【0052】
このような各条件で実施した制振実験の結果は、図6に示すとおりであった。図6は、上記▲1▼〜▲4▼の各条件で実験した場合の制振効果、つまり、制振具を巻き付けたときと全く巻き付けないときとの振動レベル(dB)の差を示している。これにより、付属の粒子または線自体のうちにマスを有する線をらせん状に巻き付けた配管において、かなりの制振効果のあることが分かる。同じ木球を有する同一の制振具であれば小ピッチで巻いた方が制振効果が高いこと、らせんの向きを異ならせて二重巻きにすれば、巻き線長さが同じであっても制振効果はとくに高いこと等も、この結果からうかがえる。
【0053】
つづく図7は、配管に対して単発的に打撃を加えた場合の振動の減衰状況を示す。すなわち、図7(a)は、表1に示す配管に何も巻き付けることなく打撃を加えた場合の振動加速度減衰波形であり、図7(b)は、同じ配管に表1の条件▲3▼にしたがって制振具(粒子等)を巻き付けていた場合の振動加速度減衰波形である。
【0054】
配管に何も巻き付けない図7(a)の場合には、打撃後0.2秒経過しても振動加速度はほとんど減衰しないが、制振具を巻いた同(b)の場合には、打撃後0.05秒までに大きく減衰する。制振具を巻くとこのような減衰作用があるために、前記図6のとおり顕著な制振効果がもたらされるものと考えられる。
【0055】
図8は、アルミ球を使用した実験における騒音低減効果を示すグラフである。この実験では、直径10mmのアルミニウム製の球形粒子をワイヤに通してなる制振具を鋼管の外周に巻き付けたうえ、その鋼管に定常的(連続的)な振動を加える。上記制振具の効果を表すべく、横軸に周波数(1/12オクターブ中心周波数)をとり、縦軸には、制振具を巻き付けた場合と巻き付けない場合との騒音レベル(dB)の差を騒音低減効果として示している。アルミ球つきの制振具を使用する場合、3000Hz以上(かつ、少なくとも6000Hz以下)の周波数成分について10dB前後という顕著な騒音低減効果が確認される。
【0056】
図9(a)にはさらに別の制振具50を示している。この制振具50は、バネ鋼などをらせんに巻いたコイル状の線51に、多数の粒子(木球など)52を挿し通して取り付けたものである。線51によるコイルの自然状態での直径(巻き径)は、対象とする配管の外径よりも小さいかほぼ同じにする。そうしたコイル状の線51に粒子52を取り付けてなる制振具50を配管に巻き付ければ、コイル(線51)が弾性変形によって伸び、その弾性力によって制振具50が配管上に固定されるとともに、粒子52が、配管に対して相対変位し得るように接触する。配管に対して粒子52が相対変位することにより、この例でも制振作用が発揮される。
【0057】
図9(a)の制振具50については、下記a)〜e)のように改変を加えて実施することができる。すなわち、
a) 粒子52は、相互間に間隔をおいて線51上に固定して取り付けるのもよいが、線51に沿って移動し得るように通すこととして、互いに接し合う程度に密に取り付けるのもよい。また、一部の粒子52として磁石または磁力をもつ金属を含め、磁力の作用でこれを配管(鋼管)に貼り付けて固定することによりすべての粒子52の概ねの位置を定めるようにするのもよい。配管表面に沿う曲面をその磁石等の一部に形成すれば、一層強固に固定することが可能である。
b) 大きさや質量、材質等の異なる数種の粒子52を混在させて1本の線51に取り付けるのもよい。そうすれば、幅広い周波数域で制振効果を発揮できる制振具50となる。なお、上記のa)とこのb)とは、図1・図2・図5等の制振具においても採用できる。
【0058】
c) 線51すなわちコイルのピッチは一様であるには及ばず、図9(b)のように不等間隔にするのもよい。振動の強い部分ではピッチを小さく(間隔をせまく)するなど振動レベルに合わせてピッチを定めれば、軽量の制振具50によって顕著な制振効果を得ることも可能になる。そのほか、コイルの径(巻き径)を不均一にすることにも同様の意義をもたせられる。
d) 巻き付け対象とする配管が円管でなく、その横断面が楕円や多角形である場合には、その配管の横断面形状に合った形のコイルを線51として使用するとよい。
e) 制振具50は、配管の内側に配置することによっても制振作用を発揮させることができる。配管の内径と同等かそれよりやや大径に巻かれたコイルを線51とし、これに粒子52を取り付けた制振具50を配管の内部に装着する。そうすれば、線51の弾性によって制振具50が配管内に固定され、かつ、粒子52が配管内壁に対して相対変位し得るように押し付けられるからである。このe)のようにする際に上記a)〜d)を同時に実施するのも好ましい。
【0059】
図10は、さらに別の制振具60(一部を破断して表す)を配管1とともに示す斜視図である。この例では、振動する配管1の表面に、横断面が半円形のチューブを線状体61として固着し、その内部(半円形の空間内)に木球等の粒子62を詰め込んでいる。チューブは、たとえば塩化ビニル等の樹脂製のものを使用し、半円に分けられた分割面を接着剤にて配管1の表面に固着している。
【0060】
線状体61(チューブ)の大きさ(半円形空間の横断面の寸法)と粒子62の大きさ(外径)との関係、さらには粒子62の充填密度を適切に定めることにより、振動する配管1に対して粒子62が好適に相対変位し得るようになる。そうした場合、この例においても十分な制振作用が発揮される。
【0061】
【発明の効果】
請求項1に記載した制振方法によれば、横断面内での管壁の振動を含めて管の振動を効果的に減衰させることができる。管に対して短時間で簡単に施工を完了できるうえ、施工に要するコストも低い。
請求項2に記載の制振方法なら、とくに、管や振動等の条件に合わせて最も効果的な制振方法を実現することが可能である。
請求項3に記載の制振方法なら、管または管以外のものが発する騒音を低減するうえでとくに効果的である。
請求項4の制振方法によれば、使用するマスを少なくしながらも、低コストで簡単に高い制振効果を得ることができる。
【0062】
請求項5および請求項6に記載した制振具は、管に適切に巻くことによって上述の制振方法を実現でき、したがって簡単な施工により管の振動を効果的に減衰させられる。また制振具自体についても、低コストで容易に構成できるほか、管や振動の条件に合った最適な制振方法をとることができる。未使用の状態をコンパクト化できるので、流通や取引の過程を含めて施工前の取り扱いを簡便に行える、という利点もある。
【0063】
請求項7に記載の制振具は、管への取り付けがとくに容易に行えて管の振動を効果的に減衰させる。管の内表面に粒子が接触するように管の内側に配置することも容易である。
請求項8に記載の制振具なら、振動を低減する効果がとくに顕著である。管への制振具の巻き付けを行いやすいというメリットもある。
請求項9の制振具なら、鋼管等の表面に固定することがとくに容易である。管の内側に取り付けることも難しくない。
【0064】
請求項10に記載した制振構造によれば、前述の制振方法を実現して管の振動を効果的に減衰させられるうえ、管の表面上でのマスの分布の偏りを防止して、そのような制振効果を長期間安定的に得ることができる。
請求項11に記載の制振構造によれば、前述の制振方法を実現して管の振動を効果的に減衰させられるうえ、線状体の長さ変化に基づく管と粒子間の接触状態の変化を防止して、そのような好ましい制振効果を長期間安定的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施についての第一の形態を示すもので、制振具10を含む配管1の側面図である。
【図2】図2(a)は発明について第二の実施形態を示す配管1等の側面図であり、同(b)は、同(a)の例で使用する弾性支持用ブッシュ17の斜視図である。
【図3】発明に関し第三の実施形態を示す図であって、制振具20を巻き付けた配管1等の横断面図である。
【図4】発明に関する第四の実施形態を示す図であって、制振具30を含む配管1の側面図である。
【図5】発明に関する第五の実施形態として制振具40を示す縦断面図である。
【図6】制振具の形式とその巻き付け態様とを変更して行った実験の結果として、各場合の制振効果を示すグラフである。
【図7】配管に打撃を加えた場合の振動の減衰状況(振動加速度減衰波形)を示す線図である。図7(a)は配管に何も巻き付けていなかった場合のもの、図7(b)は、同じ配管に制振具を巻き付けていた場合のものである。
【図8】図6および図7とは異なる実験における騒音低減効果を示すグラフである。
【図9】図9(a)・(b)は、発明に関するさらに別の実施形態として制振具50を示す斜視図である。
【図10】発明に関するさらに別の実施形態である制振具60(一部を破断して表す)を配管1とともに示す斜視図である。
【図11】従来の管用の制振構造を示す側面図(下半分は断面図)である。
【符号の説明】
1 配管(管)
10・20・30・40・50・60 制振具
11・21・31・51 線
41・61 線状体
41a 内部スペース
12・42・52・62 粒子
16 間隔保持用ワイヤ(間隔保持手段)
17 弾性支持ブッシュ(弾性支持手段)
18 弾性支持用バネ(弾性支持手段)

Claims (11)

  1. 管の振動を減衰させるため、マスを有する線状体を、そのマスが管の表面に接触し、かつ管に対して相対変位し得るよう、らせん状に管に巻き付けることを特徴とする制振方法。
  2. 上記のマスとして複数の球状粒子を線状体に付属させることを特徴とする請求項1に記載の制振方法。
  3. 上記のマスとして、吸音機能を有するものを使用することを特徴とする請求項1または2に記載の制振方法。
  4. 上記線状体を、らせんの向きの異なるものを含めて複数回、管に巻くことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制振方法。
  5. 管の振動を減衰させる制振具であって、管の表面にらせん状に巻き付けられ得る線状体を含み、その線状体に、挿通孔を有する複数の粒子が数珠状に通されていることを特徴とする制振具。
  6. 管の振動を減衰させる制振具であって、内部スペースを有していながら管の表面にらせん状に巻き付けられ得る線状体を含み、その線状体の内部スペース内に複数の粒子が挿入されていることを特徴とする制振具。
  7. 上記の線状体がバネ状のコイルであることを特徴とする請求項5または6に記載の制振具。
  8. 上記の粒子が多孔質の球形のものであることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の制振具。
  9. 上記の粒子のうちに、磁力を有するものが含まれていることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の制振具。
  10. 請求項5〜9のいずれかに記載の制振具を用いた制振構造であって、管の表面に上記の線状体がらせん状に巻き付けられ、その線状体が、間隔保持手段により、巻付けピッチの変化がないように保たれることを特徴とする制振構造。
  11. 請求項5〜9のいずれかに記載の制振具を用いた制振構造であって、管の表面に上記の線状体がらせん状に巻き付けられ、弾性支持手段により、その線状体が同支持手段の弾性に基づいて適度な張力を発生し、かつ、管の表面と粒子との間の接触圧力が適正になるように保たれることを特徴とする制振構造。
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