JP2004204787A - 動力発生装置の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】動力発生装置としてのガスタービン用低NOx燃焼器における逆火、吹き消え、NOxの上昇などの防止を図る。
【解決手段】燃焼室2に連通する空気流路5に空気過剰率または蒸気濃度を計測する計測部9a〜9dを設け、燃焼室2に適正な空気過剰率または蒸気濃度の混合気を供給することにより、燃焼器1の逆火、吹き消え、NOxの上昇などを防止するようにした動力発生装置としてのガスタービン用低NOx燃焼器の制御装置を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】燃焼室2に連通する空気流路5に空気過剰率または蒸気濃度を計測する計測部9a〜9dを設け、燃焼室2に適正な空気過剰率または蒸気濃度の混合気を供給することにより、燃焼器1の逆火、吹き消え、NOxの上昇などを防止するようにした動力発生装置としてのガスタービン用低NOx燃焼器の制御装置を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体燃料や液体燃料を燃焼させるガスタービン用低NOx燃焼器や蒸気発生装置や燃料電池などの動力発生装置おいて、動力発生装置に連接した通路中に燃料濃度または蒸気濃度を計測する装置を備え、動力発生装置のNOx急増あるいは吹き消えや逆火の抑止、またはカーボン析出の防止、あるいは振動燃焼の防止を目的にして燃料濃度または蒸気濃度が不適正な状況になる前に、適正な燃料濃度または蒸気濃度の混合気を供給するようにした動力発生装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の動力発生装置の一例である予混合燃焼器の制御方法には、例えば、図6に示すように、予混合バーナに流入する空気流量、温度40や燃料流量41等から断熱火炎温度42を計算し、この値が設定した許容範囲に入るように燃料あるいは空気流量43を制御することにより低NOx化や火炎安定性の確保を図るものが提案されている(特開平6−101808号公報)。
【0003】
この従来技術は、図6に示すように、供給した空気から予混合通路内を流れる空気流量を仮定し、これと供給した燃料流量から平均的な空気過剰率(空気比)を計算しこれと燃料組成、空気温度、湿度により断熱火炎温度を計算し、目標の断熱火炎温度範囲と比較するものである。しかし、これは、空気流量を仮定するため正確な断熱火炎温度を計算することができなく、正確な制御を行うことができない。また、実際に予混合通路内には濃度の分布があり逆火、吹き消え、NOxの急増あるいはスス付着などの問題を回避することは、濃度分布に起因する予混合通路内の平均的な空気過剰率の情報だけではできないため、十分な精度で燃焼制御あるいは反応制御ができないという実用上解決すべき問題がある。
【0004】
また、従来の動力発生装置の一例として、図7に示すように、2つのプローブ51a、51bで火炎を測光しその発光強度の比kを求め、これと予め求めた目標の空気過剰率の中間値(最適値)における値kであるkRとなるように空気導入量を制御するように構成した燃焼器50において、この燃焼器に連接した通路52中に空気過剰率または蒸気濃度を計測する装置を備えたものがある。そして、燃焼器50のNOx急増あるいは吹き消え、逆火の限界空気過剰率または蒸気濃度になる前に適正な空気過剰率または蒸気濃度の混合気を供給することを特徴とする制御装置が提案されている(特開平6-106841号公報)。
【0005】
この従来技術では、図7に示すように、2つのプローブ51a、51bにおける火炎発光強度の比kの情報を使って燃焼時の空気過剰率を求めて目標の空気過剰率になるように制御するのである。但しこの制御は、火炎発光強度の比kと空気過剰率の関係が一義的に決定されないため、正確な燃焼制御を行うことができないという問題点を有する。すなわち、火炎の発光スペクトルは空気過剰率以外に温度、圧力、すす生成の有無等の影響をうけるために複数種の化学発光スペクトルの比と空燃比の関係は一義的には決らないのである。
【0006】
また、この場合2ヶ所の異なるポイントからの火炎発光をセンシングしているため空間的に異なる2点からの発光スペクトルを得ることになる。空間的に異なる2点では空気過剰率が異なる可能性が高いためこの方法では空気過剰率が決定できない。さらに、センシングされた火炎からの発光は光路上の積分値であるため光路中に発光強度の分布がある場合、または分布の形が変化する場合には安定した発光強度が得られないという問題が生じる。そのため発光スペクトルの比と空燃比の関係は一義的には決らないという実用上解決すべき課題を有するのである。
【0007】
この他の従来技術として、特開平7-119492号や特開平7-225024号には、予混合バーナにおける出口炎口部または保炎部の周辺部の温度測定により逆火の発生を検出したり、特開2002−70584号には、排気ガスのNOx濃度を検出し、これを逆火検出の判別の補助手段とするものが開示されている。
【0008】
これら従来技術において、特開平7-119492号や特開平7-225024号のように、温度またはNOx、濃度計測により逆火を検出するのであるが、いずれも逆火の発生を検知するのみで発生の直前にこれを予測することは原理的にできなく実用上の課題を有する。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−101808号公報 [0002]
【0010】
【特許文献2】
特開平6−106841号公報 [0004]
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の課題を解決するために案出されたものである。すなわち、本発明の目的は、気体燃料や液体燃料を燃焼させるガスタービン用低NOx燃焼器や蒸気発生装置や燃料電池などの動力発生装置において、動力発生装置に連通する通路に空気過剰率または蒸気濃度を計測する装置を設けて適正な空気過剰率または蒸気濃度の混合気を供給することにより、動力発生装置の逆火、吹き消え、NOxの上昇、スス生成、あるいは振動燃焼などを防止するようにした動力発生装置の制御装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の動力発生条件を制御する動力発生装置の制御装置は、燃料および/または蒸気を供給する供給手段と、空気あるいは気体を供給する気流流路と、を備え、気流流路に配設し燃料濃度および/または蒸気濃度を計測する計測装置と、計測装置による燃料濃度または蒸気濃度の状況に対応して適正な燃料濃度または蒸気濃度の混合気を供給する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の動力発生条件を制御する動力発生装置の制御装置は、気流流路の燃料濃度または蒸気濃度の空間的偏りまたは分布および/または時間的変動を検知する計測装置を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の動力発生条件を制御する動力発生装置の制御装置は、適正な燃料濃度または蒸気濃度は、あらかじめ規定した範囲となし、計測した燃料濃度または蒸気濃度がこの範囲内になるように気流流量または燃料流量あるいは蒸気量を調整する手段を設けたことを特徴する。
【0015】
請求項4に記載の動力発生条件を制御する動力発生装置の制御装置は、適正な燃料濃度または蒸気濃度が、あらかじめ規定した範囲となし、計測した燃料濃度または蒸気濃度がこの範囲内になるように設けた気流旋回装置または燃料分配装置の少なくとも一つを制御するようにしたことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の動力発生条件を制御する動力発生装置の制御装置は、燃料濃度または蒸気濃度を計測する装置が、光吸収法または光減衰法を利用した装置であることを特徴する。
【0017】
請求項6に記載の動力発生条件を制御する動力発生装置の制御装置は、燃料および/または蒸気を供給する気流流路あるいは容器の入口および/または出口で燃料濃度または蒸気濃度を計測する装置を設けるとともに、その計測濃度の変化を利用して供給する燃料および/または蒸気の流量を変動させて制御する装置を設けたことを特徴する。
【0018】
【発明の作用・効果】
(1) 動力発生装置の代表例として、予混合燃焼方式の燃焼器では、空気と燃料濃度あるいは空気を空間的あるいは時間的に均一に混合することが必要であるが、実際の燃焼器では限られた空間や構造の中で、作動条件が常に変化するので、理想的に均一な濃度分布を形成させることは難しい。このため、実機においては、不均一が原因となる吹き消え,逆火の発生あるいはスス付着を避けることが必須条件である。また環境問題に伴う低NOx排出の要望からNOx生成の上昇を回避する必要がある。本発明は、燃焼器に連接した通路中において1個または複数箇所の燃料濃度または蒸気濃度を計測し、これと適正な燃料濃度または蒸気濃度範囲とを比較することにより吹き消え、逆火およびNOxの急増、スス付着、あるいは振動燃焼を防止することができる。これにより燃焼器の損傷や失火を防止し、NOxの上昇を避けることができる。
【0019】
(2) 計測装置は1個でも良いが、通路中の燃料濃度または蒸気濃度には空間分布が存在するので、複数個の計測装置を備える計測を行えばより精度の高い制御を行うことができる。
【0020】
(3) 空気流量または燃料流量あるいは蒸気量を調整することにより、吹き消え、逆火およびNOxの急増、スス付着、あるいは振動燃焼を防止することができる。この場合、燃焼ガス流量や温度が変化するためガスタービン等に用いられる燃焼器の場合にはエンジン出力が変化する。空気流量または燃料流量あるいは蒸気量の調整の代わりにまたはそれに加えて気流旋回装置または燃料分配装置の制御を行うことにより、エンジン出力を変化させることなく吹き消え、逆火およびNOxの急増、スス付着、あるいは振動燃焼を防止することができる。
【0021】
(4) 燃料濃度または蒸気濃度を計測する方法を、光吸収法または光減衰法を利用した装置とすることにより通路中の流れを乱したりあるいは遮ることなく正確な計測ができる。そのため予混合通路中の計測においても、逆火、吹き消え、NOxの急増の誘発、スス付着、あるいは振動燃焼を防ぐことができる。また、リアルタイムでの計測が可能であり高い制御性を確保することができる。また、例えば、サンプリング法を利用した装置よりも小型の装置構成とすることができる。
【0022】
(5) 燃料および/または蒸気を供給する気流流路あるいは容器の入口および/または出口で燃料濃度または蒸気濃度を計測する装置を設けるとともに、その計測濃度の変化を利用して供給する燃料および/または蒸気の流量を変動させて制御する装置を設けたことにより、燃焼振動をアクティブに抑制すること、あるいは燃料改質触媒表面上に付着した不活性物質を除去することができ、燃焼器あるいは燃料改質器などの耐久性を向上することが出きる。
【0023】
〔作用:効果が生じる理由〕
(a) 吹き消え、逆火の発生およびNOx濃度の上昇あるいはスス付着は、予混合通路内の燃料濃度(あるいは空気過剰率)、速度、温度等により大きく影響を受けることが知られている。また、低NOx化等の目的で蒸気噴射を行う場合には蒸気濃度の影響も受ける。図5に示すように、空気過剰率または蒸気流量は、吹き消え易さ、耐逆火性またはNOx低減あるいはスス付着防止効果に及ぼす影響がある。
【0024】
従来は、燃焼器の入口での空気流量および燃料流量の計測値から予混合通路中を流れる空気および燃料流量を仮定して平均の空気過剰率を求めたが、予混合通路内を直接計測していないため計測精度に問題があった。これに対して、本発明では動力発生装置としての燃焼器に連通する通路内のガスを直接計測するため高い精度で実際の燃料濃度(空気過剰率)または蒸気濃度を求めることができる。このため、計測結果から通路内の燃料濃度(空気過剰率)または蒸気濃度を知り常に適正な燃料濃度(空気過剰率)または蒸気濃度範囲に制御することができ、吹き消え、逆火の発生およびNOx上昇あるいはスス付着を的確に防止することができる。
【0025】
(b) ところで,通路内には燃料濃度(空気過剰率)、速度、温度または蒸気濃度の空間的な分布あるいは時間的な変動があり均一な分布をしているとは限らない。そのため、例えば平均的には燃料濃度(空気過剰率)は高く逆火に至らないが局所的には高い燃料濃度(低い空気過剰率)条件が存在しており逆火に至る、と言う場合がある。吹き消えやNOxの上昇についても同様に空間分布の影響を受ける。したがって、吹き消え、逆火の発生およびNOx上昇あるいはスス付着をより正確に予測するには通路内の平均的な燃料濃度(空気過剰率)、速度、温度、蒸気濃度等を知るだけでなくこれらの空間的なあるいは時間的な分布を計測する必要がある。このうち燃料濃度(空気過剰率)分布または蒸気濃度分布は予混合火炎の温度分布や速度分布に大きく影響を与えるため、燃料濃度(空気過剰率)の分布または蒸気濃度分布を知ることにより吹き消え,逆火の発生およびNOx上昇あるいはスス付着を予測することができる。本発明により燃料濃度(空気過剰率)または蒸気濃度の空間的な分布を知り吹き消え、逆火の発生およびNOx上昇を確実に予測することがきる。
【0026】
(c) 燃料濃度(空気過剰率)または蒸気濃度の計測結果が常に適正な燃料濃度(空気過剰率)または蒸気濃度範囲に制御する方法としては、空気流量、燃料流量または蒸気流量の増減が適切である。但し、ガスタービン燃焼器等で出力を変化させたくない場合には他の方法が適切である。例えば、適正な燃料濃度(空気過剰率)範囲よりも高い燃料濃度(低い空気過剰率)が計測され、NOxの増加または逆火の発生が予想される場合には気流旋回装置の調整により旋回強さを調整して燃料と空気または蒸気の混合を促進してまたは予混合燃焼用と拡散燃焼用の燃料の分配を調整してNOxの低下や逆火を防止できる。
【0027】
逆に、適正な燃料濃度(空気過剰率)範囲よりも低い燃料濃度(高い空気過剰率)が計測され、噴き消えが予想される場合には、気流旋回装置の旋回強さを強くして、火炎の保持力を強くすることにより、吹き消えを回避することができる。また、予混合気燃焼用と拡散燃焼用の燃料の分配を調整して吹き消えを防止することができる。また、複数の予混合用燃料供給系をもつ場合にはこの分配方法を適正に調整し、分布をなくすことによりNOxの低下や逆火の防止ができる。
【0028】
(d) 光吸収法または光減衰法を利用した制御装置は、例えばサンプリング法とは異なり応答性が速くリアルタイムで計測ができるため高い制御性を確保することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の動力発生装置としてのガスタービン用燃焼器1は、図1に示すように構成されている。マイクロガスタービンでは、圧縮機が空気を吸引して空気圧力を4気圧程度まで上昇し、その圧縮空気(200℃程度)で排ガスの熱(650℃程度)を回収して、燃焼器1には比較的高い温度の空気(600℃程度)を供給することにより燃料消費量を節約するタイプで、いわゆる再生式ガスタービンの構成を示す。ここでは、燃焼器1で生成した燃焼ガスでタービンを駆動するが、このタービン軸は圧縮機および発電機と1本の軸で連結されて、数万rpmで回転することで発電をするものである。このマイクロガスタービン用低NOx燃焼器1の断面構造を図2に示す。燃焼室2の中央に燃料噴射ノズル3があり、その先端の周囲には保炎器4が配置されている。発電出力はマイクロガスタービンの回転軸の回転速度を可変にして行うので、出力の変化につれて、空気流量および燃料流量が増減する。つまり、マイクロガスタービンの運転では、空気と燃料あるいは蒸気の混合条件は時々刻々と変わるため、本発明の実施形態のガスタービン用燃焼器1は、実用上極めて有効である。
【0030】
この燃料ノズル3から燃焼室2に噴射した燃料は、拡散燃焼するので、ここでは拡散燃料噴射ノズルと呼ぶことにする。保炎器4の外周には環状の空気流路5があり、この空気流路5の上流には、さらに別の燃料噴射ノズル6が数本と旋回用スワーラ羽根7が配置されている。この数本の燃料噴射ノズル6から噴射した燃料は、空気と予混合した後に燃焼室2で希薄燃焼するので、ここでは予混合燃料噴射ノズルと呼ぶことにする。つまり、低NOx燃焼運転時には、1次燃焼用空気が空気通路8の入口から流入し、その通路8中に予混合燃料噴射ノズル6が配置されて、さらにその下流のスワーラ羽根7により予混合気流に旋回速度を付与して、この旋回予混合気は環状の空気流路5から燃焼室2内に流入して希薄予混合燃焼する構成である。
【0031】
図1、図2に示すように、中央に拡散燃焼用燃料噴射弁3を、その周辺に環状で予混合燃焼用混合気の予混気通路でもある空気流路5を持つ燃焼器1において、予混合通路の出口部付近に4ヶ所の燃料濃度(空気過剰率)計測部9a〜9dが設けられている。この場合、燃料濃度(空気過剰率)検出手法は、赤外吸収法による光学的な手法であり、予混合通路内の予混合気の流れに外乱を与えずに計測できるため、逆火や吹き消えを誘発する要因はない。また,環状の空気流路5中に4ヶ所の計測部9a〜9dを持つため周方向に燃料濃度(空気過剰率)の分布がある場合でも局所の燃料濃度(空気過剰率)を正確に計測できるため確実な燃焼制御が可能である。
【0032】
レーザ−光源10a〜10dから発光した光は、光ファイバーケーブル11a〜11dおよびサファイアガラスロッド12a〜12dを経て予混合通路でもある空気流路5の内壁13で反射された後逆の経路で光ファイバーケーブル11a〜11dに戻りチョッパ-(図示しない)を経て検知器14a〜14dに投入される。投入された光強度信号は、演算回路32により燃料濃度(空気過剰率)に変換されて環状の空気流路5の周方向における4箇所の燃料濃度(空気過剰率)を検知することができる。このとき予混合通路である空気流路5の内壁13は、光の反射率を高めるため、鏡面仕上げまたはコーティングを施してあることが望ましい。
【0033】
演算回路32で変換された空気過剰率はこのうち最も希薄な空気過剰率λLと最も過濃な空気過剰率λRを予め求めた目標の空気過剰率範囲と比較する。最も希薄な空気過剰率λLが目標の空気過剰率範囲の希薄側よりも更に希薄であればコントローラ33により予混合燃焼用燃料流量を増加または空気流量を減少する。逆に最も過濃な空気過剰率λRが目標の濃度範囲の過濃側よりも更に過濃であれば予混合燃焼用燃料流量を減少または空気流量を増加する。この制御によって予混合火炎の吹き消え、逆火およびNOxの急増あるいはスス付着を的確に回避することができる。
【0034】
燃料濃度(空気過剰率)の計測手法の詳細について以下に説明する。赤外吸収法は炭化水素系燃料が特定の波長の赤外光を吸収する特性を利用して濃度計測を行う方法である。予め燃料の吸収係数をもとめておくことにより赤外光の強度比(I0/I)から燃料濃度を計算することができる。強度比を求めるには、例えば、マイクロガスタービンの起動スタート直前時のような、予混合通路燃料供給前に空気のみの状態で検出器14a〜14dの出力(I0)を記憶しておきこれと燃料供給時の検出器14a〜14dの出力(I)との比を求めることにより得ることができる。
【0035】
また、空気流量および空気旋回強さの制御は、空気量調整用アクチュエータ31aおよび空気旋回調整用アクチュエータ31bで行う。図3に示すように、空気流路5の途中に、空気流量調整機構(15〜20)および図4に示すに空気旋回調整機構(21〜27)を備えており、燃料濃度(空気過剰率)の計測結果にもとづいて空気流量および旋回強さを調整制御することができる。
【0036】
以下、制御の詳細について説明する。まず、マイクロガスタービンの起動スタート時(燃料供給前)に検出器14a〜14dの出力I0を記憶しておき、基準となるI0を前もって修正する。エンジン起動後は、図8に示すのフローチャートにしたがって制御される。まず、検出器14a〜14dの出力Iと前もって修正したI0から演算回路32で局所の空気過剰率λa〜λdを計算する。次に4個の空気過剰率のバラツキλmax−λminを求めこれを4個の平均値λmeanで割った値がバラツキ係数α(例えば0.05)よりも大きいかどうかを判定する。
【0037】
バラツキ係数αよりも大きい場合は先ず燃料補正量ΔGfMを計算する。ΔGfMは予混合燃焼用燃料噴射弁に供給する燃料流量GfMにαを掛けた値を予混合燃焼用燃料噴射弁の個数(4)と修正係数β(例えば20)の積で割った値α・GfM/4βを計算する。次に、最高空気過剰率λmaxが計算された検出器の位置に相当する予混合燃焼用燃料噴射弁6max(6a〜6dのいずれか)の燃料流量をΔGfMだけ増加すると共に最低空気過剰率λminが計算された検出器の位置に相当する予混合燃焼用燃料噴射弁6min (6a〜6dのいずれか)の燃料流量をΔGfMだけ減少する。これにより、予混合燃焼用燃料のバラツキを燃料供給量を変化させることなく解消し空気過剰率の不均一を改善できる。
【0038】
その後は再度4個の空気過剰率のバラツキを判断する。4個の空気過剰率のバラツキλmax−λminを求めこれを4個の平均値λmeanで割った値がバラツキ係数αよりも小さい場合は、運転条件である空気流量Ga、予混合燃焼用燃料流量GfM、空気温度Ta、出力Pをもとめ、これらの値から空気過剰率の基準値λ0を計算する。これに高空気過剰率側の係数KH(例えば1.2)を掛けた値と4個の空気過剰率の平均値λmeanを比較してλmeanの方が高い場合は、6a〜6dに供給する燃料流量をそれぞれΔGfMだけ増加、空気流量GaをΔGaだけ減少または空気旋回をΔθだけ強くすることにより吹き消えを防止できる。その後は再度4個の空気過剰率のバラツキを判断する。
【0039】
4個の空気過剰率の平均値λmeanがKH・λ0よりも低い場合は、λ0に低空気過剰率側の係数KH(例えば0.8)を掛けた値KL・λ0よりも低いかどうかを判断する。低い場合は、6a〜6dに供給する燃料流量をそれぞれΔGfMだけ減少、空気流量GaをΔGaだけ増加または空気旋回をΔθだけ弱くすることによりNOxの上昇や逆火を防止できる。その後は再度4個の空気過剰率のバラツキを判断する。4個の空気過剰率の平均値λmeanがαL・λ0よりも低くない場合はそのまま運転を続けて問題はない。
【0040】
図1に記載のような予混合燃焼器で、希薄予混合燃焼の運転をすると燃料流量、空気流量あるいは圧力などの条件により振動燃焼が発生することがある。強い振動燃焼が発生するとガスタービンエンジンは破損することになるが、その前に振動燃料を回避する必要がある。振動燃焼が発生すると、従来の方法ではエンジンを停止するか、あるいはNOx排出が多い拡散燃焼に切り替えて運転を継続させていた。しかし、燃料濃度を計測してその濃度変動を積極的に数十ヘルツから数キロヘルツの間で変化させることで希薄予混合燃焼による振動燃焼を抑制することができて、低NOx燃焼を継続することが出来る。
【0041】
【発明のその他の実施の形態】
本発明のその他の実施形態の動力発生装置である燃料改質器は、図9、図10に示すように構成されている。ガスタービンの圧縮機で圧力4気圧程度に昇圧された空気は200℃程度に昇温すら。さらに、排熱回収用熱交換器により600℃程度に加熱されて燃焼器に供給される。排熱回収用熱交換器の上流側には燃料改質器が配置されて、タービン出口からの排熱で改質触媒をすることで燃料を改質する。都市ガス、LNG,LPG、あるいは灯油などの燃料は、タービン出口排熱である700℃程度の熱エネルギーにより加熱された燃料改質器中で改質されて、燃焼器で空気と混合した後に希薄燃焼する。
【0042】
燃料改質器には白金、パラジウム、ロジウムなどの改質触媒が燃料通路に担持されて、燃料および水蒸気が一酸化炭素と水素などの混合ガスに改質される。この燃料改質器の燃料改質率を高く維持するには、温度を一定範囲にするとともに燃料と水蒸気の混合比を一定に維持することが重要である。例えば、温度に対して燃料改質率は図11に示すように大きく依存する。燃料改質絵率を70%程度以上に保持するにはここでは600℃程度以上の温度が必要である。
【0043】
炭化水素系燃料を水蒸気で改質するには燃料中の炭素モル数(C)と水蒸気のモル数(S)の比率S/C比が一定の比率が必要で、例えばS/C=2程度が最適である。2より小さいと触媒表面上で炭素が析出して改質率が極端に悪化する。一方、2より大きいと余分な水蒸気を加熱しなければならないために改質温度が低下して改質率が悪化するし、排熱エネルギ−の有効利用にならない。燃料流量はガスタービンの出力により大きく変動するため水蒸気量もS/C=2前後に制御する必要があるが、時間変動のある燃料流量に対応して一様に予混合させることは予め決めたシーケンス制御方法では現実的には難しい。
【0044】
そこで、燃料改質器の入口あるいは出口側に濃度測定装置を配置している。入口では燃料濃度と水蒸気濃度を、出口では一酸化炭素や水蒸気濃度あるいは未反応の燃料濃度を計測して時々刻々変化する燃料改質割合をフィードバック制御することで、エネルギーの有効と燃料改質率の高性能を実現している。さらに、燃料改質器(改質触媒)の入口側と出口側で時間履歴を計測するので改質触媒の性能劣化に対してもS/C比を最適に対応させることができる。あるいは、燃料や蒸気濃度を積極的に変動させることにより触媒表面上の不活性物質を浄化して活性を復活することに利用できる。
【0045】
ところで、濃度計測には赤外吸収法が最適である。赤外吸収法は気体が特定の波長の赤外光を吸収する特性を利用して濃度計測を行う方法であり、例えば、炭化水素系燃料では3.39μm、一酸化炭素では4.7μm、水蒸気では2.7μmあるいは6.3μmなどの個別の吸収波長を利用することで、それぞれの気体の濃度をお互いの干渉も無く同時に計測することができる。
【0046】
【その他の発明の形態】
本発明は、気体燃料や液体燃料を燃焼させるガスタービン用低NOx燃焼器に限らず、この他、蒸気発生装置や燃料改質器や燃料電池などの原動機や動力発生装置などに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施形態例のマイクロガスタービン用低NOx燃焼器の縦断面を示す構成図である。
【図2】本発明の代表的な実施形態例のマイクロガスタービン用低NOx燃焼器の横断面を示す構成図である。
【図3】本発明の代表的な実施形態例における空気流量調整機構を示す構成図である。
【図4】本発明の代表的な実施形態例における空気旋回調整機構を示す構成図である。
【図5】本発明の代表的な実施形態例における空気過剰率または蒸気流量の影響を示す線図である。
【図6】従来の制御手法を示す構成図である。
【図7】その他の従来の制御手法を示す構成図である。
【図8】本発明の代表的な実施形態例の制御に関するフローチャートである。
【図9】本発明の代表的な実施形態例におけるマイクロガスタービンの構成を示す図である。
【図10】本発明の代表的な実施形態例における燃料改質器の構成図である。
【図11】本発明の代表的な実施形態例における温度と燃料改質率を示す図である。
【符号の説明】
1…燃焼器
2…燃焼室
3…拡散燃焼用燃料噴射弁
4…保炎器
5…空気流路
6a〜6c…予混合燃焼用燃料噴射弁
7…旋回用スワーラ羽根
9a〜9d…空気過剰率計測部
10a〜10d…レーザ−光源
11a〜11d…光ファイバーケーブル
12a〜12d…サファイアガラスロッド
14a〜14d…検知器
15…空気流量調整機構
16…空気旋回調整機構
31a…空気流量調整用アクチュエータ
31b…空気旋回用調整用アクチュエータ
32…演算回路
33…コントローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体燃料や液体燃料を燃焼させるガスタービン用低NOx燃焼器や蒸気発生装置や燃料電池などの動力発生装置おいて、動力発生装置に連接した通路中に燃料濃度または蒸気濃度を計測する装置を備え、動力発生装置のNOx急増あるいは吹き消えや逆火の抑止、またはカーボン析出の防止、あるいは振動燃焼の防止を目的にして燃料濃度または蒸気濃度が不適正な状況になる前に、適正な燃料濃度または蒸気濃度の混合気を供給するようにした動力発生装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の動力発生装置の一例である予混合燃焼器の制御方法には、例えば、図6に示すように、予混合バーナに流入する空気流量、温度40や燃料流量41等から断熱火炎温度42を計算し、この値が設定した許容範囲に入るように燃料あるいは空気流量43を制御することにより低NOx化や火炎安定性の確保を図るものが提案されている(特開平6−101808号公報)。
【0003】
この従来技術は、図6に示すように、供給した空気から予混合通路内を流れる空気流量を仮定し、これと供給した燃料流量から平均的な空気過剰率(空気比)を計算しこれと燃料組成、空気温度、湿度により断熱火炎温度を計算し、目標の断熱火炎温度範囲と比較するものである。しかし、これは、空気流量を仮定するため正確な断熱火炎温度を計算することができなく、正確な制御を行うことができない。また、実際に予混合通路内には濃度の分布があり逆火、吹き消え、NOxの急増あるいはスス付着などの問題を回避することは、濃度分布に起因する予混合通路内の平均的な空気過剰率の情報だけではできないため、十分な精度で燃焼制御あるいは反応制御ができないという実用上解決すべき問題がある。
【0004】
また、従来の動力発生装置の一例として、図7に示すように、2つのプローブ51a、51bで火炎を測光しその発光強度の比kを求め、これと予め求めた目標の空気過剰率の中間値(最適値)における値kであるkRとなるように空気導入量を制御するように構成した燃焼器50において、この燃焼器に連接した通路52中に空気過剰率または蒸気濃度を計測する装置を備えたものがある。そして、燃焼器50のNOx急増あるいは吹き消え、逆火の限界空気過剰率または蒸気濃度になる前に適正な空気過剰率または蒸気濃度の混合気を供給することを特徴とする制御装置が提案されている(特開平6-106841号公報)。
【0005】
この従来技術では、図7に示すように、2つのプローブ51a、51bにおける火炎発光強度の比kの情報を使って燃焼時の空気過剰率を求めて目標の空気過剰率になるように制御するのである。但しこの制御は、火炎発光強度の比kと空気過剰率の関係が一義的に決定されないため、正確な燃焼制御を行うことができないという問題点を有する。すなわち、火炎の発光スペクトルは空気過剰率以外に温度、圧力、すす生成の有無等の影響をうけるために複数種の化学発光スペクトルの比と空燃比の関係は一義的には決らないのである。
【0006】
また、この場合2ヶ所の異なるポイントからの火炎発光をセンシングしているため空間的に異なる2点からの発光スペクトルを得ることになる。空間的に異なる2点では空気過剰率が異なる可能性が高いためこの方法では空気過剰率が決定できない。さらに、センシングされた火炎からの発光は光路上の積分値であるため光路中に発光強度の分布がある場合、または分布の形が変化する場合には安定した発光強度が得られないという問題が生じる。そのため発光スペクトルの比と空燃比の関係は一義的には決らないという実用上解決すべき課題を有するのである。
【0007】
この他の従来技術として、特開平7-119492号や特開平7-225024号には、予混合バーナにおける出口炎口部または保炎部の周辺部の温度測定により逆火の発生を検出したり、特開2002−70584号には、排気ガスのNOx濃度を検出し、これを逆火検出の判別の補助手段とするものが開示されている。
【0008】
これら従来技術において、特開平7-119492号や特開平7-225024号のように、温度またはNOx、濃度計測により逆火を検出するのであるが、いずれも逆火の発生を検知するのみで発生の直前にこれを予測することは原理的にできなく実用上の課題を有する。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−101808号公報 [0002]
【0010】
【特許文献2】
特開平6−106841号公報 [0004]
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の課題を解決するために案出されたものである。すなわち、本発明の目的は、気体燃料や液体燃料を燃焼させるガスタービン用低NOx燃焼器や蒸気発生装置や燃料電池などの動力発生装置において、動力発生装置に連通する通路に空気過剰率または蒸気濃度を計測する装置を設けて適正な空気過剰率または蒸気濃度の混合気を供給することにより、動力発生装置の逆火、吹き消え、NOxの上昇、スス生成、あるいは振動燃焼などを防止するようにした動力発生装置の制御装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の動力発生条件を制御する動力発生装置の制御装置は、燃料および/または蒸気を供給する供給手段と、空気あるいは気体を供給する気流流路と、を備え、気流流路に配設し燃料濃度および/または蒸気濃度を計測する計測装置と、計測装置による燃料濃度または蒸気濃度の状況に対応して適正な燃料濃度または蒸気濃度の混合気を供給する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の動力発生条件を制御する動力発生装置の制御装置は、気流流路の燃料濃度または蒸気濃度の空間的偏りまたは分布および/または時間的変動を検知する計測装置を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の動力発生条件を制御する動力発生装置の制御装置は、適正な燃料濃度または蒸気濃度は、あらかじめ規定した範囲となし、計測した燃料濃度または蒸気濃度がこの範囲内になるように気流流量または燃料流量あるいは蒸気量を調整する手段を設けたことを特徴する。
【0015】
請求項4に記載の動力発生条件を制御する動力発生装置の制御装置は、適正な燃料濃度または蒸気濃度が、あらかじめ規定した範囲となし、計測した燃料濃度または蒸気濃度がこの範囲内になるように設けた気流旋回装置または燃料分配装置の少なくとも一つを制御するようにしたことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の動力発生条件を制御する動力発生装置の制御装置は、燃料濃度または蒸気濃度を計測する装置が、光吸収法または光減衰法を利用した装置であることを特徴する。
【0017】
請求項6に記載の動力発生条件を制御する動力発生装置の制御装置は、燃料および/または蒸気を供給する気流流路あるいは容器の入口および/または出口で燃料濃度または蒸気濃度を計測する装置を設けるとともに、その計測濃度の変化を利用して供給する燃料および/または蒸気の流量を変動させて制御する装置を設けたことを特徴する。
【0018】
【発明の作用・効果】
(1) 動力発生装置の代表例として、予混合燃焼方式の燃焼器では、空気と燃料濃度あるいは空気を空間的あるいは時間的に均一に混合することが必要であるが、実際の燃焼器では限られた空間や構造の中で、作動条件が常に変化するので、理想的に均一な濃度分布を形成させることは難しい。このため、実機においては、不均一が原因となる吹き消え,逆火の発生あるいはスス付着を避けることが必須条件である。また環境問題に伴う低NOx排出の要望からNOx生成の上昇を回避する必要がある。本発明は、燃焼器に連接した通路中において1個または複数箇所の燃料濃度または蒸気濃度を計測し、これと適正な燃料濃度または蒸気濃度範囲とを比較することにより吹き消え、逆火およびNOxの急増、スス付着、あるいは振動燃焼を防止することができる。これにより燃焼器の損傷や失火を防止し、NOxの上昇を避けることができる。
【0019】
(2) 計測装置は1個でも良いが、通路中の燃料濃度または蒸気濃度には空間分布が存在するので、複数個の計測装置を備える計測を行えばより精度の高い制御を行うことができる。
【0020】
(3) 空気流量または燃料流量あるいは蒸気量を調整することにより、吹き消え、逆火およびNOxの急増、スス付着、あるいは振動燃焼を防止することができる。この場合、燃焼ガス流量や温度が変化するためガスタービン等に用いられる燃焼器の場合にはエンジン出力が変化する。空気流量または燃料流量あるいは蒸気量の調整の代わりにまたはそれに加えて気流旋回装置または燃料分配装置の制御を行うことにより、エンジン出力を変化させることなく吹き消え、逆火およびNOxの急増、スス付着、あるいは振動燃焼を防止することができる。
【0021】
(4) 燃料濃度または蒸気濃度を計測する方法を、光吸収法または光減衰法を利用した装置とすることにより通路中の流れを乱したりあるいは遮ることなく正確な計測ができる。そのため予混合通路中の計測においても、逆火、吹き消え、NOxの急増の誘発、スス付着、あるいは振動燃焼を防ぐことができる。また、リアルタイムでの計測が可能であり高い制御性を確保することができる。また、例えば、サンプリング法を利用した装置よりも小型の装置構成とすることができる。
【0022】
(5) 燃料および/または蒸気を供給する気流流路あるいは容器の入口および/または出口で燃料濃度または蒸気濃度を計測する装置を設けるとともに、その計測濃度の変化を利用して供給する燃料および/または蒸気の流量を変動させて制御する装置を設けたことにより、燃焼振動をアクティブに抑制すること、あるいは燃料改質触媒表面上に付着した不活性物質を除去することができ、燃焼器あるいは燃料改質器などの耐久性を向上することが出きる。
【0023】
〔作用:効果が生じる理由〕
(a) 吹き消え、逆火の発生およびNOx濃度の上昇あるいはスス付着は、予混合通路内の燃料濃度(あるいは空気過剰率)、速度、温度等により大きく影響を受けることが知られている。また、低NOx化等の目的で蒸気噴射を行う場合には蒸気濃度の影響も受ける。図5に示すように、空気過剰率または蒸気流量は、吹き消え易さ、耐逆火性またはNOx低減あるいはスス付着防止効果に及ぼす影響がある。
【0024】
従来は、燃焼器の入口での空気流量および燃料流量の計測値から予混合通路中を流れる空気および燃料流量を仮定して平均の空気過剰率を求めたが、予混合通路内を直接計測していないため計測精度に問題があった。これに対して、本発明では動力発生装置としての燃焼器に連通する通路内のガスを直接計測するため高い精度で実際の燃料濃度(空気過剰率)または蒸気濃度を求めることができる。このため、計測結果から通路内の燃料濃度(空気過剰率)または蒸気濃度を知り常に適正な燃料濃度(空気過剰率)または蒸気濃度範囲に制御することができ、吹き消え、逆火の発生およびNOx上昇あるいはスス付着を的確に防止することができる。
【0025】
(b) ところで,通路内には燃料濃度(空気過剰率)、速度、温度または蒸気濃度の空間的な分布あるいは時間的な変動があり均一な分布をしているとは限らない。そのため、例えば平均的には燃料濃度(空気過剰率)は高く逆火に至らないが局所的には高い燃料濃度(低い空気過剰率)条件が存在しており逆火に至る、と言う場合がある。吹き消えやNOxの上昇についても同様に空間分布の影響を受ける。したがって、吹き消え、逆火の発生およびNOx上昇あるいはスス付着をより正確に予測するには通路内の平均的な燃料濃度(空気過剰率)、速度、温度、蒸気濃度等を知るだけでなくこれらの空間的なあるいは時間的な分布を計測する必要がある。このうち燃料濃度(空気過剰率)分布または蒸気濃度分布は予混合火炎の温度分布や速度分布に大きく影響を与えるため、燃料濃度(空気過剰率)の分布または蒸気濃度分布を知ることにより吹き消え,逆火の発生およびNOx上昇あるいはスス付着を予測することができる。本発明により燃料濃度(空気過剰率)または蒸気濃度の空間的な分布を知り吹き消え、逆火の発生およびNOx上昇を確実に予測することがきる。
【0026】
(c) 燃料濃度(空気過剰率)または蒸気濃度の計測結果が常に適正な燃料濃度(空気過剰率)または蒸気濃度範囲に制御する方法としては、空気流量、燃料流量または蒸気流量の増減が適切である。但し、ガスタービン燃焼器等で出力を変化させたくない場合には他の方法が適切である。例えば、適正な燃料濃度(空気過剰率)範囲よりも高い燃料濃度(低い空気過剰率)が計測され、NOxの増加または逆火の発生が予想される場合には気流旋回装置の調整により旋回強さを調整して燃料と空気または蒸気の混合を促進してまたは予混合燃焼用と拡散燃焼用の燃料の分配を調整してNOxの低下や逆火を防止できる。
【0027】
逆に、適正な燃料濃度(空気過剰率)範囲よりも低い燃料濃度(高い空気過剰率)が計測され、噴き消えが予想される場合には、気流旋回装置の旋回強さを強くして、火炎の保持力を強くすることにより、吹き消えを回避することができる。また、予混合気燃焼用と拡散燃焼用の燃料の分配を調整して吹き消えを防止することができる。また、複数の予混合用燃料供給系をもつ場合にはこの分配方法を適正に調整し、分布をなくすことによりNOxの低下や逆火の防止ができる。
【0028】
(d) 光吸収法または光減衰法を利用した制御装置は、例えばサンプリング法とは異なり応答性が速くリアルタイムで計測ができるため高い制御性を確保することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の動力発生装置としてのガスタービン用燃焼器1は、図1に示すように構成されている。マイクロガスタービンでは、圧縮機が空気を吸引して空気圧力を4気圧程度まで上昇し、その圧縮空気(200℃程度)で排ガスの熱(650℃程度)を回収して、燃焼器1には比較的高い温度の空気(600℃程度)を供給することにより燃料消費量を節約するタイプで、いわゆる再生式ガスタービンの構成を示す。ここでは、燃焼器1で生成した燃焼ガスでタービンを駆動するが、このタービン軸は圧縮機および発電機と1本の軸で連結されて、数万rpmで回転することで発電をするものである。このマイクロガスタービン用低NOx燃焼器1の断面構造を図2に示す。燃焼室2の中央に燃料噴射ノズル3があり、その先端の周囲には保炎器4が配置されている。発電出力はマイクロガスタービンの回転軸の回転速度を可変にして行うので、出力の変化につれて、空気流量および燃料流量が増減する。つまり、マイクロガスタービンの運転では、空気と燃料あるいは蒸気の混合条件は時々刻々と変わるため、本発明の実施形態のガスタービン用燃焼器1は、実用上極めて有効である。
【0030】
この燃料ノズル3から燃焼室2に噴射した燃料は、拡散燃焼するので、ここでは拡散燃料噴射ノズルと呼ぶことにする。保炎器4の外周には環状の空気流路5があり、この空気流路5の上流には、さらに別の燃料噴射ノズル6が数本と旋回用スワーラ羽根7が配置されている。この数本の燃料噴射ノズル6から噴射した燃料は、空気と予混合した後に燃焼室2で希薄燃焼するので、ここでは予混合燃料噴射ノズルと呼ぶことにする。つまり、低NOx燃焼運転時には、1次燃焼用空気が空気通路8の入口から流入し、その通路8中に予混合燃料噴射ノズル6が配置されて、さらにその下流のスワーラ羽根7により予混合気流に旋回速度を付与して、この旋回予混合気は環状の空気流路5から燃焼室2内に流入して希薄予混合燃焼する構成である。
【0031】
図1、図2に示すように、中央に拡散燃焼用燃料噴射弁3を、その周辺に環状で予混合燃焼用混合気の予混気通路でもある空気流路5を持つ燃焼器1において、予混合通路の出口部付近に4ヶ所の燃料濃度(空気過剰率)計測部9a〜9dが設けられている。この場合、燃料濃度(空気過剰率)検出手法は、赤外吸収法による光学的な手法であり、予混合通路内の予混合気の流れに外乱を与えずに計測できるため、逆火や吹き消えを誘発する要因はない。また,環状の空気流路5中に4ヶ所の計測部9a〜9dを持つため周方向に燃料濃度(空気過剰率)の分布がある場合でも局所の燃料濃度(空気過剰率)を正確に計測できるため確実な燃焼制御が可能である。
【0032】
レーザ−光源10a〜10dから発光した光は、光ファイバーケーブル11a〜11dおよびサファイアガラスロッド12a〜12dを経て予混合通路でもある空気流路5の内壁13で反射された後逆の経路で光ファイバーケーブル11a〜11dに戻りチョッパ-(図示しない)を経て検知器14a〜14dに投入される。投入された光強度信号は、演算回路32により燃料濃度(空気過剰率)に変換されて環状の空気流路5の周方向における4箇所の燃料濃度(空気過剰率)を検知することができる。このとき予混合通路である空気流路5の内壁13は、光の反射率を高めるため、鏡面仕上げまたはコーティングを施してあることが望ましい。
【0033】
演算回路32で変換された空気過剰率はこのうち最も希薄な空気過剰率λLと最も過濃な空気過剰率λRを予め求めた目標の空気過剰率範囲と比較する。最も希薄な空気過剰率λLが目標の空気過剰率範囲の希薄側よりも更に希薄であればコントローラ33により予混合燃焼用燃料流量を増加または空気流量を減少する。逆に最も過濃な空気過剰率λRが目標の濃度範囲の過濃側よりも更に過濃であれば予混合燃焼用燃料流量を減少または空気流量を増加する。この制御によって予混合火炎の吹き消え、逆火およびNOxの急増あるいはスス付着を的確に回避することができる。
【0034】
燃料濃度(空気過剰率)の計測手法の詳細について以下に説明する。赤外吸収法は炭化水素系燃料が特定の波長の赤外光を吸収する特性を利用して濃度計測を行う方法である。予め燃料の吸収係数をもとめておくことにより赤外光の強度比(I0/I)から燃料濃度を計算することができる。強度比を求めるには、例えば、マイクロガスタービンの起動スタート直前時のような、予混合通路燃料供給前に空気のみの状態で検出器14a〜14dの出力(I0)を記憶しておきこれと燃料供給時の検出器14a〜14dの出力(I)との比を求めることにより得ることができる。
【0035】
また、空気流量および空気旋回強さの制御は、空気量調整用アクチュエータ31aおよび空気旋回調整用アクチュエータ31bで行う。図3に示すように、空気流路5の途中に、空気流量調整機構(15〜20)および図4に示すに空気旋回調整機構(21〜27)を備えており、燃料濃度(空気過剰率)の計測結果にもとづいて空気流量および旋回強さを調整制御することができる。
【0036】
以下、制御の詳細について説明する。まず、マイクロガスタービンの起動スタート時(燃料供給前)に検出器14a〜14dの出力I0を記憶しておき、基準となるI0を前もって修正する。エンジン起動後は、図8に示すのフローチャートにしたがって制御される。まず、検出器14a〜14dの出力Iと前もって修正したI0から演算回路32で局所の空気過剰率λa〜λdを計算する。次に4個の空気過剰率のバラツキλmax−λminを求めこれを4個の平均値λmeanで割った値がバラツキ係数α(例えば0.05)よりも大きいかどうかを判定する。
【0037】
バラツキ係数αよりも大きい場合は先ず燃料補正量ΔGfMを計算する。ΔGfMは予混合燃焼用燃料噴射弁に供給する燃料流量GfMにαを掛けた値を予混合燃焼用燃料噴射弁の個数(4)と修正係数β(例えば20)の積で割った値α・GfM/4βを計算する。次に、最高空気過剰率λmaxが計算された検出器の位置に相当する予混合燃焼用燃料噴射弁6max(6a〜6dのいずれか)の燃料流量をΔGfMだけ増加すると共に最低空気過剰率λminが計算された検出器の位置に相当する予混合燃焼用燃料噴射弁6min (6a〜6dのいずれか)の燃料流量をΔGfMだけ減少する。これにより、予混合燃焼用燃料のバラツキを燃料供給量を変化させることなく解消し空気過剰率の不均一を改善できる。
【0038】
その後は再度4個の空気過剰率のバラツキを判断する。4個の空気過剰率のバラツキλmax−λminを求めこれを4個の平均値λmeanで割った値がバラツキ係数αよりも小さい場合は、運転条件である空気流量Ga、予混合燃焼用燃料流量GfM、空気温度Ta、出力Pをもとめ、これらの値から空気過剰率の基準値λ0を計算する。これに高空気過剰率側の係数KH(例えば1.2)を掛けた値と4個の空気過剰率の平均値λmeanを比較してλmeanの方が高い場合は、6a〜6dに供給する燃料流量をそれぞれΔGfMだけ増加、空気流量GaをΔGaだけ減少または空気旋回をΔθだけ強くすることにより吹き消えを防止できる。その後は再度4個の空気過剰率のバラツキを判断する。
【0039】
4個の空気過剰率の平均値λmeanがKH・λ0よりも低い場合は、λ0に低空気過剰率側の係数KH(例えば0.8)を掛けた値KL・λ0よりも低いかどうかを判断する。低い場合は、6a〜6dに供給する燃料流量をそれぞれΔGfMだけ減少、空気流量GaをΔGaだけ増加または空気旋回をΔθだけ弱くすることによりNOxの上昇や逆火を防止できる。その後は再度4個の空気過剰率のバラツキを判断する。4個の空気過剰率の平均値λmeanがαL・λ0よりも低くない場合はそのまま運転を続けて問題はない。
【0040】
図1に記載のような予混合燃焼器で、希薄予混合燃焼の運転をすると燃料流量、空気流量あるいは圧力などの条件により振動燃焼が発生することがある。強い振動燃焼が発生するとガスタービンエンジンは破損することになるが、その前に振動燃料を回避する必要がある。振動燃焼が発生すると、従来の方法ではエンジンを停止するか、あるいはNOx排出が多い拡散燃焼に切り替えて運転を継続させていた。しかし、燃料濃度を計測してその濃度変動を積極的に数十ヘルツから数キロヘルツの間で変化させることで希薄予混合燃焼による振動燃焼を抑制することができて、低NOx燃焼を継続することが出来る。
【0041】
【発明のその他の実施の形態】
本発明のその他の実施形態の動力発生装置である燃料改質器は、図9、図10に示すように構成されている。ガスタービンの圧縮機で圧力4気圧程度に昇圧された空気は200℃程度に昇温すら。さらに、排熱回収用熱交換器により600℃程度に加熱されて燃焼器に供給される。排熱回収用熱交換器の上流側には燃料改質器が配置されて、タービン出口からの排熱で改質触媒をすることで燃料を改質する。都市ガス、LNG,LPG、あるいは灯油などの燃料は、タービン出口排熱である700℃程度の熱エネルギーにより加熱された燃料改質器中で改質されて、燃焼器で空気と混合した後に希薄燃焼する。
【0042】
燃料改質器には白金、パラジウム、ロジウムなどの改質触媒が燃料通路に担持されて、燃料および水蒸気が一酸化炭素と水素などの混合ガスに改質される。この燃料改質器の燃料改質率を高く維持するには、温度を一定範囲にするとともに燃料と水蒸気の混合比を一定に維持することが重要である。例えば、温度に対して燃料改質率は図11に示すように大きく依存する。燃料改質絵率を70%程度以上に保持するにはここでは600℃程度以上の温度が必要である。
【0043】
炭化水素系燃料を水蒸気で改質するには燃料中の炭素モル数(C)と水蒸気のモル数(S)の比率S/C比が一定の比率が必要で、例えばS/C=2程度が最適である。2より小さいと触媒表面上で炭素が析出して改質率が極端に悪化する。一方、2より大きいと余分な水蒸気を加熱しなければならないために改質温度が低下して改質率が悪化するし、排熱エネルギ−の有効利用にならない。燃料流量はガスタービンの出力により大きく変動するため水蒸気量もS/C=2前後に制御する必要があるが、時間変動のある燃料流量に対応して一様に予混合させることは予め決めたシーケンス制御方法では現実的には難しい。
【0044】
そこで、燃料改質器の入口あるいは出口側に濃度測定装置を配置している。入口では燃料濃度と水蒸気濃度を、出口では一酸化炭素や水蒸気濃度あるいは未反応の燃料濃度を計測して時々刻々変化する燃料改質割合をフィードバック制御することで、エネルギーの有効と燃料改質率の高性能を実現している。さらに、燃料改質器(改質触媒)の入口側と出口側で時間履歴を計測するので改質触媒の性能劣化に対してもS/C比を最適に対応させることができる。あるいは、燃料や蒸気濃度を積極的に変動させることにより触媒表面上の不活性物質を浄化して活性を復活することに利用できる。
【0045】
ところで、濃度計測には赤外吸収法が最適である。赤外吸収法は気体が特定の波長の赤外光を吸収する特性を利用して濃度計測を行う方法であり、例えば、炭化水素系燃料では3.39μm、一酸化炭素では4.7μm、水蒸気では2.7μmあるいは6.3μmなどの個別の吸収波長を利用することで、それぞれの気体の濃度をお互いの干渉も無く同時に計測することができる。
【0046】
【その他の発明の形態】
本発明は、気体燃料や液体燃料を燃焼させるガスタービン用低NOx燃焼器に限らず、この他、蒸気発生装置や燃料改質器や燃料電池などの原動機や動力発生装置などに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施形態例のマイクロガスタービン用低NOx燃焼器の縦断面を示す構成図である。
【図2】本発明の代表的な実施形態例のマイクロガスタービン用低NOx燃焼器の横断面を示す構成図である。
【図3】本発明の代表的な実施形態例における空気流量調整機構を示す構成図である。
【図4】本発明の代表的な実施形態例における空気旋回調整機構を示す構成図である。
【図5】本発明の代表的な実施形態例における空気過剰率または蒸気流量の影響を示す線図である。
【図6】従来の制御手法を示す構成図である。
【図7】その他の従来の制御手法を示す構成図である。
【図8】本発明の代表的な実施形態例の制御に関するフローチャートである。
【図9】本発明の代表的な実施形態例におけるマイクロガスタービンの構成を示す図である。
【図10】本発明の代表的な実施形態例における燃料改質器の構成図である。
【図11】本発明の代表的な実施形態例における温度と燃料改質率を示す図である。
【符号の説明】
1…燃焼器
2…燃焼室
3…拡散燃焼用燃料噴射弁
4…保炎器
5…空気流路
6a〜6c…予混合燃焼用燃料噴射弁
7…旋回用スワーラ羽根
9a〜9d…空気過剰率計測部
10a〜10d…レーザ−光源
11a〜11d…光ファイバーケーブル
12a〜12d…サファイアガラスロッド
14a〜14d…検知器
15…空気流量調整機構
16…空気旋回調整機構
31a…空気流量調整用アクチュエータ
31b…空気旋回用調整用アクチュエータ
32…演算回路
33…コントローラ
Claims (6)
- 燃料および/または蒸気を供給する供給手段と、空気あるいはガス体を供給する気流流路と、気流流路に配設し燃料濃度および/または蒸気濃度を計測する計測装置と、計測装置による燃料濃度または蒸気濃度の状況に対応して適正な燃料濃度または蒸気濃度の混合気を供給する手段と、を備え、動力発生条件を制御するようにしたことを特徴とする動力発生装置の制御装置。
- 気流流路の燃料濃度または蒸気濃度の空間的偏りまたは分布および/または時間的変動を検知する計測装置と、を備え、動力発生条件を制御するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の動力発生装置の制御装置。
- 適正な燃料濃度または蒸気濃度は、あらかじめ規定した範囲となし、計測した燃料濃度または蒸気濃度がこの範囲内になるように気流流量または燃料流量あるいは蒸気量を調整する手段と、を備え、動力発生条件を制御するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2の一つに記載の動力発生装置の制御装置。
- 適正な燃料濃度または蒸気濃度は、あらかじめ規定した範囲となし、計測した燃料濃度または蒸気濃度がこの範囲内になるように設けた気流旋回装置または燃料分配装置の少なくとも一つを制御し、動力発生条件を制御するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の一つに記載の動力発生装置の制御装置。
- 燃料濃度または蒸気濃度を計測する装置は、光吸収法または光減衰法を利用した装置からなり、動力発生条件を制御するようにしたことを特徴する請求項1乃至請求項4の一つに記載の動力発生装置の制御装置。
- 燃料および/または蒸気を供給する気流流路あるいは容器の入口および/または出口で燃料濃度または蒸気濃度を計測する装置を設けるとともに、その計測濃度の変化を利用して供給する燃料および/または蒸気の流量を変動させて制御する装置を設け、動力発生条件を制御するようにしたことを特徴する請求項1乃至請求項5の一つに記載の動力発生装置の制御装置。
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2002
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