JPH06294518A - 触媒燃焼装置及びその運転方法 - Google Patents

触媒燃焼装置及びその運転方法

Info

Publication number
JPH06294518A
JPH06294518A JP7958793A JP7958793A JPH06294518A JP H06294518 A JPH06294518 A JP H06294518A JP 7958793 A JP7958793 A JP 7958793A JP 7958793 A JP7958793 A JP 7958793A JP H06294518 A JPH06294518 A JP H06294518A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
combustion
flame
mixed gas
catalyst layer
flow rate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7958793A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Taniguchi
正行 谷口
Hiroshi Miyadera
博 宮寺
Kazuyuki Ito
和行 伊藤
Akira Kato
加藤  明
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP7958793A priority Critical patent/JPH06294518A/ja
Publication of JPH06294518A publication Critical patent/JPH06294518A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 負荷、大気条件、燃料組成等が変化しても、
常に触媒層の温度を低く保って触媒層の劣化を防ぐと共
に、目的の出力を確保する。 【構成】 触媒燃焼器70には、予熱バーナ7と、混合
気体48が流入する燃焼触媒層1と、混合気体49が燃
焼する内筒8とが設けられている。内筒8の下流端に
は、ここに流入する空気14の流量を調節する希釈空気
流量調節板5が設けられている。予混合バーナ7の上流
側には、ここに供給される予熱用燃料の流量を調節する
燃料流量調節弁35が設けられている。燃焼装置は、こ
の触媒燃焼器70と、混合気体49の流れ方向における
気相燃焼火炎3の位置を検出する火炎位置検出装置44
と、火炎位置検出装置44からの火炎位置信号51に基
づき、気相燃焼火炎3が予め定めた範囲内に位置するよ
う希釈空気流量調節板5及び燃料流量調節弁35を制御
する制御装置24とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼触媒層を有し、燃
料と空気とを主成分とする混合気体を該燃焼触媒層で触
媒酸化反応させると共に、該燃焼触媒層より下流の位置
で該混合気体を気相燃焼させる触媒燃焼装置、及びその
運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】触媒燃焼をガスタービン等の高負荷燃焼
装置に適用するための燃焼技術として、燃焼触媒層に燃
料と空気の混合気体を流入させ、触媒酸化反応(緩やか
な酸化反応)により混合気体を着火温度以上に加熱し、
その後、気相燃焼(急激な酸化反応)させる「触媒着火
気相燃焼 "Catalitically Stabilized Thermal Combust
ion"」という燃焼法が、ASME paper 75-WA/Fu-1 (1976)
等に提案されている。この方法では、触媒表面反応と気
相反応とを利用することにより、高流速下での触媒燃焼
を可能とするものである。しかし、この方法では燃焼触
媒層の温度が千数百度になるため、触媒が劣化しやす
く、実用化が困難である。
【0003】この「触媒着火気相燃焼法」を改良した燃焼
方法として、燃焼触媒層での反応速度を小さくして混合
気体の温度を900℃程度までにとどめ、燃焼触媒層の下
流の気相中で混合気体の燃焼を進行させる燃焼法が原理
的に可能であることが、第11回触媒燃焼に関するシンポ
ジウム講演要旨集16〜22ペ-ジ(1991年)に記されてい
る。この方法では、触媒の温度を千度程度にすることが
でき、触媒の劣化を防ぐことができる。また、この方法
では、燃料と空気の混合気体を900℃程度に加熱した場
合には混合気体の着火がすぐに生じるのではなく、数ms
〜数十msほど時間が経過した後着火が生じるという現象
を利用している。このように燃料と空気との混合気体が
昇温されてから着火が生じるまでの時間を「着火遅れ時
間」と呼ぶ。
【0004】また、特開昭59−108829号公報に
記載されているものでは、触媒の劣化を防ぐために、触
媒層の下流に一つの温度計を設け、この温度に応じて、
触媒層の上流側に供給する混合気体の空燃比を制御する
ものが開示されている。
【0005】ところで、着火遅れ時間に与える混合気体
の組成、温度、圧力に与える影響の検討例としては、例
えば、"T.Tsuboi and H.Gg.Wagner, 15th Internationa
l Symposium on Combustion 833ペ-ジ (1975年)"に記載
されているものがある。この論文では、メタンの着火遅
れ時間を実験により検討し、メタンの着火遅れ時間
i)を求める以下の実験式を提案している。
【0006】
【数1】
【0007】ここで、[CH4]はメタンの濃度(mol/cm3)、
[O2]は酸素の濃度(mol/cm3)、Rは気体定数(kJ/K・mol)、
Tは温度(K)である。混合気体の組成の影響として
は、(数1)からわかるように、メタン濃度が高くなる
と着火遅れ時間は長くなり、酸素濃度が高くなると着火
遅れ時間は短くなる。また、温度が高くなると着火遅れ
時間は短くなる。また、圧力が変化したときも、メタン
及び酸素の濃度が変化するので、着火遅れ時間は変化す
る。具体的には、例えば、圧力が2倍になった場合に
は、メタンの濃度も酸素の濃度も共に2倍となり、着火
遅れ時間は短くなる。
【0008】また、"C.K.Westbrook and W.J.Pitz, Com
bustion Science and Technology第33巻 315ペ-ジ (198
3年)"の論文では、メタンの着火遅れ時間に与えるエタ
ン及びプロパン混入の影響を計算機実験により検討して
おり、メタンにエタンが0.5%混入すると、着火遅れ時間
は約3倍短くなることが記載されている。
【0009】さらに、触媒層内での混合気体の滞留時間
が変化すると、触媒層内での燃料の反応率が変化し、触
媒層出口での温度及び混合気体の組成が変化するため、
着火遅れ時間は変化する。滞留時間が長くなると着火遅
れ時間は短くなる。また、滞留時間は、(触媒層の体積/
混合気体の流量)又は(触媒層の長さ/混合気体の流速)で
決定されるため、混合気体の流量及び混合気体の流速の
変化もまた、着火遅れ時間に影響を与える。
【0010】また、空気の湿度が変化する場合でも、混
合気体の比熱が変化するため、触媒層内での燃料の反応
率が同じであっても触媒層出口での温度が変化して、着
火遅れ時間は変化する。具体的には、湿度が高くなる
と、着火遅れ時間は長くなる。
【0011】以上のように、着火遅れ時間に関して多数
の論文があるものの、これらの論文には、混合気体の組
成、温度、圧力、及び燃料組成等の変化に対応して、混
合気体の着火遅れ時間を常に一定の範囲に保つ技術に関
しては、何ら記載されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述の第11回触媒燃焼
に関するシンポジウム講演要旨集16〜22ペ-ジ(1991年)
で提案された燃焼法は、触媒の温度を低く保ち、且つ完
全燃焼できる優れた燃焼法であるが、燃焼状態を制御す
るのが難しいのが欠点である。なぜならば、混合気体の
着火遅れ時間は、前述したように、混合気体の組成、燃
料の組成、温度、圧力等に敏感であり、これらの諸因子
の影響により変化しやすいからである。このため、着火
遅れ時間が変化し、これが短くなった場合は、燃焼触媒
層中で混合気体が気相燃焼して、触媒が劣化してしま
い、着火遅れ時間が長くなった場合には、着火が生じる
前に混合気体が燃焼器の外へ排出されて、目的の出力を
得ることができないという問題点がある。
【0013】また、特開昭59−108829号公報に
記載されているものでは、触媒層の下流側の温度に応じ
て、触媒層の上流側に供給する混合気体の空燃比を制御
しているので、触媒の温度上昇による触媒劣化を防ぐこ
とに関しては優れている。しかし、触媒層の下流側の温
度は、触媒層の上流側のパイロットバーナの火炎と、触
媒層の下流側で形成されるはずの気相燃焼の火炎との相
互の関係によって定まるため、気相燃焼の火炎が現実に
何処に形成されているか、また現実に形成されているか
不明である。このため、温度測定箇所の温度が低い場合
は勿論、高い場合でも、触媒層の下流側に気相燃焼の火
炎が形成されていない状態が考えられ、目的の出力を得
ることができない場合があるという問題点がある。ま
た、この従来技術では、触媒燃焼は、NOxの低減が重
要な目的の一つであるにも関わらず、わざわざ、触媒層
の下流側に拡散火炎を形成しているため、却ってNOx
が増加してしまう(拡散火炎では局所的に高温部が形成
されるためNOxが増加する。)。
【0014】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、目的の出力を確保できると共に、
触媒の劣化を防ぐことができる触媒燃焼装置、及びその
運転方法に関する。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の触媒燃焼装置は、燃焼触媒層を通過した混合気体が気
相燃焼することにより形成される気相燃焼火炎の、該混
合気体の流れ方向の位置を変えることができる制御量を
調節する調節手段と、前記混合気体の流れ方向における
前記気相燃焼火炎の位置を検出する火炎位置検出手段
と、前記火炎位置検出手段の検出結果に基づき、前記気
相燃焼火炎が予め定めた範囲内に位置するよう前記調節
手段を制御する制御手段と、を備えていることを特徴と
するものである。
【0016】ここで、前記調節手段は、前記混合気体の
組成、温度、流量、流速、圧力、前記燃焼触媒層内での
滞留時間のうち、少なくとも一つを調節するものである
必要がある。また、前記火炎位置検出手段は、前記燃焼
触媒層の下流側に、前記混合気体の流れ方向に並んで配
されている複数の受光手段を有していることが望まし
い。
【0017】
【作用】従来技術である、燃焼触媒層での反応温度を約
900℃とし、燃焼触媒層の下流で気相燃焼させる燃焼方
法では、気相燃焼部で安定燃焼させるためには、混合気
体の着火遅れ時間を常に一定の範囲内に保つよう、燃焼
状態を制御する必要がある。このような燃焼制御を行な
うためにまず必要なのは、燃焼装置の運転中に混合気体
の組成、圧力、温度等が変化したとき、着火遅れ時間が
どの程度変化したかを知ることである。触媒層の出口と
火炎が形成される位置との間の距離をL、混合気体の流
速をVとすると着火遅れ時間(τ)は以下の(数2)で求め
られる。
【0018】 τ = L/V・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(数2) ところで、負荷が一定であれば流速Vの変化は少ない。
従って、負荷が一定の場合、着火遅れ時間τの変化は、
気相燃焼部で形成される火炎の流れ方向位置Lを検出す
ることで知ることができる。また、負荷が変化した場合
でも、負荷ごとに火炎の流れ方向の位置を検出すれば、
着火遅れ時間τの変化を知ることができる。なお、ガス
タービン用燃焼器の場合には、基本的に負荷がほとんど
変わらない。
【0019】火炎の位置は、火炎位置検出手段で検出す
る。着火遅れ時間を常に一定の範囲内に保つためには、
火炎位置検出手段の検出結果に基づいて、検出された火
炎位置が常に一定の範囲内に保つよう、燃焼状態を制御
すればよい。この燃焼状態の制御では、混合気体の着火
遅れ時間に影響を与える因子、例えば、混合気体の組
成、流量、流速、温度、圧力、燃料濃度、空気比等のう
ち、いずれかを変化させればよい。このように、本発明
では、着火遅れ時間が常に一定の範囲内に保たれる結
果、気相燃焼火炎も常に一定の範囲内に維持することが
できる。
【0020】
【実施例】以下、図面に従い本発明に係る一実施例につ
いて説明する。本実施例は、図1に示すように、触媒燃
焼器70を有して構成される燃焼装置と、燃焼器70に
圧縮空気14を供給する圧縮機17と、燃焼器70から
の高温燃焼ガス20により駆動するガスタービン18
と、ガスタービン18により駆動する発電機19とを備
えている発電設備である。燃焼装置は、触媒燃焼器70
の他、燃料タンク22と、火炎位置検出装置44と、燃
焼器70内の燃焼を制御するための制御装置24とを備
えている。なお、本実施例における燃料は、液化天然ガ
スである。
【0021】燃焼器70は、外筒9と、触媒燃焼用燃料
を噴出する触媒燃焼用燃料ノズル40と、外筒9内に流
入した空気が流れ込むと共に触媒燃焼用燃料ノズル40
からの燃料が噴出される予混合ダクト47と、予熱バー
ナ7と、予熱バーナ7から噴出した燃料が燃焼する予熱
用燃料燃焼ダクト60と、予熱用燃料燃焼ダクト60で
形成された排気ガスと予混合ダクト17で形成された予
混合気体とが混合する混合部6と、混合部6で形成され
た混合気体48が流入する燃焼触媒層と、触媒層1から
出た混合気体49が気相燃焼する気相燃焼部2を形成す
る内筒8と、混合気体49の燃焼により形成された高温
燃焼ガス20をガスタービン18に導くためのトランジ
ッションピース25とを有して構成されている。
【0022】予熱バーナ7は、予熱用燃料を噴出する予
熱用燃料ノズル41と、外筒9内に流入した空気の一部
を予熱用燃料ノズル41の下流側に供給する予熱用空気
供給口41aとで構成されている。触媒燃焼層1として
は、ここでは、アルミナで形成されたハニカム構造体の
表面に白金層が形成されているものが用いられている。
内筒8の下流端には、外筒9内に流入した空気の一部を
トランジッションピース25に流入させるための希釈空
気流入口4が形成されている。希釈空気流入口4には、
ここからトランジッションピース25内に流入する希釈
空気の流量を調節するための希釈空気流量調節板5が設
けられている。燃料タンク22と各燃料ノズル40,4
1との間は、それぞれ、触媒燃焼用燃料ライン11、予
熱用燃料ライン12で接続されている。これらのライン
11,12には、それぞれ、触媒燃焼用燃料の流量を調
節する触媒燃焼用燃料流量調節弁35a、予熱用燃料流
量を調節する予熱用燃料流量調節弁35bが設けられて
いる。
【0023】火炎位置検出装置44は、複数の光ファイ
バースコープ10,10,…と、光ファイバースコープ
10,10,…の端部にそれぞれ設けられている受光素
子43,43,…と、光ファイバースコープ10,1
0,…と受光素子43,43,…との間に設けられてい
るフィルタ42,42,…と、各受光素子43,43,
…からの火炎検出信号50で気相燃焼火炎3が内筒88
内の何処に形成されているかを把握する火炎位置検出装
置本体23とで構成されている。複数の光ファイバース
コープ10,10,…は、それぞれの一端が内筒88内
を向き、且つ混合気体49の流れ方向に並んでいる。な
お、フィルタ42の特徴に関しては後述する。
【0024】制御装置24は、負荷要求信号38に応じ
て各制御対象毎の基本制御量を求める基本制御量決定部
24aと、火炎位置検出装置44からの火炎位置信号5
1に応じて火炎位置制御量を求める火炎位置制御決定部
24bとが設けられている。この制御装置24は、制御
装置24からの制御信号26a,26b,29,…を送
信できるよう、触媒燃焼用燃料流量調節弁35aの駆動
装置57a、予熱用燃料流量調節弁35bの駆動装置5
7b、希釈空気流量調節板5の駆動装置56等と接続さ
れている。
【0025】空気14は、湿度計30にて湿度が測定さ
れた後、空気圧縮機17により圧縮される。圧縮された
空気14は、温度計31で温度が測定され、圧力計32
で圧力が測定された後、燃焼器70中に流入する。空気
14の一部は、外筒9と内筒8の間を流れ、予熱バーナ
7及び予混合ダクト47ヘ供給される。また、空気14
の他の一部は、稀釈空気流入口4から気相燃焼部2の下
流へ放出される。稀釈空気流入口4を通る空気量は、負
荷の変化等に応じて稀釈空気流量板5が駆動して、調節
される。
【0026】燃料タンク22内の燃料は、気化器37で
気化され、各燃料流量調節弁35a,35bで流量が調
節された後、予熱バ−ナ用燃料12として予熱バ−ナ用
燃料ノズル41から、触媒燃焼用燃料11として触媒燃
焼用燃料ノズル40からそれぞれ噴出される。燃料流量
は、燃料流量計33,33a,33bにより測定され
る。なお、燃料の一部は燃料タンク22で蒸発するた
め、燃料タンク22の圧力は高くなる。そこで、燃料タ
ンク22の破壊を防ぐために、タンク22内の圧力がタ
ンク圧力計34で測定され、圧力が一定値を超えた場合
にはタンク内圧力調節バルブ36が開放される。タンク
内圧力調節バルブ36を通して供給される燃料には、沸
点の低い成分が多く含まれているため、タンク内圧力調
節バルブ36を開放する時には、供給される燃料の組成
が変動することになる。
【0027】予熱用燃料ノズル41から噴出された燃料
は、予熱用燃料燃焼ダクト60内で、燃焼して、排気ガ
スが生成される。一方、触媒燃焼用燃料ノズル40から
噴出された燃料は、予混合ダクト47で空気と混合され
る。予熱用燃料燃焼ダクト60で生成された排気ガスと
予混合ダクト47で形成された予混合気体とは、混合部
6で混合されて混合気体48が形成される。この混合気
体48は、燃焼触媒層1へ導かれ、燃焼触媒層1で混合
気体48の一部が触媒酸化反応する。残りの混合気体4
8は、この反応熱により昇温されて、燃焼触媒層1を通
過する。昇温された混合気体49は、内筒8内の気相燃
焼部2へ導かれ、所定の位置で着火し、気相燃焼火炎3
が形成される。燃焼により発生した高温燃焼ガス20
は、トランジッションピース25を経由して、タービン
18に導かれた後、燃焼排気ガス21として放出され
る。タービン18に導かれた高温燃焼ガス20は、ター
ビン18を回転させて、これに接続されている発電機1
9を駆動させる。
【0028】気相燃焼部2に形成された気相燃焼火炎3
の光は、混合気体49の流れ方向に並べられている複数
の光ファイバースコープ10,10,…のうち、いずれ
かに取り込まれる。気相燃焼火炎3の光のうち、OHラジ
カル、CHラジカル、C2ラジカルにより生じる光が特徴的
な光である。すなわち、306〜308、431、517nmの波長の
光が特徴的なものである。一方、光ファイバースコープ
10に取り込まれる光には、燃焼触媒層10からの固体
輻射光が含まれている。そこで、気相燃焼火炎3の位置
を確実にとらえるためには、燃焼触媒層10からの固体輻
射光を取り除くか、OHラジカル、CHラジカル、C2ラジカ
ルにより生じる光のうち少なくとも一つの光を抽出する
ことが望ましい。このため、本実施例では、光ファイバ
ースコープ10に取り込まれた光のうち、燃焼触媒層10
からの固体輻射光を取り除くべく、フィルタ42よっ
て、520nm以上の波長の光を取り除いている。なお、本
実施例では、光ファイバースコープ10に取り込まれた
光のうち、燃焼触媒層10からの固体輻射光を取り除いて
いるが、OHラジカル、CHラジカル、C2ラジカルにより生
じる光のうち少なくとも一つの光を抽出してもよいこと
は、言うまでもない。また、本実施例では、フィルタ4
2を光ファイバースコープ10の受光素子43側に設け
たが、気相燃焼部2側に設けてもよい。但し、この場合
には、フィルタ42の耐熱性が問題となる。
【0029】フィルタ42により、燃焼触媒層10からの
固体輻射光が取り除かれた光は、受光素子43に導か
れ、そこで火炎検出信号50に変換される。各受光素子
43,43,…からの火炎検出信号50は、火炎位置検
出装置本体23に送られ、気相燃焼火炎3が内筒8内の
何処に形成されているか判断される。
【0030】ここで、火炎形成位置の判断に当たり、必
要な基準となる火炎形成位置についての設定について説
明する。まず、燃焼器70に流入する空気の温度、圧
力、湿度、流量、及び、供給する燃料の組成、流量を定
め、この条件下で触媒層1での反応率、触媒層1出口で
の混合気体49の組成、及び触媒層1を通過した後の混
合気体49の着火遅れ時間を、実験または計算機実験に
より求める。計算機実験による方法は"第13回触媒燃焼
シンポジウム、1ペ-ジ、(1992年)"に記載されている。
次に、求められた着火遅れ時間と混合気体の流量及び内
筒8の直径から、火炎が形成される位置を求め、この位
置を火炎の基準位置とする。複数の光ファイバースコー
プ10,10,…は、この基準位置を中心として、混合
気体49の流れ方向に並べて配置する。なお、ここで
は、5本の光ファイバースコープ10,10,…を使用
しており、上流側から3番目の光ファイバースコープ1
0が基準位置に配されている。
【0031】次に、火炎形成位置の判断に関して、図2
及び図3を用いて説明する。なお、同図中、実線は火炎
3が予め定められた位置(正常の位置)に形成されたと
きの発光強度分布を示すものであり、破線は運転中に実
際に計測された発光強度分布の一例を示すものである。
図2に示すものでは、流れの上流側の発光強度が正常の
場合に比べて強く、流れの下流側の発光強度が正常の場
合に比べて弱い。この場合には、火炎3が予め定めた基
準位置より上流側に形成されたと判断され、予め定めた
基準位置からの火炎3のズレ量が火炎位置信号51とし
て、制御装置24に送られる。また、図3に示すもので
は、流れの上流側の発光強度が正常の場合に比べて弱
く、流れの下流側の発光強度が正常の場合に比べて強
い。この場合には、火炎3が予め定めた基準位置より下
流側に形成されたと判断され、予め定めた基準位置から
の火炎3のズレ量が火炎位置信号51として、制御装置
24に送られる。
【0032】制御装置24の基本制御量決定部24aで
は、負荷要求信号38に応じた各制御対象毎の基本制御
量が求められ、これが制御信号26a,26b,29,
…として、各種調節弁33a,33b,5,…等の駆動
装置57a,57b,56,…へ送信される。各種調節
弁33a,33b,5,…等は、この制御信号26a,
26b,29…に応じた開度に開き、ここを流れる流体
の流量が調節される。
【0033】気相燃焼火炎3の位置は、予混合気体48
の組成、温度、流量、流速、圧力、燃焼触媒層1内での
滞留時間等によって変化する。そこで、本実施例では、
希釈空気流入口4を通る希釈空気の流量、及び予熱燃料
流量を変えて、気相燃焼火炎3の位置の調節を図ってい
る。なお、希釈空気流量を変えた場合には、予混合気体
48の組成、流量、流速、燃焼触媒層1内での滞留時間
が変わる。また、予熱燃料流量を変えると、予熱用燃料
燃焼ダクト60内での燃焼量が変わるので、混合気体4
8の温度、組成等が変わる。
【0034】制御装置24の火炎位置制御量決定部24
aでは、火炎位置検出装置44からの火炎位置信号51
に応じて、気相燃焼火炎3を予め定めた位置にするた
め、各制御対象毎の基本制御量に対する補正量(火炎位
置制御量)を求められ、各制御信号26b,29…が補
正される。補正された各制御信号26b,29…は、各
種調節弁33b,5,…等の駆動装置57b,56…へ
送信される。なお、ここでは、まず、希釈空気流量調節
板5の開度量に関する補正が優先的に実行され、この補
正によっても気相燃焼火炎3が予め定めた位置にならな
いときに初めて、予熱用燃料流量調節弁35bの開度量
の補正が行われる。
【0035】このように、本実施例では、負荷、大気条
件、燃料組成等が変化しても、常に気相燃焼火炎3の位
置が適切な位置に維持されるため、気相燃焼火炎3が燃
焼触媒層1内又はこの近傍で形成されることがなく、燃
焼触媒層1の劣化を防ぐことができる。さらに、気相燃
焼火炎3がガスタービン18側にズレて行き、最終的に
失火してしまうようなことも防ぐことができ、目的の出
力を確保することができる。また、本実施例では、触媒
層1の下流側に燃料を供給して、この燃料で拡散燃焼す
るようなことをしていないので、NOxの発生量の増加
も防ぐことができる。
【0036】なお、以上において、火炎位置の修正とし
て、予熱用燃料流量、稀釈空気流量を変化させる方法を
説明したが、この他、触媒燃焼用燃料流量、空気温度、
空気湿度を変化させる方法によっても行なうことができ
る。
【0037】例えば、触媒燃焼用燃料流量を変える場合
には、制御装置24から触媒燃焼用燃料流量調節弁35
aの駆動装置57aへ送信される制御信号26aを補正
すればよい。また、図1に示すように、空気圧縮機17
にインタークーラ15が設けられている場合には、イン
タークーラ15に供給する冷却流体16の流量を変化さ
せると、空気14の温度が変化する。これは、制御装置
24から冷却流体流量調節弁55の駆動装置58に冷却
流体流量制御信号28を送信することで実行できる。冷
却流体16としては、通常の水が適当であり、空気14
を冷却した後の冷却流体16は燃焼排ガスの流路中に設
けた廃熱回収ボイラ(図示されていない。)等に供給す
るとよい。
【0038】空気湿度を変化させる時には、空気14中
に水または蒸気を供給するとよい。空気湿度を変化させ
ると、予熱バーナ7で形成される燃焼気体の温度が変化
し、このため混合気体48の温度が変化する。空気湿度
の制御は、図1に示すように、圧縮機17からの燃焼器
70までの空気供給ラインに、蒸気給設備39からの蒸
気を噴霧できるよう、蒸気供給ラインを接続し、そこに
蒸気流量調節弁54を設けて、この開度を調節すること
で実行できる。
【0039】また、以上の実施例では、混合気体49の
流れ方向に複数の光ファイバースコープ10,10,…
を並べて、これでとらえた光により、気相燃焼火炎3の
位置を把握しているが、例えば、混合気体49の流れ方
向に複数の温度センサ又はガス濃度センサを並べて、こ
れらのセンサからの出力により、気相燃焼火炎3の位置
を把握するようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、燃焼負荷、空気温度、
湿度等の大気条件、或いは燃焼組成等が変化しても、気
相燃焼火炎を適切な位置に形成させることができる。こ
の結果、燃焼触媒層の温度を常に低く保ち触媒層の劣化
を防ぐことができると共に、目的の出力を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例の発電設備の系統図であ
る。
【図2】本発明に係る一実施例の火炎形成位置の判断を
説明するための説明図である。
【図3】本発明に係る一実施例の火炎形成位置の判断を
説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…燃焼触媒層、2…気相燃焼部、3…気相燃焼火炎、
4…稀釈空気流入口、5…稀釈空気流量調節板、6…混
合部、7…予熱バーナ、8…内筒、9…外筒、10…光
ファイバースコープ、14…空気、15…インタークー
ラ、16…冷却流体、17…圧縮機、18…タ−ビン、
19…発電機、20…高温燃焼ガス、21…燃焼排ガ
ス、22…燃料タンク、23…火炎位置検出装置本体、
24…燃焼制御装置、25…トランジションピース、2
6a…触媒燃焼用燃料流量制御信号、26b…予熱用燃
料流量制御信号、27…蒸気流量制御信号、28…冷却
流体流量制御信号、29…稀釈空気流量制御信号、35
a…触媒燃焼用燃料流量調節弁、35b…予熱用燃料流
量調節弁、38…負荷要求信号、39…蒸気供給装置、
40…触媒燃焼用燃料ノズル、41…予熱用燃料ノズ
ル、42…フィルタ、43…受光素子、44…火炎位置
検出装置、47…混合ダクト、48…混合気体、49…
昇温された混合気体、50…火炎検出信号、51…火炎
位置信号、54…蒸気流量調節弁、55…冷却流体流量
調節弁、56,57a,57b,58…駆動装置、60
…予熱用燃料燃焼ダクト、70…触媒燃焼器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 明 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼触媒層を有し、燃料と空気とを主成分
    とする混合気体を該燃焼触媒層で触媒酸化反応させると
    共に、該燃焼触媒層より下流の位置で該混合気体を気相
    燃焼させる触媒燃焼器を備えている触媒燃焼装置におい
    て、 前記混合気体が気相燃焼することにより形成される気相
    燃焼火炎の位置を変えることができる制御量を調節する
    調節手段と、 前記混合気体の流れ方向における前記気相燃焼火炎の位
    置を検出する火炎位置検出手段と、 前記火炎位置検出手段の検出結果に基づき、前記気相燃
    焼火炎が予め定めた範囲内に位置するよう前記調節手段
    を制御する制御手段と、 を備えていることを特徴とする触媒燃焼装置。
  2. 【請求項2】前記調節手段は、前記混合気体の組成、温
    度、流量、流速、圧力、前記燃焼触媒層内での滞留時間
    のうち、少なくとも一つを調節するものであることを特
    徴とする請求項1記載の触媒燃焼装置。
  3. 【請求項3】前記調節手段として、前記混合気体を形成
    するための空気の一部を前記予め定められた範囲よりも
    下流側に供給し、且つ該予め定められた範囲よりも下流
    側に供給する該空気の流量を調節する希釈空気流量調節
    手段と、前記燃焼触媒層に流入する前記混合気体の温度
    を調節する混合気体温度調節手段とを有し、 前記制御手段は、前記気相燃焼火炎が前記予め定めた範
    囲から外れた場合、前記希釈空気流量調節手段を前記混
    合気体温度調節手段に優先させて制御することを特徴と
    する請求項1記載の触媒燃焼装置。
  4. 【請求項4】前記火炎位置検出手段は、前記燃焼触媒層
    の下流側に、前記混合気体の流れ方向に並んで配されて
    いる複数の受光手段を有していることを特徴とする請求
    項1、2又は3記載の触媒燃焼装置。
  5. 【請求項5】前記火炎位置検出手段は、前記受光手段が
    受光する光又は受光した光のうち、OHラジカル、CHラジ
    カル、C2ラジカルにより生じる光のうち、少なくとも一
    つを抽出する波長限定手段を有していることを特徴とす
    る請求項4記載の触媒燃焼装置。
  6. 【請求項6】前記火炎位置検出手段は、前記受光手段が
    受光する光又は受光した光のうち、特定の波長より長い
    波長の光を除去する波長限定手段を有していることを特
    徴とする請求項4記載の触媒燃焼装置。
  7. 【請求項7】燃焼触媒層を有し、燃料と空気とを主成分
    とする混合気体を該燃焼触媒層で触媒酸化反応させると
    共に、該燃焼触媒層より下流の位置で該混合気体を気相
    燃焼させる触媒燃焼装置の運転方法において、 前記混合気体が気相燃焼することにより形成される気相
    燃焼火炎の位置を把握し、 把握した前記気相燃焼火炎が予め定めた範囲内に位置す
    るよう、前記混合気体の組成、温度、流量、流速、圧
    力、前記燃焼触媒層内での滞留時間のうち、少なくとも
    一つを調節することを特徴とする触媒燃焼装置の運転方
    法。
JP7958793A 1993-04-06 1993-04-06 触媒燃焼装置及びその運転方法 Pending JPH06294518A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7958793A JPH06294518A (ja) 1993-04-06 1993-04-06 触媒燃焼装置及びその運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7958793A JPH06294518A (ja) 1993-04-06 1993-04-06 触媒燃焼装置及びその運転方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06294518A true JPH06294518A (ja) 1994-10-21

Family

ID=13694130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7958793A Pending JPH06294518A (ja) 1993-04-06 1993-04-06 触媒燃焼装置及びその運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06294518A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002525490A (ja) * 1998-09-18 2002-08-13 ウッドウォード ガヴァナー カンパニー 触媒による燃焼プロセス用の動的制御システムおよび方法並びにこれらを利用するガスタービンエンジン
JP2009216098A (ja) * 2008-03-12 2009-09-24 Delavan Inc ガスタービン・エンジンの燃焼パターン因子を積極的に制御する方法
JP2010112892A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Tohoku Univ 着火温度測定装置及び着火温度測定方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002525490A (ja) * 1998-09-18 2002-08-13 ウッドウォード ガヴァナー カンパニー 触媒による燃焼プロセス用の動的制御システムおよび方法並びにこれらを利用するガスタービンエンジン
JP2009216098A (ja) * 2008-03-12 2009-09-24 Delavan Inc ガスタービン・エンジンの燃焼パターン因子を積極的に制御する方法
JP2010112892A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Tohoku Univ 着火温度測定装置及び着火温度測定方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7216486B2 (en) Method for operating a turbine group
US8297060B2 (en) Apparatus, system and method for observing combustion conditions in a gas turbine engine
US20150369477A1 (en) Startup method and mechanism for a burner having a perforated flame holder
EP3948077B1 (en) Method for operating a premix gas burner, a premix gas burner and a boiler
JPS63688B2 (ja)
US20130213378A1 (en) Burner system for a furnace
GB2205934A (en) Burner for a hot-gas engine
JPH06294518A (ja) 触媒燃焼装置及びその運転方法
US20240200773A1 (en) Regulation method of a premix gas burner and control and regulation device for carrying out the method
US20210033277A1 (en) Carbon-dioxide Supplier Safe and Without Hazardous Exhaust Gas
US20060223014A1 (en) System for controlling air/fuel ratio in a gas flow containing gaseous fuel
JP2004204787A (ja) 動力発生装置の制御装置
JP3278923B2 (ja) ガスタービン発電装置、脱硝装置の制御方法及び脱硝装置の制御装置
CN105917169A (zh) 高输出多孔砖瓦燃烧器
JP3453973B2 (ja) 予混合燃焼装置の制御方法
JP2618960B2 (ja) 触媒燃焼装置およびその燃焼制御方法
JPH068685B2 (ja) 触媒燃焼加熱炉の制御方法
JPS6238410B2 (ja)
JP2004077009A (ja) 管状火炎バーナを設置した加熱炉及び燃焼制御方法
JP2964666B2 (ja) 触媒燃焼装置
US20240230082A9 (en) Carbon-dioxide supplier
JP3059317B2 (ja) 触媒燃焼装置
JP3253810B2 (ja) 多段希薄予混合燃焼における不完全燃焼防止方法
JPH05203151A (ja) ガスタービン燃焼器の制御装置
Whiddon et al. Investigation of a Premixed Gas Turbine Combustor Central Body Burner Using OH Planar Laser Induced Fluorescence at Elevated Pressures