JP2004077009A - 管状火炎バーナを設置した加熱炉及び燃焼制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炉1内に設置した温度計31と、排ガス出口3に設置した酸素濃度計32及び一酸化炭素濃度計33の各検出値に基いて、酸素含有ガス比が所定の値になるように、管状火炎バーナ2に供給する燃料ガス及び/又は酸素含有ガスの流量を調整する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼室内に管状の火炎を形成する管状火炎バーナを設置した加熱炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平11−281015号公報に、一端が開放された管状の燃焼室を有し、この燃焼室の閉塞端部近傍に燃料ガスを吹き込むノズルと酸素含有ガスを吹き込むノズルが、前記燃焼室の内周面の接線方向に向けて設けられている管状火炎バーナが示されている。
【0003】
この管状火炎バーナは、高速の旋回流中で安定な火炎がバーナ内に形成されるので、燃焼設備の小型化が達成されると共に、燃焼火炎の温度のバラツキが小さく、局所的な高温領域が形成されない上に、酸素比又は空気比を下げることもできるので、NOxなどの有害物質、炭化水素等の未燃焼分、煤煙といった環境汚染源を低減することができるバーナである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の管状火炎バーナを炉に取り付けて、被加熱物を加熱する場合に以下のような問題がある。
【0005】
すなわち、上記の管状火炎バーナでは、燃焼室の下流端部の内壁温度を測定して、未燃ガスが燃焼室から排出されないように、燃料ガスあるいは酸素含有ガスの供給流量を調整しているが、このような温度だけの監視や制御では不充分であり、未燃ガスの過剰発生による爆発や過剰酸素分による被加熱物の酸化を適切に防止することは難しい。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、管状の燃焼室内に管状の火炎を形成させる管状火炎バーナを設置した炉において、未燃ガスの過剰発生による爆発や過剰酸素分による被加熱物の酸化を適切に防止することができる管状火炎バーナを設置した加熱炉及びその燃焼制御方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
【0008】
[1]管状火炎バーナを設置した加熱炉であって、管状火炎バーナが取り付けられた側の炉内に設置された火炎温度を測定する温度測定手段と、燃焼排ガス出口に設置された燃焼排ガスの成分を測定する排ガス成分検出手段と、前記温度測定手段によって測定された火炎温度測定値と前記排ガス成分測定手段によって測定された排ガス成分検出値に基づいて、燃料及び/又は酸素含有ガスの供給流量を調整する流量制御手段を有していることを特徴とする管状火炎バーナを設置した加熱炉。
【0009】
[2]管状火炎バーナを設置した加熱炉の燃焼制御方法であって、管状火炎バーナが取り付けられた側の炉内に火炎温度を測定する温度測定手段を設けるとともに、燃焼排ガス出口に燃焼排ガス成分を測定する排ガス成分検出手段を設け、前記温度測定手段によって測定された火炎温度測定値と前記排ガス成分測定手段によって測定された排ガス成分検出値に基づいて、燃料及び/又は酸素含有ガスの供給流量を調整することを特徴とする管状火炎バーナを設置した加熱炉の燃焼制御方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1〜図3に示す。図1は、この実施形態における管状火炎バーナを設置した炉の側面図、図2は、図1におけるA−A矢視の断面図である。図3は、この実施形態に係る管状火炎バーナを設置した炉の燃焼制御装置の全体構成図である。
【0011】
図1において、1が炉で、一端(図中、右端)に管状火炎バーナ2が取り付けられており、他端(図中、左端)に燃焼排ガスの排出口3が設けられている。
【0012】
管状火炎バーナ2は、管状の燃焼室10を有しており、燃焼室10の先端10aが炉内に向けて開放されている。そして、燃焼室10の後端10bの近傍に、燃焼室10へ燃料ガスを吹き込むノズルと酸素含有ガスを吹き込むノズルが取り付けられている。
【0013】
図1及び図2に示すように、燃焼室10へのノズル噴射口として管軸方向に沿った細長いスリット12が燃焼室10の同一管周上の4個所に形成されており、それぞれのスリット12に管軸方向に細長い偏平形状のノズル11a、11b、11c、11dが接続されている。それぞれのノズル11a、11b、11c、11dの噴射方向は、燃焼室10の内周面の接線方向でかつ同一回転方向になるように設けられている。それら4個のノズルの内、ノズル11aとノズル11cの2個は燃料ガス吹き込みノズルであり、ノズル11bとノズル11dの2個は酸素含有ガス吹き込みノズルである。
【0014】
燃料ガス吹き込みノズル11a、11cからは燃料ガスが燃焼室10の内周面の接線方向に向かって高速で吹き込まれ、酸素含有ガス吹き込みノズル11b、11dからは酸素含有ガスが燃焼室10の内周面の接線方向に向かって高速で吹き込まれ、燃焼室10の内周面に近い領域で燃料ガスと酸素含有ガスが効率良く混合されながら旋回流が形成されるようになっている。その旋回流となった混合ガスに点火プラグ又はパイロットバーナ等の点火装置(図示せず)によって点火すると、燃焼室10内に管状の火炎が生成される。その燃焼ガスは燃焼室10の先端10aから炉内に放出される。
【0015】
なお、上記の酸素含有ガスは、空気、酸素、酸素富化空気、酸素・排ガス混合ガスなど燃焼用の酸素を供給するガスを指している。
【0016】
炉1の管状火炎バーナが取り付けられた側の上面には、火炎温度を測定するための温度計31が少なくとも2本以上設けられている。火炎の長さ方向の温度分布を正確に測定するためには、温度計は少なくとも2本、好ましくは3本以上設置することが望ましい。また、火炎の広がりを考慮して、炉壁から離れるに従って測定位置を炉軸心から離すように調整可能とすることが望ましい。
【0017】
一方、燃焼排ガスの排出口3には、燃焼排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度計32と、燃焼排ガス中の一酸化炭素の濃度を測定する一酸化炭素濃度計33が設けられている。
【0018】
そして、図3に全体構成図を示すように、この実施形態の燃焼制御装置においては、燃料ガスを供給する配管中には、燃料ガス吹き込みノズル11a、11cに供給する燃料ガスの供給流量を調整するための燃料ガス流量調整弁17が設けられており、酸素含有ガスを供給する配管中には、酸素含有ガス吹き込みノズル11b、11dに供給する酸素含有ガスの供給流量を調整するための酸素含有ガス流量調整弁18が設けられている。燃料ガス流量調整弁17と酸素含有ガス流量調整弁18は供給流量制御装置20によって制御されるようになっている。
【0019】
また、温度計31、酸素濃度計32、一酸化炭素濃度計33のそれぞれの測定結果は、供給流量制御装置20に送られるようになっている。
【0020】
なお、燃料ガス及び酸素含有ガスの供給流量は、燃料ガスの流量計21と酸素含有ガスの流量計22によって測定されており、その測定値は供給流量制御装置20に送られ、燃料ガス流量調整弁17及び酸素含有ガス流量調整弁18の開度調整に利用されるようになっている。
【0021】
上記のように構成された燃焼制御装置を用いて燃焼制御を行う方法を以下に説明する。
【0022】
炉1に設置された温度計31による温度検出値と、燃焼排ガス出口3に設置された酸素濃度計32による酸素濃度検出値が供給流量制御装置20に送られる。温度計31による温度検出値により、火炎の長さと広がりが測定され管状火炎バーナの燃焼状態を知ることができる。供給流量制御装置20は、それらの検出値に基づいて、酸素含有ガス比(=[酸素含有ガス流量]/[燃料ガスの完全燃焼に必要な酸素含有ガス流量])が所定の値になるように、燃料ガス流量調整弁17と酸素含有ガス流量調整弁18を調整して、管状火炎バーナ2に供給する燃料ガス及び/又は酸素含有ガスの流量を制御する。これによって、酸素含有ガス比を適切な値に保持することができる。
【0023】
さらに、燃焼排ガス出口3に設置された一酸化炭素濃度計33による一酸化炭素濃度検出値が供給流量制御装置20に送られる。供給流量制御装置20は、その一酸化炭素濃度検出値に基づいて、未燃状態の酸素含有ガス比も所定の値になるように燃料ガス及び/又は酸素含有ガスの流量制御を行う。これによって、未燃状態の酸素含有ガス比も適切な値に保持することができ、危険な未燃ガスの予期せぬ大量発生を防止することができる。
【0024】
このように、この実施形態においては、管状の燃焼室内に管状の火炎を形成させる管状火炎バーナを設置した炉について、火炎温度と燃焼排ガス中の酸素濃度及び一酸化炭素濃度を測定して、その測定値に基づいて、管状火炎バーナに供給する燃料ガスあるいは酸素含有ガスの流量を調整するようにしているので、未燃ガスの過剰発生による爆発の危険性や過剰酸素分による被加熱物の酸化を適切に防止することができる。
【0025】
なお、この実施形態では、燃料ガス吹き込みノズル及び酸素含有ガス吹き込みノズルを、噴射方向が燃焼室内周面の接線方向に一致するように設けているが、必ずしも燃焼室内周面の接線方向に一致する必要はなく、燃焼室にガスの旋回流を形成できる程度に、噴射方向が燃焼室内周面の接線方向から外れていても良い。
【0026】
また、この実施形態では、燃焼室への噴射口として管軸方向に沿ってスリットを設け、そのスリットに偏平形状の燃料ガス吹き込みノズル及び酸素含有ガス吹き込みノズルを接続しているが、燃焼室への噴射口として複数の小孔を管軸方向に配し、その小孔列に燃料ガスあるいは酸素含有ガスを吹き込むためのノズルを接続するようにしても良い。
【0027】
また、この実施形態では、燃料ガスを吹き込んでいるが、液体燃料を吹き込んでも良い。液体燃料としては、灯油、軽油、アルコール、A重油等の比較的低い温度で気化するものが好適である。
【0028】
また、この実施形態では、燃料ガスと酸素含有ガスを別々に吹き込んでいるが、燃料ガスと酸素含有ガスを予混合して吹き込んでも良い。その場合には、予混合する前の燃料ガス及び酸素含有ガスのそれぞれの供給流量を調整すれば良い。
【0029】
【発明の効果】
本発明においては、管状火炎バーナを設置した炉について、管状火炎バーナに吹き込む燃料あるいは酸素含有ガスの流量を適切に制御することができるので、未燃焼の燃料の過剰発生や被加熱物の過剰な酸化を防止しながら安定した燃焼を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る管状火炎バーナを設置した炉の側面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る燃焼制御装置の全体構成図である。
【符号の説明】
1 炉
2 管状火炎バーナ
3 燃焼排ガスの排出口
10 燃焼室
10a 燃焼室の先端
10b 燃焼室の後端
11a、11c 燃料ガス吹き込みノズル
11b、11d 酸素含有ガス吹き込みノズル
12 スリット
17 燃料ガスの流量調整弁
18 酸素含有ガスの流量調整弁
20 供給流量制御装置
21 燃料ガスの流量計
22 酸素含有ガスの流量計
31 温度計
32 酸素濃度計
33 一酸化炭素濃度計
Claims (2)
- 管状火炎バーナを設置した加熱炉であって、管状火炎バーナが取り付けられた側の炉内に設置された火炎温度を測定する温度測定手段と、燃焼排ガス出口に設置された燃焼排ガスの成分を測定する排ガス成分検出手段と、前記温度測定手段によって測定された火炎温度測定値と前記排ガス成分測定手段によって測定された排ガス成分検出値に基づいて、燃料及び/又は酸素含有ガスの供給流量を調整する流量制御手段を有していることを特徴とする管状火炎バーナを設置した加熱炉。
- 管状火炎バーナを設置した加熱炉の燃焼制御方法であって、管状火炎バーナが取り付けられた側の炉内に火炎温度を測定する温度測定手段を設けるとともに、燃焼排ガス出口に燃焼排ガス成分を測定する排ガス成分検出手段を設け、前記温度測定手段によって測定された火炎温度測定値と前記排ガス成分測定手段によって測定された排ガス成分検出値に基づいて、燃料及び/又は酸素含有ガスの供給流量を調整することを特徴とする管状火炎バーナを設置した加熱炉の燃焼制御方法。
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JP2002236955A JP2004077009A (ja) | 2002-08-15 | 2002-08-15 | 管状火炎バーナを設置した加熱炉及び燃焼制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100804397B1 (ko) | 2006-10-12 | 2008-02-15 | 주식회사 포스코 | 배가스 이용 퍼징에 의한 가열로내 산소농도 제어장치 및방법 |
CN101639226B (zh) * | 2008-08-01 | 2011-05-11 | 中国神华能源股份有限公司 | 一种在锅炉中燃烧煤炭的方法 |
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JP2017219302A (ja) * | 2016-06-06 | 2017-12-14 | 東京瓦斯株式会社 | 燃焼器 |
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-
2002
- 2002-08-15 JP JP2002236955A patent/JP2004077009A/ja active Pending
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