JP2004077010A - 管状火炎バーナを設置した炉 - Google Patents

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Kuniaki Okada
岡田 邦明
Hitoshi Oishi
大石 均
Yutaka Suzukawa
鈴川 豊
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

【課題】管状の燃焼室内に管状の火炎を形成させる管状火炎バーナを設置した炉について、大きい燃焼負荷の場合でも、燃焼設備の小型化が可能であるとともに、排ガスのNOx濃度もさらに低減することができる管状火炎バーナを設置した炉を提供する。
【解決手段】回転式蓄熱体25を介して2次燃焼用酸素含有ガスを燃焼排ガスと熱交換させ、高温になった2次燃焼用酸素含有ガスを炉1内に供給して、管状火炎バーナ2に供給された燃料ガスの一部を炉1内で2次燃焼させるようにする。
【選択図】      図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼室内に管状の火炎を形成する管状火炎バーナを設置した炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平11−281015号公報に、一端が開放された管状の燃焼室を有し、この燃焼室の閉塞端部近傍に燃料ガスを吹き込むノズルと酸素含有ガスを吹き込むノズルが、前記燃焼室の内周面の接線方向に向けて設けられている管状火炎バーナが示されている。
【0003】
この管状火炎バーナは、高速の旋回流中で安定な管状の火炎がバーナ内に形成されるので、燃焼設備の小型化が達成されると共に、燃焼火炎の温度のバラツキが小さく、局所的な高温領域が形成されない上に、酸素比又は空気比を下げることもできるので、NOxなどの有害物質、炭化水素等の未燃焼分、煤煙といった環境汚染源を低減することができるバーナである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の管状火炎バーナを炉に取り付けて、被加熱物を加熱する場合に以下のような問題がある。
【0005】
すなわち、上記の管状火炎バーナは、燃焼設備の小型化が達成されるとはいっても、管状火炎を燃焼室内部で形成して燃焼を完結させることを前程としているので、燃焼負荷が大きくなった場合は、非常に容積の大きな燃焼室を設ける必要がある。そのため、スペースに制約がある場合には設置が困難であるという欠点がある。
【0006】
また、排ガスのNOx濃度についても、比較的低いとはいうものの、さらに低NOx化の技術が望まれている。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、管状の燃焼室内に管状の火炎を形成させる管状火炎バーナを設置した炉について、大きい燃焼負荷の場合でも、燃焼設備の小型化が可能であると共に、排ガスのNOx濃度もさらに低減することができる管状火炎バーナを設置した炉を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
【0009】
[1]先端が開放された管状の燃焼室と、ノズル噴射口が前記燃焼室の内面に開口し、燃料と酸素含有ガスを別々にあるいは予混合して吹き込むノズルを備え、各ノズルの噴射方向が燃焼室内周面の接線方向とほぼ一致している管状火炎バーナを設置した炉であって、炉内に2次燃焼用酸素含有ガスを供給する供給手段と、該2次燃焼用酸素含有ガスを予め燃焼排ガスと熱交換させるための回転式蓄熱体とを備えていることを特徴とする管状火炎バーナを設置した炉。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1〜図3に示す。図1は、この実施形態における管状火炎バーナを設置した炉の側面図、図2は、図1におけるA−A矢視の断面図である。図3は、この実施形態に係る管状火炎バーナを設置した炉の全体構成図である。
【0011】
図1において、1が炉で、一端(図中、右端)に管状火炎バーナ2が取り付けられており、他端(図中、左端)に燃焼排ガスの排出口3が設けられている。
【0012】
管状火炎バーナ2は、管状の燃焼室10を有しており、燃焼室10の先端10aが炉内に向けて開放されている。そして、燃焼室10の後端10bの近傍に、燃焼室10へ燃料ガスを吹き込むノズルと酸素含有ガスを吹き込むノズルが取り付けられている。
【0013】
図1及び図2に示すように、燃焼室10へのノズル噴射口として管軸方向に沿った細長いスリット12が燃焼室10の同一管周上の4個所に形成されており、それぞれのスリット12に管軸方向に細長い偏平形状のノズル11a、11b、11c、11dが接続されている。それぞれのノズル11a、11b、11c、11dの噴射方向は、燃焼室10の内周面の接線方向でかつ同一回転方向になるように設けられている。それら4個のノズルの内、ノズル11aとノズル11cの2個は燃料ガス吹き込みノズルであり、ノズル11bとノズル11dの2個は酸素含有ガス吹き込みノズルである。
【0014】
燃料ガス吹き込みノズル11a、11cからは燃料ガスが燃焼室10の内周面の接線方向に向かって高速で吹き込まれ、酸素含有ガス吹き込みノズル11b、11dからは酸素含有ガスが燃焼室10の内周面の接線方向に向かって高速で吹き込まれ、燃焼室10の内周面に近い領域で燃料ガスと酸素含有ガスが効率良く混合されながら旋回流が形成されるようになっている。その旋回流となった混合ガスに点火プラグ又はパイロットバーナ等の点火装置(図示せず)によって点火すると、燃焼室10内に管状の火炎が生成される。その燃焼ガスは燃焼室10の先端10aから炉内に放出される。
【0015】
そして、管状火炎バーナ2の取り付け位置の近傍に、炉1内に2次燃焼用酸素含有ガスを供給するための2次燃焼用酸素含有ガス供給口4と、炉内の燃焼排ガスを炉外に抽出するための燃焼排ガス抽出口5が設けられている。
【0016】
また、炉外に、2次燃焼用酸素含有ガス供給口4から炉内に供給される2次燃焼用酸素含有ガスを、燃焼排ガス抽出口5から抽出された燃焼排ガスと予め熱交換させるための回転式蓄熱体25が設けられている。
【0017】
そして、図3に全体構成図を示すように、この実施形態においては、燃料ガスを供給する配管中には、燃料ガス吹き込みノズル11a、11cに供給する燃料ガスの供給流量を調整するための燃料ガス流量調整弁17が設けられており、酸素含有ガスを供給する配管中には、酸素含有ガス吹き込みノズル11b、11dに供給する酸素含有ガスの供給流量を調整するための酸素含有ガス流量調整弁18が設けられている。燃料ガス流量調整弁17と酸素含有ガス流量調整弁18は供給流量制御装置(図示せず)によって制御されるようになっている。
【0018】
なお、燃料ガス及び酸素含有ガスの供給流量は、燃料ガスの流量計21と酸素含有ガスの流量計22によって測定されており、その測定値は供給流量制御装置に送られ、燃料ガス流量調整弁17及び酸素含有ガス流量調整弁18の開度調整に利用されるようになっている。
【0019】
また、2次燃焼用酸素含有ガスを2次燃焼用酸素含有ガス供給口4から炉1内に供給するための配管の途中に回転式蓄熱体25が設けられており、2次燃焼用酸素含有ガスは炉1内に供給される前に、予め回転式蓄熱体25に通される。一方、燃焼排ガスを燃焼排ガス抽出口5から抽出する配管も回転式蓄熱体25を経由するようになっており、燃焼排ガスも回転式蓄熱体25を通過するようになっている。これによって、回転式蓄熱体25を介して、2次燃焼用酸素含有ガスと燃焼排ガスとの間で定常的な熱交換が行われ、高温の2次燃焼用酸素含有ガスが炉1内に供給されるようになる。
【0020】
蓄熱体には交番型と回転式連続熱交換型があるが、交番型は切替時に非定常燃焼となるため、本発明では燃焼安定性に優れる回転式連続熱交換型を用いる。
【0021】
なお、上記の管状火炎バーナに供給する酸素含有ガス及び炉内に供給する2次燃焼用酸素含有ガスは、空気、酸素、酸素富化空気、酸素・排ガス混合ガスなど燃焼用の酸素を供給するガスを指している。
【0022】
上記のように構成された炉においては、燃焼排ガスとの熱交換によって高温になった2次燃焼用酸素含有ガスを炉1内に供給して、管状火炎バーナ2に供給された燃料ガスの一部を炉1内で2次燃焼させるようにしているので、管状火炎バーナ2の燃焼室10内部で燃焼を完結させる必要はなく、燃焼負荷が大きい場合でも、格別大きな燃焼室10を設ける必要がない。
【0023】
また、これによって、管状火炎バーナ2での1次燃焼における酸素比または空気比も下げられるので、排ガスのNOx濃度も一層低減することができる。
【0024】
このように、この実施形態に係る管状火炎バーナを設置した炉においては、大きい燃焼負荷の場合でも、燃焼設備の小型化が可能であると共に、排ガスのNOx濃度もさらに低減することができる。
【0025】
なお、この実施形態では、燃料ガス吹き込みノズル及び酸素含有ガス吹き込みノズルを、噴射方向が燃焼室内周面の接線方向に一致するように設けているが、必ずしも燃焼室内周面の接線方向に一致する必要はなく、燃焼室にガスの旋回流を形成できる程度に、噴射方向が燃焼室内周面の接線方向から外れていても良い。
【0026】
また、この実施形態では、燃焼室への噴射口として管軸方向に沿ってスリットを設け、そのスリットに偏平形状の燃料ガス吹き込みノズル及び酸素含有ガス吹き込みノズルを接続しているが、燃焼室への噴射口として複数の小孔を管軸方向に配し、その小孔列に燃料ガスあるいは酸素含有ガスを吹き込むためのノズルを接続するようにしても良い。
【0027】
また、この実施形態では、燃料ガスを吹き込んでいるが、液体燃料を吹き込んでも良い。液体燃料としては、灯油、軽油、アルコール、A重油等の比較的低い温度で気化するものが好適である。
【0028】
また、この実施形態では、燃料ガスと酸素含有ガスを別々に吹き込んでいるが、燃料ガスと酸素含有ガスを予混合して吹き込んでも良い。
【0029】
【実施例】
上記の実施形態に係る管状火炎バーナを設置した炉の実施例を以下に示す。
【0030】
使用した管状火炎バーナの径は4インチであり、燃料ガスとしてコークス炉ガス、酸素含有ガスとして空気を供給した。燃焼負荷は14万kcal/hと27万kcal/hの2水準とし、総空気比を1.2とした。
【0031】
そして、管状火炎バーナでの1次燃焼における1次空気比を変化させ、その時の排ガスのNOx濃度を測定した。その結果を図4に示す。
【0032】
これによると、1次空気比が1.2の場合、すなわち2次燃焼用の2次空気を供給しないで管状火炎バーナのみで燃焼を完結した場合に比べて、2次空気を供給して1次空気比を下げた場合、特に1次空気比が0.6以下の場合は排ガスのNOx濃度が大幅に低減することが分かる。
【0033】
【発明の効果】
本発明においては、管状火炎バーナを設置した炉について、燃焼排ガスとの熱交換によって高温になった2次燃焼用酸素含有ガスを炉内に供給して、管状火炎バーナに供給された燃料ガスの一部を炉内で2次燃焼させるようにしているので、燃焼設備の小型化が可能であると共に、排ガスのNOx濃度もさらに低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る管状火炎バーナを設置した炉の側面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る管状火炎バーナを設置した炉の全体構成図である。
【図4】本発明の実施例における排ガスのNOx濃度を示すグラフである。
【符号の説明】
1 炉
2 管状火炎バーナ
3 燃焼排ガスの排出口
4 2次燃焼用酸素含有ガス供給口
5 燃焼排ガス抽出口
10 燃焼室
10a 燃焼室の先端
10b 燃焼室の後端
11a、11c 燃料ガス吹き込みノズル
11b、11d 酸素含有ガス吹き込みノズル
12 スリット
17 燃料ガスの流量調整弁
18 酸素含有ガスの流量調整弁
21 燃料ガスの流量計
22 酸素含有ガスの流量計
25 回転式蓄熱体

Claims (1)

  1. 先端が開放された管状の燃焼室と、ノズル噴射口が前記燃焼室の内面に開口し、燃料と酸素含有ガスを別々にあるいは予混合して吹き込むノズルを備え、各ノズルの噴射方向が燃焼室内周面の接線方向とほぼ一致している管状火炎バーナを設置した炉であって、炉内に2次燃焼用酸素含有ガスを供給する供給手段と、該2次燃焼用酸素含有ガスを予め燃焼排ガスと熱交換させるための回転式蓄熱体とを備えていることを特徴とする管状火炎バーナを設置した炉。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009063222A (ja) * 2007-09-06 2009-03-26 Jfe Steel Kk 携帯型管状火炎バーナシステム
JP2016183792A (ja) * 2015-03-25 2016-10-20 大阪瓦斯株式会社 管状火炎バーナ、及び加熱炉
CN113757655A (zh) * 2021-08-04 2021-12-07 王青芝 混合火焰加燃料分级燃烧方法
JP7191160B1 (ja) * 2021-06-28 2022-12-16 三菱重工パワーインダストリー株式会社 ガスバーナ、及び燃焼設備

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