JP2004204037A - 分子量分布を制御した熱硬化性樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶媒に可溶な熱硬化性樹脂を溶媒に溶解せしめて、無機濾過膜を通過させることにより、かかる熱硬化性樹脂の分画を行なって、分子量分布を制御した熱硬化性樹脂を製造するようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分子量分布を制御した熱硬化性樹脂の製造方法に係り、特に、成形材料やエポキシ硬化剤、フォトレジスト用樹脂、導電ペースト用樹脂、炭素材ベース樹脂、熱可塑性樹脂改質剤、ゴム配合用途等、幅広い分野に好適に用いられ得る分子量分布を制御した熱硬化性樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、分画は、分子量分布を有する熱硬化性樹脂から、高分子成分や低分子成分のみを得たい場合に行なわれている方法であり、例えば、特開平2−60915号公報(特許文献1)では、フェノール樹脂(ノボラック樹脂)を、エチルセロソルブアセテートやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに代表されるエステル類等の良溶媒に溶解した後、その樹脂溶液に、メタノールやエタノール、イソプロピルアルコールに代表される水溶性アルコールと水との混合物を貧溶媒として加えて、必要な核体成分を抽出する操作を施すことにより、かかるフェノール樹脂の分画が行なわれている。しかしながら、そのような技術は、溶媒として、良溶媒と貧溶媒の少なくとも2種類以上が必要であるため、大量に溶媒を使用しなければならないばかりでなく、分画後において、不必要な溶媒の除去が必要となったり、また、分画の程度に合わせて、良溶媒と貧溶媒の混合比率等の条件を個別に設定する必要があり、この設定に試行錯誤しなくてはならないといった問題を内在するものであった。
【0003】
また、別の分画の方法として、カラムクロマトグラフィー等を利用することも可能であるが、1回の分取量が少なく、工業的に不向きなだけでなく、大量の溶媒を使用するため、これら大量に発生する溶媒の処分に問題があった。
【0004】
さらに、有機樹脂からなる有機濾過膜で分画を行なう方法もあるが、選択的な分画を行なうことは難しく、また、膜の耐久性にも問題を有するものであった。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−60915号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その課題とするところは、分子量分布を制御した熱硬化性樹脂の製造方法において、使用する溶媒量の大幅な低減を可能とし、経済的に極めて有用な熱硬化性樹脂を分画する方法を提供することにある。
【0007】
また、本発明の別の課題とするところは、単一種類の溶媒を用いて分画操作を実施することにより、不必要な溶媒の除去を行なうことが不要となる熱硬化性樹脂を分画する方法を提供することにある。
【0008】
さらに、本発明の他の課題とするところは、モノマー及びダイマー領域の選択的な分離並びに膜の耐久性にも有効である熱硬化性樹脂を分画する方法を提供することにある。
【0009】
加えて、本発明の更に別の課題とするところは、クロスフロー方式で分画を行なうことにより、分画の程度を、クロスフローさせる時間で制御せしめ、以て、分画の程度に合わせて溶媒の比率等の条件を個別に設定するようなことが必要とされ得ない熱硬化性樹脂を分画する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そして、本発明者らは、そのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、無機濾過膜に、分画対象とする熱硬化性樹脂を溶解せしめた溶液を通過せしめることにより、簡便に、熱硬化性樹脂の分子量分布を制御することが可能となり、以て、所期の分子量分布の熱硬化性樹脂を製造することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0011】
従って、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、熱硬化性樹脂を溶媒に溶解せしめて、無機濾過膜を通過させることにより、かかる熱硬化性樹脂の分画を行なうことを特徴とする分子量分布を制御した熱硬化性樹脂の製造方法にある。
【0012】
このように、本発明に従う分子量分布を制御した熱硬化性樹脂の製造方法にあっては、良溶媒と貧溶媒を用いて、熱硬化性樹脂の溶解性の差によって分画処理を行なう従来手法ではなく、また、カラムクロマトグラフィーを利用する手法でもないところから、使用する溶媒量の大幅な低減が可能となり、経済的に極めて有用となっているのである。また、無機材質からなる濾過膜を使用しているところから、単一種類の溶媒で、簡便に分画操作を実施することができるのである。
【0013】
しかも、本発明における無機濾過膜は、材質が無機材質であるが故に、逆洗や、溶媒、酸、アルカリによる目詰まりの除去の他に、加熱処理することで目詰まりした有機物を除去することが可能であり、このため、耐久性、寿命の面からも経済的であると共に、理由は明らかではないものの、ポリフッ化ビニリデン等の有機樹脂からなる有機濾過膜を用いた場合に比して、所定の分子量成分を、より一層選択的に分離することができるのである。
【0014】
なお、かかる本発明に従う分子量分布を制御した熱硬化性樹脂の製造方法の好ましい態様の一つによれば、前記無機濾過膜が、セラミックフィルターであることが望ましく、このようなセラミックフィルターを採用すれば、従来に比して、より一層優れた耐久性が確保され得るようになる。
【0015】
また、本発明における好ましい態様の他の一つによれば、前記セラミックフィルターの細孔径サイズは、10Å〜2000Å(1nm〜200nm)であることが望ましく、このような細孔径を有するものを採用すれば、熱硬化性樹脂の所定の分子量成分(例えば、モノマーやダイマー領域の成分)の選択的な分離がより一層効果的に行なわれ得て、分子量分布が制御された熱硬化性樹脂が有利に製造されるようになる。
【0016】
さらに、本発明に従う分子量分布を制御した熱硬化性樹脂の製造方法の好ましい態様の別の一つによれば、前記無機濾過膜を通過させる方法が、クロスフロー方式であることが望ましい。このようなクロスフロー方式を採用すれば、無機濾過膜の長寿命化が実現されるのみならず、熱硬化性樹脂の溶液を循環させて、それを、繰返し、無機濾過膜に通過せしめることが可能であるところから、分画の程度を、クロスフローさせる時間で制御することが可能となるといった利点が享受され得るのである。それ故、所望とする分画の程度に応じて、従来の手法で必要であった、溶媒の比率等の条件を個別に設定するような煩雑な作業が、必要とされ得なくなるのである。
【0017】
加えて、本発明における別の好ましい態様の一つによれば、前記熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂が挙げられ、フェノール樹脂の分子量分布が、有利に制御されることとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について、その詳細を具体的に明らかにすることとする。
【0019】
先ず、本発明において、分子量分布が制御される熱硬化性樹脂としては、溶媒溶解性の性質を有する熱硬化性樹脂であれば、何れのものをも採用することが可能であり、特に限定されるものではない。そして、そのような熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ポリイミド等の熱硬化性樹脂を挙げることができるが、本発明においては、これらの中でも、フェノール樹脂が、特に有利に分画されて、その分子量分布がコントロールされることとなる。
【0020】
ここにおいて、上記フェノール樹脂の具体例としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、含窒素レゾール型フェノール樹脂及びベンジルエーテル型フェノール樹脂の他、これらのフェノール樹脂の製造時乃至は製造後に任意の化合物、例えば尿素、メラミン、アニリン、フルフラール、フルフリルアルコール等と反応して得られる変性フェノール樹脂等が挙げられる。
【0021】
また、本発明において用いられる溶媒としては、上述せる如き熱硬化性樹脂を溶解し得る溶媒であれば、従来から公知の各種の溶媒乃至は溶剤が採用され得るのであり、具体的には、メタノール、エタノール、イソプルピルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のグリコールエーテル類;エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルアセテート類;ジエチルエーテル、ジオキサン、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、フェノール、クレゾール、ナフトール等の芳香族化合物類;酢酸、乳酸、酪酸等の脂肪酸類;ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;塩酸、硝酸、硫酸、二酸化炭素水等の無機酸及び無機酸水溶液類;水酸化ナトリウム水、水酸化カリウム水等の無機アルカリ水溶液;トリエチルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、アンモニア等の有機アルカリ類等の溶媒を例示することができるが、これらの溶媒に何等限定されるものではない。
【0022】
そして、上述せる如き溶媒に対して、前記した熱硬化性樹脂を溶解せしめるに際して、その濃度としては、特に限定されるものではないものの、一般に、溶液中において、熱硬化性樹脂が、1〜95重量%程度、好ましくは5〜75重量%程度、更に好ましくは10〜50重量%程度となるように、熱硬化性樹脂の溶液が調製されることとなる。
【0023】
また、本発明において、分画操作に用いられる濾過膜としては、従来の有機樹脂からなる有機濾過膜ではなく、無機材質の無機濾過膜が、採用されることとなる。このような無機濾過膜を採用することにより、逆洗や、溶媒、酸、アルカリによる目詰まりの除去が可能となると共に、加熱処理することで、目詰まりした有機物を除去することが可能となり、耐久性や寿命の面からも、経済性が向上する。
【0024】
なお、そのような無機濾過膜としては、例えば、セラミックや炭素、ゼオライト等の無機材質からなるセラミックフィルター、炭素膜、ゼオライト膜等、公知の各種の無機膜を挙げることができ、特に限定されるものではないものの、それらの中でも、特に、セラミック製の濾過膜が、耐久性、耐薬品性及び線膨張係数が小さいことによる細孔径の温度安定性に優れるところから、好適に用いられることとなる。
【0025】
また、そのような無機濾過膜の細孔径にあっては、分画対象となる熱硬化性樹脂やその分子量等に応じて、適宜に設定され、適切な細孔径を有する無機濾過膜を選択すれば良いのであるが、一般に、10Å〜2000Å(1nm〜200nm)程度、好ましくは10Å〜1000Å程度、更に好ましくは10Å〜500Å程度に制御された細孔径を有するものが、熱硬化性樹脂の分画操作に、好適に採用されることとなる。何故ならば、かかる細孔径が2000Åを超えるようになると、分画操作の際に、低分子成分と共に、高分子成分も濾過されてしまう等といった問題が惹起される恐れがあるからであり、また、細孔径が10Åよりも小さくなると、低分子成分の分画効率が悪くなる他、実用性のある濾過膜の実現が困難となる等の問題を生じる恐れがある。
【0026】
さらに、上述せる如き無機濾過膜の形状としては、一般的な円板状等の平膜状の膜フィルターや管状のフィルター等、公知の各種の形状の濾過膜が、何れも、採用され得るのであるが、それらの中でも、上述せる如き細孔径を有する無機材質の柱体状骨格に、分画対象たる熱硬化性樹脂の溶液を流通せしめるための貫通孔が、軸方向に平行に、一つ或いは複数において形成されてなる、筒状或いはレンコン状等の管状フィルターが、好適に採用され得るのである。
【0027】
而して、上述せる如き無機濾過膜に、分画対象である熱硬化性樹脂の溶液を通過せしめて、分画操作を行なうことにより、かかる熱硬化性樹脂の所定の分子量成分が分離されて、分子量分布の制御された熱硬化性樹脂が得られることとなるのであるが、かくの如き無機濾過膜を通過せしめる手法(濾過方法)としては、特に限定されるものではなく、熱硬化性樹脂溶液を直接濾過する、ワンスルー方式乃至はデッドエンド方式の濾過や、熱硬化性樹脂溶液を無機濾過膜面に対して平行に流して濾過を行なうクロスフロー方式の濾過等、従来から公知の各種の手法が、何れも、採用され得るところとなるが、中でも、クロスフロー濾過は、濾過膜上の堆積物が常に洗い流され得るところから、無機濾過膜の長寿命化を実現し得ると共に、熱硬化性樹脂の溶液を循環させて、それを、繰返し、無機濾過膜に通過せしめることが可能であるところから、分画の程度を、クロスフロー時間(分画操作を施す時間)で制御することが可能となるために、特に好適に採用されることとなる。
【0028】
ところで、上記したクロスフロー濾過にて、分画を行なって、分子量分布の制御された熱硬化性樹脂を得るに際しては、以下の如き手法を、図面を参照しつつ、具体的に例示することができる。
【0029】
すなわち、図1には、クロスフロー方式を採用した濾過装置の一例が、概略的に示されており、そこにおいて、濾過装置10は、タンク12、ポンプ14、フィルタモジュール16、圧力調整バルブ18及び取出用バルブ19,20を有し、それらが、各々、流通管路にて接続されてなる構造を有している。また、図2には、そのような濾過装置10のフィルタモジュール16が、その横断面形態において示されている。
【0030】
より具体的には、それらの図において、フィルタモジュール16は、分画対象である熱硬化性樹脂溶液を流通せしめるための貫通孔22が設けられてなる無機濾過膜(此処では、セラミックフィルター24)と、かかるセラミックフィルター24全体を、所定の距離を隔てて覆うように設置されたハウジング26とを有して構成されており、図2中の矢印に示されるように、セラミックフィルター24の細孔径を通過した濾過液が、セラミックフィルター24の外周面とハウジング26の内周面との間の空間30内に収容され、ハウジング26に設けられた開口部28から、取り出されるようになっている。
【0031】
そして、上述せる如き濾過装置10を用いて、分子量分布の制御された熱硬化性樹脂を得るには、先ず、分画対象たる熱硬化性樹脂を適度な濃度となるように、適当な溶媒に溶解せしめて溶液と為し、これを、タンク12内に収容するのである。
【0032】
次いで、かかる熱硬化性樹脂溶液を、ポンプ14にて、タンク12から所定の流速で汲み出し、セラミックフィルター24が内蔵されたフィルタモジュール16を通過せしめるのである。この際、所望する分子量成分(例えば、モノマー成分等)が有利に濾過、分離せしめられるように、無機濾過膜(セラミックフィルター24)に対して、適度な圧力が付与されることとなる。この圧力は、特に限定されるものではないが、無機濾過膜の種類や細孔径の大きさ等に応じて、一般に、0.1MPa〜5.0MPa程度、好ましくは0.2MPa〜3.5MPa程度、更に好ましくは0.3〜1.5MPa程度となるように、圧力調整バルブ18やポンプ14にて、調整されるのである。なお、かかる圧力が、0.1MPaに満たない場合には、セラミックフィルター24にて、所望とする分子量成分の濾過を行なうことが困難となり、また、圧力が大き過ぎる場合には、フィルタモジュール16に悪影響が及ぼされる恐れがある。
【0033】
かくして、熱硬化性樹脂溶液が、所定の圧力でセラミックフィルター24の貫通孔22内を流通せしめられると、セラミックフィルター24の内周面である、膜表面から、所定の分子量成分が濾過され、空間30内に溜められる一方、濾過されなかった成分は、圧力調整バルブ18を通って、タンク12内に戻されるのである。
【0034】
そして、このような操作を繰り返して、タンク12内に収容された熱硬化性樹脂溶液を循環せしめることによって、所定の分子量成分の殆んどが濾過され、分離されるのであり、これにて、所望とする分子量分布の熱硬化性樹脂が得られるのである。このように、熱硬化性樹脂の溶液を循環せしめて、繰返し、無機濾過膜に通過せしめることが可能であるところから、分画の程度を、クロスフローさせる時間、即ち、分画操作を行なう時間でコントロールすることができるのであり、従来の手法で必要であった、溶媒の比率等の条件を個別に設定するような煩雑な作業が不要となる。
【0035】
また、上述せる如き分画操作が施された熱硬化性樹脂溶液(濾過液及び濾過残留物)は、取出用バルブ19,20を開放することによって、装置10外に取り出されることとなるのである。
【0036】
なお、上記した分画操作に際しては、所望する分子量成分が効果的に濾過せしめられるように、温度は、一定に保たれていることが望ましく、その温度は特に限定されないものの、使用する溶媒の沸点以下で、且つ、凝固点以上の温度が適宜に設定されることとなる。また、上述せる方法にて長時間濾過を行なった場合、濾過残留物の濃度が上がり、分画効率が悪化することがあり得るが、その際には溶媒で希釈しても何等差支えない。
【0037】
ところで、本発明に従って分画を行なって得られる熱硬化性樹脂は、分子量成分が、高分子成分であっても、或いは、低分子成分であっても、何等差支えなく、更には、それらに、中分子成分を含むものであってもよい。ここで、高分子成分とは、分画分子量が概ね5000以上のものを示す一方、低分子成分とは、分画分子量が概ね2000以下のものを示し、また、中分子成分とは、低分子成分及び高分子成分以外の成分を示すものとする。
【0038】
【実施例】
以下に、本発明を、実施例を用いて更に具体的に明らかにするが、本発明は、これらの例によって、何等限定的に解釈されるものではない。なお、下記のフェノール樹脂(ノボラック樹脂)の分子量分布チャート、低核体(モノマー及び第マー)成分の減少率(%)は、次のようにして得た。
【0039】
(1)分子量分布チャート
東ソー株式会社製ゲル濾過クロマトグラフ8020(カラム:G2000HXL+G4000HXL、検出器:UV254nm、キャリヤー:テトラヒドロフラン、流速:1ml/min、カラム槽温度:38℃)を用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて測定し、分子量分布チャートを得た。
【0040】
(2)モノマー成分の減少率(%),ダイマー成分の減少率(%)
上記(1)で得られた分子量分布チャートより、分子量分布の全面積に対するモノマー成分又はダイマー成分の面積を百分率で表示する面積法によって、含有量を求め、分画前後の含有量の比率を算出することによって、減少率を求めた。計算式は、次の通りである。
減少率=100−(分画後の含有量/分画前の含有量)×100
【0041】
(実施例1)
フェノール樹脂(ノボラック型フェノール樹脂:旭有機材工業株式会社製、重量平均分子量2500)1.0kgを、メタノール4.7kgに溶解して得られた溶液を用い、約1.0MPaの圧力下、細孔径100Åの市販のセラミックフィルターにより、クロスフロー方式の濾過を、約30℃で37時間、行なった。なお、濾過装置としては、図1に示される如き構成の装置を用いた。
【0042】
低分子成分を含む溶液が分離されることにより、中分子成分及び低分子成分が分画前の樹脂よりも減少したフェノール樹脂のメタノール溶液(濾過残留物)と中分子成分及び低分子成分を主体とする固形分180gを含むメタノール溶液(濾過液)を得た。その後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて、濾過残留物の分子量分布チャートを得た。この得られた分子量分布チャートを、図4に示す一方、分画前の分子量分布チャートを、図3に示した。また、算出されたモノマー減少率及びダイマー減少率を、下記表1に併せ示した。
【0043】
(実施例2)
実施例1の分画操作を、同様の条件下で、引き続き、更に12時間行ない、合計で49時間の分画操作を実施した。
【0044】
この延長された分画操作によって、低分子成分を含む溶液が濾過液として更に分離され、中分子成分及び低分子成分が実施例1よりも更に減少したフェノール樹脂のメタノール溶液(濾過残留物)と中分子成分及び低分子成分を主体とする固形分が実施例1と合わせ合計で200gを含むメタノール溶液(濾過液)を得た。その後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて、濾過残留物及び濾過液の分子量分布チャートを得、そして、得られた濾過残留物の分子量分布チャートを、図5に、また濾過液の分子量分布チャートを、図10に、それぞれ、示した。更に、算出されたモノマー減少率及びダイマー減少率を、下記表1に示した。
【0045】
(実施例3)
実施例2の分画操作を、同様の条件下で、引き続き、更に17時間行ない、合計で66時間の分画操作を実施した。
【0046】
この延長された分画操作によって、低分子成分を含む溶液が濾過液として更に分離され、中分子成分及び低分子成分が実施例2よりも更に減少したフェノール樹脂のメタノール溶液(濾過残留物)と中分子成分及び低分子成分を主体とする固形分が実施例2と合わせ合計で220gを含むメタノール溶液(濾過液)を得た。その後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて、濾過残留物の分子量分布チャートを得た。この分子量分布チャートを、図6に示す一方、算出されたモノマー減少率及びダイマー減少率を、下記表1に示した。
【0047】
(実施例4)
実施例1の細孔径100Åの市販のセラミックフィルターに代えて、細孔径40Åの市販のセラミックフィルターを採用して、フェノール樹脂(ノボラック型フェノール樹脂:旭有機材工業株式会社製、重量平均分子量2500)1.0kgを、メタノール4.7kgに溶解し、約1.0MPaの圧力下、クロスフロー方式の濾過を、約30℃で7時間、行なった。
【0048】
低分子成分を含む溶液が分離されることにより、低分子成分が分画前の樹脂よりも減少したフェノール樹脂のメタノール溶液(濾過残留物)と低分子成分を主体とする固形分80gを含むメタノール溶液(濾過液)を得た。その後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて、濾過残留物及び濾過液の分子量分布チャートを得、そして、得られた濾過残留物の分子量分布チャートを、図7に、濾過液の分子量分布チャートを、図11に、それぞれ、示した。また、算出されたモノマー減少率及びダイマー減少率を、下記表1に示した。
【0049】
(比較例1)
還流コンデンサー、温度計、攪拌混合機を備えたフラスコ内で、フェノール樹脂(ノボラック型フェノール樹脂:旭有機材工業株式会社製、重量平均分子量2500)1.0kgを、メタノール(良溶媒)8.0kgに溶解し、この溶液を攪拌混合しながら、フラスコ内に、水(貧溶媒)を8.0kg滴下し、静置後、水相を除去し、中分子成分及び低分子成分が分画前の樹脂より減少したフェノール樹脂のメタノール−水系溶液を得た。
【0050】
その後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて、得られた溶液の分子量分布チャートを得た。分画後の分子量分布チャートを図8に示す一方、算出されたモノマー減少率及びダイマー減少率を、下記表1に示した。
【0051】
(比較例2)
還流コンデンサー、温度計、攪拌混合機を備えたフラスコ内で、フェノール樹脂(ノボラック型フェノール樹脂:旭有機材工業株式会社製、重量平均分子量2500)1.0kgを、メタノール(良溶媒)8.5kgに溶解し、この溶液を攪拌混合しながら、フラスコ内に、水(貧溶媒)を8.5kg滴下し、静置後、水相を除去し、中分子成分及び低分子成分が分画前の樹脂より減少したフェノール樹脂のメタノール−水系溶液を得た。
【0052】
その後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて、得られた溶液の分子量分布チャートを得た。分画後の分子量分布チャートを図9に示す一方、算出されたモノマー減少率及びダイマー減少率を、下記表1に示した。
【0053】
(比較例3)
フェノール樹脂(ノボラック型フェノール樹脂:旭有機材工業株式会社製、重量平均分子量3500)1.0kgを、メタノール4.7kgに溶解し、約3.3MPaの圧力下、耐圧容器内で、孔径が100ÅのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)フィルターを振動させながら、濾過を4時間行なった。中分子成分及び低分子成分と共に高分子成分を含む溶液が流出した。なお、PVDFフィルターでは耐久性及び分画の選択性に問題があった。
【0054】
その後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて、分画前と分画後及び濾過液の分子量分布チャートを得た。この得られた分画前の分子量分布チャートを、図12に示す一方、分画後の分子量分布チャートを、図13に、更に濾過液の分子量分布チャートを図14に、それぞれ、示した。また、算出されたモノマー減少率及びダイマー減少率を、下記表1に併せ示した。
【0055】
【表1】
【0056】
上記表1及び図3〜14からも明らかなように、本発明に従って、分子量分布を制御した熱硬化性樹脂を製造すれば、少ない使用溶媒量で、所定の分子量成分を、より選択的に分画することが可能となっているのである。
【0057】
また、実施例1〜3を対比すると、分画操作の時間(クロスフロー時間)を長くするに従って、モノマー減少量及びダイマー減少量が増加していることが分かる。従って、クロスフローさせる時間で、分画の程度を制御することが可能となることが分かる。
【0058】
さらに、セラミックフィルターの細孔径の異なる実施例1と実施例4を対比すると、セラミックフィルターの細孔径の小さな実施例は、ダイマーに比べてモノマーが選択的に分離されていることが、分かる。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明より明らかな如く、本発明に従う分子量分布を制御した熱硬化性樹脂の製造方法にあっては、従来の方法に比べて、使用する溶媒量を抑え、簡便に分画された熱硬化性樹脂を得ることが可能となる。しかも、分画の時間をコントロールすることにより、分画の割合を調節することが可能である。また、単一種類の溶媒のみでも分画を行なうことができ、更には、モノマーや及びダイマー領域の低分子成分の選択的分離、並びに膜の耐久性にも有効である等の優れた特徴を有しているのである。
【0060】
このようにして製造された熱硬化性樹脂にあっては、例えば、フォトレジストの分野等で、特に有利に利用され得ることとなる。これは、フォトレジスト用樹脂においては、低分子成分又は、中分子成分及び低分子成分を分画して取り除き、高耐熱性、高解像化等を行なっているのであるが、この低分子成分又は、中分子成分及び低分子成分の含有量の少ないフォトレジスト用樹脂(例えば、フォトレジスト用フェノール樹脂)は、安価であるとは言い難く、従来の方法よりも安価で簡便に提供することが期待されているからである。この他にも、例えば、エポキシ硬化材の分野においても、分画により低分子成分が少ない、高耐熱性の樹脂を安価で簡便に提供することが期待されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って、分画操作を実施する際に採用されるクロスフロー方式の濾過装置の一例を示す正面説明図である。
【図2】図1におけるII−II断面説明図である。
【図3】分画前の熱硬化性樹脂樹脂のGPCによる分子量分布チャートである。
【図4】実施例1で得られた熱硬化性樹脂(濾過残留物)のGPCによる分子量分布チャートである。
【図5】実施例2で得られた熱硬化性樹脂(濾過残留物)のGPCによる分子量分布チャートである。
【図6】実施例3で得られた熱硬化性樹脂(濾過残留物)のGPCによる分子量分布チャートである。
【図7】実施例4で得られた熱硬化性樹脂(濾過残留物)のGPCによる分子量分布チャートである。
【図8】比較例1で得られた熱硬化性樹脂のGPCによる分子量分布チャートである。
【図9】比較例2で得られた熱硬化性樹脂のGPCによる分子量分布チャートである。
【図10】実施例2で得られた濾過液のGPCによる分子量分布チャートである。
【図11】実施例4で得られた濾過液のGPCによる分子量分布チャートである。
【図12】比較例3で得られた分画前の熱硬化性樹脂のGPCによる分子量分布チャートである。
【図13】比較例3で得られた分画後の熱硬化性樹脂のGPCによる分子量分布チャートである。
【図14】比較例3で得られた濾過液のGPCによる分子量分布チャートである。
【符号の説明】
10 濾過装置
12 タンク
14 ポンプ
16 フィルタモジュール
18 圧力調整バルブ
19,20 取出用バルブ
22 貫通孔
24 セラミックフィルター
26 ハウジング
28 開口部
30 空間
Claims (5)
- 熱硬化性樹脂を溶媒に溶解せしめて、無機濾過膜を通過させることにより、かかる熱硬化性樹脂の分画を行なうことを特徴とする分子量分布を制御した熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記無機濾過膜が、セラミックフィルターである請求項1記載の分子量分布を制御した熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記セラミックフィルターの細孔径サイズが、10Å〜2000Åである請求項2記載の分子量分布を制御した熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記無機濾過膜を通過させる方法が、クロスフロー方式である請求項1乃至請求項3の何れかに記載の分子量分布を制御した熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂である請求項1乃至請求項4の何れかに記載の分子量分布を制御した熱硬化性樹脂の製造方法。
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