JP2004203627A - 光ファイバ素線の製法 - Google Patents

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Migaku Onodera
琢 小野寺
Munehisa Fujimaki
宗久 藤巻
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Abstract

【課題】光ファイバ素線の線速が2000m/分を超える高速紡糸に際しても、光ファイバ素線の被覆径の変動量を0.5μm以下に抑えることができ、側圧特性の優れた光ファイバ素線を製造することができる製法を得ることにある。
【解決手段】溶融紡糸された光ファイバ裸線に樹脂を被覆して光ファイバ素線とし、この光ファイバ素線をターンプーリ21を介して巻き取る際に、ターンプーリ21の振動量を小さくし、13μm以下にする。また、ターンプーリ21の偏心量を小さくし、偏心量をc(μm)とし、回転数をr(rpm)としたとき、c×rを4×10以下にする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ファイバ素線の製法に関し、その被覆径を均一とすることができるようにするものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、光ファイバ素線の製造に用いられる製造装置の一例を示すもので、図4中符号1は光ファイバ母材を示す。
この光ファイバ母材1は、加熱紡糸炉2内に配置され、その先端部が加熱されて光ファイバ裸線3が溶融紡糸されるようになっている。
【0003】
溶融紡糸された光ファイバ裸線3は、冷却筒4に送られ、ここで冷却された後、第1コータ5に送られる。この第1コータ5には、一次被覆層となる紫外線硬化型樹脂や変性シリコーン樹脂などの硬化後のヤング率が比較的低い硬化性樹脂の未硬化状態の樹脂液が供給され、ここに入線した光ファイバ裸線3上に所定の厚さで、塗布されるようになっている。
【0004】
一次被覆層となる樹脂液が塗布された光ファイバ裸線3は、ただちに第1硬化筒6に送られ、ここで紫外光の照射や加熱が行われて、樹脂液が硬化させられ、一次被覆層が形成される。
この一次被覆層が設けられた光ファイバ裸線3は、この後、第2コータ7に送られ、二次被覆層となる紫外線硬化型樹脂、シリコーン樹脂などの硬化後のヤング率が比較的高い硬化性樹脂の未硬化状態の樹脂液が一次被覆層上に所定の厚さで塗布され、第2硬化筒8に送られる。
【0005】
第2硬化筒8では、二次被覆層となる樹脂液に紫外光の照射あるいは加熱が行われて樹脂液が硬化させられ、二次被覆層が形成されて、一次被覆層および二次被覆層が設けられた光ファイバ素線9となる。
この光ファイバ素線9は、ついでターンプーリ10に送られ、ここでその走行方向が変換されたうえ、引き取りロール11で引き取られ、ダンサーロール12を介して巻き取りボビン13に連続的に巻き取られるようになっている。
【0006】
ところで、近年この光ファイバ素線の生産性の向上のために、紡糸速度、すなわち光ファイバ素線の走行速度(線速とも言う。)を、例えば2000m/分を超える高速とすることが行われている。
しかし、この光ファイバ素線の製造の高速化に伴って、製造される光ファイバ素線の一次被覆層および二次被覆層を合わせた全体の被覆層の被覆径がその長さ方向に変動する現象が目立ち、被覆径の変動量が増大する問題が生じている。
【0007】
光ファイバ素線の被覆径が変動すると、その側圧特性に悪影響を及ぼすことが知られている。
図5は、光ファイバ素線の被覆径の変動量と、その伝送損失量と、巻き張力との関係を示すグラフである。ここでの光ファイバ素線は、一次被覆層および二次被覆層を構成する硬化性樹脂として、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂を用い、仕上外径(目標値)が250μmのシングルモードのものである。
【0008】
この光ファイバ素線の長さ1000m分をアルミニウム製ボビンに1層巻き付けときの束状態を標準とし、巻き張力および光ファイバ素線の被覆径を変化させたときの伝送損失の変動量(dB/km)を示したグラフが、図5のグラフである。
【0009】
図5のグラフから明らかなように、光ファイバ素線の被覆径の変動が大きいものは、側圧に起因する伝送損失量の増加が顕著になることがわかる。そして、伝送損失変動量を0.2dB/km以下に抑えるには、巻き張力のいかんに関わらず、その被覆径の変動量を0.5μm以下とすべきであることがわかる。
【0010】
しかしながら、従来の光ファイバ素線の製造方法では、紡糸速度が2000m/分を上回る高速紡糸になると、光ファイバ素線の被覆径の変動量を0.5μm以下とすることは困難であった。
このような光ファイバ素線の製法に関する先行技術文献としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−013380号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明における課題は、光ファイバ素線の高速紡糸に際しても、光ファイバ素線の被覆径の変動量を0.5μm以下に抑えることができ、側圧特性の優れた光ファイバ素線を製造することができる製法を得ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、
請求項1にかかる発明は、溶融紡糸された光ファイバ裸線に樹脂を被覆して光ファイバ素線とし、この光ファイバ素線をターンプーリを介して巻き取る光ファイバ素線の製法において、
ターンプーリの振動量を13μm以下にすることを特徴とする光ファイバ素線の製法である。
【0014】
請求項2にかかる発明は、溶融紡糸された光ファイバ裸線に樹脂を被覆して光ファイバ素線とし、この光ファイバ素線をターンプーリを介して巻き取る光ファイバ素線の製法において、
ターンプーリの偏心量をc(μm)とし、回転数をr(rpm)としたとき、c×rを4×10以下にすることを特徴とする光ファイバ素線の製法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明者は、このような高速紡糸時の光ファイバ素線の被覆径の変動の原因を探求したところ、光ファイバ素線の製造時に光ファイバ素線が振動することが原因であり、さらにこの光ファイバ素線の振動の原因が製造中のターンプーリの微細な振動にあることを知見した。
【0016】
ターンプーリは、光ファイバ素線の線速に応じて高周速で回転するが、動的バランスの影響などから回転中に微細な振動がどうしても生じる。
図1は、ターンプーリの一例を示すもので、このターンプーリ21は、その回転軸22がアーム23の先端に回転自在に軸支されており、このアーム23の基端は取付基台24に強固に固定されている。
【0017】
そして、前段の被覆工程で被覆層が設けられた光ファイバ素線25は、鉛直方向の上方から走行して来てターンプーリ21に入り、ここで走行方向が水平方向に変換されて、図示しない引き取りロールに引き取られる。
【0018】
この際、ターンプーリ21は、光ファイバ素線25の走行に伴って回転しつつ、図1に示すように鉛直方向の上下方向にわずかに振動する。
このようなターンプーリ21の微細な振動は、走行中の光ファイバ素線にも伝わり、第1コータや第2コータ付近を走行中の光ファイバ素線もこれに伴って振動することになり、この結果光ファイバ素線25の被覆径がわずかに変動することになる。
【0019】
このため、ターンプーリ21の振動が小さいほど、光ファイバ素線25の振動が小さくなり、光ファイバ素線25の被覆径の変動量も小さくなる。
後述する実験例から、ターンプーリ21の振動量が13μm以下であれば、光ファイバ素線の被覆径の変動量が0.5μm以下となり、厚さの均一な被覆を行うことができ、側圧特性の優れた光ファイバ素線が製造できることが判明した。
【0020】
本発明において、ターンプーリの振動量とは、ターンプーリの回転軸の振動の振幅を言うが、その測定には、図1のアーム23の先端部に振動測定装置のセンサーを接触させて行う。
このターンプーリ21の振動量を13μm以下に抑えるためには、ターンプーリ21の動的バランスを向上させることやターンプーリ21の取付基台24に対する取付強度を強固にすることなどの具体的な方策が挙げられる。
【0021】
また、光ファイバ素線の被覆径の変動の原因として、ターンプーリ21が偏心している場合もその原因であることが、本発明者の検討の結果明らかになった。ターンプーリ21が偏心していると、ターンプーリ21の外周面が回転時に正しい円軌跡を描かなくなり、周速が微細に変動する。このため、光ファイバ素線の走行速度が微少に変動し、第1コータおよび第2コータでの樹脂液との接触時間がわずかに変化し、光ファイバ素線の被覆径が変動することになる。
【0022】
したがって、ターンプーリ21の偏心量が小さいほど、光ファイバ素線の走行速度の変動が小さくなり、得られる光ファイバ素線の被覆径の変動量が小さくなる。そして、光ファイバ素線の被覆径の変動量が、ターンプーリ21の偏心量c(μm)と、回転数r(rpm)の二乗に比例することが本発明者によって見いだされた。
【0023】
そして、後述する実験例から、c×rを4×10以下とすることで、光ファイバ素線の被覆径の変動量を0.5μm以下に抑えることができることが判明した。
このc×rを4×10以下とするためには、例えばターンプーリ21の偏心を少なくする、偏心の少ないターンプーリ21を選択する、ターンプーリ21の径を大きくして回転数rを小さくすることなどが具体的な対応策として挙げられる。
【0024】
このような光ファイバ素線の製法によれば、光ファイバ素線の走行速度が2000m/分を上回る高速紡糸を実施した際にも、光ファイバ素線の被覆径の変動量を0.5μm以下に抑えることができ、被覆層の厚さが均一で、側圧特性の優れた光ファイバ素線を製造することができる。
【0025】
以下、実験例を示す。
(例1)
線速2000m/分で光ファイバ素線を製造した際に、製造中のターンプーリの振動量と被覆径の変動量を調査した。ターンプーリの振動量は、ターンプーリを軸支するアームの先端部の振動の振幅を測定して求めた。このとき、動的バランスの異なる数種類のターンプーリを用いることで、ターンプーリの振動量を変化させた。
【0026】
実験結果を図2に示す。このグラフから、光ファイバ素線の被覆径の変動量は、紡糸中のターンプーリの振動量と比例関係にあり、ターンプーリの振動量が大きくなるにしたがい被覆径の変動量が大きくなることがわかった。
光ファイバ素線の被覆径の変動量y(μm)は、紡糸中のターンプーリの振動量x(μm)を用いて、
y=0.025x+0.17
の関係式で近似できることがわかる。
【0027】
この結果から、ターンプーリの振動量が13μm以下であれば、光ファイバ素線の被覆径が0.5μm以下に抑えられることがわかり、図5から、側圧特性の優れた光ファイバ素線を製造することが可能であることが明らかになった。
【0028】
(例2)
異なる偏心量4、10、15μmを持つターンプーリをそれぞれ使用し、かつ光ファイバ素線の走行速度を変化させてターンプーリの回転数を変化させたときの光ファイバ素線の被覆径の変動量を調査した。
【0029】
実験結果を図3に示す。このグラフから、光ファイバ素線の被覆径の変動量は、ターンプーリの偏心量に比例し、この偏心量が小さいほど被覆径の変動量が小さくなることがわかった。
そして、光ファイバ素線の被覆径の変動量y(μm)は、ターンプーリの偏心量c(μm)に比例し、その傾きは、ターンプーリの回転数r(rpm)の二乗に比例し、
y=8×10×r×c+0.15
の関係式で近似できることがわかる。
【0030】
この関係式から、c×rが4×10以下のとき、光ファイバ素線の被覆径の変動量が0.5μm以下となることがわかり、図5から側圧特性が優れた光ファイバ素線が製造することができることが明らかになった。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ファイバ素線の製法によれば、線速が2000m/分を越える高速紡糸を実施しても、製造される光ファイバ素線の被覆径の変動量を0.5μm以下に抑えることができ、被覆層の厚さが長さ方向に均一で、側圧特性の優れた光ファイバ素線を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバ素線の製法におけるターンプーリを示す概略構成図である。
【図2】本発明の実験例1の結果におけるターンプーリの振動量と被覆径変動量との関係を示す図表である。
【図3】本発明の実験例2の結果におけるターンプーリの偏心量と被覆径変動量との関係を示す図表である。
【図4】光ファイバ素線の製造装置の一例を示す概略構成図である。
【図5】光ファイバ素線の被覆径の変動量と側圧特性との関係を示す図表である。
【符号の説明】
21・・・ターンプーリ

Claims (2)

  1. 溶融紡糸された光ファイバ裸線に樹脂を被覆して光ファイバ素線とし、この光ファイバ素線をターンプーリを介して巻き取る光ファイバ素線の製法において、
    ターンプーリの振動量を13μm以下にすることを特徴とする光ファイバ素線の製法。
  2. 溶融紡糸された光ファイバ裸線に樹脂を被覆して光ファイバ素線とし、この光ファイバ素線をターンプーリを介して巻き取る光ファイバ素線の製法において、
    ターンプーリの偏心量をc(μm)とし、回転数をr(rpm)としたとき、c×rを4×10以下にすることを特徴とする光ファイバ素線の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102270042B1 (ko) * 2020-12-04 2021-06-28 한국해양과학기술원 광섬유를 이용한 배터리셀 온도 및 변형도 측정장치

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