JP2004203250A - 車両用開閉体の開閉構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用フード等の、特殊な開閉作動形態が要求される車両用開閉体の開閉を、その要求に見合って適切に実行することができる車両用開閉体の開閉構造を得る。
【解決手段】リンク機構9の一端を移動させて、フード2を開閉する開閉構造を構成するに、前記一端に備えられるシューSを、その閉対応位置から開対応位置へ位置移動可能な主作動機構8と、閉対応位置s1と開対応位置との間で往復移動可能な副作動機構10とを備え、閉対応位置s1から開対応位置への移動を主作動機構8で、開対応位置から閉対応位置s1への復帰を、副作動機構で実現する。
【選択図】 図4
【解決手段】リンク機構9の一端を移動させて、フード2を開閉する開閉構造を構成するに、前記一端に備えられるシューSを、その閉対応位置から開対応位置へ位置移動可能な主作動機構8と、閉対応位置s1と開対応位置との間で往復移動可能な副作動機構10とを備え、閉対応位置s1から開対応位置への移動を主作動機構8で、開対応位置から閉対応位置s1への復帰を、副作動機構で実現する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両用フードを緊急時に開作動する開閉構造に関するものであり、従来、この車両用フードに対して、開閉用のアクチュエータ、インフレータ等を設けて構成されてきた。
【0002】
【従来の技術】
以下、説明を簡単にするため、車両用フードを例にとって説明する。この種の車両用開閉体を特徴づける要件は、開作動時にほとんど瞬時の開作動を必要とし、閉作動時には、適当な速度で閉作動が実行できればよいとすることにある。
【0003】
近来、歩行者保護のため、衝突又は衝突の虞を検知して、フードをリフトアップ(開作動)する技術が開発されている。
この種の技術としては、歩行者衝突検出センサの検出情報によりインフレータを働かせて、フードを瞬時に開操作するもの(例えば、特許文献1参照)、開作動用のアクチュエータを設け、このアクチュエータとフード所定部とをリンクあるいはヒンジを介して接続し、アクチュエータを働かせて、フードを開作動するもの(例えば、特許文献2、3参照)が知られている。
【0004】
前記インフレータを使用する技術では、開作動時は、インフレータの働きにより瞬時に開作動するとともに、閉作動時には、インフレータ内からガス抜きを行って、フードを閉姿勢に戻す。
【0005】
前記アクチュエータを使用する技術では、アクチュエータに備えられるシリンダ内の所定箇所にエアー圧、油圧等を、作動に必要な方向に供給し、所望の開閉作動を実行する。
【0006】
これら従来構造にあっては、作動源は単一であり、具備される作動源の動作特性に従って、開作動時の動き、閉作動時の動きが決まる。
さらに、フードが開姿勢とされた場合は、歩行者等の衝突を考えると、フードが開姿勢に維持される必要があるが、基本的には、作動源の状態で、その位置保持がなされる構成が採用されてきた。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−315266号公報(要約及び図2、4、5)
【特許文献2】
特開平11−310158号公報(要約及び図3、11)
【特許文献3】
特開平11−310157号公報(要約及び図3、7)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
さて、この種の開閉構造にあっては、上述のように、開作動時に瞬時の開作動を必要とし、閉作動時には、適当な速度で閉作動が実行できればよいこととなるが、従来技術のように、作動源が単一の場合は、この作動源の動作特性に基づいて、実際上、開作動時の作動特性、閉作動時の作動特性が決まることとなっていた。この場合、開作動時と閉作動時とで、その作動特性を変更するのに選択性に限界があった。
【0009】
また、開作動であるリフトアップ時は、極短時間での作動が求められる一方、例えば、衝突見込みで作動したが、幸いにも、衝突しなかった場合等の不必要作動時には、初期のフード格納状態に復帰することが求められる。このような、復帰は、自動車の寿命を考えると、その寿命中数回発生することも考えられる。従って、この種の復帰動作を容易且つ確実に実行できる構造を有することが好ましい。
【0010】
また、通常時は、フードをその閉姿勢である収納姿勢に姿勢保持し、リフトアップされたその開姿勢において、フードとエンジン天面との間の空間を保持すべく、その開姿勢を確実に保持することが求められる。
【0011】
本願の目的は、車両用フード等の、特殊な開閉作動形態が要求される車両用開閉体の開閉を、その要求に見合って適切に実行することができるとともに、開姿勢、閉姿勢の姿勢保持をも確実に行える車両用開閉体の開閉構造を得ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、移動部材を、車両用開閉体の閉姿勢に対応した閉対応位置と、前記車両用開閉体の開姿勢に対応した開対応位置との間で位置移動させて、前記車両用開閉体を開閉する車両用開閉体の開閉構造の特徴構成は、請求項1に記載されているように、前記移動部材を、前記閉対応位置から前記開対応位置へ位置移動可能な主作動機構と、前記移動部材を、前記閉対応位置と開対応位置との間で往復移動可能な副作動機構とを備え、
前記閉対応位置から前記開対応位置への移動を、前記主作動機構による前記移動部材の位置移動により実行し、前記開対応位置から前記閉対応位置への復帰を、前記副作動機構により実行して、前記車両用開閉体を開閉することにある。
【0013】
この構造にあっては、作動源として、主作動機構及び副作動機構を備え、開作動時の動作を主作動機構で、閉作動時の動作を副作動機構で受け持つものとする。従って、開作動の作動特性は、主作動機構の作動特性として、これを決定することができ、閉作動のそれは、副作動機構により決定できる。結果、両作動を、別個に所望の作動特性に合わせて実行することが可能となる。その両作動時の特性の選択幅も格段に広くなる。
さらに、異なった機能に対して、別個の機構を備えることで、信頼性を確保できる。
【0014】
主作動機構と副作動機構との作動速度を、前者が後者より速いものとすると、エンジンルームに対して備えられるフードのような、開作動時に瞬間的な開作動が必要となるといった特殊な機能をも達成できる。また、主作動機構が復帰移動時に発生する抗力に抗して、副作動機構が復帰移動を可能とすると、主作動機構の構成によっては、その原点復帰を良好に達成できる。
【0015】
さて、上記構造において、請求項2に記載されているように、待機状態で、前記移動部材を前記閉対応位置に位置保持するとともに、開指令に従って前記主作動機構による前記移動部材の閉対応位置から開対応位置への移動を許容する作動切換え機構を備えることが好ましい。
【0016】
この構造を採用することにより、特に問題がない通常状態において、例えばフードが不測に開作動するのを防止することができ、歩行者衝突検出センサ等により、所定の状態が検出され、フードの開作動が必要となった場合に、開指令に従って、主作動機構を働かせて、フードを開作動することができる。
【0017】
さらに、請求項3に記載されているように、前記作動切換え機構が、前記開対応位置において、前記移動部材を位置保持する開対応位置保持部を備えることが好ましい。
【0018】
開対応位置保持部を備えることで、移動部材を、その開対応位置で位置保持することとなるが、これは、例えば、フードをリフトアップ後、その開姿勢に保つこととなり、衝突時のフード、エンジン間の空間確保の用を果たすことができる。
【0019】
また、請求項4に記載されているように、前記作動切換え機構が、閉指令に従って前記副作動機構による前記移動部材の開対応位置から閉対応位置への復帰移動を、前記副作動機構と共働して実行する構成を有することが好ましい。
【0020】
この構成を採用することで、作動切換え機構の切換え動により、閉指令に伴った復帰移動作動、即ち、フードの閉作動を実現できる。
【0021】
さて、請求項5に記載されているように、前記主作動機構が、前記移動部材としてのシューが内嵌されたレールを備えるとともに、前記シューをレールの長手方向に付勢する付勢機構を備え、前記閉対応位置から開対応位置への移動が、前記付勢機構により起こされることが好ましい。
【0022】
この構成にあっては、移動部材がレールに内嵌されるシューとされ、このシューに付勢機構から、レールの長手方向に付勢力が掛かる。従って、移動部材の移動方向は、このレールの案内方向に従ったものとなる。
結果、閉対応位置から開対応位置への移動に際しては、付勢手段による付勢力を直にシューに伝えて、これを作動させ、車載用開閉体の姿勢変更を起こさせることが可能となり、簡易な従来型の機構を利用して、迅速な開作動を可能とすることができる。
【0023】
また、復帰作動側に関しては、請求項6に記載されているように、
前記副作動機構としてのモータを備えるとともに、
前記作動切換え機構が、前記移動部材の位置移動に伴って姿勢変更する第一部材と、前記モータの回転出力に伴って姿勢変更する第二部材とを備えて構成され、前記移動部材の前記閉対応位置から前記開対応位置への位置移動にあっては、前記第一部材と前記第二部材との間での相対姿勢変更が許容され、
前記開対応位置から閉対応位置への復帰移動にあっては、第一部材と第二部材が一体となって復帰作動する構成を採用することが、好ましい。この場合、第一部材との関係は、第一部材と第二部材の一方に円弧状の長孔を設け、その他方に長孔内で摺動を行うピンを設けることにより、第一部材と第二部材との間で相対回転が作られる様にすることが好ましい。また、第一部材に当接するロック爪を有したポールを設け、移動部材が閉対応位置の状態ではポールがロック爪に当接して、第一部材は回動規制がなされると良い。更に、第二部材には傾斜面を有する突出部を有し、移動部材を閉対応位置から開対応位置へ動作させる場合には、傾斜面によって、ポールによる第一部材の回動規制を解除すると良い。また、移動部材を開対応位置から閉対応位置へ動作させる場合には、第一部材と第二部材とを一体回転させると良い。
【0024】
作動速度は、比較的遅いが、所定の移動作動において、往復作動可能で、所望の力を得ることができるモータを採用して、副作動機構を構築できる。
また、作動切換え機構を構成するに、第一部材、第二部材を、それぞれ、前者を移動部材と連携して姿勢変更するもの、後者をモータの回動に伴って姿勢変更するものとし、両部材の相対姿勢変更を、開作動時と閉作動時とで異ならせることで、開作動時には、主作動機構側の動きで移動部材を移動させると共に、第一部材のみを姿勢変更させ、閉作動時には、第一、第二部材を一体として姿勢変更させることで、副作動機構側の動きで移動部材を復帰移動させる、本願、所望の動きを実現できる。
【0025】
これまで説明してきた構成において、移動部材と車両用開閉体の連携構造としては、請求項7に記載されているように、前記車両用開閉体に一端が連結され、他端が前記移動部材に連結される第一リンクと、前記第一リンクの中間部位に連結されるとともに、他端が車体側固定位置に連結される第二リンクとからなるリンク機構を備え、
このリンク機構を介して、前記移動部材の移動が前記車両両開閉体に伝達されて、車両用開閉体が開閉する構成を採用することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本願の車両用開閉体の開閉構造が適用された車両1の前方斜視図を示している。
本願の車両用開閉体の開閉構造は、車両用開閉体としてのボンネットと言われているフードパネル(以下単に、フード2とする)と、ボディー本体(以下単に、車体3とする)との間に、跳ね上げ型開閉装置(以下単に、開閉装置4とする)を、取り付けて成立する。
【0027】
図1に示すように、車両1は、車体3の前部にフード2を備え、フード2は車両のエンジン5が配設されるエンジンルーム6を上方から覆う。
【0028】
このフード2には、フード後方の左右両端に,左右対称の一対の後方開閉装置4aが備えられるとともに、フード前方の車幅方向における中央に設けられたフードロック機構7の下方に、フードロック機構7ごと、車両1に対して上下方向にフード2を跳ね上げる前方開閉装置4bが車幅方向の中央一箇所に設けられている。
【0029】
フード2は、後方の開閉装置4aにより、フード前方側はスライド式に開閉動作されるとともに、フード前方の開閉動作による回動を規制するフードロック機構7を支点として、フード後方が跳ね上げ開動される。
また、前方の開閉装置4bにより、フード前方はフードロック機構7ごと持ち上げられ、フード後方のみならず、フード前方をも上昇可能に構成されている。
【0030】
この前後の開閉装置4a,4bのうち、車両1の後方側で、走行方向右側に設けられる、開閉装置4aについて、以下、主に説明する。
走行方向後方側で、左側に設けられる開閉装置4aは、以下説明する右側の開閉装置4aに対して、左右対象な構造とされる。
【0031】
フードの開閉構造は、その主要機構として、図2、4、8に示す様に、フード2と主作動機構8との間に設けられるリンク機構9、前記主作動機構8に対する副作動機構10を成すモータM及びその付属機器Me及び、前記主作動機構8の作動切換え、及び、副作動機構10の働きによる復帰動作を実現する作動切換え機構11を備えて成立している。
【0032】
フード2の開閉は、モータMに入力される開指令あるいは閉指令に従った、モータMの回動に従うこととなる。
【0033】
本願は、図2〜8に示す第一の実施形態と、図9、10に示す第二実施の形態からなる。
以下、第一実施の形態を、図面を対象しながら、各主要機構に関して説明する。
【0034】
1.第一実施の形態
〔リンク機構9〕
図2、4等に示すように、本願におけるリンク機構9は、第一リンクL1、第二リンクL2を備えて構成されている。
第一リンクL1は、その先端が、ヒンジアーム12を介してフード後端近傍部位13に連結されており、ヒンジアーム12と第一リンクL1は、回動自在とされている。また、その基端は、後述する主作動機構8を成すレールRに内嵌されるシューSに同じく回動自在に連結されている。
【0035】
第二リンクL2は、その先端が、第一リンクL1の長手方向ほぼ中間位置に回動自在に連結されており、その基端が、前述のレール先端側に設けられている回動支点Oで回動自在に構成されている。
【0036】
この構成より、シューSの移動に伴って、第二リンクL2は回転リンクとして働くこととなり、第一リンクL1は上昇リンクとして働くこととなる。図4に示すフード2の格納状態(フード2は本願にいう閉姿勢を取る)において、前記シューSは、第二リンクL2の回動支点Oから離間した、閉対応位置s1を取る。また、図5に示すように、フード2のリフトアップ状態(フード2は本願にいう開姿勢を取る)において、前記シューSは回動支点Oに近接した開対応位置s2を取る。
【0037】
〔主作動機構8〕
この機構8は、前記リンク機構9における第一リンクL1の基端側位置を決定するシューSを、その閉対応位置s1から開対応位置s2へ移動させる場合に働く機構であり、後述する作動切換え機構11により、シューSの動きがフリーとされた場合に、これを、その閉対応位置s1から開対応位置s2へ移動させる。
【0038】
図示するように、この機構8は、前記シューSを内嵌するレールR、このレールRの前端部位に設けられ、レールRが取付けられるヒンジブラケットBに、レールRの後端側に第二リンクL2の回動支点Oを備えて構成される。
シューSが閉対応位置s1にある状態で、これを第二リンクL2の回動支点側に付勢する付勢機構14としてのコイルスプリングCを備えて構成されている。このコイルスプリングCは、シューSが開対応位置s2に到達した状態で、自由長に近い長さとなるように設定されている。このため、コイルスプリングCの基端側に、前側ストッパーFSが設けられるとともに、シューSが前記開対応位置s2に到達した状態で、スプリングCの伸長を止める後側ストッパーBSが設けられている。前側ストッパーFSの位置は、レール長手方向で調節可能である。
【0039】
〔副作動機構10〕
この機構は、モータMを主要な機器として構成されており、後述する作動切換え機構11とともに、シューSをその開対応位置s2から閉対応位置s1へ復帰移動させる。この場合、前記コイルスプリングCも圧縮され、その原点状態に戻される。
モータMは付属機構Meとしての減速機構Rdを介して、図2、4、8等に示す出力軸Mdを時計方向W1又は反時計方向W2に回軸する様、レールRと一体に備えられるヒンジブラケットBに固定されている。
モータMの時計方向回転W1は、シューSの閉対応位置s1から開対応位置s2への移動方向に対応しており、反時計方向回転W2は、シューSの逆方向への移動に対応する。従って、後者の回転W2にあっては、フード2が、その開姿勢から閉姿勢に戻される。
【0040】
〔作動切換え機構11〕
この作動切換え機構11は、図2、4等に示される様に、移動部材としてのシューSの位置移動に伴って姿勢変更する第一部材であるロックプレートPrと、前記モータMの回転に伴って姿勢変更する第二部材としてのモータプレートPmを備えて構成されている。
【0041】
前記ロックプレートPrは、シューSのC部に、シューの移動方向における前後から係合して、シューSを所定の方向に押付け可能な押付爪Prcを備えている。
【0042】
この構造を採用することにより、ロックプレートPrが、モータMの復帰回動(反時計方向W2への回動)に伴って、反時計方向に回動して姿勢変更する場合に、シューSを閉対応位置s1側へ押し付け移動可能である。
逆方向の移動に関しては、このプレートPrに設けられている長孔Prhと、モータプレートPmからロックプレートPr側に突出され、前記長孔Prh内に侵入しているモータピンPmpとの位置関係により、ロックプレートPrは自由に姿勢変更可能とされる。
【0043】
即ち、シューSの閉対応位置s1から開対応位置s2への位置移動にあっては、モータプレートPmとロックプレートPrとの間での相対姿勢変更が許容され、開対応位置s2から閉対応位置s1への復帰移動にあっては、一体の姿勢変更が実現するように構成されている。
【0044】
以上が、ロックプレートPr、モータプレートPm間の関係であるが、前記ヒンジブラットBに設けられるポールPoと両プレートPr,Pm間で、ロックプレートPrの姿勢、引いてはフード2の姿勢を制御できるように、所定の係合構造が採用されている。
【0045】
以下、この構造に関して説明する。
図2、4に示すように、ロックプレートPrには、前記ポールPoの後側端面Pobとの関係において、ロックプレートPrの反時計方向W2の回動を許容し、時計方向W1の回動を禁止する一方向回動許容機能を発揮するロック爪Prdが設けられている。即ち、このロック爪Prdは、プレートPrのほぼ径方向に延出される第一係合面Prd1と、径方向に対して傾斜した面である第二係合面Prd2とを備えて構成されている。
【0046】
さらに、前記ロック爪Prdの第二係合面Prd2は、図6に示すように、前記ポールPoの前側端面Pofとの関係において、これと当接した状態で、第二係合面Prd2からポールPoに働く作用力の作用線の位置が、ポールPoの回動軸PoDに対して図6で左側となるように構成されている。
【0047】
後述するように、ポールPoにはポールピンPopが設けられ、このポールピンPopがモータプレートPmに設けられる突出部Pmdの最外径面Pmd3に当たる状態(図6に示す状態)で、ポールPoの回転軸PoDに対して、互いに逆方向のモーメントを発生するように構成され、結果的に、図6の状態でロックプレートPrの回転が止められる。フード2は、その開姿勢を維持することができる。従って、この部位が、本願にいう開対応位置保持部とされる。
【0048】
さらに、図2、4に示すように、モータプレートPmには、前記ポールPoに設けられるポールピンPopとの関係で、ポールPoの姿勢を決定する突出部Pmdが設けられている。
【0049】
この突出部Pmdは、図2、4に示す状態でポールピンPopが当接している傾斜面Pmd1と、図6に示す状態で、このポールピンPopが当接する最外径面Pmd3が設けられている。
【0050】
従って、モータプレートPmが図2、4に示す姿勢から図3、5等に示される姿勢に姿勢変更するに従って、ポールPoの姿勢が決定されることとなる。
【0051】
さて、ポールPoは、その回転軸PoD周りに回転可能であり、トーションコイルスプリングTにより、反時計方向W2に常時付勢されている。ポールPoの回動は、図4に示す姿勢においてヒンジブラケットBに設けられたストッパーBsにより、反時計方向の規制が掛かり、ポールピンPopが、前記モータプレートPmの突出部Pmdに備わる最外径面Pmd3に当接する状態が、時計方向W1での最大回転位置とされる。
以上の構成を採用することにより、本願所望の動きを実現できる。
【0052】
以下、本願の跳ね上げ型の開閉構造の動きに関して説明する。
【0053】
〔リフトアップ作動(開作動)〕
図2、4において、モータ出力軸Mdが時計方向W1に回転するとモータプレートPmの突出部Pmdに設けられている傾斜面Pmd1によりポールピンPopが外径側に押し出される。この状態で、ロックプレートPrとポールPoの係止が外れることにより、ロックプレートPrは自由に回動可能となる。
【0054】
従って、主作動機構8をなすコイルスプリングCが直に作動可能となり、ロックプレートPrの回動を伴ってシューSがその閉対応位置s1から開対応位置s2へ瞬時に移動する。シューSの停止位置は、後側ストッパーBSにより決定される。さらに、モータプレートPmは継続作動してポールピンPopが外径側に押し出され、図6に示すように、ポールPoに設ける前側端面PofとロックプレートPrの突出部背面である第二係合部Prd2が係止する位置で停止する。
【0055】
この状態で、上述の構造から、例えば、歩行者がフード2上に衝突した場合等にあって、フード2のリフトアップ状態を維持し、フード2とエンジン5との間の空間を確保することができる。
【0056】
〔格納作動(閉作動)〕
図6において、モータプレートPmが反時計方向W2に作動すると、図5の状態に戻り、ポールPoの前側端面Pofと、ロックプレートPrとの係合が解除されると共に、モータピンPmpはロックプレートPrの長孔Prhの反時計方向端Prh1に当接する。
【0057】
更に、モータプレートPmが反時計方向W2の回転すると、モータピンPmpがロックプレートPrを反時計方向W2に回転させ、押付爪Prcを介してシューSと一体に設けられているC部を左方へ押し、第一リンクL1及び第二リンクL2は格納方向へ移動する。
【0058】
ポールPoは、一旦、これに付属のトーションコイルスプリングTの力で、反時計方向W2へ回動する。その後、ロックプレートPrの背面により、押し戻される。
ロックプレートPrが所定の位置まで来ると、図7に示すように、トーションコイルスプリングTの力により、ポールPoとロックプレートPrの第一係合面Prd1が係止関係となる。その後、さらにモータプレートPmが時計方向W1に回転し、図2、4の状態に復帰して、一連の作動を完了する。
【0059】
2.第二実施の形態
上記の第一実施の形態にあっては、単一のポールPoにより、フード2の閉姿勢保持、フード2の開姿勢保持を、実行するものとしたが、第二実施の形態は、これらの機能を一対のポールPo1、Po2に分けて受け持たせる。
【0060】
第一実施の形態との比較にあっては、上述の主作動機構8、リンク機構9、副作動機構10は同一であり、作動切換え機構11における、ポールPoとモータプレートPm及びロックプレートPr間の関係が異なるのみである。
【0061】
図4に対応する図9に示すように、ロックプレートPrには、第一ポールPo1と連携して格納位置を保持する第一ロック爪Prda及び、第二ポールPo2と連携してリフトアップ位置に保持する第二ロック爪Prdbが設けられている。
【0062】
また、モータプレートPmには、第一ポールPo1、又は第二ポールPo2を外径側へ押し出す第一突出部Pmda、第二突出部Pmdbが設けられている。
【0063】
第一ポールPo1、第二ポールPo2の先端部には、モータプレートPmの第一突出部Pmda又は第二突出部Pmdbに当接してポールPoを外径側へ押し出す傾斜面PoA、及び、第一ロック爪Prda又は第二ロック爪Prdbと係合する係合面PoBが設けてある。
各ポールPo1、Po2は、第一実施の形態と同様に、各ポールPoに備えられるトーションコイルスプリングTにより、先端が常時ロックプレートPrの回転中心方向に付勢されている。
【0064】
〔リフトアップ作動(開作動)〕
図9において、モータプレートPmが時計方向W1に回転すると、モータプレートPmの第一突出部Pmdaが第一ポールPo1の後端(PoA)を外方へ押し出し、ロックプレートPrの第一ロック爪Prdaと第一ポールPo1との係合が外れる。又、ほぼ同時に、第二ポールPo2と第二突出部Pmdbとの係合が外れ、第二ポールPo2は時計方向W1に回転可能となる。
【0065】
この状態で、シューSは、その閉対応位置s1から開対応位置s2へと移動可能となり、主作動機構8の働きにより、フード2がその閉姿勢から開姿勢へと姿勢変更される。即ち、リンクはリフトアップ状態になる。
【0066】
このシューSの移動でロックプレートPrは時計方向W1に回転し、図10に示す様に、第二ポールPo2の係合面PoBとロックプレートPrの第二ロック爪Prdbが係止され、フード2のリフトアップ姿勢での姿勢保持が可能となり、フード2上面からの力に対し保持することができる。この部位も、本願にいう開対応位置保持部となる。
【0067】
〔格納作動(閉作動)〕
図10において、モータプレートPmが反時計方向W2に回転すると、第二突出部PmdbとポールPoの傾斜面PoAが当接して、第二ポールPo2が反時計方向W2に作動し、第二ポールPo2と第二ロック爪Prdbとの係止が解除される。
さらに、モータプレートPmが作動するとロックプレートPrの長孔Prhの端部にモータピンPmpが当たり、反時計側W2に押していく。
【0068】
モータプレートPmが、所定の反時計方向端位置まで作動すると、第一ポールPo1はトーションコイルスプリングT力により反時計方向W2に回転し、第一ロック爪PrdaとポールPo1が係合する。
その後、モータプレートPmを反転作動させ、図9の位置で停止させ、動作終了する。
【0069】
〔別実施の形態例〕
本願の別実施の形態に関して以下説明する。
(1) 上記の実施の形態にあっては、車両用開閉体の例としてフードの例を示したが、本願構造は、開作動時に瞬時の作動を必要とし、閉作動時の動作が比較的遅く、開閉動を自動的に実行する機構構造に採用できる。
(2) 上記の実施の形態にあっては、主作動機構に備えられる付勢機構がコイルスプリングにより構成される例を示したが、コイルスプリングを採用する代わりに、高圧エアーを使用する構造、さらには、油圧を使用する構造等を採用することができる。
(3) 上記の実施の形態にあっては、副作動機構として、モータを主要機器とする構造を示したが、高圧エアーを使用する構造、油圧を使用する構造等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の車両用開閉体の開閉構造を採用する車両の前方斜視図
【図2】フード格納状態における跳ね上げ型開閉装置の概略姿勢を示す図
【図3】フードリフトアップ状態における跳ね上げ型開閉装置の概略姿勢を示す図
【図4】図2における要部詳細を示す図
【図5】図3における要部詳細を示す図
【図6】フードをリフトアップし、フードの開姿勢保持がされる状態を示す図
【図7】復帰移動状態を示す図
【図8】作動切換え機構近傍の断面を示す図
【図9】別実施の形態における、図4に対応するフードの格納状態を示す図
【図10】別実施の形態における、図6に対応するフードの開姿勢保持状態を示す図
【符号の説明】
1 車両
2 フード
4 開閉装置
8 主作動機構
9 リンク機構
10 副作動機構
11 作動切換え機構
14 付勢機構
B ヒンジブラケット
BS 後側ストッパー
FS 前側ストッパー
C コイルスプリング
L1 第一リンク
L2 第二リンク
M モータ
O 支点
Po ポール
Popポールピン
Pr ロックプレート
Pm モータプレート
R レイル
S シュー
s1 閉対応位置
s2 開対応位置
T トーションコイルスプリング
W1 時計方向
W2 反時計方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両用フードを緊急時に開作動する開閉構造に関するものであり、従来、この車両用フードに対して、開閉用のアクチュエータ、インフレータ等を設けて構成されてきた。
【0002】
【従来の技術】
以下、説明を簡単にするため、車両用フードを例にとって説明する。この種の車両用開閉体を特徴づける要件は、開作動時にほとんど瞬時の開作動を必要とし、閉作動時には、適当な速度で閉作動が実行できればよいとすることにある。
【0003】
近来、歩行者保護のため、衝突又は衝突の虞を検知して、フードをリフトアップ(開作動)する技術が開発されている。
この種の技術としては、歩行者衝突検出センサの検出情報によりインフレータを働かせて、フードを瞬時に開操作するもの(例えば、特許文献1参照)、開作動用のアクチュエータを設け、このアクチュエータとフード所定部とをリンクあるいはヒンジを介して接続し、アクチュエータを働かせて、フードを開作動するもの(例えば、特許文献2、3参照)が知られている。
【0004】
前記インフレータを使用する技術では、開作動時は、インフレータの働きにより瞬時に開作動するとともに、閉作動時には、インフレータ内からガス抜きを行って、フードを閉姿勢に戻す。
【0005】
前記アクチュエータを使用する技術では、アクチュエータに備えられるシリンダ内の所定箇所にエアー圧、油圧等を、作動に必要な方向に供給し、所望の開閉作動を実行する。
【0006】
これら従来構造にあっては、作動源は単一であり、具備される作動源の動作特性に従って、開作動時の動き、閉作動時の動きが決まる。
さらに、フードが開姿勢とされた場合は、歩行者等の衝突を考えると、フードが開姿勢に維持される必要があるが、基本的には、作動源の状態で、その位置保持がなされる構成が採用されてきた。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−315266号公報(要約及び図2、4、5)
【特許文献2】
特開平11−310158号公報(要約及び図3、11)
【特許文献3】
特開平11−310157号公報(要約及び図3、7)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
さて、この種の開閉構造にあっては、上述のように、開作動時に瞬時の開作動を必要とし、閉作動時には、適当な速度で閉作動が実行できればよいこととなるが、従来技術のように、作動源が単一の場合は、この作動源の動作特性に基づいて、実際上、開作動時の作動特性、閉作動時の作動特性が決まることとなっていた。この場合、開作動時と閉作動時とで、その作動特性を変更するのに選択性に限界があった。
【0009】
また、開作動であるリフトアップ時は、極短時間での作動が求められる一方、例えば、衝突見込みで作動したが、幸いにも、衝突しなかった場合等の不必要作動時には、初期のフード格納状態に復帰することが求められる。このような、復帰は、自動車の寿命を考えると、その寿命中数回発生することも考えられる。従って、この種の復帰動作を容易且つ確実に実行できる構造を有することが好ましい。
【0010】
また、通常時は、フードをその閉姿勢である収納姿勢に姿勢保持し、リフトアップされたその開姿勢において、フードとエンジン天面との間の空間を保持すべく、その開姿勢を確実に保持することが求められる。
【0011】
本願の目的は、車両用フード等の、特殊な開閉作動形態が要求される車両用開閉体の開閉を、その要求に見合って適切に実行することができるとともに、開姿勢、閉姿勢の姿勢保持をも確実に行える車両用開閉体の開閉構造を得ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、移動部材を、車両用開閉体の閉姿勢に対応した閉対応位置と、前記車両用開閉体の開姿勢に対応した開対応位置との間で位置移動させて、前記車両用開閉体を開閉する車両用開閉体の開閉構造の特徴構成は、請求項1に記載されているように、前記移動部材を、前記閉対応位置から前記開対応位置へ位置移動可能な主作動機構と、前記移動部材を、前記閉対応位置と開対応位置との間で往復移動可能な副作動機構とを備え、
前記閉対応位置から前記開対応位置への移動を、前記主作動機構による前記移動部材の位置移動により実行し、前記開対応位置から前記閉対応位置への復帰を、前記副作動機構により実行して、前記車両用開閉体を開閉することにある。
【0013】
この構造にあっては、作動源として、主作動機構及び副作動機構を備え、開作動時の動作を主作動機構で、閉作動時の動作を副作動機構で受け持つものとする。従って、開作動の作動特性は、主作動機構の作動特性として、これを決定することができ、閉作動のそれは、副作動機構により決定できる。結果、両作動を、別個に所望の作動特性に合わせて実行することが可能となる。その両作動時の特性の選択幅も格段に広くなる。
さらに、異なった機能に対して、別個の機構を備えることで、信頼性を確保できる。
【0014】
主作動機構と副作動機構との作動速度を、前者が後者より速いものとすると、エンジンルームに対して備えられるフードのような、開作動時に瞬間的な開作動が必要となるといった特殊な機能をも達成できる。また、主作動機構が復帰移動時に発生する抗力に抗して、副作動機構が復帰移動を可能とすると、主作動機構の構成によっては、その原点復帰を良好に達成できる。
【0015】
さて、上記構造において、請求項2に記載されているように、待機状態で、前記移動部材を前記閉対応位置に位置保持するとともに、開指令に従って前記主作動機構による前記移動部材の閉対応位置から開対応位置への移動を許容する作動切換え機構を備えることが好ましい。
【0016】
この構造を採用することにより、特に問題がない通常状態において、例えばフードが不測に開作動するのを防止することができ、歩行者衝突検出センサ等により、所定の状態が検出され、フードの開作動が必要となった場合に、開指令に従って、主作動機構を働かせて、フードを開作動することができる。
【0017】
さらに、請求項3に記載されているように、前記作動切換え機構が、前記開対応位置において、前記移動部材を位置保持する開対応位置保持部を備えることが好ましい。
【0018】
開対応位置保持部を備えることで、移動部材を、その開対応位置で位置保持することとなるが、これは、例えば、フードをリフトアップ後、その開姿勢に保つこととなり、衝突時のフード、エンジン間の空間確保の用を果たすことができる。
【0019】
また、請求項4に記載されているように、前記作動切換え機構が、閉指令に従って前記副作動機構による前記移動部材の開対応位置から閉対応位置への復帰移動を、前記副作動機構と共働して実行する構成を有することが好ましい。
【0020】
この構成を採用することで、作動切換え機構の切換え動により、閉指令に伴った復帰移動作動、即ち、フードの閉作動を実現できる。
【0021】
さて、請求項5に記載されているように、前記主作動機構が、前記移動部材としてのシューが内嵌されたレールを備えるとともに、前記シューをレールの長手方向に付勢する付勢機構を備え、前記閉対応位置から開対応位置への移動が、前記付勢機構により起こされることが好ましい。
【0022】
この構成にあっては、移動部材がレールに内嵌されるシューとされ、このシューに付勢機構から、レールの長手方向に付勢力が掛かる。従って、移動部材の移動方向は、このレールの案内方向に従ったものとなる。
結果、閉対応位置から開対応位置への移動に際しては、付勢手段による付勢力を直にシューに伝えて、これを作動させ、車載用開閉体の姿勢変更を起こさせることが可能となり、簡易な従来型の機構を利用して、迅速な開作動を可能とすることができる。
【0023】
また、復帰作動側に関しては、請求項6に記載されているように、
前記副作動機構としてのモータを備えるとともに、
前記作動切換え機構が、前記移動部材の位置移動に伴って姿勢変更する第一部材と、前記モータの回転出力に伴って姿勢変更する第二部材とを備えて構成され、前記移動部材の前記閉対応位置から前記開対応位置への位置移動にあっては、前記第一部材と前記第二部材との間での相対姿勢変更が許容され、
前記開対応位置から閉対応位置への復帰移動にあっては、第一部材と第二部材が一体となって復帰作動する構成を採用することが、好ましい。この場合、第一部材との関係は、第一部材と第二部材の一方に円弧状の長孔を設け、その他方に長孔内で摺動を行うピンを設けることにより、第一部材と第二部材との間で相対回転が作られる様にすることが好ましい。また、第一部材に当接するロック爪を有したポールを設け、移動部材が閉対応位置の状態ではポールがロック爪に当接して、第一部材は回動規制がなされると良い。更に、第二部材には傾斜面を有する突出部を有し、移動部材を閉対応位置から開対応位置へ動作させる場合には、傾斜面によって、ポールによる第一部材の回動規制を解除すると良い。また、移動部材を開対応位置から閉対応位置へ動作させる場合には、第一部材と第二部材とを一体回転させると良い。
【0024】
作動速度は、比較的遅いが、所定の移動作動において、往復作動可能で、所望の力を得ることができるモータを採用して、副作動機構を構築できる。
また、作動切換え機構を構成するに、第一部材、第二部材を、それぞれ、前者を移動部材と連携して姿勢変更するもの、後者をモータの回動に伴って姿勢変更するものとし、両部材の相対姿勢変更を、開作動時と閉作動時とで異ならせることで、開作動時には、主作動機構側の動きで移動部材を移動させると共に、第一部材のみを姿勢変更させ、閉作動時には、第一、第二部材を一体として姿勢変更させることで、副作動機構側の動きで移動部材を復帰移動させる、本願、所望の動きを実現できる。
【0025】
これまで説明してきた構成において、移動部材と車両用開閉体の連携構造としては、請求項7に記載されているように、前記車両用開閉体に一端が連結され、他端が前記移動部材に連結される第一リンクと、前記第一リンクの中間部位に連結されるとともに、他端が車体側固定位置に連結される第二リンクとからなるリンク機構を備え、
このリンク機構を介して、前記移動部材の移動が前記車両両開閉体に伝達されて、車両用開閉体が開閉する構成を採用することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本願の車両用開閉体の開閉構造が適用された車両1の前方斜視図を示している。
本願の車両用開閉体の開閉構造は、車両用開閉体としてのボンネットと言われているフードパネル(以下単に、フード2とする)と、ボディー本体(以下単に、車体3とする)との間に、跳ね上げ型開閉装置(以下単に、開閉装置4とする)を、取り付けて成立する。
【0027】
図1に示すように、車両1は、車体3の前部にフード2を備え、フード2は車両のエンジン5が配設されるエンジンルーム6を上方から覆う。
【0028】
このフード2には、フード後方の左右両端に,左右対称の一対の後方開閉装置4aが備えられるとともに、フード前方の車幅方向における中央に設けられたフードロック機構7の下方に、フードロック機構7ごと、車両1に対して上下方向にフード2を跳ね上げる前方開閉装置4bが車幅方向の中央一箇所に設けられている。
【0029】
フード2は、後方の開閉装置4aにより、フード前方側はスライド式に開閉動作されるとともに、フード前方の開閉動作による回動を規制するフードロック機構7を支点として、フード後方が跳ね上げ開動される。
また、前方の開閉装置4bにより、フード前方はフードロック機構7ごと持ち上げられ、フード後方のみならず、フード前方をも上昇可能に構成されている。
【0030】
この前後の開閉装置4a,4bのうち、車両1の後方側で、走行方向右側に設けられる、開閉装置4aについて、以下、主に説明する。
走行方向後方側で、左側に設けられる開閉装置4aは、以下説明する右側の開閉装置4aに対して、左右対象な構造とされる。
【0031】
フードの開閉構造は、その主要機構として、図2、4、8に示す様に、フード2と主作動機構8との間に設けられるリンク機構9、前記主作動機構8に対する副作動機構10を成すモータM及びその付属機器Me及び、前記主作動機構8の作動切換え、及び、副作動機構10の働きによる復帰動作を実現する作動切換え機構11を備えて成立している。
【0032】
フード2の開閉は、モータMに入力される開指令あるいは閉指令に従った、モータMの回動に従うこととなる。
【0033】
本願は、図2〜8に示す第一の実施形態と、図9、10に示す第二実施の形態からなる。
以下、第一実施の形態を、図面を対象しながら、各主要機構に関して説明する。
【0034】
1.第一実施の形態
〔リンク機構9〕
図2、4等に示すように、本願におけるリンク機構9は、第一リンクL1、第二リンクL2を備えて構成されている。
第一リンクL1は、その先端が、ヒンジアーム12を介してフード後端近傍部位13に連結されており、ヒンジアーム12と第一リンクL1は、回動自在とされている。また、その基端は、後述する主作動機構8を成すレールRに内嵌されるシューSに同じく回動自在に連結されている。
【0035】
第二リンクL2は、その先端が、第一リンクL1の長手方向ほぼ中間位置に回動自在に連結されており、その基端が、前述のレール先端側に設けられている回動支点Oで回動自在に構成されている。
【0036】
この構成より、シューSの移動に伴って、第二リンクL2は回転リンクとして働くこととなり、第一リンクL1は上昇リンクとして働くこととなる。図4に示すフード2の格納状態(フード2は本願にいう閉姿勢を取る)において、前記シューSは、第二リンクL2の回動支点Oから離間した、閉対応位置s1を取る。また、図5に示すように、フード2のリフトアップ状態(フード2は本願にいう開姿勢を取る)において、前記シューSは回動支点Oに近接した開対応位置s2を取る。
【0037】
〔主作動機構8〕
この機構8は、前記リンク機構9における第一リンクL1の基端側位置を決定するシューSを、その閉対応位置s1から開対応位置s2へ移動させる場合に働く機構であり、後述する作動切換え機構11により、シューSの動きがフリーとされた場合に、これを、その閉対応位置s1から開対応位置s2へ移動させる。
【0038】
図示するように、この機構8は、前記シューSを内嵌するレールR、このレールRの前端部位に設けられ、レールRが取付けられるヒンジブラケットBに、レールRの後端側に第二リンクL2の回動支点Oを備えて構成される。
シューSが閉対応位置s1にある状態で、これを第二リンクL2の回動支点側に付勢する付勢機構14としてのコイルスプリングCを備えて構成されている。このコイルスプリングCは、シューSが開対応位置s2に到達した状態で、自由長に近い長さとなるように設定されている。このため、コイルスプリングCの基端側に、前側ストッパーFSが設けられるとともに、シューSが前記開対応位置s2に到達した状態で、スプリングCの伸長を止める後側ストッパーBSが設けられている。前側ストッパーFSの位置は、レール長手方向で調節可能である。
【0039】
〔副作動機構10〕
この機構は、モータMを主要な機器として構成されており、後述する作動切換え機構11とともに、シューSをその開対応位置s2から閉対応位置s1へ復帰移動させる。この場合、前記コイルスプリングCも圧縮され、その原点状態に戻される。
モータMは付属機構Meとしての減速機構Rdを介して、図2、4、8等に示す出力軸Mdを時計方向W1又は反時計方向W2に回軸する様、レールRと一体に備えられるヒンジブラケットBに固定されている。
モータMの時計方向回転W1は、シューSの閉対応位置s1から開対応位置s2への移動方向に対応しており、反時計方向回転W2は、シューSの逆方向への移動に対応する。従って、後者の回転W2にあっては、フード2が、その開姿勢から閉姿勢に戻される。
【0040】
〔作動切換え機構11〕
この作動切換え機構11は、図2、4等に示される様に、移動部材としてのシューSの位置移動に伴って姿勢変更する第一部材であるロックプレートPrと、前記モータMの回転に伴って姿勢変更する第二部材としてのモータプレートPmを備えて構成されている。
【0041】
前記ロックプレートPrは、シューSのC部に、シューの移動方向における前後から係合して、シューSを所定の方向に押付け可能な押付爪Prcを備えている。
【0042】
この構造を採用することにより、ロックプレートPrが、モータMの復帰回動(反時計方向W2への回動)に伴って、反時計方向に回動して姿勢変更する場合に、シューSを閉対応位置s1側へ押し付け移動可能である。
逆方向の移動に関しては、このプレートPrに設けられている長孔Prhと、モータプレートPmからロックプレートPr側に突出され、前記長孔Prh内に侵入しているモータピンPmpとの位置関係により、ロックプレートPrは自由に姿勢変更可能とされる。
【0043】
即ち、シューSの閉対応位置s1から開対応位置s2への位置移動にあっては、モータプレートPmとロックプレートPrとの間での相対姿勢変更が許容され、開対応位置s2から閉対応位置s1への復帰移動にあっては、一体の姿勢変更が実現するように構成されている。
【0044】
以上が、ロックプレートPr、モータプレートPm間の関係であるが、前記ヒンジブラットBに設けられるポールPoと両プレートPr,Pm間で、ロックプレートPrの姿勢、引いてはフード2の姿勢を制御できるように、所定の係合構造が採用されている。
【0045】
以下、この構造に関して説明する。
図2、4に示すように、ロックプレートPrには、前記ポールPoの後側端面Pobとの関係において、ロックプレートPrの反時計方向W2の回動を許容し、時計方向W1の回動を禁止する一方向回動許容機能を発揮するロック爪Prdが設けられている。即ち、このロック爪Prdは、プレートPrのほぼ径方向に延出される第一係合面Prd1と、径方向に対して傾斜した面である第二係合面Prd2とを備えて構成されている。
【0046】
さらに、前記ロック爪Prdの第二係合面Prd2は、図6に示すように、前記ポールPoの前側端面Pofとの関係において、これと当接した状態で、第二係合面Prd2からポールPoに働く作用力の作用線の位置が、ポールPoの回動軸PoDに対して図6で左側となるように構成されている。
【0047】
後述するように、ポールPoにはポールピンPopが設けられ、このポールピンPopがモータプレートPmに設けられる突出部Pmdの最外径面Pmd3に当たる状態(図6に示す状態)で、ポールPoの回転軸PoDに対して、互いに逆方向のモーメントを発生するように構成され、結果的に、図6の状態でロックプレートPrの回転が止められる。フード2は、その開姿勢を維持することができる。従って、この部位が、本願にいう開対応位置保持部とされる。
【0048】
さらに、図2、4に示すように、モータプレートPmには、前記ポールPoに設けられるポールピンPopとの関係で、ポールPoの姿勢を決定する突出部Pmdが設けられている。
【0049】
この突出部Pmdは、図2、4に示す状態でポールピンPopが当接している傾斜面Pmd1と、図6に示す状態で、このポールピンPopが当接する最外径面Pmd3が設けられている。
【0050】
従って、モータプレートPmが図2、4に示す姿勢から図3、5等に示される姿勢に姿勢変更するに従って、ポールPoの姿勢が決定されることとなる。
【0051】
さて、ポールPoは、その回転軸PoD周りに回転可能であり、トーションコイルスプリングTにより、反時計方向W2に常時付勢されている。ポールPoの回動は、図4に示す姿勢においてヒンジブラケットBに設けられたストッパーBsにより、反時計方向の規制が掛かり、ポールピンPopが、前記モータプレートPmの突出部Pmdに備わる最外径面Pmd3に当接する状態が、時計方向W1での最大回転位置とされる。
以上の構成を採用することにより、本願所望の動きを実現できる。
【0052】
以下、本願の跳ね上げ型の開閉構造の動きに関して説明する。
【0053】
〔リフトアップ作動(開作動)〕
図2、4において、モータ出力軸Mdが時計方向W1に回転するとモータプレートPmの突出部Pmdに設けられている傾斜面Pmd1によりポールピンPopが外径側に押し出される。この状態で、ロックプレートPrとポールPoの係止が外れることにより、ロックプレートPrは自由に回動可能となる。
【0054】
従って、主作動機構8をなすコイルスプリングCが直に作動可能となり、ロックプレートPrの回動を伴ってシューSがその閉対応位置s1から開対応位置s2へ瞬時に移動する。シューSの停止位置は、後側ストッパーBSにより決定される。さらに、モータプレートPmは継続作動してポールピンPopが外径側に押し出され、図6に示すように、ポールPoに設ける前側端面PofとロックプレートPrの突出部背面である第二係合部Prd2が係止する位置で停止する。
【0055】
この状態で、上述の構造から、例えば、歩行者がフード2上に衝突した場合等にあって、フード2のリフトアップ状態を維持し、フード2とエンジン5との間の空間を確保することができる。
【0056】
〔格納作動(閉作動)〕
図6において、モータプレートPmが反時計方向W2に作動すると、図5の状態に戻り、ポールPoの前側端面Pofと、ロックプレートPrとの係合が解除されると共に、モータピンPmpはロックプレートPrの長孔Prhの反時計方向端Prh1に当接する。
【0057】
更に、モータプレートPmが反時計方向W2の回転すると、モータピンPmpがロックプレートPrを反時計方向W2に回転させ、押付爪Prcを介してシューSと一体に設けられているC部を左方へ押し、第一リンクL1及び第二リンクL2は格納方向へ移動する。
【0058】
ポールPoは、一旦、これに付属のトーションコイルスプリングTの力で、反時計方向W2へ回動する。その後、ロックプレートPrの背面により、押し戻される。
ロックプレートPrが所定の位置まで来ると、図7に示すように、トーションコイルスプリングTの力により、ポールPoとロックプレートPrの第一係合面Prd1が係止関係となる。その後、さらにモータプレートPmが時計方向W1に回転し、図2、4の状態に復帰して、一連の作動を完了する。
【0059】
2.第二実施の形態
上記の第一実施の形態にあっては、単一のポールPoにより、フード2の閉姿勢保持、フード2の開姿勢保持を、実行するものとしたが、第二実施の形態は、これらの機能を一対のポールPo1、Po2に分けて受け持たせる。
【0060】
第一実施の形態との比較にあっては、上述の主作動機構8、リンク機構9、副作動機構10は同一であり、作動切換え機構11における、ポールPoとモータプレートPm及びロックプレートPr間の関係が異なるのみである。
【0061】
図4に対応する図9に示すように、ロックプレートPrには、第一ポールPo1と連携して格納位置を保持する第一ロック爪Prda及び、第二ポールPo2と連携してリフトアップ位置に保持する第二ロック爪Prdbが設けられている。
【0062】
また、モータプレートPmには、第一ポールPo1、又は第二ポールPo2を外径側へ押し出す第一突出部Pmda、第二突出部Pmdbが設けられている。
【0063】
第一ポールPo1、第二ポールPo2の先端部には、モータプレートPmの第一突出部Pmda又は第二突出部Pmdbに当接してポールPoを外径側へ押し出す傾斜面PoA、及び、第一ロック爪Prda又は第二ロック爪Prdbと係合する係合面PoBが設けてある。
各ポールPo1、Po2は、第一実施の形態と同様に、各ポールPoに備えられるトーションコイルスプリングTにより、先端が常時ロックプレートPrの回転中心方向に付勢されている。
【0064】
〔リフトアップ作動(開作動)〕
図9において、モータプレートPmが時計方向W1に回転すると、モータプレートPmの第一突出部Pmdaが第一ポールPo1の後端(PoA)を外方へ押し出し、ロックプレートPrの第一ロック爪Prdaと第一ポールPo1との係合が外れる。又、ほぼ同時に、第二ポールPo2と第二突出部Pmdbとの係合が外れ、第二ポールPo2は時計方向W1に回転可能となる。
【0065】
この状態で、シューSは、その閉対応位置s1から開対応位置s2へと移動可能となり、主作動機構8の働きにより、フード2がその閉姿勢から開姿勢へと姿勢変更される。即ち、リンクはリフトアップ状態になる。
【0066】
このシューSの移動でロックプレートPrは時計方向W1に回転し、図10に示す様に、第二ポールPo2の係合面PoBとロックプレートPrの第二ロック爪Prdbが係止され、フード2のリフトアップ姿勢での姿勢保持が可能となり、フード2上面からの力に対し保持することができる。この部位も、本願にいう開対応位置保持部となる。
【0067】
〔格納作動(閉作動)〕
図10において、モータプレートPmが反時計方向W2に回転すると、第二突出部PmdbとポールPoの傾斜面PoAが当接して、第二ポールPo2が反時計方向W2に作動し、第二ポールPo2と第二ロック爪Prdbとの係止が解除される。
さらに、モータプレートPmが作動するとロックプレートPrの長孔Prhの端部にモータピンPmpが当たり、反時計側W2に押していく。
【0068】
モータプレートPmが、所定の反時計方向端位置まで作動すると、第一ポールPo1はトーションコイルスプリングT力により反時計方向W2に回転し、第一ロック爪PrdaとポールPo1が係合する。
その後、モータプレートPmを反転作動させ、図9の位置で停止させ、動作終了する。
【0069】
〔別実施の形態例〕
本願の別実施の形態に関して以下説明する。
(1) 上記の実施の形態にあっては、車両用開閉体の例としてフードの例を示したが、本願構造は、開作動時に瞬時の作動を必要とし、閉作動時の動作が比較的遅く、開閉動を自動的に実行する機構構造に採用できる。
(2) 上記の実施の形態にあっては、主作動機構に備えられる付勢機構がコイルスプリングにより構成される例を示したが、コイルスプリングを採用する代わりに、高圧エアーを使用する構造、さらには、油圧を使用する構造等を採用することができる。
(3) 上記の実施の形態にあっては、副作動機構として、モータを主要機器とする構造を示したが、高圧エアーを使用する構造、油圧を使用する構造等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の車両用開閉体の開閉構造を採用する車両の前方斜視図
【図2】フード格納状態における跳ね上げ型開閉装置の概略姿勢を示す図
【図3】フードリフトアップ状態における跳ね上げ型開閉装置の概略姿勢を示す図
【図4】図2における要部詳細を示す図
【図5】図3における要部詳細を示す図
【図6】フードをリフトアップし、フードの開姿勢保持がされる状態を示す図
【図7】復帰移動状態を示す図
【図8】作動切換え機構近傍の断面を示す図
【図9】別実施の形態における、図4に対応するフードの格納状態を示す図
【図10】別実施の形態における、図6に対応するフードの開姿勢保持状態を示す図
【符号の説明】
1 車両
2 フード
4 開閉装置
8 主作動機構
9 リンク機構
10 副作動機構
11 作動切換え機構
14 付勢機構
B ヒンジブラケット
BS 後側ストッパー
FS 前側ストッパー
C コイルスプリング
L1 第一リンク
L2 第二リンク
M モータ
O 支点
Po ポール
Popポールピン
Pr ロックプレート
Pm モータプレート
R レイル
S シュー
s1 閉対応位置
s2 開対応位置
T トーションコイルスプリング
W1 時計方向
W2 反時計方向
Claims (7)
- 移動部材を、車両用開閉体の閉姿勢に対応した閉対応位置と、前記車両用開閉体の開姿勢に対応した開対応位置との間で位置移動させて、前記車両用開閉体を開閉する車両用開閉体の開閉構造であって、
前記移動部材を前記閉対応位置から前記開対応位置へ位置移動可能な主作動機構と、前記移動部材を前記閉対応位置と開対応位置との間で往復移動可能な副作動機構とを備え、
前記閉対応位置から前記開対応位置への移動を、前記主作動機構による前記移動部材の位置移動により実行し、前記開対応位置から前記閉対応位置への復帰を、前記副作動機構により実行して、前記車両用開閉体を開閉する車両用開閉体の開閉構造。 - 待機状態で、前記移動部材を前記閉対応位置に位置保持するとともに、開指令に従って前記主作動機構による前記移動部材の閉対応位置から開対応位置への移動を許容する作動切換え機構を備える請求項1記載の車両用開閉体の開閉構造。
- 前記作動切換え機構が、前記開対応位置において、前記移動部材を位置保持する開対応位置保持部を備える請求項2記載の車両用開閉体の開閉構造。
- 前記作動切換え機構が、閉指令に従って前記副作動機構による前記移動部材の開対応位置から閉対応位置への復帰移動を、前記副作動機構と共働して実行する請求項2又は3記載の車両用開閉体の開閉構造。
- 前記主作動機構が、前記移動部材としてのシューが内嵌されたレールを備えるとともに、前記シューをレールの長手方向に付勢する付勢機構を備え、前記閉対応位置から開対応位置への移動が、前記付勢機構により起こされる請求項1〜4のいずれか一項記載の車両用開閉体の開閉構造。
- 前記副作動機構としてのモータを備えるとともに、
前記作動切換え機構が、前記移動部材の位置移動に伴って姿勢変更する第一部材と、前記モータの回転出力に伴って姿勢変更する第二部材とを備えて構成され、前記移動部材の前記閉対応位置から前記開対応位置への位置移動にあっては、前記第一部材と前記第二部材との間での相対姿勢変更が許容され、
前記開対応位置から閉対応位置への復帰移動にあっては、前記第一部材と前記第二部材は一体となって復帰作動する請求項2〜5のいずれか一項記載の車両用開閉体の開閉構造。 - 前記車両用開閉体に一端が連結され、他端が前記移動部材に連結される第一リンクと、前記第一リンクの中間部位に連結されるとともに、他端が車体側固定位置に連結される第二リンクとからなるリンク機構を備え、
前記リンク機構を介して、前記移動部材の移動が前記車両用開閉体に伝達されて、車両用開閉体が開閉する請求項1〜6のいずれか一項記載の車両用開閉体の開閉構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002375356A JP2004203250A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 車両用開閉体の開閉構造 |
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JP2002375356A JP2004203250A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 車両用開閉体の開閉構造 |
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JP2004203250A true JP2004203250A (ja) | 2004-07-22 |
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ID=32813130
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004203250A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007066592A1 (ja) | 2005-12-06 | 2007-06-14 | Nhk Spring Co., Ltd. | 衝撃吸収装置 |
JP2009533262A (ja) * | 2006-04-15 | 2009-09-17 | ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト | エンジンフードヒンジ |
CN104773131A (zh) * | 2013-11-21 | 2015-07-15 | 福特全球技术公司 | 提供行人保护的车辆前端结构 |
CN111267964A (zh) * | 2018-12-05 | 2020-06-12 | 现代自动车株式会社 | 用于紧急逃生的车辆的引擎盖的打开设备 |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002375356A patent/JP2004203250A/ja active Pending
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