JP2004203066A - 自動車のバンパー装置 - Google Patents

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Seiichi Hashimoto
成一 橋本
Hiroyuki Yamashita
浩之 山下
Toru Hashimura
徹 橋村
Satoshi Futamura
敏 二村
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Abstract

【課題】同じ衝突エネルギーでも、バンパーリインフォース11の変位量を低く抑え、車体本体部分の損傷防止及び乗員の安全性向上を図る。
【解決手段】バンパーリインフォース11とその前面側の長さ方向中央部に固定される補強部材12からなるバンパー装置。バンパーリインフォース11は矩形状の断面のアルミニウム合金押出形材からなり、補強部材12は、矩形状断面とその後部壁12bの上下から後方側に伸びる突出壁部12e,12fを有するアルミニウム合金押出形材からなる。補強部材12の突出壁部12e,12fの後端がバンパーリインフォース11の上壁部11c,11dに長手方向に沿って溶接され(溶接部;Wc,Wd)、補強部材12の後壁部12bはバンパーリインフォース11の前壁部11aに面接触し、突出壁部12e,12fはバンパーリインフォース11の上壁部11c、11dに面接触する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バンパーリインフォースとその前面側の長さ方向中央部に固定される補強部材を備えたバンパー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図19に示すように、バンパーリインフォース1の前面側の長さ方向中央部に補強部材2を取り付け、これをバンパー外皮3の内部に配置したバンパー装置が、例えば特開平6−286536号公報、特開2001−225763、特開2001−322514等に記載されている。このバンパー装置によれば、補強部材2が存在することにより、車両端部(バンパー装置)がポール4に衝突してからバンパー装置が衝突エネルギーを吸収し始める間での距離、すなわち空走距離がX1からX2へと縮まり、また、補強部材2が衝撃エネルギーの一部を吸収するため、同じ速度での衝突であればバンパーリインフォースの変形量が減少する利点がある。その結果、軽度の衝突の場合、変形をバンパー装置のみにとどめて、車体本体(ハッチバック車の後部ドアなど)の損傷を防止でき、また乗員の安全性も向上するとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図20に示すように、補強部材がない場合、中空形材から形成されるバンパーリインフォース1は、前壁部1aに前方(フロント、リヤを問わず、衝突面側を前方とする)から荷重Fを受けると、上壁部1c及び下壁部1dと前壁部1aとの交点5,6を支点として偶力F1,F2が作用し、上壁部1cは上側に、下壁部1dは下側に変形(座屈)する。この座屈が始まると、小さな荷重でも変形が進行するようになり、一方、バンパーリインフォース1には車両の速度に見合った量の衝突エネルギーが加わるので、その結果、バンパーリインフォース1の変形量(変位量)は、図21の加重−変位曲線(仮想線)に示すように大きくなる。特にポール衝突のようにバンパーリインフォース1に局部的に荷重が掛かる場合、その箇所において上下壁部1c,1dが早期に座屈し、変位量が大きくなってしまう(早期に座屈するほど変位量が大きくなる)。
【0004】
一方、バンパーリインフォース1の前面に補強部材2を取り付けたバンパー装置においては、補強部材2がポール衝突時の集中荷重を分布荷重に変化させ、バンパーリインフォース1が早期に変形(座屈)するのを抑えるといわれている。しかし、実際には集中荷重を分散させる効果は十分ではなく、補強部材2の左右の端部付近に集中荷重が掛かりやすくなっており、当該箇所において、補強部材2を介してバンパーリインフォース1の前壁部1aに集中荷重が加わり、図22に示すように、上壁部1c及び下壁部1dが膨らんで早期に座屈する。その結果、バンパーリインフォース1は図19に仮想線で示すように変形し、その変位量Yは期待するほど抑えられない。
【0005】
本発明は、バンパー装置のこのような問題点に鑑みてなされたもので、バンパーリインフォースの前面側の長さ方向中央部に補強部材が固定されたバンパー装置において、バンパーリインフォースの上壁部及び下壁部の早期の座屈を防止して、同じ衝突エネルギーでも、バンパーリインフォースの変位量を低く抑え、車体本体部分の損傷防止及び乗員の安全性向上を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自動車のバンパー装置は、バンパーリインフォースとその前面側の長さ方向中央部に固定される補強部材を備え、前記バンパーリインフォースは、荷重方向に略垂直に向く前壁部と、それに対向する後壁部と、前記前壁部と後壁部を連結する上壁部及び下壁部を有するアルミニウム合金中空押出形材からなり、前記補強部材は、荷重方向に略垂直に向き前記バンパーリインフォースの前壁部に面接触する後壁部を有する金属製中空形材からなり、該金属製中空形材は前記後壁部から後方側へ延びて、前記バンパーリインフォースの上壁部又は/及び下壁部に面接触する突出壁部を有することを特徴とする。本発明において自動車は乗用車のほかトラックを含む。また、本発明において衝突面側が前である。
【0007】
上記バンパー装置の具体的な形態として、例えば、前記バンパーリインフォースの上壁部及び下壁部の少なくとも一方が荷重方向に略平行に向き、前記補強部材の突出壁部が前記バンパーリインフォースの荷重方向に略平行に向く上壁部又は/及び下壁部に面接触すること、前記補強部材は、荷重方向に略垂直に向く前壁部、前記後壁部、上壁部及び下壁部を有し、これが矩形状の中空断面を構成していること、及び、補強部材の突出壁部が前記バンパーリインフォースの上壁部又は/及び下壁部に接合されていること、さらに、補強部材の後壁部はバンパーリインフォースの前壁部に全面的に面接触すること、補強部材の突出壁部はバンパーリインフォースの上壁部及び/又は下壁部に全面的に面接触すること、等を挙げることができる。また、補強部材もアルミニウム合金押出形材とすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、まず図1〜図11を参照して、本発明に係るバンパー装置について具体的に説明する。
図1(a)に示すバンパー装置(長さ方向に垂直な断面を示す。断面については以下同じ)では、バンパーリインフォース11はアルミニウム合金押出形材からなり、前壁部11a、後壁部11b、上壁部11c及び下壁部11dからなる矩形状の中空断面を備える。補強部材12は同じくアルミニウム合金押出形材からなり、前壁部12a、後壁部12b、上壁部12c及び下壁部12dからなる矩形状の中空断面を備え、さらに上壁部12cと下壁部12dが後方側に延長して突出壁部12e,12fが形成されている。突出壁部12e,12fの前後方向の長さBは、バンパーリインフォース11の上壁部11c及び下壁部11dの長さの略半分とされている。
【0009】
補強部材12の後壁部12bの背面がバンパーリインフォース11の前壁部11aの前面に全面的に面接触し、突出壁部12eの下面が上壁部11cの上面に全面的に面接触し、突出壁部12fの上面が下壁部11dの下面に全面的に面接触している。さらに、補強部材12は、その突出壁部12eの後端が幅方向の全長にわたって上壁部11cに溶接接合(溶接部Wc)され、突出壁部12fの後端が同じく幅方向の全長にわたって下壁部11dに溶接接合(溶接部Wd)され、これにより、図1(b)に示すように、補強部材12はバンパーリインフォース11の中央部前面に固定される。このバンパー装置は、前壁部11a及び後壁部11bが荷重方向に略垂直に向き、上壁部11c及び下壁部11dが荷重方向に略平行に向くように、車両の前後に取り付けられる。
【0010】
このバンパー装置に対しポール衝突が起きた場合、その荷重Fは補強部材12を介してバンパーリインフォース11の前壁部11aに伝達される。すると、図2(a),(b)に示すように、交点15,16を支点とする偶力F1,F2が作用し、上壁部11cは交点15を中心に上側に、下壁部11dは交点16を中心に下側に回転して変形(座屈)しようとする。このとき、上壁部11c及び下壁部11dは、補強部材12の突出壁部12e、12fを交点25,26を中心としてR1,R2の方向に回転させようとする(回転させなければ上壁部11c及び下壁部11d自体が回転できない)が、補強部材12の後壁部12bがバンパーリインフォース11の前壁部11aに面接触しているため、後壁部12bがR3、R4の方向に回転できず、そのため突出壁部12e、12fも回転できないから、結局、バンパーリインフォース11の上壁部11c及び下壁部11dの回転、すなわち変形(座屈)が抑制される。その結果、図21の荷重−変位曲線(実線)に示すように、同じエネルギー吸収量でも最大変位量を減少させることができる(減少変位量をyで示す)。
なお、バンパーリインフォース11の局部的な変形が抑制されるため、結果的に荷重が分散され、ポール衝突による集中荷重が分布荷重に変換されて、局部的な変位量の増加が一層抑制され、吸収エネルギー量も増加する。
【0011】
上記バンパー装置において、補強部材12の突出壁部の突出幅Bは、上壁部11c又は下壁部11dの幅(前後方向の幅C)の約1/2に設定されている。この突出幅Bは大きくなるほど、上壁部11c又は下壁部11dの回転(変形)を抑制する効果が高いが、上記設定幅を超えて大きくしても、効果の向上は少なく、逆に重量が増してバンパーリインフォース11及び補強部材12に軽量なアルミニウム合金中空押出形材を使用した利点が失われる。従って、前記突出幅Bは、実用的には上壁部11c又は下壁部11dの幅Cの1/4〜2/3、望ましくは1/4〜1/2程度に設定すればよい。この望ましい突出幅は、補強部材の突出壁部が上壁部側又は下壁部側のいずれか一方に設けられている場合も同様である。
【0012】
上記の例では、補強部材12の突出壁部12e,12fを後端を長手方向の全長にわたりバンパーリインフォース11の上壁部11c及び下壁部11dに溶接接合したが、荷重が集中して掛かりやすい補強部材12の突出壁部12e,12fの端部(長手方向の両端部)近傍のみを溶接接合してもよい。ポール衝突時の曲げ変形により最もせん断力のかかる端部近傍を溶接接合しただけでも、曲げ変形したときのバンパーリインフォース11と補強部材12の長さ方向のずれを防止できるからである。このずれが生じると、バンパーリインフォース11の変位量を軽減する作用が十分発揮できない。
補強部材12の突出壁部12e,12fの長手方向端部近傍のみを溶接接合する場合、さらに図3に示すように、突出壁部12e,12fの端部近傍を残し中央部を切除して軽量化を図り、該端部近傍をバンパーリインフォース11の上壁部11c及び下壁部11dに溶接接合(上壁部11cとの接合部をWcで示す)するようにしてもよい。
あるいは、補強部材12の突出壁部12e,12fとバンパーリインフォース11の上壁部11c及び下壁部11dを接合する際、溶接接合に代えてボルト結合や嵌合接合を用いたり、これらの接合方法を適宜組み合わせる(溶接とボルト、溶接と嵌合、ボルトと嵌合)こともできる。図4は嵌合の例を示すもので、補強部材12の突出壁部22e,22fの先端に嵌合凸部を形成し、バンパーリインフォース22の対応箇所に嵌合凹部を形成し、両者を嵌合させている。
【0013】
図5〜図9は本発明に係るバンパー装置の他の例を示すものである。
図5では、バンパーリインフォース31が、前壁部31a、後壁部31b、上壁部31c及び下壁部31dからなる矩形状の中空断面を備え、補強部材32が、前壁部32a、後壁部32b、上壁部32c及び下壁部32dからなる矩形状の中空断面と、さらに上壁部32c側に突出壁部32eを備える。補強部材32の突出壁部32eの後端がバンパーリインフォース31の上壁部31cに溶接接合(接合部Wc)され、下壁部32dが下壁部31dの前端に溶接接合(接合部Wd)されている。補強部材32の突出壁部32eが上方側に形成され、これがバンパーリインフォース31の上壁部31cに面接触しているため、該上壁部31cの回転が抑制される。なお、補強部材の突出壁部を上壁部側又は下壁部側のいずれか一方に形成する場合、この例のように上壁部側に形成することが望ましい。
【0014】
図6では、バンパーリインフォース41が図5のバンパーリインフォース31と同じく矩形状の中空断面からなり、補強部材42が前壁部42a、後壁部42b、上壁部42c及び下壁部42dからなる矩形状の中空断面と、さらに後壁部42bの端部から後方側に延びる突出壁部42e及び42fを備える。後壁部42bは前壁部42aより上下方向に広幅に設定され、その両端部が上壁部42c及び下壁部42dから上下に突出している。補強部材42の突出壁部42e,42fがその後端においてバンパーリインフォース41の上壁部41c、下壁部41dに溶接接合(接合部Wc,Wd)され、かつ面接触している。
【0015】
図7では、バンパーリインフォース51は、前壁部51aと後壁部51bを連結する2つの中間横壁51eが形成され、前壁部51aの中間部51aaが平行に後退し、かつ中間部51aaの両端が前記中間横壁51eに連結し、補強部材52の突出壁部52e,52fがその後端においてバンパーリインフォース51の上壁部51c、51dに溶接接合され(接合部Wc,Wd)され、かつ面接触している。この例では、補強部材52の後壁部52bがバンパーリインフォースの前壁部51aにその中間部51aaにおいて面接触していないが、交点55、56から所定幅Dにわたり面接触し、その接触部分が大部分を占めている。
【0016】
図8では、バンパーリインフォース61は、後壁部61bが下に長く、下壁部61dが傾斜部と水平部からなり、かつ前壁部61aの下端と後壁部61bを連結する中間壁部61eが形成されている。補強部材62は前壁部62a、後壁部62b、上壁部62c及び下壁部62dからなる矩形状の中空断面と、さらに上壁部62c側に突出壁部62eを備える。補強部材62の突出壁部62eがその後端においてバンパーリインフォース61の上壁部61cに溶接接合(接合部Wc)されて面接触し、下壁部62dが下壁部61dの端部に溶接接合(接合部Wd)されている。
【0017】
図9では、バンパーリインフォース71は、前壁部71aの中間部71aaが後退して、そこに後壁部71bとの間を連結する中間横壁71eが形成され、かつ上壁部71cと下壁部71dがそれぞれ傾斜部と水平部からなる。補強部材72は、前壁部72a、後壁部72b、上壁部72c及び下壁部72dからなる矩形状の中空断面と、さらに上壁部72c及び下壁部側72dから傾斜部と水平部からなる突出壁部72e、72fが後方側に延び、それらが端部においてバンパーリインフォース71の上壁部71c、71dに溶接接合(接合部Wc,Wd)され、面接触している。この例では、補強部材72の後壁部72bがバンパーリインフォースの前壁部71aにその中間部71aaにおいて面接触していないが、交点75、76から所定幅Eにわたり面接触し、その接触部分が大部分を占めている。
【0018】
図10〜図11は本発明に係るバンパー装置のさらに他の例を示すもので、バンパーリインフォースと補強部材の両方が荷重方向に平行に向く中間壁部(リブ)を有する。
図10では、バンパーリインフォース81は全体として日形断面であり、前壁部81a、後壁部81b、上壁部81c、下壁部81dからなる矩形状の中空断面の内部に中間壁部81eを有する。補強部材82は前壁部82a、後壁部82b、上壁部82c及び下壁部82dからなる矩形状の中空断面を備え、その中間高さに中間壁部82gがあり、さらに上壁部82cと下壁部82dが後方側に延長して突出壁部82e,82fが形成され、突出壁部82e,82fの後端がバンパーリインフォース81の上下壁部81c,81dに溶接接合されている(接合部Wc,Wd)。
【0019】
図11では、バンパーリインフォース91は図10のものと同じである。補強部材92は凸状に湾曲した前壁部92a、後壁部92b、前壁部92aに連なる上壁部92cと下壁部92dからなる中空断面を備え、その中間高さに中間壁部92hがあり、さらに上壁部92cと下壁部92dが後方側に延長して突出壁部92e,92fが形成され、突出壁部92e,92fの後端がバンパーリインフォース91の上下壁部91c,91dに溶接接合されている(接合部Wc,Wd)。
このように、バンパーリインフォースと補強部材の両方が荷重方向に平行に向く中間壁部を有する場合、両者の中間壁部同士は、上下にずれていることが望ましい。それにより、両者の中間壁部同士が同じ高さで連なっている場合に比べて、衝突時の最大反力を低減しフラットな荷重−変位曲線が得られるようになる。
【0020】
なお、図5〜図11の例においても、補強部材を全長にわたりバンパーリインフォースに溶接接合することなく、ポール衝突時にせん断力が集中して掛かりやすい補強部材の端部(長手方向の両端部)近傍のみを溶接接合することができる。例えば図5であれば、補強部材32の突出壁部32eの端部(長手方向の両端部)近傍のみをバンパーリインフォース31の上壁部31cに溶接接合し、下壁部32dの端部(長手方向の両端部)近傍のみを下壁部31dの前端に溶接接合する。
また、軽量化を図るため、補強部材の突出壁部の端部近傍を残して中央部を切除し、該端部近傍をバンパーリインフォースの上壁部及び/又は下壁部に溶接接合するようにしてもよい。
【0021】
図12〜図14は本発明に係るバンパー装置のさらに他の例を示すもので、主としてバンパーリインフォースと補強部材の固定方法において、先に示した例と異なっている。
図12は、バンパーリインフォース11と補強部材12(いずれも図1参照)について、補強部材12の後壁部12bの両端(長手方向の両端)をバンパーリインフォース11の前壁部11aに上下方向に沿って溶接し(溶接部をWbで示す)、これによりバンパーリインフォース11と補強部材12を固定している。図13は、補強部材12の前壁部12a及び後壁部12bの長手方向の両端近傍に穴12iを開け、かつバンパーリインフォース11の前壁部11aの対応箇所にも穴を開け、両者をボルト接合している。いずれの場合も、補強部材12の長手方向の端部又は端部近傍をバンパーリインフォース11の上壁部11cに接合したもので、これにより、曲げ変形したときのバンパーリインフォース11と補強部材12の長さ方向のずれを防止できる。
【0022】
図14は、バンパーリインフォース101の前壁部101aに上壁部101c及び下壁部101dの位置より上下に突出する突出部101aa,101abが形成されている。補強部材102は、前壁部102a、後壁部102b、上壁部102c及び下壁部102dからなる矩形状の中空断面と、後壁部102bから後方に延びる突出壁部102e,102fを有し、該突出壁部102e,102fには段差が形成され、段差部102ea,102faの前方側が前記突出部101aa,101abに嵌合し、これによって補強部材102がバンパーリインフォース101に固定され、段差の後方側が前記上壁部101c,101dに面接触している。
【0023】
図12〜図14の例では、補強部材の突出壁部がバンパーリインフォースの上壁部及び/又は下壁部に接合されず、突出壁部は上壁部及び/又は下壁部の外側に単に面接触しているだけであり、補強部材の突出壁部がバンパーリインフォースの上壁部及び/又は下壁部に接合された図1等の例とは異なる。後者の場合、突出壁部と上壁部及び/又は下壁部があたかも一体物のように(ちょうど上壁部と下壁部の肉厚が増したと同様に)挙動し、単に突出壁部を上壁部及び/又は下壁部の外側に面接触するように配置した前者の例に比べ、上壁部及び/又は下壁部の回転が抑制され、変位量の抑制効果がより高い。
なお、図12〜図14の例においても、さらに補強部材の突出壁部をバンパーリインフォースの上壁部及び/又は下壁部に接合させることができる。
【0024】
本発明において、バンパーリインフォース及び補強部材を構成するアルミニウム合金としては、JIS7000系及び6000系が好適に使用される。6000系は、溶接箇所が多くて残留応力が高くなるなど、SCC(応力腐食割れ性)感受性が高い7000系材料が使いにくい場合に推奨される。7000系であれば、Mg:0.5〜1.8質量%及びZn:4.0〜8.0質量%を含むもの、6000系であれば、Mg:0.3〜1.3質量%及びSi:0.3〜1.3質量%含むものが望ましい。
一方、本発明において、補強部材はアルミニウム合金押出形材に限定されない。プレス成形等により成形された形材を使用することができ、また、鉄等、他の金属からなる形材を使用することもできる。図15はその例を示すもので、このバンパー装置は、アルミニウム合金押出形材からなるバンパーリインフォース111と補強部材112からなり、補強部材112は、例えば鋼板やアルミニウム合金板等をコの字形に曲げ加工した2つの形材113,114を、溶接又はボルト等により組み立てて中空形材としたものである。なお、形材とは長さ方向に沿って実質的に均一な断面形状を有する部材である。
【0025】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。
Si:0.04%(質量%、以下同じ)、Fe:0.08%、Cu:0.14%、Mn:0.01%、Mg:0.8%、Cr:0.01%、Zn:6.4%、Ti:0.02%、Zr:0.15%、残部Alからなる7000系アルミニウム合金を熱間押出成形し、押出直後に焼き入れるプレス焼き入れを行い、続いて時効処理としてT7調質(70℃×5hr+160℃×6hr)を施し、バンパーリインフォースと補強部材を作成した。バンパーリインフォースの断面形状を図16(a)に示し、補強部材の断面形状を図16(b)〜(d)に示す。いずれも肉厚は実質的に均一である。
【0026】
バンパーリインフォースについては長さ1100mmとし、両端から300mmの位置に曲げ加工を施した。補強部材については長さ300mmとし、バンパーリインフォースの前面側の長さ方向中央部に固定した。固定手段は、図16(b)の補強部材については、図17(a)に示すようにその上下壁の後端をバンパーリインフォースの上下壁の前端に溶接接合し、図16(c)の補強部材については、図17(b)に示すように、上下突出壁部の後端をそれぞれバンパーリインフォースの上壁部及び下壁部に溶接接合し(図1と同じ形態)、図16(d)の補強部材については、上壁部側では突出壁部の後端をバンパーリインフォースの上壁部に、下壁部側では下壁部の後端をバンパーリインフォースの下壁部の前端部に溶接接合した(図5と同じ形態)。
なお、押出形材からJIS5号試験片を採取し、JISZ2241の規定に基づき引張試験を行い機械的特性を調べた。引張強度が418MPa、耐力が371MPa、伸びが16.2%であった。
【0027】
このバンパー装置をポール衝突試験に供した。ポール衝突試験は、図18に示すように、台車123の先端にバンパーリインフォース121と補強部材122からなる各バンパー装置を2カ所のステイ(間隔950mm)で固定し、台車質量を1.5トン、台車速度を8km/hrとして、直径178mmのポール104に衝突させ、図21と同様の加重−変位曲線を求め、バンパーリインフォースに加えられた最大荷重及び最大変位量を測定した。その結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 2004203066
【0029】
表1に示すように、最大荷重はすべて同じであるが、上壁部側及び下壁部側の双方に突出壁部を有するNo.2は、突出壁部のないNo.1に比べ、バンパーリインフォースの最大変位量が大きく減少し、上壁部側にのみ突出壁部を有するNo.3でも最大変位量が減少した。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、軽度のポール衝突に際し、バンパーリインフォースの上壁部及び/又は下壁部の早期の座屈を防止して、同じ衝突エネルギーでも、バンパーリインフォースの最大変位量を低く抑え、車体本体部分の損傷防止及び乗員の安全性向上を図ることができる。
また、同じ変位量であればバンパー装置のエネルギー吸収量が増加することにより、バリヤ衝突に対しても車体本体部分の損傷防止及び乗員の安全性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバンパー装置の断面図(a)及び平面図(b)である。
【図2】そのバンパー装置について、ポール衝突時の変形を説明する断面図である。
【図3】本発明に係るバンパー装置の他の形態を説明する平面図である。
【図4】本発明に係るバンパー装置の他の形態を説明する断面図である。
【図5】本発明に係るバンパー装置の他の形態を説明する断面図である。
【図6】本発明に係るバンパー装置の他の形態を説明する断面図である。
【図7】本発明に係るバンパー装置の他の形態を説明する断面図である。
【図8】本発明に係るバンパー装置の他の形態を説明する断面図である。
【図9】本発明に係るバンパー装置の他の形態を説明する断面図である。
【図10】本発明に係るバンパー装置の他の形態を説明する断面図である。
【図11】本発明に係るバンパー装置の他の形態を説明する断面図である。
【図12】本発明に係るバンパー装置の他の形態を説明する断面図である。
【図13】本発明に係るバンパー装置の他の形態を説明する断面図である。
【図14】本発明に係るバンパー装置の他の形態を説明する断面図である。
【図15】本発明に係るバンパー装置の他の形態を説明する断面図である。
【図16】実施例に用いたバンパーリインフォース及び補強部材の断面図である。
【図17】その組み付け方法を説明する図である。
【図18】ポール衝突試験について説明する模式的平面図である。
【図19】従来のバンパー装置について説明する平面図である。
【図20】補強部材を取り付けていないバンパーリインフォースについて、ポール衝突時の変形を説明する断面図である。
【図21】ポール衝突時の模式的加重−変位曲線である。
【図22】突出壁部のない補強部材を取り付けたバンパーリインフォースについて、ポール衝突時の変形を説明する断面図である。
【符号の説明】
11 バンパーリインフォース
12 補強部材
11a,12a 前壁部
11b,12b 後壁部
11c,12c 上壁部
11d,12d 下壁部
12e,12f 突出壁部

Claims (4)

  1. バンパーリインフォースとその前面側の長さ方向中央部に固定される補強部材を備え、前記バンパーリインフォースは、荷重方向に略垂直に向く前壁部と、それに対向する後壁部と、前記前壁部と後壁部を連結する上壁部及び下壁部を有するアルミニウム合金中空押出形材からなり、前記補強部材は、荷重方向に略垂直に向き前記バンパーリインフォースの前壁部に面接触する後壁部を有する金属製中空形材からなり、該金属製中空形材は前記後壁部から後方側へ延びて、前記バンパーリインフォースの前記上壁部又は/及び下壁部に面接触する突出壁部を有することを特徴とする自動車のバンパー装置。
  2. 前記バンパーリインフォースの上壁部及び下壁部の少なくとも一方が荷重方向に略平行に向き、前記補強部材の突出壁部が前記バンパーリインフォースの荷重方向に略平行に向く上壁部又は/及び下壁部に面接触することを特徴とする請求項1に記載された自動車のバンパー装置。
  3. 前記補強部材は、荷重方向に略垂直に向く前壁部、前記後壁部、上壁部及び下壁部を有し、これが矩形状の中空断面を構成していることを特徴とする請求項1又は2に記載された自動車のバンパー装置。
  4. 前記補強部材の突出壁部が前記バンパーリインフォースの上壁部又は/及び下壁部に接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された自動車のバンパー装置。
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