JP2004202980A - Frp複層成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のFRP成形体の成形用の型を増やすことなく、良好な表面状態のFRP複層成形体を製造する方法を提供する。
【解決手段】下向きの凹部11が形成された型1の内面にゲルコート樹脂を塗布してゲルコート層10を形成し、このゲルコート層10の上面に断熱用樹脂を吹き付けて断熱材層20を形成する。ゲルコート層10および断熱材層20の樹脂が硬化した後に補強材としてのガラスマット30を断熱材層20の上面に敷設し、FRP用樹脂を積層してFRP層40を形成する。断熱材層20がゲルコート層10とFRP層40の間にあるので、積層樹脂の収縮によるガラスマット目が製品表面に現れず、良好な表面状態のFRP複層成形体50を製造することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は繊維強化プラスチック層と断熱材層を有する複層成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維強化プラスチック(以下、FRPという)は軽量で高い強度を有し、高耐食性、高耐薬品性、難燃性、低発煙性、低発ガス性、高耐熱性などの優れた諸特性をあわせ持つ構造材料として、建設資材、工業機材、住宅機材、航空機、船舶、車両、容器などの構造材および内外装材として広く使われている。
【0003】
FRPの成形法は、成形プロセスの要素によりいくつかに分類することができる。一般に成形材料の形体、成形硬化する温度、成形圧力、成形上の工程あるいは操作の違いによって分類され、成形工程、操作による分類では、ハンドレイアップ法、スプレーアップ法、上下型を使用する成形法(RTM、注型など)などに分類される。
【0004】
ハンドレイアップ法はFRP成形法の基本となる技術であり、図3(a)の成形フローおよび同図(b)の作業工程図に示すように、成形体の表面層となるゲルコート樹脂を型内面に塗布し、ゲルコート樹脂が硬化後にガラス繊維などの補強材にローラーブラシなどで樹脂を積層(含浸、脱泡)し、硬化後に離型して成形体を得る方法である。スプレーアップ法は、ハンドレイアップ法の樹脂と補強材の供給を機械化したもので基本技術的にはハンドレイアップ法と同様な成形工程である。
【0005】
上下型を使用する成形法(RTM、注型など)は、ハンドレイアップ法、スプレーアップ法の欠点を解消したもので、図4(a)の成形フローおよび同図(b)の作業工程図に示すように(代表例としてレジンインジェクション法を示す)、成形体の表面層となるゲルコート樹脂を型内面に塗付し、ゲルコート樹脂が硬化後に裁断したガラスマットなどの補強材を型内にセットし、上型と下型をクランプして上型と下型の間に樹脂を注入し、硬化後に離型して成形体を得る方法である。
【0006】
ところで、このようなFRP成形体において、たとえば屋外に建造されるタンクや構造物のような建造物に使用されるFRP成形体などで、より高い断熱性能が要求されることがある。FRP成形体の断熱性能を高めるために、FRP層に断熱材層を貼着した複層の成形体が提案されている。このような断熱層を有するFRP複層成形体を図3に示した従来のハンドレイアップ法に準じて製造するとした場合、図5に示すような作業工程となる。すなわち、同図(a)に示すように、下向きの凹部71が形成された型70の内面にスプレー76でゲルコート樹脂を塗布してゲルコート層72を形成し、ゲルコート樹脂が硬化後にガラス繊維などの補強材73にローラーブラシ77でFRP用樹脂を積層(含浸、脱泡)し、樹脂の硬化後に離型してFRP成形体74を形成する。このFRP成形体74の内面にあらかじめ成形した断熱材層75を貼着して、同図(b)に示すようなゲルコート層72を表面層とするFRP成形体74と断熱材層75からなるFRP複層成形体80を得ることになる。
【0007】
また、特許文献1には、あらかじめ雌雄両型の内面に外皮層としてFRP層を形成した型内の雌型にペースト状の樹脂を塗布し、型を締めた後、ペースト状樹脂を発泡硬化させて、FRP層と発泡フェノール層のサンドイッチ構造体を製造する方法が開示されている。また、特許文献2には、第1型の凸形の成形面にFRPで内容器を作り、第1型を第2型に合わせ、成形空間に合成樹脂を注入し発泡させることにより、FRP層と発泡合成樹脂層の複層成形体を製造する方法が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−148851号公報(段落番号0007−0010、図1−図4)
【特許文献2】
特開平5−126370号公報(段落番号0014−0015、図1−図4)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示した方法および特許文献1,2に記載の方法によりFRP層と断熱材層の複層成形体を製造することはできるが、図5に示した方法では、FRP層の成形工程とは別に断熱材層の成形工程とFRP成形体に断熱材層成形体を貼着する工程とが必要で製造工程が煩雑となり、さらに、FRP層と断熱材層の成形体の寸法形状を一致させるのが困難である、FRP層と断熱材層の接着が剥がれやすい、成形時のFRP層と断熱材層の厚さのばらつきがそのまま複層成形体の厚さのばらつきになる、という問題がある。また、断熱材層として発泡ウレタンや発泡スチロールなどが使用されているが、これらの断熱材層はFRP層と接着されているために分別廃棄が困難であり、FRP複層成形体の廃棄物のリサイクルが難しいという問題がある。
【0010】
また特許文献1に記載の方法で製造される成形体(サンドイッチ構造体)は、両側がFRP層で内側が発泡樹脂の断熱層と三層の構造体であり、FRP層の成形に手間がかかり、また全体の厚さが厚くなる、という問題がある。特許文献2に記載の方法で製造される成形体(氷蓄熱槽)は、発泡合成樹脂層が表側になるので、きれいな表面状態の成形体を得るのが難しい、という問題がある。
【0011】
本発明は、FRP成形体の成形法であるハンドレイアップ法あるいは上下型を使用する成形法で用いられる成形用の型を増やすことなく、良好な表面状態のFRP複層成形体を製造する方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るFRP複層成形体の製造方法の第1の構成は、オープンモールド型面にゲルコート用樹脂を塗布する工程と、ゲルコート層の上面に断熱用樹脂を吹き付ける工程と、前記ゲルコート用樹脂と前記断熱用樹脂の硬化後に断熱用樹脂層の上面にFRP用ガラスマットを敷設する工程と、前記FRP用ガラスマットにFRP用樹脂を積層する工程と、前記FRP用樹脂の硬化後に成形体を脱型する工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
この第1の構成による製造方法では、従来のハンドレイアップ法で用いられる型以外の特別な型を用いることなく、良好な表面状態のFRP複層成形体を製造することができる。すなわち、この製造方法で使用する型は、従来のハンドレイアップ法でFRP成形体を成形するときに用いる型と同様な型を用いて、複雑な作業工程を必要とせず、熟練者でなくても容易に複層成形体を製造することができる。また、この製造方法によって得られるFRP複層成形体は、断熱材層がゲルコート層とFRP層の間にあるので、従来の成形法で発生しているところの樹脂の収縮によるゲルコート面へのガラス目の浮き上がりがなくなり、製品表面がきれいな面となる。断熱材層は、樹脂にセラミック発泡体を含有させた断熱用樹脂をスプレーガンで吹き付けることにより、均一な厚さに形成することができる。また、この断熱材層としてセラミック発泡体を含有させた樹脂を使用した場合は、FRP複層成形体の廃棄に際してそのまま分別することなく廃棄しても、FRP層とともに一括してリサイクルできるので、FRP複層廃棄物のリサイクル化を推進することができる。この点は後述する各製造方法の場合も同様である。
【0014】
前記のFRP用ガラスマットにFRP用樹脂を積層する工程の後に、FRP用樹脂の硬化後にFRP樹脂層の上面に断熱用樹脂を吹き付ける工程を付加し、この断熱用樹脂の硬化後に成形体を脱型する製造方法とすることもできる。この製造方法により得られるFRP複層成形体は、第1の構成による製造方法によって得られる利点に加えて、FRP層の両面に断熱材層が形成されているので、断熱性能がさらに向上する。また、成形体の一面がゲルコート面であり他面が断熱用樹脂面であるので、両面ともきれいな面の成形体が得られる。
【0015】
本発明に係るFRP複層成形体の製造方法の第2の構成は、オープンモールド型面にゲルコート用樹脂を塗布する工程と、前記ゲルコート用樹脂の硬化後のゲルコート層の上面にFRP用ガラスマットを敷設する工程と、前記FRP用ガラスマットにFRP用樹脂を積層する工程と、前記FRP用樹脂の硬化後に断熱用樹脂を吹き付ける工程と、前記断熱用樹脂の硬化後に成形体を脱型する工程と、を含むことを特徴とする。この製造方法の場合も、両面ともきれいな面の成形体が得られる。
【0016】
本発明に係るFRP複層成形体の製造方法の第3の構成は、クローズモールドの凹凸いずれかの型面にゲルコート用樹脂を塗布する工程と、前記ゲルコート用樹脂の硬化後にゲルコート層の上面にFRP用ガラスマットを敷設する工程と、クローズモールドの凹凸いずれかの逆型面に断熱用樹脂を吹き付ける工程と、前記断熱用樹脂の硬化後に前記FRP用ガラスマットを敷設した型と前記断熱用樹脂を吹き付けた型を合わせて両型の間に形成される空間にFRP用樹脂を注入する工程と、前記FRP用樹脂の硬化後に成形体を脱型する工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
この第3の構成による製造方法では、従来の上下型を使用する成形法(RTM、注型など)で用いられる上型と下型以外の特別な型を用いることなく、良好な表面状態のFRP複層成形体を製造することができる。すなわち、この製造方法で使用する型は、従来のレジンインジェクション法でFRP成形体を成形するときに用いる型と同様な上型と下型を用いて、複雑な作業工程を必要とせず、熟練者でなくても容易にFRP複層成形体を製造することができる。また、この製造方法によって得られるFRP複層成形体の表面に現れる断熱材層は発泡樹脂層ではなく、かつ製品裏面の露出面も型に密接していた部分であるので、断熱材層の表面はきれいな面となる。また、第1の構成の場合と同じく、断熱材層は、樹脂にセラミック発泡体を含有させた断熱用樹脂をスプレーガンで吹き付けることにより、均一な厚さに形成することができる。
【0018】
前記のクローズモールドの凹凸いずれかの型面にゲルコート用樹脂を塗布する工程の後に、ゲルコート層の上面に断熱用樹脂を吹き付ける工程を付加し、この断熱用樹脂の硬化後に断熱用樹脂層の上面にFRP用ガラスマットを敷設する工程とすることもできる。この工程を経て製造されるFRP複層成形体は、第3の構成による製造方法によって得られる利点に加えて、FRP層の両面に断熱材層が形成されているので、断熱性能がさらに向上する。また、成形体の一面がゲルコート面であり他面が断熱用樹脂面であるので、両面ともきれいな面の成形体が得られる。
【0019】
本発明に係るFRP複層成形体の製造方法の第4の構成は、クローズモールドの凹凸いずれかの型面にゲルコート用樹脂を塗布する工程と、ゲルコート層の上面に断熱用樹脂を吹き付ける工程と、前記断熱用樹脂の硬化後に断熱用樹脂層の上面にFRP用ガラスマットを敷設する工程と、前記FRP用ガラスマットを敷設した型とクローズモールドの凹凸いずれかの逆型を合わせて両型の間に形成される空間にFRP用樹脂を注入する工程と、前記FRP用樹脂の硬化後に成形体を脱型する工程と、を含むことを特徴とする。
【0020】
この製造方法で使用する型は、第3の構成の場合と同様に、従来のレジンインジェクション法でFRP成形体を成形するときに用いる型と同様な上型と下型を用いて、複雑な作業工程を必要とせず、熟練者でなくても容易にFRP複層成形体を製造することができる。また、この製造方法によって得られるFRP複層成形体は、第1の構成による成形体と同じ断面構造となるので、断熱材層がゲルコート層とFRP層の間にあり、従来の成形法で発生しているところの樹脂の収縮によるゲルコート面へのガラス目の浮き上がりがなくなり、製品表面がきれいな面となる。
【0021】
ここで、第3および第4の構成において、FRP用ガラスマットを敷設する工程とクローズモールドの両型の間に形成される空間にFRP用樹脂を注入する工程に代えて、無機物粉体を含有する樹脂をクローズモールドの両型の間に注入する構成とすることができる。無機物粉体を含有する樹脂を注入する方法を採用することにより、ガラスマットの敷設工程を省略することができ、工程を簡素化することができる。無機物粉体を含有する樹脂としては、たとえばシリカ粉を主体とする無機物粉体を含む樹脂を用いることができる。
【0022】
本発明の製造方法において用いる型をはじめ、ゲルコート用樹脂、FRP用ガラスマット、FRP用樹脂、その他の器具類は従来のFRP成形体の製造に用いる型、材料、器具類をそのまま用いることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
本実施形態は、本発明の第1の構成を適用した実施形態であり、1個の型を使用してFRP複層成形体を製造する方法に係るものである。図1の(a)はFRP複層成形体製造の作業工程を示す図であり、(b)はFRP複層成型体の断面構造を示す図である。なお、図1の(c)および(d)は成形体断面構造の別の例を示す図である。
【0024】
本実施形態における作業工程はつぎの通りである。
(1)下向きの凹部11が形成された型(FRP樹脂製、金属製、木製などのオープンモールド型)1の内面にスプレー4でゲルコート樹脂(たとえばポリエステル樹脂)を塗布してゲルコート層10を形成する。
(2)ゲルコート層10の樹脂の硬化前または硬化後に、ゲルコート層10の上面にスプレー5で断熱用樹脂(たとえばセラミック発泡体を含有させたポリエステル樹脂)を吹き付けて断熱材層20を形成する。
(3)ゲルコート層10および断熱材層20の樹脂が硬化した後に補強材としてのガラスマット(たとえば日東紡績株式会社製)30を断熱材層20の上面に敷設し、ローラーブラシ6でFRP用樹脂(たとえばポリエステル樹脂)を積層(含浸、脱泡)し、FRP層40を形成する。
(4)FRP層40の樹脂が硬化した後に型1から脱型してFRP複層成形体50を得る。
【0025】
本実施形態の製造方法では、使用する型1は従来のハンドレイアップ法で用いられる型(オープンモールド)をそのまま使用することができる。また、この製造方法によって得られるFRP複層成形体50は、断熱材層20がゲルコート層10とFRP層40の間にあるので、断熱材層20がFRP層40の樹脂収縮によるガラス目の浮き上がりを防止することができる。また、断熱材層20はスプレーガン5の吹き付けにより均一な厚さに形成することができる。
【0026】
図1の(c)は、同図(a)の工程(3)の後に、FRP層40の樹脂の硬化後にFRP層40の上面にさらに断熱用樹脂を吹き付けて断熱材層を形成する工程を付加した製造方法により得られた成形体51の断面構造を示す図である。同図の(d)は、本発明の第2の構成を適用した製造方法により得られた成形体52の断面構造を示す図である。同図の(c)および(d)における符号10,20,40は同図の(a)および(b)における符号10,20,40と同じものである。
【0027】
〔第2の実施形態〕
本実施形態は、本発明の第3の構成を適用した実施形態であり、上下の型を使用してレジンインジェクション法によりFRP複層成形体を製造する方法に係るものである。図2の(a)はFRP複層成形体製造の作業工程を示す図であり、(b)はFRP複層成型体の断面構造を示す図である。なお、図2の(c)および(d)は成形体断面構造の別の例を示す図である。
【0028】
本実施形態における作業工程はつぎの通りである。
(1)下向きの凹部21が形成された下型(クローズモールドの一方の型)2の内面にスプレー4でゲルコート樹脂(たとえばポリエステル樹脂)を塗布してゲルコート層10を形成する。
(2)下向きの凸部31が形成された上型(クローズモールドの他方の型)3の外面にスプレー5で断熱用樹脂(たとえばセラミック発泡体を含有させたポリエステル樹脂)を吹き付けて断熱材層20を形成する。
(3)下型2のゲルコート層10の樹脂が硬化した後に補強材としてのガラスマット(たとえば日東紡績株式会社製)30をゲルコート層10の上面に敷設する。
(4)断熱材層20の樹脂が硬化した後の上型3の凸部31を、ガラスマット30を敷設した下型2の凹部21に挿入する。
(5)上方3の凸部31の中央に設けた樹脂注入孔32からFRP用樹脂(たとえばポリエステル樹脂)をガラスマット30の隙間に注入し、FRP層40を形成する。
(6)FRP層40の樹脂が硬化した後に上型3を取り外し、
(7)ついで下型2から脱型してFRP複層成形体60を得る。
【0029】
本実施形態の製造方法では、使用する上型2および下型3は従来のレジンインジェクション法で用いられる上下型(クローズモールド)をそのまま使用することができる。また、この製造方法によって得られるFRP複層成形体60の表面に現れる断熱材層20は発泡樹脂層ではなく、かつ成形体60表面の露出面は上型3に密接していた部分であるので、断熱材層20の表面はきれいな面となる。また、第1の実施形態の場合と同じく、断熱材層20はスプレーガン5の吹き付けにより均一な厚さに形成することができる。
【0030】
図2の(c)は、同図(a)の工程(1)の後に、ゲルコート層10の上面に断熱用樹脂を吹き付けて、FRP層40の両面に断熱材層20を形成する製造方法により得られた成形体61の断面構造を示す図である。同図の(d)は、本発明の第4の構成を適用した製造方法により得られた成形体62の断面構造を示す図である。同図の(c)および(d)における符号10,20,40は同図の(a)および(b)における符号10,20,40と同じものである。
【0031】
【発明の効果】
本発明の第1の構成によるFRP複層成形体の製造方法によれば、従来のハンドレイアップ法で用いられる型以外の特別な型を用いることなく、複雑な作業工程を必要とせず、熟練者でなくても容易に複層成形体を製造することができる。また、この製造方法によれば、断熱材層がゲルコート層とFRP層の間にあるので、積層樹脂の収縮によるガラスマット目が製品表面に現れず、良好な表面状態のFRP複層成形体を製造することができる。
【0032】
本発明の第1の構成においてFRP層の両面に断熱材層を形成することにより、第1の構成による製造方法によって得られる利点に加えて、断熱性能がさらに向上する。また、本発明の第2の構成による場合も、両面ともきれいな面の成形体が得られる。
【0033】
本発明の第3の構成によるFRP複層成形体の製造方法によれば、従来のレジンインジェクション法で用いられる上型と下型以外の特別な型を用いることなく、複雑な作業工程を必要とせず、熟練者でなくても容易に複層成形体を製造することができる。また、この製造方法によれば、FRP複層成形体の裏面に現れる断熱材層は発泡樹脂層ではなく、かつ成形体裏面の露出面は上型に密接していた部分であるので、断熱材層の表面(製品裏面)はきれいな面となり、さらにゲルコート層に断熱材層を追加することにより、断熱性能がさらに向上し、良好な表面状態と製品厚さが一定のFRP複層成形体を製造することができる。また、本発明の第4の構成による場合も、両面ともきれいな面の成形体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図で、(a)はFRP複層成形体製造の作業工程を示す図、(b)はFRP複層成型体の断面構造を示す図、(c)および(d)は成形体断面構造の別の例を示す図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す図で、(a)はFRP複層成形体製造の作業工程を示す図、(b)はFRP複層成型体の断面構造を示す図、(c)および(d)は成形体断面構造の別の例を示す図である。
【図3】従来のハンドレイアップ法によるFRP成形体の製造方法の説明図である。
【図4】従来のレジンインジェクション法によるFRP成形体の製造方法の説明図である。
【図5】FRP複層成型体の従来法による製造方法の説明図である。
【符号の説明】
1 型
2 下型
3 上型
4,5 スプレー
6 ローラーブラシ
10 ゲルコート層
11,21 凹部
20 断熱材層
30 ガラスマット
31 凸部
32 樹脂注入孔
40 FRP層
50,51,52,60,61,62 FRP複層成形体

Claims (7)

  1. オープンモールド型面にゲルコート用樹脂を塗布する工程と、ゲルコート層の上面に断熱用樹脂を吹き付ける工程と、前記ゲルコート用樹脂と前記断熱用樹脂の硬化後に断熱用樹脂層の上面にFRP用ガラスマットを敷設する工程と、前記FRP用ガラスマットにFRP用樹脂を積層する工程と、前記FRP用樹脂の硬化後に成形体を脱型する工程と、を含むことを特徴とするFRP複層成形体の製造方法。
  2. 前記FRP用ガラスマットにFRP用樹脂を積層する工程の後に、前記FRP用樹脂の硬化後にFRP樹脂層の上面に断熱用樹脂を吹き付ける工程を付加し、この断熱用樹脂の硬化後に成形体を脱型することを特徴とする請求項1記載のFRP複層成形体の製造方法。
  3. オープンモールド型面にゲルコート用樹脂を塗布する工程と、前記ゲルコート用樹脂の硬化後のゲルコート層の上面にFRP用ガラスマットを敷設する工程と、前記FRP用ガラスマットにFRP用樹脂を積層する工程と、前記FRP用樹脂の硬化後に断熱用樹脂を吹き付ける工程と、前記断熱用樹脂の硬化後に成形体を脱型する工程と、を含むことを特徴とするFRP複層成形体の製造方法。
  4. クローズモールドの凹凸いずれかの型面にゲルコート用樹脂を塗布する工程と、前記ゲルコート用樹脂の硬化後にゲルコート層の上面にFRP用ガラスマットを敷設する工程と、クローズモールドの凹凸いずれかの逆型面に断熱用樹脂を吹き付ける工程と、前記断熱用樹脂の硬化後に前記FRP用ガラスマットを敷設した型と前記断熱用樹脂を吹き付けた型を合わせて両型の間に形成される空間にFRP用樹脂を注入する工程と、前記FRP用樹脂の硬化後に成形体を脱型する工程と、を含むことを特徴とするFRP複層成形体の製造方法。
  5. クローズモールドの凹凸いずれかの型面にゲルコート用樹脂を塗布する工程の後に、ゲルコート層の上面に断熱用樹脂を吹き付ける工程を付加し、この断熱用樹脂の硬化後に断熱用樹脂層の上面にFRP用ガラスマットを敷設することを特徴とする請求項4記載のFRP複層成形体の製造方法。
  6. クローズモールドの凹凸いずれかの型面にゲルコート用樹脂を塗布する工程と、ゲルコート層の上面に断熱用樹脂を吹き付ける工程と、前記断熱用樹脂の硬化後に断熱用樹脂層の上面にFRP用ガラスマットを敷設する工程と、前記FRP用ガラスマットを敷設した型とクローズモールドの凹凸いずれかの逆型を合わせて両型の間に形成される空間にFRP用樹脂を注入する工程と、前記FRP用樹脂の硬化後に成形体を脱型する工程と、を含むことを特徴とするFRP複層成形体の製造方法。
  7. 前記FRP用ガラスマットを敷設する工程とクローズモールドの両型の間に形成される空間にFRP用樹脂を注入する工程に代えて、無機物粉体を含有する樹脂をクローズモールドの両型の間に注入することを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載のFRP複層成形体の製造方法。
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