JP2004202605A - リング溝加工用工具 - Google Patents

リング溝加工用工具 Download PDF

Info

Publication number
JP2004202605A
JP2004202605A JP2002372549A JP2002372549A JP2004202605A JP 2004202605 A JP2004202605 A JP 2004202605A JP 2002372549 A JP2002372549 A JP 2002372549A JP 2002372549 A JP2002372549 A JP 2002372549A JP 2004202605 A JP2004202605 A JP 2004202605A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arbor
chip
tip
ring groove
axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002372549A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Taguchi
正博 田口
Yoshiki Iwamoto
良樹 岩本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikken Kosakusho Works Ltd
Original Assignee
Nikken Kosakusho Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikken Kosakusho Works Ltd filed Critical Nikken Kosakusho Works Ltd
Priority to JP2002372549A priority Critical patent/JP2004202605A/ja
Publication of JP2004202605A publication Critical patent/JP2004202605A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Milling, Broaching, Filing, Reaming, And Others (AREA)
  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Abstract

【課題】工具用のホルダ本体等に対して回転と切り込み送りを与えるのみで、工作物平坦面へのリング溝加工を簡便に、かつ低コストで可能にするとともに、シール性及び真円度の高いリング溝加工を可能にする。
【解決手段】アーバ11の前端部11Bの外周面箇所に、アーバ11の外周面に対する接線L1と平行で、かつアーバ11の軸線L2と平行な基準面12aを有するチップ取付段部12を形成し、このチップ取付段部12に工作物平坦面への溝入れ用溝入れチップ13を基準面12aに押し当てた状態で固着し、そして、溝入れチップ13の切刃部分をアーバ11の先端面からアーバ11の軸線L2と平行な方向に突出させるとともに、溝入れチップ13の切刃13aをアーバ11の軸線L2を中心とする半径方向に延在するように構成した。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作物の平坦面にOリング溝などのリング溝を加工するのに好適なリング溝加工用工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のリング溝加工方法について図1を参照して説明する。
工作物1の平坦面1aにOリング溝などのリング溝2をNC工作機械で加工する場合は、図1(B)に示すように、中心Oから半径Rの円2a上における多数のX−Y座標値を基にして円弧近似法により円2aの形状をプログラムし、このプログラムでNC工作機械を制御することにより、エンドミル3及び工作物1を半径Rの円2aに沿って相対的に移動して、工作物1の平坦面1aにリング溝2を加工するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、実際のリング溝加工に際しては、まず、実際のリング溝の溝幅より僅かに小さい径のエンドミルを用いて荒加工によりリング溝を形成した後、このエンドミルを実際のリング溝の溝幅と同じ径のエンドミルに交換し、このエンドミルを用いて仕上げ加工するようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−504号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のリング溝加工方法では、径の異なる二種類のエンドミルを用いて荒加工と仕上げ加工をする必要があるため、リング溝加工に時間がかかり、コスト高になる問題がある。また、リング溝はエンドミルで加工されるため、リング溝の底面にエンドミルの切削痕跡が生じ、その結果、Oリング溝の場合は、そのシール性が低下するほか、円弧近似法により円2aの形状がプログラムされるため、リング溝の真円度が悪いという問題がある。
【0005】
本発明は、上述のような従来の問題点を解決するためになされたもので、工具用のホルダ本体等に対して回転と切り込み送りを与えるのみで、工作物平坦面へのリング溝加工を簡便に、かつ低コストで可能にするとともに、シール性及び真円度の高いリング溝加工を可能にしたリング溝加工用工具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、工作物の平坦面にリング溝を切削するリング溝加工用工具であって、一端にシャンク部を有する所望径のアーバを備え、
前記アーバの前端部の外周面箇所には、前記アーバの軸線から半径方向に所定の間隔離れているとともに前記外周面箇所の外周面に接する接線と平行で、かつアーバの軸線と平行な基準面を有するチップ取付段部が形成され、前記チップ取付段部には前記工作物平坦面への溝入れチップが前記基準面に押し当てられた状態に固着され、前記溝入れチップは前記アーバがその軸線を中心にして回転される時に前記工作物の平坦面をリング状に切削する切刃を有し、前記溝入れチップの切刃を含む部分は前記アーバの先端面からアーバの軸線と平行な方向に所定量突出されるように構成したことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1記載のリング溝加工用工具において、前記工作物の平坦面に形成されるリング溝の溝幅は、前記アーバの半径方向に延在する前記切刃の刃幅により設定され、かつ前記リング溝の半径は前記アーバの軸線から前記基準面までの間隔に応じて設定されることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、工作物の平坦面にリング溝を切削するリング溝加工用工具であって、工作機械主軸への装着用シャンク部及び該シャンク部の一端に互いの軸線が一致するように設けたアーバを有するホルダ本体を備え、前記アーバの先端部には該先端部をアーバの軸線と交叉する方向に延在する取付孔が形成され、前記取付孔にチップ支持軸がアーバの軸線と交叉する方向に移動可能に嵌合され、前記チップ支持軸の一端にチップ保持部材が設けられ、前記チップ保持部材の外周面箇所には、前記アーバの軸線から半径方向に所定の間隔離れているとともに前記アーバの軸線と平行で、かつ前記チップ支持軸と直角な基準面を有するチップ取付段部が形成され、前記チップ取付段部には前記工作物平坦面への溝入れチップが前記基準面に押し当てられた状態に固着され、前記溝入れチップは前記アーバがその軸線を中心にして回転される時に前記工作物の平坦面をリング状に切削する切刃を有し、前記溝入れチップの切刃を含む部分は前記アーバの先端面からアーバの軸線と平行な方向に所定量突出されるように構成され、更に、前記アーバの前端部には前記チップ支持軸をアーバの半径方向に移動して前記溝入れチップの位置をアーバの半径方向に微調整する調整機構が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3記載のリング溝加工用工具において、前記工作物の平坦面に形成されるリング溝の溝幅は、前記アーバの半径方向に延在する前記切刃の刃幅により設定され、かつ前記リング溝の半径は前記アーバの軸線から前記基準面までの間隔に応じて設定されることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3記載のリング溝加工用工具において、前記チップ支持軸を前記アーバに固定するクランプ手段を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、請求項3記載のリング溝加工用工具において、前記取付孔の一端が臨む箇所には前記チップ保持部材の少なくとも側面が当接される側部支え面を有するチップ保持用段部が形成され、前記アーバには、前記チップ支持軸を該チップ支持軸と直交する前記アーバの半径方向から螺合して締め付けることにより前記チップ保持部材の側面が前記側部支え面に押し付けられるように固定するクランプねじを設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、工作物の平坦面にリング溝を切削するリング溝加工用工具であって、工作機械主軸への装着用シャンク部及び該シャンク部の一端に互いの軸線が一致するように設けたアーバを有するホルダ本体と、前記アーバの先端部に互いの軸線を一致して着脱可能に設けた所望径の軽合金からなる溝入れ用のヘッド本体とを備え、前記ヘッド本体には該ヘッド本体の軸線と交叉する方向に延在する取付孔が形成され、前記取付孔にチップ支持軸がヘッド本体の軸線と交叉する方向に移動可能に嵌合され、前記チップ支持軸の一端にチップ保持部材が設けられ、前記チップ保持部材の外周面箇所には、前記ヘッド本体の軸線から半径方向に所定の間隔離れているとともに前記ヘッド本体の軸線と平行で、かつ前記チップ支持軸と直角な基準面を有するチップ取付段部が形成され、前記チップ取付段部には前記工作物平坦面への溝入れチップが前記基準面に押し当てられた状態に固着され、前記溝入れチップは前記ホルダ本体を含むヘッド本体がその軸線を中心にして回転される時に前記工作物の平坦面をリング状に切削する切刃を有し、前記溝入れチップの切刃を含む部分は前記ヘッド本体の先端面からヘッド本体の軸線と平行な方向に所定量突出されるように構成され、更に、前記ヘッド本体には前記チップ支持軸をヘッド本体の半径方向に移動して前記溝入れチップの位置をヘッド本体の半径方向に微調整する調整機構が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明は、請求項7記載のリング溝加工用工具において、前記工作物の平坦面に形成されるリング溝の溝幅は、前記ヘッド本体の半径方向に延在する前記切刃の刃幅により設定され、かつ前記リング溝の半径は前記ヘッド本体の軸線から前記基準面までの間隔に応じて設定されることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項7記載のリング溝加工用工具において、前記チップ支持軸を前記ヘッド本体に固定するクランプ手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項10の発明は、請求項7記載のリング溝加工用工具において、前記取付孔の一端が臨む箇所には前記チップ保持部材の少なくとも側面が当接される側部支え面を有するチップ保持用段部が形成され、前記アーバには、前記チップ支持軸を該チップ支持軸と直交する前記アーバの半径方向から螺合して締め付けることにより前記チップ保持部材の側面が前記側部支え面に押し付けられるように固定するクランプねじを設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項11の発明は、請求項3または7記載のリング溝加工用工具において、前記チップ保持部材は前記チップ支持軸の一端に結合手段により着脱可能に結合されていることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項11記載のリング溝加工用工具において、前記結合手段は、前記チップ保持部材の前記チップ支持軸の一端と相対向する箇所に形成され前記チップ支持軸の一端部が嵌合される結合穴と、前記チップ支持軸の軸心部に該チップ支持軸の一端面からチップ支持軸の他端方向に延在して形成した雌ねじ孔と、前記チップ支持軸と反対の側から前記チップ保持部材を貫通して前記雌ねじ孔に螺合される結合ボルトとを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項13の発明は、請求項3または7記載のリング溝加工用工具において、前記チップ保持部材は前記チップ支持軸の一端に結合手段により着脱可能に結合され、前記結合手段は、前記チップ保持部材の前記チップ支持軸の一端と相対向する箇所に形成され前記チップ支持軸の一端部が嵌合される結合穴と、前記チップ支持軸の軸心部に該チップ支持軸の一端面からチップ支持軸の他端方向に延在して形成した雌ねじ孔と、前記チップ支持軸と反対の側から前記チップ保持部材を貫通して前記雌ねじ孔に螺合される結合ボルトとを備え、前記取付孔の一端が臨む箇所には前記チップ保持部材の少なくとも側面が当接される側部支え面を有するチップ保持用段部が形成され、前記結合ボルトを前記雌ねじ孔に螺合して締付けた時に前記チップ保持部材の側面が前記チップ保持用段部の側部支え面に押し付けられるように構成したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるリング溝加工用工具の実施の形態について図面を参照して説明する。
図2は本発明にかかるリング溝加工用工具の第1の実施の形態を示す全体の側面図、図3は図2の3−3線に沿う拡大底面図、図4は図3の4−4線に沿う拡大側面図である。
【0017】
図2において、リング溝加工用工具10は、工作物1の平坦面1aにOリング溝などのリング溝2を切削するためのもので、一端にシャンク部11Aを有する所望径のアーバ11を備えている。
前記アーバ11の前端部11Bの外周面箇所には、図3及び図4に示すように、アーバ11の軸線L2から半径方向に所定の間隔R離されているとともにアーバ11の外周面に接する接線L1と平行で、かつアーバ11の軸線L2と平行な基準面12aを有するチップ取付段部12が形成され、このチップ取付段部12には、工作物1の平坦面1aへの溝入れを行う三角形状の溝入れチップ13が基準面12aに押し当てられた状態で皿ネジ14により固着されている。
【0018】
前記溝入れチップ13は、図3及び図4に示すように、アーバ11がその軸線L2を中心にして回転される時に工作物1の平坦面1aをリング状に切削する切刃13aを有し、そして、溝入れチップ13の切刃13aを含む部分はアーバ11の先端面11aからアーバ11の軸線L2と平行な方向に所定量突出されるように構成されている。
また、工作物1の平坦面1aに形成されるリング溝2の溝幅は、アーバ11の半径方向に延在する切刃13aの刃幅dにより設定され、また、リング溝2の半径はアーバ11の軸線L2から基準面12aまでの間隔Rにより設定されるようになっている。
【0019】
このように構成されたリング溝加工用工具10を用いてリング溝加工を行う場合は、アーバ11のシャンク部11Aを図2の2点鎖線に示す工具ホルダ4によって掴持し、この工具ホルダ4を図示省略した工作機械の主軸に装着することにより、リング溝加工用工具10を図示省略の工作機械主軸に取り付ける。かかる状態で、工作機械主軸を回転するとともに工作物1に対して接近する方向に切り込み送りを行う。これにより、アーバ11の先端部外周に設けられた溝入れチップ13はアーバ11の軸線L2を中心とする半径Rの円上を移動するため、この溝入れチップ13は工作物1の平坦面1aに半径Rのリング溝2を切削加工することになる。
【0020】
このような第1の実施の形態に示すリング溝加工用工具10によれば、アーバ11の前端部11Bの外周面箇所に、アーバ11の外周面に対する接線L1と平行で、かつアーバ11の軸線L2と平行な基準面12aを有するチップ取付段部12を形成し、このチップ取付段部12に工作物平坦面への溝入れ用溝入れチップ13を基準面12aに押し当てた状態で固着し、そして、溝入れチップ13はアーバ11がその軸線L2を中心にして回転される時に工作物1の平坦面1aをリング状に切削する切刃13aを有るとともに、溝入れチップ13の切刃13aを含む部分はアーバ11の先端面からアーバ11の軸線L2と平行な方向に突出されるように構成したので、リング溝加工用工具10全体を、そのアーバ11の軸線L2を中心に回転して、切り込み送りをかけるだけの操作で工作物1の平坦面1aにリング溝2を簡便に加工することができるとともに、工作物平坦面へのリング溝加工を短時間にかつ低コストで行うことができるほか、シール性及び真円度の高いリング溝を加工することができる。
【0021】
次に、図5〜図8により本発明にかかるリング溝加工用工具の第2の実施の形態について説明する。
図5は本発明にかかるリング溝加工用工具の第2の実施の形態を示す全体の側面図、図6は本発明の第2の実施の形態に示すリング溝加工用工具の先端部分の拡大断面図、図7は図6の7−7線に沿う断面図、図8は図6の8−8線に沿う溝入れチップの側面図である。
【0022】
図5において、リング溝加工用工具20は、工作物1の平坦面1aにOリング溝などのリング溝2を切削するためのもので、工作機械の主軸6に装着されるテーパ付きシャンク部21aと、このシャンク部21aの大径側に軸線を一致して設けられた工具交換用のフランジ部21bと、このフランジ部21bの反シャンク部21a側に軸線を一致して設けた所望径及び所望長さのアーバ21cを有するホルダ本体21を備えている。
【0023】
前記アーバ21cの前端部211には、図5〜図8に示すように、前端部211をアーバ21cの軸線L3と直交する直径方向に貫通する取付孔22が形成され、この取付孔22の一端が臨む前端部211の外周面箇所には、少なくとも側部支え面23aを有するチップ保持用段部23が形成され、さらに、取付孔22の他端が臨む前端部211の外周面箇所には取付孔22の軸線L4と直交する取付面24が弦状に切り欠くことにより形成されている。
【0024】
前記取付孔22には、図6〜図8に示すように、チップ支持軸25がアーバ21cの直径方向に移動可能に嵌合されており、そして、このチップ支持軸25の一端にはチップ保持部材26が設けられ、このチップ保持部材26は、少なくともその側面26aがチップ保持用段部23の側部支え面23aに当接された状態に保持される。
前記チップ保持部材26の外周面箇所には、図6〜図8に示すように、アーバ21cの軸線L3から半径方向に所定の間隔離れているとともに、アーバ21cの軸線L3と平行で、かつチップ支持軸25と直角な基準面271を有するチップ取付段部27が形成され、このチップ取付段部27には、工作物1の平坦面1aへの溝入れチップ28が皿ネジ29により基準面271に押し当てられた状態に固着されている。
【0025】
前記溝入れチップ28は、図6〜図8に示すように、アーバ21cがその軸線L3を中心にして回転される時に工作物1の平坦面1aをリング状に切削する切刃282を有し、そして、溝入れチップ28の切刃282を含む部分はアーバ21cの先端面からアーバ21cの軸線L3と平行な方向に所定量突出されているように構成されている。また、このアーバ21cの半径方向に延在する切刃282は、工作物1の平坦面1aに形成されるリング溝2の溝幅を設定する。
【0026】
前記アーバ21cの取付面24には、図5〜図7に示すように、チップ支持軸25をアーバ21cの直径方向に移動して溝入れチップ28の位置をアーバ21cの半径方向に微調整する調整機構30が設けられている。
【0027】
前記調整機構30は、図6及び図7に示すように、チップ支持軸25をアーバ21cの直径方向に微移動させるダイヤルリング31と、このダイヤルリング31をアーバ21cの取付面24に回転可能に保持するロックフランジ32と、ダイヤルリング31をロックフランジ32にプリロードした状態に保持するプリロードナット33及びウェーブスプリング34等を備えている。
【0028】
前記ダイヤルリング31は、図6及び図7に示すように、円筒状を呈し、この円筒状ダイヤルリング31の内周面には、前記チップ支持軸25の前端部外周面に形成した雄ねじ部251に螺合する雌ねじ311がダイヤルリング31の全長に亘り形成され、さらに、ロックフランジ32の外方に突出するダイヤルリング31の外周箇所には、表面に目盛を刻設したフランジ312が一体に設けられている。また、ダイヤルリング31の外方側の開口は塞ぎ板313により閉塞され、ロックフランジ32の内側へ突出するダイヤルリング31の外周面には、前記プリロードナット33が螺合される雄ねじ314が形成されている。
【0029】
前記ロックフランジ32は、図6及び図7に示すように、ダイヤルリング31の雄ねじ315側が嵌合される穴321を有し、このロックフランジ32は複数のボルト35によりアーバ21cの取付面24に固定される構成になっている。
また、36はチップ支持軸25をアーバ21cに固定するためのクランプねじ(請求項に記載したクランプ手段に相当する)であり、このクランプねじ36は、図6及び図7に示すように、溝入れチップ28の切刃282と相対向するアーバ21cの外周からチップ支持軸25と直交するアーバ21cの半径方向に螺合されている。したがって、クランプねじ36をアーバ21cにその半径方向から螺合して締め付けることにより、チップ保持部材26の側面26aがチップ保持用段部23の側部支え面23aに押し付けられるように固定できる構成になっている。
【0030】
前記アーバ21cへのチップ支持軸25を含めた調整機構30の組み付けに際しては、まず、ロックフランジ32の穴321にダイヤルリング31の雄ねじ315側を挿通し、この雄ねじ315にウェーブスプリング34を介してプリロードナット33を螺合し締付けることにより、ダイヤルリング31をロックフランジ32にプリロード状態に組み付ける。
次に、チップ保持部材26のチップ取付段部27に溝入れチップ28が固着された状態にあるチップ支持軸25の雄ねじ部251側をチップ保持用段部23側から取付孔22に挿通し、この雄ねじ部251に上記プリロード状態に組み付けたダイヤルリング31を螺合する。しかる後、ロックフランジ32を複数のボルト35によってアーバ21cの取付面24に固定する。これにより、溝入れチップ28及びチップ支持軸25を含めた調整機構30のアーバ21cへの組み付けが完了する。
【0031】
そして、プリロード状態にあるダイヤルリング31の塞ぎ板313側頭部に図示省略の調整ハンドルを係合してダイヤルリング31を右または左に回転操作することにより、ダイヤルリング31と螺合されたチップ支持軸25は取付孔22内をアーバ21cの直径方向に微移動される。これにより、溝入れチップ28の半径方向の位置が微調整され、工作物1の平坦面1aに加工されるリング溝2の加工半径Rを調整できる。また、溝入れチップ28の半径方向への位置調整が完了した後は、クランプねじ36を締め付けることにより、チップ支持軸25をクランプすると同時に、チップ保持部材26の側面26aをチップ保持用段部23の側部支え面23aに押し付ける。
【0032】
このように構成されたリング溝加工用工具20を用いてリング溝加工を行う場合は、アーバ21cのシャンク部21Aを図5の2点鎖線に示す工作機械の主軸6に装着する。かかる状態で、主軸6を回転するとともに工作物1に対して接近する方向に切り込み送りを行う。これにより、アーバ21cの先端部にチップ支持軸25及びチップ保持部材26等により保持された溝入れチップ28はアーバ21cの軸線L3を中心とする半径Rの円上を移動するため、この溝入れチップ28は工作物1の平坦面1aに半径Rのリング状溝2を切削加工する。
【0033】
このような第2の実施の形態に示すリング溝加工用工具20によれば、アーバ21cの前端部(前端部)211にその直径方向に貫通するように形成した取付孔22にチップ支持軸25をアーバ21cの直径方向に移動可能に嵌合し、このチップ支持軸25の一端に設けたチップ保持部材26の外周面箇所に、アーバ21cの軸線L3と平行で、かつチップ支持軸25と直角な基準面271を有するチップ取付段部27を形成し、このチップ取付段部27に溝入れ用溝入れチップ28を基準面271に押し当てた状態に固着し、そして、溝入れチップ28はアーバ21cがその軸線L3を中心にして回転される時に工作物1の平坦面1aをリング状に切削する切刃282を有するとともに、溝入れチップ28の切刃282を含む部分はアーバ21cの先端面からアーバ21cの軸線L3と平行な方向に所定量突出されるように構成したので、リング溝加工用工具20全体を、そのアーバ21cの軸線L3を中心に回転して、切り込み送りをかけるだけの操作で工作物1の平坦面1aにリング溝2を簡便に加工することができるとともに、工作物平坦面へのリング溝加工を短時間にかつ低コストで行うことができるほか、シール性及び真円度の高いリング溝を加工することができる。
【0034】
また、この第2の実施の形態に示すリング溝加工用工具20によれば、アーバ21cの取付面24に組み付けた調整機構30により、チップ支持軸25をアーバ21cの直径方向に移動して溝入れチップ28の位置をアーバ21cの半径方向に微調整する構成にしたので、工作物1の平坦面1aに加工されるリング溝2の加工半径Rを調整することができる。
また、この第2の実施の形態によれば、クランプねじ36をアーバ21cにその半径方向から螺合して締め付けることにより、チップ保持部材26の側面26aをチップ保持用段部23の側部支え面23aに押し付けることができるから、チップ保持部材26をアーバ21cに強固に結合することができる。
【0035】
次に、図9〜図12により本発明にかかるリング溝加工用工具の第3の実施の形態について説明する。
図9は本発明にかかるリング溝加工用工具の第3の実施の形態を示す一部切り欠きの全体の側面図、図10は本発明の第3の実施の形態に示すリング溝加工用工具の先端部分の拡大断面図、図11は図10の11−11線に沿う断面図、図12は図10の12−12線に沿う溝入れチップの側面図である。
【0036】
図9において、リング溝加工用工具40は、工作物1の平坦面1aにOリング溝などのリング溝2を切削するためのもので、工作機械の主軸6に装着されるテーパ付きシャンク部41aと、このシャンク部41aの大径側に軸線を一致して設けられた工具交換用のフランジ部41bと、このフランジ部41bの反シャンク部41a側に軸線を一致して設けた所望径及び所望長さのアーバ41cを有するホルダ本体41と、前記アーバ41cの先端に軸線を一致して分離可能に結合された、アルミ合金等の軽合金からなる所望径及び所望長さの溝入れ用ヘッド本体42と、このヘッド本体42をアーバ41cの先端に分離可能に結合する結合手段43を備えている。
【0037】
前記結合手段43は、アーバ41cの接合端面41c1に軸線を一致して同心に形成された所望深さの結合穴431と、ヘッド本体42の接合端面42aに軸線を一致して同心に形成され、前記結合穴431に嵌合される結合軸部421とを備える構成になっている。
また、前記アーバ41cには、その外周面から結合穴431内に達する複数のねじ孔433がアーバ41cの軸線に対し直角に形成され、この各ねじ孔433には、結合穴431に嵌合された結合軸部432を外周から締め付けるクランプねじ434が螺合されている。このクランプねじ434は、その螺入先端に先細のテーパ部434aを有し、更に、結合軸部421の外周面には、クランプねじ434のテーパ部434aが係合するクランプ用テーパ穴421aが形成されている。
【0038】
前記ヘッド本体42の前端部には、図9〜図12に示すように、ヘッド本体42をその軸線L5と直交する直径方向に貫通する取付孔45が形成され、この取付孔45の一端が臨むヘッド本体42の外周面箇所には、少なくとも側部支え面46aを有するチップ保持用段部46が形成され、さらに、取付孔45の他端が臨むヘッド本体42の外周面箇所には取付孔45の軸線L6と直交する取付面47が弦状に切り欠くことにより形成されている。
【0039】
また、図10〜図12に示すように、前記取付孔45にはチップ支持軸48がヘッド本体42の直径方向に移動可能に嵌合されており、このチップ支持軸48の一端にはチップ保持部材49が設けられ、このチップ保持部材49は、少なくともその側面49aがチップ保持用段部46の側部支え面46aに当接された状態に保持される。
前記チップ保持部材49の外周面箇所には、図10〜図12に示すように、ヘッド本体42の軸線L5から半径方向に所定の間隔離れているとともに、ヘッド本体42の軸線L5と平行で、かつチップ支持軸48と直角な基準面501を有するチップ取付段部50が形成され、このチップ取付段部50には、工作物1の平坦面1aへの溝入れ用溝入れチップ51が皿ネジ52により基準面501に押し当てられた状態に固着されている。
【0040】
前記溝入れチップ51は、図10〜図12に示すように、ホルダ本体41を含むヘッド本体42がその軸線L5を中心にして回転される時に工作物1の平坦面1aをリング状に切削する切刃512を有し、そして、溝入れチップ51の切刃512を含む部分はヘッド本体42の先端面からヘッド本体42の軸線L5と平行な方向に所定量突出されるように構成されている。また、このヘッド本体42の半径方向に延在する切刃512は、工作物1の平坦面1aに形成されるリング溝2の溝幅を設定する。
【0041】
前記ヘッド本体42の取付面47には、図10及び図11に示すように、チップ支持軸48をヘッド本体42の直径方向に移動して溝入れチップ51の位置をヘッド本体42の半径方向に微調整する調整機構53が設けられている。
【0042】
前記調整機構53は、図10及び図11に示すように、チップ支持軸48をヘッド本体42cの直径方向に微移動させるダイヤルリング54と、このダイヤルリング54をヘッド本体42の取付面47に回転可能に保持するロックフランジ55と、ダイヤルリング54をロックフランジ55にプリロードした状態に保持するプリロードナット56及びウェーブスプリング57等を備えている。
【0043】
前記ダイヤルリング54は、図10及び図11に示すように、円筒状を呈し、この円筒状ダイヤルリング54の内周面には、前記チップ支持軸48の前端部外周面に形成した雄ねじ部481に螺合する雌ねじ541がダイヤルリング54の全長に亘り形成され、さらに、ロックフランジ55の外方に突出するダイヤルリング54の外周箇所には、表面に目盛を刻設したフランジ542が一体に設けられている。また、ダイヤルリング54の外方側の開口は塞ぎ板543により閉塞され、ロックフランジ55の内側へ突出するダイヤルリング54の外周面には、前記プリロードナット56が螺合される雄ねじ544が形成されている。
【0044】
前記ロックフランジ55は、図10及び図11に示すように、ダイヤルリング54の雄ねじ545側が嵌合される穴551を有し、このロックフランジ55は複数のボルト58によってヘッド本体42の取付面47に固定される構成になっている。
また、59はチップ支持軸48をヘッド本体42に固定するためのクランプねじ(請求項に記載したクランプ手段に相当する)であり、このクランプねじ59は、溝入れチップ51の切刃512と相対向するヘッド本体42の外周からチップ支持軸48と直交するヘッド本体42の半径方向に螺合されている。したがって、クランプねじ59をヘッド本体42にその半径方向から螺合して締め付けることにより、チップ保持部材49の側面49aがチップ保持用段部46の側部支え面46aに押し付けられるように固定できる構成になっている。
【0045】
前記ヘッド本体42へのチップ支持軸48を含めた調整機構53の組み付けに際しては、まず、ロックフランジ55の穴551にダイヤルリング54の雄ねじ545側を挿通し、この雄ねじ545にウェーブスプリング57を介してプリロードナット56を螺合し締め付けることにより、ダイヤルリング54をロックフランジ55にプリロード状態に組み付ける。
次に、チップ保持部材49のチップ取付段部50に溝入れチップ51が固着された状態にあるチップ支持軸48の雄ねじ部481側をチップ保持用段部46側から取付孔45に挿通し、この雄ねじ部481に上記プリロード状態に組み付けたダイヤルリング54を螺合する。しかる後、ロックフランジ55を複数のボルト58によってヘッド本体42の取付面47に固定する。これにより、溝入れチップ51及びチップ支持軸48を含めた調整機構53のヘッド本体42への組み付けが完了する。
【0046】
そして、プリロード状態にあるダイヤルリング54の塞ぎ板543側頭部に図示省略の調整ハンドルを係合してダイヤルリング54を右または左に回転操作することにより、ダイヤルリング54と螺合されたチップ支持軸48は取付孔45内をヘッド本体42の直径方向に微移動される。これにより、溝入れチップ51の半径方向の位置が微調整され、工作物1の平坦面1aに加工されるリング溝2の加工半径Rを調整できる。また、溝入れチップ51の半径方向への位置調整が完了した後は、クランプねじ59を締め付けることにより、チップ支持軸48をクランプすると同時に、チップ保持部材49の側面49aをチップ保持用段部46の側部支え面46aに押し付ける。
次に、ヘッド本体42の結合軸部421をアーバ41cの結合穴431に嵌合した後、アーバ41cの各ねじ孔433にクランプねじ434を螺合し締め付けることにより、ヘッド本体42をアーバ41cに一体に結合する。
【0047】
このように構成されたリング溝加工用工具40を用いてリング溝加工を行う場合は、ホルダ本体41のシャンク部41aを図8の2点鎖線に示す工作機械の主軸6に装着する。かかる状態で、主軸6を回転するとともに工作物1に対して接近する方向に切り込み送りを行う。これにより、ヘッド本体42の先端部にチップ支持軸48及びチップ保持部材49等を介して保持さられた溝入れチップ51はヘッド本体42の軸線L5を中心とする半径Rの円上を移動するため、この溝入れチップ51は工作物1の平坦面1aに半径Rのリング状溝2を切削加工することになる。
【0048】
このような第3の実施の形態に示すリング溝加工用工具40によれば、ホルダ本体41の先端に分離可能に設けたヘッド本体42に、その直径方向に貫通するように形成した取付孔45にチップ支持軸48をヘッド本体42の直径方向に移動可能に嵌合し、このチップ支持軸48の一端に設けたチップ保持部材49の外周面箇所に、ヘッド本体42の軸線L5と平行で、かつチップ支持軸48と直角な基準面501を有するチップ取付段部50を形成し、このチップ取付段部50に溝入れ用溝入れチップ51を基準面501に押し当てた状態に固着し、そして、溝入れチップ51は、ホルダ本体41を含むヘッド本体42がその軸線L5を中心にして回転される時に工作物1の平坦面1aをリング状に切削する切刃512を有するとともに、溝入れチップ51の切刃512を含む部分はヘッド本体42の先端面からヘッド本体42の軸線L5と平行な方向に所定量突出されるように構成したので、ホルダ本体41をヘッド本体42の軸線L5を中心に回転して、切り込み送りをかけるだけの操作で工作物1の平坦面1aにリング溝2を簡便に加工することができるとともに、工作物平坦面へのリング溝加工を短時間にかつ低コストで行うことができるほか、シール性及び真円度の高いリング溝を加工することができる。
【0049】
また、この第3の実施の形態に示すリング溝加工用工具40によれば、ヘッド本体42の取付面47に組み付けた調整機構53により、チップ支持軸48をヘッド本体42の直径方向に移動して溝入れチップ51の位置をヘッド本体42の半径方向に微調整する構成にしたので、工作物1の平坦面1aに加工されるリング溝2の加工半径Rを調整することができる。
また、この第3の実施の形態によれば、クランプねじ59をヘッド本体42にその半径方向から螺合して締め付けることにより、チップ保持部材49の側面49aをチップ保持用段部46の側部支え面46aに押し付けることができるから、チップ保持部材49をヘッド本体42に強固に結合することができる。
【0050】
また、この第3の実施の形態に示すリング溝加工用工具40によれば、ヘッド本体42をアルミ合金等の軽合金材から成形したので、リング溝加工用工具40のヘッド部分を軽量化することができる。
また、ホルダ本体41の先端にヘッド本体42を結合手段43により互いに軸線を一致して分離可能に結合することにより、溝入れ用ヘッド本体の交換を容易に行うことができる。
【0051】
次に、図13により本発明の第2の実施の形態に示す変形例について説明する。
図13は、この変形例におけるリング溝加工用工具の先端部分を拡大して示す断面図である。
この図13において、図6と同一の構成要素には同一符号付して、その構成説明を省略し、第2の実施の形態と異なる部分を重点に述べる。
【0052】
この変形例において、第2の実施の形態と異なる点は、チップ保持部材26がチップ支持軸25の一端に結合手段60により着脱可能に結合されたところにある。
前記結合手段60は、図13に示すように、チップ支持軸25の一端面に同心に突設した結合軸部601と、チップ支持軸25の一端面と相対向するチップ保持部材26の背面箇所に形成され前記結合軸部601が嵌合される結合穴602と、前記結合軸部601を含む前記チップ支持軸25の軸心部に結合軸部601端面からチップ支持軸25の他端方向に延在して形成された左ねじ形式の雌ねじ孔603と、前記チップ支持軸25と反対の側からチップ保持部材26を貫通して結合穴602に連通するように同軸に形成したボルト挿通孔604と、このボルト挿通孔604を通して前記雌ねじ孔603に螺合し締め付けることによりチップ保持部材26をチップ支持軸25及びチップ保持部材26に結合する左ねじ形式の結合ボルト605とを備えている。
【0053】
このような変形例において、チップ支持軸25の結合軸部601にチップ保持部材26の結合穴602を嵌合した状態で、左ねじの結合ボルト605をボルト挿通孔604に挿通して雌ねじ孔603に螺合し締付ける。これにより、チップ保持部材26はチップ支持軸25に結合されると同時にチップ保持部材26の側面26aが、チップ保持用段部23の側部支え面23aに当接されるため、ホルダ本体21のアーバ21cへのチップ保持部材26の結合を、より強固にできる。これに伴い、ビビリなどがなくなり、高精度のリング溝加工を行うことができる。
また、この変形例によれば、チップ保持部材26を結合手段60によりチップ支持軸25の一端に着脱可能に結合できるため、溝幅の異なるリング溝を加工する場合などに、溝入れチップ28を含むチップ保持部材26を交換するのみで対応でき、同一のホルダ本体を溝幅の異なる工具として兼用することができる。
【0054】
なお、本発明における調整機構は、上記第2及び第3の実施の形態に示す構成のものに限定されないほか、上記第2及び第3の実施の形態に示す場合と逆に調整機構を溝入れチップが設けられる側に設けるようにしてもよい。
また、上記変形例では、チップ保持部材26とチップ支持軸25とを結合手段60により分離可能に結合する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、上記変形例に示す構成の結合手段を上記図9〜図11に示すリング溝加工用工具のチップ支持軸48とチップ保持部材49とを分離可能に結合する場合にも同様に適用することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のリング溝加工用工具によれば、工具用のホルダ本体等に対して回転と切り込み送りを与えるのみで、工作物平坦面へのリング溝加工を簡便に、かつ低コストで可能にするとともに、シール性及び真円度の高いリング溝を加工することができる。
【0056】
また、本発明によれば、調整機構により溝入れチップの位置をアーバまたはヘッド本体の直径方向に移動して溝入れチップを半径方向に微調整できる構成にすることにより、工作物の平坦面に加工されるリング溝の加工半径を調整することができる。
また、本発明によれば、ヘッド本体をアルミ合金等の軽合金材から構成することにより、リング溝加工用工具のヘッド部分を軽量化することができる。
さらにまた、本発明によれば、ホルダ本体の先端にヘッド本体を結合手段によって互いに軸線を一致して分離可能に結合することにより、溝入れ用ヘッド本体の交換を容易に行うことができるという効果がある。
【0057】
また、本発明によれば、チップ支持軸を該チップ支持軸と直交するアーバまたはヘッド本体の半径方向からクランプ手段で締め付けてチップ保持部材の側面をチップ保持用段部の側部支え面に押し付けることにより、アーバまたはヘッド本体へのチップ保持部材の結合を、より強固にすることができる。
さらにまた、本発明によれば、チップ保持部材を結合手段によりチップ支持軸の一端に着脱可能に結合できるため、溝幅の異なるリング溝を加工する場合などに、溝入れチップを含むチップ保持部材を交換するのみで対応できる。
また、本発明によれば、チップ保持部材の少なくとも底面と背面がそれぞれ当接される底部支え面及び背部支え面を有するチップ保持用段部をアーバまたはヘッド本体に設け、チップ保持部材とチップ支持軸の結合手段を構成する左ねじ形式の結合ボルトを雌ねじ孔に螺合して締付けた時にチップ保持部材の側面をチップ保持用段部の側部支え面に押し付けるように構成することにより、チップ保持部材のアーバまたはヘッド本体への結合を、より強固にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来におけるリング溝加工方法の説明図である。
【図2】本発明にかかるリング溝加工用工具の第1の実施の形態を示す全体の側面図である。
【図3】図2の3−3線に沿う拡大底面図である。
【図4】図3の4−4線に沿う拡大側面図である。
【図5】本発明にかかるリング溝加工用工具の第2の実施の形態を示す全体の側面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に示すリング溝加工用工具の先端部分の拡大断面図である。
【図7】図6の7−7線に沿う拡大断面図である。
【図8】図6の8−8線に沿う溝入れチップの側面図である。
【図9】本発明にかかるリング溝加工用工具の第3の実施の形態を示す一部切り欠きの全体の側面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に示すリング溝加工用工具の先端部分の拡大断面図である。
【図11】図10の11−11線に沿う拡大断面図である。
【図12】図10の12−12線に沿う溝入れチップの側面図である。
【図13】本発明の変形例におけるリング溝加工用工具の先端部分を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 工作物
1a 平坦面
2 リング溝
10 リング溝加工用工具
11 アーバ
11A シャンク部
12 チップ取付段部
12a 基準面
13 溝入れチップ
13b 切刃
20 リング溝加工用工具
21 ホルダ本体
21a シャンク部
21b フランジ部
21c アーバ
22 取付孔
23 チップ保持用段部
23a 側部支え面
25 チップ支持軸
26 チップ保持部材
27 チップ取付段部
271 基準面
28 溝入れチップ
282 切刃
30 調整機構
40 リング溝加工用工具
41 ホルダ本体
41a シャンク部
41b フランジ部
41c アーバ
42 ヘッド本体
43 結合手段
45 取付孔
46 チップ保持用段部
46a 側部支え面
48 チップ支持軸
49 チップ保持部材
50 チップ取付段部
501 基準面
51 溝入れチップ
512 切刃
53 調整機構
60 結合手段
601 結合軸部
602 結合穴
603 雌ねじ孔
604 ボルト挿通孔
605 結合ボルト

Claims (13)

  1. 工作物の平坦面にリング溝を切削するリング溝加工用工具であって、
    一端にシャンク部を有する所望径のアーバを備え、
    前記アーバの他端部の外周面箇所には、前記アーバの軸線から半径方向に所定の間隔離れているとともに前記外周面箇所の外周面に接する接線と平行で、かつアーバの軸線と平行な基準面を有するチップ取付段部が形成され、前記チップ取付段部には前記工作物平坦面への溝入れチップが前記基準面に押し当てられた状態に固着され、前記溝入れチップは前記アーバがその軸線を中心にして回転される時に前記工作物の平坦面をリング状に切削する切刃を有し、前記溝入れチップの切刃を含む部分は前記アーバの先端面からアーバの軸線と平行な方向に所定量突出されるように構成したことを特徴とするリング溝加工用工具。
  2. 前記工作物の平坦面に形成されるリング溝の溝幅は、前記アーバの半径方向に延在する前記切刃の刃幅により設定され、かつ前記リング溝の半径は前記アーバの軸線から前記基準面までの間隔に応じて設定されることを特徴とする請求項1記載のリング溝加工用工具。
  3. 工作物の平坦面にリング溝を切削するリング溝加工用工具であって、
    工作機械主軸への装着用シャンク部及び該シャンク部の一端に互いの軸線が一致するように設けたアーバを有するホルダ本体を備え、
    前記アーバの先端部には該先端部をアーバの軸線と交叉する方向に延在する取付孔が形成され、前記取付孔にチップ支持軸がアーバの軸線と交叉する方向に移動可能に嵌合され、前記チップ支持軸の一端にチップ保持部材が設けられ、前記チップ保持部材の外周面箇所には、前記アーバの軸線から半径方向に所定の間隔離れているとともに前記アーバの軸線と平行で、かつ前記チップ支持軸と直角な基準面を有するチップ取付段部が形成され、前記チップ取付段部には前記工作物平坦面への溝入れチップが前記基準面に押し当てられた状態に固着され、前記溝入れチップは前記アーバがその軸線を中心にして回転される時に前記工作物の平坦面をリング状に切削する切刃を有し、前記溝入れチップの切刃を含む部分は前記アーバの先端面からアーバの軸線と平行な方向に所定量突出されるように構成され、更に、前記アーバの前端部には前記チップ支持軸をアーバの半径方向に移動して前記溝入れチップの位置をアーバの半径方向に微調整する調整機構が設けられていることを特徴とするリング溝加工用工具。
  4. 前記工作物の平坦面に形成されるリング溝の溝幅は、前記アーバの半径方向に延在する前記切刃の刃幅により設定され、かつ前記リング溝の半径は前記アーバの軸線から前記基準面までの間隔に応じて設定されることを特徴とする請求項3記載のリング溝加工用工具。
  5. 前記チップ支持軸を前記アーバに固定するクランプ手段を備えることを特徴とする請求項3記載のリング溝加工用工具。
  6. 前記取付孔の一端が臨む箇所には前記チップ保持部材の少なくとも側面が当接される側部支え面を有するチップ保持用段部が形成され、前記アーバには、前記チップ支持軸を該チップ支持軸と直交する前記アーバの半径方向から螺合して締め付けることにより前記チップ保持部材の側面が前記側部支え面に押し付けられるように固定するクランプねじを設けたことを特徴とする請求項3記載のリング溝加工用工具。
  7. 工作物の平坦面にリング溝を切削するリング溝加工用工具であって、
    工作機械主軸への装着用シャンク部及び該シャンク部の一端に互いの軸線が一致するように設けたアーバを有するホルダ本体と、前記アーバの先端部に互いの軸線を一致して着脱可能に設けた所望径の軽合金からなる溝入れ用のヘッド本体とを備え、
    前記ヘッド本体には該ヘッド本体の軸線と交叉する方向に延在する取付孔が形成され、前記取付孔にチップ支持軸がヘッド本体の軸線と交叉する方向に移動可能に嵌合され、前記チップ支持軸の一端にチップ保持部材が設けられ、前記チップ保持部材の外周面箇所には、前記ヘッド本体の軸線から半径方向に所定の間隔離れているとともに前記ヘッド本体の軸線と平行で、かつ前記チップ支持軸と直角な基準面を有するチップ取付段部が形成され、前記チップ取付段部には前記工作物平坦面への溝入れチップが前記基準面に押し当てられた状態に固着され、前記溝入れチップは前記ホルダ本体を含むヘッド本体がその軸線を中心にして回転される時に前記工作物の平坦面をリング状に切削する切刃を有し、前記溝入れチップの切刃を含む部分は前記ヘッド本体の先端面からヘッド本体の軸線と平行な方向に所定量突出されるように構成され、更に、前記ヘッド本体には前記チップ支持軸をヘッド本体の半径方向に移動して前記溝入れチップの位置をヘッド本体の半径方向に微調整する調整機構が設けられていることを特徴とするリング溝加工用工具。
  8. 前記工作物の平坦面に形成されるリング溝の溝幅は、前記ヘッド本体の半径方向に延在する前記切刃の刃幅により設定され、かつ前記リング溝の半径は前記ヘッド本体の軸線から前記基準面までの間隔に応じて設定されることを特徴とする請求項7記載のリング溝加工用工具。
  9. 前記チップ支持軸を前記ヘッド本体に固定するクランプ手段を備えることを特徴とする請求項7記載のリング溝加工用工具。
  10. 前記取付孔の一端が臨む箇所には前記チップ保持部材の少なくとも側面が当接される側部支え面を有するチップ保持用段部が形成され、前記アーバには、前記チップ支持軸を該チップ支持軸と直交する前記アーバの半径方向から螺合して締め付けることにより前記チップ保持部材の側面が前記側部支え面に押し付けられるように固定するクランプねじを設けたことを特徴とする請求項7記載のリング溝加工用工具。
  11. 前記チップ保持部材は前記チップ支持軸の一端に結合手段により着脱可能に結合されていることを特徴とする請求項3または7記載のリング溝加工用工具。
  12. 前記結合手段は、前記チップ保持部材の前記チップ支持軸の一端と相対向する箇所に形成され前記チップ支持軸の一端部が嵌合される結合穴と、前記チップ支持軸の軸心部に該チップ支持軸の一端面からチップ支持軸の他端方向に延在して形成した雌ねじ孔と、前記チップ支持軸と反対の側から前記チップ保持部材を貫通して前記雌ねじ孔に螺合される結合ボルトとを備えることを特徴とする請求項11記載のリング溝加工用工具。
  13. 前記チップ保持部材は前記チップ支持軸の一端に結合手段により着脱可能に結合され、前記結合手段は、前記チップ保持部材の前記チップ支持軸の一端と相対向する箇所に形成され前記チップ支持軸の一端部が嵌合される結合穴と、前記チップ支持軸の軸心部に該チップ支持軸の一端面からチップ支持軸の他端方向に延在して形成した雌ねじ孔と、前記チップ支持軸と反対の側から前記チップ保持部材を貫通して前記雌ねじ孔に螺合される結合ボルトとを備え、前記取付孔の一端が臨む箇所には前記チップ保持部材の少なくとも側面が当接される側部支え面を有するチップ保持用段部が形成され、前記結合ボルトを前記雌ねじ孔に螺合して締付けた時に前記チップ保持部材の側面が前記チップ保持用段部の側部支え面に押し付けられるように構成したことを特徴とする請求項3または7記載のリング溝加工用工具。
JP2002372549A 2002-12-24 2002-12-24 リング溝加工用工具 Pending JP2004202605A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002372549A JP2004202605A (ja) 2002-12-24 2002-12-24 リング溝加工用工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002372549A JP2004202605A (ja) 2002-12-24 2002-12-24 リング溝加工用工具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004202605A true JP2004202605A (ja) 2004-07-22

Family

ID=32811128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002372549A Pending JP2004202605A (ja) 2002-12-24 2002-12-24 リング溝加工用工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004202605A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007152453A (ja) * 2005-12-01 2007-06-21 Kuroda Precision Ind Ltd ボーリングヘッド

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007152453A (ja) * 2005-12-01 2007-06-21 Kuroda Precision Ind Ltd ボーリングヘッド

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2648823B2 (ja) ばり取り工具
US20020015623A1 (en) Rotatable tool having a replaceable tip at the chip removing free end of the tool
EP0790878B1 (en) Multi-handed milling cutter having indexable wedges and inserts
JP2006305673A (ja) ツールホルダ
JP2003225819A (ja) ホールソー
JP2002137132A (ja) 工具の刃先位置決め機構
JP2004202605A (ja) リング溝加工用工具
JP4227745B2 (ja) 案内シャンクを備えたリーマ仕上げ工具
JP2004042198A (ja) 精密鋳造部品の仕上げ加工用治具
JP5780188B2 (ja) 切削部材のクランプ機構及びこれを用いた刃部交換式切削工具
JP3160232B2 (ja) 複合穴加工工具
CN112935317A (zh) 具有相对环形凸台的零件的加工方法
JPH10504A (ja) ボーリング用工具
KR0129555B1 (ko) 절삭공구
JPH0379123B2 (ja)
JPH0957517A (ja) 面取り用カッター
JPH11254222A (ja) 切削工具
CN214291034U (zh) 一种焊接式pcd复合铰刀
JPS6365450B2 (ja)
JPH0513454Y2 (ja)
JP7360001B2 (ja) 機械工具及び切削加工物の製造方法
KR101169348B1 (ko) 절삭공구용 홀더의 연결장치
JP3265335B2 (ja) 工具ホルダ
JP2001277015A (ja) テーパ穴加工方法およびテーパ穴加工用工具
JPS6246517Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050131

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070425

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070522

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070719

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080122