JP2004202311A - 塗装装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エアレススプレーガン1のグリップ3に、気液混合バルブ20を接続する。塗料供給口24から液体状の塗料を供給すると共に、エア供給口33からエアを供給すると、塗料とエアとが混合用通路23において混合され、エアが混合された塗料が塗料通路12に供給される。トリガ15を引き操作すると、ニードル弁13が移動して弁口8が開放され、エアが混合された塗料が、吐出口7から霧状に吐出される。このとき、塗料に混ざったエアが、塗料を霧状にすることを補助する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアレススプレーガンを用いた塗装装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、スプレーガンを用いて塗装する方式としては、エアスプレーガンを用いるエアスプレー方式と、エアレススプレーガンを用いるエアレススプレー方式とがある。
【0003】
このうちエアスプレー方式は、圧送タンクから圧送された液体状の塗料を、エアスプレーガン先端のエアキャップから噴出された圧送エアにより霧状にして吐出させて塗装する方式である。また、エアレススプレー方式は、プランジャポンプ等の高圧ポンプで加圧・圧送された塗料を、エアレススプレーガン先端のノズルチップの吐出口(小口径のオリフィス)から扇形状に噴出させ、塗料が空気に衝突することによって霧状になることを利用して塗装を行う方式である。
【0004】
上記した従来構成のうち、エアスプレー方式のものでは、構成が簡単で扱いやすいという利点があるが、塗料を霧化させることに利用するエア流に随伴し、被塗物に付着しないで飛散する塗料の量が多く、塗着効率が悪いという欠点がある。
【0005】
一方、エアレススプレー方式のものでは、圧送エアを使わずに塗料を霧化する方式であるため、エアスプレー方式に比べて塗着効率が良いという利点があるが、塗料を高圧(例えば6〜21MPa)で圧送するための高圧ポンプを必要とすると共に、高圧の塗料を扱うため、危険を伴うという欠点がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、塗着効率はエアレススプレー方式並でありながら、高圧ポンプ等の高圧機器を必要とせず、安全な塗装装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明の塗装装置は、塗料通路の弁を開放動作させることに基づき、前記塗料通路に供給された液体状の塗料を当該塗料通路の出口側に連通した吐出口から吐出させる構成のエアレススプレーガンと、このエアレススプレーガンの前記塗料通路の入口側に接続するように設けられ、塗料とエアとを混合させた状態で前記塗料通路に供給する気液混合手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
上記構成のものの場合、気液混合手段において塗料とエアとが混合され、この気液混合状態の塗料がエアレススプレーガンの塗料通路に供給される。エアレススプレーガンにおける塗料通路の弁が開放動作されると、気液混合状態の塗料は塗料通路の出口側の吐出口から霧状になって吐出される。このとき、塗料に混ざったエアが、塗料を霧状にすることを補助する作用がある。
【0009】
上記したものは、スプレーガンとしてはエアレススプレーガンであり、塗料通路を通る塗料に混ざったエアが、吐出口から吐出される塗料を霧状にすることを補助する構成である。このため、当該エアレススプレーガンの先端にはエアスプレーガンのようなエアキャップを設ける必要がなく、エアキャップから噴出される圧送エアで霧状にするものではない。このため、塗着効率としては、エアスプレー方式に比べて高く、エアレススプレー並になる。
【0010】
また、塗料に混ざったエアが、塗料を霧状にすることを補助する構成であるため、エアレススプレー方式のように塗料を高圧で圧送する必要がない。このため、塗料を高圧で圧送するための高圧ポンプ等の高圧機器を必要としないと共に、高圧に伴う危険もなく、安全である。
【0011】
請求項2の発明は、エアレススプレーガンにおける塗料通路中にフィルタを備えたことを特徴とする。
これによれば、気液混合手段から供給された気液混合状態の塗料は、フィルタを通過する過程で、エアと一層細かく、しかも均一に混合されると共に、流速が均等化されるようになる。このため、被塗物への塗膜面には、むらができにくくなり、塗装の仕上がりが良好となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
まず、図1において、1はエアレススプレーガンである。このエアレススプレーガン1は、上部側にボディ2を有し、下部側にグリップ3を有している。ボディ2の前部(図1において左側)には、ノズルチップ取付用の筒状をなすアダプタ4を介してノズルチップ5が装着されており、ボディ2の後部にはエンドキャップ6が装着されている。ノズルチップ5には、先端部に小径の吐出口7が形成されていると共に、アダプタ4側にその吐出口7と連通する弁口8が形成されている。
【0013】
上記アダプタ4の内部にはアダプタ側通路9が設けられ、ボディ2の内部にはボディ側通路10が設けられ、グリップ3内部にはグリップ側通路11が設けられている。これらアダプタ側通路9、ボディ側通路10、およびグリップ側通路11は連通していて、塗料通路12を構成している。アダプタ側通路9の出口側は、上記弁口8と連通するようになっている。
【0014】
ボディ2の内部には、図1の左右方向に延びるニードル弁(弁)13が軸方向(長手方向)に移動可能に設けられている。このニードル弁13は、上記弁口8を開閉するためのもので、アダプタ4を貫通していると共に、ばね14により閉鎖方向である矢印A1方向に付勢されている。図1は、ニードル弁13が弁口8を閉鎖した状態を示し、図2は、ニードル弁13が弁口8を開放した状態を示している。
【0015】
また、ボディ2には、トリガ15が軸16を支点にして回動可能に設けられている。このトリガ15を矢印A2方向へ回動操作すると、当該トリガ15により上記ニードル弁13がばね14の付勢力に抗して矢印A1とは反対方向へ移動される構成となっている。
【0016】
上記グリップ3のグリップ側通路11には、網目状のフィルタ17が設けられている。グリップ側通路11の入口側である下端部は、グリップ3の下端部において開放されている。
【0017】
グリップ3の下端部には、アダプタ19を介して、気液混合手段を構成する気液混合バルブ20が着脱可能に装着されている。この気液混合バルブ20は、塗料用通路21と、エア用通路22と、これら両通路21,22に連通した混合用通路23とを有していて、混合用通路23の出口側が、アダプタ19を介してグリップ側通路11の入口に連通している。
【0018】
塗料用通路21の下部は、塗料供給口24と塗料戻り口25とに分岐されていて、その分岐部の上部側に、弁口26を開閉するボール状の逆止弁27が設けられている。この逆止弁27は、ばね28により弁口26を上方から閉鎖する方向に付勢されている。また、塗料供給口24と塗料戻り口25との分岐部には、塗料の流量を調整するための調整用ニードル29が設けられている。
【0019】
エア用通路22の入口側には、弁口30を開閉する棒状の逆止弁31が設けられていて、この逆止弁31は、ばね32により弁口30を上方から閉鎖する方向に付勢されている。エア用通路22の入口側はエア供給口33とされている。
【0020】
次に上記構成の作用を説明する。
上記したエアレススプレーガン1を用いて塗装を行う場合には、まず、気液混合バルブ20における塗料供給口24を、図示しない塗料タンクの塗料供給路に接続すると共に、塗料戻り口25を、その塗料タンクの塗料戻し路に接続し、また、エア供給口33を、図示しないエア供給源のエア供給路に接続する。このとき、塗料供給口24への塗料の供給圧力と、エア供給口33へのエアの供給圧力とは同じに設定し、その圧力は例えば0.3〜0.4MPaとする。
【0021】
ここで、液体状の塗料が塗料供給口24へ供給されると、その塗料は、供給圧力で逆止弁27を開放させながら塗料用通路21を通り、混合用通路23へ供給される。また、エアがエア供給口33へ供給されると、そのエアは、供給圧力で逆止弁31を開放させながらエア用通路22を通り、混合用通路23へ供給される。混合用通路23へ供給された塗料およびエアはここで混合され、気液混合状態の塗料として、エアレススプレーガン1の塗料通路12へ供給される。塗料通路12へ供給された気液混合状態の塗料は、フィルタ17を通過してアダプタ側通路9へ送られる。
【0022】
エアレススプレーガン1のグリップ3を握り、ノズルチップ5の吐出口7を、図示しない被塗物へ向けた状態で、トリガ15を、図1中矢印A2方向へ引き操作すると、図2に示すように、ニードル弁13がばね14の付勢力に抗して矢印A1とは反対方向へ移動され、弁口8が開放される。すると、塗料通路12に供給された塗料が、ノズルチップ5の吐出口7から霧状に吐出され、被塗物に吹き付けられる。
【0023】
このとき、吐出口7から吐出される塗料に含まれたエアが、塗料が霧状になることを補助する作用がある。また、気液混合状態の塗料がフィルタ17を通過することに伴い、エアと塗料とが一層細かく、しかも均一に混合されると共に、流速が均一化されるようになる。
【0024】
なお、塗料供給口24から供給された塗料のうち、余分な塗料は、塗料戻り口25から塗料タンク側へ戻される。また、塗料用通路21の逆止弁27、およびエア用通路22の逆止弁31は、塗料やエアが逆流することを防止する。
【0025】
上記した実施例によれば、次のような効果を得ることができる。
すなわち、上記した塗装装置は、スプレーガンとしてはエアレススプレーガン1であり、塗料通路12を通る塗料に混ざったエアが、吐出口7から吐出される塗料を霧状にすることを補助する構成である。このため、当該エアレススプレーガン1の先端にはエアスプレーガンのようなエアキャップを設ける必要がなく、エアキャップから噴出される圧送エアで霧状にするものではない。このため、被塗物への塗着効率としては、エアスプレー方式に比べて高く、エアレススプレー並になる。
【0026】
また、塗料に混ざったエアが、塗料を霧状にすることを補助する構成であるため、塗料およびエアの供給圧力としては0.3〜0.4MPa程度の圧力でよく、エアレススプレー方式のように塗料を高圧で圧送する必要がない。このため、塗料を高圧で圧送するための高圧ポンプ等の高圧機器を必要とせず、既設の低圧の塗料循環ラインを流用することが可能となる。また、高圧機器を使用しないため、高圧に伴う危険もなく、安全である。
【0027】
さらに、エアレススプレーガン1における塗料通路12中にフィルタ17を設けているので、気液混合バルブ20から供給された気液混合状態の塗料は、フィルタ15を通過する過程で、空気と一層細かく、しかも均一に混合されると共に、流速が均等化されるようになる。このため、特に、メタリック塗料の塗装の場合において、被塗物への塗膜面にむら(色の明暗が斑状に現れる不良)が発生し難くなる。これに伴い、高度な塗装技術がなくても、塗装の仕上がりが良好となる。
【0028】
本発明は、上記した実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
気液混合バルブ20の上流側に、塗料供給口24に供給する圧力と、エア供給口33に供給する圧力とを調整する調圧手段を設けることができる。このような調圧手段を設けた場合には、使い勝手を一層向上できるようになる。
使用する塗料としては、メタリック塗料以外の塗料でもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、エアレススプレーガンと、このエアレススプレーガンの塗料通路に塗料と空気とを混合した状態で供給する気液混合手段とを組み合わせた構成とすることにより、塗着効率はエアレススプレー方式並でありながら、高圧ポンプ等の高圧機器を必要とせず、安全な塗装装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、スプレー待機状態での縦断側面図
【図2】スプレー状態でのエアレススプレーガンの縦断側面図
【符号の説明】
図面中、1はエアレススプレーガン、5はノズルチップ、7は吐出口、12は塗料通路、13はニードル弁(弁)、17はフィルタ、20は気液混合バルブ(気液混合手段)、21は塗料用通路、22はエア用通路、23は混合用通路を示す。
Claims (2)
- 塗料通路の弁を開放動作させることに基づき、前記塗料通路に供給された液体状の塗料を当該塗料通路の出口側に連通した吐出口から吐出させる構成のエアレススプレーガンと、
このエアレススプレーガンの前記塗料通路の入口側に接続するように設けられ、塗料とエアとを混合させた状態で前記塗料通路に供給する気液混合手段とを備えたことを特徴とする塗装装置。 - 前記エアレススプレーガンの前記塗料通路中にフィルタを備えたことを特徴とする請求項1記載の塗装装置。
Priority Applications (1)
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JP2002372051A JP2004202311A (ja) | 2002-12-24 | 2002-12-24 | 塗装装置 |
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JP2002372051A JP2004202311A (ja) | 2002-12-24 | 2002-12-24 | 塗装装置 |
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JP2002372051A Pending JP2004202311A (ja) | 2002-12-24 | 2002-12-24 | 塗装装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113560073A (zh) * | 2021-07-26 | 2021-10-29 | 浦惠新材料科技(江苏)有限公司 | 一种离心机喷涂设备及其喷涂方法 |
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2002
- 2002-12-24 JP JP2002372051A patent/JP2004202311A/ja active Pending
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