JP2004201533A - 蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置の運転方法 - Google Patents

蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置の運転方法 Download PDF

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英夫 設楽
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Abstract

【課題】殺菌時間の監視が可能であり、蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置の信頼性を向上させることができる蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置の運転方法を提供すること。
【解決手段】殺菌されるべき液体に直接蒸気を吹き込んで加熱した後、保持管内を流動させ、該保持管内において所定の保持温度で所定の保持時間保持する蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置の運転方法において、前記保持管の少なくとも一部を透明管とし、該保持管内の液体の流速を、前記透明管を介して光ファイバー式レーザー流速計で測定し、その流速が、前記液体を前記所定の保持時間、前記保持管内に保持できる範囲内にあるかどうかを監視する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状食品の殺菌に用いられる蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置の運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液状食品の殺菌に用いられる装置の1つとして、超高温瞬間加熱(UHT)処理装置がある。UHT処理装置の加熱方式としては、主に、金属壁等を隔てて間接的に加熱する間接加熱方式と、蒸気により液体を直接加熱する直接蒸気加熱方式が用いられている。
直接加熱方式は、最終加熱が瞬間的に行われ、熱の製品への影響が最小限に保たれること、加熱後の冷却に真空装置を使用するため異臭除去ができること、間接加熱方式と違い、加熱用伝熱面へのスケール付着の心配がないことなどの利点を有している。
【0003】
直接加熱方式による殺菌装置としては、液状食品の流れに加熱用の蒸気を吹き込んで加熱する蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置がある。
蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置においては、殺菌されるべき液体は、ポンプにより配管中を流動し、インジェクションヒーターによって直接蒸気を吹き込まれて殺菌温度まで加熱され、保持管において所定の保持温度(殺菌温度付近の温度)で所定の保持時間保持された後、蒸発タンクにおいて吹き込まれた蒸気の水分が除去され、殺菌液体とされる。
【0004】
従来、蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置の保持管には、管内の液体の温度を監視するために温度計が装着され、その温度によって液状食品の加熱状態を制御していた(特許文献1、2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−87159号公報
【特許文献2】
特開昭62−87160号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、殺菌されるべき液体の粘度が変化すると、ポンプの容積効率が変化し、吐出流量の変化をもたらす。また、液体の粘度の変化は、インジェクションヒーターなどの流路抵抗に基づく背圧の変化となってポンプの容積効率に影響を及ぼし、吐出流量を変化させる。このような液体の粘度の変化は、特に、殺菌装置の稼働開始時に、流動させる液体を例えば水から乳飲料等の液状食品に切り替えた際、及び殺菌装置を停止させた際に顕著に生じる。
また、蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置内に異常が生じた場合、例えば、インジェクションヒーター又は保持管の背圧バルブなどに焦げ付きによる付着物を生じ保持管の背圧が変動すると、加熱用の蒸気が液状食品とうまく混合せずに蒸気の吹き抜け現象が生じることがある。また、この付着物によってポンプにかかる背圧が増加して、ポンプからの液体の吐出流量が変化することがある。
このような吐出流量の変化や蒸気の吹き抜け現象は、液体が保持管内に保持される時間(保持時間)の変動を生じさせる。
一般に、細菌の殺菌効果は、殺菌温度と殺菌時間の相乗作用によって決定される。そのため、上述のような保持時間の変動、つまり殺菌時間の変動は、殺菌効果の変動を生じさせる。
【0007】
保持時間は、一度設定すれば、通常の運転においては特に問題はないが、それでも、技術開発や研究的な立場からは、より信頼性を向上する技術の発展が求められている。
したがって、本発明の目的は、保持時間の監視が可能であり、蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置の信頼性をより向上させることができる蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置の運転方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明は、殺菌されるべき液体に直接蒸気を吹き込んで加熱した後、保持管内を流動させ、該保持管内において所定の保持温度で所定の保持時間保持する蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置の運転方法において、前記保持管の少なくとも一部を透明管とし、該保持管内の液体の流速を、前記透明管を介して光ファイバー式レーザー流速計で測定し、その流速が、前記液体を前記所定の保持時間、前記保持管内に保持できる範囲内にあるかどうかを監視することを特徴とする、蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置の運転方法である。
保持管の少なくとも一部を透明管とし、該保持管内の液体の流速を、該透明管を介して光ファイバー式レーザー流速計で測定し、その流速が、前記液体を所定の保持時間、保持管内に保持できる範囲内にあるかどうかを監視することにより、蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置の信頼性をより向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において殺菌されるべき液体としては、好ましくは、ジュース、牛乳、豆乳、乳飲料及び乳製品等の液状食品である。
図1に、本発明の運転方法が適用可能な蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置1の一例を示す。
蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置1は、液体を貯めるバランスタンク2と、温水又は冷水との熱交換により液体の加熱又は冷却を行う熱交換器3と、蒸気による液体の加熱を行うインジェクションヒーター4と、インジェクションヒーター4の下流側に設けられた保持管5と、インジェクションヒーター4で吹き込まれた蒸気の水分量を除去するエクスパンジョンベッセル6と、エクスパンジョンベッセル6からの液体を均質化するホモゲナイザー7とを備える。
保持管5とエクスパンジョンベッセル6との間には、液体と蒸気とを混合させ、また、エクスパンジョンベッセル6からの液体の逆流を防ぐ背圧バルブ8が設けられている。
【0010】
熱交換器3は、加熱部3a、第一冷却部3b、第二冷却部3cに区分されている。加熱部3aにおいては、温水用配管31aが配管されており、この温水用配管31aを通じて温水が循環し、加熱部3aに送られる液体の加熱が行われるようになっている。第一及び第二冷却部3b、3cにおいては、冷水用配管31b、31cが配管されており、この冷水用配管31b、31cを通じて冷水が循環し、第一及び第二冷却部3b、3cに送られる液体の冷却が行われるようになっている。
【0011】
バランスタンク2内の液体は、配管11及び遠心ポンプ12を介して熱交換器3の加熱部3aに送出され、予備加熱されるようになっている。また、予備加熱された液体は、配管13及びロータリーポンプ14を介してインジェクションヒーター4に送られるようになっている。
インジェクションヒーター4には蒸気用配管41が配管されており、この蒸気用配管41を通じて液体に蒸気が吹き込まれ、加熱されるようになっている。
【0012】
加熱された液体は、保持管5を介してエクスパンジョンベッセル6に送られるようになっている。保持管5内の液体は、ロータリーポンプ14により、保持管5内を所定の保持時間をかけて通過するような流速でエクスパンジョンベッセル6に送られるようになっている。つまり、保持管5では、加熱された液体が所定の保持温度で所定の保持時間保持されるように構成されている。
【0013】
図2に、インジェクションヒーター4から背圧バルブ8までの構成を示す概略図を示す。保持管5、すなわちインジェクションヒーター4と背圧バルブ8との間には、保持管5内の液体の温度を測定する温度計51、52が設けられており、保持管5内の液体が所定の保持温度を維持しているかどうかを監視するようになっている。保持管5のインジェクションヒーター4と温度計51との間の一部は、ポリ4フッ化エチレン製の透明管53で構成されている。
透明管53には、保持管5内の断面中心部における液体の流速を測定する光ファイバー式レーザー流速計54が取り付けられており、液体が保持管5において保持される保持時間が監視できるようになっている。
【0014】
光ファイバー式レーザー流速計54は、一定速度で運動する物体からの準弾性散乱光の周波数がドップラーシフトすることを利用して、運動している物体の速度を測定するものである。
【0015】
図3に、透明管53近傍の構造を示す。透明管53は、左右対称のヘルール55a、55b、クランプバンド56a、56b及び図示しないガスケットにより構成された一対のクランプ継手により、その前後のステンレス製の保持管57,58に気密に接続されている。
透明管53としては、管内を流れる流体の温度及び圧力に対して十分な耐熱性及び耐圧性を有するものを用いる。
【0016】
エクスパンジョンベッセル6に送られた液体は、エクスパンジョンベッセル6に取り付けられたコンデンサー9により、蒸気により吹き込まれた水分が除去され、濃縮されるようになっている。コンデンサー9には、冷水用配管91が配管されており、この冷水用配管91を通じて冷水が循環している。コンデンサー9で除去された水分は、真空ポンプ10により排出されるようになっている。
濃縮された液体は、エクスパンジョンベッセル6から、配管15及び遠心ポンプ16を介してホモゲナイザー7に送られ、撹拌、均質化されるようになっている。
ホモゲナイザー7で均質化された液体は、配管17を介して熱交換器3に送られ、第一冷却部3b及び第二冷却部3cで冷却される。
【0017】
本実施形態の蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置1を運転する際、稼働開始時に、まず水を流動させ、透明管53を介し、光ファイバー式レーザー流速計54で水の流速を測定する。そして、この測定値と保持管5の長さとから保持時間を算出する。測定した流速が所定の保持時間に対応する流速であれば、水から殺菌されるべき液体、例えば乳飲料等の液状食品に切り替える。流速が所定の保持時間に対応しない流速である場合には、装置内、例えばポンプやインジェクションヒーター等に異常があると判断し、アラームを出して蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置1の運転を停止する。
また、殺菌されるべき液体の殺菌時においても同様に、レーザー光線が通る液状食品については、随時流速を測定し、流速が適切な範囲内にあれば蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置1の運転を続け、流速が適切な範囲からはずれた場合には装置1の運転を停止する。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置の運転方法に関するものであり、保持管の少なくとも一部を透明管とし、該保持管内の液体の流速を、前記透明管を介して光ファイバー式レーザー流速計で測定し、その流速が、液体を所定の殺菌時間、保持管内に保持できる範囲内にあるかどうかを監視することにより、殺菌装置の信頼性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用可能な蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置1の一例を示す概略図である。
【図2】インジェクションヒーター4から背圧バルブ8までの構成を示す概略図である。
【図3】透明管53近傍の構造を示す図である。
【符号の説明】
1…蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置、2…バランスタンク、3…熱交換器、3a…加熱部、3b…第一冷却部、3c…第二冷却部、4…インジェクションヒーター、5…保持管、6…エクスパンジョンベッセル、7…ホモゲナイザー、8…背圧バルブ、9…コンデンサー、10…真空ポンプ、11…配管、12…遠心ポンプ、13…配管、14…ロータリーポンプ、15…配管、16…遠心ポンプ、17…配管、31a…温水用配管、31b、31c…冷水用配管、41…蒸気用配管、51、52…温度計、53…透明管、54…光ファイバー式レーザー流速計、55a、55b…ヘルール、56a、56b…クランプバンド、57,58…ステンレス製の保持管、91…冷水用配管

Claims (1)

  1. 殺菌されるべき液体に直接蒸気を吹き込んで加熱した後、保持管内を流動させ、該保持管内において所定の保持温度で所定の保持時間保持する蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置の運転方法において、
    前記保持管の少なくとも一部を透明管とし、該保持管内の液体の流速を、前記透明管を介して光ファイバー式レーザー流速計で測定し、その流速が、前記液体を前記所定の保持時間、前記保持管内に保持できる範囲内にあるかどうかを監視することを特徴とする、蒸気吹き込み式直接加熱殺菌装置の運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008056683A1 (en) 2006-11-09 2008-05-15 Hisaka Works, Ltd. Vapor contact-type heating device
JP2009268431A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Hisaka Works Ltd 蒸気混合型加熱殺菌装置
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