JP2004200586A - 冷却装置および冷却装置を有する電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】筐体内で発生する電子素子のような複数の発熱体の発生する熱を筐体の外部に効率よく放出することができる冷却装置および冷却装置を有する電子機器を提供すること。
【解決手段】電子機器10の筐体20内に配置され動作時に熱を発生する複数の発熱素子30乃至35を冷却するための冷却装置40であり、筐体20の少なくとも一部分を構成しており炭素繊維を含有した樹脂モールド材で形成された筐体熱伝導部50と、筐体20内に配置されて、複数の発熱素子30乃至35に熱的に密着しており複数の発熱素子30乃至35の温度を平準化して筐体熱伝導部50に複数の発熱素子30乃至35の熱を伝えるための熱伝導部材51とを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】電子機器10の筐体20内に配置され動作時に熱を発生する複数の発熱素子30乃至35を冷却するための冷却装置40であり、筐体20の少なくとも一部分を構成しており炭素繊維を含有した樹脂モールド材で形成された筐体熱伝導部50と、筐体20内に配置されて、複数の発熱素子30乃至35に熱的に密着しており複数の発熱素子30乃至35の温度を平準化して筐体熱伝導部50に複数の発熱素子30乃至35の熱を伝えるための熱伝導部材51とを備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子素子のような複数の熱を発生する発熱素子を冷却するための冷却装置および冷却装置を有する電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化の要請に伴い、電子機器内に収容される回路基板には、各種の電子素子がより高い集積度で搭載されるようになっており、作動時には各電子素子は発熱体となる。しかも各発熱体の占める体積は小さくなっている。このことから回路基板上の単位体積あたりにおける複数の発熱体の発生する発熱量の増加が著しく、その発熱量の増加が懸念されている。
【0003】
コンピュータ等の電子機器に搭載されている半導体素子やその他の種類の電子素子は、それぞれ動作する時に熱を発生する発熱体である。このような発熱体の冷却が、特に電子機器の筐体の小型化に伴い注目されている。
電子素子を冷却するために、従来の電子機器は筐体を介して熱を放出する外部熱伝導部材を有している構造のものがある(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−280774号公報(第1頁、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところがこの種の電子機器の構造では次のような問題がある。
複数の電子素子は筐体内で熱を発生するが、この熱は内部の熱伝導部材を通じて筐体の外部に位置している外部熱伝導部材を通じて外部に放熱するようになっている。このために、電子素子の数が増えるに従い発生する熱が増加すると、ストラップのような部材に配置された外部熱伝導部材では十分に外部に放熱できないという問題がある。
特に、近年は半導体素子などの電子素子の発熱量が増加する傾向にある。その上に、電子機器自体の小型化の要求のために、筐体の体積や筐体の放熱用の面積が小さくなり、筐体内に発生する熱はこのようなストラップ状の部材の外部熱伝導部材を通じて効率よく熱を外部に放出することが困難になってきている。
そこで本発明は上記課題を解消し、筐体内で発生する電子素子のような複数の発熱素子の発生する熱を筐体の外部に効率よく放出することができる冷却装置および冷却装置を有する電子機器を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、電子機器の筐体内に配置され動作時に熱を発生する複数の発熱素子を冷却するための冷却装置であり、前記筐体の少なくとも一部分を構成しており炭素繊維を含有した樹脂モールド材で形成された筐体熱伝導部と、前記筐体内に配置されて、複数の前記発熱素子に熱的に密着しており複数の前記発熱素子の温度を平準化して前記筐体熱伝導部に複数の前記発熱素子の熱を伝えるための熱伝導部材と、を備えることを特徴とする冷却装置である。
【0007】
請求項1では、筐体熱伝導部は、筐体の少なくとも一部分を構成している。この筐体熱伝導部は、炭素繊維を含有した樹脂モールド部材で形成されている。
熱伝導部材は、筐体内に配置されている。この熱伝導部材は、複数の発熱素子に熱的に密着しており、この熱伝導部材は、複数の発熱素子の温度を平準化して筐体熱伝導部に対して複数の発熱素子の熱を伝える機能を有している。
【0008】
これにより、熱伝導部材が複数の発熱素子の温度を平準化してこれらの発熱素子の熱を筐体熱伝導部に伝える。そして筐体熱伝導部は、炭素繊維を含有した樹脂モールド材で作られているので、この筐体熱伝導部は筐体の外部に対してその発熱素子の熱を効率よく放出することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の冷却装置において、前記熱伝導部材は、グラファイトシートあるいは金属箔である。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1に記載の冷却装置において、前記熱伝導部材は、複数の前記発熱素子の温度を平準化するシート状の放熱部材と、前記熱伝導部材を前記筐体熱伝導部に対して熱的に接続されて前記筐体熱伝導部に熱を伝えるヒートパイプを有する。
【0011】
請求項3では、熱伝導部材は、シート状の放熱部材とヒートパイプを有している。シート状の放熱部材は、複数の発熱素子の温度を平準化するものである。ヒートパイプは、熱伝導部材を筐体熱伝導部に対して熱的に接続しており、このヒートパイプは筐体熱伝導部に対して熱を伝える。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1に記載の冷却装置において、前記筐体熱伝導部は、凹凸形状の放熱表面部分を有している。
【0013】
請求項4では、筐体熱伝導部は凹凸形状の放熱表面部分を有している。これによって、筐体熱伝導部の放熱面積を平坦なものに比べて大幅に拡大することができ、複数の発熱素子の熱を筐体の外部にさらに効率よく放出できる。
【0014】
請求項5の発明は、請求項4に記載の冷却装置において、前記筐体熱伝導部の前記凹凸形状の放熱表面部分は、前記筐体熱伝導部とは別部材であり前記筐体熱伝導部の外側に付加して固定されている。
【0015】
請求項5では、筐体熱伝導部の凹凸形状の放熱表面部分は、筐体熱伝導部とは別部材で作られていて、筐体熱伝導部の外側に付加して固定されている。このようにすることで、あらかじめ筐体熱伝導部の凹凸形状の放熱表面部分を作っておいて、平坦な筐体熱伝導部の外側に対して付加するだけで組み立てることができる。
【0016】
請求項6の発明は、電子機器の筐体内に配置され動作時に熱を発生する複数の発熱素子を冷却するための冷却装置を有する電子機器であり、前記冷却装置は、前記筐体の少なくとも一部分を構成しており炭素繊維を含有した樹脂モールド材で形成された筐体熱伝導部と、前記筐体内に配置されて、複数の前記発熱素子に熱的に密着しており複数の前記発熱素子の温度を平準化して前記筐体熱伝導部に複数の前記発熱素子の熱を伝えるための熱伝導部材と、を備えることを特徴とする冷却装置を有する電子機器である。
【0017】
請求項6では、筐体熱伝導部は、筐体の少なくとも一部分を構成している。この筐体熱伝導部は、炭素繊維を含有した樹脂モールド部材で形成されている。
熱伝導部材は、筐体内に配置されている。この熱伝導部材は、複数の発熱素子に熱的に密着しており、この熱伝導部材は、複数の発熱素子の温度を平準化して筐体熱伝導部に対して複数の発熱素子の熱を伝える機能を有している。
【0018】
これにより、熱伝導部材が複数の発熱素子の温度を平準化してこれらの発熱素子の熱を筐体熱伝導部に伝える。そして筐体熱伝導部は、炭素繊維を含有した樹脂モールド材で作られているので、この筐体熱伝導部は筐体の外部に対してその発熱素子の熱を効率よく放出することができる。
【0019】
請求項7の発明は、請求項6に記載の冷却装置を有する電子機器において、前記熱伝導部材は、グラファイトシートあるいは金属箔である。
【0020】
請求項8の発明は、請求項6に記載の冷却装置を有する電子機器において、前記熱伝導部材は、複数の前記発熱素子の温度を平準化するシート状の放熱部材と、前記熱伝導部材を前記筐体熱伝導部に対して熱的に接続されて前記筐体熱伝導部に熱を伝えるヒートパイプを有する。
【0021】
請求項8では、熱伝導部材は、シート状の放熱部材とヒートパイプを有している。シート状の放熱部材は、複数の発熱素子の温度を平準化するものである。ヒートパイプは、熱伝導部材を筐体熱伝導部に対して熱的に接続しており、このヒートパイプは筐体熱伝導部に対して熱を伝える。
【0022】
請求項9の発明は、請求項6に記載の冷却装置を有する電子機器において、前記筐体熱伝導部は、凹凸形状の放熱表面部分を有している。
【0023】
請求項9では、筐体熱伝導部は凹凸形状の放熱表面部分を有している。これによって、筐体熱伝導部の放熱面積を平坦なものに比べて大幅に拡大することができ、複数の発熱素子の熱を筐体の外部にさらに効率よく放出できる。
【0024】
請求項10の発明は、請求項9に記載の冷却装置を有する電子機器において、前記筐体熱伝導部の前記凹凸形状の放熱表面部分は、前記筐体熱伝導部とは別部材であり前記筐体熱伝導部の外側に付加して固定されている。
【0025】
請求項10では、筐体熱伝導部の凹凸形状の放熱表面部分は、筐体熱伝導部とは別部材で作られていて、筐体熱伝導部の外側に付加して固定されている。このようにすることで、あらかじめ筐体熱伝導部の凹凸形状の放熱表面部分を作っておいて、平坦な筐体熱伝導部の外側に対して付加するだけで組み立てることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0027】
図1と図2は、本発明の冷却装置を有する電子機器の好ましい実施の形態を示している。
図1と図2に示す電子機器は、いわゆるデジタルビデオカメラである。図2は、図1の電子機器10の一部断面を有する正面図である。この電子機器10は、携帯型の電子機器の一例である。
電子機器10は、本体12とファインダー14とマイク10Mとバッテリ13Bおよび表示部16を有している。
図2に示すように、表示部16は、本体12に対して回転したり、図1のT方向に回転することができるようになっている。これにより表示部16は本体12に対して自由に向きを設定することができる。表示部16は、たとえば液晶表示パネルを用いることができる。
【0028】
本体12は、図1に示すように電源スイッチ13を有している。使用者はファインダー14を覗きながら画像を撮影することができ、表示部16にはその撮影している画像を表示できる。また録画済みの画像は表示部16により表示することができる。
【0029】
本体12は筐体20を有している。この筐体20の中には、図2に示すようにメインの回路基板24が収容されている。
図3はこの回路基板24を示している。この回路基板24には、たとえば一例としてその両面に複数の電子素子30,31,32,33,34,35が搭載されている。図2に示す回路基板24の搭載している電子素子の数は単なる一例である。電子素子30乃至35の種類としては、例えばCPU(中央処理装置)やドライバIC(集積回路)である。CPUやドライバICは、動作することにより熱を発生する。
【0030】
これらの電子素子30乃至35は、デジタルビデオカメラにおける動画処理のために発熱量が特に大きいが、回路基板24の熱伝導率が低いために、その電子素子30乃至35の放熱対策を行わないと、その熱が筐体20の中にこもってしまう。
そこで、電子素子30乃至35のような発熱素子が発生する熱を、筐体20の外に効率よく放出するために、図3に示すように冷却装置40が搭載されている。この冷却装置40は放熱装置とも呼んでいる。
【0031】
図3は筐体20とその内部構造の断面構造例を示している。
図3に示す冷却装置40は、筐体20に収容されている。冷却装置40は、筐体熱伝導部50と、熱伝導部材としての放熱スペーサ51を有している。
図3に示すようなデジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラのような小型の電子機器は、外観的な見栄えを良くするとともに放熱性を改良する点からマグネシウム合金が用いられることが多い。マグネシウム合金の熱伝導率は70W/mK前後であり、樹脂の熱伝導率0.2〜0.7W/mKに比べ非常に高く、比重が1.7g/cm3程度と軽量である。
【0032】
しかし、マグネシウム合金を筐体に用いる場合は、まだまだ製造上の歩留まり低い。マグネシウム合金は、樹脂モールド材の比重1.0〜1.7g/cm3に比べ重いために、マグネシウム合金ではなく樹脂モールド材が筐体に使われやすい。
このために、本発明の実施の形態では、筐体20の少なくとも筐体熱伝導部50が、炭素繊維を含有した樹脂モールド材により形成されている。
図3の実施の形態では、筐体20の全体を炭素繊維を含有した樹脂モールド材で形成してもよいが、特に図3の実施の形態では筐体熱伝導部50の部分が炭素繊維を含有した樹脂モールド材で形成されている。その他の筐体20の残部は、たとえばその他のプラスチック材料もしくは金属材料で作ることができる。
【0033】
筐体熱伝導部50は、図3の斜線部分で示す部分である。つまりこの筐体熱伝導部50の領域は、表示部16の格納部53の位置に形成されている。図2の実施の形態では、筐体熱伝導部50はバッテリ13Bの上部であってかつファインダ14の下部に位置している垂直な面の部分である。この位置に筐体熱伝導部50を形成することにより、使用者の指が、筐体熱伝導部50に触れることが、他の筐体20の部分に比べて少ないというメリットがある。
【0034】
筐体熱伝導部50は、上述したように炭素繊維を含有する樹脂モールド材で形成されている。
炭素繊維を含有する樹脂モールド材は、熱伝導率に関して異方性を持つが、一方炭素繊維を含有する樹脂モールド材を金型に充填するときには、炭素繊維の方向が面内方向に揃いやすいことになる。
本発明では、シートの面内方向に熱を伝えるものをヒートコンダクタと呼び、発熱体とヒートパイプやヒートスプレッダの間を埋めて、グリース的な役割を果たすシートを放熱スペーサと呼ぶ。
【0035】
冷却装置40を構成する放熱スペーサ51は、ヒートコンダクタ51A,ヒートコンダクタ51B,ヒートコンダクタ51Cを有している。ヒートコンダクタ51Aは、電子素子30,31の両方の面に熱的に密着して配置されている。しかもこのヒートコンダクタ51Aは、筐体熱伝導部50の内面に対してたとえば貼り付けて固定されている。電子素子30,31は、回路基板24の一方の面に搭載されている。その他の電子素子32乃至35は、回路基板24の他方の面に搭載されている。
【0036】
放熱スペーサ51のヒートコンダクタ51Cは、電子素子32乃至35の面に対して共通して熱的に密着して固定されている。このヒートコンダクタ51Aとヒートコンダクタ51Cは、ヒートコンダクタ51Bにより熱的に接続されている。このヒートコンダクタ51A,51B,51Cは放熱シートともいう。
このような構造にすることで、複数の発熱素子である電子素子30乃至35は、放熱スペーサ51のヒートコンダクタ51A,51B,51Cによりその温度が平準化されるとともに、各電子素子30乃至35の発生する熱は、筐体熱伝導部50側に伝えるようになっている。
【0037】
筐体熱伝導部50と放熱スペーサ51は共にシート状の部材であるので、筐体20の小型化を図った場合でも十分に搭載することができる。
ヒートコンダクタ51A,51Cを電子素子30乃至35に対して接着する場合には、たとえば熱伝導性の良好な接着剤を用いて固定する。そして筐体熱伝導部50とヒートコンダクタ51Aは、やはりたとえば熱伝導性の良好な接着剤を用いて固定する。
電子素子としては、たとえばLSI(大規模集積回路)や、ドライバIC、その他の動作時に熱を発生しやすい電子素子である。
【0038】
放熱スペーサ51の材質としては、熱伝導率が高い材質、たとえば金属、グラファイトシート、セラミックス等が挙げられる。シート状の熱伝達部材50,51の材質として金属を用いる場合には、例えば銅やアルミニウムを用いることができる。
シートに絶縁性が必要な場合、またグラファイトシートのように万が一生じるおそれのある粉落ちの危険性を防ぐために、放熱スペーサ51はPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエーテルニトリル)、ポリイミドやポリエステル系材料などの高分子シートを用いて、ラミネートもしくはコーティングされる。
【0039】
また、放熱スペーサ51の材質としてセラミックスを用いる場合には、窒化アルミニウムや窒化珪素等を用いることができる。
放熱スペーサ51の材質としては、グラファイトシートを用いることができる。このグラファイトシートは、層状構造を有している。このグラファイトシートは、カーボンが層状構造を構成したものであり、ある座標方向(面内方向)について熱伝導率が高い。そのために、グラファイトシートはできるだけ結晶の方向を揃えることによりある方向の熱伝導率を高めることができる。
【0040】
図3の実施の形態において電子機器を使用する場合には、電子素子30乃至35が熱を発生する。これらの電子素子30乃至35の熱は、放熱スペーサ51を通じて筐体熱伝導部50に伝わる。筐体熱伝導部50は、本体12の格納部53を通じて、筐体20の外部に効率よく熱を放出することができる。
この場合に、格納部53に位置している筐体熱伝導部50は、使用者の指に触れにくい位置にあるので、使用者が放熱を感じることが少ないというメリットがある。
【0041】
次に、図4は、本発明の電子機器の別の実施の形態を示している。
図4の電子機器10は、図3の電子機器10とほぼ同じ構造のものであるので、同じ箇所には同じ符号を記してその説明を用いる。
図4の電子機器10が図3の電子機器10と異なるのは、次の点である。
図3では放熱スペーサ51を用いていたが、図4ではその放熱スペーサ51に加えてヒートスプレッダ151と別の放熱スペーサ153を付加している。ヒートスプレッダ151は、たとえばグラファイトシートや金属箔(一例として銅箔)を用いることができる。ヒートスプレッダ151は放熱スペーサ51のヒートコンダクタ51Aと別の放熱スペーサ153の間に配置されている。放熱スペーサ153は筐体熱伝導部50に対して直接貼り付けられている。
【0042】
電子素子30乃至35の発生する熱は、放熱スペーサ51のヒートコンダクタ51A乃至51Cを通じてヒートスプレッダ151に伝えられる。このヒートスプレッダ151は、このような熱をさらに平準化して放熱スペーサ153を介して筐体熱伝導部50に伝える。筐体熱伝導部50は、筐体20の外部にこれらの熱を効率よく放出する。
【0043】
図5は、本発明のさらに別の実施の形態を示している。
図5に示す電子機器10が、図3に示す電子機器とほぼ同じ構造であり同じ箇所には同じ符号を記してその説明を用いる。
図5に示す電子機器10が図3に示す電子機器10と異なるのは、次の点である。
図5の電子機器10では、図3に示す放熱スペーサ51に代えてヒートパイプ251と放熱スペーサ210を備えている。放熱スペーサ210は、シート状の放熱部材であり、たとえば上述したようにグラファイトシートや金属箔などにより作られている。ヒートパイプ251は、電子素子30乃至35に対してそれぞれ熱的に密着して配置されている。放熱スペーサ210は、ヒートパイプ251と筐体熱伝導部50とを熱的に接続している。
これによって、電子素子30乃至35の発生する熱は、ヒートパイプ251により放熱スペーサ210に伝えられる。伝えられた熱は、放熱スペーサ210を介して筐体熱伝導部50を通じて筐体20の外部に放出される。
【0044】
次に、図6を参照して本発明のさらに別の実施の形態について説明する。
図6に示す電子機器10は、図2に示す電子機器10に対してさらに凹凸形状の放熱表面部分300が設けられている。この凹凸形状の放熱表面部分300は、格納部53の筐体熱伝導部50に対応して設けられている。
【0045】
図7は、図6の電子機器10の断面構造例を示している。
図7の実施の形態では、各電子素子30乃至35に対してヒートパイプ251が熱的に密着して配置されている。このヒートパイプ251は、放熱スペーサ(シート状の放熱部材)210を介して筐体熱伝導部450に対して熱的に密着されている。筐体熱伝導部450は、凹凸形状の放熱表面部分300を有しているが、この凹凸形状の放熱表面部分300は、筐体熱伝導部450の外面側に対して一体的に形成されている。つまり筐体熱伝導部450と凹凸形状の放熱表面部分300は一体形状物である。筐体熱伝導部450および凹凸形状の放熱表面部分300の一体形状部材は、図6に示すように格納部53に配置され、放熱用の一体型の放熱部材500を構成している。この一体型の放熱部材500は、たとえば図9,図10,図11,図12のような形状のものである。
【0046】
図9の一体型の放熱部材500は、基板部501に対して複数本のフィン502が配列されている。このフィン502の断面は長方形状である。
図10の一体型の放熱部材500は、基板部501の上に複数のフィン503が平行に形成されている。このフィン503の断面はたとえば半円形状である。図11に示す一体型の放熱部材500は、基板部501と複数個のフィン504を有している。これらのフィン504はたとえば立方体形状もしくは直方体形状を有している。
【0047】
図12の一体型の放熱部材500は、基板部501と複数のフィン505を有している。これらのフィン505の断面はたとえば三角形状である。図9乃至図12に示す一体型の放熱部材500は、たとえば図13に示すようなロール状の部材600から打ち抜きにより作ることができる。図13の例では図12に示す一体型の放熱部材500が打ち抜きによりロール状の部材600から作られている。
【0048】
このように一体型の放熱部材500は、基板部501の外面に複数のフィンを備えているので、平坦状の部材に比べて放熱面積を増加させることができる。これらの一体型の放熱部材500は、炭素繊維を含有している樹脂モールド材により作られているが、各フィン(突起ともいう)のピッチは、たとえば0.4mmでありそのフィンの高さはたとえば0.4mmである。このようにすることで、たとえば放熱面積は2倍に増やすことができる。
【0049】
図8に示す電子機器10の別の実施の形態では、図7の実施の形態と同様な箇所には同じ符号を記してその説明を用いる。図8の電子機器10が図7の電子機器10と異なるのは、筐体熱伝導部50の外面に対して一体型の放熱部材500が貼り付けて取り付けられていることである。この一体型の放熱部材500は、図7に示す一体型の放熱部材500と同じものである。
【0050】
図14は、本発明の別の実施の形態を示している。
図14に示す電子機器1010は、たとえばノート型のコンピュータである。この電子機器1010は、本体1011とディスプレイ部1013を有している。本体1011にはキーボード1014とアームレスト1015およびスライドパッド1016を有している。スライドパッド1016は、指で触れることによりディスプレイ部1013上のポインタ1017を動かすためのいわゆるポインディングデバイスの一種である。
本体1011のアームレスト1015には、図9乃至図12に示すような一体型の放熱部材500が貼り付けられている。
【0051】
図15は、図14(B)におけるA−A線における本体1011の断面構造例を示している。本体1011のアームレスト1015は、炭素繊維を含有する樹脂モールド材により作られている。しかしアームレスト1015を含む本体1011の全体が、炭素繊維を含有する樹脂モールド材で作るようにしても勿論構わない。
【0052】
アームレスト1015は、筐体熱伝導部に相当する。この筐体熱伝導部であるアームレスト1015の内面には、放熱スペーサ1051が配置されている。この放熱スペーサ1051は、回路基板1024の複数の電子素子1030,1031に対して熱的に密着して貼り付けられている。
放熱スペーサ1051は、電子素子1030,1031が発生する熱をアームレスト1015に伝える。アームレスト1015は、一体型の放熱部材500に対して熱を伝えることにより、一体型の放熱部材500は本体1011の外部に放出することができる。図15における本体1011は電子機器の筐体に相当し、放熱スペーサ1051は熱伝導部材に相当する。
【0053】
このように図14と図15に示すような筐体熱伝導部であるアームレスト1015に対して一体型の放熱部材500を貼り付けることにより次のようなメリットがある。
電子機器1010を使用する使用者は、手をアームレスト1015の上に置いてキーボード1014やスライドパッド1016を操作する。この場合に、使用者の手や指が一体型の放熱部材500およびアームレスト1015に触れても、内部からの熱は分散して外部に放出するので、余り熱く感じない。
アームレスト1015を除いた本体1011の他の部分1060の材料として、アルミニウムやマグネシウム合金や他の種類の樹脂材を採用することもできる。
一体型の放熱部材500を採用することにより、フィン505が設けられているので、手や指が直接一体型の放熱部材500に接することがないので、手や指が熱く感じるのを防ぐことができる。アームレスト1015の材質としては、炭素繊維を含有する樹脂モールド材以外に、アルミニウムやマグネシウム合金等であっても勿論構わない。
【0054】
本発明の冷却装置は、放熱面積を増やした筐体を用いており、筐体の熱伝導率が高く、放熱面積を増やすシート状の放熱部材を貼り付けることにより、大気中に効率よく熱を逃がすことができ、熱がこもりやすいような電子機器の温度上昇を緩和したり、低温やけどを防ぐことが可能である。
【0055】
ところで本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上述した本発明の実施の形態では、電子機器の例としていわゆる携帯型の電子機器であるデジタルビデオカメラやコンピュータを例に挙げている。
しかしこれに限らず本発明の冷却装置を有する電子機器の例としては、たとえば携帯情報端末(PDA)や、デジタルスチルカメラ、その他の情報関連機器あるいは情報関連機器以外の携帯可能な電気製品であっても勿論構わない。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、筐体内で発生する電子素子のような複数の発熱素子の発生する熱を筐体の外部に効率よく放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷却装置を有する電子機器の一例であるデジタルビデオカメラを示す斜視図。
【図2】図1のデジタルビデオカメラを別の方向から見た斜視図。
【図3】図1の電子機器の筐体の内部構造の一例を示す図。
【図4】本発明の電子機器の内部構造の別の実施の形態を示す図。
【図5】本発明の電子機器の内部構造のさらに別の実施の形態を示す図。
【図6】本発明の電子機器のさらに別の実施の形態を示す斜視図。
【図7】図6の電子機器の内部構造例を示す図。
【図8】図6の電子機器の内部構造の別の実施の形態を示す図。
【図9】本発明の実施の形態に用いられている一体型の放熱部材の形状例を示す図。
【図10】本発明のさらに別の実施の形態に用いられている一体型の放熱部材の形状例を示す図。
【図11】本発明のさらに別の実施の形態に用いられている一体型の放熱部材の形状例を示す図。
【図12】本発明のさらに別の実施の形態に用いられている一体型の放熱部材の形状例を示す図。
【図13】図12に示す一体型の放熱部材の形成例を示す図。
【図14】本発明の電子機器の別の実施の形態を示す斜視図。
【図15】図14の実施の形態の電子機器のA−Aにおける断面構造例を示す図。
【符号の説明】
10・・・電子機器、20・・・筐体、24・・・回路基板、30乃至35・・・電子素子(発熱素子)、40・・・冷却装置、50・・・筐体熱伝導部、51・・・放熱スペーサ(熱伝導部材)、53・・・電子機器の格納部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子素子のような複数の熱を発生する発熱素子を冷却するための冷却装置および冷却装置を有する電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化の要請に伴い、電子機器内に収容される回路基板には、各種の電子素子がより高い集積度で搭載されるようになっており、作動時には各電子素子は発熱体となる。しかも各発熱体の占める体積は小さくなっている。このことから回路基板上の単位体積あたりにおける複数の発熱体の発生する発熱量の増加が著しく、その発熱量の増加が懸念されている。
【0003】
コンピュータ等の電子機器に搭載されている半導体素子やその他の種類の電子素子は、それぞれ動作する時に熱を発生する発熱体である。このような発熱体の冷却が、特に電子機器の筐体の小型化に伴い注目されている。
電子素子を冷却するために、従来の電子機器は筐体を介して熱を放出する外部熱伝導部材を有している構造のものがある(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−280774号公報(第1頁、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところがこの種の電子機器の構造では次のような問題がある。
複数の電子素子は筐体内で熱を発生するが、この熱は内部の熱伝導部材を通じて筐体の外部に位置している外部熱伝導部材を通じて外部に放熱するようになっている。このために、電子素子の数が増えるに従い発生する熱が増加すると、ストラップのような部材に配置された外部熱伝導部材では十分に外部に放熱できないという問題がある。
特に、近年は半導体素子などの電子素子の発熱量が増加する傾向にある。その上に、電子機器自体の小型化の要求のために、筐体の体積や筐体の放熱用の面積が小さくなり、筐体内に発生する熱はこのようなストラップ状の部材の外部熱伝導部材を通じて効率よく熱を外部に放出することが困難になってきている。
そこで本発明は上記課題を解消し、筐体内で発生する電子素子のような複数の発熱素子の発生する熱を筐体の外部に効率よく放出することができる冷却装置および冷却装置を有する電子機器を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、電子機器の筐体内に配置され動作時に熱を発生する複数の発熱素子を冷却するための冷却装置であり、前記筐体の少なくとも一部分を構成しており炭素繊維を含有した樹脂モールド材で形成された筐体熱伝導部と、前記筐体内に配置されて、複数の前記発熱素子に熱的に密着しており複数の前記発熱素子の温度を平準化して前記筐体熱伝導部に複数の前記発熱素子の熱を伝えるための熱伝導部材と、を備えることを特徴とする冷却装置である。
【0007】
請求項1では、筐体熱伝導部は、筐体の少なくとも一部分を構成している。この筐体熱伝導部は、炭素繊維を含有した樹脂モールド部材で形成されている。
熱伝導部材は、筐体内に配置されている。この熱伝導部材は、複数の発熱素子に熱的に密着しており、この熱伝導部材は、複数の発熱素子の温度を平準化して筐体熱伝導部に対して複数の発熱素子の熱を伝える機能を有している。
【0008】
これにより、熱伝導部材が複数の発熱素子の温度を平準化してこれらの発熱素子の熱を筐体熱伝導部に伝える。そして筐体熱伝導部は、炭素繊維を含有した樹脂モールド材で作られているので、この筐体熱伝導部は筐体の外部に対してその発熱素子の熱を効率よく放出することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の冷却装置において、前記熱伝導部材は、グラファイトシートあるいは金属箔である。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1に記載の冷却装置において、前記熱伝導部材は、複数の前記発熱素子の温度を平準化するシート状の放熱部材と、前記熱伝導部材を前記筐体熱伝導部に対して熱的に接続されて前記筐体熱伝導部に熱を伝えるヒートパイプを有する。
【0011】
請求項3では、熱伝導部材は、シート状の放熱部材とヒートパイプを有している。シート状の放熱部材は、複数の発熱素子の温度を平準化するものである。ヒートパイプは、熱伝導部材を筐体熱伝導部に対して熱的に接続しており、このヒートパイプは筐体熱伝導部に対して熱を伝える。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1に記載の冷却装置において、前記筐体熱伝導部は、凹凸形状の放熱表面部分を有している。
【0013】
請求項4では、筐体熱伝導部は凹凸形状の放熱表面部分を有している。これによって、筐体熱伝導部の放熱面積を平坦なものに比べて大幅に拡大することができ、複数の発熱素子の熱を筐体の外部にさらに効率よく放出できる。
【0014】
請求項5の発明は、請求項4に記載の冷却装置において、前記筐体熱伝導部の前記凹凸形状の放熱表面部分は、前記筐体熱伝導部とは別部材であり前記筐体熱伝導部の外側に付加して固定されている。
【0015】
請求項5では、筐体熱伝導部の凹凸形状の放熱表面部分は、筐体熱伝導部とは別部材で作られていて、筐体熱伝導部の外側に付加して固定されている。このようにすることで、あらかじめ筐体熱伝導部の凹凸形状の放熱表面部分を作っておいて、平坦な筐体熱伝導部の外側に対して付加するだけで組み立てることができる。
【0016】
請求項6の発明は、電子機器の筐体内に配置され動作時に熱を発生する複数の発熱素子を冷却するための冷却装置を有する電子機器であり、前記冷却装置は、前記筐体の少なくとも一部分を構成しており炭素繊維を含有した樹脂モールド材で形成された筐体熱伝導部と、前記筐体内に配置されて、複数の前記発熱素子に熱的に密着しており複数の前記発熱素子の温度を平準化して前記筐体熱伝導部に複数の前記発熱素子の熱を伝えるための熱伝導部材と、を備えることを特徴とする冷却装置を有する電子機器である。
【0017】
請求項6では、筐体熱伝導部は、筐体の少なくとも一部分を構成している。この筐体熱伝導部は、炭素繊維を含有した樹脂モールド部材で形成されている。
熱伝導部材は、筐体内に配置されている。この熱伝導部材は、複数の発熱素子に熱的に密着しており、この熱伝導部材は、複数の発熱素子の温度を平準化して筐体熱伝導部に対して複数の発熱素子の熱を伝える機能を有している。
【0018】
これにより、熱伝導部材が複数の発熱素子の温度を平準化してこれらの発熱素子の熱を筐体熱伝導部に伝える。そして筐体熱伝導部は、炭素繊維を含有した樹脂モールド材で作られているので、この筐体熱伝導部は筐体の外部に対してその発熱素子の熱を効率よく放出することができる。
【0019】
請求項7の発明は、請求項6に記載の冷却装置を有する電子機器において、前記熱伝導部材は、グラファイトシートあるいは金属箔である。
【0020】
請求項8の発明は、請求項6に記載の冷却装置を有する電子機器において、前記熱伝導部材は、複数の前記発熱素子の温度を平準化するシート状の放熱部材と、前記熱伝導部材を前記筐体熱伝導部に対して熱的に接続されて前記筐体熱伝導部に熱を伝えるヒートパイプを有する。
【0021】
請求項8では、熱伝導部材は、シート状の放熱部材とヒートパイプを有している。シート状の放熱部材は、複数の発熱素子の温度を平準化するものである。ヒートパイプは、熱伝導部材を筐体熱伝導部に対して熱的に接続しており、このヒートパイプは筐体熱伝導部に対して熱を伝える。
【0022】
請求項9の発明は、請求項6に記載の冷却装置を有する電子機器において、前記筐体熱伝導部は、凹凸形状の放熱表面部分を有している。
【0023】
請求項9では、筐体熱伝導部は凹凸形状の放熱表面部分を有している。これによって、筐体熱伝導部の放熱面積を平坦なものに比べて大幅に拡大することができ、複数の発熱素子の熱を筐体の外部にさらに効率よく放出できる。
【0024】
請求項10の発明は、請求項9に記載の冷却装置を有する電子機器において、前記筐体熱伝導部の前記凹凸形状の放熱表面部分は、前記筐体熱伝導部とは別部材であり前記筐体熱伝導部の外側に付加して固定されている。
【0025】
請求項10では、筐体熱伝導部の凹凸形状の放熱表面部分は、筐体熱伝導部とは別部材で作られていて、筐体熱伝導部の外側に付加して固定されている。このようにすることで、あらかじめ筐体熱伝導部の凹凸形状の放熱表面部分を作っておいて、平坦な筐体熱伝導部の外側に対して付加するだけで組み立てることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0027】
図1と図2は、本発明の冷却装置を有する電子機器の好ましい実施の形態を示している。
図1と図2に示す電子機器は、いわゆるデジタルビデオカメラである。図2は、図1の電子機器10の一部断面を有する正面図である。この電子機器10は、携帯型の電子機器の一例である。
電子機器10は、本体12とファインダー14とマイク10Mとバッテリ13Bおよび表示部16を有している。
図2に示すように、表示部16は、本体12に対して回転したり、図1のT方向に回転することができるようになっている。これにより表示部16は本体12に対して自由に向きを設定することができる。表示部16は、たとえば液晶表示パネルを用いることができる。
【0028】
本体12は、図1に示すように電源スイッチ13を有している。使用者はファインダー14を覗きながら画像を撮影することができ、表示部16にはその撮影している画像を表示できる。また録画済みの画像は表示部16により表示することができる。
【0029】
本体12は筐体20を有している。この筐体20の中には、図2に示すようにメインの回路基板24が収容されている。
図3はこの回路基板24を示している。この回路基板24には、たとえば一例としてその両面に複数の電子素子30,31,32,33,34,35が搭載されている。図2に示す回路基板24の搭載している電子素子の数は単なる一例である。電子素子30乃至35の種類としては、例えばCPU(中央処理装置)やドライバIC(集積回路)である。CPUやドライバICは、動作することにより熱を発生する。
【0030】
これらの電子素子30乃至35は、デジタルビデオカメラにおける動画処理のために発熱量が特に大きいが、回路基板24の熱伝導率が低いために、その電子素子30乃至35の放熱対策を行わないと、その熱が筐体20の中にこもってしまう。
そこで、電子素子30乃至35のような発熱素子が発生する熱を、筐体20の外に効率よく放出するために、図3に示すように冷却装置40が搭載されている。この冷却装置40は放熱装置とも呼んでいる。
【0031】
図3は筐体20とその内部構造の断面構造例を示している。
図3に示す冷却装置40は、筐体20に収容されている。冷却装置40は、筐体熱伝導部50と、熱伝導部材としての放熱スペーサ51を有している。
図3に示すようなデジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラのような小型の電子機器は、外観的な見栄えを良くするとともに放熱性を改良する点からマグネシウム合金が用いられることが多い。マグネシウム合金の熱伝導率は70W/mK前後であり、樹脂の熱伝導率0.2〜0.7W/mKに比べ非常に高く、比重が1.7g/cm3程度と軽量である。
【0032】
しかし、マグネシウム合金を筐体に用いる場合は、まだまだ製造上の歩留まり低い。マグネシウム合金は、樹脂モールド材の比重1.0〜1.7g/cm3に比べ重いために、マグネシウム合金ではなく樹脂モールド材が筐体に使われやすい。
このために、本発明の実施の形態では、筐体20の少なくとも筐体熱伝導部50が、炭素繊維を含有した樹脂モールド材により形成されている。
図3の実施の形態では、筐体20の全体を炭素繊維を含有した樹脂モールド材で形成してもよいが、特に図3の実施の形態では筐体熱伝導部50の部分が炭素繊維を含有した樹脂モールド材で形成されている。その他の筐体20の残部は、たとえばその他のプラスチック材料もしくは金属材料で作ることができる。
【0033】
筐体熱伝導部50は、図3の斜線部分で示す部分である。つまりこの筐体熱伝導部50の領域は、表示部16の格納部53の位置に形成されている。図2の実施の形態では、筐体熱伝導部50はバッテリ13Bの上部であってかつファインダ14の下部に位置している垂直な面の部分である。この位置に筐体熱伝導部50を形成することにより、使用者の指が、筐体熱伝導部50に触れることが、他の筐体20の部分に比べて少ないというメリットがある。
【0034】
筐体熱伝導部50は、上述したように炭素繊維を含有する樹脂モールド材で形成されている。
炭素繊維を含有する樹脂モールド材は、熱伝導率に関して異方性を持つが、一方炭素繊維を含有する樹脂モールド材を金型に充填するときには、炭素繊維の方向が面内方向に揃いやすいことになる。
本発明では、シートの面内方向に熱を伝えるものをヒートコンダクタと呼び、発熱体とヒートパイプやヒートスプレッダの間を埋めて、グリース的な役割を果たすシートを放熱スペーサと呼ぶ。
【0035】
冷却装置40を構成する放熱スペーサ51は、ヒートコンダクタ51A,ヒートコンダクタ51B,ヒートコンダクタ51Cを有している。ヒートコンダクタ51Aは、電子素子30,31の両方の面に熱的に密着して配置されている。しかもこのヒートコンダクタ51Aは、筐体熱伝導部50の内面に対してたとえば貼り付けて固定されている。電子素子30,31は、回路基板24の一方の面に搭載されている。その他の電子素子32乃至35は、回路基板24の他方の面に搭載されている。
【0036】
放熱スペーサ51のヒートコンダクタ51Cは、電子素子32乃至35の面に対して共通して熱的に密着して固定されている。このヒートコンダクタ51Aとヒートコンダクタ51Cは、ヒートコンダクタ51Bにより熱的に接続されている。このヒートコンダクタ51A,51B,51Cは放熱シートともいう。
このような構造にすることで、複数の発熱素子である電子素子30乃至35は、放熱スペーサ51のヒートコンダクタ51A,51B,51Cによりその温度が平準化されるとともに、各電子素子30乃至35の発生する熱は、筐体熱伝導部50側に伝えるようになっている。
【0037】
筐体熱伝導部50と放熱スペーサ51は共にシート状の部材であるので、筐体20の小型化を図った場合でも十分に搭載することができる。
ヒートコンダクタ51A,51Cを電子素子30乃至35に対して接着する場合には、たとえば熱伝導性の良好な接着剤を用いて固定する。そして筐体熱伝導部50とヒートコンダクタ51Aは、やはりたとえば熱伝導性の良好な接着剤を用いて固定する。
電子素子としては、たとえばLSI(大規模集積回路)や、ドライバIC、その他の動作時に熱を発生しやすい電子素子である。
【0038】
放熱スペーサ51の材質としては、熱伝導率が高い材質、たとえば金属、グラファイトシート、セラミックス等が挙げられる。シート状の熱伝達部材50,51の材質として金属を用いる場合には、例えば銅やアルミニウムを用いることができる。
シートに絶縁性が必要な場合、またグラファイトシートのように万が一生じるおそれのある粉落ちの危険性を防ぐために、放熱スペーサ51はPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエーテルニトリル)、ポリイミドやポリエステル系材料などの高分子シートを用いて、ラミネートもしくはコーティングされる。
【0039】
また、放熱スペーサ51の材質としてセラミックスを用いる場合には、窒化アルミニウムや窒化珪素等を用いることができる。
放熱スペーサ51の材質としては、グラファイトシートを用いることができる。このグラファイトシートは、層状構造を有している。このグラファイトシートは、カーボンが層状構造を構成したものであり、ある座標方向(面内方向)について熱伝導率が高い。そのために、グラファイトシートはできるだけ結晶の方向を揃えることによりある方向の熱伝導率を高めることができる。
【0040】
図3の実施の形態において電子機器を使用する場合には、電子素子30乃至35が熱を発生する。これらの電子素子30乃至35の熱は、放熱スペーサ51を通じて筐体熱伝導部50に伝わる。筐体熱伝導部50は、本体12の格納部53を通じて、筐体20の外部に効率よく熱を放出することができる。
この場合に、格納部53に位置している筐体熱伝導部50は、使用者の指に触れにくい位置にあるので、使用者が放熱を感じることが少ないというメリットがある。
【0041】
次に、図4は、本発明の電子機器の別の実施の形態を示している。
図4の電子機器10は、図3の電子機器10とほぼ同じ構造のものであるので、同じ箇所には同じ符号を記してその説明を用いる。
図4の電子機器10が図3の電子機器10と異なるのは、次の点である。
図3では放熱スペーサ51を用いていたが、図4ではその放熱スペーサ51に加えてヒートスプレッダ151と別の放熱スペーサ153を付加している。ヒートスプレッダ151は、たとえばグラファイトシートや金属箔(一例として銅箔)を用いることができる。ヒートスプレッダ151は放熱スペーサ51のヒートコンダクタ51Aと別の放熱スペーサ153の間に配置されている。放熱スペーサ153は筐体熱伝導部50に対して直接貼り付けられている。
【0042】
電子素子30乃至35の発生する熱は、放熱スペーサ51のヒートコンダクタ51A乃至51Cを通じてヒートスプレッダ151に伝えられる。このヒートスプレッダ151は、このような熱をさらに平準化して放熱スペーサ153を介して筐体熱伝導部50に伝える。筐体熱伝導部50は、筐体20の外部にこれらの熱を効率よく放出する。
【0043】
図5は、本発明のさらに別の実施の形態を示している。
図5に示す電子機器10が、図3に示す電子機器とほぼ同じ構造であり同じ箇所には同じ符号を記してその説明を用いる。
図5に示す電子機器10が図3に示す電子機器10と異なるのは、次の点である。
図5の電子機器10では、図3に示す放熱スペーサ51に代えてヒートパイプ251と放熱スペーサ210を備えている。放熱スペーサ210は、シート状の放熱部材であり、たとえば上述したようにグラファイトシートや金属箔などにより作られている。ヒートパイプ251は、電子素子30乃至35に対してそれぞれ熱的に密着して配置されている。放熱スペーサ210は、ヒートパイプ251と筐体熱伝導部50とを熱的に接続している。
これによって、電子素子30乃至35の発生する熱は、ヒートパイプ251により放熱スペーサ210に伝えられる。伝えられた熱は、放熱スペーサ210を介して筐体熱伝導部50を通じて筐体20の外部に放出される。
【0044】
次に、図6を参照して本発明のさらに別の実施の形態について説明する。
図6に示す電子機器10は、図2に示す電子機器10に対してさらに凹凸形状の放熱表面部分300が設けられている。この凹凸形状の放熱表面部分300は、格納部53の筐体熱伝導部50に対応して設けられている。
【0045】
図7は、図6の電子機器10の断面構造例を示している。
図7の実施の形態では、各電子素子30乃至35に対してヒートパイプ251が熱的に密着して配置されている。このヒートパイプ251は、放熱スペーサ(シート状の放熱部材)210を介して筐体熱伝導部450に対して熱的に密着されている。筐体熱伝導部450は、凹凸形状の放熱表面部分300を有しているが、この凹凸形状の放熱表面部分300は、筐体熱伝導部450の外面側に対して一体的に形成されている。つまり筐体熱伝導部450と凹凸形状の放熱表面部分300は一体形状物である。筐体熱伝導部450および凹凸形状の放熱表面部分300の一体形状部材は、図6に示すように格納部53に配置され、放熱用の一体型の放熱部材500を構成している。この一体型の放熱部材500は、たとえば図9,図10,図11,図12のような形状のものである。
【0046】
図9の一体型の放熱部材500は、基板部501に対して複数本のフィン502が配列されている。このフィン502の断面は長方形状である。
図10の一体型の放熱部材500は、基板部501の上に複数のフィン503が平行に形成されている。このフィン503の断面はたとえば半円形状である。図11に示す一体型の放熱部材500は、基板部501と複数個のフィン504を有している。これらのフィン504はたとえば立方体形状もしくは直方体形状を有している。
【0047】
図12の一体型の放熱部材500は、基板部501と複数のフィン505を有している。これらのフィン505の断面はたとえば三角形状である。図9乃至図12に示す一体型の放熱部材500は、たとえば図13に示すようなロール状の部材600から打ち抜きにより作ることができる。図13の例では図12に示す一体型の放熱部材500が打ち抜きによりロール状の部材600から作られている。
【0048】
このように一体型の放熱部材500は、基板部501の外面に複数のフィンを備えているので、平坦状の部材に比べて放熱面積を増加させることができる。これらの一体型の放熱部材500は、炭素繊維を含有している樹脂モールド材により作られているが、各フィン(突起ともいう)のピッチは、たとえば0.4mmでありそのフィンの高さはたとえば0.4mmである。このようにすることで、たとえば放熱面積は2倍に増やすことができる。
【0049】
図8に示す電子機器10の別の実施の形態では、図7の実施の形態と同様な箇所には同じ符号を記してその説明を用いる。図8の電子機器10が図7の電子機器10と異なるのは、筐体熱伝導部50の外面に対して一体型の放熱部材500が貼り付けて取り付けられていることである。この一体型の放熱部材500は、図7に示す一体型の放熱部材500と同じものである。
【0050】
図14は、本発明の別の実施の形態を示している。
図14に示す電子機器1010は、たとえばノート型のコンピュータである。この電子機器1010は、本体1011とディスプレイ部1013を有している。本体1011にはキーボード1014とアームレスト1015およびスライドパッド1016を有している。スライドパッド1016は、指で触れることによりディスプレイ部1013上のポインタ1017を動かすためのいわゆるポインディングデバイスの一種である。
本体1011のアームレスト1015には、図9乃至図12に示すような一体型の放熱部材500が貼り付けられている。
【0051】
図15は、図14(B)におけるA−A線における本体1011の断面構造例を示している。本体1011のアームレスト1015は、炭素繊維を含有する樹脂モールド材により作られている。しかしアームレスト1015を含む本体1011の全体が、炭素繊維を含有する樹脂モールド材で作るようにしても勿論構わない。
【0052】
アームレスト1015は、筐体熱伝導部に相当する。この筐体熱伝導部であるアームレスト1015の内面には、放熱スペーサ1051が配置されている。この放熱スペーサ1051は、回路基板1024の複数の電子素子1030,1031に対して熱的に密着して貼り付けられている。
放熱スペーサ1051は、電子素子1030,1031が発生する熱をアームレスト1015に伝える。アームレスト1015は、一体型の放熱部材500に対して熱を伝えることにより、一体型の放熱部材500は本体1011の外部に放出することができる。図15における本体1011は電子機器の筐体に相当し、放熱スペーサ1051は熱伝導部材に相当する。
【0053】
このように図14と図15に示すような筐体熱伝導部であるアームレスト1015に対して一体型の放熱部材500を貼り付けることにより次のようなメリットがある。
電子機器1010を使用する使用者は、手をアームレスト1015の上に置いてキーボード1014やスライドパッド1016を操作する。この場合に、使用者の手や指が一体型の放熱部材500およびアームレスト1015に触れても、内部からの熱は分散して外部に放出するので、余り熱く感じない。
アームレスト1015を除いた本体1011の他の部分1060の材料として、アルミニウムやマグネシウム合金や他の種類の樹脂材を採用することもできる。
一体型の放熱部材500を採用することにより、フィン505が設けられているので、手や指が直接一体型の放熱部材500に接することがないので、手や指が熱く感じるのを防ぐことができる。アームレスト1015の材質としては、炭素繊維を含有する樹脂モールド材以外に、アルミニウムやマグネシウム合金等であっても勿論構わない。
【0054】
本発明の冷却装置は、放熱面積を増やした筐体を用いており、筐体の熱伝導率が高く、放熱面積を増やすシート状の放熱部材を貼り付けることにより、大気中に効率よく熱を逃がすことができ、熱がこもりやすいような電子機器の温度上昇を緩和したり、低温やけどを防ぐことが可能である。
【0055】
ところで本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上述した本発明の実施の形態では、電子機器の例としていわゆる携帯型の電子機器であるデジタルビデオカメラやコンピュータを例に挙げている。
しかしこれに限らず本発明の冷却装置を有する電子機器の例としては、たとえば携帯情報端末(PDA)や、デジタルスチルカメラ、その他の情報関連機器あるいは情報関連機器以外の携帯可能な電気製品であっても勿論構わない。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、筐体内で発生する電子素子のような複数の発熱素子の発生する熱を筐体の外部に効率よく放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷却装置を有する電子機器の一例であるデジタルビデオカメラを示す斜視図。
【図2】図1のデジタルビデオカメラを別の方向から見た斜視図。
【図3】図1の電子機器の筐体の内部構造の一例を示す図。
【図4】本発明の電子機器の内部構造の別の実施の形態を示す図。
【図5】本発明の電子機器の内部構造のさらに別の実施の形態を示す図。
【図6】本発明の電子機器のさらに別の実施の形態を示す斜視図。
【図7】図6の電子機器の内部構造例を示す図。
【図8】図6の電子機器の内部構造の別の実施の形態を示す図。
【図9】本発明の実施の形態に用いられている一体型の放熱部材の形状例を示す図。
【図10】本発明のさらに別の実施の形態に用いられている一体型の放熱部材の形状例を示す図。
【図11】本発明のさらに別の実施の形態に用いられている一体型の放熱部材の形状例を示す図。
【図12】本発明のさらに別の実施の形態に用いられている一体型の放熱部材の形状例を示す図。
【図13】図12に示す一体型の放熱部材の形成例を示す図。
【図14】本発明の電子機器の別の実施の形態を示す斜視図。
【図15】図14の実施の形態の電子機器のA−Aにおける断面構造例を示す図。
【符号の説明】
10・・・電子機器、20・・・筐体、24・・・回路基板、30乃至35・・・電子素子(発熱素子)、40・・・冷却装置、50・・・筐体熱伝導部、51・・・放熱スペーサ(熱伝導部材)、53・・・電子機器の格納部
Claims (10)
- 電子機器の筐体内に配置され動作時に熱を発生する複数の発熱素子を冷却するための冷却装置であり、
前記筐体の少なくとも一部分を構成しており炭素繊維を含有した樹脂モールド材で形成された筐体熱伝導部と、
前記筐体内に配置されて、複数の前記発熱素子に熱的に密着しており複数の前記発熱素子の温度を平準化して前記筐体熱伝導部に複数の前記発熱素子の熱を伝えるための熱伝導部材と、
を備えることを特徴とする冷却装置。 - 前記熱伝導部材は、グラファイトシートあるいは金属箔である請求項1に記載の冷却装置。
- 前記熱伝導部材は、複数の前記発熱素子の温度を平準化するシート状の放熱部材と、前記熱伝導部材を前記筐体熱伝導部に対して熱的に接続されて前記筐体熱伝導部に熱を伝えるヒートパイプを有する請求項1に記載の冷却装置。
- 前記筐体熱伝導部は、凹凸形状の放熱表面部分を有している請求項1に記載の冷却装置。
- 前記筐体熱伝導部の前記凹凸形状の放熱表面部分は、前記筐体熱伝導部とは別部材であり前記筐体熱伝導部の外側に付加して固定されている請求項4に記載の冷却装置。
- 電子機器の筐体内に配置され動作時に熱を発生する複数の発熱素子を冷却するための冷却装置を有する電子機器であり、
前記冷却装置は、
前記筐体の少なくとも一部分を構成しており炭素繊維を含有した樹脂モールド材で形成された筐体熱伝導部と、
前記筐体内に配置されて、複数の前記発熱素子に熱的に密着しており複数の前記発熱素子の温度を平準化して前記筐体熱伝導部に複数の前記発熱素子の熱を伝えるための熱伝導部材と、
を備えることを特徴とする冷却装置を有する電子機器。 - 前記熱伝導部材は、グラファイトシートあるいは金属箔である請求項6に記載の冷却装置を有する電子機器。
- 前記熱伝導部材は、複数の前記発熱素子の温度を平準化するシート状の放熱部材と、前記熱伝導部材を前記筐体熱伝導部に対して熱的に接続されて前記筐体熱伝導部に熱を伝えるヒートパイプを有する請求項6に記載の冷却装置を有する電子機器。
- 前記筐体熱伝導部は、凹凸形状の放熱表面部分を有している請求項6に記載の冷却装置を有する電子機器。
- 前記筐体熱伝導部の前記凹凸形状の放熱表面部分は、前記筐体熱伝導部とは別部材であり前記筐体熱伝導部の外側に付加して固定されている請求項9に記載の冷却装置を有する電子機器。
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