JP2004200320A - 固体撮像素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】最終保護膜の下層を、屈折率が、前記最終保護膜よりも、前記リフロー膜4に近く、緻密な下層保護膜5で被覆し、リフロー膜からの不純物の析出を防止するようにしている。
【選択図】図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子およびその製造方法にかかり、特に保護膜の形成に関する。
【0002】
【従来の技術】
エリアセンサ等に用いられるCCD固体撮像素子は、フォトダイオードなどの光電変換部と、この光電変換部からの信号電荷を転送するための電荷転送電極を備えた電荷転送部とを有する。電荷転送電極は、半導体基板に形成された電荷転送路上に複数個隣接して配置され、順次駆動される。
【0003】
近年、固体撮像素子においては、ギガピクセル以上まで撮像画素数の増加が進んでいるが、画素数の増加に伴い、光電変換部の感度の向上への要求が高まっている。
【0004】
このため、電荷転送電極の微細化および電荷転送電極材料の低抵抗化に加え、光電変換部の微細化および高感度化は進む一方であり、光電変換部であるフォトダイオード部の汚染防止は重要な課題となっている。
【0005】
従来、素子の最終保護膜としては、プラズマCVD法により形成した窒化シリコン膜(SiN)が用いられている。しかしながら、この窒化シリコン膜の膜厚がフォトダイオード上でばらつくと感度の比が不均一になるという問題がある。また窒化シリコン膜とその下層に形成される酸化シリコン膜の屈折率が異なるため、界面での反射が生じ、感度の低下を招くことがある。
【0006】
そこでフォトダイオード上の窒化シリコン膜をエッチング除去することにより、上記問題は解決できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、窒化シリコン膜の下層に形成されている酸化シリコン膜は、平坦化のためのリフロー膜として用いられるものでホウ素あるいはリンなどの不純物を含有する酸化シリコン膜であるPSGあるいはBPSG膜が用いられていることが多い。このため、露出した酸化シリコン膜中のホウ素あるいはリンが大気中の水分と反応して析出し、フォトダイオード上の光路を遮る結果となり、傷の増加を招くことになる。
【0008】
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、固体撮像素子の光学特性を劣化することなく、光電変換部表面を覆う平坦化用の酸化シリコン膜(リフロー膜)からの不純物の析出を抑制し、感度比の均一性を高めるとともに、感度レベルの改善を図ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明では、最終保護膜の下層を、屈折率が、前記最終保護膜よりも、前記リフロー膜に近く、緻密な下層保護膜で被覆し、リフロー膜からの不純物の析出を防止するようにしている。
【0010】
すなわち、本発明の固体撮像素子では、半導体基板表面に形成された光電変換部と、前記光電変換部で生起せしめられた電荷を転送する電荷転送部とを具備し、前記半導体基板表面が、リフロー膜と、前記リフロー膜の上層に形成された保護膜とで被覆された固体撮像素子であって、前記保護膜は、最終保護膜と、その下層に形成される下層保護膜とを含み、前記光電変換部表面の前記保護膜は、最終保護膜を含まず、前記リフロー膜の表面は、下層保護膜で被覆せしめられており、前記下層保護膜は、その屈折率が前記最終保護膜よりも、前記リフロー膜に近い膜であることを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、リフロー膜上は下層保護膜で被覆せしめられているため、リフロー膜から放出される不純物が大気に触れるのが防止され、大気との反応による、リフロー膜表面への析出を防止することが可能となる。ここで下層保護膜は、不純物ガスの透過を阻止しうる程度に、(望ましくはリフロー膜よりも)緻密であるのが望ましい。従って明時の黒キズ不良が防止される。また、屈折率がリフロー膜に近いため、リフロー膜と下層保護膜との界面での反射が低減され、感度の低下を防止することができる。またリフロー膜を形成しているため、表面の平坦化をはかることができ、低照度時の感度低下を抑制することができる。ここで最終保護膜とは最上層の保護膜をいうものとし、通常は窒化シリコン膜が用いられる。
【0012】
また望ましくは、前記下層保護膜としては酸化シリコン膜を用いるようにすれば、リフロー膜との屈折率差をなくすことができ、受光光量の減衰を低減することができる。
【0013】
また、前記下層保護膜として窒化酸化シリコン膜を用いるようにすれば、最終保護膜の形成に用いられるチャンバー内で酸素を添加するのみで、容易に形成可能である。
【0014】
また本発明の固体撮像素子の製造方法によれば、半導体基板表面に形成された光電変換部と、前記光電変換部で生起せしめられた電荷を転送する電荷転送部とを形成する工程と、前記光電変換部を含む表面を、不純物を含む酸化シリコン膜で被覆し、熱処理により平坦化し、リフロー膜を形成する平坦化工程と、前記半導体基板表面に、前記光電変換部上に開口をもつ、窒化シリコン膜からなる最終保護膜を形成する工程とを含む固体撮像素子の製造方法において、前記最終保護膜を形成する工程に先立ち、少なくとも前記光電変換部上の前記リフロー膜の上層に、屈折率が、前記最終保護膜よりも、前記リフロー膜に近い下層保護膜を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0015】
かかる方法によれば、下層保護膜を形成する工程を付加するのみで、下層保護膜によってリフロー膜からのリンやボロンの析出を抑制することができ、光路遮光を抑制し、明時黒キズ不良の発生を抑制することができる。また下層保護膜とリフロー膜との界面での屈折を抑制しているため、シリコン基板上での入射光の反射を抑制することができ、入射光の減衰を抑制することができる。またリフロー膜を形成しているため、表面の平坦化をはかることができ、低照度時の感度低下を抑制することができる。
【0016】
この下層保護膜は、プラズマCVD法により形成される酸化シリコン膜を用いるのが望ましい。これにより、低温形成が可能であるため、リフロー膜からの不純物遊離を抑制しつつ形成することが可能である。
【0017】
また、下層保護膜を、プラズマCVD法により形成される窒化酸化シリコン膜とすれば、最終保護膜の形成工程を同一チャンバー内で酸化性ガスを供給するのみで容易に形成可能である。なお、下層保護膜の組成を連続的に変化させ、光電変換部上で、リフロー膜表面から上層に行くに従い窒素含有量が連続的に増大するようにすれば、屈折率も連続的に変化し、なおよい。
【0018】
さらにまた、下層保護膜を形成する工程を、パッドの形成に先立ち実行されるようにすれば、パッドを露呈させるためのマスク形成工程およびエッチング工程が不要となり、製造が容易となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照しつ説明する。
(第1の実施の形態)
図7に、本発明の第1の実施の形態の固体撮像素子の概略構成断面図を示す。図1乃至図6は、工程断面図である。図中、簡略化のために、シリコン基板に形成される不純物領域および電極は省略し、概要のみを示す。
【0020】
図7に示すように、シリコン基板1には、複数のフォトダイオード30が形成されて光電変換部を構成しており、フォトダイオードで検出した信号電荷を転送するための電荷転送電極3を配列してなる電荷転送部40が、フォトダイオード30の間に蛇行形状を呈するように形成される。本実施の形態では、この光電変換部の表面では、周縁部50など他の領域を覆う最終保護膜である窒化シリコン膜6が除去されており、BPSG膜をリフローして得られたリフロー膜4上が、プラズマCVD法で形成された酸化シリコン膜からなる下層保護膜5で被覆されていることを特徴とする。
【0021】
この下層保護膜5をリフロー膜の屈折率に近い酸化シリコン膜で構成し、界面での屈折を抑制するとともに、リフロー膜からの不純物の透過を阻止するようにし、不純物の析出を抑制するようにし、光量の減衰なしに、明時黒キズの発生を抑制している。
【0022】
またここでは電荷転送電極3によって転送される信号電荷が移動する電荷転送チャネル(図示せず)は、電荷転送電極3が延在する方向と交差する方向に、やはり蛇行形状を呈するように形成される。そしてこのシリコン基板1の周縁部50にアルミニウム層からなるパッド7が形成され、外部接続端子を構成している。
【0023】
また、シリコン基板1内には、フォトダイオード30、電荷転送チャネル(図示せず)、チャネルストップ領域、電荷読み出し領域(図示せず)が形成され、シリコン基板1表面には、絶縁膜(以下、ゲート酸化膜と記述する。)2が形成される。ゲート酸化膜2表面には、酸化シリコン膜からなる電極間絶縁膜と多結晶シリコン膜からなる電荷転送電極3が形成されている。
【0024】
固体撮像素子の上方には、フォトダイオード30部分を除いて遮光膜(図示せず)が設けられ、さらにカラーフィルタ(図示せず)、マイクロレンズ(図示せず)が設けられる。また、本実施の形態では、いわゆるハニカム構造の固体撮像素子を示しているが、正方格子型の固体撮像素子にも適用可能であることはいうまでもない。
【0025】
次に、図1乃至6を用いてこの固体撮像素子の製造工程について説明する。まず、図1に示すように、通常の方法により、n型のシリコン基板1表面に、フォトダイオード30および電荷転送部40を形成するとともに、周縁部50にアルミニウムパターンからなるパッド7を形成する。
ここでゲート酸化膜は、シリコン基板1表面に形成された、膜厚15nm〜35nmの酸化シリコン膜と、膜厚50nmの窒化シリコン膜と、膜厚10nmの酸化シリコン膜とからなる3層構造をなすものである。
そしてこのゲート酸化膜2上に多結晶シリコン膜からなる電荷転送電極3が形成されている。
これらは通常の方法により形成されるため本実施の形態では説明を省略する。
【0026】
通常の方法で、フォトダイオード30、電荷転送部40、および周縁部50の形成されたシリコン基板1の表面に厚さ500〜1000nmのBPSG膜4を塗布形成する。そして、800〜900℃、30〜60分の熱処理によるリフロー工程を経て、表面を平坦化する。そしてアルミニウム層をパターニングし配線層を形成する。ここで周縁部にはアルミニウム層からなるパッド7が形成される。
【0027】
この後、プラズマCVD法により、膜厚50〜200nmの酸化シリコン膜4を形成した後、続いて膜厚200〜1000nmの窒化シリコン膜6を形成する。この窒化シリコン膜6が最終保護膜となる(図1)。
【0028】
続いて、そしてこの上層にポジレジストを厚さ0.5〜2.0μmとなるように塗布する。
【0029】
そして、フォトリソグラフィにより所望のマスクを用いて露光し、現像、水洗を行い、パターン幅0.3から数μmのレジストパターンR1を形成する(図2参照)。
【0030】
そしてこのレジストパターンR1をマスクとして用いて図3に示すように、窒化シリコン6をパターニングする。ここではフォトダイオード30上に相当する領域では窒化シリコン膜6を除去している。
【0031】
そして図4に示すように、このレジストパターンR1を剥離する。
【0032】
再度、そしてこの上層にポジレジストを厚さ0.5〜2.0μmとなるように塗布し、フォトリソグラフィにより所望のマスクを用いて露光し、現像、水洗を行い、パッド7上で開口するようにレジストパターンR2を形成する(図5参照)。
【0033】
このレジストパターンR2をマスクとしてパッド7上の酸化シリコン膜4をエッチング除去し、図6に示すようにパッド7を露呈せしめる。
そしてこのレジストパターンR2を除去し、図7に示すような固体撮像素子が形成される。
【0034】
この方法によれば、BPSG膜4上はプラズマCVD法で形成した酸化シリコン膜で覆われているため、不純物が表面に析出することもない。従って黒キズ不良の発生もなく撮像特性の良好な固体撮像素子を形成することが可能となる。
【0035】
さらにまた、工数の大幅な増大もなく、歩留まりの向上をはかることが可能となる。
【0036】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、下層保護膜としての酸化シリコン膜をパッド上に形成したがこの例ではパッド7の下層に形成したことを特徴とする。
かかる構成によれば、パッド7を開口するための酸化シリコン膜のエッチング工程が不要となる。
【0037】
図8乃至図10はその工程断面図である。
前述したように、この例では、図8に示すように、アルミニウム層からなるパッド7は、フォトダイオード30表面のリフロー膜を覆う酸化シリコン膜4の上層に形成される。そしてパッド7を含む配線層の上層に、プラズマCVD法により、最終保護膜としての窒化シリコン膜6が形成される。他の工程については前記第1の実施の形態と同様である。
【0038】
続いて、図9に示すように、この上層にポジレジストを厚さ0.5〜2.0μmとなるように塗布する。
そして、フォトリソグラフィにより所望のマスクを用いて露光し、現像、水洗を行い、レジストパターンRを形成する。
【0039】
そしてこのレジストパターンRをマスクとして用いて図10に示すように、窒化シリコン6をパターニングする。ここではフォトダイオード30上に相当する領域およびパッド7上では窒化シリコン膜6を除去している。
そしてこのレジストパターンRを除去し、固体撮像素子が形成される。
【0040】
この方法によれば、前記第1の実施の形態による効果に加えて、下層保護膜としての酸化シリコン膜がパッドの下層に形成されているため、パッドにコンタクトするためのフォトリソグラフィ工程およびエッチング工程が1回分低減される。
このようにして作業性よく、黒キズ不良の発生がなく撮像特性の優れた固体撮像素子を形成することが可能となる。
【0041】
なお前記実施の形態では、下層保護膜としてプラズマCVD法で形成した窒化シリコンを用いたが、これに代えて窒化酸化シリコン膜で形成しても良い。
【0042】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、リフロー膜表面に不純物が析出することによる光路の遮光を抑制することができる上、明時の黒キズ不良もない、信頼性の高い固体撮像素子を提供することが可能となる。
【0043】
また、フォトダイオード上ではより屈折率の近い膜で構成しているため、フォトダイオード表面に形成される膜同士の界面での屈折を低減し、基板上での入射光の反射を抑制することができ、入射光の減衰を低減することができる。従って感度の向上をはかることが可能となる。
【0044】
さらに表面の平坦化がなされているため、斜めからの入射光を効率よくフォトダイオード上に集光することができ、低照度時の感度低下を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の固体撮像素子の製造工程を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の固体撮像素子の製造工程を示す概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の固体撮像素子の製造工程を示す概略図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の固体撮像素子の製造工程を示す概略図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の固体撮像素子の製造工程を示す概略図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の固体撮像素子の製造工程を示す概略図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態の固体撮像素子の製造工程を示す概略図である。
【図8】本発明の第2実施の形態の固体撮像素子の製造工程を示す概略図である。
【図9】本発明の第2実施の形態の固体撮像素子の製造工程を示す概略図である。
【図10】本発明の第2実施の形態の固体撮像素子の製造工程を示す概略図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板
2 ゲート酸化膜
3 多結晶シリコン膜
4 BPSG膜
5 酸化シリコン膜
6 窒化シリコン膜
30・・・フォトダイオード
40・・・電荷転送電極
50・・・周縁部
Claims (7)
- 半導体基板表面に形成された光電変換部と、前記光電変換部で生起せしめられた電荷を転送する電荷転送部とを具備し、前記半導体基板表面が、リフロー膜と、前記リフロー膜の上層に形成された保護膜とで被覆された固体撮像素子であって、
前記保護膜は、最終保護膜と、その下層に形成される下層保護膜とを含み、
前記光電変換部表面の前記保護膜は、最終保護膜を含まず、前記リフロー膜の表面は、下層保護膜で被覆せしめられており、
前記下層保護膜は、その屈折率が前記最終保護膜よりも、前記リフロー膜に近い膜であることを特徴とする固体撮像素子。 - 前記下層保護膜は酸化シリコン膜であることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
- 前記下層保護膜は窒化酸化シリコン膜であることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
- 半導体基板表面に形成された光電変換部と、前記光電変換部で生起せしめられた電荷を転送する電荷転送部とを形成する工程と、
前記光電変換部を含む前記半導体基板表面を、不純物を含有した酸化シリコン膜で被覆し、熱処理により平坦化し、リフロー膜を形成する平坦化工程と、
前記半導体基板表面に、前記光電変換部上に開口をもつ、窒化シリコン膜からなる最終保護膜を形成する工程とを含む固体撮像素子の製造方法において、
前記最終保護膜を形成する工程に先立ち、少なくとも前記光電変換部上の前記リフロー膜の上層に、屈折率が前記最終保護膜よりも前記リフロー膜に近い下層保護膜を形成する工程を含むことを特徴とする固体撮像素子の製造方法。 - 前記下層保護膜を形成する工程は、プラズマCVD法により酸化シリコン膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の固体撮像素子の製造方法。
- 前記下層保護膜を形成する工程は、プラズマCVD法により窒化酸化シリコン膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の固体撮像素子の製造方法。
- 前記下層保護膜を形成する工程は、パッドの形成に先立ち実行されることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の固体撮像素子の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011096782A (ja) * | 2009-10-28 | 2011-05-12 | Toshiba Corp | 固体撮像素子の製造方法 |
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2002
- 2002-12-17 JP JP2002365736A patent/JP4162480B2/ja not_active Expired - Fee Related
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