JP2009290089A - 固体撮像装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有効画素領域およびOB領域の暗電流を低減でき、OB段差をも低減できる固体撮像装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】フォトダイオード102の上方に配置された、水素を含有する反射防止膜106と、反射防止膜106の上方に配置された水素拡散防止膜107とを備える。本構成によれば、水素供給源である反射防止膜106から半導体基板101表面へ、効率よく水素を供給することができ、暗電流の絶対量を低減することができる。また、水素供給膜である反射防止膜106を遮光膜109より下方に形成することで、水素供給量の違いにより生じるオプティカルブラック領域と有効画素領域との間の暗出力オフセットを抑制することができる。
【選択図】図1
【解決手段】フォトダイオード102の上方に配置された、水素を含有する反射防止膜106と、反射防止膜106の上方に配置された水素拡散防止膜107とを備える。本構成によれば、水素供給源である反射防止膜106から半導体基板101表面へ、効率よく水素を供給することができ、暗電流の絶対量を低減することができる。また、水素供給膜である反射防止膜106を遮光膜109より下方に形成することで、水素供給量の違いにより生じるオプティカルブラック領域と有効画素領域との間の暗出力オフセットを抑制することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体撮像装置およびその製造方法に関し、特に、暗電流の発生を防止する技術に関する。
近年、固体撮像装置において高画素化、低コスト化の要求に応じて、画素サイズの縮小が急速に進んでいる。この画素サイズの縮小に伴い、各画素の受光部を構成するフォトダイオードの実効的な受光領域が縮小し、画素の信号/ノイズ比(S/N比)が低下している。画素において発生するノイズの主要因は、表面に酸化膜が形成されたシリコン基板の酸化膜界面に存在するダングリングボンド(未結合手)に起因して発生する界面準位を介して流れる暗電流である。
暗電流を防止する方法としては、受光部が形成されたシリコン基板上に水素を含有する膜を形成し、当該膜中に含まれる水素原子をシリコン基板表面に移動させて、ダングリングボンドを終端することで界面準位を低減する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。水素供給源としては、遮光膜として形成される金属膜や保護膜として形成される窒化シリコン膜が使用されており、水素原子は、遮光膜や保護膜の成膜工程中、あるいは成膜後の熱処理中にシリコン基板へ移動する。
また、固体撮像装置は、受光部に光が入射する状態の画素が配置された有効画素領域と、遮光膜等により受光部への光入射が防止された状態の画素が配置されたオプティカルブラック領域(以下、OB領域という。)を有している。OB領域は、有効画素領域の周辺に配置されており、OB領域の画素から出力される信号が黒信号レベルの基準として使用される。
図2は、従来の固体撮像装置の有効画素領域およびOB領域の、1つの画素を含む領域を示す断面図である。図2(a)が有効画素領域に対応し、図2(b)がOB領域に対応する。
図2(a)および図2(b)に示すように、当該固体撮像装置は、半導体基板201の表面部に、N型の不純物領域からなるフォトダイオード202および垂直電荷転送領域203を備える。半導体基板201の表面にはゲート絶縁膜204が形成されており、ゲート絶縁膜204上に垂直転送電極205が形成されている。隣接する垂直転送電極205の間のフォトダイオード202上と垂直電荷転送領域203上には、反射防止膜206が形成されている。また、反射防止膜206が形成された半導体基板201上には、基板全面に形成された層間絶縁膜208を介して遮光膜209が形成されている。なお、図2(a)に示すように、有効画素領域に属するフォトダイオード202上の遮光膜209には、フォトダイオード202に光を入射させるための開口部211が形成される。また、図2(b)に示すように、OB領域に属するフォトダイオード202上は遮光膜209に被覆されている。遮光膜209上には、保護膜212が形成され、当該保護膜212上に平坦化膜210が設けられている。
特開2002−203953号公報
上記特許文献1が開示する構成では、水素供給膜である保護膜212が遮光膜209より上方に配置されている。当該構成では、遮光膜209に被覆されていない有効画素領域では、保護膜212が水素供給源となる。例えば、保護膜212としてプラズマCVDにより形成される窒化シリコン膜を使用した場合、窒化シリコン膜には成膜時のプラズマに起因する水素が含まれるため、保護膜212からシリコン基板表面へ十分な水素が供給される。しかしながら、遮光膜209で完全に覆われているOB領域では、遮光膜209のみから水素が供給されることになる。水素を含有するアルミニウムにより遮光膜209を構成した場合、遮光膜209を水素供給源として機能させることができる。しかしながら、アルミニウムの基板表面への水素供給能力は、プラズマCVDにより形成される窒化シリコン膜の水素供給能力に比べて劣るため、シリコン基板表面へ十分に水素を供給することができない。その結果、有効画素領域のシリコン基板表面とOB領域のシリコン基板表面とでは、界面準位の低減度合いが異なってしまう。すなわち、有効画素領域とOB領域とでは暗電流の発生状況が異なり、光が入射しない状態での有効画素領域の各画素の出力(暗出力)とOB領域の出力との間にオフセット(以下、OB段差という。)が生じることになる。図2に示した構成の場合には、有効画素領域の暗電流よりもOB領域の暗電流が大きくなる。
上述のように、OB領域の画素が出力する信号は、有効画素領域の画素の黒信号レベルとして使用されるため、OB段差は、有効画素領域の画素のS/N比を低下させる。S/N比が大きい画素では問題とならないが、画素サイズの縮小がさらに進行し、感度の低下によるS/N比の低下がさらに顕著になると、このようなOBオフセットを許容することができなくなる。加えて、感度の低下によるS/N比の低下が顕著な固体撮像装置では、暗電流の絶対量を低減することが必要になる。
また、特許文献1では、シリコン基板表面への水素の供給を阻害する膜に水素供給用通路を設けることが開示されているが、このような水素供給用通路を形成するためには、加工用のマスクおよび加工工程が必要となるため、製造コストが増大することになる。
本発明は上記従来の問題を鑑みて提案されたものであって、有効画素領域およびOB領域の暗電流を従来に比べて低減できるとともに、OB段差をも低減できる固体撮像装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術的手段を採用している。まず、本発明は、半導体基板と、半導体基板内に形成された受光部と、を備えた固体撮像装置を前提としている。そして、本発明に係る固体撮像装置は、受光部の上方に配置された、水素を含有する反射防止膜と、当該反射防止膜の上方に配置された水素拡散防止膜とを備える。
本構成によれば、水素供給源である反射防止膜から半導体基板表面へ、従来に比べて効率よく水素を供給することができる。その結果、暗電流の絶対量を低減することができる。
この固体撮像装置において、前記反射防止膜は、前記受光部が受光対象とする入射光の波長に応じて、当該入射光の反射を抑制する膜厚または屈折率に設定することが好ましい。また、水素拡散防止膜の屈折率は、反射防止膜の屈折率と同一とすることができる。水素拡散防止膜の上方に平坦化膜をさらに備える固体撮像装置では、平坦化膜の屈折率が反射防止膜の屈折率より小さく、かつ水素拡散防止膜が、平坦化膜と反射防止膜との中間の屈折率を有することが好ましい。さらに、水素拡散防止膜は、反射防止膜と接して配置されることが好ましい。例えば、反射防止膜は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成することができる。また、反射防止膜および水素拡散防止膜は、窒化シリコン膜とすることができる。
一方、他の観点では、本発明は、固体撮像装置の製造方法を提供することができる。すなわち、本発明に係る固体撮像装置の製造方法では、まず、半導体基板に受光部が形成される。次いで、受光部の上方に、水素を含有する反射防止膜が形成される。そして、反射防止膜の上方に、水素拡散防止膜が形成される。
本構成によれば、水素供給源である反射防止膜から半導体基板表面へ、従来に比べて効率よく水素を供給することができる。その結果、暗電流の絶対量を低減することができる。
本構成において、水素拡散防止膜は、反射防止膜上に接して形成されることが好ましい。例えば、反射防止膜は、プラズマCVD法により形成することができる。なお、水素拡散防止膜の成膜温度は、常温以上かつ反射防止膜から水素の離脱が発生する温度未満であることが好ましく、特に450℃未満であることが好ましい。これにより、反射防止膜の上方に水素拡散防止膜を形成する際に、反射防止膜から離脱した水素が外部へ放散されることを防止でき、反射防止膜の水素供給能力低下を防止することができる。
本発明によれば、受光部表面における光の反射率を低下させる反射防止膜を水素含有物質で形成し、その上方に水素拡散防止膜を形成することで、基板表面に効率よく水素を供給することができる。その結果、従来構造に比べて暗電流の絶対量を低減することができる。また、本発明によれば、遮光膜より下方に水素供給膜である反射防止膜を形成することで、有効画素領域、OB領域のいずれであっても水素供給量の違いにより生じるOB段差をほぼゼロにすることができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。以下の実施形態では、本発明を、CCD(Charge Coupled Device)型固体撮像装置の事例により具体化している。
図1は、本発明の一実施形態における固体撮像装置の有効画素領域およびOB領域の、画素を含む領域を示す断面図である。図1(a)が有効画素領域に対応し、図1(b)がOB領域に対応する。なお、図1(a)、図1(b)では、1画素に対応する領域のみを示しているが、有効画素領域には複数の画素がマトリクス状に配列されており、有効画素領域の周辺に設けられたOB領域にも複数の画素が設けられている。以下、本実施形態に係る固体撮像装置の構造を、その製造工程とともに説明する。
図1(a)、図1(b)に示すように、有効画素領域の画素およびOB領域の画素は、シリコンからなる半導体基板101の表面部に、フォトダイオード(受光部)102および垂直電荷転送領域103を備える。フォトダイオード102は、入射した光に基づいて信号電荷を生成する。垂直電荷転送領域103は、フォトダイオード102において生成された信号電荷を読み出して、垂直方向(図1(a)、(b)では、紙面に垂直な方向)に転送する。ここでは、半導体基板101は、N型のシリコン基板であり、フォトダイオード102および垂直電荷転送領域103は、当該半導体基板101の表面部に形成されたP型のウェル領域にイオン注入等により形成されたN型の不純物領域からなる。なお、図示を省略しているが、垂直電荷転送領域103と、当該垂直電荷転送領域103の信号電荷読み出し対象ではないフォトダイオード102との間には、P型の不純物領域からなるチャネルストップ領域が設けられている。
フォトダイオード102の不純物濃度は、光電変換が可能な濃度であればよいが、2.0E16〜2.0E17cm-3程度に調整されることが好ましい。また、フォトダイオード102は、基板表面から2.5〜3.0μm程度の深さにわたって形成されていることが適当である。一方、垂直電荷転送領域103の不純物濃度は、5.0E15〜4.0E16cm-3程度であることが好ましい。また、垂直電荷転送領域103は、基板表面から0.15〜0.4μm程度の深さにわたって形成されていることが適当である。
半導体基板101の表面には、熱酸化法等により、膜厚が20〜45nm程度のシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜104が形成されている。ゲート絶縁膜104の上面には、フォトダイオード102で生成された信号電荷の垂直電荷転送領域103への読み出し、並びに、当該信号電荷の外部への転送を制御するドープドポリシリコンからなる垂直転送電極105が、リソグラフィ技術を適用することにより設けられる。なお、垂直転送電極105の上面および側面には、熱酸化法等によりシリコン酸化膜が形成される。
さて、本実施形態の固体撮像装置は、フォトダイオード102上と垂直転送電極105上とを被覆する反射防止膜106を備える。反射防止膜106は、水素を含有する物質からなる。本実施形態では、反射防止膜106として、プラズマCVD法によって形成した窒化シリコン膜(SiN膜)を採用している。プラズマCVD法によって形成されたSiN膜には、成膜時のプラズマで発生した水素が含まれるため、水素供給源として有効に機能する。
反射防止膜106は、膜中に含まれる水素を基板表面に供給する水素供給源として機能し、基板表面に水素を供給することで界面準位を低減させる。なお、反射防止膜106として、プラズマCVD法によって形成したSiN膜を採用した場合、反射防止膜106から水素を離脱させ、基板表面へ水素を供給するためには、450℃以上の熱処理が必要になる。当該熱処理は、例えば、以降で形成される層間絶縁膜108の成膜時や、遮光膜109形成後の平坦化膜110成膜時、その後のリフローと兼ねることができる。また、当該熱処理を独立した処理として実施することも当然に可能である。
また、本実施形態の固体撮像装置は、反射防止膜106上に、反射防止膜106を被覆する水素拡散防止膜107を備える。水素拡散防止膜107は、水素の透過が困難な緻密な膜からなる。水素拡散防止膜107としては、LPCVD(Low Pressure CVD)法によって形成されたSiN膜、あるいは、プラズマCVD法によって形成されたSiN膜のうち、水素透過性の低いもの(膜密度が高いもの)を使用することができる。
なお、水素拡散防止膜107の成膜温度は、常温以上450℃未満の温度であることが好ましい。450℃以上の場合、水素拡散防止膜107の成膜時に、最表面に露出している反射防止膜106から離脱した水素が外部に放散されて、基板表面への水素供給能力が低下してしまうことになる。また、常温未満では成膜が困難である。
また、反射防止膜106はフォトダイオード102に入射する光(受光対象の光)の波長に応じて、適切な反射率となるように、膜厚、屈折率が設定される。反射防止膜106の反射率は、反射防止膜の屈折率をn、厚さをd、入射光の波長をλとすると、光学的膜厚n×dが(λ/4)の奇数倍であるときに最小となるので、当該関係を利用して膜厚または屈折率を設定することができる。なお、膜厚および屈折率の一方が固定されている場合は、他方を当該条件に合致する状態に設定すればよく、双方を設定可能である場合は、当該条件に合致する状態に双方を適宜設定すればよい。
水素拡散防止膜107の屈折率は反射防止膜106と同じであるか、反射防止膜106と平坦化膜110の中間の屈折率を選択する。これにより、平坦化膜110と水素拡散防止膜107、および水素拡散防止膜107と反射防止膜106の界面での反射を抑制することができる。なお、平坦化膜110の屈折率は、反射防止膜106の屈折率よりも小さくなっている。例えば、反射防止膜106がSiN膜(屈折率:約2.0)であり、平坦化膜110がアクリル樹脂(屈折率:約1.5)である場合、水素拡散防止膜107を構成するSiN膜の屈折率は、1.5〜2.0の間に設定されることが好ましい。なお、本実施形態では、半導体基板101はシリコン基板であるので屈折率は約3.5である。
上述のように、反射防止膜106をプラズマCVD法によって形成されるSiN膜とし、水素拡散防止膜107をプラズマCVD法、あるいはLPCVD法によって形成されるSiN膜とした場合、屈折率を双方ともに2.0としたときは、反射防止膜106、水素拡散防止膜107の二層を合わせた膜厚は約70〜75nm(対象波長550〜590nm)とすることができる。双方の屈折率を同一にした場合、水素拡散防止膜107と反射防止膜106とが一体で反射防止膜として機能することになる。
本構成では、水素供給源である反射防止膜106に接して水素拡散防止膜107が形成されているため、反射防止膜106から上方への水素原子の移動(拡散)が防止される。その結果、水素原子は、熱処理時に、主として反射防止膜106から半導体基板101へ拡散することになり、水素拡散防止膜107を有しない従来構造に比べて、効率よく半導体基板101表面のダングリングボンドを終端することができる。その結果、従来に比べて、暗電流の絶対量を低減することができる。なお、反射防止膜106と水素拡散防止膜107とは、接して配置されることが好ましいが、他の膜が介在していてもよい。
水素拡散防止膜107が形成された半導体基板101上の全面には膜厚が10〜80nm程度のシリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜108が形成される。層間絶縁膜108上には有効画素領域に属するフォトダイオード102以外の領域に光が入射することを防止する遮光膜109が形成されてる。なお、図1(a)に示すように、有効画素領域に属するフォトダイオード102上の遮光膜109には、フォトダイオード102に光を入射させるための開口部111が形成される。本実施形態では、開口部111は矩形の平面形状を有し、サイズは0.6μm×1.0μm程度である。また、図1(b)に示すように、OB領域に属するフォトダイオード102上は遮光膜109に被覆されている。当該遮光膜109を構成する材料は、遮光性を有する物質であれば特に限定されないが、アルミニウム、タングステンシリサイド等を使用することができる。
以上のようにして、遮光膜109が形成された半導体基板101上には、膜厚が100nm程度のSiN膜等からなる保護膜112が形成され、当該保護膜112上に平坦化膜110が設けられる。平坦化膜110は、遮光膜109および垂直転送電極105等により形成された段差を平坦化する膜であり、例えば、アクリル樹脂等により構成することができる。平坦化膜110の表面は、公知のエッチバック法等により平坦化される。平坦化膜110の膜厚は、1000nm程度である。図示を省略しているが平坦化膜110上には、個々のフォトダイオード102に対応して、フィルタやオンチップマイクロレンズが必要に応じて形成される。
本実施形態の固体撮像装置において発生する暗電流およびOB段差を測定したところ、60℃の温度条件下でそれぞれ0.5mV、0.04mVであった。これに対し、図2に示す従来の固体撮像装置において発生する暗電流およびOB段差を同一の条件下で測定したところ、それぞれ1.1mV、0.2mVであった。この結果より、本実施形態の固体撮像装置の構造により、発生する暗電流を約1/2に低減でき、OB段差を約1/5に低減できることが理解できる。
以上説明したように、本発明によれば、受光部表面における光の反射率を低下させる反射防止膜を水素含有物質で形成し、その上方に水素拡散防止膜を形成することで基板表面に効率よく水素を供給することができる。その結果、暗電流を抑制することができる。また、遮光膜より下方に水素供給源である反射防止膜を形成する構成では、有効画素領域およびOB領域において、反射防止膜がフォトダイオードを同様に被覆しているため、有効画素領域、OB領域のいずれであっても基板表面へ水素を同様に供給することができる。その結果、OB段差をほぼゼロにすることができる。したがって、画素のノイズを低減することができ、画素のS/N比を向上させることができる。
また、反射防止膜および水素拡散防止膜を遮光膜の下方および基板全面に形成する構成では、水素供給用通路の形成が不要であり、水素供給用通路形成のためのマスクおよびその形成工程も不要である。しかしながら、反射防止膜および水素拡散防止膜は基板全面に形成することは必須ではなく、少なくともフォトダイオード上を被覆するパターンとして形成されてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、種々の変形および応用が可能である。例えば、上記実施形態では、遮光膜の下層に、反射防止膜および水素拡散防止膜を形成した構成を説明したが、有効画素領域に属する画素の暗電流の絶対量のみを低減する観点では、反射防止膜および水素拡散防止膜は遮光膜より上方に形成することもできる。また、上記実施形態ではフォトダイオード上の層内レンズについては記述しなかったが、集光のため形状が最適化された層内レンズが設けられてもよい。また、本発明の固体撮像装置がカラー撮像用である場合には、フォトダイオード毎にマゼンタ、シアン、イエローまたはグリーンのカラーフィルタが設けられる。本発明の固体撮像装置が赤外線撮像用であれば、各フォトダイオード上に赤外線フィルタが設けられる。さらに、上記では、CCD型固体撮像装置に適用した事例について説明したが、本発明は、MOS型固体撮像装置についても同様に適用可能である。
以上説明したように、本発明は、固体撮像装置において画素サイズの微細化が進む中で重要な基本特性である暗電流、OB段差をともに低減できるという効果を有し、出力画像の画質が要求されるデジタルスチルカメラ等に使用される固体撮像装置およびその製造方法として有用である。
101、201 半導体基板
102、202 フォトダイオード(PD)
103、203 垂直電荷転送領域
104、204 ゲート絶縁膜
105、205 転送電極
106、206 反射防止膜
107 水素拡散防止膜
108、208 層間絶縁膜
109、209 遮光膜
110、210 平坦化膜
111、211 開口部
112、212 保護膜
102、202 フォトダイオード(PD)
103、203 垂直電荷転送領域
104、204 ゲート絶縁膜
105、205 転送電極
106、206 反射防止膜
107 水素拡散防止膜
108、208 層間絶縁膜
109、209 遮光膜
110、210 平坦化膜
111、211 開口部
112、212 保護膜
Claims (12)
- 半導体基板と、前記半導体基板内に形成された受光部と、を備えた固体撮像装置において、
前記受光部の上方に配置された、水素を含有する反射防止膜と、
前記反射防止膜の上方に配置された水素拡散防止膜と、
を備えたことを特徴とする固体撮像装置。 - 前記反射防止膜は、前記受光部が受光対象とする入射光の波長に応じて、当該入射光の反射を抑制する膜厚または屈折率に設定される、請求項1記載の固体撮像装置。
- 前記水素拡散防止膜の屈折率が前記反射防止膜と同一である、請求項1または2記載の固体撮像装置。
- 前記水素拡散防止膜の上方に形成された平坦化膜をさらに備え、
前記平坦化膜の屈折率が前記反射防止膜の屈折率より小さく、かつ前記水素拡散防止膜の屈折率が、前記平坦化膜と前記反射防止膜との中間である、請求項1または2に記載の固体撮像装置。 - 前記水素拡散防止膜が、前記反射防止膜に接して配置された請求項1から4のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
- 前記反射防止膜はプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって形成された膜である、請求項1から5のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
- 前記反射防止膜および前記水素拡散防止膜が窒化シリコン膜である、請求項1から6のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
- 固体撮像装置の製造方法において、
半導体基板に受光部を形成する工程と、
前記受光部の上方に、水素を含有する反射防止膜を形成する工程と、
前記反射防止膜の上方に水素拡散防止膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。 - 前記水素拡散防止膜形成工程において、前記水素拡散防止膜が前記反射防止膜上に接して形成される、請求項8記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記反射防止膜形成工程において、前記反射防止膜がプラズマCVD法により成膜される、請求項8または9記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記水素拡散防止膜の成膜温度が、常温以上かつ前記反射防止膜から水素の離脱が発生する温度未満である、請求項8〜10のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記水素拡散防止膜の成膜温度が、450℃未満である請求項11記載の固体撮像装置の製造方法。
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