JP2011258884A - 固体撮像装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】層間絶縁膜上に屈折率の高い高屈折率膜を備えた固体撮像装置において、色むらや感度ムラの原因となるリップルを低減すること。
【解決手段】それぞれが画素を形成する複数の受光素子12が表面部に形成された半導体基板11と、前記半導体基板11上に、複数の層間絶縁膜20、21,22を介して積層された複数の配線14,16,18と、前記複数の層間絶縁膜20,21,22のうちの最上層に位置する層間絶縁膜22上に形成された、前記層間絶縁膜よりも屈折率の高い高屈折率膜23と、前記高屈折率膜23上に平坦化膜24を介して配置された、前記受光素子12で受光する波長を選択するためのカラーフィルタ25とを有し、前記カラーフィルタ25の透過光の波長に対応して前記高屈折率膜23の膜厚が異なることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体撮像装置に関するものであり、特に、層間絶縁膜を介して積層された複数の配線上に、層間絶縁膜よりも屈折率の高い高屈折率膜を備えた固体撮像装置に関する。
CMOS技術を用いた増幅型の固体撮像装置であるCMOS型イメージセンサは、受像画像の解像度向上に繋がる微細化技術を取り入れて、目覚しい発展を遂げている。
CMOS型イメージセンサは、CCD型のイメージセンサに比べて消費電力が少なく、また、従来のCMOSプロセス技術を利用することによって低コスト化が可能であり、受光素子が平面状に配置された画素領域と、その周囲の駆動回路(ドライバ)を含む周辺回路領域とを同一チップ上に作製することによって、モジュールサイズの縮小化が可能となるなどの利点を有することから、固体撮像装置の主流となりつつある。
このようなCMOS型イメージセンサにおいて、暗電流の低減と1/fノイズの低減を行うために、製造過程で水素を含む膜を形成してこれを熱処理するという水素シンター法が適用されている。ところが、水素シンター法を適用するために用いられるシリコン窒化膜(SiN膜)は、半導体基板上に形成される層間絶縁膜の材料であるシリコン酸化膜(SiO2膜)と比較して屈折率が高いため、層間絶縁膜とシリコン窒化膜との界面で光の反射が生じ、この反射光による干渉が生じて、受光信号に対するノイズとなるリップルが発生するという課題が存在する。
このようなリップルの発生を抑制するために、最上層に位置する層間絶縁膜と、高屈折率膜であるシリコン窒化膜との間に、中間の屈折率を有するシリコン酸窒化膜(SiON膜)を形成することが提案されている(特許文献1参照)。
図9は、特許文献1に記載された固体撮像装置100の断面構成を示す要部拡大断面図である。
従来の固体撮像装置100は、図9に示すように、シリコン基板101に受光素子である埋め込み型のフォトダイオード102を形成し、フォトダイオードが形成された画素領域の全面を覆うシリコン酸化膜103,フォトダイオード形成部分にシリコン窒化膜104を積層形成した後、層間絶縁膜105,107,109を介して、配線106,108,110が積層されている。
最上層の配線110は、最上に位置する層間絶縁膜109の平坦化された表面上に形成され、画素領域における層間絶縁膜109の露出表面と配線110を覆うように、シリコン酸窒化膜111とパッシベーション膜を兼ねる高屈折率膜であるシリコン窒化膜112が積層形成されている。
さらに、シリコン窒化膜112上にフォトダイオード102で受光する光の波長を選択するカラーフィルタ113が形成され、カラーフィルタ113上に、フォトダイオード102の配置位置に対応してマイクロレンズ114が形成されている。
この従来の固体撮像装置100では、シリコン基板101上に形成されるシリコン酸化膜103の厚さを2.5nm、シリコン窒化膜104の厚さを70nmとすることで、シリコン基板101表面での入射光の反射を低減する。さらに、層間絶縁膜109と高屈折率膜である厚さ400nmのシリコン窒化膜112との間に、厚さ100nmのシリコン酸窒化膜111を形成することで、シリコン基板101表面で反射した光のうち、層間絶縁膜109とシリコン酸窒化膜111との界面で反射する反射光の強度を低減して、干渉により生じるリップルを低減するというものである。
特開2006−156611号公報
図9に示した、従来の固体撮像装置100では、例えば上記のような膜厚関係とすることで、リップルが顕著になり易い波長である波長=500〜600nmの近傍の光の、層間絶縁膜109とシリコン窒化膜112との界面における反射を低減することができる。
しかし、固体撮像装置においてリップルの原因となる光の波長は、上記の波長=500〜600nmの近傍に限られないため、依然としてリップルは残存する。また、画素領域の全面にわたって、反射を低減するためのシリコン酸窒化膜111を形成するために、マイクロレンズ114の形成位置とフォトダイオード102との形成間隔が拡がり、フォトダイオード102への入射角度特性が低下してしまう。さらに、最上層に位置する配線110が抵抗値の低い銅で形成される場合には、配線がシリコン酸窒化膜によって酸化されてしまい、上層に形成されるPAD部と配線1110との間の抵抗値が増大してしまうという課題も発生する。
本発明は、上記従来の課題を解決し、層間絶縁膜上に屈折率の高い高屈折率膜を備えた固体撮像装置において、色むらや感度ムラの原因となるリップルを低減すること、また、リップルの低減された固体撮像装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の固体撮像装置は、それぞれが画素を形成する複数の受光素子が表面部に形成された半導体基板と、前記半導体基板上に、複数の層間絶縁膜を介して積層された複数の配線と、前記複数の層間絶縁膜のうちの最上層に位置する層間絶縁膜上に形成された、前記層間絶縁膜よりも屈折率の高い高屈折率膜と、前記高屈折率膜上に平坦化膜を介して配置された、前記受光素子で受光する波長を選択するためのカラーフィルタとを有し、前記カラーフィルタの透過光の波長に対応して前記高屈折率膜の膜厚が異なることを特徴とする。
また、本発明の固体撮像装置の製造方法は、半導体基板の表面部に複数の受光素子を形成した後、前記半導体基板上に複数の層間絶縁膜を介して複数の配線を積層形成する配線形成工程と、前記複数の層間絶縁膜のうち最上層に位置する層間絶縁膜上に、前記受光素子で受光する波長に応じて前記受光素子の配置位置に対応した部分の厚さが異なる、前記層間絶縁膜よりも屈折率の高い高屈折率膜を形成する高屈折率膜形成工程と、前記高屈折率膜上に平坦化膜を形成した後、前記受光素子で受光する波長を選択するカラーフィルタを形成するフィルタ層形成工程とを備えたことを特徴とする。
本発明の固体撮像装置は、最上層の層間絶縁膜上に形成された高屈折率膜の膜厚が、カラーフィルタの透過光の波長に対応して異なっているため、カラーフィルタを透過した各色の光に対する反射防止効果が得られる。このため、リップルが原因で生じる色むらや感度むらを効果的に低減することができる。
また、本発明の固体撮像装置の製造方法は、最上層に位置する層間絶縁膜上に、受光素子で受光する波長に応じて厚さが異なる高屈折率膜を形成する高屈折率膜形成工程を備えているため、リップルが原因となる色むらや感度むらの低減された固体撮像装置を製造することができる。
本発明の第1の実施形態にかかる固体撮像装置の概略構成を示す要部拡大断面図である。 層間絶縁膜上に形成された高屈折率膜の膜厚を設定する考え方を示すモデル図である。 本発明の第2の実施形態にかかる固体撮像装置の製造方法の第1の例の前半部分を示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかる固体撮像装置の製造方法の第1の例の後半部分を示す図である。 本発明の第3の実施形態にかかる固体撮像装置の製造方法の第2の例の前半部分を示す図である。 本発明の第3の実施形態にかかる固体撮像装置の製造方法の第2の例の後半部分を示す図である。 本発明の第4の実施形態にかかる固体撮像装置の製造方法の第3の例の前半部分を示す図である。 本発明の第4の実施形態にかかる固体撮像装置の製造方法の第3の例の後半部分を示す図である。 従来の固体撮像装置の断面の構成を示す要部拡大断面図である。
本発明の固体撮像装置は、それぞれが画素を形成する複数の受光素子が表面部に形成された半導体基板と、前記半導体基板上に、複数の層間絶縁膜を介して積層された複数の配線と、前記複数の層間絶縁膜のうちの最上層に位置する層間絶縁膜上に形成された、前記層間絶縁膜よりも屈折率の高い高屈折率膜と、前記高屈折率膜上に平坦化膜を介して配置された、前記受光素子で受光する波長を選択するためのカラーフィルタとを有し、前記カラーフィルタの透過光の波長に対応して前記高屈折率膜の膜厚が異なる。
上記本発明の固体撮像装置は、最上層の層間絶縁膜上に形成された高屈折率膜の膜厚が、カラーフィルタの透過光の波長に対応して異なっているため、層間絶縁膜と高屈折率膜との間の屈折率の違いによる反射を、その部分を透過する光の波長に合わせて緩和することができる。このため、半導体基板表面での反射光の、層間絶縁膜と高屈折率膜との界面での反射強度を低減できるので、カラーフィルタを透過した各色に対応した反射防止効果が得られ、リップルが原因で生じる色むらや感度むらを効果的に低減することができる。
前記固体撮像装置の構成において、前記カラーフィルタがそれぞれ赤色光、緑色光、青色光を透過させるものであり、前記高屈折率膜の膜厚が、前記赤色光、緑色光、青色光を透過させるカラーフィルタにそれぞれ対応して異なっていることが好ましい。このようにすることで、通常用いられる赤色、緑色、青色の三原色の光を受光する画素を備えた固体撮像装置において、反射光の波長に応じてリップルの発生を効果的に抑えることができる。
また、前記高屈折率膜の膜厚は、対応するカラーフィルタの透過率最大波長をλ、前記透過率最大波長λでの前記高屈折率膜の屈折率をn、任意の整数をmとしたとき、(2m−1)*λ/(4*n)以上(2m+1)*λ/(4*n)以下であることが好ましい。このようにすることで、高屈折率膜の屈折率に応じた反射光の低減効果を得ることができる。
さらに、前記高屈折率膜を屈折率の異なる複数の膜の積層体とすることができ、また、前記高屈折率膜をパッシベーション膜を兼ねるシリコン窒化膜であるとすることができる。さらにまた、前記高屈折率膜をパッシベーション膜を兼ねるシリコン窒化膜と高屈折率樹脂膜との積層体とすることができる。
本発明の個体撮像装置の製造方法は、半導体基板の表面部に複数の受光素子を形成した後、前記半導体基板上に複数の層間絶縁膜を介して複数の配線を積層形成する配線形成工程と、前記複数の層間絶縁膜のうち最上層に位置する層間絶縁膜上に、前記受光素子で受光する波長に応じて前記受光素子の配置位置に対応した部分の厚さが異なる、前記層間絶縁膜よりも屈折率の高い高屈折率膜を形成する高屈折率膜形成工程と、前記高屈折率膜上に平坦化膜を形成した後、前記受光素子で受光する波長を選択するカラーフィルタを形成するフィルタ層形成工程とを備えている。
このようにすることで、最上層の層間絶縁膜上に形成された高屈折率膜の膜厚が、カラーフィルタの透過光の波長に対応して異なっているため、層間絶縁膜と高屈折率膜との間の屈折率の違いによる反射を、その部分を透過する光の波長に併せて緩和することができ、カラーフィルタを透過した各色に対応した反射防止効果が得られ、リップルが原因で生じる色むらや感度むらを効果的に低減することができる固体撮像装置を製造する製造方法を得ることができる。
上記本発明の固体撮像装置の製造方法において、前記高屈折率膜形成工程が、前記半導体基板の前記複数の受光素子が形成されている領域の全面に第1のシリコン窒化膜を形成するステップと、前記形成された第1のシリコン窒化膜のうち、所定の波長を受光する画素に対応する部分の前記第1のシリコン窒化膜を除去するステップと、前記半導体基板の前記複数の受光素子が形成されている領域の全面に第2のシリコン窒化膜を形成するステップとを有することが好ましい。このようにすることで、2層のシリコン酸化膜を用いて、所定の厚さを有する高屈折率膜を形成することができる。
また、前記高屈折率膜形成工程が、前記半導体基板の前記複数の受光素子が形成されている領域の全面にシリコン窒化膜を形成するステップと、前記形成されたシリコン窒化膜のうち、所定の波長を受光する画素に対応する部分の膜厚が薄くなるように厚さ方向に一部を除去するステップとを有することが好ましい。このようにすることで、カラーフィルタでの透過光に対応した所定の膜厚を有する高屈折率膜を、エッチングなどの膜厚を低減する方法によって形成することができる。
さらに、前記高屈折率膜形成工程が、前記半導体基板の前記複数の受光素子が形成されている領域の全面にシリコン窒化膜を形成するステップと、前記形成されたシリコン窒化膜上の所定の波長を受光する画素に対応する部分に、所定の膜厚を有する高屈折率樹脂膜を形成するステップとを有することが好ましい。このようにすることで、シリコン窒化膜を備え、さらに、所定の膜厚を有する高屈折率樹脂膜が積層された高屈折率膜を形成することができる。
さらにまた、前記高屈折率膜形成工程において、前記半導体基板の前記複数の受光素子が形成されている領域の全面に前記シリコン窒化膜を形成した後、水素シンター処理を行うことが好ましい。このようにすることで、暗電流を低減し、1/fノイズを低減した固体撮像装置を製造することができる。
以下、本発明の固体撮像装置について、図面を参照して説明する。
なお、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態である固体撮像装置の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、本発明にかかる固体撮像装置は、参照する各図に示されていない任意の構成部材を備えることができる。
また、各図中の部材の寸法、特に、固体撮像装置の厚さ方向の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率等を必ずしも忠実に表したものではない。さらに、図面の煩雑化を防ぐため、各断面図におけるハッチングは適宜省略している。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる固体撮像装置の概略構成を示す要部拡大断面図である。
図1に示す、本実施形態の固体撮像装置であるCMOS型イメージセンサ1は、N型の半導体基板11に図示しないP型ウェル領域が設けられ、このP型ウェル領域内にN型の複数の受光素子12が所定間隔を隔てて、2次元的には縦横のマトリクス状になるように、配置されている。この受光素子12が、CMOS型イメージセンサ1の画素を形成し、画素が配置されている半導体基板11の領域が画素領域となる。また、受光素子12の表面上には、暗電流防止用の図示しない表面P+層が設けられていて、埋め込み構造のフォトダイオードとなっている。
半導体基板11の表面部の少なくとも受光素子12が配置されている画素領域では、全面にシリコン酸化膜であるゲート絶縁膜13が設けられ、このゲート絶縁膜13上の受光素子12に対応する部分に、受光素子12の受光面での反射を低減させるためのシリコン窒化膜である反射防止膜19が設けられている。
受光素子12に隣接して、電荷転送トランジスタのチャネル領域としての電荷転送領域が設けられていて、受光素子12で光電変換された信号電荷を、電荷検出部としてのフローティングディフュージョン(FD)に転送する。また、この電荷転送領域上には、ゲート絶縁膜13を介して転送ゲート電極が設けられている。なお、これらの電荷転送領域、フローティングディフュージョン、転送ゲート電極などの構成は、CMOS型イメージセンサとしては周知のものであるため、図面の煩雑化を避けるために、本明細書では図示を省略する。
ゲート絶縁膜13および反射防止膜19の上には、いずれもシリコン酸化膜である第1の層間絶縁膜20、第2の層間絶縁膜21、第3の層間絶縁膜22を介して、いずれも銅を材料としてそれぞれが配線を形成する第1配線14,第2配線16,第3配線18が積層形成されている。第1配線14,第2配線16,第3配線18は、図示しないコンタクトプラグで電気的に接続され、第1配線14は図示しないコンタクトプラグにより、受光素子12からの信号電荷を処理する図示しない信号読出回路に接続されている。なお、この信号読出回路は、受光素子12から図示しないフローティングディフュージョンに電荷転送された信号電荷が、電圧変換され、この変換電圧に応じて増幅されて各画素での撮像信号として信号線に読み出す機能を有している。
なお、本実施形態のCMOS型イメージセンサ1では、第1の層間絶縁膜20と第2の層間絶縁膜21との間にシリコン窒化膜の第1の銅拡散防止膜15が、また、第2の層間絶縁膜21と第3の層間絶縁膜22との間に同じくシリコン窒化膜の第2の銅拡散防止膜17が配置されていて、それぞれ、第1配線14および第2配線16の材料である銅の拡散を防止している。なお、本実施形態のCMOS型イメージセンサでは、第1の銅拡散防止膜15および第2の銅拡散防止膜17は、受光素子12の上部に当たる部分には開口が形成されていて、入射光がシリコン酸化膜である層間絶縁膜20,21,22とシリコン窒化膜である銅拡散防止膜15,17との屈折率の差によって反射することで入射光色により分光感度変動が発生することを防止している。
各層の具体的材料および膜厚は、一例として第1の層間絶縁膜20、第2の層間絶縁膜21、および、第3の層間絶縁膜22がいずれもシリコン酸化膜、また、第1の銅拡散防止膜15は上記の通りシリコン窒化膜でその厚さは50nm、第2の銅拡散防止膜17も厚さ50nmのシリコン窒化膜で形成されている。
図1に示すように、本実施形態のCMOS型イメージセンサ1では、層間絶縁膜20,21,22の中で最上層に位置する第3の層間絶縁膜22と、第3配線18の上面が一致するように平坦化処理されている。そして、その上に、後述するカラーフィルタ25(25a、25b)を透過する透過光の波長に対応した厚さとしての、厚さt1の部分23aと厚さt2の部分23bの異なる膜厚を備えた高屈折率膜であるシリコン窒化膜23が形成されている。なお、このシリコン窒化膜23の少なくとも一部を、水素が多く含まれているプラズマCVD法で堆積されたプラズマSiN膜とすることで、熱処理を行って半導体基板11を水素処理する水素シンター法を適用して、CMOS型イメージセンサ1の暗電流と1/fノイズとを低減させることができる。
シリコン窒化膜23上には、0.6μm厚のアクリル樹脂からなる平坦化膜24を介して、それぞれの受光素子12で受光する光の波長を選択するための0.5μm厚の原色顔料タイプのカラーフィルタ25(25a、25b)が、受光素子12の配置位置に重なるように形成されている。
さらに、カラーフィルタ25の膜厚の差を平坦化する平坦化膜としての機能を有する0.3μm厚のアクリル樹脂膜26を介して、各受光素子12で受光する光を集光するための1μm高さのアクリル樹脂からなるマルチレンズ27が受光素子12の配置位置に重なるように形成されている。
ここで、図1では2つの膜厚t1の部分23aとt2の部分23bとを有したものを例示した、高屈折率膜であるシリコン窒化膜23の膜厚の設定について、図2を用いて説明する。
図2は、図中では下方側に位置する受光素子12の表面で反射した反射光が、厚さtのシリコン窒化膜23の、下面31および上面32でそれぞれ反射される様子を示すモデル図である。
なお、反射光がシリコン窒化膜23に入射する入射面である、下面31の反射率をr1、透過率をt1、また、シリコン窒化膜23から射出される射出面である、上面32の反射率をr2、透過率をt2とする。
このときのシリコン窒化膜23に入射角θで入射した光の、シリコン窒化膜の下面31での反射率R1、透過率T1は、
T1=(t1*t22/(1−2r1*r2cosΔ+(r1*r2)2
R1=((r12+(r22−2*r1*r2*cosΔ ))/(1−2r1*r2cosΔ+(r1*r22
として表される。
なお、Δ=2knt*cosθであり、k=(2*π)/λ、nはシリコン窒化膜の屈折率、上記の通りtはシリコン窒化膜の膜厚、λが入射光の波長である。
シリコン窒化膜23上には、酸化膜や樹脂膜などの有機膜による平坦化膜24が形成されるため、シリコン窒化膜23の上面32での反射率R2は、シリコン窒化膜23の下面31での反射率R1とほぼ同じとなるため、シリコン窒化膜23全体としての反射率R、透過率Tは、
T=(1−r22/(1−2r2cosΔ+r4
R=2r2(1−cosΔ )/(1−2r2cosΔ+r4
となる。ただし、Δ=2knt*cosθである。
受光素子12の表面で反射した反射光の角度分布は、受光素子12に入射した光の分布に依存するため、実際には、マルチレンズ27での集光特性に左右される。一般には、なるべく多くの光をマルチレンズ27で受光素子12に入射させようとすることから、反射光の角度分布は、0度近傍が大きいことになる。このため、上記式において、Δがπの整数倍の時にRが最小となり、Δがπの奇数倍の時にRが最大となる。
このことから、m=整数としたとき、シリコン窒化膜23の厚さtがt=mλ/(2*m)のときに反射光の強度が最小となり、シリコン窒化膜23の厚さtがt=(2m+1)*λ/(4*n)のとき、反射光の強度が最大となる。逆に言えば、λ/(4*n)以外の膜厚、即ち(2m−1)*λ/(4*n)以上(2m+1)*λ/(4*n)以下の膜厚に設定することで反射率が低減するため、リップルが最悪となることを避けることが可能となる。
例えば、カラーフィルタ25が赤色光を透過する赤色フィルタの場合、透過光分布が最大である波長λが630nmの場合、シリコン窒化膜23での屈折率は1.98であるため、シリコン窒化膜23の膜厚が159nmの整数倍のときに反射率が最小となり、80nmの奇数倍のときに反射率が最大となる。同様に、緑色フィルタの場合、透過光分布が最大である波長λが540nmの場合、シリコン窒化膜23での屈折率は1.99であるため、シリコン窒化膜23の膜厚が136nmの整数倍のときに反射率が最小、68nmの奇数倍のときに反射率が最大となる。青色フィルタの場合、透過光分布の最大波長λが450nmとすると、シリコン窒化膜23の屈折率が2.02となるので、シリコン窒化膜23の膜厚が111nmの整数倍のときに反射率が最小、56nmの奇数倍のときに反射率が最大となる。
このように、波長630nmの赤色光に対しては159nmの整数倍、波長540nmの緑色光に対しては136nmの整数倍、波長450nmの青色光に対しては111nmの整数倍の膜厚のシリコン窒化膜23を設けることで反射率が最小となり、各色の画素に対応した部分のシリコン窒化膜23の膜厚をこのように設定した場合に、理論上は色むらが最小となる。ただし、それぞれの波長の光を透過するカラーフィルタ25の透過光分布は半値幅がプラスマイナス50nm程度あるため、この点を考慮すると、赤色光に対応したシリコン窒化膜23の膜厚が146nm〜173nm程度、緑色光に対応したシリコン窒化膜23の膜厚が123nm〜149nm程度、青色光に対応したシリコン窒化膜23の膜厚が98nm〜124nm程度の膜厚に設定することが好ましいと言える。
このことから、高屈折率膜であるシリコン窒化膜23の膜厚の設定としては、赤色、緑色、青色の三色に対応した異なる3つの異なる膜厚のシリコン窒化膜23を形成しなくても、互いに好ましい膜厚が重複する、例えば赤色光と緑色光に対応するシリコン窒化膜23を同じ膜厚として、青色光に対応する部分のシリコン窒化膜23の膜厚をこれと異ならせることや、青色光と緑色光に対応するシリコン窒化膜23を同じ膜厚として、赤色光に対応する部分のシリコン窒化膜23の膜厚をこれと異ならせるなど、2つの異なる膜厚のシリコン窒化膜23を形成することによっても、第3の層間絶縁膜20と平坦化膜24との界面におけるシリコン窒化膜23での反射光を低減することができ、リップルが原因となる色むらや感度むらの発生を軽減することができる。
また、CMOS型イメージセンサ1での色むらは、受光素子12の表面での反射光と、シリコン窒化膜23からの反射光との多重干渉により発生する。ここで、一般的には、受光素子12の表面での反射防止を行うために設けられたシリコン窒化膜による反射防止膜19は、視感度の高い緑色光の反射を低減するように膜厚が設計されている。このため、本実施形態のCMOS型イメージセンサ1のように受光素子12にゲート絶縁膜13を介して反射防止膜19が配置されている場合には、緑色光が受光素子12の表面で反射する程度が弱いことが想定される。このような場合には、高屈折率膜であるシリコン窒化膜23による反射防止を行う波長として緑色光以外の赤色光と青色光とを対象として、シリコン窒化膜23の膜厚設計を赤色光と青色光をターゲットとした2種類の異なる膜厚とすることもできる。
以上説明したように、本実施形態のCMOS型イメージセンサ1では、画素を構成する受光素子12で受光される光の波長を選択するカラーフィルタ25での透過光に対応して、高屈折率膜であるシリコン窒化膜23の膜厚を異ならせることで、受光素子12の表面で反射した反射光が、シリコン窒化膜で再び反射する多重反射が原因で生じるリップルを防止し、色むらや輝度むらを低減することができる。
また、高屈折率膜をシリコン窒化膜とすることで、CMOS型イメージセンサにおいて、受光素子が形成された基板表面を保護するパッシベーション膜を兼ねることができるため、イメージセンサの製造時の拡散工程以降の工程で受光素子に不純物が拡散することを防止でき、白キズ等のノイズの増大がない信頼性の高い固体撮像装置を得ることができる。
なお、図1に示すCMOS型イメージセンサ1では、高屈折率膜をシリコン窒化膜を用いて一つの材料で形成した例を示したが、本実施形態の固体撮像装置としてはこれに限られるものではなく、異なる材料で形成された2層以上の層を積層して、所定の厚さを有する高屈折率膜を形成することができる。例えば、短波長域での吸収係数の大きなプラズマシリコン−インジウム膜(SiIn膜)と、吸収係数の小さなUVシリコン窒化膜と、プラズマシリコン窒化膜との複合膜を用いるなどすることができる。また、高屈折率膜として、シリコン窒化膜と高屈折率樹脂膜との積層構造を用いることもできる。
また、図1に示したCMOS型イメージセンサ1では、カラーフィルタとして赤色、緑色、青色の三原色のフィルタを用いた例を示したが、例えば、これらの補色であるシアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)の三色のフィルタを用いるなど、固体撮像装置として用いられる各種のカラーフィルタを用いることができ、それぞれの透過波長を勘案して適切な高屈折率膜の膜厚を設定することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の固体撮像装置の製造方法について、CMOS型イメージセンサの製造方法の第1の例を、第2の実施形態として説明する。
図3および図4は、本実施形態のCMOS型イメージセンサの製造方法を示す図である。なお、以下、CMOS型イメージセンサの製造方法の例を示す図3から図8の各図においては、図1で示したCMOS型イメージセンサの断面構成を示す要部拡大断面図に対応した図を示し、図1で説明した各構成部材については同じ符号を付して適宜その詳細の説明を省略する。
まず、図3(a)に示すように、N型の半導体基板11の表面全面に、熱酸化法によりゲート絶縁膜13を形成し、その上から不純物イオンを注入してP型ウェル領域を形成、さらに、所定位置に図示しない転送ゲート電極などのポリシリコンゲート電極を形成する。その後、P型ウェル領域内の所定位置に不純物イオンを注入して、N型の受光素子12をマトリクス状に複数形成する。これに転送ゲート電極下のP型ウェル領域を介して対向配置されるフローティングディフュージョンなどの不純物拡散領域を形成し、さらに受光素子12の表面を覆うように暗電流防止用の表面P+層を形成する。このようにして、半導体基板11の加工が完了する。
次に、ゲート絶縁膜13上の、受光素子12の受光面に対応した位置にLPCVD法によりシリコン窒化膜からなる反射防止膜19を形成する。さらに、CVD法により第1の層間絶縁膜20、CMPダマシン法により銅からなる第1配線14,CVD法により第1の銅拡散防止膜15と第2の層間絶縁膜21、CMPダマシン法により銅からなる第2配線16,CVD法により第2の銅拡散防止膜17と第3の層間絶縁膜22を形成する。第3の層間絶縁膜22上に形成される銅からなる第3配線18は、その上端面が第3の層間絶縁膜22の上端面と同じ平面となるように加工される。
このように、積層された配線を形成するまでの工程を配線形成工程と称する。
配線形成工程の後、第3の層間絶縁膜22および第3配線18上に、受光素子12で受光する波長に応じて膜厚の異なる高屈折率膜を形成する、高屈折率膜形成工程を行う。
まず、図3(a)に示すように、プラズマCVD法により膜厚がh1の第1のシリコン窒化膜41を形成する。
次に、例えば、第1のシリコン窒化膜41上にレジスト膜をスピンコートにより塗布、露光・現像してレジスト膜をパターン化し、レジスト膜をマスクとしてF系ガスを用いた反応性イオンエッチングを行うことなどにより、所定の波長を受光する受光素子12、例えば12a上に位置する第1のシリコン窒化膜41を除去する。
このときの状態を図3(b)として示す。所定の波長を受光する受光素子12a上の第1のシリコン窒化膜41には、開口部42が形成されている。一方、受光素子12aとは異なる波長を受光する受光素子12b上には、第1のシリコン窒化膜41が残存している。
次に、部分的に開口部42が形成された第1のシリコン窒化膜41上の全面に、所定の膜厚h2の第2のシリコン窒化膜43を形成する。この状態を図3(c)に示す。このようにすることで、受光素子12a上には膜厚がh2の、また、受光素子12b上には膜厚がh1+h2の、高屈折率膜であるシリコン窒化膜23が形成される。このとき、膜厚h2の値を図1における膜厚t1、膜厚(h1+h2)の値を図1におけるt2とすることで、図1に示したCMOS型イメージセンサ1と同じ膜厚の値を有するシリコン窒化膜23が形成できる。
シリコン窒化膜23を形成した後、400度〜500度の雰囲気温度での熱処理を行い、水素シンター処理を行う。
その後、図4(a)に示すように、シリコン窒化膜23上に例えばアクリル系熱硬化樹脂膜である平坦化膜24をスピンコート法により形成し、平坦化膜24上に、受光素子12aで受光する波長を透過するカラーフィルタ25aを受光素子12aに重なる位置に、また、受光素子12bで受光する波長を透過するカラーフィルタ25bを受光素子12bに重なる位置に塗布・露光・現像からなるリソグラフィ工程によりそれぞれ形成する。なお、ベイヤー配列である原色カラーの中で、緑色のカラーフィルタが薄く形成できるため、カラーフィルタは緑色(G)、青色(B)、赤色(R)の順に形成されることが多い。ここまでの工程が、フィルタ層形成工程である。
その後、図4(b)に示すように、適宜カラーフィルタ25(25a、25b)上に、平坦化膜としての機能を有する樹脂膜26を形成し、さらに、各受光素子12の配置位置に重なる位置に、リソグラフィ法により受光素子12で受光する光を集光するためのマルチレンズ27を形成し、CMOS型イメージセンサが製造される。
なお、図3および図4で示した、本実施形態の製造方法の場合、導電性の高い銅を用いて第3配線18を形成したため、第1のシリコン窒化膜41に開口部42を形成するエッチングの際に第3配線18が劣化しないように、図3(b)に示すように、開口部42の幅を第3配線18の形成間隔よりも狭くしている。この場合、図3(c)から明らかなように、第2のシリコン窒化膜43を積層した場合に、第2のシリコン窒化膜43が第1のシリコン窒化膜41の側壁を覆うように堆積するため、シリコン窒化膜23としての膜厚が薄いt1の部分の幅が狭くなっている。受光素子12bで受光する波長の反射光を抑えるという観点からは、高屈折率膜であるシリコン窒化膜23の膜厚がt1の部分は受光素子12aの受光領域に対応した大きさであることが好ましいから、第3配線18が銅以外の材料である場合や、第1のシリコン窒化膜41の形成時に第3配線18に対して大きなダメージが加わらない場合には、第1のシリコン窒化膜41に形成される開口部42の大きさをより大きくすることが好ましい。
(第3の実施形態)
次に、本発明の固体撮像装置の製造方法として、CMOS型イメージセンサの製造方法の第2の例を、第3の実施形態として説明する。
図5および図6は、本実施形態のCMOS型イメージセンサの製造方法の例を示す図である。
第3の実施形態として示すCMOS型イメージセンサの製造方法は、図3および図4を用いて説明した上記第2の実施形態にかかるCMOS型イメージセンサの製造方法の第1の例と比較して、高屈折率膜であるシリコン窒化膜23を形成する高屈折率膜形成工程のみが異なるため、他の工程の詳細な説明は省略する。
図5(a)は、半導体基板11に受光素子12を形成した後、配線形成工程を経て、第3の層間絶縁膜22および第3配線18上に、受光素子12で受光する波長に応じて膜厚の異なる高屈折率膜を形成するために、膜厚がh3のシリコン窒化膜51を形成した状態を示している。
次に、例えば、シリコン窒化膜51上にレジスト膜を塗布、露光・現像してレジスト膜をパターン化し、レジスト膜をマスクとしてエッチングを行うことなどにより、所定の波長を受光する受光素子12a上に位置するシリコン窒化膜51を厚さ方向に部分的に除去する。
このときの状態を図5(b)として示す。所定の波長を受光する受光素子12a上の第1のシリコン窒化膜51は、厚さ方向に部分的に除去された凹み部52が生じている。なお、このときの、受光素子12a上に位置するシリコン窒化膜51の残存した膜厚をh4とする。言い換えれば、受光素子12aの配置位置に相当する部分のシリコン窒化膜51膜厚が、(h3−h4)だけ除去されたこととなる。このとき、膜厚h4の値を図1における膜厚t1、膜厚h3の値を図1におけるt2とすることで、図1に示したCMOS型イメージセンサ1と同じ膜厚の値を有するシリコン窒化膜23が形成できる。
シリコン窒化膜23を形成した後、400度〜500度の雰囲気温度での熱処理を行い、水素シンター処理を行う。
その後、図6(a)に示すように、シリコン窒化膜23上に平坦化膜24を形成し、さらに図6(b)に示すように、フィルタ層形成工程によってカラーフィルタ25aを受光素子12aに重なる位置に、また、カラーフィルタ25bを受光素子12bに重なる位置にそれぞれ形成する。その後、樹脂膜26を形成し、さらに、各受光素子12の配置位置に重なる位置にマルチレンズ27を形成し、CMOS型イメージセンサが製造される。
このようにして、カラーフィルタ25aで選択された波長の光を受光する受光素子12aに対応して、カラーフィルタ25aで透過する波長の光の反射を低減する膜厚の高屈折率膜であるシリコン窒化膜23aと、受光素子12bに対応して、カラーフィルタ25bで透過する波長の光の反射を低減する膜厚の高屈折率膜であるシリコン窒化膜23bとを備えたCMOS型イメージセンサを製造することができる。
なお、本実施形態において、高屈折率膜であるシリコン窒化膜を所定の膜厚とする方法としては、まず、求められるシリコン窒化膜の膜厚のうち最大の膜厚のものに合わせた膜厚(図5(a)のh3=t2)のシリコン窒化膜を形成し、受光素子12に対応する部分の膜厚を削って異なる膜厚(図5(b)のh4=t1)とする方法について説明した。
しかし、本実施形態のCMOS型イメージセンサの製造方法における、それぞれの受光素子に対応した所定の膜厚を有するシリコン窒化膜の形成方法は上記の方法に限らず、最初に形成するシリコン窒化膜の膜厚を求められるシリコン窒化膜の膜厚よりも厚くして、それぞれの受光素子に対応する位置の膜厚を部分的にエッチング等により除去して所望の値とすることができる。例えば、図1において、受光素子12aに対応する部分のシリコン窒化膜23aの薄い膜厚t1と、受光素子12bに対応する部分のシリコン窒化膜23bの厚い膜厚t2を得るに当たって、まず、t2よりも厚い膜厚h5(=t2+α)でシリコン窒化膜51を形成した後、受光素子12aと重なる部分のシリコン窒化膜51をh6(=t1)となるように、また、受光素子12bと重なる部分のシリコン窒化膜51をh7(=t2)となるように、厚さ方向に部分的に除去することができる。
なお、本実施形態では、シリコン窒化膜23の膜厚として、2つの異なった値の膜を得ることについて説明したが、最初に形成するシリコン窒化膜の膜厚を、求める膜厚の中で最も厚い膜厚の数値となるように形成する方法の場合、最初に形成する膜厚が、求める膜厚の中で最も厚い者よりもさらに厚く形成する場合の、いずれの場合においても、エッチング等による膜厚の部分的な除去の厚さを設定することで、3種類以上の異なる膜厚を有するシリコン窒化膜を形成することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の固体撮像装置の製造方法についてCMOS型イメージセンサの製造方法の第3の例を、第4の実施形態として説明する。
図7および図8は、本実施形態のCMOS型イメージセンサの製造方法を示す図である。
第4の実施形態として示すCMOS型イメージセンサの製造方法も、上記第2の実施形態で説明した製造方法の第2の例、第3の実施形態で説明した製造方法の第2の例と比較して、高屈折率膜の組成と、高屈折率膜製造工程の内容のみが異なるため、他の工程の詳細な説明は省略する。
図7(a)は、半導体基板11に受光素子12を形成した後、配線形成工程を経て、第3の層間絶縁膜22および第3配線18上に、受光素子12で受光する波長に応じて膜厚の異なる高屈折率膜を形成するために、膜厚がh8のシリコン窒化膜61を形成した状態を示している。
この後、雰囲気温度が400度〜500度程度の熱処理により水素シンター処理を行う。
次に、屈折率が1.7程度以上の高屈折率を有する感光性の樹脂膜からなる、厚さh9の高屈折率樹脂膜62を塗布、形成する。そして、受光素子12aと重なる部分の高屈折率樹脂膜62を、フォトリソグラフィ法によりエッチング除去して、高屈折率樹脂膜62に所定の開口部63を形成する。
このときの状態を図7(b)として示す。受光素子12a上の高屈折率膜64は、膜厚がh8のシリコン窒化膜61であり、受光素子12b上の高屈折率膜64は、膜厚がh8のシリコン窒化膜61と膜厚がh9の高屈折率樹脂膜62が積層されたものである。
その後、図8(a)に示すように、高屈折率膜上に平坦化膜24を形成し、さらに図8(b)に示すように、フィルタ層形成工程によってカラーフィルタ25a、25bを所定の位置に形成する。さらに、樹脂膜26を介してマルチレンズ27を形成する。
このようにして、カラーフィルタ25aで選択された波長の光を受光する受光素子12aに対応して、カラーフィルタ25aで透過する波長の光の反射を低減する膜厚の高屈折率膜64aと、受光素子12bに対応して、カラーフィルタ25bで透過する波長の光の反射を低減する膜厚の高屈折率膜64bとを備えた固体撮像装置を製造することができる。なお、このときの高屈折率膜64aの膜厚h8、および、高屈折率膜64bの膜厚h8+h9は、シリコン窒化膜61,高屈折率樹脂膜62それぞれの、透過波長における屈折率を勘案して定めることができる。
この第4の実施形態によれば、カラーフィルタで透過する波長に対応して、受光素子の形成位置に重なる部分の膜厚が異なる高屈折率膜を、シリコン窒化膜と高屈折率樹脂膜のように、異なる種類の膜厚で形成することができる。このようにすることで、例えば、シリコン窒化膜に比べてエッチング処理が簡易である感光性樹脂膜を用いて、対応する受光素子の形成位置における膜厚の異なる高屈折率樹脂膜を、より簡易にかつ正確に形成することができる。
また、本実施形態で、シリコン窒化膜61を1回で形成したが、同じ組成の膜を複数回に分けて形成することで、例えば、必要とされる膜厚が一度に形成することが困難なものである場合などでも、所望の膜厚分布を有する高屈折率膜64(64a、64b)を形成することができる。
以上、本発明の各実施形態として説明したように、受光素子で受光する光の波長を選択するカラーフィルタの選択波長に対応して、最上層に位置する層間絶縁膜の屈折率よりも屈折率の高い高屈折率膜の膜厚を異ならせることで、リップルを低減して、色むらや輝度むらの生じにくい固体撮像装置を得ることができる。
なお、上記各実施形態において、最上層の層間絶縁膜の上端面と最上層に位置する配線の上端面とが、同一の平面である場合についてのみ説明したが、本発明の固体撮像装置においてはこのことは必須の要件ではなく、最上層の層間絶縁膜上に最上層の配線が配置されていても問題ない。
また、上記各実施形態では、CMOS型イメージセンサを例示して説明したが、本発明はこれに限らず、裏面照射型イメージセンサ、CCDイメージセンサ、遠赤外線イメージセンサなど、他のタイプの固体撮像装置に適用することができる。
また、上記本発明の各実施形態においては、カラーフィルタ層上にマイクロレンズが形成されたものについてのみ説明したが、本発明の固体撮像装置において、マイクロレンズは必須の要件ではなく、マイクロレンズを備えていない固体撮像装置に対して、受光素子の受光波長に対応して膜厚の異なる高屈折率膜を用いることで、リップルを低減して色むらや感度むらを改善することができるという本発明の効果を奏することができる。
本発明にかかる固体撮像装置は、基板表面で反射した光の多重反射によるリップルを低減することができ、色むらや感度むらの生じにくい固体撮像装置として、また、その製造方法として、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等各種の画像撮影機器に有用に利用可能である。
1 CMOS型イメージセンサ(固体撮像装置)
11 半導体基板
12 受光素子
14,16,18 配線
20,21,22 層間絶縁膜
23 シリコン窒化膜(高屈折率膜)
24 平坦化膜
25 カラーフィルタ

Claims (11)

  1. それぞれが画素を形成する複数の受光素子が表面部に形成された半導体基板と、
    前記半導体基板上に、複数の層間絶縁膜を介して積層された複数の配線と、
    前記複数の層間絶縁膜のうちの最上層に位置する層間絶縁膜上に形成された、前記層間絶縁膜よりも屈折率の高い高屈折率膜と、
    前記高屈折率膜上に平坦化膜を介して配置された、前記受光素子で受光する波長を選択するためのカラーフィルタとを有し、
    前記カラーフィルタの透過光の波長に対応して前記高屈折率膜の膜厚が異なることを特徴とする固体撮像装置。
  2. 前記カラーフィルタがそれぞれ赤色光、緑色光、青色光を透過させるものであり、前記高屈折率膜の膜厚が、前記赤色光、緑色光、青色光を透過させるカラーフィルタにそれぞれ対応して異なっている請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記高屈折率膜の膜厚は、対応するカラーフィルタの透過率最大波長をλ、前記透過率最大波長λでの前記高屈折率膜の屈折率をn、任意の整数をmとしたとき、
    (2m−1)*λ/(4*n)以上(2m+1)*λ/(4*n)以下
    である請求項1または2に記載の固体撮像装置。
  4. 前記高屈折率膜が、屈折率の異なる複数の膜の積層体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  5. 前記高屈折率膜が、パッシベーション膜を兼ねるシリコン窒化膜である請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  6. 前記高屈折率膜が、パッシベーション膜を兼ねるシリコン窒化膜と高屈折率樹脂膜との積層体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  7. 半導体基板の表面部に複数の受光素子を形成した後、前記半導体基板上に複数の層間絶縁膜を介して複数の配線を積層形成する配線形成工程と、
    前記複数の層間絶縁膜のうち最上層に位置する層間絶縁膜上に、前記受光素子で受光する波長に応じて前記受光素子の配置位置に対応した部分の厚さが異なる、前記層間絶縁膜よりも屈折率の高い高屈折率膜を形成する高屈折率膜形成工程と、
    前記高屈折率膜上に平坦化膜を形成した後、前記受光素子で受光する波長を選択するカラーフィルタを形成するフィルタ層形成工程とを備えたことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
  8. 前記高屈折率膜形成工程が、
    前記半導体基板の前記複数の受光素子が形成されている領域の全面に第1のシリコン窒化膜を形成するステップと、前記形成された第1のシリコン窒化膜のうち、所定の波長を受光する画素に対応する部分の前記第1のシリコン窒化膜を除去するステップと、前記半導体基板の前記複数の受光素子が形成されている領域の全面に第2のシリコン窒化膜を形成するステップとを有する請求項7に記載の固体撮像装置の製造方法。
  9. 前記高屈折率膜形成工程が、
    前記半導体基板の前記複数の受光素子が形成されている領域の全面にシリコン窒化膜を形成するステップと、前記形成されたシリコン窒化膜のうち、所定の波長を受光する画素に対応する部分の膜厚が薄くなるように厚さ方向に一部を除去するステップとを有する請求項7に記載の固体撮像装置の製造方法。
  10. 前記高屈折率膜形成工程が、
    前記半導体基板の前記複数の受光素子が形成されている領域の全面にシリコン窒化膜を形成するステップと、前記形成されたシリコン窒化膜上の所定の波長を受光する画素に対応する部分に、所定の膜厚を有する高屈折率樹脂膜を形成するステップとを有する請求項7に記載の固体撮像装置の製造方法。
  11. 前記高屈折率膜形成工程において、
    前記半導体基板の前記複数の受光素子が形成されている領域の全面に前記シリコン窒化膜を形成した後、水素シンター処理を行う請求項8〜10のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
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