JP2004199992A - 蛍光ランプ用電極およびその製造方法および蛍光ランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属層(A)と希土類元素の六硼化物の粒子を含有する金属層(B)とからなり、前記希土類元素の六硼化物の粒子の少なくとも一部が表面に露出していることを特徴とする蛍光ランプ用電極であり、好ましくは、前記希土類元素の六硼化物が、六硼化ランタンであり、金属層(B)がニッケルであり、金属層(A)がニッケルである。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶ディスプレイ用のバックライト等に使われる、蛍光ランプに適用される電極、その製造方法、これを用いる蛍光ランプならびに液晶ディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から冷陰極蛍光ランプがいろいろな用途で用いられ、最近では液晶ディスプレイ用バックライトへの適用が盛んに検討されている。液晶ディスプレイの装備機器が主にバッテリー駆動であることから、液晶ディスプレイ用バックライトに用いられる冷陰極蛍光ランプに関しては、低消費電力化の要望が強い。その低消費電力を実現するためには発光に寄与しない電極の電圧降下を低減させることが重要である。
【0003】
冷陰極蛍光ランプの電極損失を低減して高効率化、低消費電力化を図るには、電極として金属に比べて仕事関数が低い、1属から3属の元素を含むエミッター材料を適用することが有効である。また、電極を円筒形状部を備えた構造にすると、ホローカソード効果等の形状による効果により、電極内側から電子放射が行われやすく、陰極電圧降下が低減でき、低消費電力化に有効である。このようなエミッター材料をディップ方式あるいはスパッタ方式でホロー型陰極電極に塗布し蛍光ランプに適用している事は知られており、このエミッター層を設けた、所謂ホロー型電極を適用した冷陰極蛍光ランプは、電極降下電圧を従来の棒状金属電極のそれよりも40V程度低減でき、その分低消費電力化を達成する事が出来ることが報告されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−144255号公報
【特許文献2】
特開2000−11866号公報(第3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本願発明者が検討した結果、ホロー型電極に厚さ均一に、かつ付着強度を強固にそして所望する場所にエミッター層を形成する事は容易でなく、形成方法が適切でないと長寿命が達成できなくなったり、上手く形成することができても価格が高くなったり等の理由で実用化が困難であった。
【0006】
例えば、塑性加工された金属電極に六硼化ランタン(LaB6)のようなエミッター層を形成する方法としてディップ法が知られているが、この方法は付着強度が弱く、蛍光ランプ生産工程中に離脱しやすく、また点灯中のイオン衝撃によるエミッター層の脱落があり依然として問題は解決できない。
【0007】
また、スパッタ法を適用することで安定したエミッター層は得られるものの、エミッター層を厚くする為には長時間スパッタする必要があり、結果的に、高価格となり実用的でない。
【0008】
本発明はこのような従来技術の問題点を解決する為になされものであり、電極表面に六硼化ランタン(LaB6)などの仕事関数の低い物質を有するエミッター層を備え、しかも前記エミッター層が均一な厚さで、しかも強固に付着していて長寿命を有する電極とその製造方法を提供することで、最終的には低価格で低消費電力な長寿命の蛍光ランプ、例えば液晶ディスプレイ用のバックライト等に使われる蛍光ランプを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の蛍光ランプ用電極は、金属層(A)と、希土類元素の六硼化物の粒子を含有する金属層(B)と、からなり、前記希土類元素の六硼化物の粒子のうち、少なくとも一部の粒子が表面に露出している。上記構造は分散めっき等の手法を用いて容易に作製でき、しかも電子放射物質である希土類元素の六硼化物が金属により強固に固定されながらも、その一部が表面に露出しているので、その素材である薄板をその後塑性加工しても金属層(B)は脱落することがない。この結果電極表面で、実質的に仕事関数の低い状態下での電子放出が確保されることから、低消費電力かつ長寿命の蛍光ランプを安価に提供できる。
【0010】
さらに、本発明の蛍光ランプ用電極は、前記希土類元素の六硼化物が、六硼化ランタンであることが好ましい。前記希土類元素の六硼化物の中でも六硼化ランタン、六硼化セリウム(CeB6)は仕事関数も低くしかも比較的産業上入手しやすいためである。
【0011】
さらに、本発明の蛍光ランプ用電極は、金属層(B)がニッケルであることが好ましい。ニッケルは緻密でガス発生がなく、前記希土類元素の六硼化物の粒子を覆い強固に保持できる。
【0012】
さらに、本発明の蛍光ランプ用電極は、金属層(A)がニッケルであることが好ましい。金属層(A)については、希土類元素の六硼化物の粒子を含有する金属層(B)を保持するとともに、電極としての役割を達成するもので前項で述べた蛍光ランプの電極材としての望まれる物性を満たすものが良い。また、金属層(B)と同材質であれば、使用時の熱履歴に原因する金属層(A)と金属層(B)との剥離等の異常発生を防止できる。
【0013】
本発明の蛍光ランプ用電極は、ホロー型もしくは類似の形状であることが好ましい。電極を対向内側面が開口する円筒形状部を備えた構造にすると、ホローカソード効果等の形状による効果により、電極内側から電子放射が行われやすく、陰極電圧降下が低減でき、低消費電力化できる。
【0014】
また、本発明は電極素材である薄板の金属層(A)上に、希土類元素の六硼化物の粒子を分散しためっき液を用いて金属層(B)をめっきした後、金属層(B)の表面の一部を除去することにより、前記希土類元素の六硼化物粒子の少なくとも一部を露出させ、その後薄板を塑性加工で電極形状にすることを特徴とする蛍光ランプ用電極の製造方法であり、好ましくは、金属層(B)の表面の一部を除去する方法が、機械的研磨又はエッチング又はサンドブラスト法であることを特徴とする前記の蛍光ランプ用電極の製造方法である。薄板にめっきするので、塑性加工後の立体的な電極形状部材にめっきするより均質に、また、一度に多数の薄板にめっきできるため、低価格が実現できる。
【0015】
本発明は、前記の電極を用いてなることを特徴とする蛍光ランプであり、その好ましい実施態様として、液晶ディスプレイ用のバックライト向けの蛍光ランプもしくはその蛍光ランプをバックライトとして用いたことを特徴とする液晶ディスプレイであることを特徴とする。本発明の前記電極を用いることにより、蛍光ランプおよび液晶ディスプレイは低価格、低消費電力、長寿命が実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の電極は、素材である薄板の金属層(A)と希土類元素の六硼化物の粒子を含有する金属層(B)とからなり、前記希土類元素の六硼化物の粒子のうち少なくとも一部の粒子が表面に露出していることを構造上の特徴を有する蛍光ランプ用の電極である。前記構造上の特徴を有しているので、以下に説明する分散めっき等の手法を用いて容易に作製でき、しかも電子放射物質である希土類元素の六硼化物が金属により強固に固定されながらも、その一部が表面に露出しているので、その素材である薄板をその後塑性加工しても金属層(B)は脱落することがない。この結果電極表面に、実質的に仕事関数の低い状態下での電子放出が確保されることから、低消費電力で長寿命の蛍光ランプを安価に提供できる特徴がある。
【0017】
本発明において、前記希土類元素の六硼化物の中でも六硼化ランタン、六硼化セリウム(CeB6)は仕事関数も低く、しかも比較的産業上入手しやすいことから好ましい。また、前記希土類元素の六硼化物の粒子の大きさについては、金属層(B)の厚さとの関係、表面に露出させる量等により実験的に定めれば良いが、発明者の検討結果に基づけば、金属層(B)の厚さが8〜20μm程度の場合には、平均粒子径が略3〜5μmが良好である。粒径1μm以下の小さい粒径だとスパッタに弱く、電極寿命が短くなってしまう。また、粒径を小さくするには分粒を繰り返す必要があるため、コストが高くなる。一方、粒径が大きいとめっき層を厚くする必要があるため、めっきに時間がかかり生産性が落ちるので結局コストが高くなる。六硼化物粒子を含むめっき層はその粒子が少なくとも3層に積み重なることが望ましい。六硼化物粒子を露出するためにめっき層の表層を取り除くとき、粒子層が3層より少ないと表面の六硼化物粒子が脱落した場合、露出する粒子数が少なくなってしまう可能性がある。
【0018】
蛍光ランプの電極に望まれる基本物性は、ランプ内の水銀と反応がし難いこと、封入ガスのArとNeガスのスパッタ率が小さいことである。同時にめっきが容易に出来、薄板の金属層(A)と強固に接着する材料が望まれる。発明者の実験的検討結果よれば、金属層(B)としては、緻密でガス発生がなく、前記希土類元素の六硼化物の粒子を覆い強固に保持できるものとして、ニッケルが最も好ましい。
【0019】
金属層(A)については、希土類元素の六硼化物の粒子を含有する金属層(B)を保持するとともに、電極としての役割を達成するもので、前項で述べた蛍光ランプの電極材としての望まれる物性を満たすものが良い。金属層(B)と同材質であることが、使用時の熱履歴に原因する金属層(A)と金属層(B)との剥離等の異常発生を防止することから、好ましい。従って、前述のように金属層(B)としてニッケルを選択する場合には、金属層(A)についてもニッケルであることが好ましい。
【0020】
本発明の電極の製造方法によれば、電極材料に金属(B)をめっきする際に、めっき液中に希土類元素の六硼化物の粒子を分散させることのみで、希土類元素の六硼化物の粒子を含有する金属層(B)を形成できる。更に、その後金属層(B)の表面を浅く除去し、その板材を塑性加工することで本発明の電極を得ることができるので、高輝度で長寿命の蛍光ランプを安価に提供できる電極を提供できる特徴を有する。
【0021】
本発明において、希土類元素の六硼化物の粒子を含有する金属層(B)を形成させる方法として、六硼化ランタン粒子をニッケル層中に含有させるニッケル電解めっきを例に説明する。図3はその説明図であり、めっき槽8に六硼化ランタン(LaB6)微粒子が分散しているニッケル(Ni)めっき液12が入っている。一方の電極10にNi電極板が置かれ、他方の電極11として薄板の金属(A)がおかれる。この状態で回路を閉じめっきすると、電極10のNi金属がめっき液12に溶けると同時に、薄板金属(A)11の表面にめっき層を形成するが、この時同時にめっき液に分散しているLaB6粒子もNiと一緒にめっき層に堆積する。めっき層の厚さが所望の厚さになるまでめっきを行う。めっき層の必要の無い薄板の金属11の片側には保護のフイルムを予め貼り付けておき、めっきを防ぐ。
【0022】
めっきの後、熱処理を行い、めっき層の硬度を増すことが望ましい。塑性加工に望まれるヴィッカース硬度170から210(Hv)とするためには、温度250℃から400℃程度で、30分から180分程度の熱処理を行えばよい。
【0023】
めっきをした金属層(B)中の六硼化物の粒子の表面は金属層(B)で覆われている。このため、六硼化物の粒子の低仕事関数の物理特性を利用するためには表面の金属層(B)を取り除き、六硼化物の粒子の表面を露出させる必要がある。
【0024】
本発明において、金属層(B)の表面の一部を除去することにより、前記希土類元素の六硼化物粒子の少なくとも一部を露出させる方法については、機械的研磨或いはエッチングが適当である。除去深さも数ミクロン程度と少量であること、更に希土類元素の六硼化物の粒子は露出させることを意図するものであり、これをなるべく除去しないような加工方法が望まれる。六硼化ランタンの露出割合は40%〜75%が適切な値になる。六硼化ランタンの粒子の露出が75%以上になると、粒子の脱落が起こり始まり、露出割合が少ないと電極電圧降下の効果が少ない。
【0025】
機械的研磨の研磨材としてはシリカあるいはざくろ石が好ましい。サンドブラスト法ではシリカ、鋳鋼、エメリまたはガラスビーズなどの小球を研磨材として、圧縮空気またはインペラの遠心力を利用して噴きつけ、表面の金属層(B)を取り除く。六硼化ランタン(LaB6)微粒子が分散しているニッケル(Ni)層を例にとると、LaB6の方がNiより硬いので、表面からの機械的研磨もしくはサンドブラストによりLaB6粒子が表面に露出した状態が実現できる。
【0026】
機械的研磨は、コストが安く簡便であり、研磨の精度を出しやすい、めっき層の表面状態によらず、平面度を精度良く出すことができる等の特徴を有し、金属層(B)の表面の一部を除去することにより、前記希土類元素の六硼化物粒子の少なくとも一部を露出させる方法として望ましい。
【0027】
また、湿式エッチング法は金属層(B)を選択的にエッチングすることが可能で、特別の装置が不要であり安価に多量の処理ができ、大量生産に適する特徴があり、希土類元素の六硼化物粒子の少なくとも一部を露出させる好ましい方法である。
【0028】
表面の金属層(B)を取り除き、六硼化物の粒子の表面を露出させた後、洗浄し、乾燥させる。その後、塑性加工を行い、所望の電極形状にする。この製造方法によれば、ホロー型形状に加工した後、分散めっきする工程において深い凹部へ不均質に金属層(B)と六硼化物の粒子が付着してしまうという問題や、六硼化物の粒子がホロー電極の外面に付着してしまうという欠点が生じない。また、従来のホロー形状に形成した後に、一個毎にその内面に電子放出性物質を塗布する方法に比べて格段に工数の低減が可能であり、低価格化が実現できる。さらに、単純な円筒ホロー型のみならず、例えば、複数の凹部を有する形状、テーパー状などの複雑な形状の電極の提供も可能となる。
【0029】
また、本発明は、前記の電極を用いてなることを特徴とする蛍光ランプであり、好ましくは、液晶ディスプレイ用のバックライト向けの蛍光ランプである。本発明になる蛍光ランプについて、図1並びに図2をもって説明する。
【0030】
図1に示すとおりに、本発明の蛍光ランプは、内面に蛍光体2が塗布されているガラス管1の両端部に希土類元素の六硼化物の粒子を含有する金属層(B)からなるエミッター層3を備えた電極4(以下、ホロー型陰極とも言う)が封じられている。電極4はカップ形状の金属層(A)からなる電極構成材7の底面部に導入線5が溶接されて形成されており、導入線5はガラスビーズ6を介してガラス管1に封じられている。
【0031】
ホロー型陰極4の内面に露出されたエミッター層3の膜厚は約10μm程度であり、陰極の外形は0.8mmで長さは3.0mm程度が一般的である。ガラス管1の内径は2.0mmで、電極間距離は50mm、ガラス管1内にはArガス10%−Neガス90%の混合ガスがガス圧10KPaで、また水銀(Hg)500μgを封入している。
【0032】
図2は、前記蛍光ランプに用いられている電極部材部分の拡大図である。ニッケル製のホロ−型陰極の内面には、六硼化ランタンの粒子を含有するニッケル層が設けられ、前記ニッケル層の表面から前記六硼化ランタン粒子の一部が露出されている。
【0033】
本発明の蛍光ランプは、前述した通りの、仕事関数の低い希土類元素の六硼化物の粒子が露出しているので、低電圧から放電が起こり、その結果、電極での電圧降下が少なく、したがって、低消費電力を達成することができる。しかも前記希土類元素の六硼化物の粒子は金属層中にその一部を埋め込まれているので、強固に固定されており、生産工程中の粒子脱落等の異常も無く、点灯中のイオン衝撃にも強く、長寿命であるという特徴を有しているので、例えば液晶ディスプレイ用のバックライト等に使われる蛍光ランプもしくはその蛍光ランプをバックライトとして用いたことを特徴とする液晶ディスプレイとして好適である。
【0034】
【実施例】
(実施例及び比較例)
図3に例示したニッケル電解めっき装置を用いて、前記ニッケル薄板の片面のみに六硼化ランタンの粒子を含有したニッケル層を設けた。ニッケル薄板のめっきを望まない片面には予めフイルムを貼っておく。尚、この時のニッケル電解めっき、ワット浴の主要条件は次のとおりである。
【0035】
めっき液組成:NiCl240g/l+NiSO4300g/l+ホウ酸40g/l 混合水溶液
電流密度 :0.5A/dm2
浴温 :55℃
PH :4
またニッケルめっき液には、予め、平均粒径3μmの六硼化ランタン粉末を0.8g/l添加しておく。なお、めっき中はめっき液を混合攪拌し、六硼化ランタン粉末が沈降することを防止した。
【0036】
ニッケル薄板の片面めっき後、めっき表面を、市販の剥離液(ワールド社商品名リップスターNCL)に浸漬し、ニッケルめっき層の一部を除去し、六硼化ランタン粒子の一部を表面に露出させる。洗浄、乾燥後、塑性加工により図2に示すホロー型形状の電極部材を形成する。
【0037】
前記電極材料を用いて、従来公知の技術に基づいて、図1に例示される蛍光ランプを作製し本発明の実施例とした。また、比較の例として、本発明の電極部材を用いていない蛍光ランプ(ニッケル電極を使用)も作製し、蛍光ランプの効率を表す特性として重要な電極降下電圧を従来のニッケル電極と対比測定した。電極降下電圧は蛍光ランプの全長を変化させ、直流電圧を蛍光ランプに印加してランプ電圧を測定し求めた。その結果、従来公知の蛍光ランプが120Vに比較して、本発明の蛍光ランプにおける電圧降下は80Vと30%も小さく、低消費電力が達成された。本発明品が優れることが明白である。
【0038】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内でいろいろの変形を採ることができる。例えば、ガラス管の内径、長さ、電極間距離、陰極の外形、長さ、エミッタ層の厚さなども適宜選択できる。
【0039】
【発明の効果】
本発明の電極材料は、電極材料を構成する金属が仕事関数の低い希土類元素の六硼化物の粒子を含有するとともに前記希土類元素の六硼化物の粒子の一部が露出された構造を有しているので、電子放出が容易であり、しかも長寿命である特徴を有するので、いろいろな用途向けの蛍光ランプに適用でき、産業上非常に有用である。
【0040】
本発明の電極の製造方法は、前記特徴ある電極材料が容易に、再現性高く得ることができることから低価格を実現できるため産業上非常に有用である。
【0041】
本発明の蛍光ランプは、前記特徴ある電極材料を用いているので、電極部での電圧降下が少なく、従って消費電力が少ない特徴を有し、しかも長寿命なので、液晶ディスプレイ用のバックライト等に使われる蛍光ランプ等のいろいろな用途に用いることができ、産業上非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蛍光ランプの構造図である。
【図2】本発明に係る電極の構造図である。
【図3】本発明の電極材料を作製する際のめっき方法の解説図である。
【符号の説明】
1 ガラス管、2 蛍光体、3 エミッター層(希土類元素の六硼化物粒子を含有する金属層(B))、4 電極(ホロー型陰極)、5 導入線、6 ガラスビーズ、7 電極構成材(金属層(A))、8 めっき槽、9 六硼化ランタン粒子、10 ニッケル電極、11 薄板のニッケル板、12 めっき液。
Claims (9)
- 金属層(A)と、
希土類元素の六硼化物の粒子を含有する金属層(B)と、
からなり、前記希土類元素の六硼化物の粒子のうち、少なくとも一部の粒子が電極表面の全面あるいは一部分に露出していることを特徴とする蛍光ランプ用電極。 - 希土類元素の六硼化物が、六硼化ランタンであることを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ用電極。
- 金属層(B)がニッケルであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の蛍光ランプ用電極。
- 金属層(A)がニッケルであることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の蛍光ランプ用電極。
- 電極形状がホロー型であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の蛍光ランプ用電極。
- 薄板形状の金属層(A)上に、希土類元素の六硼化物の粒子を分散しためっき液を用いて金属層(B)をめっきした後、金属層(B)の表面の一部を除去することにより、前記希土類元素の六硼化物粒子のうち少なくとも一部の粒子を露出させ、その後塑性加工の所望の電極形状の加工することを特徴とする蛍光ランプ用電極の製造方法。
- 金属層(B)の表面の一部を除去する方法が、機械的研磨、サンドブラスト法又はエッチングであることを特徴とする請求項6記載の蛍光ランプ用電極の製造方法。
- 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の電極を用いてなることを特徴とする蛍光ランプ。
- 請求項8記載の蛍光ランプをバックライトとして用いたことを特徴とする液晶ディスプレイ。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008204837A (ja) * | 2007-02-21 | 2008-09-04 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 冷陰極蛍光ランプ用電極 |
US7586045B2 (en) | 2005-10-21 | 2009-09-08 | Dms Co., Ltd. | Method for fabricating electrode of external electrode fluorescent lamp and external electrode fluorescent lamp having electrode fabricated by the method |
WO2011024235A1 (ja) * | 2009-08-28 | 2011-03-03 | 住友電気工業株式会社 | 電極 |
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2002
- 2002-12-18 JP JP2002366828A patent/JP2004199992A/ja active Pending
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TW201025415A (en) | Method for manufacturing field emission cathode |
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