JP2004199839A - 光ディスク記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザー光源からのレーザー光量が変化すると、この光量変化を補償するべくAPC回路によりイレーズパワー設定電流が補正されるが、ACC回路から発生されるピークパワー設定電流は一定電流のままなので、ε値がディスク記録に適切に設定された状態からズレて記録品位が劣化される問題があった。
【解決手段】APC回路により発生されるイレーズパワー設定電流が変化した際にこの変化量に応じてε値を一定に保持するべくACC回路から発生されるピークパワー設定電流を補正させるようにしている。これによりレーザービームの光量変化によりイレーズパワー設定電流が変化した際に、この変化に対応してACC回路から発生されるピークパワー設定電流を補正し、ε値が変化しないようにしている。
【選択図】 図1
【解決手段】APC回路により発生されるイレーズパワー設定電流が変化した際にこの変化量に応じてε値を一定に保持するべくACC回路から発生されるピークパワー設定電流を補正させるようにしている。これによりレーザービームの光量変化によりイレーズパワー設定電流が変化した際に、この変化に対応してACC回路から発生されるピークパワー設定電流を補正し、ε値が変化しないようにしている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学ヘッドからレーザービームを出射してディスクに信号記録を行う光ディスク記録装置に関し、特に、マルチパルス波形によるオーバーライト方式のディスク記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク記録装置としては、ディスクへの上書きによる書き換えが可能なオーバーライト方式が存在し、CD(Compact Disc)方式のCD−RW(ReWritable)ドライブが広く普及している。このようなオーバーライト方式の光ディスク記録装置は、光学ヘッドのレーザー光源をイレーズパワー値のイレーズパワー信号とピークパワー値及びボトムパワー値間で振幅させたパルス状信号とを合成した図2に示す如きマルチパルス波形のレーザー駆動信号で駆動し、この駆動に応じてレーザー光源からレーザービームを出射させてディスクに信号記録を行うようにしている。
【0003】
このようなマルチパルス波形のレーザー駆動信号によりディスクに記録を行う光ディスク装置においては、イレーズパワー値、ピークパワー値及びボトムパワー値を正確に制御してディスクに高品質な記録マークを記録することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−34987号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、マルチパルス波形のレーザー駆動信号によりディスク記録を行う光ディスク装置においては、ピークパワー値Ppに対するイレーズパワー値Peの比率(Pe/Pp)であるε値の調整が必要である。このε値はディスクに固有であると共に、記録速度によって決定される。
【0006】
CD−RWの場合、ε値は通常、ディスクの記録パワー調整領域(PCA)に段階的に変化する複数のレーザー出力により試し書きする前に決定され、ディスクごとにウォブル(wobble)のATIP(Absolute Time In Pre-groove)特別情報として記録されているので、この特別情報から推奨の値が抽出され、記録速度の兼ね合いで、ディスク記録に最適と思われる適切な値に設定される。
【0007】
ところで、ディスク記録を行うマルチパルス波形のレーザー駆動信号を形成するのに、光学ヘッドから出射されるレーザービームをモニタしたモニタ出力を一定に保持するべく制御するAPC(Automatic Power Control)回路によりイレーズパワー値を設定するイレーズパワー設定電流を発生させ、ε値に基づいて設定される電流値の一定電流を発生するACC(Automatic Current Control)回路によりピークパワー値を設定するピークパワー設定電流を発生させる構成の光ディスク装置が存在している。
【0008】
このような光ディスク装置において、レーザー光源及びこのレーザー光源を駆動するレーザードライバを構成する半導体素子の自己発熱や周囲温度変化による影響で、レーザー光源の駆動電流が変化しなくてもレーザー光源から出射されるレーザービームの光量変化が発生すると、この光量変化を補償するべくAPC回路によりイレーズパワー設定電流が補正されるが、ACC回路から発生されるピークパワー設定電流は光量変化により電流値が変化されず一定電流に設定されるので、ε値がディスク記録に適切に設定された状態から変化され、記録品位が劣化される問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ディスク記録装置は、光学ヘッドから出射されるレーザービームをモニタしたモニタ出力を一定に保持するべく制御するAPC回路によりイレーズパワー値を設定するイレーズパワー設定電流を発生させ、ディスクに記録される記録マークの記録品位を確保するべくピークパワー値に対するイレーズパワー値の比率であるε値が設定され、前記ε値に基づいて設定される電流値の一定電流を発生するACC回路によりピークパワー値を設定するピークパワー設定電流を発生させ、前記APC回路により発生されるイレーズパワー設定電流が変化した際にこの変化量に応じてε値を一定に保持するべく前記ACC回路から発生されるピークパワー設定電流を補正させるようにしている。これによりレーザービームの光量変化によりイレーズパワー設定電流が変化した際に、この変化に対応してACC回路から発生されるピークパワー設定電流を補正し、ε値が変化しないようにしている。
【0010】
【実施例】
図1は本発明に係る光ディスク記録装置の一実施例を示す回路ブロック図である。
【0011】
光学ヘッドの光源となるレーザーダイオード1はレーザードライバ2により駆動され、ディスク(図示せず)に対して記録及び再生を行うためのレーザービームを出射する。
【0012】
光学ヘッドにはレーザーダイオード1から出射されてディスクに導かれる光路途中で分離されるレーザービームを受光するフロントモニターダイオード3が備えられている。
【0013】
フロントモニターダイオード3は受光されるレーザービームの光量に応じて受光電流が流れ、この受光電流に応じたモニター出力が電流電圧変換アンプ(I/Vアンプ)4により電圧信号に変換される。
【0014】
レーザードライバ2には、ディスク記録時のマルチパルス波形のレーザー駆動信号におけるイレーズパワー値、ピークパワー値及びボトムパワー値をそれぞれ設定するイレーズパワー設定電流、ピークパワー設定電流及びボトムパワー設定電流がそれぞれ端子2a、2b及び2cに供給される。
【0015】
レーザードライバ2に供給されるイレーズパワー設定電流、ピークパワー設定電流及びボトムパワー設定電流は、それぞれアンプ20a,20b及び20cを介して加算器21による加算により合成されてマルチパルス波形のレーザー駆動信号となる。
【0016】
レーザードライバ2から発生されるマルチパルス波形のレーザー駆動信号は、図2に示すようにスペース記録を行うイレーズパワー値の期間Eとピークパワー値及びボトムパワー値間で振幅されてマーク記録を行うパルス波形信号の期間Pとにより構成される。
【0017】
レーザードライバ2に供給される各種設定電流はエンコーダ5によりディスク記録されるべくエンコードされたデータに対応して入力が制御され、レーザードライバ2からはそのデータに対応したマルチパルス波形のレーザー駆動信号が発生されるようになっている。
【0018】
イレーズパワー設定電流はAPC(Automatic Power Control)回路6からのAPC出力により発生されるようになっており、APC回路6には制御マイコン7に備えられるイレーズパワー設定手段8により初期値として設定されるイレーズパワー設定電流の基のイレーズパワー設定データがDA(デジタル・アナログ)コンバータ9によりアナログ信号に変換されて印加され、APC回路6はイレーズパワー設定データに基づくイレーズパワー設定電流を発生するようになる。
【0019】
また、APC回路6はフロントモニターダイオード3に受光されて電流電圧変換アンプ4により電圧信号に変換されたモニター出力を一定にするべく発生させるイレーズパワー設定電流を制御する。
【0020】
ピークパワー設定電流はACC(Automatic Current Control)回路10からのACC出力により発生されるようになっており、ACC回路10には制御マイコン7に備えられるピークパワー設定手段11により設定されるピークパワー設定電流の基のピークパワー設定データがDAコンバータ12によりアナログ信号に変換されて印加され、これによりACC回路10はピークパワー設定データに基づいて電流一定のピークパワー設定電流を発生するようになる。
【0021】
ボトムパワー設定電流はACC回路13からのACC出力により発生されるようになっており、ACC回路13には制御マイコン7に備えられるボトムパワー設定手段14により設定されるボトムパワー設定電流の基のボトムパワー設定データがDAコンバータ15によりアナログ信号に変換されて印加され、これによりACC回路13はボトムパワー設定データに基づいて電流一定のボトムパワー設定電流を発生するようになる。このボトムパワー設定電流はアースレベルに設定されることが多い。
【0022】
このように構成される光ディスク装置において、ディスク記録を行う場合、PCAにおける試し書きの前に、ディスクのウォブルのATIP特別情報を読み取って抽出されるディスク固有のε値と、ディスク記録の速度を考慮して、ピークパワー値Ppに対するイレーズパワー値Peの比率(Pp/Pe)であるε値の設定が制御マイコン7に備えるε値設定手段16により行われる。
【0023】
ところで、光ディスク装置においては、レーザーダイオード1及びレーザードライバ2を構成する半導体素子の自己発熱や周囲温度変化による影響で、レーザーダイオード1の駆動電流が変化しなくてもレーザーダイオード1から出射されるレーザービームの光量変化が発生する。
【0024】
このようなレーザービームの光量変化が発生すると、この光量変化によりフロントモニターダイオード3からのモニター出力が変化するので、このモニター出力の変化に応じてAPC回路6から発生されるイレーズパワー設定電流が補正される。
【0025】
一方、ACC回路10から発生されるピークパワー設定電流はレーザーダイオード1から出射されるレーザービームの光量変化に因らず、ピークパワー設定手段11からピークパワー設定データに応じて一定電流に設定されている。
【0026】
その為、レーザーダイオード1から出射されるレーザービームの光量変化が発生してもACC回路10から発生されるピークパワー設定電流が一定であると、ピークパワー値Ppに対するイレーズパワー値Peの比率(Pp/Pe)であるε値はディスク記録に適切に設定された状態から変化され、記録品位の劣化をもたらすことになる。
【0027】
図1の光ディスク装置においては、APC回路6によりイレーズパワー設定電流がAD(アナログ・デジタル)コンバータ17によりデジタルのイレーズパワー設定データに変換されて制御マイコン7に供給され、このイレーズパワー設定データが制御マイコン7内に備えられるピークパワー補正手段18によりピークパワー設定手段14で設定されるピークパワー設定データと比較される。
【0028】
ここで、ε値の決定時にそれぞれ設定されるイレーズパワー設定電流及びピークパワー設定電流にそれぞれ対応するイレーズパワー設定データ及びピークパワー設定データは、初期値として制御マイコン7に備えられるRAM19に保存されている。
【0029】
記録動作中において、APC回路6からのイレーズパワー設定電流はイレーズパワー設定データとしてピークパワー補正手段18により逐次測定され、この測定されたイレーズパワー設定電流に対応するイレーズパワー設定データはピークパワー補正手段18によりイレーズパワー設定手段8に設定されている初期値のイレーズパワー設定データと比較され、この比較によるイレーズパワー設定電流の差分に基づいてピークパワー設定手段11に設定されるピークパワー設定データを補正し、この結果、ACC回路10により発生されるピークパワー設定電流が補正される。
【0030】
このピークパワー設定電流の補正は、ε値設定手段16により設定されているε値を変化させないようにピークパワー設定手段11から発生されるピークパワー設定データが補正されて行われる。
【0031】
ピークパワー値においてレーザーダイオード1に流される電流IpはIp=Ie+(Pp/SE)×(1−ε)(数式1)によって表せ、この数式1のPpで示されるピークパワー値、SEで示されるレーザーダイオード1の微分効率値、及びε値は固定されているので、前記ピークパワー値におけるレーザーダイオード1の電流Ipは、イレーズパワー値におけるレーザーダイオード1の電流Ieの変化分に対応して変化し、この電流Ieの変化分を加減算することにより一定に保たれる。その為、ピークパワー補正手段18は数式1に則った演算によりピークパワー設定データを補正する。
【0032】
レーザーダイオード1の微分効率値SEは、所定の各温度ごとにおけるレーザーダイオード1を駆動するレーザー駆動電流に対してレーザーダイオード1から出射されるレーザービームのレーザー光量の変化を示し、図3に示す如く、レーザー駆動電流に対するレーザー光量の関係が各温度ごとに傾きが微少に相違する1次関数に表せ、レーザー駆動電流が同一電流の場合、温度が上昇すると、レーザーダイオード1から出射されるレーザービームのレーザー光量が減少される。
【0033】
尚、レーザーダイオード1の微分効率値SEは、図3の傾きに相当する。
【0034】
このレーザーダイオード1の微分効率値SEは、温度の相違に対しての変化は微少であるので、ピークパワー設定データの補正を行う際の演算において、使用温度範囲の任意の中間温度の値を用いることが可能で前記演算処理が簡単になる。
【0035】
また、温度検出を可能とした場合は、検出される温度に応じたレーザーダイオード1の微分効率値SEをピークパワー設定データの補正を行う際の演算式(数式1)に設定すれば良い。
【0036】
このようにイレーズパワー設定電流の変化に応じてε値を一定に保つべくピークパワー設定電流の補正が行なわれ、レーザーダイオード1及びレーザードライバ2を構成する半導体素子の自己発熱や周囲温度変化による影響によりレーザーダイオード1からのレーザービームの光量変化が発生してもディスク記録に適切に設定されたε値を保持してディスク記録が行える。
【0037】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明は、ディスク記録時にレーザー光源からのレーザービームのモニタ出力の変化によりAPC回路で発生されるイレーズパワー設定電流が変化した場合、ピークパワー設定電流の補正が行なわれてε値が一定に保たれるので、レーザー光源及びこのレーザードライバを構成する半導体素子の自己発熱や周囲温度変化による影響によりレーザー光源からのレーザービームの光量変化が発生してもディスク記録に適切に設定されたε値を保持してディスク記録を行うことが出来る。
【0038】
特に、イレーズパワー設定電流の変化量に応じて設定されるピークパワー設定電流を演算により求めると共に、所定の各温度ごとにおけるレーザー光源を駆動するレーザー駆動電流に対してレーザー光源から出射されるレーザービームのレーザー光量の変化を示すレーザー光源の微分効率値を前記演算のパラメータとして使用しているので、制御マイコンによるソフトウエアやファームウエアのプログラム処理により容易に達成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスク記録装置の一実施例を示す回路ブロック図である。
【図2】光学ヘッドのレーザー光源を駆動するマルチパルス波形のレーザー駆動信号を示す波形図である。
【図3】所定の各温度ごとにおけるレーザー光源を駆動するレーザー駆動電流に対するレーザー光源から出射されるレーザービームのレーザー光量の変化である微分効率値SEを示す特性図である。
【符号の説明】
1 レーザーダイオード
2 レーザードライバ
3 フロントモニターダイオード
6 APC回路
7 制御マイコン
8 イレーズパワー設定手段
11 ピークパワー設定手段
10,13 ACC回路
16 ε値設定手段
18 ピークパワー補正手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学ヘッドからレーザービームを出射してディスクに信号記録を行う光ディスク記録装置に関し、特に、マルチパルス波形によるオーバーライト方式のディスク記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク記録装置としては、ディスクへの上書きによる書き換えが可能なオーバーライト方式が存在し、CD(Compact Disc)方式のCD−RW(ReWritable)ドライブが広く普及している。このようなオーバーライト方式の光ディスク記録装置は、光学ヘッドのレーザー光源をイレーズパワー値のイレーズパワー信号とピークパワー値及びボトムパワー値間で振幅させたパルス状信号とを合成した図2に示す如きマルチパルス波形のレーザー駆動信号で駆動し、この駆動に応じてレーザー光源からレーザービームを出射させてディスクに信号記録を行うようにしている。
【0003】
このようなマルチパルス波形のレーザー駆動信号によりディスクに記録を行う光ディスク装置においては、イレーズパワー値、ピークパワー値及びボトムパワー値を正確に制御してディスクに高品質な記録マークを記録することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−34987号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、マルチパルス波形のレーザー駆動信号によりディスク記録を行う光ディスク装置においては、ピークパワー値Ppに対するイレーズパワー値Peの比率(Pe/Pp)であるε値の調整が必要である。このε値はディスクに固有であると共に、記録速度によって決定される。
【0006】
CD−RWの場合、ε値は通常、ディスクの記録パワー調整領域(PCA)に段階的に変化する複数のレーザー出力により試し書きする前に決定され、ディスクごとにウォブル(wobble)のATIP(Absolute Time In Pre-groove)特別情報として記録されているので、この特別情報から推奨の値が抽出され、記録速度の兼ね合いで、ディスク記録に最適と思われる適切な値に設定される。
【0007】
ところで、ディスク記録を行うマルチパルス波形のレーザー駆動信号を形成するのに、光学ヘッドから出射されるレーザービームをモニタしたモニタ出力を一定に保持するべく制御するAPC(Automatic Power Control)回路によりイレーズパワー値を設定するイレーズパワー設定電流を発生させ、ε値に基づいて設定される電流値の一定電流を発生するACC(Automatic Current Control)回路によりピークパワー値を設定するピークパワー設定電流を発生させる構成の光ディスク装置が存在している。
【0008】
このような光ディスク装置において、レーザー光源及びこのレーザー光源を駆動するレーザードライバを構成する半導体素子の自己発熱や周囲温度変化による影響で、レーザー光源の駆動電流が変化しなくてもレーザー光源から出射されるレーザービームの光量変化が発生すると、この光量変化を補償するべくAPC回路によりイレーズパワー設定電流が補正されるが、ACC回路から発生されるピークパワー設定電流は光量変化により電流値が変化されず一定電流に設定されるので、ε値がディスク記録に適切に設定された状態から変化され、記録品位が劣化される問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ディスク記録装置は、光学ヘッドから出射されるレーザービームをモニタしたモニタ出力を一定に保持するべく制御するAPC回路によりイレーズパワー値を設定するイレーズパワー設定電流を発生させ、ディスクに記録される記録マークの記録品位を確保するべくピークパワー値に対するイレーズパワー値の比率であるε値が設定され、前記ε値に基づいて設定される電流値の一定電流を発生するACC回路によりピークパワー値を設定するピークパワー設定電流を発生させ、前記APC回路により発生されるイレーズパワー設定電流が変化した際にこの変化量に応じてε値を一定に保持するべく前記ACC回路から発生されるピークパワー設定電流を補正させるようにしている。これによりレーザービームの光量変化によりイレーズパワー設定電流が変化した際に、この変化に対応してACC回路から発生されるピークパワー設定電流を補正し、ε値が変化しないようにしている。
【0010】
【実施例】
図1は本発明に係る光ディスク記録装置の一実施例を示す回路ブロック図である。
【0011】
光学ヘッドの光源となるレーザーダイオード1はレーザードライバ2により駆動され、ディスク(図示せず)に対して記録及び再生を行うためのレーザービームを出射する。
【0012】
光学ヘッドにはレーザーダイオード1から出射されてディスクに導かれる光路途中で分離されるレーザービームを受光するフロントモニターダイオード3が備えられている。
【0013】
フロントモニターダイオード3は受光されるレーザービームの光量に応じて受光電流が流れ、この受光電流に応じたモニター出力が電流電圧変換アンプ(I/Vアンプ)4により電圧信号に変換される。
【0014】
レーザードライバ2には、ディスク記録時のマルチパルス波形のレーザー駆動信号におけるイレーズパワー値、ピークパワー値及びボトムパワー値をそれぞれ設定するイレーズパワー設定電流、ピークパワー設定電流及びボトムパワー設定電流がそれぞれ端子2a、2b及び2cに供給される。
【0015】
レーザードライバ2に供給されるイレーズパワー設定電流、ピークパワー設定電流及びボトムパワー設定電流は、それぞれアンプ20a,20b及び20cを介して加算器21による加算により合成されてマルチパルス波形のレーザー駆動信号となる。
【0016】
レーザードライバ2から発生されるマルチパルス波形のレーザー駆動信号は、図2に示すようにスペース記録を行うイレーズパワー値の期間Eとピークパワー値及びボトムパワー値間で振幅されてマーク記録を行うパルス波形信号の期間Pとにより構成される。
【0017】
レーザードライバ2に供給される各種設定電流はエンコーダ5によりディスク記録されるべくエンコードされたデータに対応して入力が制御され、レーザードライバ2からはそのデータに対応したマルチパルス波形のレーザー駆動信号が発生されるようになっている。
【0018】
イレーズパワー設定電流はAPC(Automatic Power Control)回路6からのAPC出力により発生されるようになっており、APC回路6には制御マイコン7に備えられるイレーズパワー設定手段8により初期値として設定されるイレーズパワー設定電流の基のイレーズパワー設定データがDA(デジタル・アナログ)コンバータ9によりアナログ信号に変換されて印加され、APC回路6はイレーズパワー設定データに基づくイレーズパワー設定電流を発生するようになる。
【0019】
また、APC回路6はフロントモニターダイオード3に受光されて電流電圧変換アンプ4により電圧信号に変換されたモニター出力を一定にするべく発生させるイレーズパワー設定電流を制御する。
【0020】
ピークパワー設定電流はACC(Automatic Current Control)回路10からのACC出力により発生されるようになっており、ACC回路10には制御マイコン7に備えられるピークパワー設定手段11により設定されるピークパワー設定電流の基のピークパワー設定データがDAコンバータ12によりアナログ信号に変換されて印加され、これによりACC回路10はピークパワー設定データに基づいて電流一定のピークパワー設定電流を発生するようになる。
【0021】
ボトムパワー設定電流はACC回路13からのACC出力により発生されるようになっており、ACC回路13には制御マイコン7に備えられるボトムパワー設定手段14により設定されるボトムパワー設定電流の基のボトムパワー設定データがDAコンバータ15によりアナログ信号に変換されて印加され、これによりACC回路13はボトムパワー設定データに基づいて電流一定のボトムパワー設定電流を発生するようになる。このボトムパワー設定電流はアースレベルに設定されることが多い。
【0022】
このように構成される光ディスク装置において、ディスク記録を行う場合、PCAにおける試し書きの前に、ディスクのウォブルのATIP特別情報を読み取って抽出されるディスク固有のε値と、ディスク記録の速度を考慮して、ピークパワー値Ppに対するイレーズパワー値Peの比率(Pp/Pe)であるε値の設定が制御マイコン7に備えるε値設定手段16により行われる。
【0023】
ところで、光ディスク装置においては、レーザーダイオード1及びレーザードライバ2を構成する半導体素子の自己発熱や周囲温度変化による影響で、レーザーダイオード1の駆動電流が変化しなくてもレーザーダイオード1から出射されるレーザービームの光量変化が発生する。
【0024】
このようなレーザービームの光量変化が発生すると、この光量変化によりフロントモニターダイオード3からのモニター出力が変化するので、このモニター出力の変化に応じてAPC回路6から発生されるイレーズパワー設定電流が補正される。
【0025】
一方、ACC回路10から発生されるピークパワー設定電流はレーザーダイオード1から出射されるレーザービームの光量変化に因らず、ピークパワー設定手段11からピークパワー設定データに応じて一定電流に設定されている。
【0026】
その為、レーザーダイオード1から出射されるレーザービームの光量変化が発生してもACC回路10から発生されるピークパワー設定電流が一定であると、ピークパワー値Ppに対するイレーズパワー値Peの比率(Pp/Pe)であるε値はディスク記録に適切に設定された状態から変化され、記録品位の劣化をもたらすことになる。
【0027】
図1の光ディスク装置においては、APC回路6によりイレーズパワー設定電流がAD(アナログ・デジタル)コンバータ17によりデジタルのイレーズパワー設定データに変換されて制御マイコン7に供給され、このイレーズパワー設定データが制御マイコン7内に備えられるピークパワー補正手段18によりピークパワー設定手段14で設定されるピークパワー設定データと比較される。
【0028】
ここで、ε値の決定時にそれぞれ設定されるイレーズパワー設定電流及びピークパワー設定電流にそれぞれ対応するイレーズパワー設定データ及びピークパワー設定データは、初期値として制御マイコン7に備えられるRAM19に保存されている。
【0029】
記録動作中において、APC回路6からのイレーズパワー設定電流はイレーズパワー設定データとしてピークパワー補正手段18により逐次測定され、この測定されたイレーズパワー設定電流に対応するイレーズパワー設定データはピークパワー補正手段18によりイレーズパワー設定手段8に設定されている初期値のイレーズパワー設定データと比較され、この比較によるイレーズパワー設定電流の差分に基づいてピークパワー設定手段11に設定されるピークパワー設定データを補正し、この結果、ACC回路10により発生されるピークパワー設定電流が補正される。
【0030】
このピークパワー設定電流の補正は、ε値設定手段16により設定されているε値を変化させないようにピークパワー設定手段11から発生されるピークパワー設定データが補正されて行われる。
【0031】
ピークパワー値においてレーザーダイオード1に流される電流IpはIp=Ie+(Pp/SE)×(1−ε)(数式1)によって表せ、この数式1のPpで示されるピークパワー値、SEで示されるレーザーダイオード1の微分効率値、及びε値は固定されているので、前記ピークパワー値におけるレーザーダイオード1の電流Ipは、イレーズパワー値におけるレーザーダイオード1の電流Ieの変化分に対応して変化し、この電流Ieの変化分を加減算することにより一定に保たれる。その為、ピークパワー補正手段18は数式1に則った演算によりピークパワー設定データを補正する。
【0032】
レーザーダイオード1の微分効率値SEは、所定の各温度ごとにおけるレーザーダイオード1を駆動するレーザー駆動電流に対してレーザーダイオード1から出射されるレーザービームのレーザー光量の変化を示し、図3に示す如く、レーザー駆動電流に対するレーザー光量の関係が各温度ごとに傾きが微少に相違する1次関数に表せ、レーザー駆動電流が同一電流の場合、温度が上昇すると、レーザーダイオード1から出射されるレーザービームのレーザー光量が減少される。
【0033】
尚、レーザーダイオード1の微分効率値SEは、図3の傾きに相当する。
【0034】
このレーザーダイオード1の微分効率値SEは、温度の相違に対しての変化は微少であるので、ピークパワー設定データの補正を行う際の演算において、使用温度範囲の任意の中間温度の値を用いることが可能で前記演算処理が簡単になる。
【0035】
また、温度検出を可能とした場合は、検出される温度に応じたレーザーダイオード1の微分効率値SEをピークパワー設定データの補正を行う際の演算式(数式1)に設定すれば良い。
【0036】
このようにイレーズパワー設定電流の変化に応じてε値を一定に保つべくピークパワー設定電流の補正が行なわれ、レーザーダイオード1及びレーザードライバ2を構成する半導体素子の自己発熱や周囲温度変化による影響によりレーザーダイオード1からのレーザービームの光量変化が発生してもディスク記録に適切に設定されたε値を保持してディスク記録が行える。
【0037】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明は、ディスク記録時にレーザー光源からのレーザービームのモニタ出力の変化によりAPC回路で発生されるイレーズパワー設定電流が変化した場合、ピークパワー設定電流の補正が行なわれてε値が一定に保たれるので、レーザー光源及びこのレーザードライバを構成する半導体素子の自己発熱や周囲温度変化による影響によりレーザー光源からのレーザービームの光量変化が発生してもディスク記録に適切に設定されたε値を保持してディスク記録を行うことが出来る。
【0038】
特に、イレーズパワー設定電流の変化量に応じて設定されるピークパワー設定電流を演算により求めると共に、所定の各温度ごとにおけるレーザー光源を駆動するレーザー駆動電流に対してレーザー光源から出射されるレーザービームのレーザー光量の変化を示すレーザー光源の微分効率値を前記演算のパラメータとして使用しているので、制御マイコンによるソフトウエアやファームウエアのプログラム処理により容易に達成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスク記録装置の一実施例を示す回路ブロック図である。
【図2】光学ヘッドのレーザー光源を駆動するマルチパルス波形のレーザー駆動信号を示す波形図である。
【図3】所定の各温度ごとにおけるレーザー光源を駆動するレーザー駆動電流に対するレーザー光源から出射されるレーザービームのレーザー光量の変化である微分効率値SEを示す特性図である。
【符号の説明】
1 レーザーダイオード
2 レーザードライバ
3 フロントモニターダイオード
6 APC回路
7 制御マイコン
8 イレーズパワー設定手段
11 ピークパワー設定手段
10,13 ACC回路
16 ε値設定手段
18 ピークパワー補正手段
Claims (4)
- 光学ヘッドのレーザー光源をイレーズパワー値のイレーズパワー信号とピークパワー値及びボトムパワー値間で振幅させたパルス状信号とのマルチパルス波形のレーザー駆動信号により駆動し、この駆動に応じて光学ヘッドから出射されるレーザービームを用いてディスクに信号記録を行う光ディスク記録装置であって、イレーズパワー値を設定するイレーズパワー設定電流は光学ヘッドから出射されるレーザービームをモニタしたモニタ出力を一定に保持するべく制御するAPC回路により発生され、ディスクに記録される記録マークの記録品位を確保するべくピークパワー値に対するイレーズパワー値の比率であるε値が設定され、ピークパワー値を設定するピークパワー設定電流は前記ε値に基づいて設定される電流値の一定電流を発生するACC回路により発生され、前記APC回路により発生されるイレーズパワー設定電流が変化した際にこの変化量に応じてε値を一定に保持するべく前記ACC回路から発生されるピークパワー設定電流を補正させることを特徴とする光ディスク記録装置。
- イレーズパワー設定電流の変化量に応じて設定されるピークパワー設定電流を演算により求めると共に、レーザー光源を駆動するレーザー駆動電流に対してレーザー光源から出射されるレーザービームのレーザー光量の変化を示すレーザー光源の微分効率値を前記演算のパラメータとして使用することを特徴とする請求項1記載の光ディスク記録装置。
- ε値が設定される際にそれぞれ設定されるイレーズパワー設定電流及びピークパワー設定電流にそれぞれ対応するイレーズパワー設定データ及びピークパワー設定データが初期値として設定され、記録動作中にイレーズパワー設定電流を逐次測定し、この測定されたイレーズパワー設定電流に対応するイレーズパワー設定データを初期値のイレーズパワー設定データと比較し、この比較によるイレーズパワー設定電流の差分に基づいてピークパワー設定電流を補正することを特徴とする請求項1、あるいは請求項2記載の光ディスク記録装置。
- 光学ヘッドから出射されるレーザービームをモニタしたモニタ出力を得るのに、レーザー光源からディスクに導かれる光路途中で分離されるレーザービームを受光するフロントモニタ光検出器を用いたことを特徴とする請求項1記載の光ディスク記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002370382A JP2004199839A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 光ディスク記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008262279A (ja) * | 2007-04-10 | 2008-10-30 | Mitsubishi Electric Corp | 音声検索装置 |
US8929185B2 (en) | 2011-05-20 | 2015-01-06 | Funai Electric Co., Ltd. | Optical disc recording device and optical disc recording method |
-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002370382A patent/JP2004199839A/ja active Pending
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