JP2004199532A - 画像処理装置及び画像処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも画像を格納するメモリと、前記画像の部分領域ごとに画像処理を行うことができる複数のプログラマブルな第一のプロセッサと、前記画像を該メモリから読み出し、演算器の物理的な並びによるパイプライン処理によって特定の画像処理を行う第二のプロセッサをもたせた画像処理装置とする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速に画像処理を行う画像処理装置及びそれを用いた画像処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
イメージセンサ装置によって画像を取り込み、取り込んだ画像を処理する画像処理装置としては、OAシステム,半導体製造装置,半導体検査装置,医療システムなどが知られている。画像の高速処理を行う画像処理装置として、複数のスレーブプロセッサと、画像を分割し、処理単位ごとに分割した画像データをスレーブプロセッサに転送するマスタプロセッサと、マスタプロセッサとスレーブプロセッサを接続するバスと、マスタプロセッサが1つのスレーブプロセッサに分割された画像データを転送するとともに、他のスレーブプロセッサが画像処理を行うためにバスと分離するバス分離手段を有した画像処理装置が従来から知られている。本構成の画像処理装置は、任意の画像処理をほぼスレーブプロセッサの台数分高速化することができる(例えば引用特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−328383号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の画像処理装置は、並列に画像処理を行うためには画像データをスレーブプロセッサに転送する必要があるため、演算の単純な画像処理においても、少なくとも画像データを転送する時間が必要になる。
【0005】
本発明の課題は、演算の単純な画像処理も含めて、高速なトータルの画像処理を実施できる画像処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、少なくとも画像を格納するメモリと、該画像の部分領域ごとに画像処理を行うことができる複数のプログラマブルな第一のプロセッサと、該画像を該メモリから読み出し、演算器の物理的な並びによるパイプライン処理によって特定の画像処理を行う第二のプロセッサをもたせる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について図1から図4を用いて説明する。
【0008】
図1は、画像処理システムの一例であるイメージセンサとして走査型電子顕微鏡をもつ半導体検査装置の模式図である。図1において、100は画像処理装置、101は走査型電子顕微鏡、102はホストコンピュータである。走査型電子顕微鏡101で得られた画像は、信号線103を経由して画像処理装置100に入力される。画像処理装置100は、ホストコンピュータ102から信号線104を経由して信号を受信し、あらかじめ指定された半導体検査に必要な画像処理を、走査型電子顕微鏡101から入力された画像を用いて実行する。処理された画像は必要に応じて信号線105を経由してホストコンピュータ102に送信され、ホストコンピュータ102のディスプレイに表示される。
【0009】
なお図1の画像処理システムにおいて、走査型電子顕微鏡の代わりにCCDセンサをもつ光学顕微鏡を用いた構成や、走査型電子顕微鏡とCCDセンサをもつ光学顕微鏡の両者を有し、それらの信号を選択して画像処理装置に入力する構成なども考えられる。
【0010】
画像処理装置100の一例を図2に示す。図2において、200は全体処理の制御等を行うマスタプロセッサ、201はマスタプロセッサ200が実行するプログラム及び画像を格納するメモリ、202,203は分割された画像データ等の画像処理を行うスレーブプロセッサ、204は線形フィルタ,画像間算術演算,正規化相関演算のための要素項を求めるための複数個の演算器を並列に設け、演算器の数よりも少ないクロック数で処理を行うパイプライン型画像処理プロセッサ、205はマスタプロセッサ200,メモリ201,スレーブプロセッサ202,203,パイプライン型画像処理プロセッサ204を接続するローカルバス、206は画像データを外部と送受信する画像インタフェース回路、207は制御情報や処理結果を外部と送受信する上位インタフェース回路である。画像インターフェース回路206は、走査型電子顕微鏡101の出力をデジタル化してメモリ201に格納する働きも行う。
【0011】
なお、ローカルバス205は図2ではシングルバスで表しているが、クロスバースイッチを用いても良い。
【0012】
スレーブプロセッサ202,203の構成例を図3に示す。図3において、
302は汎用マイコン、301はローカルメモリ、303はバススイッチである。なお、汎用マイコン302の代わりにデジタルシグナルプロセッサ(DSP)やメディアプロセッサでもよい。
【0013】
パイプライン型画像処理プロセッサ204の構成例を図4に示す。パイプライン型画像処理プロセッサ204は、演算回路400と、外部メモリからバーストアクセスにより画像データを入出力すると共にクロックに同期して画像データを演算回路400に入出力するバスインタフェース回路401と、バス権を制御するためのバス権制御回路402を有している。
【0014】
更に、演算回路400は、第一の入力信号線4101,第二の入力信号線4102,第一の入力信号線4101の信号を入力するラインメモリ4001,ラインメモリ出力レジスタファイル4002,定数レジスタファイル4003,ラインメモリ出力レジスタファイル4002と定数レジスタファイル4003の内積を計算する積和演算器4004,第一の入力信号線4101の信号と第二の入力信号線4102の信号を加算する加算器4005,第一の入力信号線4101の信号と第二の入力信号線4102の信号を減算する減算器4006,ラインメモリ出力レジスタファイル4002の各レジスタの出力を個別に加算累積する加算累積レジスタファイル4007,ラインメモリ出力レジスタファイル4002の各レジスタの出力を個別に二乗加算累積する二乗加算累積レジスタファイル4008,ラインメモリ出力レジスタファイル4002の各レジスタの出力と第二入力信号線4102の信号を個別に掛け合わせて加算累積する相互積和レジスタファイル4009,実行する演算種を選択する演算選択レジスタ4010,演算選択レジスタ4010により演算結果を選択するセレクタ4011を有している。
【0015】
本実施例では、パイプライン型画像処理プロセッサで実行できる画像処理として、線形フィルタ,画像間算術演算,正規化相関演算のための要素項をあげたが、実現したい応用プログラムやプロセッサのサイズ等に応じて変更しても良い。例えば、整数演算はパイプライン型画像処理プロセッサで行い、浮動小数点演算はプログラマブルなマルチプロセッサで行う、という機能分担でも良い。また、演算時間と画像転送時間を比較して、プログラマブルなマルチプロセッサでは画像転送時間が支配的になる画像処理に対してはパイプライン型画像処理プロセッサで実現するようにしても良い。
【0016】
パイプライン型画像処理プロセッサ204をフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)で実現する場合、実現する演算を応用等に応じて静的あるいは動的に変更しても良い。
【0017】
図2の画像処理装置において線形フィルタを実施する場合、マスタプロセッサ200は線形フィルタの演算コード,積和演算させる定数値系列,入力画像の領域,出力画像の領域などをパイプライン型画像処理プロセッサ204に設定し、パイプライン型画像処理プロセッサ204を起動する。パイプライン型画像処理プロセッサ204はバス権制御回路402を用いてバス権を取得し、入力画像をメモリ201からバーストアクセスして線形フィルタ処理を行いながら、線形フィルタ処理した画像を出力画像領域にバーストアクセスする。一連の処理を終了すると、バス権制御回路402により、バス権をマスタプロセッサに返還する。
【0018】
画像間加算を実施する場合、マスタプロセッサ200は画像間加算の演算コード,入力画像1及び入力画像2の領域,出力画像の領域などをパイプライン型画像処理プロセッサ204に設定し、パイプライン型画像処理プロセッサ204を起動する。パイプライン型画像処理プロセッサ204はバス権制御回路402を用いてバス権を取得し、入力画像1及び入力画像2をメモリ201からバーストアクセスして画像間加算処理を行いながら、画像間加算処理した画像を出力画像領域にバーストアクセスする。一連の処理を終了すると、バス権制御回路402により、バス権をマスタプロセッサ200に返還する。
【0019】
図2から図4に示した画像処理装置を用いて、正規化相関を用いたテンプレートマッチングを行う場合を説明する。正規化相関は、2つの画像A,Bの類似度を表す尺度として用いられるもので、画像Aの画素値の総和及び二乗和をそれぞれSUMA及びSQSUMA,画像Bの画素値の総和及び二乗和をそれぞれSUMB及びSQSUMB,画像Aと画像Bの対応する画素値の積和をCRSUMと表したとき、下記の式1で表される−1から1までの値Rである。
【0020】
【数1】
【0021】
テンプレートマッチングとは、テンプレートと呼ぶ画像Cとテンプレートより大きい画像Dに対して、画像Cに類似した領域を画像Dから検出することである。ここでは、類似度として画像の線形変動にロバストな正規化相関を用いる。
【0022】
テンプレートマッチングを実行するとき、まず、画像Dにおける画像Cと同一サイズの各領域に対して類似度を求め、次に、その中から類似度の高い領域の情報を選択する。ここで、処理時間の掛かる画像Dにおける画像Cと同一サイズの各領域に対して類似度を求める処理の実施について説明する。
【0023】
画像Cの画素値の総和及び二乗和を求めるため、マスタプロセッサ200は、正規化相関の演算コード,画像Cの領域などをパイプライン型画像処理プロセッサ204に設定し、パイプライン型画像処理プロセッサ204を起動する。パイプライン型画像処理プロセッサ204はバス権制御回路402を用いてバス権を取得し、画像Cをメモリ201からバーストアクセスして総和及び二乗和処理を行う。一連の処理を終了すると、バス権制御回路402により、バス権をマスタプロセッサ200に返還するので、マスタプロセッサ200からパイプライン型画像処理プロセッサ204の加算累積レジスタファイル4007及び二乗加算累積レジスタファイル4008をリードして、画像Cの画素値の総和及び二乗和を得る。
【0024】
次に、マスタプロセッサ200は、正規化相関の演算コード,画像Dの始点から画像Cより縦横各2画素ずつ大きい領域,画像Cを縦横各2画素拡大した領域などをパイプライン型画像処理プロセッサ204に設定し、パイプライン型画像処理プロセッサ204を起動する。パイプライン型画像処理プロセッサ204はバス権制御回路402を用いてバス権を取得し、画像Dの部分画像及び画像Cの拡張画像をメモリ201からバーストアクセスして、画像Dの部分画像における画像Cと同一サイズの9箇所の総和及び二乗和処理と、上記9箇所の領域と画像Cとの9個の内積を求める処理を行う。一連の処理を終了すると、バス権制御回路402により、バス権をマスタプロセッサに返還する。
【0025】
続いて、マスタプロセッサ200は、画像Cの画素値の総和及び二乗和をスレーブプロセッサ202,203に送出すると共に、パイプライン型画像処理プロセッサ204の加算累積レジスタファイル4007,二乗加算累積レジスタファイル4008及び相互積和レジスタファイル4009のデータをスレーブプロセッサ202,203に転送し、スレーブプロセッサ202,203で並列に正規化相関計算を実行させる。
【0026】
スレーブプロセッサ202,203で正規化相関計算を実行している間、マスタプロセッサ200は、次の画像Dの領域に対する正規化相関の要素項演算を行うため、正規化相関の演算コード,画像Dの始点から3画素ずれた位置から画像Cより縦横各2画素ずつ大きい領域,画像Cを縦横各2画素拡大した領域などをパイプライン型画像処理プロセッサ204に設定し、パイプライン型画像処理プロセッサ204を起動する。パイプライン型画像処理プロセッサ204はバス権制御回路402を用いてバス権を取得し、画像Dの部分画像及び画像Cの拡張画像をメモリ201からバーストアクセスして、画像Dの部分画像における画像Cと同一サイズの9箇所の総和及び二乗和処理と、上記9箇所の領域と画像Cとの9個の内積を求める処理を行う。一連の処理を終了すると、バス権制御回路402により、バス権をマスタプロセッサに返還する。
【0027】
この後、スレーブプロセッサ202,203で正規化相関計算を、パイプライン型画像処理プロセッサ204で正規化相関の要素項計算を順次行い、また、計算された正規化相関を適当なタイミングでマスタプロセッサ200に転送することにより、画像Dのすべての領域における正規化相関結果を取得する。
【0028】
上記テンプレートマッチングにおいて、正規化相関の要素項をスレーブプロセッサ202,203に転送するとき、マスタプロセッサ200のプログラム転送で実現しても良いし、マスタプロセッサ200がDMAC(ダイレクトメモリアクセスコントローラ)をもっていればDMA転送を行っても良い。また、ローカルバス205上にDMACがあれば、そのDMACを用いてDMA転送を行っても良い。
【0029】
上述の例では、正規化相関計算をスレーブプロセッサ202,203で行ったが、マスタプロセッサ200で行っても良い。その場合、マスタプロセッサ200はパイプライン型画像処理プロセッサ204の正規化相関の要素項をリードした後、マスタプロセッサ200において正規化相関計算を行い、正規化相関計算終了後、次の正規化相関の要素項計算をパイプライン型画像処理プロセッサ204に実行させる。
【0030】
上記システムにパイプライン型画像処理プロセッサ204を用いるモードと用いないモードを設定してもよい。このためには、パイプライン型画像処理プロセッサ204で実行可能な画像処理をスレーブプロセッサ202,203で実行するプログラムをあらかじめ作成しておき、上記モードに応じて、パイプライン型画像処理プロセッサ204を用いるプログラムを実行するかスレーブプロセッサ202,203で実行するプログラムを実行するかを選択する。
【0031】
本発明の他の実施例を図5を用いて説明する。図5は図2に示した画像処理装置構成の代案である。図2が分散メモリ型のマルチプロセッサであるのに対して、図5は共有メモリ型のマルチプロセッサである。
【0032】
図5において、500,502,503はプログラマブルな汎用プロセッサ、501は汎用プロセッサ500,502,503が実行するプログラム及び画像を格納するメモリ、504は線形フィルタ,画像間算術演算,正規化相関演算のための要素項を求めるための演算器の物理的な並びをもつパイプライン型画像処理プロセッサ、505は汎用プロセッサ500,502,503,メモリ501,パイプライン型画像処理プロセッサ504を接続するローカルバス、506は画像データを外部と送受信する画像インタフェース回路、507は制御情報や処理結果を外部と送受信する上位インタフェース回路である。
【0033】
汎用プロセッサ500,502,503は汎用マイコン、DSPまたはメディアプロセッサで実現されており、図示しないバス調停器及びバス調停信号線によって、バスアクセスが競合しないように制御されている。
【0034】
メモリ501,パイプライン型画像処理プロセッサ504,ローカルバス505,画像インタフェース回路506,上位インタフェース回路507は、それぞれ図2で示したメモリ201,パイプライン型画像処理プロセッサ204,ローカルバス205,画像インタフェース回路206,上位インタフェース回路207と同じものとする。
【0035】
図5の画像処理装置を用いたときの画像処理について説明する。線形フィルタを実施する場合、汎用プロセッサ500は線形フィルタの演算コード,積和演算させる定数値系列,入力画像の領域,出力画像の領域などをパイプライン型画像処理プロセッサ504に設定し、パイプライン型画像処理プロセッサ504を起動する。パイプライン型画像処理プロセッサ504はバス権制御回路402を用いて図示しないバス調停器にアクセスしてバス権を取得し、入力画像をメモリ501からバーストアクセスして線形フィルタ処理を行いながら、線形フィルタ処理した画像を出力画像領域にバーストアクセスする。一連の処理を終了すると、バス権制御回路402により、バス権をバス調停器に返還する。
【0036】
次に、正規化相関を用いたテンプレートマッチングを行う場合の、画像Dにおける画像Cと同一サイズの各領域に対して類似度を求める処理について説明する。
【0037】
画像Cの画素値の総和及び二乗和を求めるため、汎用プロセッサ500は正規化相関の演算コード,画像Cの領域などをパイプライン型画像処理プロセッサ504に設定し、パイプライン型画像処理プロセッサ504を起動する。パイプライン型画像処理プロセッサ504はバス権制御回路402を用いてバス権を取得し、画像Cをメモリ501からバーストアクセスして総和及び二乗和処理を行う。一連の処理を終了すると、バス権制御回路402により、バス権をバス調停器に返還するので、汎用プロセッサ500からパイプライン型画像処理プロセッサ504の加算累積レジスタファイル及び二乗加算累積レジスタファイルをリードして、画像Cの画素値の総和及び二乗和を得る。
【0038】
次に、汎用プロセッサ500は、正規化相関の演算コード,画像Dの始点から画像Cより縦横各2画素ずつ大きい領域,画像Cを縦横各2画素拡大した領域などをパイプライン型画像処理プロセッサ504に設定し、パイプライン型画像処理プロセッサ504を起動する。パイプライン型画像処理プロセッサ504はバス権制御回路402を用いてバス権を取得し、画像Dの部分画像及び画像Cの拡張画像をメモリ501からバーストアクセスして、画像Dの部分画像における画像Cと同一サイズの9箇所の総和及び二乗和処理と、上記9箇所の領域と画像Cとの9個の内積を求める処理を行う。一連の処理を終了すると、バス権制御回路402により、バス権をバス調停器に返還する。
【0039】
続いて、汎用プロセッサ500は、画像Cの画素値の総和及び二乗和を汎用プロセッサ502,503に送出すると共に、パイプライン型画像処理プロセッサ504の加算累積レジスタファイル,二乗加算累積レジスタファイル及び相互積和レジスタファイルのデータをメモリ501に転送し、汎用プロセッサ500,502,503で並列に正規化相関計算を実行させる。
【0040】
正規化相関計算を終えた後、汎用プロセッサ500は、次の画像Dの領域に対する正規化相関の要素項演算を行い、以降、画像Dのすべての領域における正規化相関結果を取得するまで、同様の処理を繰り返す。
【0041】
本発明の欠陥検査を行う実施例を図1及び図2を用いて説明する。ここで挙げる欠陥検査は、参照画像と検査画像を取得し、それぞれ平滑化した後、位置合わせを行い、画像間の差分を計算して、欠陥の有無を判定するものである。
【0042】
まず、試料から参照画像を取得するため、試料台を移動するなどして対象領域の画像を取得する。このとき、電子顕微鏡101の図示しないものも含めた3種類の検出器から別々に得られた画像を式2で表す線形演算して参照画像を取得するものとする。
【0043】
【数2】
画像1×a+画像2×b+画像3×c(a,b,cは実数) …式2
電子顕微鏡101の検出器からの信号を画像処理装置100に入力する。画像処理装置100の構成は図2のようになっており、画像インタフェース206を経由してメモリ201に画像1,画像2及び画像3として格納する。
【0044】
次に、画像1,画像2及び画像3の領域をそれぞれ上下に2分割した分割画像,画像1上,画像1下,画像2上,画像2下,画像3上,画像3下を考え、まず、マスタプロセッサ200が画像1上の第一ライン,画像2上の第一ライン、及び、画像3上の第一ラインの画像をメモリ201からスレーブプロセッサ202に順に転送し、スレーブプロセッサ202が1ライン分の式2の線形演算を行う。
【0045】
スレーブプロセッサ202が線形演算をしている間、マスタプロセッサ200は画像1下の第一ライン,画像2下の第一ライン、及び、画像3下の第一ラインの画像をメモリ201からスレーブプロセッサ203に順に転送し、スレーブプロセッサ203が1ライン分の式2の線形演算を行う。
【0046】
マスタプロセッサ200はスレーブプロセッサ202の演算が終了していれば、演算結果の画像をスレーブプロセッサ202からメモリ201の出力画像上の第一ラインの領域に転送し、続いて、画像1上の第二ライン,画像2上の第二ライン、及び、画像3上の第二ラインの画像をメモリ201からスレーブプロセッサ202に順に転送し、スレーブプロセッサ202が1ライン分の式2の線形演算を行う。
【0047】
スレーブプロセッサ202が線形演算をしている間、マスタプロセッサ200はスレーブプロセッサ203の演算が終了していれば、演算結果の画像をスレーブプロセッサ203からメモリ201の出力画像下の第一ラインの領域に転送し、続いて、画像1下の第二ライン,画像2下の第二ライン、及び、画像3下の第二ラインの画像をメモリ201からスレーブプロセッサ203に順に転送し、スレーブプロセッサ203が1ライン分の式2の線形演算を行う。
【0048】
以降同様の処理を繰返し、全ラインの線形演算処理を終了する。
【0049】
上記の処理で取得された参照画像に対して、次にパイプライン型画像処理プロセッサ204の線形フィルタ演算器を用いてガウスフィルタを実施し、参照画像の高周波ノイズを低減した画像をメモリ201に格納しておく。
【0050】
続いて、電子顕微鏡101の試料台を移動し、参照画像と同様の要領で検査画像を取得した後、参照画像同様、パイプライン型画像処理プロセッサ204の線形フィルタ演算器を用いてガウスフィルタを実施し、検査画像の高周波ノイズを低減した画像をメモリ201に格納しておく。
【0051】
次に、参照画像と検査画像の位置合わせを行うため、高周波ノイズを低減した参照画像中央部の画像をテンプレートとし、高周波ノイズを低減した検査画像を対象に、前述のテンプレートマッチングを実施する。
【0052】
最後に、テンプレートマッチングで得られた座標に基づいて位置合わせを行った高周波ノイズを低減した参照画像と高周波ノイズを低減した検査画像を入力とし、前述の画像間算術演算を実施する事により、参照画像と検査画像の差分画像を取得し、欠陥の有無を判定する。
【0053】
本発明の他の実施例を図6を用いて説明する。図6は本発明を適用した半導体製造装置である電子線描画装置の例である。600は画像処理装置、601は電子線描画機、602はコントローラである。電子線描画機601で得られた画像は信号線603を経由して画像処理装置600に入力される。画像処理装置100では、コントローラ602から信号線604を経由して制御信号を受信し、あらかじめ指定された位置合わせ処理などの画像処理を、電子線描画機601から入力された画像を用いて実行する。コントローラ602は処理結果に応じて信号線605を経由して電子線描画機601を制御する。画像処理装置600の構成は、図2もしくは図5に示したものを用いることとする。
【0054】
なお、本実施例においても、電子線描画機601の他にCCDセンサをもつ光学顕微鏡をもち、電子線描画機とCCDセンサの信号を選択して画像処理装置に入力する構成も考えられる。
【0055】
本発明の他の実施例を図7を用いて説明する。図7は本発明を適用したOAシステムであるOA複合機の例である。700は画像処理装置、701はラインCCDセンサ、702はコントローラ、706は印刷機、707はモデムである。ラインCCDセンサ701で得られた画像は、信号線703を経由して画像処理装置700に入力される。画像処理装置700は、コントローラ702から信号線704を経由してあらかじめ指定された画像の拡大縮小や二値化などの画像処理を、ラインCCDセンサ701から入力された画像を用いて実行する。処理された画像は必要に応じて信号線708を経由して印刷機706に出力されたり、信号線709を経由してモデム707により外部に接続された図示しない機器にFAX送信される。画像処理装置700の構成は、図2もしくは図5に示したものを用いることとする。
【0056】
本発明の他の実施例を図8を用いて説明する。図8は本発明を適用した医療システムであるX線CTスキャナの例である。図8において、800は画像処理装置、801はX線センサ、802はホストコンピュータである。X線センサ801で得られた画像は信号線803を経由して画像処理装置800に入力される。画像処理装置800は、ホストコンピュータ802から信号線804を経由して信号を受信し、あらかじめ指定されたノイズ除去などの画像処理を、X線センサ801から入力された画像を用いて実行する。処理された画像は必要に応じて信号線805を経由してホストコンピュータ802のディスプレイに表示される。画像処理装置800の構成は、図2もしくは図5に示したものを用いることとする。
【0057】
本発明の他の実施例を図9を用いて説明する。図9は本発明を適用した医療システムであるMRI(磁気共鳴画像装置)の例である。図9において、900は画像処理装置、901は磁気センサ、902はホストコンピュータである。磁気センサ901で得られた画像は信号線903を経由して画像処理装置900に入力される。画像処理装置900は、ホストコンピュータ902から信号線904を経由して信号を受信し、あらかじめ指定された周波数変換などの画像処理を、磁気センサ901から入力された画像を用いて実行する。処理された画像は必要に応じて信号線905を経由してホストコンピュータ902のディスプレイに表示される。画像処理装置900の構成は、図2もしくは図5に示したものを用いることとする。
【0058】
本発明により、線形フィルタや画像間算術演算など頻繁に用いられ、且つ、ハードウェアによる実現が容易な処理は、バスクロック当たりほぼ1画素の計算時間で求めることができ、一方、浮動小数点演算などハードウェアによる実現が容易でない処理は、プログラマブルな汎用プロセッサのマルチプロセッサにより、シングルプロセッサで実現する場合のほぼプロセッサ台数倍高速化することができる。これにより、トータルで高速な画像処理を実現することができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、演算の種類によらず、高速な画像処理を行う画像処理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の画像処理システムを示す模式図である。
【図2】本発明の一実施例の画像処理装置を示すブロック図である。
【図3】スレーブプロセッサのブロック図である。
【図4】パイプライン型画像処理プロセッサのブロック図である。
【図5】本発明の他の実施例の画像処理装置を示すブロック図である。
【図6】本発明の他の実施例の画像処理システムを示す模式図である。
【図7】本発明の他の実施例の画像処理システムを示す模式図である。
【図8】本発明の他の実施例の画像処理システムを示す模式図である。
【図9】本発明の他の実施例の画像処理システムを示す模式図である。
【符号の説明】
100…画像処理装置、101…走査型電子顕微鏡、102…ホストコンピュータ、200…マスタプロセッサ、201…メモリ、202,203…スレーブプロセッサ、204…パイプライン型画像処理プロセッサ。
Claims (15)
- 画像を格納するメモリと、前記画像の部分領域ごとに画像処理を行う複数のプログラマブルな第一のプロセッサを有する画像処理装置において、
前記画像を前記メモリから読み出し、複数個の演算器を配置し、前記演算器の数よりも少ない数のクロック数で処理するパイプライン処理によって画像処理を行う第二のプロセッサを設けたことを特徴とする画像処理装置。 - 複数のプログラマブルな第一のプロセッサは、複数のプログラマブルなスレーブプロセッサと、画像を分割し、処理単位ごとに前記スレーブプロセッサに前記分割した画像データを転送するマスタプロセッサを有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 第二のプロセッサは、線形フィルタ処理を行うための演算器を有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 第二のプロセッサは、画像間算術演算を行うための演算器を有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 第二のプロセッサは、前記メモリに格納された第一の画像の連続する複数画像領域の画素値の総和及び二乗和と、前記連続する複数画像領域に対応する前記メモリに格納された第二の画像の連続する複数画像領域との内積とを計算するための演算器を有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 第二のプロセッサは、前記メモリをバーストアクセスすると共に、前記演算器に対して連続して画素値を送出するインタフェースを有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 浮動小数点演算に関しては、前記第一のプロセッサで実施することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 画像を格納するメモリと、前記画像の部分領域ごとに画像処理を行う複数のプログラマブルな第一のプロセッサと、前記画像を前記メモリから読み出し、複数個の演算器を配置し、前記演算器の数よりも少ない数のクロック数で処理するパイプライン処理によって画像処理を行う第二のプロセッサを有する画像処理装置と、
画像を取り込むイメージセンサ装置と、
前記イメージセンサ装置の出力をデジタル化して前記メモリに格納する手段と、
前記画像処理装置で処理された画像を表示する表示装置を備えたことを特徴とする画像処理システム。 - 前記イメージセンサ装置は、CCDもしくはCMOSセンサを有することを特徴とする請求項8記載の画像処理システム。
- 前記イメージセンサ装置は、荷電粒子の検出器を有することを特徴とする請求項8記載の画像処理システム。
- 前記イメージセンサ装置は、磁気センサを有することを特徴とする請求項8記載の画像処理システム。
- 画像を格納するメモリと、前記画像の部分領域ごとに画像処理を行う複数のプログラマブルな第一のプロセッサと、前記画像を前記メモリから読み出し、複数個の演算器を配置し、前記演算器の数よりも少ない数のクロック数で処理するパイプライン処理によって画像処理を行う第二のプロセッサを有する画像処理装置と、
画像を取り込むイメージセンサ装置と、
前記イメージセンサ装置の出力をデジタル化して前記メモリに格納する手段と、
前記イメージセンサ装置と前記画像処理装置を制御する制御装置を備えたことを特徴とする画像処理システム。 - 前記イメージセンサ装置は、CCDもしくはCMOSセンサを有することを特徴とする請求項12記載の画像処理システム。
- 前記イメージセンサ装置は、荷電粒子の検出器を有することを特徴とする請求項12記載の画像処理システム。
- 前記イメージセンサ装置は、磁気センサを有することを特徴とする請求項12記載の画像処理システム。
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JP2008084034A (ja) * | 2006-09-27 | 2008-04-10 | Fujitsu Ltd | 画像処理装置 |
JP2011191903A (ja) * | 2010-03-12 | 2011-09-29 | Ricoh Co Ltd | 情報処理装置、画像形成装置及び情報処理方法 |
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2002
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