JP2004198585A - 基板ユニット、電気光学装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的簡単な構造により基板上の積層構造における傾斜部分による配線不良を低減できる基板ユニットを提供する。
【解決手段】各データ線314のうち傾斜部分Sに位置する第2部分314Bの幅W2を、平坦な部分に位置する第1部分314Aの幅W1よりも細く形成し、隣り合うデータ線314間に十分な隙間を形成する。これにより、データ線314の製造工程において、透明導電膜をパターニングする際、データ線314同士が短絡するのを防止して配線不良を確実に防止する。しかも、第2部分314Bは、その長さL2を傾斜Sの区間の長さLよりも長くなるように形成しているから、より確実に配線不良を防止する。
【選択図】 図4
【解決手段】各データ線314のうち傾斜部分Sに位置する第2部分314Bの幅W2を、平坦な部分に位置する第1部分314Aの幅W1よりも細く形成し、隣り合うデータ線314間に十分な隙間を形成する。これにより、データ線314の製造工程において、透明導電膜をパターニングする際、データ線314同士が短絡するのを防止して配線不良を確実に防止する。しかも、第2部分314Bは、その長さL2を傾斜Sの区間の長さLよりも長くなるように形成しているから、より確実に配線不良を防止する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶表示装置等の電気光学装置に用いて好適な基板ユニット、電気光学装置および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板ユニットと対向基板との間に液晶等の電気光学物質が介在されてなる液晶表示装置等の電気光学装置が知られている。この液晶表示装置等の電気光学装置に用いられる基板ユニットは、基板上に、カラーフィルタ等の光学部材や、画素電極、データ線および走査線等の各種配線、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)およびTFD(Thin Film Diode:薄膜ダイオード)等の各種スイッチング素子などが形成される。このように各種部材が基板上に形成されると、電気光学物質に対向する側の基板面に、係る各部材の厚みに応じて段差が生じる。このような段差は、液晶(電気光学物質)の配向不良等を招く虞があるため、各種方法による平坦化処理が施されている。平坦化処理の一例としては、基板上に絶縁材からなる平坦化膜を形成する処理が知られている。
【0003】
また、基板上に形成されるデータ線および走査線は、駆動回路等が内蔵されたIC等に接続する関係上、基板の一端にまとめて引き出されているため、各配線をまとめた部分においては、データ線、走査線は、微少隙間を隔てて略平行に配設されることになる。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−76136号公報
【特許文献2】
特開平8−254709号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記文献に示される装置においては、基板上に、平坦化膜により基板との間に傾斜部分が形成されるため、配線はこの傾斜部分を横切って配置されることになる。
図8にこの状態の概略を断面で示す。この図8の上部分に示すように、基板10上には平坦化膜11が形成され、平坦化膜11の上面から傾斜部分に沿って配線12が配設されている。図8の下部分は、上部分の平面図であるが、この図に示すように、配線12,12,・・・は平行に配設されている。この場合、この傾斜部分の傾きが急峻な場合には、配線12を形成するフォトエッチング等による製造工程の段階で、傾斜部分の傾きの影響により、エッチングによって除去される部分に対して露光が確実に行われないことがあり、隣り合う配線12が短絡してしまう場合がある(図8中、a部)。これにより、従来の基板ユニットには、配線不良による信頼性の低下や製造上の歩留まり低下を招くという問題があった。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、比較的簡単な構造により基板上の積層構造における傾斜部分による配線不良を低減できる基板ユニットおよびこのような基板ユニットを備えた電気光学装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明が採用する基板ユニットの構成は、基板と、縁部が傾斜するように前記基板上に設けられた平坦な膜体と、前記膜体の表面から前記縁部の傾斜を通って前記基板の表面に至る複数の平行な配線とを有した基板ユニットにおいて、
前記複数の配線の前記縁部の傾斜に位置する部分については、その幅を他の部分より細く形成したことを特徴とする。
上述した如く、縁部の傾斜に位置する配線の幅を、他の部分よりも細く形成することにより、隣り合う配線間に十分な隙間を持たせることができ、配線の製造工程において配線が短絡するのを防止することができる。
【0008】
上記構成において、前記基板表面および前記膜体表面の前記縁部の傾斜に隣接する部分における前記複数の配線の幅を前記傾斜に位置する部分と同じ幅にしたことを特徴とする。
この構成によれば、幅の狭い配線の区間を、傾斜に掛かる区間よりも長くすることができ、配線の製造工程において配線が短絡するのをより確実に防止することができる。
上記構成において、前記縁部の傾斜に位置する前記複数の配線の幅は、前記傾斜の一部分において細く形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、幅の狭い配線の区間を、傾斜に掛かる区間よりも短くすることができ、配線の抵抗値を低く抑えることができる。
【0009】
本発明が採用する電気光学装置は、上記構成の基板ユニットの前記膜体に対向して配置される観察側の基板と、前記膜体との間に電気光学前記基板表面および前記膜体表面の前記縁部の傾斜に隣接する部分における前記複数の配線の幅を前記傾斜に位置する部分の幅よりも広くしたことを特徴とする。
基板ユニットの前記膜体と対向する基板との間に電気光学物質を介在させたことを特徴とする。
本発明が採用する電子機器は、上記構成の電気光学装置を表示部として有することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<表示装置の構成>
図1は、本発明の実施形態である表示装置の電気的な構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、表示装置100には、m本の走査線(コモン配線)214が行(X)方向に延在に形成される一方、3n本のデータ線(セグメント配線)314が列(Y)方向に延在して形成されている。この場合、走査線214とデータ線314との各交差に対応して画素110が形成されている。この画素110は、R(赤)、G(緑)、B(青)のいずれかの一色に対応するものであり、X方向に相隣接するRGBの3つの画素110によって1つのドット120が構成されている。
【0011】
ここで、画素110は、液晶容量162と、二端子型スイッチング素子の一例であるTFD320との直列接続からなる。このうち、液晶容量162は、後述するように、対向電極として機能する走査線214と画素電極との間に、電気光学物質の一例たる液晶を介在させた構成となっている。また、TFD320は、本実施形態では、一端がデータ線314に接続される一方、他端が画素電極に接続されて、走査線214とデータ線314との電位差にしたがってオンオフが制御される。
なお、この表示装置100にあっては、説明の便宜上、走査線214の総数をm本とし、データ線314の総数を3n本として、ドット120がm行n列(画素110でいえば、m行3n列)に配列するマトリクス型表示装置として説明する。
【0012】
次に、Yドライバ251、253は、一般には走査線駆動回路と呼ばれるものである。このうち、Yドライバ251は、図1において上から数えて奇数(1、3、5、…、m−1)本目の走査線214の駆動を担当し、Yドライバ253は、上から数えて偶数(2、4、6、…、m)本目の走査線214の駆動を担当している。すなわち、Yドライバ251、253によって、1行目、2行目、3行目、…、m行目の走査線214が1垂直走査期間において順次排他的に1本ずつ選択されると共に、選択された走査線214には、選択電圧の走査信号が供給される。一方、他の非選択の走査線214には、非選択電圧の走査信号が供給される構成となっている。なお、説明の便宜上、走査信号は、一般的にj(jは、1≦j≦mを満たす整数)行目の走査線214に供給されるものを、Yjと表記している。
【0013】
また、Xドライバ350は、一般にはデータ線駆動回路と呼ばれるものであり、Yドライバ251、253のいずれかにより選択された走査線214に位置する3n個の画素110に対し、表示内容に応じたデータ信号X1B、X1G、X1R、X2B、X2G、X2R、…、XnB、XnG、XnRを、それぞれ対応するデータ線314を介して供給するものである。なお、データ信号は、一般的にi(iは、1≦i≦nを満たす整数)列目のドット120において、B、G、Rの画素110で兼用されるデータ線314に供給されるものを、それぞれXiB、XiG、XiRと表記している。
【0014】
次に、表示装置100の機械的な構成について説明する。図2は、この表示装置100の外観構成を示す斜視図である。また、図3は、この表示装置100を図2におけるY方向に沿って切断した場合の構成について、観察側を上側として示す部分断面図である。
【0015】
これらの図に示されるように、表示装置100は、観察側に位置する基板200と、その背面側に位置して、観察側の基板200よりも張出領域302が張り出した基板300とが一定の間隙を保って貼り合わせられる。この貼り合わせには、スペーサを兼ねる導電性粒子(図示せず)が適切な割合で分散されたシール材110が用いられる。また、間隙には、例えばTN(Twisted Nematic)型の液晶160が封入される。
【0016】
さて、観察側の基板200にあって、背面側の基板300との対向面には、m本の走査線214がX方向に延在して形成される一方、背面側の基板300にあって観察側の基板200との対向面には、3n本のデータ線314がY(列)方向に延びている。
基板200に形成された走査線214のうち、奇数行目の走査線214は、シール材110の形成領域のうち、図2において左側まで延設される一方、偶数行目の走査線214は、シール材110の形成領域のうち、図において右側まで延設されている。
【0017】
また、奇数行目の走査線214に接続される配線は、Y方向に沿って張出領域302まで延び、張出領域302において、Yドライバ251の出力側バンプに接合される。同様に、偶数行目の走査線214に接続される配線は、Y方向に沿って張出領域302まで延び、Yドライバ253の出力側バンプに接合される。
【0018】
一方、データ線314は、シール材110の形成領域外においてピッチが狭められて、張出領域302まで延ばされている。そして、当該データ線314は、張出領域302において、Xドライバ350の出力側バンプに接合される。
また、張出領域302には、FPC基板(Flexible Circuit Board)150が接合されて、外部回路(図示省略)から、Yドライバ251、253およびXドライバ350の入力側バンプにクロック信号や制御信号等を供給する構成となっている。
【0019】
基板300の張出領域302においては配線384が形成されて、その一端は、Yドライバ251、253またはXドライバ350の入力側バンプに接続される一方、その他端は、FPC基板150の配線と接続される。
なお、図2においては、説明の理解を優先させたため便宜的に走査線214の本数mを「8」とし、データ線314の本数3nを「18」とした場合を示している。
【0020】
<内部構成>
次に、表示装置100における表示領域の内部構成について説明する。図3に示されるように、まず、観察側の基板200の外面には、位相差板233および偏光板231が貼り付けられる。なお、これらの位相差板233および偏光板231については、簡略化のため図2では省略されている。
また、基板200の内面には、クロム等からなる走査線214がX方向(図3では紙面垂直方向)に延在して形成されている。さらに、走査線214の近傍には、ITO(In dium Tin Oxide)等の透明導電材料からなる矩形状の画素電極248が形成されている。
ここで、画素電極248の表面には、ポリイミド等からなる配向膜216が形成されている。なお、この配向膜216には、背面側の基板300と貼り合わせる前に、所定の方向にラビング処理が施される。なお、配向膜216は、表示領域外では不要であるから、シール材110の形成領域近傍およびその外側では設けられていない。
【0021】
続いて、背面側の基板300について説明する。基板300の外面には、位相差板123および偏光板121が貼り付けられる。なお、これらの位相差板123および偏光板121についても、図2では省略されている。
一方、基板300の内面には、起伏が形成された散乱樹脂層303が形成されている。この散乱樹脂層303は、例えば基板300の表面上において点状にパターニングしたフォトレジストを熱処理し、当該フォトレジストの端部を軟化させる等によって、形成したものである。
【0022】
次に、散乱樹脂層303の起伏面には、アルミニウムや銀等の反射性金属からなる反射膜304が形成されている。したがって、散乱樹脂層303の起伏を反映して、反射膜304の表面も起伏となるので、観察側から入射した光は、反射膜304によって反射する際に、適度に散乱することとなる。
なお、表示装置100を反射型のみならず透過型としても機能させるために、反射膜304には、光を透過させるための開口部309が設けられている。なお、このような開口部309を設けずに、例えばアルミニウム等の光反射性を有する金属の膜厚を比較的薄く(例えば、20nm〜50nm)して形成することにより、背面側からの入射光の一部を透過させる構成としても良い。
【0023】
さらに、反射膜304の表面には、画素電極248とデータ線314との対向領域に対応して、赤色のカラーフィルタ305R、緑色のカラーフィルタ305G、および、青色のカラーフィルタ305Bが、それぞれ所定の配列で設けられている。
【0024】
次に、各色のカラーフィルタ305R、305G、305Bの表面には、絶縁材(例えば、エポキシ系やアクリル系等の絶縁樹脂)からなる平坦化膜307が設けられ、当該カラーフィルタの段差や反射膜304等の起伏を平坦化している。そして、平坦化膜307により平坦化された面に、ITO等の透明導電材料からなるデータ線314がY方向(図3では紙面左右方向)に、観察側の基板200に形成された画素電極248と対向するように形成されている。
そして、データ線314の表面には、ポリイミド等からなる配向膜308が形成されている。なお、この配向膜308には、観察側の基板200と貼り合わせる前に、所定の方向にラビング処理が施される。
【0025】
<データ線の形状>
次に、本実施形態の特徴部分となるデータ線314の形状について、図4に基づいて説明する。
複数のデータ線314は、基板300および平坦化膜307の平坦な部分に位置した第1部分314Aと、平坦化膜307の縁部による傾斜部分Sに位置する第2部分314Bとを備える。そして、第2部分314Bの幅W2は、第1部分314Aの幅W1よりも細く形成され、第2部分314Bの長さL2は、傾斜Sの区間の長さLよりも長くなるように形成されている。
【0026】
<製造プロセス>
次に、液晶装置の製造プロセスについて説明する。
まず、基板300に、例えば基板300の表面上において点状にパターニングしたフォトレジストを熱処理し、当該フォトレジストの端部を軟化させる等によって、起伏が形成された散乱樹脂層303を形成する。
その次の工程で、散乱樹脂層303の面上に反射膜304を形成する。具体的には、散乱樹脂層303の全面を覆うように、光反射性を有する金属の薄膜を、スパッタリング法などを用いて形成する。この薄膜は、例えばアルミニウムや銀といった単体金属、またはこれらを主成分とする合金などによって形成される。この例では、アルミニウムが用いられる。この後、フォトリソグラフィおよびエッチング技術を用いて当該薄膜をパターニングすることにより、開口部を有する反射膜304が形成される。
【0027】
次に、散乱樹脂層303および反射膜304上の所定位置にカラーフィルタ305R,305Gおよび305Bを形成する。
さらに、次の工程では、カラーフィルタ305R,305Gおよび305Bを覆うようにエポキシ系またはアクリル系の樹脂材料を塗布・焼成して、平坦化膜307を形成する。
【0028】
続いて、次の工程においては、上記各要素が形成された基板300の全面を覆うようにITOなどからなる透明導電膜を形成する。この成膜には、例えばスパッタリング法などを用いることができる。そして、この透明導電膜をフォトリソグラフィおよびエッチング技術によってパターニングして、複数のデータ線314を形成する。
この後、表示領域を覆うように配向膜308を形成すると共に、当該配向膜308に対してラビング処理が施される。
【0029】
<実施形態の効果>
このように、本実施形態によれば、各データ線314が傾斜部分Sに位置した第2部分314Bの幅W2を、第1部分314Aの幅W1よりも細く形成したから、隣り合うデータ線314間に十分な隙間を確保することができる。これにより、データ線314の製造工程において、透明導電膜をパターニングする際、データ線314同士が短絡するのを防止して配線不良を確実に防止することがでる。しかも、第2部分314Bは、その長さL2を傾斜Sの区間の長さLよりも長くなるように形成しているから、傾斜部分Sにおいて隣り合うデータ線314間に隙間を形成することができ、より確実に配線不良を防止することができる。
従って、基板ユニットの信頼性を高め、ひいては液晶表示装置の信頼性を高めることができる。
【0030】
特に、透明導電膜をパターニングしてデータ線314を製造する工程においては、マスクを用いて透明導電膜にフォトエッチングを施すことになるが、この際本実施形態では、マスクに第2部分314Bを形成するためのマスキングを行っておくことにより、傾斜部分の傾きが影響して透明導電膜に対して露光が確実に行われない場合があっても、隣り合うデータ線314の隙間を確実に形成することが可能となる。
【0031】
<変形例>
以上この発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまでも例示であり、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
【0032】
なお、前記実施形態では、データ線314の第2部分314Bは、その長さL2を傾斜Sの区間の長さLよりも長くなるように形成したが、本発明はこれに限らず、長さL2を長さLよりも短く形成してもよい。この場合、データ線314の持つ抵抗値を実施形態よりも小さくすることができる。また逆に、第2部分314Bの長さL2を傾斜Sの区間の長さLよりも短くなるように形成してもよい(要するに、傾斜部分の一部において、幅が細くなるようにしてもよい)。
さらに、本発明による配線の形状は、液晶表示装置等の電気光学装置に用いられる基板ユニットに限らず、集まった配線が傾斜を横切るような基板ユニットに有効に用いることができる。
【0033】
また、データ線は、表示領域から引き出されて基板300の一端にまとまるように配設されているため、図5に示すデータ線314´ように、屈折しながら配設されることになる。この場合、各データ線314´の抵抗値を同じ値にすることにより、表示ムラを抑制することができることが知られている。従って、データ線314´の長さL0とし、データ線314´の幅W0とした場合、各データ線314´においてL0:W0の比率を一定にするように形成すれば、各データ線314´の抵抗値が等しくなり、表示ムラを抑制することができる。
具体的には、データ線314´は、引き回しの関係から、外側に位置したものは長くなり、内側に位置したものは短くなる。従って、データ線314´は、外側に位置するデータ線314´の幅が広くなり、内側に位置するデータ線314´の幅が狭くなる。
【0034】
また、前記実施形態では、二端子型スイッチング素子たるTFD素子13を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置を例示したが、本発明はこれに限らず、TFT(Thin Film Transistor)素子に代表される三端子型スイッチング素子を用いた液晶表示装置やスイッチング素子を持たないパッシブマトリックス方式の液晶表示装置にも適用できることは勿論である。
さらに、電気光学装置としては、液晶表示装置のほかに、エレクトロルミネッセンス(EL)や、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、プラズマ発光や電子放出による蛍光などを用いて、その電気光学効果により表示を行う装置などの種々の電気光学装置に適用可能である。この場合、電気光学材料としては、EL、ミラーデバイス、ガス、蛍光体などとなる。
【0035】
<電子機器>
次に、本発明に係る液晶表示装置を用いた電子機器について説明する。
<モバイル型コンピュータ>
まず、本発明に係る液晶表示装置を、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)の表示部に適用した例について説明する。図6は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ91は、キーボード911を備えた本体部912と、本発明に係る液晶表示装置を適用した表示部913とを備えている。
【0036】
<携帯電話機>
続いて、本発明に係る液晶表示装置を、携帯電話機の表示部に適用した例について説明する。図7は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機92は、複数の操作ボタン921のほか、受話口922、送話口923とともに、本発明に係る液晶表示装置を適用した表示部924を備える。
【0037】
なお、本発明に係る液晶表示装置を適用可能な電子機器としては、図6に示したパーソナルコンピュータや図7に示した携帯電話機のほかにも、液晶テレビや、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジタルスチルカメラなどが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る基板ユニットが用いられる液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】同表示装置の構成を示す斜視図である。
【図3】同表示装置をY方向に破断した場合の構成を示す部分断面図である。
【図4】基板上に形成されたデータ線を示す拡大図である。
【図5】変形例によるデータ線を示す拡大図である。
【図6】電子機器の例としてのパーソナルコンピュータを示す正面図である。
【図7】電子機器の他の例としての携帯電話を示す斜視図である。
【図8】従来技術によるデータ線を拡大して示す図である。
【符号の説明】
100・・・液晶表示装置(電気光学装置)、
300・・・基板、
307・・・平坦化膜(膜体)、
314,314´・・・データ線、
314A・・・第1部分、
314B・・・第2部分、
S・・・傾斜部分。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶表示装置等の電気光学装置に用いて好適な基板ユニット、電気光学装置および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板ユニットと対向基板との間に液晶等の電気光学物質が介在されてなる液晶表示装置等の電気光学装置が知られている。この液晶表示装置等の電気光学装置に用いられる基板ユニットは、基板上に、カラーフィルタ等の光学部材や、画素電極、データ線および走査線等の各種配線、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)およびTFD(Thin Film Diode:薄膜ダイオード)等の各種スイッチング素子などが形成される。このように各種部材が基板上に形成されると、電気光学物質に対向する側の基板面に、係る各部材の厚みに応じて段差が生じる。このような段差は、液晶(電気光学物質)の配向不良等を招く虞があるため、各種方法による平坦化処理が施されている。平坦化処理の一例としては、基板上に絶縁材からなる平坦化膜を形成する処理が知られている。
【0003】
また、基板上に形成されるデータ線および走査線は、駆動回路等が内蔵されたIC等に接続する関係上、基板の一端にまとめて引き出されているため、各配線をまとめた部分においては、データ線、走査線は、微少隙間を隔てて略平行に配設されることになる。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−76136号公報
【特許文献2】
特開平8−254709号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記文献に示される装置においては、基板上に、平坦化膜により基板との間に傾斜部分が形成されるため、配線はこの傾斜部分を横切って配置されることになる。
図8にこの状態の概略を断面で示す。この図8の上部分に示すように、基板10上には平坦化膜11が形成され、平坦化膜11の上面から傾斜部分に沿って配線12が配設されている。図8の下部分は、上部分の平面図であるが、この図に示すように、配線12,12,・・・は平行に配設されている。この場合、この傾斜部分の傾きが急峻な場合には、配線12を形成するフォトエッチング等による製造工程の段階で、傾斜部分の傾きの影響により、エッチングによって除去される部分に対して露光が確実に行われないことがあり、隣り合う配線12が短絡してしまう場合がある(図8中、a部)。これにより、従来の基板ユニットには、配線不良による信頼性の低下や製造上の歩留まり低下を招くという問題があった。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、比較的簡単な構造により基板上の積層構造における傾斜部分による配線不良を低減できる基板ユニットおよびこのような基板ユニットを備えた電気光学装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明が採用する基板ユニットの構成は、基板と、縁部が傾斜するように前記基板上に設けられた平坦な膜体と、前記膜体の表面から前記縁部の傾斜を通って前記基板の表面に至る複数の平行な配線とを有した基板ユニットにおいて、
前記複数の配線の前記縁部の傾斜に位置する部分については、その幅を他の部分より細く形成したことを特徴とする。
上述した如く、縁部の傾斜に位置する配線の幅を、他の部分よりも細く形成することにより、隣り合う配線間に十分な隙間を持たせることができ、配線の製造工程において配線が短絡するのを防止することができる。
【0008】
上記構成において、前記基板表面および前記膜体表面の前記縁部の傾斜に隣接する部分における前記複数の配線の幅を前記傾斜に位置する部分と同じ幅にしたことを特徴とする。
この構成によれば、幅の狭い配線の区間を、傾斜に掛かる区間よりも長くすることができ、配線の製造工程において配線が短絡するのをより確実に防止することができる。
上記構成において、前記縁部の傾斜に位置する前記複数の配線の幅は、前記傾斜の一部分において細く形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、幅の狭い配線の区間を、傾斜に掛かる区間よりも短くすることができ、配線の抵抗値を低く抑えることができる。
【0009】
本発明が採用する電気光学装置は、上記構成の基板ユニットの前記膜体に対向して配置される観察側の基板と、前記膜体との間に電気光学前記基板表面および前記膜体表面の前記縁部の傾斜に隣接する部分における前記複数の配線の幅を前記傾斜に位置する部分の幅よりも広くしたことを特徴とする。
基板ユニットの前記膜体と対向する基板との間に電気光学物質を介在させたことを特徴とする。
本発明が採用する電子機器は、上記構成の電気光学装置を表示部として有することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<表示装置の構成>
図1は、本発明の実施形態である表示装置の電気的な構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、表示装置100には、m本の走査線(コモン配線)214が行(X)方向に延在に形成される一方、3n本のデータ線(セグメント配線)314が列(Y)方向に延在して形成されている。この場合、走査線214とデータ線314との各交差に対応して画素110が形成されている。この画素110は、R(赤)、G(緑)、B(青)のいずれかの一色に対応するものであり、X方向に相隣接するRGBの3つの画素110によって1つのドット120が構成されている。
【0011】
ここで、画素110は、液晶容量162と、二端子型スイッチング素子の一例であるTFD320との直列接続からなる。このうち、液晶容量162は、後述するように、対向電極として機能する走査線214と画素電極との間に、電気光学物質の一例たる液晶を介在させた構成となっている。また、TFD320は、本実施形態では、一端がデータ線314に接続される一方、他端が画素電極に接続されて、走査線214とデータ線314との電位差にしたがってオンオフが制御される。
なお、この表示装置100にあっては、説明の便宜上、走査線214の総数をm本とし、データ線314の総数を3n本として、ドット120がm行n列(画素110でいえば、m行3n列)に配列するマトリクス型表示装置として説明する。
【0012】
次に、Yドライバ251、253は、一般には走査線駆動回路と呼ばれるものである。このうち、Yドライバ251は、図1において上から数えて奇数(1、3、5、…、m−1)本目の走査線214の駆動を担当し、Yドライバ253は、上から数えて偶数(2、4、6、…、m)本目の走査線214の駆動を担当している。すなわち、Yドライバ251、253によって、1行目、2行目、3行目、…、m行目の走査線214が1垂直走査期間において順次排他的に1本ずつ選択されると共に、選択された走査線214には、選択電圧の走査信号が供給される。一方、他の非選択の走査線214には、非選択電圧の走査信号が供給される構成となっている。なお、説明の便宜上、走査信号は、一般的にj(jは、1≦j≦mを満たす整数)行目の走査線214に供給されるものを、Yjと表記している。
【0013】
また、Xドライバ350は、一般にはデータ線駆動回路と呼ばれるものであり、Yドライバ251、253のいずれかにより選択された走査線214に位置する3n個の画素110に対し、表示内容に応じたデータ信号X1B、X1G、X1R、X2B、X2G、X2R、…、XnB、XnG、XnRを、それぞれ対応するデータ線314を介して供給するものである。なお、データ信号は、一般的にi(iは、1≦i≦nを満たす整数)列目のドット120において、B、G、Rの画素110で兼用されるデータ線314に供給されるものを、それぞれXiB、XiG、XiRと表記している。
【0014】
次に、表示装置100の機械的な構成について説明する。図2は、この表示装置100の外観構成を示す斜視図である。また、図3は、この表示装置100を図2におけるY方向に沿って切断した場合の構成について、観察側を上側として示す部分断面図である。
【0015】
これらの図に示されるように、表示装置100は、観察側に位置する基板200と、その背面側に位置して、観察側の基板200よりも張出領域302が張り出した基板300とが一定の間隙を保って貼り合わせられる。この貼り合わせには、スペーサを兼ねる導電性粒子(図示せず)が適切な割合で分散されたシール材110が用いられる。また、間隙には、例えばTN(Twisted Nematic)型の液晶160が封入される。
【0016】
さて、観察側の基板200にあって、背面側の基板300との対向面には、m本の走査線214がX方向に延在して形成される一方、背面側の基板300にあって観察側の基板200との対向面には、3n本のデータ線314がY(列)方向に延びている。
基板200に形成された走査線214のうち、奇数行目の走査線214は、シール材110の形成領域のうち、図2において左側まで延設される一方、偶数行目の走査線214は、シール材110の形成領域のうち、図において右側まで延設されている。
【0017】
また、奇数行目の走査線214に接続される配線は、Y方向に沿って張出領域302まで延び、張出領域302において、Yドライバ251の出力側バンプに接合される。同様に、偶数行目の走査線214に接続される配線は、Y方向に沿って張出領域302まで延び、Yドライバ253の出力側バンプに接合される。
【0018】
一方、データ線314は、シール材110の形成領域外においてピッチが狭められて、張出領域302まで延ばされている。そして、当該データ線314は、張出領域302において、Xドライバ350の出力側バンプに接合される。
また、張出領域302には、FPC基板(Flexible Circuit Board)150が接合されて、外部回路(図示省略)から、Yドライバ251、253およびXドライバ350の入力側バンプにクロック信号や制御信号等を供給する構成となっている。
【0019】
基板300の張出領域302においては配線384が形成されて、その一端は、Yドライバ251、253またはXドライバ350の入力側バンプに接続される一方、その他端は、FPC基板150の配線と接続される。
なお、図2においては、説明の理解を優先させたため便宜的に走査線214の本数mを「8」とし、データ線314の本数3nを「18」とした場合を示している。
【0020】
<内部構成>
次に、表示装置100における表示領域の内部構成について説明する。図3に示されるように、まず、観察側の基板200の外面には、位相差板233および偏光板231が貼り付けられる。なお、これらの位相差板233および偏光板231については、簡略化のため図2では省略されている。
また、基板200の内面には、クロム等からなる走査線214がX方向(図3では紙面垂直方向)に延在して形成されている。さらに、走査線214の近傍には、ITO(In dium Tin Oxide)等の透明導電材料からなる矩形状の画素電極248が形成されている。
ここで、画素電極248の表面には、ポリイミド等からなる配向膜216が形成されている。なお、この配向膜216には、背面側の基板300と貼り合わせる前に、所定の方向にラビング処理が施される。なお、配向膜216は、表示領域外では不要であるから、シール材110の形成領域近傍およびその外側では設けられていない。
【0021】
続いて、背面側の基板300について説明する。基板300の外面には、位相差板123および偏光板121が貼り付けられる。なお、これらの位相差板123および偏光板121についても、図2では省略されている。
一方、基板300の内面には、起伏が形成された散乱樹脂層303が形成されている。この散乱樹脂層303は、例えば基板300の表面上において点状にパターニングしたフォトレジストを熱処理し、当該フォトレジストの端部を軟化させる等によって、形成したものである。
【0022】
次に、散乱樹脂層303の起伏面には、アルミニウムや銀等の反射性金属からなる反射膜304が形成されている。したがって、散乱樹脂層303の起伏を反映して、反射膜304の表面も起伏となるので、観察側から入射した光は、反射膜304によって反射する際に、適度に散乱することとなる。
なお、表示装置100を反射型のみならず透過型としても機能させるために、反射膜304には、光を透過させるための開口部309が設けられている。なお、このような開口部309を設けずに、例えばアルミニウム等の光反射性を有する金属の膜厚を比較的薄く(例えば、20nm〜50nm)して形成することにより、背面側からの入射光の一部を透過させる構成としても良い。
【0023】
さらに、反射膜304の表面には、画素電極248とデータ線314との対向領域に対応して、赤色のカラーフィルタ305R、緑色のカラーフィルタ305G、および、青色のカラーフィルタ305Bが、それぞれ所定の配列で設けられている。
【0024】
次に、各色のカラーフィルタ305R、305G、305Bの表面には、絶縁材(例えば、エポキシ系やアクリル系等の絶縁樹脂)からなる平坦化膜307が設けられ、当該カラーフィルタの段差や反射膜304等の起伏を平坦化している。そして、平坦化膜307により平坦化された面に、ITO等の透明導電材料からなるデータ線314がY方向(図3では紙面左右方向)に、観察側の基板200に形成された画素電極248と対向するように形成されている。
そして、データ線314の表面には、ポリイミド等からなる配向膜308が形成されている。なお、この配向膜308には、観察側の基板200と貼り合わせる前に、所定の方向にラビング処理が施される。
【0025】
<データ線の形状>
次に、本実施形態の特徴部分となるデータ線314の形状について、図4に基づいて説明する。
複数のデータ線314は、基板300および平坦化膜307の平坦な部分に位置した第1部分314Aと、平坦化膜307の縁部による傾斜部分Sに位置する第2部分314Bとを備える。そして、第2部分314Bの幅W2は、第1部分314Aの幅W1よりも細く形成され、第2部分314Bの長さL2は、傾斜Sの区間の長さLよりも長くなるように形成されている。
【0026】
<製造プロセス>
次に、液晶装置の製造プロセスについて説明する。
まず、基板300に、例えば基板300の表面上において点状にパターニングしたフォトレジストを熱処理し、当該フォトレジストの端部を軟化させる等によって、起伏が形成された散乱樹脂層303を形成する。
その次の工程で、散乱樹脂層303の面上に反射膜304を形成する。具体的には、散乱樹脂層303の全面を覆うように、光反射性を有する金属の薄膜を、スパッタリング法などを用いて形成する。この薄膜は、例えばアルミニウムや銀といった単体金属、またはこれらを主成分とする合金などによって形成される。この例では、アルミニウムが用いられる。この後、フォトリソグラフィおよびエッチング技術を用いて当該薄膜をパターニングすることにより、開口部を有する反射膜304が形成される。
【0027】
次に、散乱樹脂層303および反射膜304上の所定位置にカラーフィルタ305R,305Gおよび305Bを形成する。
さらに、次の工程では、カラーフィルタ305R,305Gおよび305Bを覆うようにエポキシ系またはアクリル系の樹脂材料を塗布・焼成して、平坦化膜307を形成する。
【0028】
続いて、次の工程においては、上記各要素が形成された基板300の全面を覆うようにITOなどからなる透明導電膜を形成する。この成膜には、例えばスパッタリング法などを用いることができる。そして、この透明導電膜をフォトリソグラフィおよびエッチング技術によってパターニングして、複数のデータ線314を形成する。
この後、表示領域を覆うように配向膜308を形成すると共に、当該配向膜308に対してラビング処理が施される。
【0029】
<実施形態の効果>
このように、本実施形態によれば、各データ線314が傾斜部分Sに位置した第2部分314Bの幅W2を、第1部分314Aの幅W1よりも細く形成したから、隣り合うデータ線314間に十分な隙間を確保することができる。これにより、データ線314の製造工程において、透明導電膜をパターニングする際、データ線314同士が短絡するのを防止して配線不良を確実に防止することがでる。しかも、第2部分314Bは、その長さL2を傾斜Sの区間の長さLよりも長くなるように形成しているから、傾斜部分Sにおいて隣り合うデータ線314間に隙間を形成することができ、より確実に配線不良を防止することができる。
従って、基板ユニットの信頼性を高め、ひいては液晶表示装置の信頼性を高めることができる。
【0030】
特に、透明導電膜をパターニングしてデータ線314を製造する工程においては、マスクを用いて透明導電膜にフォトエッチングを施すことになるが、この際本実施形態では、マスクに第2部分314Bを形成するためのマスキングを行っておくことにより、傾斜部分の傾きが影響して透明導電膜に対して露光が確実に行われない場合があっても、隣り合うデータ線314の隙間を確実に形成することが可能となる。
【0031】
<変形例>
以上この発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまでも例示であり、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
【0032】
なお、前記実施形態では、データ線314の第2部分314Bは、その長さL2を傾斜Sの区間の長さLよりも長くなるように形成したが、本発明はこれに限らず、長さL2を長さLよりも短く形成してもよい。この場合、データ線314の持つ抵抗値を実施形態よりも小さくすることができる。また逆に、第2部分314Bの長さL2を傾斜Sの区間の長さLよりも短くなるように形成してもよい(要するに、傾斜部分の一部において、幅が細くなるようにしてもよい)。
さらに、本発明による配線の形状は、液晶表示装置等の電気光学装置に用いられる基板ユニットに限らず、集まった配線が傾斜を横切るような基板ユニットに有効に用いることができる。
【0033】
また、データ線は、表示領域から引き出されて基板300の一端にまとまるように配設されているため、図5に示すデータ線314´ように、屈折しながら配設されることになる。この場合、各データ線314´の抵抗値を同じ値にすることにより、表示ムラを抑制することができることが知られている。従って、データ線314´の長さL0とし、データ線314´の幅W0とした場合、各データ線314´においてL0:W0の比率を一定にするように形成すれば、各データ線314´の抵抗値が等しくなり、表示ムラを抑制することができる。
具体的には、データ線314´は、引き回しの関係から、外側に位置したものは長くなり、内側に位置したものは短くなる。従って、データ線314´は、外側に位置するデータ線314´の幅が広くなり、内側に位置するデータ線314´の幅が狭くなる。
【0034】
また、前記実施形態では、二端子型スイッチング素子たるTFD素子13を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置を例示したが、本発明はこれに限らず、TFT(Thin Film Transistor)素子に代表される三端子型スイッチング素子を用いた液晶表示装置やスイッチング素子を持たないパッシブマトリックス方式の液晶表示装置にも適用できることは勿論である。
さらに、電気光学装置としては、液晶表示装置のほかに、エレクトロルミネッセンス(EL)や、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、プラズマ発光や電子放出による蛍光などを用いて、その電気光学効果により表示を行う装置などの種々の電気光学装置に適用可能である。この場合、電気光学材料としては、EL、ミラーデバイス、ガス、蛍光体などとなる。
【0035】
<電子機器>
次に、本発明に係る液晶表示装置を用いた電子機器について説明する。
<モバイル型コンピュータ>
まず、本発明に係る液晶表示装置を、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)の表示部に適用した例について説明する。図6は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ91は、キーボード911を備えた本体部912と、本発明に係る液晶表示装置を適用した表示部913とを備えている。
【0036】
<携帯電話機>
続いて、本発明に係る液晶表示装置を、携帯電話機の表示部に適用した例について説明する。図7は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機92は、複数の操作ボタン921のほか、受話口922、送話口923とともに、本発明に係る液晶表示装置を適用した表示部924を備える。
【0037】
なお、本発明に係る液晶表示装置を適用可能な電子機器としては、図6に示したパーソナルコンピュータや図7に示した携帯電話機のほかにも、液晶テレビや、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジタルスチルカメラなどが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る基板ユニットが用いられる液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】同表示装置の構成を示す斜視図である。
【図3】同表示装置をY方向に破断した場合の構成を示す部分断面図である。
【図4】基板上に形成されたデータ線を示す拡大図である。
【図5】変形例によるデータ線を示す拡大図である。
【図6】電子機器の例としてのパーソナルコンピュータを示す正面図である。
【図7】電子機器の他の例としての携帯電話を示す斜視図である。
【図8】従来技術によるデータ線を拡大して示す図である。
【符号の説明】
100・・・液晶表示装置(電気光学装置)、
300・・・基板、
307・・・平坦化膜(膜体)、
314,314´・・・データ線、
314A・・・第1部分、
314B・・・第2部分、
S・・・傾斜部分。
Claims (5)
- 基板と、縁部が傾斜するように前記基板上に設けられた平坦な膜体と、前記膜体の表面から前記縁部の傾斜を通って前記基板の表面に至る複数の平行な配線とを有した基板ユニットにおいて、
前記複数の配線の前記縁部の傾斜に位置する部分については、その幅を他の部分より細く形成したことを特徴とする基板ユニット。 - 前記基板表面および前記膜体表面の前記縁部の傾斜に隣接する部分における前記複数の配線の幅を前記傾斜に位置する部分と同じ幅にしたことを特徴とする請求項1記載の基板ユニット。
- 前記縁部の傾斜に位置する前記複数の配線の幅は、前記傾斜の一部分において細く形成されていることを特徴とする請求項1記載の基板ユニット。
- 請求項1または2記載の基板ユニットの前記膜体に対向して配置される観察側の基板と、前記膜体との間に電気光学物質を介在させたことを特徴とする電気光学装置。
- 請求項4に記載の電気光学装置を表示部として有する電子機器。
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JP2002364931A JP2004198585A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | 基板ユニット、電気光学装置および電子機器 |
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Cited By (1)
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JP2008065096A (ja) * | 2006-09-08 | 2008-03-21 | Hitachi Displays Ltd | 液晶表示装置 |
-
2002
- 2002-12-17 JP JP2002364931A patent/JP2004198585A/ja active Pending
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