JP2004198450A - 画像表示システム - Google Patents
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Abstract
【課題】携帯性に優れた表示パネルを利用した新規な画像表示システムを提供する。
【解決手段】表示パネル12と、表示パネル12が配置される空間1内の位置に関連付けられた画像情報を少なくとも一時的に記憶する記憶回路25と、表示パネルの空間内の位置を検出する位置検出システム(14、24)とを有し、表示パネルは、位置検出システムよって検出された空間内の位置に応じて、少なくとも1つの表示パネル12に画像情報の少なくとも一部を表示する。
【選択図】 図1
【解決手段】表示パネル12と、表示パネル12が配置される空間1内の位置に関連付けられた画像情報を少なくとも一時的に記憶する記憶回路25と、表示パネルの空間内の位置を検出する位置検出システム(14、24)とを有し、表示パネルは、位置検出システムよって検出された空間内の位置に応じて、少なくとも1つの表示パネル12に画像情報の少なくとも一部を表示する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示システムに関し、特に、表示パネルを移動して利用する画像表示システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
フラットパネルディスプレイ(以下、「FPD」という。)は、近年その利用が増加している。
【0003】
FPDは、大型(例えばテレビ受像機)と小型(モバイル用途)との用途において、その利用が進んでいる。FPDの内、液晶表示装置や有機EL表示装置などは、軽量、低消費電力などの特徴からモバイル用途において、他のFPD(例えばPDP)よりも利用が進んでいる。また、低温で高品位の結晶質半導体膜を形成する技術の進歩により、例えば、「システム液晶」と呼ばれる、液晶表示パネルにCPUなどを一体に形成した装置も開発されつつある。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−134087号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、携帯性に優れた表示パネル(例えば液晶表示パネル)の高性能化に鑑みてなされたものであり、そのような表示パネルを利用した新規な画像表示システムによって、ユーザに新たな利便性を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像表示システムは、少なくとも1つの表示パネルと、前記少なくとも1つの表示パネルが配置される空間内の位置に関連付けられた画像情報を少なくとも一時的に記憶する記憶回路と、前記少なくとも1つの表示パネルの前記空間内の位置を検出する位置検出システムとを有し、前記少なくとも1つの表示パネルは、前記位置検出システムよって検出された前記空間内の前記位置に応じて、前記少なくとも1つの表示パネルに前記画像情報の少なくとも一部を表示することを特徴とする。
【0007】
ある実施形態において、前記位置検出システムは、前記少なくとも1つの表示パネルの前記空間内の配置を検出するシステムを含み、前記少なくとも1つの表示パネルは、前記位置検出システムよって検出された前記位置および前記配置に応じて、前記少なくとも1つの表示パネルに前記画像情報の少なくとも一部を表示する。
【0008】
ある実施形態において、前記少なくとも1つの表示パネルの画像メモリ領域および解像度を識別し、前記画像情報を前記識別された画像メモリ領域および解像度に応じて、前記画像情報の少なくとも一部を前記少なくとも1つの表示パネルに供給する表示データ生成回路をさらに備える。
【0009】
ある実施形態において、前記表示データ生成回路は、前記識別された画像メモリ領域および解像度に応じて、前記画像情報の少なくとも一部を選択し、かつ、前記選択した画像情報を必要に応じて圧縮または伸張する。
【0010】
ある実施形態において、前記少なくとも1つの表示パネルは、前記画像情報の少なくとも一部を実寸で表示する。
【0011】
ある実施形態において、前記位置検出システムは、前記空間内の前記位置および/または前記配置を所定の時間間隔で検出し、前記少なくとも1つの表示パネルは、前記所定の時間間隔毎に表示をリフレッシュする。
【0012】
ある実施形態において、前記位置検出システムは、前記少なくとも1つの表示パネルに一体に設けられた少なくとも1つの発信回路と、前記表示パネルが配置される空間内に設けられ、前記少なくとも1つの発信回路から出射された信号に基づいて少なくとも前記空間内の位置を求める位置検出回路とを有する。
【0013】
ある実施形態において、前記少なくとも1つの表示パネルは、メイン表示パネルと、サブ表示パネルとを含み、前記メイン表示パネルに前記少なくとも1つの発信回路が一体に設けられており、かつ、前記サブ表示パネルと前記メイン表示パネルとの相対位置および相対配置を検出する相対位置検出システムをさらに有し、前記サブ表示パネルの前記空間内の前記位置および前記配置は、前記メイン表示パネルとの相対位置に基づいて検出される。
【0014】
ある実施形態において、前記少なくとも1つの表示パネルは、複数の表示パネルであって、前記少なくとも1つの発信回路は前記複数の表示パネルのいずれにも着脱可能であり、前記少なくとも1つの発信回路が装着された表示パネルが前記メイン表示パネルとして機能する。
【0015】
ある実施形態において、前記相対位置検出システムは電磁波を利用して前記相対位置および前記相対配置を検出する。
【0016】
ある実施形態において、前記電磁波は赤外線である。
【0017】
ある実施形態において、前記相対位置検出システムは磁界を利用して前記相対位置および前記相対配置を検出する。
【0018】
ある実施形態において、前記少なくとも1つの表示パネルは、複数の表示パネルであって、前記複数の表示パネルのそれぞれは、前記記憶回路を有し、かつ、前記位置検出システムよって検出された少なくとも前記空間内の位置に応じて前記画像情報から対応する部分を抽出して表示する。
【0019】
ある実施形態において、前記空間内の位置に関連付けられた前記画像情報は、ユーザには見えない画像情報である。
【0020】
ある実施形態において、前記画像情報は、前記空間内の絶対位置に関連付けられた画像情報である。前記画像情報は、例えば、前記空間に近接して配置されている配管および/または配線の画像情報を含む。あるいは、前記画像情報は、前記空間内の電磁波の強度分布を示す画像情報を含む。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態による画像表示システム100の構成と動作を説明する。
【0022】
本実施形態の画像表示システム100は、表示パネル12と、コンピュータ(情報処理装置)22とを有する。コンピュータ22は、表示パネル12が配置される空間(例えば部屋)1内の位置に関連付けられた画像情報を少なくとも一時的に記憶する記憶回路25を有している。コンピュータ22は空間1内に配置しても良いし、空間1の外に配置してもよい。
【0023】
また、画像表示システム100は、表示パネル12の空間1内の位置を検出する位置検出システムを有している。ここでは、表示パネル12に設けられた発信回路14と、発信回路14から出射された信号に基づいて空間1内の位置を求める位置検出回路24とが、位置検出システムを構成している。位置検出回路24は、典型的には、発信回路14から出射された信号を受信する回路(不図示)と、その信号に基づいて表示パネル12の位置を求める演算回路(不図示)とを有している。勿論、位置を検出する回路が実行するプロセスをコンピュータソフトで行っても良い。
【0024】
表示パネル12は、上記位置検出システムよって検出された空間1内の位置に応じて、画像情報の少なくとも一部を表示領域12aに表示する。例えば、記憶回路24は空間1内の床下に配設された配管2の画像情報を画像メモリ領域(m、n)内に有しており、表示パネル12は、画像メモリ領域(m、n)に対応する画像情報の内、表示領域12aの画像メモリ領域(k、l)に対応する部分2aの画像情報を表示する。画像メモリ領域(m、n)は空間1内の位置に対応付けられており、表示パネル12の位置に基づいて表示領域12aの画像メモリ領域(k、l)に対応する画像情報を抽出し表示パネル12に供給する。表示情報は、例えば、コンピュータ22が有する送信回路26から表示パネル12の受信回路16に伝送することによって行われる。
【0025】
従って、画像表示システム100を用いると、ユーザが空間1内の床上に表示パネル12を配置すると、表示領域12aに対応する位置に配設されている配管2の画像2aが表示される。すなわち、ユーザが直接見ることができない、空間1内の位置に関連付けられた画像情報をその場で見ることができる。
【0026】
ここでは、記憶回路24に記憶されている画像情報(画像メモリ領域(m、n)が床下に配設された配管2の画像情報としたが、画像情報は壁や天井に近接した配置された配管の画像情報を含んでも良い。すなわち、ここで例示した画像メモリ領域(m、n)は、記憶回路24に記憶されている画像情報の一部であって、記憶回路24は、天井裏に配設された配管の画像情報に対応する他の画像メモリ領域(m’、n’)を記憶していても良い。表示パネル12が有する画像メモリ領域(k、l)に対応付ける画像メモリ領域を決定する過程で、表示パネル12の位置に応じて、画像メモリ領域(m、n)および(m’、n’)のいずれかを選択するようにすればよい。
【0027】
なお、一般的には、空間1内の表示パネル12の位置(例えば重心の位置)だけでは、表示領域12aの画像メモリ領域(k、l)と画像メモリ領域(m、n)との対応関係を特定できない。従って、位置検出システムは、表示パネル12の空間1内の配置(方向)を検出するシステムを含み、表示パネル12は、位置検出システムよって検出された位置および配置に応じて、画像情報の少なくとも一部を表示するように構成することが好ましい。表示パネル12の配置は、例えば、図1に示したように、表パネル12に複数の発信回路14を設け、それぞれの発信回路14から出射される信号に基づいて、複数の発信回路14の空間1内の位置を求めることによって決定される。勿論、画像情報の種類や用途などによっては、空間1内における表示パネル12の配置(方向)を予め決めておく等すれば、表示パネル12の位置だけで、画像メモリ領域(k、l)と画像メモリ領域(m、n)とを対応付けることができる。
【0028】
表示パネル12の画像メモリ領域(k、l)と画像メモリ領域(m、n)とを対応付ける際に、表示パネル12の解像度が影響する。特に、図1に模式的に示したように、配管2の画像2aを実寸表示する場合においては、表示パネル12の解像度に応じて画像メモリ領域(m、n)内の画像情報の一部を選択する(「間引く」を含む。)、あるいは、選択した画像情報を必要に応じて圧縮または伸張する機能を有する表示データ生成回路28を設けることが好ましい。
【0029】
また、位置検出システムが、表示パネル12の空間1内の位置および/または配置を所定の時間間隔で検出し、表示パネル12で表示する画像を所定の時間間隔毎に表示をリフレッシュするように構成すると、表示パネル12を空間1内で移動させながら、表示パネル12の位置に応じた画像を実時間で表示することもできる。図1に示した例では、表示パネル12を移動させながらリアルタイムで、床下に配設された配管2の画像2aを実寸で見ることができる。表示画像をリフレッシュするレート(周期)は、それぞれの用途に応じて適宜設定される。
【0030】
このように、本発明の実施形態の画像表示システム100によると、ユーザが見ることのできない画像情報をリアルタイムで、かつ実寸でみることができる。従って、配管の配置などをその場で確認することができるので、配管の修理などの作業を確実に行うことができる。画像表示システム100の表示パネル12で表示する画像情報は、勿論、配管の配置に限られず、配線などのユーティリティ設備の配置や、更には、空間内の電磁波強度の分布等の画像情報であってもよい。これらの画像情報は、空間1内の位置と対応付けられていれば良いが、空間1が屋外の場合など、絶対位置と関連付けられている画像情報であってもよい。勿論、空間(例えば部屋)1内の相対位置を絶対位置と関連付けても良い。空間内の相対位置は、簡単な演算によって絶対位置に関連付けられる。
【0031】
また、上記の例では、コンピュータ22の記憶回路24が画像情報を記憶し、表示すべき情報を表示パネル12に供給する構成を例示したが、記憶回路24(必要に応じて表示データ生成回路28)を表示パネル12に設け、コンピュータ22からは表示パネル12の位置情報のみを供給する構成にしてもよい。このような構成を採用すると、表示パネル12側で画像情報の処理を行うことができるので、画像処理に要する時間、すなわち画像表示のリフレッシュ時間が短縮され、よりスムーズな表示を行うことができる。
【0032】
また、記憶回路24は画像情報を常に記憶しておく必要はなく、他のホストコンピュータ(不図示)から必要に応じて画像情報を受取る構成としても良い。例えば、記憶回路24がユーザの要求に応じて、配線または配管の画像情報を受取り、記憶するようにできる。
【0033】
本実施形態の画像表示システム100は、上述のように空間内の位置に関連付けられた画像情報を表示するだけでなく、従来の表示装置として利用することもできる。すなわち、表示パネル12の位置に関わらず、画像情報を表示することもできる。例えば、画像情報の種類に応じて、および/またはユーザの選択によって、一般的な画像情報または位置に関連付けられた画像情報を表示するよう構成する。
【0034】
なお、画像表示システム100が表示する空間内の位置に関連付けられた画像情報の例として、その画像情報そのものが直接的に空間内の位置に関連付けられたものを例示(配管の画像情報)したが、間接的に空間内の位置に関連付けられた画像情報であってもよい。すなわち、画像情報そのものは空間内の位置に関係しない一般の画像情報(例えばビデオ映像)であっても、それが空間内の位置に関連付けられれば、ここでいう「空間内の位置に関連付けられた画像情報」に含まれる。この場合、空間1内で表示パネル12を移動すると、表示パネル12に表示されるビデオ映像の部分が変わるということになる。これは、投射型表示システムの投影映像に対してスクリーンを移動するのに似ている。表示パネル12を持っている手が揺れても映像は揺れない(ただし、所定の面から外れると画像自体が変化、あるいは非表示することがある)。
【0035】
また、画像表示システム100が有する表示パネル12は、上述した用途の適した、薄型軽量の表示パネルが好ましく、例えば、液晶表示パネル、有機EL表示パネル、FEDや電気泳動型表示パネルを好適に用いることができる。表示パネルのサイズは、例えば、8インチ〜10インチ程度である。また、表示パネル12とコンピュータ22とを一体としてもよい。特に、表示パネル12を構成する基板にコンピュータ22が有する回路の一部または全部を一体に形成したシステム表示パネルを用いることが好ましい。この場合、表示パネル12に通信回路を設け必要な画像情報は通信によって供給される構成を採用することが好ましい。
【0036】
図2は、本発明による他の実施形態の画像表示システムの構成を模式的に示している。
【0037】
この画像表示システムは、複数の表示パネル32とコンピュータ32とを有しており、複数の表示パネル32のそれぞれは図1に示した表示パネル12と実質的に同様にそれぞれの表示パネル32の空間1内の位置に応じて、リアルタイムで画像を実寸で表示する。複数の表示パネル32を用いることによって、大画面の表示を実現することができる。また、複数の表示パネル32の配置はユーザが自由に変えられるので、あたかもユーザが大画面の表示面の形状を自由に変えるかのように利用することができる。
【0038】
図2に示した画像表示システム100が有する位置検出システムは、空間(典型的には部屋)1に設けられたxセンサー36aとyセンサー36bと、複数の表示パネル32のそれぞれに設けられた発信回路(オシレータ)とを含み、個々の表示パネル32の発信回路から出射された信号(典型的には電磁波)をxセンサー36aとyセンサー36bが検出して、個々の表示パネル32の位置を検出する。検出された位置情報はコンピュータ32に送られ、その後は、図1に示した画像表示システム100と同様にして表示が行われる。
【0039】
上述した実施形態の画像表示システムは、部屋などの閉じられた空間内で利用されるが、本発明はこれに限られず、図3に模式的に示すように、屋外で利用できる画像表示システムを提供することもできる。例えば、空間内の位置に関連付けられた画像情報は、地中に埋設されたガス管の画像情報であって、ホストコンピュータ(不図示)の端末46aおよび46bが画像表示システム100のコンピュータ22と同様に機能し、表示パネル42にリアルタイムで実寸で配管の画像を表示することができる。端末46aおよび46bから供給される画像情報は、表示パネル42からの要求に応じて選択(ガス管情報/水道管情報)されるようにしてもよい。端末46aおよび46bとホストコンピュータとの情報の授受は電気通信回線を介して公知の技術で実行される。例えば、端末46aおよび46bを町中に所定の間隔で配置され、例えばガス管の工事などを現場でガス管の実寸画像を確認しながら行うことができるので、作業性の向上とともに安全性を向上することができる。
【0040】
ここで、図4(a)および(b)を参照しながら、複数の表示パネル52a〜52gを用いた場合の表示動作について説明する。
【0041】
複数の表示パネル52a〜52gを用いることによって、大画面の表示を実現することができる。また、複数の表示パネル52a〜52gの配置はユーザが自由に変えられるので、あたかもユーザが大画面の表示面の形状を自由に変えるかのように利用することができる。用いる表示パネル52の数を変えることによって、表示面の面積を変えることもできる。
【0042】
本発明の画像表示システムは、空間内の位置に関連付けられた画像情報を表示するので、例えば、特許文献1(特開平11−134087号公報)に記載されているタイリング可能な表示システムのように、複数の表示パネルが仮想的な大きな一枚の表示パネルとして機能するのではなく、それぞれの表示パネルがそれぞれの空間内の位置で、その位置に関連付けられた画像情報を表示する。
【0043】
本発明の画像表示システムは、図5(a)に示したように、複数の表示パネル52a〜52gの内の一部が互いに重なり合っても、画像は正常に表示される。すなわち、位置に関連付けられた画像情報の画像メモリ領域(m、n)は、空間に固定された画像(ただし、表示されていない場合もある)であり、複数の表示パネル52a〜52gは、それぞれの表示パネルの位置に応じて、それぞれの画像メモリ領域(k、l)a〜eに対応する画像メモリ領域(m、n)の部分を表示する。従って、複数の表示パネル52a〜52gの相対位置を画像メモリ領域(m、n)に対応する空間内で移動しても、表示される画像は同じである。
【0044】
例えば、図4(b)に示した場合において、表示パネル52aと表示パネル52bとを置き換えても、表示される画像は変化せず、例えば黒点は、表示パネル52aの位置に新たに配置された表示パネル52bによって表示されることになる。
【0045】
本発明の画像表示システムは、このような利用形態が可能なので、各表示パネル58a〜58gの表示領域の表面占有率(パネル額縁以外の表示領域の占める割合)はできるだけ大きいほうが好ましい。表示パネルを重ねたときに表示パネルの額縁が存在すると表示の一体感が損なわれるのを防止するために、額縁領域を可能な限り小さいことが好ましい。
【0046】
本発明の実施形態による画像表示システムにおいて、複数の表示パネルを用いる場合、例えば図2を参照して上述したように、個々の表示パネルの位置を個別に求める構成を採用しても良いが、以下に説明するように、メイン表示パネルとサブ表示パネルとで構成してもよい。メイン表示パネル(典型的には1枚)とサブ表示パネル(典型的には2枚以上)とを用いると、メイン表示パネルの空間内の位置を検出した後、メイン表示パネルとサブ表示パネルとの相対位置および相対配置を検出する相対位置検出システムによって、サブ表示パネルの空間内の位置および記配置をメイン表示パネルとの相対位置に基づいて検出することができるので、複数の表示パネルの位置を検出する工程を簡便に実行できるという利点が得られる。
【0047】
画像表示システムが有する複数の表示パネルを共通化し、そのうちの任意の一枚に、その位置および配置を検出するための発信回路を設けることによって、メイン表示パネルを特定してもよい。発信回路は表示パネルに着脱可能とすることが好ましい。あるいは、複数の表示パネルに発信回路を設けて共通化し、ユーザが選択した任意の一枚の表示パネルの発信回路の動作を選択的にON状態とすることによってメイン表示パネルを特定してもよい。メイン表示パネルとサブ表示パネルとの相対位置システムは電磁波(例えば赤外線)を利用してもよいし、磁界を利用してもよい。
【0048】
図5(a)および(b)を参照ながら、磁界を利用した相対位置検出システムの構成と動作を説明する。
【0049】
例えば、図5(a)に示すように、メイン表示パネル56aおよびサブ表示パネル56bの4隅+中央の5箇所に磁気画像および発生ユニットを含む磁場ユニット56を設け、メイン表示パネル56aによって、各サブ表示パネル56bの相対位置の磁場ユニット56からの磁場の強度に基づいて検出する。
【0050】
まず、メイン表示パネル56aの中央磁場ユニットから発生する磁場の強さをサブ表示パネル56bの中央磁場ユニットで検出することによりパネルの中央磁場ユニット間の距離が任意の値Dであることを検出する。
【0051】
サブ表示パネルのそれぞれの磁場ユニットは、メイン表示パネルの磁場ユニットを中心に半径Dの円を描く(図5(b)参照)。
【0052】
この場合、図にあるようにサブ表示パネルがメイン表示パネルの真上方にある場合、サブ表示パネルの左上と右上の磁場ユニットの磁場強度、左下と右下の磁場ユニットの磁場強度が同じ、かつ左下,右下磁場ユニットの強度が左上、右上の強度より大きい状態であることが検出できる。
【0053】
サブ表示パネルが真左にある場合は、サブ表示パネルの左上、左下磁場ユニットの強度、右上、右下磁場ユニットの強度が同じ、かつ左上、左下磁場ユニットにおける磁場強度が右上、右下磁場ユニットにおける磁場強度より大きい状態が検出できる。
【0054】
このように、サブ表示パネルの相対的な配置(方向)により各磁場ユニットの位置、強度はそれぞれ固有の値となる。これをもとに磁場強度だけの結果から方向を計算でき、サブ表示パネルのメイン表示パネルに対する相対位置を検出することが可能となる。
【0055】
なお、メイン表示パネルの空間内の位置は、図1の画像表示システム100と同様にして検出しても良い。あるいは、例えば、ミリ波発生ユニットを空間内に少なくとも3つ設置して、メイン表示パネルに設けた位置センサーによってその位置を検出してもよい。この場合、メイン表示パネルは画像表示システム100におけるコンピュータ22の機能を備えることが好ましい。もちろん、メイン表示パネルだけに限られず、サブ表示パネルにも位置センサーを設け、それぞのサブ表示パネルの位置を検出しても良いことは言うまでもない。
【0056】
【発明の効果】
本発明によると、携帯性に優れた表示パネルを利用した新規な画像表示システムが提供され、ユーザに新たな利便性が提供される。
【0057】
本発明の画像表示システムによりを用いることによって、例えば、コンピュータ上の大容量画像データを相対的に位置認識された小型パネルに無線により通信することにより小型パネルを並べて、大容量画像データ表示を容易に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態の画像表示システム100の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明による他の実施形態の画像表示システムを示す模式図である。
【図3】本発明によるさらに他の実施形態の画像表示システムを示す模式図である。
【図4】(a)および(b)は、本発明による実施形態の画像表示システムにおいて複数の表示パネルによる表示動作を説明するための模式図である。
【図5】(a)および(b)は、本発明による実施形態の画像表示システムにおいて、複数の表示パネルの相対位置を検出するシステムの構成および動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 空間
2 配管
2a 配管の画像
12 表パネル
14 発信回路
22 コンピュータ
24 位置検出回路
25 記憶回路
26 送信回路
28 表示データ生成回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示システムに関し、特に、表示パネルを移動して利用する画像表示システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
フラットパネルディスプレイ(以下、「FPD」という。)は、近年その利用が増加している。
【0003】
FPDは、大型(例えばテレビ受像機)と小型(モバイル用途)との用途において、その利用が進んでいる。FPDの内、液晶表示装置や有機EL表示装置などは、軽量、低消費電力などの特徴からモバイル用途において、他のFPD(例えばPDP)よりも利用が進んでいる。また、低温で高品位の結晶質半導体膜を形成する技術の進歩により、例えば、「システム液晶」と呼ばれる、液晶表示パネルにCPUなどを一体に形成した装置も開発されつつある。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−134087号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、携帯性に優れた表示パネル(例えば液晶表示パネル)の高性能化に鑑みてなされたものであり、そのような表示パネルを利用した新規な画像表示システムによって、ユーザに新たな利便性を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像表示システムは、少なくとも1つの表示パネルと、前記少なくとも1つの表示パネルが配置される空間内の位置に関連付けられた画像情報を少なくとも一時的に記憶する記憶回路と、前記少なくとも1つの表示パネルの前記空間内の位置を検出する位置検出システムとを有し、前記少なくとも1つの表示パネルは、前記位置検出システムよって検出された前記空間内の前記位置に応じて、前記少なくとも1つの表示パネルに前記画像情報の少なくとも一部を表示することを特徴とする。
【0007】
ある実施形態において、前記位置検出システムは、前記少なくとも1つの表示パネルの前記空間内の配置を検出するシステムを含み、前記少なくとも1つの表示パネルは、前記位置検出システムよって検出された前記位置および前記配置に応じて、前記少なくとも1つの表示パネルに前記画像情報の少なくとも一部を表示する。
【0008】
ある実施形態において、前記少なくとも1つの表示パネルの画像メモリ領域および解像度を識別し、前記画像情報を前記識別された画像メモリ領域および解像度に応じて、前記画像情報の少なくとも一部を前記少なくとも1つの表示パネルに供給する表示データ生成回路をさらに備える。
【0009】
ある実施形態において、前記表示データ生成回路は、前記識別された画像メモリ領域および解像度に応じて、前記画像情報の少なくとも一部を選択し、かつ、前記選択した画像情報を必要に応じて圧縮または伸張する。
【0010】
ある実施形態において、前記少なくとも1つの表示パネルは、前記画像情報の少なくとも一部を実寸で表示する。
【0011】
ある実施形態において、前記位置検出システムは、前記空間内の前記位置および/または前記配置を所定の時間間隔で検出し、前記少なくとも1つの表示パネルは、前記所定の時間間隔毎に表示をリフレッシュする。
【0012】
ある実施形態において、前記位置検出システムは、前記少なくとも1つの表示パネルに一体に設けられた少なくとも1つの発信回路と、前記表示パネルが配置される空間内に設けられ、前記少なくとも1つの発信回路から出射された信号に基づいて少なくとも前記空間内の位置を求める位置検出回路とを有する。
【0013】
ある実施形態において、前記少なくとも1つの表示パネルは、メイン表示パネルと、サブ表示パネルとを含み、前記メイン表示パネルに前記少なくとも1つの発信回路が一体に設けられており、かつ、前記サブ表示パネルと前記メイン表示パネルとの相対位置および相対配置を検出する相対位置検出システムをさらに有し、前記サブ表示パネルの前記空間内の前記位置および前記配置は、前記メイン表示パネルとの相対位置に基づいて検出される。
【0014】
ある実施形態において、前記少なくとも1つの表示パネルは、複数の表示パネルであって、前記少なくとも1つの発信回路は前記複数の表示パネルのいずれにも着脱可能であり、前記少なくとも1つの発信回路が装着された表示パネルが前記メイン表示パネルとして機能する。
【0015】
ある実施形態において、前記相対位置検出システムは電磁波を利用して前記相対位置および前記相対配置を検出する。
【0016】
ある実施形態において、前記電磁波は赤外線である。
【0017】
ある実施形態において、前記相対位置検出システムは磁界を利用して前記相対位置および前記相対配置を検出する。
【0018】
ある実施形態において、前記少なくとも1つの表示パネルは、複数の表示パネルであって、前記複数の表示パネルのそれぞれは、前記記憶回路を有し、かつ、前記位置検出システムよって検出された少なくとも前記空間内の位置に応じて前記画像情報から対応する部分を抽出して表示する。
【0019】
ある実施形態において、前記空間内の位置に関連付けられた前記画像情報は、ユーザには見えない画像情報である。
【0020】
ある実施形態において、前記画像情報は、前記空間内の絶対位置に関連付けられた画像情報である。前記画像情報は、例えば、前記空間に近接して配置されている配管および/または配線の画像情報を含む。あるいは、前記画像情報は、前記空間内の電磁波の強度分布を示す画像情報を含む。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態による画像表示システム100の構成と動作を説明する。
【0022】
本実施形態の画像表示システム100は、表示パネル12と、コンピュータ(情報処理装置)22とを有する。コンピュータ22は、表示パネル12が配置される空間(例えば部屋)1内の位置に関連付けられた画像情報を少なくとも一時的に記憶する記憶回路25を有している。コンピュータ22は空間1内に配置しても良いし、空間1の外に配置してもよい。
【0023】
また、画像表示システム100は、表示パネル12の空間1内の位置を検出する位置検出システムを有している。ここでは、表示パネル12に設けられた発信回路14と、発信回路14から出射された信号に基づいて空間1内の位置を求める位置検出回路24とが、位置検出システムを構成している。位置検出回路24は、典型的には、発信回路14から出射された信号を受信する回路(不図示)と、その信号に基づいて表示パネル12の位置を求める演算回路(不図示)とを有している。勿論、位置を検出する回路が実行するプロセスをコンピュータソフトで行っても良い。
【0024】
表示パネル12は、上記位置検出システムよって検出された空間1内の位置に応じて、画像情報の少なくとも一部を表示領域12aに表示する。例えば、記憶回路24は空間1内の床下に配設された配管2の画像情報を画像メモリ領域(m、n)内に有しており、表示パネル12は、画像メモリ領域(m、n)に対応する画像情報の内、表示領域12aの画像メモリ領域(k、l)に対応する部分2aの画像情報を表示する。画像メモリ領域(m、n)は空間1内の位置に対応付けられており、表示パネル12の位置に基づいて表示領域12aの画像メモリ領域(k、l)に対応する画像情報を抽出し表示パネル12に供給する。表示情報は、例えば、コンピュータ22が有する送信回路26から表示パネル12の受信回路16に伝送することによって行われる。
【0025】
従って、画像表示システム100を用いると、ユーザが空間1内の床上に表示パネル12を配置すると、表示領域12aに対応する位置に配設されている配管2の画像2aが表示される。すなわち、ユーザが直接見ることができない、空間1内の位置に関連付けられた画像情報をその場で見ることができる。
【0026】
ここでは、記憶回路24に記憶されている画像情報(画像メモリ領域(m、n)が床下に配設された配管2の画像情報としたが、画像情報は壁や天井に近接した配置された配管の画像情報を含んでも良い。すなわち、ここで例示した画像メモリ領域(m、n)は、記憶回路24に記憶されている画像情報の一部であって、記憶回路24は、天井裏に配設された配管の画像情報に対応する他の画像メモリ領域(m’、n’)を記憶していても良い。表示パネル12が有する画像メモリ領域(k、l)に対応付ける画像メモリ領域を決定する過程で、表示パネル12の位置に応じて、画像メモリ領域(m、n)および(m’、n’)のいずれかを選択するようにすればよい。
【0027】
なお、一般的には、空間1内の表示パネル12の位置(例えば重心の位置)だけでは、表示領域12aの画像メモリ領域(k、l)と画像メモリ領域(m、n)との対応関係を特定できない。従って、位置検出システムは、表示パネル12の空間1内の配置(方向)を検出するシステムを含み、表示パネル12は、位置検出システムよって検出された位置および配置に応じて、画像情報の少なくとも一部を表示するように構成することが好ましい。表示パネル12の配置は、例えば、図1に示したように、表パネル12に複数の発信回路14を設け、それぞれの発信回路14から出射される信号に基づいて、複数の発信回路14の空間1内の位置を求めることによって決定される。勿論、画像情報の種類や用途などによっては、空間1内における表示パネル12の配置(方向)を予め決めておく等すれば、表示パネル12の位置だけで、画像メモリ領域(k、l)と画像メモリ領域(m、n)とを対応付けることができる。
【0028】
表示パネル12の画像メモリ領域(k、l)と画像メモリ領域(m、n)とを対応付ける際に、表示パネル12の解像度が影響する。特に、図1に模式的に示したように、配管2の画像2aを実寸表示する場合においては、表示パネル12の解像度に応じて画像メモリ領域(m、n)内の画像情報の一部を選択する(「間引く」を含む。)、あるいは、選択した画像情報を必要に応じて圧縮または伸張する機能を有する表示データ生成回路28を設けることが好ましい。
【0029】
また、位置検出システムが、表示パネル12の空間1内の位置および/または配置を所定の時間間隔で検出し、表示パネル12で表示する画像を所定の時間間隔毎に表示をリフレッシュするように構成すると、表示パネル12を空間1内で移動させながら、表示パネル12の位置に応じた画像を実時間で表示することもできる。図1に示した例では、表示パネル12を移動させながらリアルタイムで、床下に配設された配管2の画像2aを実寸で見ることができる。表示画像をリフレッシュするレート(周期)は、それぞれの用途に応じて適宜設定される。
【0030】
このように、本発明の実施形態の画像表示システム100によると、ユーザが見ることのできない画像情報をリアルタイムで、かつ実寸でみることができる。従って、配管の配置などをその場で確認することができるので、配管の修理などの作業を確実に行うことができる。画像表示システム100の表示パネル12で表示する画像情報は、勿論、配管の配置に限られず、配線などのユーティリティ設備の配置や、更には、空間内の電磁波強度の分布等の画像情報であってもよい。これらの画像情報は、空間1内の位置と対応付けられていれば良いが、空間1が屋外の場合など、絶対位置と関連付けられている画像情報であってもよい。勿論、空間(例えば部屋)1内の相対位置を絶対位置と関連付けても良い。空間内の相対位置は、簡単な演算によって絶対位置に関連付けられる。
【0031】
また、上記の例では、コンピュータ22の記憶回路24が画像情報を記憶し、表示すべき情報を表示パネル12に供給する構成を例示したが、記憶回路24(必要に応じて表示データ生成回路28)を表示パネル12に設け、コンピュータ22からは表示パネル12の位置情報のみを供給する構成にしてもよい。このような構成を採用すると、表示パネル12側で画像情報の処理を行うことができるので、画像処理に要する時間、すなわち画像表示のリフレッシュ時間が短縮され、よりスムーズな表示を行うことができる。
【0032】
また、記憶回路24は画像情報を常に記憶しておく必要はなく、他のホストコンピュータ(不図示)から必要に応じて画像情報を受取る構成としても良い。例えば、記憶回路24がユーザの要求に応じて、配線または配管の画像情報を受取り、記憶するようにできる。
【0033】
本実施形態の画像表示システム100は、上述のように空間内の位置に関連付けられた画像情報を表示するだけでなく、従来の表示装置として利用することもできる。すなわち、表示パネル12の位置に関わらず、画像情報を表示することもできる。例えば、画像情報の種類に応じて、および/またはユーザの選択によって、一般的な画像情報または位置に関連付けられた画像情報を表示するよう構成する。
【0034】
なお、画像表示システム100が表示する空間内の位置に関連付けられた画像情報の例として、その画像情報そのものが直接的に空間内の位置に関連付けられたものを例示(配管の画像情報)したが、間接的に空間内の位置に関連付けられた画像情報であってもよい。すなわち、画像情報そのものは空間内の位置に関係しない一般の画像情報(例えばビデオ映像)であっても、それが空間内の位置に関連付けられれば、ここでいう「空間内の位置に関連付けられた画像情報」に含まれる。この場合、空間1内で表示パネル12を移動すると、表示パネル12に表示されるビデオ映像の部分が変わるということになる。これは、投射型表示システムの投影映像に対してスクリーンを移動するのに似ている。表示パネル12を持っている手が揺れても映像は揺れない(ただし、所定の面から外れると画像自体が変化、あるいは非表示することがある)。
【0035】
また、画像表示システム100が有する表示パネル12は、上述した用途の適した、薄型軽量の表示パネルが好ましく、例えば、液晶表示パネル、有機EL表示パネル、FEDや電気泳動型表示パネルを好適に用いることができる。表示パネルのサイズは、例えば、8インチ〜10インチ程度である。また、表示パネル12とコンピュータ22とを一体としてもよい。特に、表示パネル12を構成する基板にコンピュータ22が有する回路の一部または全部を一体に形成したシステム表示パネルを用いることが好ましい。この場合、表示パネル12に通信回路を設け必要な画像情報は通信によって供給される構成を採用することが好ましい。
【0036】
図2は、本発明による他の実施形態の画像表示システムの構成を模式的に示している。
【0037】
この画像表示システムは、複数の表示パネル32とコンピュータ32とを有しており、複数の表示パネル32のそれぞれは図1に示した表示パネル12と実質的に同様にそれぞれの表示パネル32の空間1内の位置に応じて、リアルタイムで画像を実寸で表示する。複数の表示パネル32を用いることによって、大画面の表示を実現することができる。また、複数の表示パネル32の配置はユーザが自由に変えられるので、あたかもユーザが大画面の表示面の形状を自由に変えるかのように利用することができる。
【0038】
図2に示した画像表示システム100が有する位置検出システムは、空間(典型的には部屋)1に設けられたxセンサー36aとyセンサー36bと、複数の表示パネル32のそれぞれに設けられた発信回路(オシレータ)とを含み、個々の表示パネル32の発信回路から出射された信号(典型的には電磁波)をxセンサー36aとyセンサー36bが検出して、個々の表示パネル32の位置を検出する。検出された位置情報はコンピュータ32に送られ、その後は、図1に示した画像表示システム100と同様にして表示が行われる。
【0039】
上述した実施形態の画像表示システムは、部屋などの閉じられた空間内で利用されるが、本発明はこれに限られず、図3に模式的に示すように、屋外で利用できる画像表示システムを提供することもできる。例えば、空間内の位置に関連付けられた画像情報は、地中に埋設されたガス管の画像情報であって、ホストコンピュータ(不図示)の端末46aおよび46bが画像表示システム100のコンピュータ22と同様に機能し、表示パネル42にリアルタイムで実寸で配管の画像を表示することができる。端末46aおよび46bから供給される画像情報は、表示パネル42からの要求に応じて選択(ガス管情報/水道管情報)されるようにしてもよい。端末46aおよび46bとホストコンピュータとの情報の授受は電気通信回線を介して公知の技術で実行される。例えば、端末46aおよび46bを町中に所定の間隔で配置され、例えばガス管の工事などを現場でガス管の実寸画像を確認しながら行うことができるので、作業性の向上とともに安全性を向上することができる。
【0040】
ここで、図4(a)および(b)を参照しながら、複数の表示パネル52a〜52gを用いた場合の表示動作について説明する。
【0041】
複数の表示パネル52a〜52gを用いることによって、大画面の表示を実現することができる。また、複数の表示パネル52a〜52gの配置はユーザが自由に変えられるので、あたかもユーザが大画面の表示面の形状を自由に変えるかのように利用することができる。用いる表示パネル52の数を変えることによって、表示面の面積を変えることもできる。
【0042】
本発明の画像表示システムは、空間内の位置に関連付けられた画像情報を表示するので、例えば、特許文献1(特開平11−134087号公報)に記載されているタイリング可能な表示システムのように、複数の表示パネルが仮想的な大きな一枚の表示パネルとして機能するのではなく、それぞれの表示パネルがそれぞれの空間内の位置で、その位置に関連付けられた画像情報を表示する。
【0043】
本発明の画像表示システムは、図5(a)に示したように、複数の表示パネル52a〜52gの内の一部が互いに重なり合っても、画像は正常に表示される。すなわち、位置に関連付けられた画像情報の画像メモリ領域(m、n)は、空間に固定された画像(ただし、表示されていない場合もある)であり、複数の表示パネル52a〜52gは、それぞれの表示パネルの位置に応じて、それぞれの画像メモリ領域(k、l)a〜eに対応する画像メモリ領域(m、n)の部分を表示する。従って、複数の表示パネル52a〜52gの相対位置を画像メモリ領域(m、n)に対応する空間内で移動しても、表示される画像は同じである。
【0044】
例えば、図4(b)に示した場合において、表示パネル52aと表示パネル52bとを置き換えても、表示される画像は変化せず、例えば黒点は、表示パネル52aの位置に新たに配置された表示パネル52bによって表示されることになる。
【0045】
本発明の画像表示システムは、このような利用形態が可能なので、各表示パネル58a〜58gの表示領域の表面占有率(パネル額縁以外の表示領域の占める割合)はできるだけ大きいほうが好ましい。表示パネルを重ねたときに表示パネルの額縁が存在すると表示の一体感が損なわれるのを防止するために、額縁領域を可能な限り小さいことが好ましい。
【0046】
本発明の実施形態による画像表示システムにおいて、複数の表示パネルを用いる場合、例えば図2を参照して上述したように、個々の表示パネルの位置を個別に求める構成を採用しても良いが、以下に説明するように、メイン表示パネルとサブ表示パネルとで構成してもよい。メイン表示パネル(典型的には1枚)とサブ表示パネル(典型的には2枚以上)とを用いると、メイン表示パネルの空間内の位置を検出した後、メイン表示パネルとサブ表示パネルとの相対位置および相対配置を検出する相対位置検出システムによって、サブ表示パネルの空間内の位置および記配置をメイン表示パネルとの相対位置に基づいて検出することができるので、複数の表示パネルの位置を検出する工程を簡便に実行できるという利点が得られる。
【0047】
画像表示システムが有する複数の表示パネルを共通化し、そのうちの任意の一枚に、その位置および配置を検出するための発信回路を設けることによって、メイン表示パネルを特定してもよい。発信回路は表示パネルに着脱可能とすることが好ましい。あるいは、複数の表示パネルに発信回路を設けて共通化し、ユーザが選択した任意の一枚の表示パネルの発信回路の動作を選択的にON状態とすることによってメイン表示パネルを特定してもよい。メイン表示パネルとサブ表示パネルとの相対位置システムは電磁波(例えば赤外線)を利用してもよいし、磁界を利用してもよい。
【0048】
図5(a)および(b)を参照ながら、磁界を利用した相対位置検出システムの構成と動作を説明する。
【0049】
例えば、図5(a)に示すように、メイン表示パネル56aおよびサブ表示パネル56bの4隅+中央の5箇所に磁気画像および発生ユニットを含む磁場ユニット56を設け、メイン表示パネル56aによって、各サブ表示パネル56bの相対位置の磁場ユニット56からの磁場の強度に基づいて検出する。
【0050】
まず、メイン表示パネル56aの中央磁場ユニットから発生する磁場の強さをサブ表示パネル56bの中央磁場ユニットで検出することによりパネルの中央磁場ユニット間の距離が任意の値Dであることを検出する。
【0051】
サブ表示パネルのそれぞれの磁場ユニットは、メイン表示パネルの磁場ユニットを中心に半径Dの円を描く(図5(b)参照)。
【0052】
この場合、図にあるようにサブ表示パネルがメイン表示パネルの真上方にある場合、サブ表示パネルの左上と右上の磁場ユニットの磁場強度、左下と右下の磁場ユニットの磁場強度が同じ、かつ左下,右下磁場ユニットの強度が左上、右上の強度より大きい状態であることが検出できる。
【0053】
サブ表示パネルが真左にある場合は、サブ表示パネルの左上、左下磁場ユニットの強度、右上、右下磁場ユニットの強度が同じ、かつ左上、左下磁場ユニットにおける磁場強度が右上、右下磁場ユニットにおける磁場強度より大きい状態が検出できる。
【0054】
このように、サブ表示パネルの相対的な配置(方向)により各磁場ユニットの位置、強度はそれぞれ固有の値となる。これをもとに磁場強度だけの結果から方向を計算でき、サブ表示パネルのメイン表示パネルに対する相対位置を検出することが可能となる。
【0055】
なお、メイン表示パネルの空間内の位置は、図1の画像表示システム100と同様にして検出しても良い。あるいは、例えば、ミリ波発生ユニットを空間内に少なくとも3つ設置して、メイン表示パネルに設けた位置センサーによってその位置を検出してもよい。この場合、メイン表示パネルは画像表示システム100におけるコンピュータ22の機能を備えることが好ましい。もちろん、メイン表示パネルだけに限られず、サブ表示パネルにも位置センサーを設け、それぞのサブ表示パネルの位置を検出しても良いことは言うまでもない。
【0056】
【発明の効果】
本発明によると、携帯性に優れた表示パネルを利用した新規な画像表示システムが提供され、ユーザに新たな利便性が提供される。
【0057】
本発明の画像表示システムによりを用いることによって、例えば、コンピュータ上の大容量画像データを相対的に位置認識された小型パネルに無線により通信することにより小型パネルを並べて、大容量画像データ表示を容易に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態の画像表示システム100の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明による他の実施形態の画像表示システムを示す模式図である。
【図3】本発明によるさらに他の実施形態の画像表示システムを示す模式図である。
【図4】(a)および(b)は、本発明による実施形態の画像表示システムにおいて複数の表示パネルによる表示動作を説明するための模式図である。
【図5】(a)および(b)は、本発明による実施形態の画像表示システムにおいて、複数の表示パネルの相対位置を検出するシステムの構成および動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 空間
2 配管
2a 配管の画像
12 表パネル
14 発信回路
22 コンピュータ
24 位置検出回路
25 記憶回路
26 送信回路
28 表示データ生成回路
Claims (17)
- 少なくとも1つの表示パネルと、
前記少なくとも1つの表示パネルが配置される空間内の位置に関連付けられた画像情報を少なくとも一時的に記憶する記憶回路と、
前記少なくとも1つの表示パネルの前記空間内の位置を検出する位置検出システムとを有し、
前記少なくとも1つの表示パネルは、前記位置検出システムよって検出された前記空間内の前記位置に応じて、前記少なくとも1つの表示パネルに前記画像情報の少なくとも一部を表示する、画像表示システム。 - 前記位置検出システムは、前記少なくとも1つの表示パネルの前記空間内の配置を検出するシステムを含み、
前記少なくとも1つの表示パネルは、前記位置検出システムよって検出された前記位置および前記配置に応じて、前記少なくとも1つの表示パネルに前記画像情報の少なくとも一部を表示する、請求項1に記載の画像表示システム。 - 前記少なくとも1つの表示パネルの画像メモリ領域および解像度を識別し、前記画像情報を前記識別された画像メモリ領域および解像度に応じて、前記画像情報の少なくとも一部を前記少なくとも1つの表示パネルに供給する表示データ生成回路をさらに備える、請求項1または2に記載の画像表示システム。
- 前記表示データ生成回路は、前記識別された画像メモリ領域および解像度に応じて、前記画像情報の少なくとも一部を選択し、かつ、前記選択した画像情報を必要に応じて圧縮または伸張する、請求項3に記載の画像表示システム。
- 前記少なくとも1つの表示パネルは、前記画像情報の少なくとも一部を実寸で表示する、請求項1から4のいずれかに記載の画像表示システム。
- 前記位置検出システムは、前記空間内の前記位置および/または前記配置を所定の時間間隔で検出し、前記少なくとも1つの表示パネルは、前記所定の時間間隔毎に表示をリフレッシュする、請求項1から5のいずれかに記載の画像表示システム。
- 前記位置検出システムは、前記少なくとも1つの表示パネルに一体に設けられた少なくとも1つの発信回路と、前記表示パネルが配置される空間内に設けられ、前記少なくとも1つの発信回路から出射された信号に基づいて少なくとも前記空間内の位置を求める位置検出回路とを有する、請求項1から6のいずれかに記載の画像表示システム。
- 前記少なくとも1つの表示パネルは、メイン表示パネルと、サブ表示パネルとを含み、
前記メイン表示パネルに前記少なくとも1つの発信回路が一体に設けられており、かつ、前記サブ表示パネルと前記メイン表示パネルとの相対位置および相対配置を検出する相対位置検出システムをさらに有し、
前記サブ表示パネルの前記空間内の前記位置および前記配置は、前記メイン表示パネルとの相対位置に基づいて検出される、請求項7に記載の画像表示システム。 - 前記少なくとも1つの表示パネルは、複数の表示パネルであって、前記少なくとも1つの発信回路は前記複数の表示パネルのいずれにも着脱可能であり、前記少なくとも1つの発信回路が装着された表示パネルが前記メイン表示パネルとして機能する、請求項8に記載の画像表示システム。
- 前記相対位置検出システムは電磁波を利用して前記相対位置および前記相対配置を検出する、請求項8または9に記載の画像表示システム。
- 前記電磁波は赤外線である、請求項10に記載の画像表示システム。
- 前記相対位置検出システムは磁界を利用して前記相対位置および前記相対配置を検出する、請求項8または9に記載の画像表示システム。
- 前記少なくとも1つの表示パネルは、複数の表示パネルであって、
前記複数の表示パネルのそれぞれは、前記記憶回路を有し、かつ、前記位置検出システムよって検出された少なくとも前記空間内の位置に応じて前記画像情報から対応する部分を抽出して表示する、請求項1から12のいずれかに記載の画像表示システム。 - 前記空間内の位置に関連付けられた前記画像情報は、ユーザには見えない画像情報である、請求項1から13のいずれかに記載の画像表示システム。
- 前記画像情報は、前記空間内の絶対位置に関連付けられた画像情報である、請求項1から14のいずれかに記載の画像表示システム。
- 前記画像情報は、前記空間に近接して配置されている配管および/または配線の画像情報を含む、請求項15に記載の画像表示システム。
- 前記画像情報は、前記空間内の電磁波の強度分布を示す画像情報を含む、請求項15に記載の画像表示システム。
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