JP2004198008A - マイナスイオン供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】居室の湿度環境を損なうことなく、居室にマイナスイオンを充分供給可能となるマイナスイオン供給装置の提供。
【解決手段】マイナスイオンを居室内に吐出するイオン供給口11を居室の床4よりも天井5に近い高さに配置し、マイナスイオンのように軽く活性化された粒子のみがイオン供給口11に到達できるようにする。これにより、単なる水滴のように、重く活性化されていない粒子は、イオン供給口11に到達できなくなり、マイナスイオンの供給を行っても、居室の湿度が上昇せず、居室にマイナスイオンを充分に供給できるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】マイナスイオンを居室内に吐出するイオン供給口11を居室の床4よりも天井5に近い高さに配置し、マイナスイオンのように軽く活性化された粒子のみがイオン供給口11に到達できるようにする。これにより、単なる水滴のように、重く活性化されていない粒子は、イオン供給口11に到達できなくなり、マイナスイオンの供給を行っても、居室の湿度が上昇せず、居室にマイナスイオンを充分に供給できるようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、居室内にマイナスイオンを供給するためのマイナスイオン供給装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来から、マイナスイオンには、空気を浄化し、空気汚染を抑制する作用や、人体に取り入れられると、体質を改善して健康維持に好ましい作用等があることが知られている。
自然界では、水流が勢いよく衝突して飛散し、細かい水滴が連続的に発生している場所の空気に、マイナスイオンが多量に含まれていることが知られている。例えば、滝壷の近傍の空気には、マイナスイオンが多量に含まれている。
このマイナスイオンの発生原理を利用すれば、日常生活の中でもマイナスイオンが得られる。例えば、多量の水を滝のように落下させて硬い物体に衝突させる、若しくは、シャワー等を利用して細かい水滴を多量に発生させることにより、マイナスイオンを得ることができる。
【0003】
また、水中で超音波振動子を振動させれば、水面から細かい水滴が効率よく発生することが知られている。このような超音波振動子の特徴を利用すれば、簡単な装置でマイナスイオンを多量に発生させることができる。
しかしながら、超音波振動子を利用した装置では、有害なプラスイオンも多量に発生するので、マイナスイオン及びプラスイオンの両方が混在する空気から、プラスイオンを除去し、イオンとしてはマイナスイオンのみが含まれる空気を供給する湿気発生装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭54−66548号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述のような湿気発生装置では、そもそも湿気を発生させる装置なので、居室にマイナスイオンを充分に供給しようとすると、居室に供給される空気に、単なる水滴が多量に含まれることとなり、当該装置が空気を供給している居室の湿度を上昇させ、居室の湿度環境を損なうという問題がある。
そして、居室の湿度環境の悪化は、居室の壁等に結露を発生させる原因となる場合がある。
【0006】
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、居室の湿度環境を損なうことなく、居室にマイナスイオンを充分供給可能となるマイナスイオン供給装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0008】
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、居室内にマイナスイオンを供給するためのマイナスイオン供給装置(1)であって、ケース(10)の内部に形成されたイオン発生室(22)と、このイオン発生室(22)内に配置されるとともに水中で振動してマイナスイオンを発生させる超音波振動子(6)と、前記超音波振動子(6)が発生させたマイナスイオンを前記居室内に放出するために、前記イオン発生室(22)内へ空気を圧送する送風機(23)と、マイナスイオンを前記居室内に吐出するイオン供給口(11)とが設けられ、前記イオン供給口(11)が前記居室の床(4)よりも天井(5)に近い高さに配置されていることを特徴とする。
【0009】
(作用)
本発明によれば、イオン供給口(11)が高い位置に配置されているので、マイナスイオンのように軽く活性化された粒子のみがイオン供給口(11)に到達できる。一方、単なる水滴のように、重く活性化されていない粒子は、イオン供給口(11)に到達することができない。
このため、実際に居室に供給される空気には、単なる水滴が含まれず、当該装置(1)によりマイナスイオンの供給を行っても、居室の湿度が上昇しないので、居室にマイナスイオンを充分に供給することができるようになる。
【0010】
(請求項2)
(特徴点)
請求項2記載の発明は、前述した請求項1に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項2記載の発明は、流通する空気にマイナスイオンを発生させるトルマリンフィルタ(24)を備え、前記イオン発生室(22)よりも下流側に前記トルマリンフィルタ(24)が配置されていることを特徴とする。
【0011】
(作用)
本発明によれば、トルマリンフィルタ(24)をイオン発生室(22)に隣接配置する等により、イオン発生室(22)で発生した細かい水滴が、トルマリンフィルタ(24)側に圧送され、トルマリンフィルタ(24)に衝突して、マイナスイオン化されるので、居室に供給される空気に含まれるマイナスイオンの含有量が増加され、当該マイナスイオン供給装置(1)の効率が向上する。
なお、イオン発生室(22)やトルマリンフィルタ(24)で発生したプラスイオンは、簡単な構造のステンレスメッシュフィルタ(26)等で容易に除去できるので、イオンとして、マイナスイオンのみが含まれる空気を居室へ供給することが可能となるので、有害なプラスイオンを居室から除去できるようになる。
【0012】
(請求項3)
(特徴点)
請求項3記載の発明は、前述した請求項1又は2記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項3記載の発明は、前記超音波振動子(6)とともに水を内部に収納する水収納部(27)と、この水収納部(27)に水を供給する水供給手段(15)と、前記水収納部(27)の内部に収納された水の水位を制御する水位制御手段とが設けられ、前記水収納部(27)に水が自動供給されるようになっていることを特徴とする。
【0013】
(作用)
本発明によれば、水の自動供給により、運転中に水が不足して運転が中断することがなくなるので、長時間の連続運転が可能となるうえ、使用者が水の補給や交換を行う必要がないので、煩わしい水の補給作業や交換作業から使用者を開放できるようになる。
【0014】
(請求項4)
(特徴点)
請求項4記載の発明は、前述した請求項3記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項4記載の発明は、前記水供給手段として、水道水を前記水収納部(27)まで導く水道管(15)を採用し、前記水位制御手段として、前記水道管(15)に接続された自動開閉弁(31)と、前記水収納部(27)の内部に収納された水の水位を検出する水位センサ(40)とを備えたものを採用したことを特徴とする。
【0015】
(作用)
本発明によれば、ボールタップ等の機械式水位制御手段が採用できない程、水収納部(27)が浅くても、水収納部(27)には、常に所定の範囲に水位が保持されるように制御できるので、水収納部(27)の容積を小さくでき、且つ、浅くしても何ら問題が生じない。そして、水収納部(27)の容積を小さくすることにより、水の回転率が向上するので、水収納部(27)に収納されている水は、常に新鮮なものとなる。
このため、水収納部(27)に収納されている水が腐敗したり、レジオネラ菌等の細菌が繁殖する可能性が著しく低減されるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1ないし図5は、本発明の実施の一形態を示すものである。図1は、本実施形態の全体を示す斜視図、図2は、本実施形態に係るマイナスイオン供給装置を示す一部破断した正面図、図3は、本実施形態に係るマイナスイオン発生部を示す縦断面図、図4は、本実施形態に係るマイナスイオン発生部の要部を示す拡大断面図、図5は、図1のV−V線における拡大断面図である。
【0017】
本実施形態に係るマイナスイオン供給装置1は、図1に示すように、住宅内の居室に移動不可能に設けられた作り付け家具2に一体化されたものであり、その一部が居室の壁3の内部に内蔵されている。
ここで、家具2としては、背の低い本棚として利用可能なキャビネット等が採用できる。そして、家具2の一部である筐体10は、マイナスイオン供給装置1のケースとなっている。
【0018】
筐体10の下半部である基部10A は、家具2に応じた奥行き寸法を有し、その前面が家具2の本体前面と同一面となっている。
また、筐体10の上半部である上方延出部10B は、壁3の厚さに応じた奥行き寸法を有し、壁3の内部に隠蔽されている。上方延出部10B の上端部は、床4よりも天井5に近い高さ位置まで延びている。
【0019】
また、壁3には、マイナスイオン供給装置1が生成したマイナスイオンを居室内に吐出するイオン供給口11と、居室内の空気をマイナスイオン供給装置1へ取り込むための空気取入口12とが開口されている。イオン供給口11及び空気取入口12は、両方とも床4よりも天井5に近い高さ位置に配置されている。
【0020】
ここで、マイナスイオン供給装置1は、水中に配置された超音波振動子6を振動させることにより、マイナスイオンを発生させるマイナスイオン発生部20を備えている。
【0021】
すなわち、マイナスイオン供給装置1には、図2に示すように、超音波振動子6でマイナスイオンを発生するマイナスイオン発生部20と、このマイナスイオン発生部20の動作を制御する制御装置50とが設けられている。
これらマイナスイオン発生部20及び制御装置50は、筐体10の基部10A に内蔵されている。
このうち、マイナスイオン発生部20には、イオン供給ダクト13及び空気取入ダクト14、並びに、給水管15及び排水管16が接続されている。
制御装置50は、マイナスイオン発生部20の電源を兼用しており、且つ、マイナスイオン発生部20とは離間して設置されている。これにより、制御装置50が発生する熱がマイナスイオン発生部20に到達せず、マイナスイオン発生部20内に収納される水の温度上昇が抑制され、水の温度上昇による悪影響が回避されるようになっている。
【0022】
イオン供給ダクト13は、イオン供給口11までマイナスイオンを含む空気を導くフレキシブルホースである。このイオン供給ダクト13は、マイナスイオン発生部20から上方へ延び、筐体10の上方延出部10B を通ってイオン供給口11まで達している。そして、イオン供給ダクト13の先端部分には、イオン供給口11との接続を行うための接続用ダクト13A が設けられている。この接続用ダクト13A は、中間部分がL字形に折れ曲がった筒状のものとなっている。この接続用ダクト13A の内部には、後述する2次トルマリンフィルタ28が収納されている。
【0023】
空気取入ダクト14は、マイナスイオン発生部20まで居室内の空気を導くフレキシブルホースである。この空気取入ダクト14は、イオン供給ダクト13と同様に、マイナスイオン発生部20から上方へ延び、筐体10の上方延出部10B を通って空気取入口12まで達している。そして、空気取入ダクト14の先端部分には、空気取入口12との接続を行うための接続用ダクト14A が設けられている。この接続用ダクト14A は、接続用ダクト13A と同様に、中間部分がL字形に折れ曲がった筒状のものとなっている。
【0024】
給水管15は、上水道の水をマイナスイオン発生部20まで導くものであり、上水道管とマイナスイオン発生部20とを相互に接続している。給水管15の一部を構成する管として、ステンレスメッシュ管等のフレキシブル耐圧管15A が採用されている。
排水管16は、マイナスイオン発生部20から排水すべき水を下水道まで導くものであり、下水道管とマイナスイオン発生部20とを相互に接続している。排水管16の一部を構成する管として、給水管15と同様に、ステンレスメッシュ管等のフレキシブル耐圧管16A が採用されている。
【0025】
また、マイナスイオン発生部20は、箱状に形成されたインナーケース21を備えている。このインナーケース21の内部には、マイナスイオンを発生させるためのイオン発生室22が形成されている。イオン発生室22の内部には、前述の超音波振動子6が配置されており、このイオン発生室22で、インナーケース21の内部を流通する空気にマイナスイオンが混合されるようになっている。
さらに、インナーケース21には、図3にも示すように、送風機23と、1次トルマリンフィルタ24と、活性炭フィルタ25と、ステンレスメッシュフィルタ26とが内蔵されている。そして、空気の流れに対して、イオン発生室22よりも上流側に送風機23が配置され、イオン発生室22よりも下流側に、1次トルマリンフィルタ24及びステンレスメッシュフィルタ26が順次配置されている。
【0026】
ここで、イオン発生室22の底部分は、水を内部に収納する水収納部27となっている。水収納部27の内部には、収納された水の中に浸かるように、超音波振動子6が配置されている。これにより、超音波振動子6が水中で振動して、細かい水滴を発生させ、これにより、マイナスイオンを発生させるようになっている。
なお、図2に示す如く、筐体10の内部にインナーケース21が配置され、これにより、イオン発生室22は、筐体10の内部、すなわち、ケースの内部に配置されることとなっている。
【0027】
送風機23は、図3に示すように、超音波振動子6の動作により発生したマイナスイオンを居室内に放出するために、イオン発生室22内へ空気を圧送するものである。また、送風機23は、インナーケース21に対して着脱可能に設けられ、これにより、交換作業が容易且つ迅速に行えるようになっている。
【0028】
1次トルマリンフィルタ24は、ステンレススチール製のカートリッジに、トルマリンを収納したものであり、図4にも示すように、イオン発生室22に隣接して配置されている。
ここで、イオン発生室22の超音波振動子6の振動により発生した水柱及び微細な水滴は、1次トルマリンフィルタ24に衝突して破砕され、これにより、レナード効果が得られるようになっている。このレナード効果により、マイナスイオン及びプラスイオンが発生し、イオン発生室22でマイナスイオンが混合された空気に、更にマイナスイオン及びプラスイオンが混合されるようになっている。
そして、1次トルマリンフィルタ24のトルマリンの吸着効果により、更にマイナスイオン及びプラスイオンが混合された空気から埃が除去され、居室の空気清浄が行われるようになっている。
また、1次トルマリンフィルタ24のトルマリンの除湿効果により、居室の湿度が抑制されるようになっている。
なお、1次トルマリンフィルタ24は、カートリッジ化されているので、その交換作業が容易且つ迅速に行えるようになっている。
【0029】
ステンレスメッシュフィルタ26は、プラスイオン及び水蒸気の通過を阻止し、その内部を流通する空気からプラスイオン及び水蒸気を除去するものとなっている。これにより、居室のプラスイオン濃度及び湿度が低下されるようになっている。
また、ステンレスメッシュフィルタ26は、洗浄作業が容易に行えるように、インナーケース21に対して着脱可能となっている。
【0030】
活性炭フィルタ25は、箱状に形成されたカートリッジに、活性炭を収納したものであり、給水管15の先端に設けられた水道水の吐出口15B の下方において、吐出口15B と水収納部27との間に配置されている。この活性炭フィルタ25により、給水管15から水収納部27へ供給される水道水から塩素成分が除去され、居室内に塩素が飛び散らないようになっている。
なお、活性炭フィルタ25は、1次トルマリンフィルタ24と同様に、カートリッジ化され、その交換作業が容易且つ迅速に行えるようになっている。
【0031】
図5に示すように、接続用ダクト13A の内部には、前述した2次トルマリンフィルタ28が収納されている。2次トルマリンフィルタ28は、1次トルマリンフィルタ24と同様に、ステンレススチール製のカートリッジに、トルマリンを収納したものである。
そして、2次トルマリンフィルタ28のトルマリンの吸着効果により、居室へ供給しようとしている空気から埃が除去され、居室の空気清浄が行われるようになっている。
また、2次トルマリンフィルタ24のトルマリンの除湿効果により、居室の湿度が抑制されるようになっている。2次トルマリンフィルタ24による除湿により生じた水滴29は、イオン供給ダクト13を通って、マイナスイオン発生部20に戻されるようになっている。
なお、2次トルマリンフィルタ28は、1次トルマリンフィルタ24と同様に、カートリッジ化されているので、その交換作業が容易且つ迅速に行えるようになっている。
【0032】
次に、図2及び図3を参照しながら、水収納部27に水を供給する水供給手段、水収納部27の内部に収納された水の水位を制御する水位制御手段、及び、水収納部27から水を排水する排水手段について説明する。
【0033】
本実施形態では、水供給手段として、前述の給水管15が採用されている。この給水管15の途中には、手動式ストップ弁30及び自動開閉弁としての電磁弁31が上流側から順次設けられている。手動式ストップ弁30のハンドル30A を回転操作して手動式ストップ弁30を閉鎖すれば、強制的に給水を止められるようになっている。これにより、電磁弁31等の水廻り部品を取り外しても、水道水が噴出しないようになっており、マイナスイオン発生部20の修理や部品交換が容易に行えるようになっている。
【0034】
本実施形態では、排水手段として、前述の排水管16が採用されている。この排水管16は、マイナスイオン発生部20側の端部が二つに分岐し、一方が通常の排水口32に接続された強制排水管33とされ、他方がオーバーフロー排水口34に接続されたオーバーフロー排水管35となっている。
ここで、水収納部27の底面27A には、水勾配が設けられ、排水口32は、底面27A の最も低い位置に設けられている。オーバーフロー排水口34は、水収納部27の側面27B に設けられ、超音波振動子6の頂部よりも所定寸法高い位置に配置されている。
そして、強制排水管33の途中には、手動式強制排水弁36が接続されている。手動式強制排水弁36のハンドル36A を回転操作して手動式強制排水弁36を開放すれば、水収納部27内の水を完全に抜くことが可能となっている。これにより、水収納部27の清掃が容易に行えるようになっている。
【0035】
水位制御手段は、前述の給水管15に接続された電磁弁31と、水収納部27の内部に収納された水の水位を検出する水位センサ40と、水位センサ40からの信号に基づき電磁弁31を制御する制御回路(図示略)とを備えたものとなっている。
【0036】
このうち、水位センサ40としては、長さの異なる3本の電極棒41〜43が採用されている。すなわち、水位センサ40は、下端が最も底面27A に近い位置にある共通電極棒41と、下端が超音波振動子6の頂部よりも若干高い位置にある下限検出電極棒42と、下端が最も底面27A から遠い位置にある上限検出電極棒43とを有している。
【0037】
制御回路は、マイナスイオン発生部20の上方に配置された制御装置50の内部に設けられたものであり、マイクロコンピュータを含んで構成されている。この制御回路は、水収納部27の水面位置が下限検出電極棒42の下端まで下がると、電磁弁31を開き、水収納部27の水面位置が上限検出電極棒43の下端まで上がると、電磁弁31を閉じるように制御を行うものとなっている。
換言すれば、制御回路は、下限検出電極棒42の下端よりも若干下方の位置と、上限検出電極棒43の下端よりも若干上方の位置との間に、水面が常に存在するように、電磁弁31の制御を行うものとなっている。
ここで、上限検出電極棒43の下端位置は、通常の制御動作において、水収納部27に確保される最大水量が、電磁弁31の動作回数が過度に多くならない最小限の水量となるように設定されている。
【0038】
また、制御回路は、電磁弁31を閉じると、タイマーを起動し、電磁弁31を閉じた時点から経過した時間を計測する機能を備えている。そして、電磁弁31を閉じてから、所定の時間が経過すると、電磁弁31を開いて水を水収納部27に供給し、古い水をオーバーフロー排水口34へ捨てて、新しい水に入れ換える動作を行うように設定されている。これにより、水の腐敗や、レジオネラ菌等の細菌の繁殖が未然に防止されるようになっている。
【0039】
このような制御回路を含んだ制御装置50は、上述のような自動給水動作を制御するとともに、マイクロコンピュータにより、送風機23の送風動作も自動制御するようになっている。
このような制御装置50は、マイコン制御により、自動給水及び自動送風をきめ細かくコントロールし、タイマーとの連動により、休止をはさみ、連続運転が可能となり、清浄化された空気及びマイナスイオンを連続して居室に供給可能となっている。これにより、プラスイオンや有害物質の中和が促進され、これによる健康促進の実行が図れるようになる。
また、制御装置50のプログラムは、使用者の細かな要望に応えられるように、適宜追加・変更することが可能となっている。
【0040】
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、居室の床4よりも天井5に近い高さ位置に、イオン供給口11を配置し、マイナスイオンのように軽く活性化された粒子のみがイオン供給口11に到達できるようにし、単なる水滴のように、重く活性化されていない粒子が、イオン供給口11に到達できないようにしたので、実際に居室に供給される空気に、単なる水滴が含まれないようになり、マイナスイオン供給装置1でマイナスイオンを供給しても、居室の湿度が上昇しないので、居室にマイナスイオンを充分に供給することができる。
【0041】
また、イオン発生室22の下流側に1次トルマリンフィルタ24を隣接させて設けたので、イオン発生室22で発生した細かい水滴が、1次トルマリンフィルタ24側に圧送され、1次トルマリンフィルタ24に衝突して、マイナスイオン化されるようになり、居室に供給される空気に含まれるマイナスイオンの含有量を増加でき、マイナスイオン供給装置1の効率を向上することができる。
【0042】
さらに、イオン発生室22及び1次トルマリンフィルタ24の下流側にステンレスメッシュフィルタ26を設け、イオン発生室22や1次トルマリンフィルタ24で発生したプラスイオンや湿気をステンレスメッシュフィルタ26で除去するようにしたので、イオンとして、マイナスイオンのみが含まれる空気を居室へ供給することが可能となり、有害なプラスイオンを居室から除去できるうえ、湿気が除去されるので、この点からも、居室の湿度上昇を防止できる。
【0043】
また、水収納部27に水が自動供給されるようにしたので、運転中に水が不足して運転が中断することがなくなり、長時間の連続運転を実施することができるうえ、使用者が水の補給や交換を行う必要がないので、煩わしい水の補給作業や交換作業から使用者を開放することができる。
【0044】
さらに、水収納部27の水位を制御する水位制御手段に、給水管15に接続された電磁弁31と、水収納部27の内部に収納された水の水位を検出する水位センサ40とを設けたので、ボールタップ等の機械式水位制御手段が採用できない程、水収納部27が浅くても、常に所定の範囲に水位が保持されるように制御を行うことができる。
このため、水収納部27の容積を小さく、且つ、浅くすることができ、水収納部27の容積を小さくすることにより、水の回転率が向上するので、毎日運転することにより、水収納部27に収納されている水を、常に新鮮なものにすることができる。
また、電磁弁31を閉じた時点から経過した時間を、制御回路で計測し、電磁弁31を閉じてから、所定の時間が経過すると、電磁弁31を開いて水を水収納部27に供給し、古い水をオーバーフロー排水口34へ捨てて、新しい水に入れ換える動作を行うようにしたので、長期間運転を休止しても、水収納部27に収納されている水を、常に新鮮なものにすることができる。
このため、水収納部27に収納されている水の腐敗や、レジオネラ菌等の細菌の繁殖を防止することができる。
【0045】
【実施例】
次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づいて説明する。
本実施例は、前記実施形態に基づいたマイナスイオン供給装置1を利用して、実際に居室にマイナスイオンを供給しながら、当該居室のマイナスイオン濃度、温度及び湿度を計測する実験である。
ここで、マイナスイオン濃度は、1立方センチメーター当りの個数(×1000個/cc)で示すこととする。また温度は、摂氏(℃)で示すこととする。さらに湿度は、相対湿度(RH%)で示すこととする。
本実施例のマイナスイオン供給装置1は、送風機23のモータとして、市販のDCモーター(山洋電気株式会社製、型番:109W1212H102)を備えるとともに、超音波振動子6を有するユニット(霧化ユニット)として、(TDK株式会社製、型番:NB-514S-01-0)を備えたものを採用する。
【0046】
また、実験を行う居室としては、図6に示すように、奥行き寸法Dが3m、幅寸法Wが4m、高さ寸法Hが2.4mの部屋7を採用した。そして、この部屋7の図6中左上の角隅にマイナスイオン供給装置1を配置し、部屋7の図6中左上の角隅にベッド8を配置し、ベッド8の図6中下側にマイナスイオン濃度、温度及び湿度を自動計測する測定器9を配置した。
なお、測定器9としては、(アンデス電気株式会社製、型番:ITC-201A)を採用した。
【0047】
また、マイナスイオン供給装置1のイオン供給口11及び空気取入口12は、両方とも床から1.8mの高さ位置に配置した。
一方、測定器9のサンプル空気の取り入れ口は、床から0.45mの高さ位置に配置した。
【0048】
〔実験結果〕
図7〜図10には、それぞれ異なる時刻範囲の測定結果が示されている。なお、図7〜図10の各々において、実線、破線及び一点鎖線は、それぞれマイナスイオン濃度、温度及び湿度を示している。
具体的には、図7に示される第1時刻範囲は、実験開始、すなわち、マイナスイオン供給装置1を起動してから20分が経過するまでの実験結果を示す。
図8に示される第2時刻範囲は、第1時刻範囲が完了してから次の20分が経過するまでの実験結果を示す。
図9に示される第3時刻範囲は、第2時刻範囲が完了してから次の20分が経過するまでの実験結果を示す。
図10に示される第4時刻範囲は、第3時刻範囲が完了してから次の20分が経過するまでの実験結果を示す。
【0049】
また、第1時刻範囲においては、マイナスイオン濃度、温度及び湿度の平均値が、それぞれ0.63(×1000個/cc)、17.59℃及び31.24RH%となった。
第2時刻範囲においては、マイナスイオン濃度、温度及び湿度の平均値が、それぞれ2.15(×1000個/cc)、19.92℃及び33.87RH%となった。
第3時刻範囲においては、マイナスイオン濃度、温度及び湿度の平均値が、それぞれ2.84(×1000個/cc)、21.24℃及び35.12RH%となった。
第4時刻範囲においては、マイナスイオン濃度、温度及び湿度の平均値が、それぞれ3.39(×1000個/cc)、22.12℃及び33.90RH%となった。
【0050】
以上のような実験結果から、マイナスイオン供給装置1を起動してから約1時間が経過すると、マイナスイオン濃度が3.4(×1000個/cc)程度の値となって安定することが判る。また、マイナスイオン濃度が上昇しても、湿度が著しく上昇することがないことが判った。
【0051】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良などをも含むものである。
例えば、自動開閉弁としては、電磁弁に限らず、電動機により開閉駆動される電動弁や、空気の圧力で動作するエアモータにより開閉駆動される自動開閉弁でもよく、要するに、アクチュエータを備えて、外部から与えられる信号に基づいて自力で開閉動作する弁であればよい。
また、水位センサとしては、電極棒に限らず、フロートスイッチや、圧力センサを利用したものでもよく、水位センサの具体的な種類や構造は、実施にあたり適宜選択できる。
【0052】
さらに、居室内の空気をマイナスイオン供給装置へ取り込むための空気取入口としては、床よりも天井に近い高さ位置に設けられたものに限らず、床及び天井の両方と等距離になるように設けられた空気取入口、又は、天井よりも床に近い高さ位置に設けられた空気取入口でもよい。
さらに、1次トルマリンフィルタ及び2次トルマリンフィルタとしては、ステンレススチール製のカートリッジに、トルマリンを収納したものに限らず、表面にステンレススチール製の薄板が貼り付けられた合成樹脂製のカートリッジに、トルマリンを収納したトルマリンフィルタでもよい。
【0053】
【発明の効果】
(請求項1の効果)
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1の効果)
請求項1記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、イオン供給口が高い位置に配置されているので、マイナスイオンのように軽く活性化された粒子のみがイオン供給口に到達できる。一方、単なる水滴のように、重く活性化されていない粒子は、イオン供給口に到達することができない。
このため、実際に居室に供給される空気には、単なる水滴が含まれず、当該装置によりマイナスイオンの供給を行っても、居室の湿度が上昇しないので、居室にマイナスイオンを充分に供給することができる。
【0054】
(請求項2の効果)
請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項2記載の発明によれば、トルマリンフィルタをイオン発生室に隣接配置する等により、イオン発生室で発生した細かい水滴が、トルマリンフィルタ側に圧送され、トルマリンフィルタに衝突して、マイナスイオン化されるので、居室に供給される空気に含まれるマイナスイオンの含有量が増加され、当該マイナスイオン供給装置の効率を向上することができる。
なお、イオン発生室やトルマリンフィルタで発生したプラスイオンは、簡単な構造のステンレスメッシュフィルタ等で容易に除去できるので、イオンとして、マイナスイオンのみが含まれる空気を居室へ供給することが可能となるので、有害なプラスイオンを居室から除去できる。
【0055】
(請求項3の効果)
請求項3記載の発明によれば、上記した請求項1又は2記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項3記載の発明によれば、水の自動供給により、運転中に水が不足して運転が中断することがなくなるので、長時間の連続運転を行うことができるうえ、使用者が水の補給や交換を行う必要がないので、煩わしい水の補給作業や交換作業から使用者を開放できる。
【0056】
(請求項4の効果)
請求項4記載の発明によれば、上記した請求項3記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項4記載の発明によれば、ボールタップ等の機械式水位制御手段が採用できない程、水収納部が浅くても、水収納部には、常に所定の範囲に水位が保持されるように制御できるので、水収納部の容積を小さくでき、且つ、浅くしても何ら問題が生じない。そして、水収納部の容積を小さくすることにより、水の回転率が向上するので、水収納部に収納されている水は、常に新鮮なものとなる。
このため、水収納部に収納されている水が腐敗したり、レジオネラ菌等の細菌が繁殖する可能性を著しく低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の全体を示す斜視図である。
【図2】前記実施形態のマイナスイオン供給装置を示す一部破断した正面図である。
【図3】前記実施形態に係るマイナスイオン発生部を示す縦断面図である。
【図4】前記実施形態に係るマイナスイオン発生部の要部を示す拡大断面図である。
【図5】図1のV−V線における拡大断面図である。
【図6】本発明の実施例で採用した居室の平面図である。
【図7】前記実施例の第1時刻範囲における実験結果を示すグラフである。
【図8】前記実施例の第2時刻範囲における実験結果を示すグラフである。
【図9】前記実施例の第3時刻範囲における実験結果を示すグラフである。
【図10】前記実施例の第4時刻範囲における実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 マイナスイオン供給装置
4 床
5 天井
6 超音波振動子
10 ケースとしての筐体
11 イオン供給口
15 水供給手段としての給水管
22 イオン発生室
23 送風機
24 トルマリンフィルタ
27 水収納部
31 水位制御手段を構成する自動開閉弁としての電磁弁
40 水位制御手段を構成する水位センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、居室内にマイナスイオンを供給するためのマイナスイオン供給装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来から、マイナスイオンには、空気を浄化し、空気汚染を抑制する作用や、人体に取り入れられると、体質を改善して健康維持に好ましい作用等があることが知られている。
自然界では、水流が勢いよく衝突して飛散し、細かい水滴が連続的に発生している場所の空気に、マイナスイオンが多量に含まれていることが知られている。例えば、滝壷の近傍の空気には、マイナスイオンが多量に含まれている。
このマイナスイオンの発生原理を利用すれば、日常生活の中でもマイナスイオンが得られる。例えば、多量の水を滝のように落下させて硬い物体に衝突させる、若しくは、シャワー等を利用して細かい水滴を多量に発生させることにより、マイナスイオンを得ることができる。
【0003】
また、水中で超音波振動子を振動させれば、水面から細かい水滴が効率よく発生することが知られている。このような超音波振動子の特徴を利用すれば、簡単な装置でマイナスイオンを多量に発生させることができる。
しかしながら、超音波振動子を利用した装置では、有害なプラスイオンも多量に発生するので、マイナスイオン及びプラスイオンの両方が混在する空気から、プラスイオンを除去し、イオンとしてはマイナスイオンのみが含まれる空気を供給する湿気発生装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭54−66548号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述のような湿気発生装置では、そもそも湿気を発生させる装置なので、居室にマイナスイオンを充分に供給しようとすると、居室に供給される空気に、単なる水滴が多量に含まれることとなり、当該装置が空気を供給している居室の湿度を上昇させ、居室の湿度環境を損なうという問題がある。
そして、居室の湿度環境の悪化は、居室の壁等に結露を発生させる原因となる場合がある。
【0006】
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、居室の湿度環境を損なうことなく、居室にマイナスイオンを充分供給可能となるマイナスイオン供給装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0008】
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、居室内にマイナスイオンを供給するためのマイナスイオン供給装置(1)であって、ケース(10)の内部に形成されたイオン発生室(22)と、このイオン発生室(22)内に配置されるとともに水中で振動してマイナスイオンを発生させる超音波振動子(6)と、前記超音波振動子(6)が発生させたマイナスイオンを前記居室内に放出するために、前記イオン発生室(22)内へ空気を圧送する送風機(23)と、マイナスイオンを前記居室内に吐出するイオン供給口(11)とが設けられ、前記イオン供給口(11)が前記居室の床(4)よりも天井(5)に近い高さに配置されていることを特徴とする。
【0009】
(作用)
本発明によれば、イオン供給口(11)が高い位置に配置されているので、マイナスイオンのように軽く活性化された粒子のみがイオン供給口(11)に到達できる。一方、単なる水滴のように、重く活性化されていない粒子は、イオン供給口(11)に到達することができない。
このため、実際に居室に供給される空気には、単なる水滴が含まれず、当該装置(1)によりマイナスイオンの供給を行っても、居室の湿度が上昇しないので、居室にマイナスイオンを充分に供給することができるようになる。
【0010】
(請求項2)
(特徴点)
請求項2記載の発明は、前述した請求項1に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項2記載の発明は、流通する空気にマイナスイオンを発生させるトルマリンフィルタ(24)を備え、前記イオン発生室(22)よりも下流側に前記トルマリンフィルタ(24)が配置されていることを特徴とする。
【0011】
(作用)
本発明によれば、トルマリンフィルタ(24)をイオン発生室(22)に隣接配置する等により、イオン発生室(22)で発生した細かい水滴が、トルマリンフィルタ(24)側に圧送され、トルマリンフィルタ(24)に衝突して、マイナスイオン化されるので、居室に供給される空気に含まれるマイナスイオンの含有量が増加され、当該マイナスイオン供給装置(1)の効率が向上する。
なお、イオン発生室(22)やトルマリンフィルタ(24)で発生したプラスイオンは、簡単な構造のステンレスメッシュフィルタ(26)等で容易に除去できるので、イオンとして、マイナスイオンのみが含まれる空気を居室へ供給することが可能となるので、有害なプラスイオンを居室から除去できるようになる。
【0012】
(請求項3)
(特徴点)
請求項3記載の発明は、前述した請求項1又は2記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項3記載の発明は、前記超音波振動子(6)とともに水を内部に収納する水収納部(27)と、この水収納部(27)に水を供給する水供給手段(15)と、前記水収納部(27)の内部に収納された水の水位を制御する水位制御手段とが設けられ、前記水収納部(27)に水が自動供給されるようになっていることを特徴とする。
【0013】
(作用)
本発明によれば、水の自動供給により、運転中に水が不足して運転が中断することがなくなるので、長時間の連続運転が可能となるうえ、使用者が水の補給や交換を行う必要がないので、煩わしい水の補給作業や交換作業から使用者を開放できるようになる。
【0014】
(請求項4)
(特徴点)
請求項4記載の発明は、前述した請求項3記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項4記載の発明は、前記水供給手段として、水道水を前記水収納部(27)まで導く水道管(15)を採用し、前記水位制御手段として、前記水道管(15)に接続された自動開閉弁(31)と、前記水収納部(27)の内部に収納された水の水位を検出する水位センサ(40)とを備えたものを採用したことを特徴とする。
【0015】
(作用)
本発明によれば、ボールタップ等の機械式水位制御手段が採用できない程、水収納部(27)が浅くても、水収納部(27)には、常に所定の範囲に水位が保持されるように制御できるので、水収納部(27)の容積を小さくでき、且つ、浅くしても何ら問題が生じない。そして、水収納部(27)の容積を小さくすることにより、水の回転率が向上するので、水収納部(27)に収納されている水は、常に新鮮なものとなる。
このため、水収納部(27)に収納されている水が腐敗したり、レジオネラ菌等の細菌が繁殖する可能性が著しく低減されるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1ないし図5は、本発明の実施の一形態を示すものである。図1は、本実施形態の全体を示す斜視図、図2は、本実施形態に係るマイナスイオン供給装置を示す一部破断した正面図、図3は、本実施形態に係るマイナスイオン発生部を示す縦断面図、図4は、本実施形態に係るマイナスイオン発生部の要部を示す拡大断面図、図5は、図1のV−V線における拡大断面図である。
【0017】
本実施形態に係るマイナスイオン供給装置1は、図1に示すように、住宅内の居室に移動不可能に設けられた作り付け家具2に一体化されたものであり、その一部が居室の壁3の内部に内蔵されている。
ここで、家具2としては、背の低い本棚として利用可能なキャビネット等が採用できる。そして、家具2の一部である筐体10は、マイナスイオン供給装置1のケースとなっている。
【0018】
筐体10の下半部である基部10A は、家具2に応じた奥行き寸法を有し、その前面が家具2の本体前面と同一面となっている。
また、筐体10の上半部である上方延出部10B は、壁3の厚さに応じた奥行き寸法を有し、壁3の内部に隠蔽されている。上方延出部10B の上端部は、床4よりも天井5に近い高さ位置まで延びている。
【0019】
また、壁3には、マイナスイオン供給装置1が生成したマイナスイオンを居室内に吐出するイオン供給口11と、居室内の空気をマイナスイオン供給装置1へ取り込むための空気取入口12とが開口されている。イオン供給口11及び空気取入口12は、両方とも床4よりも天井5に近い高さ位置に配置されている。
【0020】
ここで、マイナスイオン供給装置1は、水中に配置された超音波振動子6を振動させることにより、マイナスイオンを発生させるマイナスイオン発生部20を備えている。
【0021】
すなわち、マイナスイオン供給装置1には、図2に示すように、超音波振動子6でマイナスイオンを発生するマイナスイオン発生部20と、このマイナスイオン発生部20の動作を制御する制御装置50とが設けられている。
これらマイナスイオン発生部20及び制御装置50は、筐体10の基部10A に内蔵されている。
このうち、マイナスイオン発生部20には、イオン供給ダクト13及び空気取入ダクト14、並びに、給水管15及び排水管16が接続されている。
制御装置50は、マイナスイオン発生部20の電源を兼用しており、且つ、マイナスイオン発生部20とは離間して設置されている。これにより、制御装置50が発生する熱がマイナスイオン発生部20に到達せず、マイナスイオン発生部20内に収納される水の温度上昇が抑制され、水の温度上昇による悪影響が回避されるようになっている。
【0022】
イオン供給ダクト13は、イオン供給口11までマイナスイオンを含む空気を導くフレキシブルホースである。このイオン供給ダクト13は、マイナスイオン発生部20から上方へ延び、筐体10の上方延出部10B を通ってイオン供給口11まで達している。そして、イオン供給ダクト13の先端部分には、イオン供給口11との接続を行うための接続用ダクト13A が設けられている。この接続用ダクト13A は、中間部分がL字形に折れ曲がった筒状のものとなっている。この接続用ダクト13A の内部には、後述する2次トルマリンフィルタ28が収納されている。
【0023】
空気取入ダクト14は、マイナスイオン発生部20まで居室内の空気を導くフレキシブルホースである。この空気取入ダクト14は、イオン供給ダクト13と同様に、マイナスイオン発生部20から上方へ延び、筐体10の上方延出部10B を通って空気取入口12まで達している。そして、空気取入ダクト14の先端部分には、空気取入口12との接続を行うための接続用ダクト14A が設けられている。この接続用ダクト14A は、接続用ダクト13A と同様に、中間部分がL字形に折れ曲がった筒状のものとなっている。
【0024】
給水管15は、上水道の水をマイナスイオン発生部20まで導くものであり、上水道管とマイナスイオン発生部20とを相互に接続している。給水管15の一部を構成する管として、ステンレスメッシュ管等のフレキシブル耐圧管15A が採用されている。
排水管16は、マイナスイオン発生部20から排水すべき水を下水道まで導くものであり、下水道管とマイナスイオン発生部20とを相互に接続している。排水管16の一部を構成する管として、給水管15と同様に、ステンレスメッシュ管等のフレキシブル耐圧管16A が採用されている。
【0025】
また、マイナスイオン発生部20は、箱状に形成されたインナーケース21を備えている。このインナーケース21の内部には、マイナスイオンを発生させるためのイオン発生室22が形成されている。イオン発生室22の内部には、前述の超音波振動子6が配置されており、このイオン発生室22で、インナーケース21の内部を流通する空気にマイナスイオンが混合されるようになっている。
さらに、インナーケース21には、図3にも示すように、送風機23と、1次トルマリンフィルタ24と、活性炭フィルタ25と、ステンレスメッシュフィルタ26とが内蔵されている。そして、空気の流れに対して、イオン発生室22よりも上流側に送風機23が配置され、イオン発生室22よりも下流側に、1次トルマリンフィルタ24及びステンレスメッシュフィルタ26が順次配置されている。
【0026】
ここで、イオン発生室22の底部分は、水を内部に収納する水収納部27となっている。水収納部27の内部には、収納された水の中に浸かるように、超音波振動子6が配置されている。これにより、超音波振動子6が水中で振動して、細かい水滴を発生させ、これにより、マイナスイオンを発生させるようになっている。
なお、図2に示す如く、筐体10の内部にインナーケース21が配置され、これにより、イオン発生室22は、筐体10の内部、すなわち、ケースの内部に配置されることとなっている。
【0027】
送風機23は、図3に示すように、超音波振動子6の動作により発生したマイナスイオンを居室内に放出するために、イオン発生室22内へ空気を圧送するものである。また、送風機23は、インナーケース21に対して着脱可能に設けられ、これにより、交換作業が容易且つ迅速に行えるようになっている。
【0028】
1次トルマリンフィルタ24は、ステンレススチール製のカートリッジに、トルマリンを収納したものであり、図4にも示すように、イオン発生室22に隣接して配置されている。
ここで、イオン発生室22の超音波振動子6の振動により発生した水柱及び微細な水滴は、1次トルマリンフィルタ24に衝突して破砕され、これにより、レナード効果が得られるようになっている。このレナード効果により、マイナスイオン及びプラスイオンが発生し、イオン発生室22でマイナスイオンが混合された空気に、更にマイナスイオン及びプラスイオンが混合されるようになっている。
そして、1次トルマリンフィルタ24のトルマリンの吸着効果により、更にマイナスイオン及びプラスイオンが混合された空気から埃が除去され、居室の空気清浄が行われるようになっている。
また、1次トルマリンフィルタ24のトルマリンの除湿効果により、居室の湿度が抑制されるようになっている。
なお、1次トルマリンフィルタ24は、カートリッジ化されているので、その交換作業が容易且つ迅速に行えるようになっている。
【0029】
ステンレスメッシュフィルタ26は、プラスイオン及び水蒸気の通過を阻止し、その内部を流通する空気からプラスイオン及び水蒸気を除去するものとなっている。これにより、居室のプラスイオン濃度及び湿度が低下されるようになっている。
また、ステンレスメッシュフィルタ26は、洗浄作業が容易に行えるように、インナーケース21に対して着脱可能となっている。
【0030】
活性炭フィルタ25は、箱状に形成されたカートリッジに、活性炭を収納したものであり、給水管15の先端に設けられた水道水の吐出口15B の下方において、吐出口15B と水収納部27との間に配置されている。この活性炭フィルタ25により、給水管15から水収納部27へ供給される水道水から塩素成分が除去され、居室内に塩素が飛び散らないようになっている。
なお、活性炭フィルタ25は、1次トルマリンフィルタ24と同様に、カートリッジ化され、その交換作業が容易且つ迅速に行えるようになっている。
【0031】
図5に示すように、接続用ダクト13A の内部には、前述した2次トルマリンフィルタ28が収納されている。2次トルマリンフィルタ28は、1次トルマリンフィルタ24と同様に、ステンレススチール製のカートリッジに、トルマリンを収納したものである。
そして、2次トルマリンフィルタ28のトルマリンの吸着効果により、居室へ供給しようとしている空気から埃が除去され、居室の空気清浄が行われるようになっている。
また、2次トルマリンフィルタ24のトルマリンの除湿効果により、居室の湿度が抑制されるようになっている。2次トルマリンフィルタ24による除湿により生じた水滴29は、イオン供給ダクト13を通って、マイナスイオン発生部20に戻されるようになっている。
なお、2次トルマリンフィルタ28は、1次トルマリンフィルタ24と同様に、カートリッジ化されているので、その交換作業が容易且つ迅速に行えるようになっている。
【0032】
次に、図2及び図3を参照しながら、水収納部27に水を供給する水供給手段、水収納部27の内部に収納された水の水位を制御する水位制御手段、及び、水収納部27から水を排水する排水手段について説明する。
【0033】
本実施形態では、水供給手段として、前述の給水管15が採用されている。この給水管15の途中には、手動式ストップ弁30及び自動開閉弁としての電磁弁31が上流側から順次設けられている。手動式ストップ弁30のハンドル30A を回転操作して手動式ストップ弁30を閉鎖すれば、強制的に給水を止められるようになっている。これにより、電磁弁31等の水廻り部品を取り外しても、水道水が噴出しないようになっており、マイナスイオン発生部20の修理や部品交換が容易に行えるようになっている。
【0034】
本実施形態では、排水手段として、前述の排水管16が採用されている。この排水管16は、マイナスイオン発生部20側の端部が二つに分岐し、一方が通常の排水口32に接続された強制排水管33とされ、他方がオーバーフロー排水口34に接続されたオーバーフロー排水管35となっている。
ここで、水収納部27の底面27A には、水勾配が設けられ、排水口32は、底面27A の最も低い位置に設けられている。オーバーフロー排水口34は、水収納部27の側面27B に設けられ、超音波振動子6の頂部よりも所定寸法高い位置に配置されている。
そして、強制排水管33の途中には、手動式強制排水弁36が接続されている。手動式強制排水弁36のハンドル36A を回転操作して手動式強制排水弁36を開放すれば、水収納部27内の水を完全に抜くことが可能となっている。これにより、水収納部27の清掃が容易に行えるようになっている。
【0035】
水位制御手段は、前述の給水管15に接続された電磁弁31と、水収納部27の内部に収納された水の水位を検出する水位センサ40と、水位センサ40からの信号に基づき電磁弁31を制御する制御回路(図示略)とを備えたものとなっている。
【0036】
このうち、水位センサ40としては、長さの異なる3本の電極棒41〜43が採用されている。すなわち、水位センサ40は、下端が最も底面27A に近い位置にある共通電極棒41と、下端が超音波振動子6の頂部よりも若干高い位置にある下限検出電極棒42と、下端が最も底面27A から遠い位置にある上限検出電極棒43とを有している。
【0037】
制御回路は、マイナスイオン発生部20の上方に配置された制御装置50の内部に設けられたものであり、マイクロコンピュータを含んで構成されている。この制御回路は、水収納部27の水面位置が下限検出電極棒42の下端まで下がると、電磁弁31を開き、水収納部27の水面位置が上限検出電極棒43の下端まで上がると、電磁弁31を閉じるように制御を行うものとなっている。
換言すれば、制御回路は、下限検出電極棒42の下端よりも若干下方の位置と、上限検出電極棒43の下端よりも若干上方の位置との間に、水面が常に存在するように、電磁弁31の制御を行うものとなっている。
ここで、上限検出電極棒43の下端位置は、通常の制御動作において、水収納部27に確保される最大水量が、電磁弁31の動作回数が過度に多くならない最小限の水量となるように設定されている。
【0038】
また、制御回路は、電磁弁31を閉じると、タイマーを起動し、電磁弁31を閉じた時点から経過した時間を計測する機能を備えている。そして、電磁弁31を閉じてから、所定の時間が経過すると、電磁弁31を開いて水を水収納部27に供給し、古い水をオーバーフロー排水口34へ捨てて、新しい水に入れ換える動作を行うように設定されている。これにより、水の腐敗や、レジオネラ菌等の細菌の繁殖が未然に防止されるようになっている。
【0039】
このような制御回路を含んだ制御装置50は、上述のような自動給水動作を制御するとともに、マイクロコンピュータにより、送風機23の送風動作も自動制御するようになっている。
このような制御装置50は、マイコン制御により、自動給水及び自動送風をきめ細かくコントロールし、タイマーとの連動により、休止をはさみ、連続運転が可能となり、清浄化された空気及びマイナスイオンを連続して居室に供給可能となっている。これにより、プラスイオンや有害物質の中和が促進され、これによる健康促進の実行が図れるようになる。
また、制御装置50のプログラムは、使用者の細かな要望に応えられるように、適宜追加・変更することが可能となっている。
【0040】
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、居室の床4よりも天井5に近い高さ位置に、イオン供給口11を配置し、マイナスイオンのように軽く活性化された粒子のみがイオン供給口11に到達できるようにし、単なる水滴のように、重く活性化されていない粒子が、イオン供給口11に到達できないようにしたので、実際に居室に供給される空気に、単なる水滴が含まれないようになり、マイナスイオン供給装置1でマイナスイオンを供給しても、居室の湿度が上昇しないので、居室にマイナスイオンを充分に供給することができる。
【0041】
また、イオン発生室22の下流側に1次トルマリンフィルタ24を隣接させて設けたので、イオン発生室22で発生した細かい水滴が、1次トルマリンフィルタ24側に圧送され、1次トルマリンフィルタ24に衝突して、マイナスイオン化されるようになり、居室に供給される空気に含まれるマイナスイオンの含有量を増加でき、マイナスイオン供給装置1の効率を向上することができる。
【0042】
さらに、イオン発生室22及び1次トルマリンフィルタ24の下流側にステンレスメッシュフィルタ26を設け、イオン発生室22や1次トルマリンフィルタ24で発生したプラスイオンや湿気をステンレスメッシュフィルタ26で除去するようにしたので、イオンとして、マイナスイオンのみが含まれる空気を居室へ供給することが可能となり、有害なプラスイオンを居室から除去できるうえ、湿気が除去されるので、この点からも、居室の湿度上昇を防止できる。
【0043】
また、水収納部27に水が自動供給されるようにしたので、運転中に水が不足して運転が中断することがなくなり、長時間の連続運転を実施することができるうえ、使用者が水の補給や交換を行う必要がないので、煩わしい水の補給作業や交換作業から使用者を開放することができる。
【0044】
さらに、水収納部27の水位を制御する水位制御手段に、給水管15に接続された電磁弁31と、水収納部27の内部に収納された水の水位を検出する水位センサ40とを設けたので、ボールタップ等の機械式水位制御手段が採用できない程、水収納部27が浅くても、常に所定の範囲に水位が保持されるように制御を行うことができる。
このため、水収納部27の容積を小さく、且つ、浅くすることができ、水収納部27の容積を小さくすることにより、水の回転率が向上するので、毎日運転することにより、水収納部27に収納されている水を、常に新鮮なものにすることができる。
また、電磁弁31を閉じた時点から経過した時間を、制御回路で計測し、電磁弁31を閉じてから、所定の時間が経過すると、電磁弁31を開いて水を水収納部27に供給し、古い水をオーバーフロー排水口34へ捨てて、新しい水に入れ換える動作を行うようにしたので、長期間運転を休止しても、水収納部27に収納されている水を、常に新鮮なものにすることができる。
このため、水収納部27に収納されている水の腐敗や、レジオネラ菌等の細菌の繁殖を防止することができる。
【0045】
【実施例】
次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づいて説明する。
本実施例は、前記実施形態に基づいたマイナスイオン供給装置1を利用して、実際に居室にマイナスイオンを供給しながら、当該居室のマイナスイオン濃度、温度及び湿度を計測する実験である。
ここで、マイナスイオン濃度は、1立方センチメーター当りの個数(×1000個/cc)で示すこととする。また温度は、摂氏(℃)で示すこととする。さらに湿度は、相対湿度(RH%)で示すこととする。
本実施例のマイナスイオン供給装置1は、送風機23のモータとして、市販のDCモーター(山洋電気株式会社製、型番:109W1212H102)を備えるとともに、超音波振動子6を有するユニット(霧化ユニット)として、(TDK株式会社製、型番:NB-514S-01-0)を備えたものを採用する。
【0046】
また、実験を行う居室としては、図6に示すように、奥行き寸法Dが3m、幅寸法Wが4m、高さ寸法Hが2.4mの部屋7を採用した。そして、この部屋7の図6中左上の角隅にマイナスイオン供給装置1を配置し、部屋7の図6中左上の角隅にベッド8を配置し、ベッド8の図6中下側にマイナスイオン濃度、温度及び湿度を自動計測する測定器9を配置した。
なお、測定器9としては、(アンデス電気株式会社製、型番:ITC-201A)を採用した。
【0047】
また、マイナスイオン供給装置1のイオン供給口11及び空気取入口12は、両方とも床から1.8mの高さ位置に配置した。
一方、測定器9のサンプル空気の取り入れ口は、床から0.45mの高さ位置に配置した。
【0048】
〔実験結果〕
図7〜図10には、それぞれ異なる時刻範囲の測定結果が示されている。なお、図7〜図10の各々において、実線、破線及び一点鎖線は、それぞれマイナスイオン濃度、温度及び湿度を示している。
具体的には、図7に示される第1時刻範囲は、実験開始、すなわち、マイナスイオン供給装置1を起動してから20分が経過するまでの実験結果を示す。
図8に示される第2時刻範囲は、第1時刻範囲が完了してから次の20分が経過するまでの実験結果を示す。
図9に示される第3時刻範囲は、第2時刻範囲が完了してから次の20分が経過するまでの実験結果を示す。
図10に示される第4時刻範囲は、第3時刻範囲が完了してから次の20分が経過するまでの実験結果を示す。
【0049】
また、第1時刻範囲においては、マイナスイオン濃度、温度及び湿度の平均値が、それぞれ0.63(×1000個/cc)、17.59℃及び31.24RH%となった。
第2時刻範囲においては、マイナスイオン濃度、温度及び湿度の平均値が、それぞれ2.15(×1000個/cc)、19.92℃及び33.87RH%となった。
第3時刻範囲においては、マイナスイオン濃度、温度及び湿度の平均値が、それぞれ2.84(×1000個/cc)、21.24℃及び35.12RH%となった。
第4時刻範囲においては、マイナスイオン濃度、温度及び湿度の平均値が、それぞれ3.39(×1000個/cc)、22.12℃及び33.90RH%となった。
【0050】
以上のような実験結果から、マイナスイオン供給装置1を起動してから約1時間が経過すると、マイナスイオン濃度が3.4(×1000個/cc)程度の値となって安定することが判る。また、マイナスイオン濃度が上昇しても、湿度が著しく上昇することがないことが判った。
【0051】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良などをも含むものである。
例えば、自動開閉弁としては、電磁弁に限らず、電動機により開閉駆動される電動弁や、空気の圧力で動作するエアモータにより開閉駆動される自動開閉弁でもよく、要するに、アクチュエータを備えて、外部から与えられる信号に基づいて自力で開閉動作する弁であればよい。
また、水位センサとしては、電極棒に限らず、フロートスイッチや、圧力センサを利用したものでもよく、水位センサの具体的な種類や構造は、実施にあたり適宜選択できる。
【0052】
さらに、居室内の空気をマイナスイオン供給装置へ取り込むための空気取入口としては、床よりも天井に近い高さ位置に設けられたものに限らず、床及び天井の両方と等距離になるように設けられた空気取入口、又は、天井よりも床に近い高さ位置に設けられた空気取入口でもよい。
さらに、1次トルマリンフィルタ及び2次トルマリンフィルタとしては、ステンレススチール製のカートリッジに、トルマリンを収納したものに限らず、表面にステンレススチール製の薄板が貼り付けられた合成樹脂製のカートリッジに、トルマリンを収納したトルマリンフィルタでもよい。
【0053】
【発明の効果】
(請求項1の効果)
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1の効果)
請求項1記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、イオン供給口が高い位置に配置されているので、マイナスイオンのように軽く活性化された粒子のみがイオン供給口に到達できる。一方、単なる水滴のように、重く活性化されていない粒子は、イオン供給口に到達することができない。
このため、実際に居室に供給される空気には、単なる水滴が含まれず、当該装置によりマイナスイオンの供給を行っても、居室の湿度が上昇しないので、居室にマイナスイオンを充分に供給することができる。
【0054】
(請求項2の効果)
請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項2記載の発明によれば、トルマリンフィルタをイオン発生室に隣接配置する等により、イオン発生室で発生した細かい水滴が、トルマリンフィルタ側に圧送され、トルマリンフィルタに衝突して、マイナスイオン化されるので、居室に供給される空気に含まれるマイナスイオンの含有量が増加され、当該マイナスイオン供給装置の効率を向上することができる。
なお、イオン発生室やトルマリンフィルタで発生したプラスイオンは、簡単な構造のステンレスメッシュフィルタ等で容易に除去できるので、イオンとして、マイナスイオンのみが含まれる空気を居室へ供給することが可能となるので、有害なプラスイオンを居室から除去できる。
【0055】
(請求項3の効果)
請求項3記載の発明によれば、上記した請求項1又は2記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項3記載の発明によれば、水の自動供給により、運転中に水が不足して運転が中断することがなくなるので、長時間の連続運転を行うことができるうえ、使用者が水の補給や交換を行う必要がないので、煩わしい水の補給作業や交換作業から使用者を開放できる。
【0056】
(請求項4の効果)
請求項4記載の発明によれば、上記した請求項3記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項4記載の発明によれば、ボールタップ等の機械式水位制御手段が採用できない程、水収納部が浅くても、水収納部には、常に所定の範囲に水位が保持されるように制御できるので、水収納部の容積を小さくでき、且つ、浅くしても何ら問題が生じない。そして、水収納部の容積を小さくすることにより、水の回転率が向上するので、水収納部に収納されている水は、常に新鮮なものとなる。
このため、水収納部に収納されている水が腐敗したり、レジオネラ菌等の細菌が繁殖する可能性を著しく低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の全体を示す斜視図である。
【図2】前記実施形態のマイナスイオン供給装置を示す一部破断した正面図である。
【図3】前記実施形態に係るマイナスイオン発生部を示す縦断面図である。
【図4】前記実施形態に係るマイナスイオン発生部の要部を示す拡大断面図である。
【図5】図1のV−V線における拡大断面図である。
【図6】本発明の実施例で採用した居室の平面図である。
【図7】前記実施例の第1時刻範囲における実験結果を示すグラフである。
【図8】前記実施例の第2時刻範囲における実験結果を示すグラフである。
【図9】前記実施例の第3時刻範囲における実験結果を示すグラフである。
【図10】前記実施例の第4時刻範囲における実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 マイナスイオン供給装置
4 床
5 天井
6 超音波振動子
10 ケースとしての筐体
11 イオン供給口
15 水供給手段としての給水管
22 イオン発生室
23 送風機
24 トルマリンフィルタ
27 水収納部
31 水位制御手段を構成する自動開閉弁としての電磁弁
40 水位制御手段を構成する水位センサ
Claims (4)
- 居室内にマイナスイオンを供給するためのマイナスイオン供給装置であって、
ケースの内部に形成されたイオン発生室と、このイオン発生室内に配置されるとともに水中で振動してマイナスイオンを発生させる超音波振動子と、前記超音波振動子が発生させたマイナスイオンを前記居室内に放出するために、前記イオン発生室内へ空気を圧送する送風機と、マイナスイオンを前記居室内に吐出するイオン供給口とが設けられ、前記イオン供給口が前記居室の床よりも天井に近い高さに配置されていることを特徴とするマイナスイオン供給装置。 - 流通する空気にマイナスイオンを発生させるトルマリンフィルタを備え、前記イオン発生室よりも下流側に前記トルマリンフィルタが配置されていることを特徴とする請求項1記載のマイナスイオン供給装置。
- 前記超音波振動子とともに水を内部に収納する水収納部と、この水収納部に水を供給する水供給手段と、前記水収納部の内部に収納された水の水位を制御する水位制御手段とが設けられ、前記水収納部に水が自動供給されるようになっていることを特徴とする請求項1又は2記載のマイナスイオン供給装置。
- 前記水供給手段は、水道水を前記水収納部まで導く水道管であり、前記水位制御手段は、前記水道管に接続された自動開閉弁と、前記水収納部の内部に収納された水の水位を検出する水位センサとを備えていることを特徴とする請求項3記載のマイナスイオン供給装置。
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CN104896605A (zh) * | 2015-06-09 | 2015-09-09 | 周依琳 | 一种空气净化器 |
CN106855272A (zh) * | 2015-12-07 | 2017-06-16 | 山东佳星环保科技有限公司 | 一种去除粉尘、烟雾和挥发性有机化合物的室内空气净化器 |
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2002
- 2002-12-17 JP JP2002365575A patent/JP2004198008A/ja active Pending
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