JP2004197625A - パイロット着火ガスエンジン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料噴射装置により液体燃料を副室内に噴射するようにしたパイロット着火ガスエンジンにおいて、起動時を含む低速回転域において液体燃料を副室内に噴射する起動着火燃料噴射装置と、高速回転域において噴射始め時期を遅くされて液体燃料を前記副室内あるいは前記主燃焼室内に噴射する主着火燃料噴射装置と、エンジン運転条件により前記起動着火燃料噴射装置と主着火燃料噴射装置との作動を切り換えるコントローラとを備えてなる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料噴射装置により液体燃料を副室内に噴射して着火火炎を生成し、該着火火炎を前記副室内から主燃焼室内に形成された希薄混合気中に噴出して該希薄混合気を着火燃焼せしめるパイロット着火ガスエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料噴射弁から液体燃料を副室内に噴射して着火火炎を生成し、該着火火炎を前記副室内から主燃焼室内に形成された希薄混合気中に噴出して該希薄混合気を着火燃焼せしめるマイクロパイロット着火ガスエンジンにおいては、起動時からアイドリング運転時を含む低速運転域において副室内における着火を確実に行い、起動時に確実に着火するため、副室に点火プラグを装着して副室ガスの着火を促進する手段が用いられている。
【0003】
かかる手段の1つとして、特許文献1(特開平11−324805号公報)の技術が提供されている。かかる技術においては、シリンダ中心部に点火プラグを装着した副室を設け、シリンダの両側にパイロット液体燃料噴射弁を装着した副室を設け、副室内における着火を点火プラグ及びパイロット液体燃料噴射弁による液体燃料のパイロット噴射によって行っている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−324805号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような副室パイロット着火式マイクロパイロット着火ガスエンジンにおいては、起動時を含む低速回転域において着火しにくいという問題点を有している。
かかる問題点に対処するため、従来は、前記特許文献1に開示されているように、副室に点火プラグを装着して該点火プラグによって副室内に導入されている混合気に火花放電し該混合気を着火燃焼せしめることにより、起動時を含む低速回転域での該副室内における確実な着火を可能としている。
しかしながら、点火プラグは運転時間の経過とともにカーボンの堆積等によって点火性能が低下し易く、かかる点火プラグの劣化により起動時を含む低速回転域での該副室内における安定した着火が確実に成されなくなる、という不具合が発生する。
【0006】
一方、起動時を含む低速運転域での該副室内における確実な着火を可能とする手段に、電磁制御燃料噴射装置により全運転域におけるパイロット燃料の噴射時期を適正に制御する手段が提供されているが、かかる手段にあっては、装置コストが高くなるとともに、機械式に比べて制御系に故障を起こし易い傾向にあることから、整備性にも課題がある。
【0007】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、高い耐久性を備えるとともに低コストでかつ整備性の良好な装置でもって、エンジンの起動時から定格回転運転域までの全運転域において確実かつ良好な着火性能を保持してエンジンを運転することを可能とするパイロット着火ガスエンジンを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる目的を達成するもので、燃料噴射装置により液体燃料を副室内に噴射して生成された着火火炎を該副室内から主燃焼室内に形成された希薄混合気中に噴出して該希薄混合気を着火燃焼せしめるパイロット着火ガスエンジンにおいて、前記燃料噴射装置は、エンジンの起動時から一定回転数までの低速運転域において作動し液体燃料を噴射する起動着火燃料噴射装置と、前記一定回転数近傍よりも高速運転域において作動し前記起動着火燃料噴射装置よりも噴射始め時期を遅く設定されて液体燃料を噴射する主着火燃料噴射装置と、エンジン運転条件により前記起動着火燃料噴射装置と主着火燃料噴射装置との作動を切り換えるコントローラとを備えてなることを特徴とする。
【0009】
かかる発明において、前記起動着火燃料噴射装置及び主着火燃料噴射装置及びコントローラは、次のように構成するのが好ましい。
第1の構成は、前記起動着火燃料噴射装置は起動着火燃料ポンプにより圧送された液体燃料を起動着火燃料噴射弁にて噴射するように構成されるとともに、前記主着火燃料噴射装置は主着火燃料ポンプにより圧送された液体燃料を主着火燃料噴射弁にて噴射するように構成され、前記起動着火燃料噴射弁及び主着火燃料噴射弁を前記副室内に液体燃料を噴射するように設置する。
【0010】
第2の構成は、前記起動着火燃料噴射装置は起動着火燃料ポンプにより圧送された液体燃料を起動着火燃料噴射弁にて噴射するように構成されるとともに、前記主着火燃料噴射装置は主着火燃料ポンプにより圧送された液体燃料を主着火燃料噴射弁にて噴射するように構成され、前記主着火燃料噴射弁を前記副室内に液体燃料を噴射するように設置するとともに起動着火燃料噴射弁を前記主燃焼室内に液体燃料を噴射するように設置する。
【0011】
第3の構成は、前記起動着火燃料噴射装置を構成する起動着火燃料ポンプ及び前記主着火燃料噴射装置を構成し前記起動着火燃料ポンプよりも噴射始め時期を遅く設定された主着火燃料ポンプを前記副室内に液体燃料を噴射するように設置された1つの燃料噴射弁に燃料噴射管で夫々接続し、前記コントローラはエンジン運転条件により前記起動着火燃料ポンプ及び主着火燃料噴射ポンプの作動を切り換えるように構成する。
【0012】
また、かかる発明において、前記エンジン運転条件を検出する運転条件検出手段としてエンジン回転数を検出する回転数検出器またはエンジン負荷(エンジン出力)を検出する負荷検出器の何れか一方または双方を設け、前記コントローラは前記運転条件検出手段からのエンジン運転条件検出信号により前記起動着火燃料噴射装置と主着火燃料噴射装置との作動を切り換えるように構成するのが好ましい。
【0013】
かかる発明によれば、ガスエンジンの起動時からアイドリング運転時を含む一定回転数までの低速運転域においては、コントローラにより、液体燃料の噴射始め時期を早期に設定された起動着火燃料噴射装置を作動させて、該起動着火燃料噴射装置の燃料噴射弁から副室内に液体燃料をパイロット噴射して自己着火せしめる。
あるいは、ガスエンジンの起動時には主燃焼室内は比較的濃混合比であるので、前記第2の構成のように該起動着火燃料噴射装置の燃料噴射弁から主燃焼室内に液体燃料をパイロット噴射しても自己着火可能である。
【0014】
そして、定格回転運転域等の前記一定回転数近傍よりも高速運転域においては、コントローラにより、液体燃料の噴射始め時期を前記起動着火燃料噴射装置よりも遅く設定された主着火燃料噴射装置を作動させて、従来の通常運転域と同様に、該主着火燃料噴射装置の燃料噴射弁から副室内に液体燃料をパイロット噴射して自己着火せしめる。
【0015】
従って、かかる発明によれば、前記低速運転域においては、噴射始め時期を早期に設定して副室内あるいは主燃焼室内に液体燃料をパイロット噴射するので、確実な自己着火がなされる。
また、ノッキングが発生し易い定格運転域等の前記一定回転数近傍よりも高速運転域においては、主着火燃料噴射装置により前記起動着火燃料噴射装置よりも遅い液体燃料の噴射始め時期つまり通常運転の噴射始め時期に戻して液体燃料をパイロット噴射することにより、高負荷域でノッキングの発生なく、良好な着火性能を保持できる。
【0016】
即ち、かかる発明によれば、液体燃料の噴射始め時期を早期に設定された起動着火燃料噴射装置と液体燃料の噴射始め時期を前記起動着火燃料噴射装置よりも遅く設定された主着火燃料噴射装置とを、コントローラにてエンジン運転条件によって切り換え作動することにより、エンジンの起動時から定格運転域までの全運転域において確実かつ良好な着火性能を保持してエンジンを運転することが可能となる。
これにより、前記特許文献1のような点火プラグを装着したものに比べて高い耐久性を備え、また従来の電磁制御燃料噴射装置に比べて大幅に低コストでかつ故障が少なく整備性の良好なパイロット着火装置を備えたガスエンジンが得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0018】
図1は本発明の第1実施例に係るパイロット着火ガスエンジンの全体構成図、図2は第2実施例に係るパイロット着火ガスエンジンの全体構成図、図3は第3実施例に係るパイロット着火ガスエンジンの全体構成図である。図4は前記第1〜第3実施例に係るパイロット着火ガスエンジンの制御ブロック図、図5は前記第1〜第3実施例に係るパイロット着火ガスエンジンの作用説明用線図である。図6は前記第1〜第3実施例に適用される燃料噴射弁の断面図、図7は前記第1〜第3実施例に適用される燃料噴射ポンプの断面図である。
【0019】
本発明の第1実施例を示す図1において、4はピストン、5はシリンダヘッド、1は該シリンダヘッド5内に設けられた副室、2は該ピストン4の上面とシリンダヘッド5の下面とにより区画形成された主燃焼室である。前記副室1と主燃焼室2とは副室口金1aに穿孔された複数の連絡孔3により連通されている。6は吸気通路、7は該吸気通路6を開閉する吸気弁である。
前記副室1の外壁には、主着火燃料噴射弁10a及び起動着火燃料噴射弁10bが装着されて、該主着火燃料噴射弁10a及び起動着火燃料噴射弁10bにより副室1内に軽油等の液体燃料をパイロット噴射するようになっている。
【0020】
30aは主着火燃料ポンプ、30bは起動着火燃料ポンプであり、該主着火燃料ポンプ30aは燃料噴射管8aを介して前記主着火燃料噴射弁10aに接続され、該起動着火燃料ポンプ10bは燃料噴射管8bを介して前記起動着火燃料噴射弁10bに接続されている。
前記主着火燃料ポンプ30a、主着火燃料噴射弁10a及び燃料噴射管8aにより主着火燃料噴射装置を構成し、前記起動着火燃料ポンプ30b、起動着火燃料噴射弁10b及び燃料噴射管8bにより起動燃料噴射装置を構成する。
【0021】
前記起動着火燃料ポンプ30b、起動着火燃料噴射弁10b及び燃料噴射管8bからなる起動燃料噴射装置の燃料噴射始め時期は、前記主着火燃料ポンプ30a、主着火燃料噴射弁10a及び燃料噴射管8aからなる主着火燃料噴射装置の燃料噴射始め時期よりも早期になるように設定されている。
前記燃料噴射始め時期は、前記起動燃料噴射装置がピストン4の上死点前30°〜5°、前記主着火燃料噴射装置が上死点前10°〜5°が好適である。
【0022】
52はエンジン(ガスエンジン)の回転数を検出する回転数検出器、53はエンジン負荷(エンジン出力)を検出する負荷検出器、51は前記回転数検出器52からのエンジン回転数の検出値及び前記負荷検出器53からのエンジン負荷の検出値に基づき後述する制御、演算を行うコントローラである。
該コントローラ51からの制御信号は前記主着火燃料ポンプ30a及び起動着火燃料ポンプ30bに入力されるようになっている。
【0023】
図7は前記主着火燃料ポンプ30a及び起動着火燃料ポンプ30bの1例を示す。該燃料ポンプ30は、この例では周知のジャーク式単筒燃料ポンプ30を用いており、図において、図示しない燃料カムによりタペット35がタペットスプリング34のばね力に抗して押し上げられ、プランジャバレル32内に往復動自在に嵌合されたプランジャ31が押し上げられて、プランジャ室42内に導入されている燃料を高圧に加圧し、該高圧燃料が吐出弁38を押し開けて燃料噴射管8(8a、8b)に圧送するように構成されている。
【0024】
39は給油溜め、40は該給油溜め39とプランジャ室42とを連通する給油孔であり、該給油溜め39には燃料タンク43内の燃料が燃料供給ポンプ44により供給されるようになっている。41は等圧弁である。
37はガバナの出力軸に連結されて往復動する燃料調整ラック、36は該燃料調整ラック37に噛み合うピニオンで、前記燃料調整ラック37の往復動によってピニオン36及びこれに相対回転不能に嵌合された前記プランジャ31を回転させることにより該プランジャ31の有効行程を変化させ噴射量を調整するようになっている。
かかる燃料ポンプ30は、複数シリンダのポンプが一体化された列型燃料噴射ポンプを用いることもできる。
【0025】
図6は前記主着火燃料噴射弁10a及び起動着火燃料噴射弁10bの1例を示す。該燃料噴射弁10(10a、10b)は、この例では周知のディーゼル機関用燃料噴射弁を用いており、図において、前記燃料ポンプ30により加圧された高圧燃料が入口継手23内及び弁内部の燃料通路14を通って油溜め16に達し、該高圧燃料により針弁12が針弁ばね15のばね力に抗して押し上げられて開弁し、該油溜め16内の燃料がノズルチップ11に穿孔された噴孔13から前記副室1内に噴射されるように構成されている。
【0026】
20は弁本体、25は前記ノズルチップ11をスペーサ17を介して該弁本体20に締め付けるためのノズルナットである。24は前記針弁12と針弁ばね15との間に介装され該針弁ばね15の下部を支持する下部ばね受、19は前記針弁ばね15の上端を支持する上部ばね受、18は針弁室である。21は前記針弁ばね15のセット荷重即ち前記針弁12の開弁圧を調整する調整ねじ、22は該調整ねじ21用のロックナットである。
【0027】
かかる第1実施例におけるパイロット着火ガスエンジンの燃料噴射制御動作を、図4に基づき説明する。
回転数検出器52からのエンジン回転数の検出値及び負荷検出器53からのエンジン負荷の検出値は、コントローラ51の燃料ポンプ切換判断部56に入力される。
54は燃料ポンプ切換回転数設定部、55は燃料ポンプ切換負荷設定部である。
該燃料ポンプ切換回転数設定部54には、前記起動着火燃料噴射ポンプ30b、起動着火燃料噴射弁10b及び燃料噴射管8bからなる起動燃料噴射装置を用いてのパイロット燃料噴射運転から、前記主着火燃料ポンプ30a、主着火燃料噴射弁10a及び燃料噴射管8aからなる主着火燃料噴射装置を用いてのパイロット燃料噴射運転に切り換えるエンジン回転数が設定され、また該燃料ポンプ切換負荷設定部55には、前記起動燃料噴射装置を用いてのパイロット燃料噴射運転から、前記主着火燃料噴射装置を用いてのパイロット燃料噴射運転に切り換えるエンジン負荷が設定されている。
【0028】
前記パイロット燃料噴射運転に切り換えるエンジン切換え回転数は、図5にNeで示されるエンジンの定格回転数よりも低いエンジン回転数、即ちエンジンの起動時からアイドリング運転時を含む低速回転域の一定回転数に設定され、同様に前記パイロット燃料噴射運転に切り換えるエンジン切換え負荷も前記定格回転数相当負荷よりも低いエンジン負荷、即ちエンジンの起動時からアイドリング運転時を含む低負荷域の一定負荷に設定されている。
【0029】
前記燃料ポンプ切換判断部56においては、前記エンジン回転数の検出値と前記燃料ポンプ切換回転数設定部54に設定されている前記エンジン切換え回転数とを比較し、該エンジン回転数の検出値がエンジン切換え回転数以下のときには前記起動着火燃料噴射ポンプ30b、起動着火燃料噴射弁10b及び燃料噴射管8bからなる起動燃料噴射装置を用いてのパイロット燃料噴射運転とし、該エンジン回転数の検出値がエンジン切換え回転数を超えると前記主着火燃料ポンプ30a、主着火燃料噴射弁10a及び燃料噴射管8aからなる主着火燃料噴射装置を用いてのパイロット燃料噴射運転に切り換える判断を行い、その判断結果を起動着火燃料ポンプ制御部58あるいは主着火燃料ポンプ制御部57に出力する。
【0030】
あるいは、前記燃料ポンプ切換判断部56においては、前記エンジン負荷の検出値と前記燃料ポンプ切換負荷設定部55に設定されている前記エンジン切換え負荷とを比較し、該エンジン負荷の検出値がエンジン切換え負荷以下のときには前記起動燃料噴射装置を用いてのパイロット燃料噴射運転とし、該エンジン負荷の検出値がエンジン切換え負荷を超えると前記主着火燃料噴射装置を用いてのパイロット燃料噴射運転に切り換える判断を行い、その判断結果を起動着火燃料ポンプ制御部58あるいは主着火燃料ポンプ制御部57に出力する。
【0031】
前記燃料ポンプ切換判断部56において、前記起動燃料噴射装置を用いてのパイロット燃料噴射運転の判断がなされたときには、起動着火燃料ポンプ制御部58は起動着火燃料ポンプ30bに運転制御信号を出力し、該起動着火燃料ポンプ30bが運転される。
これにより、エンジンの起動時からアイドリング運転時を含む低速回転域の一定回転数つまり前記エンジン切換え回転数以下の運転域、あるいは前記一定回転数相当以下の低負荷運転域では、燃料噴射始め時期が上死点前30°〜5°の早期に設定された起動着火燃料ポンプ30bを用いての運転がなされる。
【0032】
従って、前記低速回転域あるいは低負荷運転域においては、噴射始め時期を早期に設定された起動着火燃料噴射ポンプ30b、起動着火燃料噴射弁10b及び燃料噴射管8bからなる起動燃料噴射装置を用いて、副室1内に液体燃料をパイロット噴射するので、確実な自己着火がなされる。
【0033】
また、前記燃料ポンプ切換判断部56において、前記主燃料噴射装置を用いてのパイロット燃料噴射運転の判断がなされたときには、主着火燃料ポンプ制御部57は主着火燃料ポンプ30aに運転制御信号を出力し、該主着火燃料ポンプ30aが運転される。
これにより、エンジンの定格運転時を含む高速回転域の一定回転数つまり前記エンジン切換え回転数を超える運転域、あるいは前記一定回転数相当の負荷を超える高負荷運転域では、燃料噴射始め時期が上死点前10°〜5°のように遅れて設定された主着火燃料ポンプ30aを用いての運転がなされる。
【0034】
従って、定格回転運転域等の前記一定回転数近傍よりも高速回転域においては、主着火燃料ポンプ30a、主着火燃料噴射弁10a及び燃料噴射管8aからなる主着火燃料噴射装置により前記起動着火燃料噴射装置よりも遅い液体燃料の噴射始め時期つまり通常運転の噴射始め時期に戻して液体燃料をパイロット噴射することにより、良好な着火性能を保持できる。
尚、前記エンジン回転数あるいはエンジン負荷の検出信号に代えて、燃料調整ラック位置、排気温度等のエンジン運転条件全般を用いることができる。
【0035】
図5は、以上のような制御によるエンジン回転数の時間変化に対応する起動着火燃料噴射装置の運転による起動着火燃料噴射量及び、主着火燃料噴射装置の運転による主着火燃料噴射量の時間変化を示す。
図において、t0はエンジン定格回転数到達時、t1は前記エンジン切換え回転数となって主着火燃料噴射装置の運転が開始される前記t0からの先行時間、t2は前記エンジン切換え回転数到達後、前記起動着火燃料噴射装置の運転を遮断するまでの前記t0からのオーバーラップ時間を夫々示す。
【0036】
図2に示される第2実施例においては、副室1の外壁に主着火燃料噴射弁10aを装着し、主燃焼室2に臨むシリンダヘッド5の壁部に起動着火燃料噴射弁10bを装着している。
ガスエンジンの起動時には、主燃焼室2内に高回転時よりも濃混合比のガスが充填されるので、噴射始め時期を早期に設定された起動燃料噴射装置の起動着火燃料噴射弁10bにより主燃焼室2内にパイロット噴射を行い、ノッキングの発生をみることなく着火燃焼させることが可能となる。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0037】
図3に示される第3実施例においては、副室1の外壁に1つの燃料噴射弁10を装着し、燃料噴射弁10を、前記第1実施例と同様な噴射始め時期が早期に設定された起動着火燃料ポンプ30b及び噴射始め時期が該起動着火燃料噴射ポンプ30bよりも遅れるように設定された主着火燃料ポンプ30aに、切換弁9を介して接続している。
【0038】
そして、かかる実施例においては、コントローラ51によって、起動時を含む低回転、低負荷運転域では起動着火燃料噴射ポンプ30bを作動させるとともに前記切換弁9の切り換えにより該起動着火燃料ポンプ30bと前記燃料噴射弁10とを接続し、定格運転域等の高速回転域では主着火燃料ポンプ30aを作動させるとともに前記切換弁9の切り換えにより該主着火燃料噴射ポンプ30aと前記燃料噴射弁10とを接続している。
この実施例の場合は、1つの燃料噴射弁10で以って前記第1実施例及び第2実施例と同様の機能をなすので、構造が簡単になり、装置コストが低減される。
【0039】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、液体燃料の噴射始め時期を早期に設定された起動着火燃料噴射装置と液体燃料の噴射始め時期を前記起動着火燃料噴射装置よりも遅く設定された主着火燃料噴射装置とを、コントローラにより、エンジン運転条件によって切り換え作動して、エンジンの起動時から定格回転運転域までの全運転域において確実かつ良好なパイロット着火性能を保持してエンジンを運転することが可能となる。
これにより、従来の点火プラグを装着したものに比べて高い耐久性を備え、また従来の電磁制御燃料噴射装置に比べて大幅に低コストでかつ故障が少なく整備性の良好なパイロット着火装置を備えたガスエンジンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るパイロット着火ガスエンジンの全体構成図である。
【図2】第2実施例に係るパイロット着火ガスエンジンの全体構成図である。
【図3】第3実施例に係るパイロット着火ガスエンジンの全体構成図である。
【図4】前記第1〜第3実施例に係るパイロット着火ガスエンジンの制御ブロック図である。
【図5】前記第1〜第3実施例に係るパイロット着火ガスエンジンの作用説明用線図である。
【図6】前記第1〜第3実施例に適用される燃料噴射弁の断面図である。
【図7】前記第1〜第3実施例に適用される燃料ポンプの断面図である。
【符号の説明】
1 副室
2 主燃焼室
4 ピストン
5 シリンダヘッド
6 吸気通路
7 吸気弁
8、8a、8b 燃料噴射管
9 切換弁
10 燃料噴射弁
10a 主着火燃料噴射弁
10b 起動着火燃料噴射弁
30a 主着火燃料ポンプ
30b 起動着火燃料ポンプ
51 コントローラ
52 回転数検出器
53 負荷検出器
Claims (5)
- 燃料噴射装置により液体燃料を副室内に噴射して生成された着火火炎を該副室内から主燃焼室内に形成された希薄混合気中に噴出して該希薄混合気を着火燃焼せしめるパイロット着火ガスエンジンにおいて、前記燃料噴射装置は、エンジンの起動時から一定回転数までの低速運転域において作動し液体燃料を噴射する起動着火燃料噴射装置と、前記一定回転数近傍よりも高速運転域において作動し前記起動着火燃料噴射装置よりも噴射始め時期を遅く設定されて液体燃料を噴射する主着火燃料噴射装置と、エンジン運転条件により前記起動着火燃料噴射装置と主着火燃料噴射装置との作動を切り換えるコントローラとを備えてなることを特徴とするパイロット着火ガスエンジン。
- 前記起動着火燃料噴射装置は起動着火燃料ポンプにより圧送された液体燃料を起動着火燃料噴射弁にて噴射するように構成されるとともに、前記主着火燃料噴射装置は主着火燃料ポンプにより圧送された液体燃料を主着火燃料噴射弁にて噴射するように構成され、前記起動着火燃料噴射弁及び主着火燃料噴射弁を前記副室内に液体燃料を噴射するように設置したことを特徴とする請求項1記載のパイロット着火ガスエンジン。
- 前記起動着火燃料噴射装置は起動着火燃料ポンプにより圧送された液体燃料を起動着火燃料噴射弁にて噴射するように構成されるとともに、前記主着火燃料噴射装置は主着火燃料ポンプにより圧送された液体燃料を主着火燃料噴射弁にて噴射するように構成され、前記主着火燃料噴射弁を前記副室内に液体燃料を噴射するように設置するとともに起動着火燃料噴射弁を前記主燃焼室内に液体燃料を噴射するように設置したことを特徴とする請求項1記載のパイロット着火ガスエンジン。
- 前記起動着火燃料噴射装置を構成する起動着火燃料ポンプ及び前記主着火燃料噴射装置を構成し前記起動着火燃料ポンプよりも噴射始め時期を遅く設定された主着火燃料ポンプを前記副室内に液体燃料を噴射するように設置された1つの燃料噴射弁に燃料噴射管で夫々接続し、前記コントローラはエンジン運転条件により前記起動着火燃料ポンプ及び主着火燃料噴射ポンプの作動を切り換えるように構成してなることを特徴とする請求項1記載のパイロット着火ガスエンジン。
- 前記エンジン運転条件を検出する運転条件検出手段としてエンジン回転数を検出する回転数検出器またはエンジン負荷(エンジン出力)を検出する負荷検出器の何れか一方または双方を設け、前記コントローラは前記運転条件検出手段からのエンジン運転条件検出信号により前記起動着火燃料噴射装置と主着火燃料噴射装置との作動を切り換えるように構成されてなることを特徴とする請求項1記載のパイロット着火ガスエンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002365938A JP3930425B2 (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | パイロット着火ガスエンジン |
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