JP2004197568A - スクロール圧縮装置とその製造方法 - Google Patents

スクロール圧縮装置とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スクロール圧縮装置で低騒音、低摩擦損失を目的にスクロールラップ間を非接触式にする為には、公転スクロール部材の公転運動剛性を向上させ、熱膨張による接触の回避、及び簡単なバランスウエイトの微調整が必要である。
【解決手段】クランク軸の第1偏心軸と反対側の第2偏芯軸に嵌合する単列深溝軸受が、駆動モータ側から公転円盤側に貫通しないように、クランク軸穴端に凸部を設ける手段、クランク軸の第2偏芯軸に嵌着する単列深溝軸受が、駆動モータ側から公転円盤側に貫通しないように、凸部と単列深溝軸受の間にスペーサーを装着する手段、公転ラップ支持円盤を穴形状にし、公転円盤を軸形状にして嵌合する手段、異材質の固定スクロール部材と公転支持部材との結合面位置を最適する手段、バランスウエイトの質量中心位置に穴を設け、この穴の大きさを調整しアンバランス量を簡単に微調整する手段を設けたものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、運動剛性を高めた構造、及び構成部材の熱膨張による形状変形影響度を小さくし、またバランス調整が簡単にできる高効率で低騒音かつ安価なスクロール圧縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図15、16、17を参照しながら説明する。
【0003】
片面に公転スクロールラップ101aを立設させた公転ラップ支持円盤101bとからなる公転スクロール部材101と、片面に固定スクロールラップ103aを立設させた固定ラップ支持円盤103bとからなる固定スクロール部材103を対峙させ、気体圧縮室123を構成させる。図17は気体圧縮室123が順次圧縮される様子を表わしたものである。図17に示すように、公転スクロールラップ101aを時計周りに公転させることで、気体圧縮室123が順次外側から内側に移動し圧縮されて、固定ラップ支持円盤103bの吐出口103cから気体が吐出する構造となっている。
【0004】
また、公転スクロール部材101には、公転スクロールラップ101aの反対側に、公転円盤102を設け、公転スクロールラップ101a側から公転円盤102のねじ穴にボルト120でねじ締結する。駆動軸104が駆動モータ110により回転すると、偏芯軸104aで軸支している公転円盤102、及び公転スクロール部材101は、偏心軸104aの周りを公転しながら回転しようとするが、2個以上のクランク軸105で回転を阻止され、公転円盤102及び公転スクロール部材101は公転することになる。
【0005】
また、公転スクロールラップ101aと固定スクロールラップ103aが噛み合った状態での円弧の法線方向には0.05mm〜0.3mmの隙間を設け、また、公転スクロールラップ101aと固定スクロールラップ103aのラップ先端部は0.03〜0.1mmの隙間を設け、公転する時の摩擦抵抗を無くし摩擦損失の削減が出来るようになっている。
【0006】
図16は自転阻止装置であるクランク軸の詳細断面図である。クランク軸105で、公転円盤102側の第1偏芯軸105eには、2個の単列深溝軸受105a、105bが嵌合されており、また単列深溝軸受105a、105bの反対側の第2偏芯軸105fには2個の単列深溝軸受105c、105dが嵌合されている。単列深溝軸受105aと105bの内輪のお互いに接触するところにシム109aを挟み込み、公転支持板114a側から、押えリング106aとボルト107aで第1偏芯軸105eに軸方向に動かないように固定されている。シム109aの厚みは単列深溝軸受105a、105bのスラスト隙間を合計した寸法以上になっている。同様に第2偏芯軸105fにも単列深溝軸受105c、105dが嵌合され、内輪には、シム109bを挟み込んで公転円盤102側から押えリング106bとボルト107bで軸方向に動かないように固定されている。シム109bの厚みは単列深溝軸受105c、105dのスラスト隙間を合計した寸法以上になっている。
【0007】
一方、駆動軸104の公転スクロール部材101側の端部に偏心軸104aを設け、単列深溝軸受104b、104cを嵌合させ、公転円盤102の駆動軸穴102bに軸方向に移動可能にし装着する。公転スクロール部材101が公転する時、公転スクロール部材101と公転円盤102を一体にした質量中心には遠心力Pが加わり、公転スクロール部材101と公転円盤102を一体にした部分に単列深溝軸受112を基点に曲げモーメントMが発生する。これを支える為に、公転円盤102を、単列深溝軸受105a、105b、単列深溝軸受105c、105dを装着した2個以上のクランク軸105でスラスト方向、ラジアル方向に剛性をもたせて軸支し、公転支持板114a上に、公転スクロール部材101と公転円盤102を一体にした部分を保持し、曲げモーメントMに対抗している。
【0008】
剛性を保ち軸支する為に、単列深溝軸受105a、105bの外輪は、公転円盤102に公転ラップ支持円盤101b側に貫通しないように凸部を設けたクランク軸穴102aに装着し、押えリング108aとボルト111aで公転円盤102に固定し、単列深溝軸受105a、105bの球体に予圧をかけて軸方向に微動しないようにしている。また、剛性を保ち軸支する為に、単列深溝軸受105c、105dの外輪は、公転支持板114にモータ110側に貫通しないように凸部を設けたクランク軸穴102cに装着し、押えリング108bとボルト111bで公転支持板114に固定し、単列深溝軸受105c、105dの球体に予圧をかけて軸方向に微動しないようにしている。
【0009】
駆動軸104の中央には単列深溝軸受112が嵌合され軸用C型止め輪119で固定され、公転支持板114に公転円盤103側に貫通しないように凸部を設けた穴に装着され、押えリング115とボルト116で外輪が軸方向に移動しないように固定されている。そして、バランスウエイト121、駆動モータのローター110、バランスウエイト122が、軸方向に移動せず、かつ駆動軸104の周りを回転しないように嵌合されている。
【0010】
また、単列深溝軸受113はバランス保護カバー117の駆動モータ側に貫通しないように凸部を設けた穴に装着し、この凸部と単列深溝軸受113の外輪との間に皿ばね118を設け、駆動軸104をバランス保護カバー117側に引っ張り、単列深溝軸受112と単列深溝軸受113の球体に予圧が加わるようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
公転スクロール部材101が公転する時、公転スクロール部材101と公転円盤102を一体にした質量中心には遠心力Pが加わり、公転スクロール部材101と公転円盤102を一体にした部分に単列深溝軸受112を基点に曲げモーメントMが発生する。クランク軸105に嵌合された単列深溝軸受105a、105b、105c、105d及び、駆動軸の偏芯軸104aに嵌合された単列深溝軸受104b、104cの摩耗寿命を延命させるには、負荷荷重を小さくすることが必要である。この為に単列深溝軸受112から、公転スクロール部材101と公転円盤102を一体にした質量中心との距離を小さし、曲げモーメントMを小さくすることが要望されている。
【0012】
また、公転スクロールラップ101の先端と固定ラップ支持円盤103bの底面との隙間、および固定スクロールラップ103aの先端と公転ラップ支持円盤101bの底面との隙間を一定に保つ為に、公転スクロール部材101の公転運動剛性を向上させると同時に、公転運動軌跡を固定ラップ支持円盤103bの底面及び公転ラップ支持円盤101bの底面と平行にしなければならない。この為に、自転阻止装置であるクランク軸105の軸方向加工誤差、及び公転スクロール部材101のクランク軸穴の軸方向加工誤差、公転支持板114のクランク軸穴102cの軸方向加工誤差、を調整できる機構が要望されている。
【0013】
また、公転スクロール部材を支えているクランク軸の運動剛性を高め、高速回転時の曲げモーメントMによる、公転スクロール部材と固定スクロール部材との接触を防止することが要望されていた。
【0014】
また、公転スクロール部材101の材質は遠心力Pを小さくする為に、合成樹脂などを使用して軽量化している。また公転円盤102は、第1偏心軸105eに嵌合している単列深溝軸受105a、105b、及びクランク軸104aに嵌合している単列深溝軸受104b、104cの外輪の嵌め合わせ面の耐磨耗性向上の為に、アルミニウム合金となっている。しかし、公転スクロール部材101と公転円盤102を連結した場合、一般に合成樹脂よりアルミニウム合金の熱膨張率が小さく、温度変化により合成樹脂の公転スクロール部材101が、アルミニウム合金製の公転円盤104より熱膨張量が大きくなり、反りが発生し、公転スクロールラップ101aと固定スクロールラップ103aが接触することになり、反りの防止対策が望まれている。
【0015】
また、合成樹脂製の固定スクロール部材103とアルミニウム合金製の公転支持部材の熱膨張係数の違いから、温度が変化した時、両部材の結合面を強固に結合した場合、固定スクロール部材に反りが発生し、固定スクロール部材の形状が変形し、公転スクロール部材と接触し騒音発生するので、結合面で滑りが生じ且つ固定スクロール部材と公転スクロール部材の所要位置決めが確保できる機構が必要であった。
【0016】
また、合成樹脂製の公転スクロール部材101及び固定スクロール部材103と、金属製材料の公転支持部材114は熱膨張率が異なる為に、温度上昇に伴う伸びの大きさに差ができて、公転スクロールラップ101aと固定スクロールラップ103aの隙間を一定に保てず、騒音発生、または所要圧力が発生しない現象が起きており、これらを対策できるスクロール圧縮装置が望まれていた。
【0017】
また、公転スクロール部材101と公転円盤102が公転運動する時の振動防止の為に、バランスウエイト121、122が必要になる。しかし、公転運動する部材の形状加工誤差により、それぞれの質量に誤差が生じる。これを簡単にバランスウエイトで微調整できる機構と方法が望まれていた。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明のスクロール圧縮装置は上記課題を解決するために、
自転阻止装置であるクランク軸の第1偏心軸に嵌合する単列深溝軸受が、公転スクロール部材側から公転支持板側に貫通しないように、公転円盤のクランク軸穴端に凸部を設け、また、クランク軸の第1偏心軸と反対側の第2偏芯軸に嵌合する単列深溝軸受が、駆動モータ側から公転円盤側に貫通しないように、公転支持板のクランク軸穴端に凸部を設ける手段とする。
【0019】
また、クランク軸の第1偏心軸と反対側の第2偏芯軸に嵌着する単列深溝軸受が駆動モータ側から公転円盤側に貫通しないように、公転支持板のクランク軸穴端に凸部を設け、凸部と単列深溝軸受の間にスペーサーを装着する手段とする。
【0020】
また、クランク軸の第1偏心軸に嵌合する2個の単列深溝軸受の間の外輪側にシムを入れて公転円盤に嵌合し、クランク軸の第1偏心軸と反対側の第2偏芯軸に嵌着する2個の単列深溝軸受の間の外輪側にシムを入れて公転支持板に嵌合する手段とする。
【0021】
また、公転ラップ支持円盤の公転スクロールラップと反対側に、公転スクロール部材と異材質の公転円盤を設け、公転ラップ支持円盤中心部を穴形状にし、公転円盤の中心部を軸形状にし嵌合させ、合成樹脂の公転ラップ支持円盤の外周寄りに一体でスクロールラップと反対側に突起を設け、この突起を公転円盤の穴部に挿入し、先端を熱溶融させて結合する手段とする。
【0022】
また、公転スクロール部材と公転円盤及び、固定スクロール部材と公転支持板部材を合成樹脂製のボルトで結合する手段とする。
【0023】
また、公転支持部材と結合する固定スクロール部材のフランジ面に3個以上のU溝を設け、このU溝と丸棒で公転支持部材と固定スクロール部材とを位置決める手段とする。
【0024】
また、公転支持板の公転スクロール部材側の面から、公転スクロールラップ先端までの熱膨張による変位量と、公転支持板の公転スクロール部材側の面から、固定ラップ支持円盤の底面までの熱膨張による変位量との差が±5%以内になる様に、それぞれ異なる材質の固定スクロール部材と公転支持部材との結合面を設ける手段とする。
【0025】
また、バランスウエイトの質量中心位置に穴を設け、この穴の大きさを調整することで公転運動する部材のアンバランス量を簡単に微調整する手段とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明のスクロール圧縮装置は上記課題を解決するために、
自転阻止装置であるクランク軸の第1偏心軸に嵌合する単列深溝軸受が、公転スクロール部材側から公転支持板側に貫通しないように、公転円盤のクランク軸穴端に凸部を設け、また、第2偏芯軸に嵌合する単列深溝軸受が、駆動モータ側から公転円盤側に貫通しないように、公転支持板のクランク軸穴端に凸部を設けることにより、クランク軸の単列深溝軸受の外輪を固定する押えリングを、公転円盤と公転支持板の間に設ける必要がなく、公転運動部材の質量中心を公転支持板に近づけ曲げモーメントMが小さくなり単列深溝軸受の負荷荷重が小さくなる為に寿命を長くする作用を有する。
【0027】
また、クランク軸の第2偏芯軸に嵌着する単列深溝軸受が、駆動モータ側から公転円盤側に貫通しないように、公転支持板のクランク軸穴端に凸部を設け、凸部と単列深溝軸受の間にスペーサーを装着し、このスペーサーの厚みを調整することで、クランク軸の軸方向加工誤差、及び公転円盤のクランク軸穴の軸方向加工誤差、公転支持板のクランク軸穴の軸方向加工誤差をスペーサーの厚みで調整することができ、公転スクロール部材が公転運動する時、固定ラップ支持円盤の底面との平行度が保たれ、また隙間を一定にしながら公転運動ができる為に、安価に製作でき、低騒音で所要吐出圧力の変動が少なくなる作用を有する。
【0028】
また、クランク軸の第1偏心軸に嵌合する2個の単列深溝軸受の間の外輪側にシムを入れて公転円盤に嵌合し、クランク軸の第2偏芯軸に嵌着する2個の単列深溝軸受の間の外輪側にシムを入れて公転支持板に嵌合することにより、単列深溝軸受の鋼球と外輪との接触点と、鋼球と内輪との接触点を結ぶ交点位置が、単列深溝軸受の外輪位置より外側となり、軸の曲げモーメントに対向する剛性が大きくなり、それぞれの公転運動によるラップ間の接触が無くなり低騒音及び低消費電力化の作用を有する。
【0029】
また、熱膨張率の大きい合成樹脂製の公転ラップ支持円盤中心部を穴形状にし、アルミニウム合金製の公転円盤の中心部を軸形状にし嵌合させることで、温度上昇と共にハメアイ隙間が大きくなり、熱膨張での反りの発生が小さくなる。さらに、合成樹脂製の公転ラップ支持円盤の外周寄りに突起を設け、この突起を公転円盤の穴部に挿入し、先端を熱溶融させて結合する。そして、突起の軸径よりを穴径を大きくしておけば、温度上昇と共に合成樹脂製の突起の長さが公転円盤の穴の深さより膨張量が大きくなり、公転ラップ支持円盤と公転円盤の結合力がわずか緩むことで、公転ラップ支持円盤は、中心から外側に熱膨張量差だけ移動し反り量が小さくなる作用を有する。
【0030】
また、公転スクロール部材と公転円盤及び、固定スクロール部材と公転支持板部材を合成樹脂製のボルトで結合することにより、温度上昇と共に合成樹脂製のボルトが軸方向に伸び締結力が弱まり、それぞれが異材質の結合である公転スクロール部材と公転円盤、及び固定スクロール部材と公転支持板部材の結合面での滑りが生じ易くなり、熱膨張での反りが減少する作用を有する。
【0031】
また、公転支持部材と結合する固定スクロール部材のフランジ面に3個以上のU溝を設け、このU溝と丸棒で公転支持部材と固定スクロール部材とを位置決めすることで、異材質の公転支持部材と固定スクロール部材の中心から外側に向けての熱膨張による変位量をU溝で滑らすことができ、反りを減少させる作用を有する。
【0032】
また、公転支持板の公転スクロール部材側の面から、公転スクロールラップ先端までの熱膨張による変位量と、公転支持板の公転スクロール部材側の面から、固定ラップ支持円盤の底面までの熱膨張による変位量との差が±5%以内になる様に、それぞれ異なる材質の固定スクロール部材と公転支持部材との結合面を設けることにより、温度変化が生じても公転スクロールラップ先端と固定スクロールラップ先端の隙間を一定に保ち、接触による騒音発生、また、隙間が大きくなることによる所要吐出圧力の低下を回避できる作用を有する。
【0033】
また、公転スクロール部材と公転円盤の公転運動力による振動防止の為に、駆動軸のラジアル方向及軸長手方向にバランスウエイトが必要になる。このバランスウエイトの質量中心位置に穴を設け、この穴の大きさを調整することで公転運動する部材の形状加工誤差によるアンバランス量を簡単に微調整できることにより、安価に製作できる作用を有する。
【0034】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0035】
【実施例】
(実施例1)
図1、2、3、4を参照しながら説明する。
【0036】
片面に公転スクロールラップ1aを立設させた公転ラップ支持円盤1bとからなる、公転スクロール部材1と、片面に固定スクロールラップ3aを立設させた固定ラップ支持円盤3bとからなる、固定スクロール部材3を対峙させ、気体圧縮室7を構成させる。図2は気体圧縮室7が順次圧縮される様子を表わしたものである。図2に示すように、公転スクロールラップ1aを時計周りに公転させることで、気体圧縮室7が順次外側から内側に移動し圧縮されて、固定ラップ支持円盤3bの吐出口3cから気体が吐出する構造となっている。
【0037】
公転スクロール部材1が公転運動する時、公転スクロール部材1と公転円盤2を一体にした質量中心には遠心力Pが加わり、公転スクロール部材1と公転円盤2を一体にした部分に単列深溝軸受12を基点に曲げモーメントMが発生する。これを支える為に、公転円盤2を単列深溝軸受5a、5b、単列深溝軸受5c、5dを装着した2個以上のクランク軸5でスラスト方向、ラジアル方向に剛性をもたせて軸支し、公転支持板14a上に保持し曲げモーメントMに対抗している。
【0038】
また、公転スクロール部材1は、遠心力Pを小さくする為に、質量の小さなPPS、液晶ポリマー、ABS、変性PPOまたは、気泡の混入した軽量な合成樹脂材料等で作られている。また、公転スクロール部材1には、公転スクロールラップ1aの反対側に、アルミニウム合金系、鉄合金系及びチタン合金等の材質で公転円盤2を設け、公転円盤2に公転ラップ支持円盤1bの複数個の取付けボス25のねじ穴にボルト20でねじ締結する。取付けボス25の公転円盤とのハメアイ公差はすきま嵌めで位置決めができるようになっている。駆動軸4が駆動モータ10により回転すると、偏芯軸4aで軸支している公転円盤2及び公転スクロール部材1は、偏心軸4aの周りを公転しながら回転しようとするが、2個以上のクランク軸5で回転を阻止され、公転円盤2及び公転スクロール部材1は公転することになる。また、公転スクロールラップ1aと固定スクロールラップ3aが噛み合った状態での円弧の法線方向には0.05mm〜0.3mmの隙間を設け、また、公転スクロールラップ1aと固定スクロールラップ3aのラップ先端部は0.03〜0.1mmの隙間を設け、公転する時の摩擦抵抗を無くし摩擦損失の削減が出来るようになっている。
【0039】
図3は自転阻止装置であるクランク軸周りの断面図である。尚、図1にはクラン右軸が1個所のみしか表わされていないが、実際は2個以上の複数個のクランク軸で構成されている。
【0040】
さて、クランク軸5で公転円盤2側の第1偏芯軸5eには、2個の単列深溝軸受5a、5bが嵌合されており、また第1偏芯軸5eの反対側の第2偏芯軸5fには2個の単列深溝軸受5c、5dが嵌合されている。なお、単列深溝軸受とあるが、アンギュラコンタクト軸受、円錐ころ軸受でもよい。
【0041】
単列深溝軸受5a、5bは、アルミニウム合金系、鉄合金系及びチタン合金系の公転円盤2のクランク軸穴2aに嵌合される為に、単列深溝軸受5a、5bの外輪との嵌合が、金属面で接触し合成樹脂の穴と嵌合する場合に比べ耐摩耗が向上する。同様に単列深溝軸受5c、5dは、アルミニウム合金系、鉄合金系及びチタン合金系の公転支持板14aのクランク軸穴14bに嵌合される為に、単列深溝軸受5c、5dの外輪と嵌合が、金属面で接触し合成樹脂の穴と嵌合する場合に比べ耐摩耗が向上する。
【0042】
また公転スクロール部材1と公転円盤2を異材質にすることで、公転スクロール部材1を合成樹脂材料で製作し軽量化ができるので、公転スクロール部材1の質量に加わる遠心力Pが小さくなり、かつ質量位置が密度の大きい金属製の公転円盤2側になるので、曲げモーメントMが小さくなる。
【0043】
単列深溝軸受5aと5bの内輪は、お互いに接触するところにシム9aを挟み込み、押えリング6aとボルト7aで偏芯軸5eに軸方向に動かないように固定されている。同様に偏芯軸5fにも単列深溝軸受5c、5dが嵌合され、内輪には、シム9bを挟み込んで押えリング6bとボルト7bで軸方向に動かないように固定されている。単列深溝軸受5a、5bの外輪は、公転スクロール部材1側から公転支持板14a側に貫通しないようにクランク軸穴2a端に凸部2cを設け、嵌合し、押えリング8aとボルト11aで公転円盤2に固定し、単列深溝軸受5a、5bの球体に予圧をかけて軸方向に微動しないようにしている。また、同様に単列深溝軸受5c、5dの外輪は、駆動モータ10側から公転スクロール部材1側に貫通しないようにクランク軸穴14b端に凸部14dを設け、クランク軸穴14bに嵌合し、押えリング8bとボルト11bで公転支持板14aに固定し、単列深溝軸受5c、5dの球体に予圧をかけて軸方向に微動しないようにしている。このようにし、単列深溝軸受の外輪のスラスト方向を固定すると、単列深溝軸受5a、5b、単列深溝軸受5c、5dの球には予圧が発生する。シム9a、9bの厚み寸法は、単列深溝軸受5a、5bの内輪のスラスト隙間を合計した寸法以上とし、また単列深溝軸受5c、5dの内輪のスラスト隙間を合計した寸法以上とし、さらに曲げモーメントMによりクランク軸5に発生する交番スラスト力の最大値より予圧力が大きくなるように設定する。
【0044】
また、単列深溝軸受5a、5bに軸方向に微動しないように外輪を軸方向固定しているので、公転部材2は、単列深溝軸受5a、5bの外輪接触面ですべり回転せず摩耗が発生しない。なお、単列深溝軸受5a、5bに予圧を設けた構造としているが、偏芯軸5eが、公転円盤2に対して軸方向及び軸直角方向に微動しないように回転自由に枢着できる構造であればよい。例えば、スラスト軸受けと単列深溝軸受を組合わせた構造などがある。
【0045】
このような構造にすると、押さえリング8a、8b及ボルト11a、11bの空間が、公転支持板14aと公転円盤2の間に必要なくなり、公転運動する公転スクロール部材1及び公転円盤2と、公転運動を支える公転支持板14aの単列深溝軸受12との距離が短くなり、曲げモーメントMが小さくなる。そして、クランク軸の単列深溝軸受5a、5b、5c、5d及び駆動軸4の単列深溝軸受4c、4dの負荷荷重が小さくなり、摩耗寿命が延命されることになる。尚、単列深溝軸受の寿命は負荷荷重の3乗に比例し短くなるので負荷荷重の軽減は寿命に大きな影響を与えている。尚、単列深溝軸受5a、5bの内輪側、及び単列深溝軸受5c、5dの内輪側にシムを入れたが、図4に示すように、それぞれの単列深溝軸受の外輪がお互いに接触するところにシムを入れても同じ効果が得られる。この場合は、それぞれの単列深溝軸受5a、5bの鋼球と外輪との接触点と、鋼球と内輪との接触点を結ぶ交点位置が、単列深溝軸受の外輪の外径位置より外側となり、公転円盤2の曲げモーメントに対向する剛性が大きくなる。同様に単列深溝軸受5c、5dの鋼球と外輪との接触点と、鋼球と内輪との接触点を結ぶ交点位置が、単列深溝軸受の外輪の外径位置より外側となり、公転支持板14aの曲げモーメントに対向する剛性が大きくなる。
【0046】
一方、駆動軸4の公転スクロール部材1側の端部に偏心軸4aを設け、単列深溝軸受4b、4cを嵌合させ、公転円盤3の駆動軸穴2bに軸方向に移動可能にし装着する。なお、単列深溝軸受4b、4cと2個となっているが、1個でもよい。また、単列深溝軸受となっているが、ラジアル荷重とスラスト荷重を支えられる軸受け構造であればよい。そして、駆動軸4の中央には単列深溝軸受12が嵌合され軸用C型止め輪19で固定され、公転支持板14aの公転円盤3側に貫通しないように凸部を設けた穴に装着され、押えリング15とボルト16で外輪が軸方向に移動しないように固定されている。さらに、バランスウエイト21、駆動モータのローター10、バランスウエイト22が、軸方向に移動せず、かつ駆動軸4の周りを回転しないように嵌合されている。
【0047】
また、単列深溝軸受13はバランス保護カバー17の駆動モータ側に貫通しないように段を設けた穴に装着し、この段と単列深溝軸受13の外輪との間に皿ばね18を設け、駆動軸4をバランス保護カバー17側に引っ張り、単列深溝軸受12と単列深溝軸受13の球体に予圧が加わり、駆動軸4のスラスト剛性が向上し、騒音を小さくしている。
【0048】
(実施例2)
図5、図6を参照しながら説明する。
【0049】
公転スクロールラップ1a先端と固定ラップ支持円盤3bの底面、固定スクロールラップ3a先端と公転スクロール部材1の底面の隙間は0.03mm〜0.1mmとなっている。この隙間を維持しながら、公転スクロール部材1を公転運動させる為に、公転支持部材14のA面と公転ラップ支持円盤1bの底面Bの平行度Pと公転運動時の公転ラップ支持円盤1bの底面Bの振れ精度が重要となってくる。
【0050】
公転スクロールラップ1a先端と固定ラップ支持円盤3bの底面、固定スクロールラップ3a先端と公転スクロール部材1の底面の隙間が最小で0.03mmであることから判断して、平行度Pは0.02mm以内、及び公転運動精度は、底面Bの振れで0.02mm以内であることが必要である。
【0051】
しかし、この平行度Pと底面Bの振れ精度を維持するためには、公転スクロール部材1の公転ラップ支持円盤1bの底面Bから、公転円盤に取り付ける公転スクロール部材の凸部1eの先端面までの距離L1の加工精度、公転円盤2の凸部1eの先端面が取り付く面からクランク軸5の単列深溝軸受5bが取り付くクランク軸穴2aの凸部端面までの距離L2の加工精度、図6に示すクランク軸5の両端の偏芯軸5e、5fの単列深溝軸受5b、5cの内輪が接触する面間の距離L3の加工精度、公転支持部材14のA面から、複数のクランク軸の偏芯軸5fの単列深溝軸受5cの外輪と接触する面までの距離L4の加工精度、がそれぞれ重要になってくる。しかし、これらの加工精度公差を小さくすると、価格が高くなる。
【0052】
そこで、図6に示すように、自転阻止装置であるクランク軸5の第2偏芯軸5fに嵌合する単列深溝軸受5c、5dが、駆動モータ側から公転円盤側に貫通しないように、公転支持板14aのクランク軸穴14bの端部に凸部14dを設け、凸部14dと単列深溝軸受5cの間にスペーサー23を装着し、このスペーサー23の厚みL5で、L1、L2、L3、L4の加工誤差を調整し、公転スクロールラップ1a先端と固定ラップ支持円盤3bの底面、固定スクロールラップ3a先端と公転スクロール部材1の底面の隙間を0.03mm〜0.1mmに維持しながら、公転スクロール部材1を公転運動させることができる。
【0053】
(実施例3)
図7、8を参照しながら説明する。
【0054】
図7は公転スクロール部材1をスクロールラップ側から見た正面図である。
【0055】
図8はスクロール圧縮装置の公転スクロール部材周辺の断面図である。
【0056】
図8に示す合成樹脂製の公転スクロール部材1の熱膨張係数はABS樹脂で7.8*10-5〜8*10-5、ポリエチレンテレフタレート(PET)で2.4*10-5〜8*10-5、となっている。ここで、熱膨張係数に開きがあるのは、流動体から固形体に変化する過程で流動方向によって熱膨張係数が変化するからである。また、アルミニウム合金製の公転円盤2は2.2*10-5となっており、その差は約1〜4倍となっている。スクロール圧縮機の使用温度範囲は0℃〜60℃であり、合成樹脂製の公転スクロール部材1とアルミニウム合金製の公転円盤2をお互いに常温で密着固定結合し、温度上昇した場合、熱膨張係数の大きな合成樹脂製の公転スクロール部材1がアルミニウム合金製の公転円盤2より伸び、公転スクロールラップ側が凸状になる反りが生じる。また、冷却された時は凹状に反る。この現象はバイメタルを想像していただければ理解し易い。
【0057】
つまり、大気標準温度20℃の時に反りなしで組み立て、公転スクロールラップ1aと固定スクロールラップ3aのラップ先端部は0.03〜0.1mmの隙間を設け、公転する時の摩擦抵抗を無くし摩擦損失の削減が出来るようにしても、温度上昇によるこれらの反りにより公転スクロールラップ1a先端と固定ラップ支持円盤3bの底面、および固定スクロールラップ3aの先端と公転ラップ支持円盤1bの底面が接触し、騒音発生及び、摩耗の原因になっていた。例えば、20℃から60℃まで温度変化させ、直径で約100mmのPET樹脂製の公転ラップ支持円盤とアルミニウム合金製の公転円盤2を密着結合させた場合の反り量は0.2mm以上となった。もしこの反りが発生せず、単純に固定スクロール部材と公転スクロール部材が膨張するならば、それぞれが同じ材質とすれば、公転スクロールラップ1aと固定スクロールラップ3aが噛み合った状態での円弧法線方向の0.05mm〜0.3mmの隙間、また、公転スクロールラップ1aと固定スクロールラップ3aのラップ先端部の0.03〜0.1mmの隙間は大きく変化しないことになる。しかし、反りが発生するとこのようにはならない。
【0058】
この反り量は、合成樹脂の熱膨張係数とアルミニウム合金の熱膨張係数の差に比例する。よって、この差の小さい材料の組み合わせがよい。例えば、アルミニウム合金に近い熱膨張率の合成樹脂材料としてポリフェニレンサルファイト(PPS)があるが、それでもPPSの熱膨張係数は2.9*10-5〜6*10-5である。
【0059】
また、反り量を減少させる構造として、図8に示すように公転ラップ支持円盤1bの公転スクロールラップ1aと反対側に、公転スクロール部材1と異材質の公転円盤2を設け、公転ラップ支持円盤1bほぼ中央に穴1dを設け、公転円盤2のほぼ中央に軸2dを設けて、それぞれ嵌着し位置合わせをする構造にする。この構造でスクロール圧縮装置の使用温度の最低温時に、穴1dと軸2dの嵌合を中間ばめにしておく。そして、温度が上昇した時、熱膨張率の大きい合成樹脂製の公転スクロール部材1の穴1dの直径は、アルミニウム合金製の公転円盤2の軸2dの直径より大きくなり、公転スクロール部材1と公転円盤2に無理な内部応力が発生しないので、反り量が小さくなる。
【0060】
また、公転ラップ支持円盤1bで、公転スクロールラップ1aの反対面に穴1dの中心から外周に向かって1本以上の溝28aを設ける。さらに、公転円盤2の公転スクロール部材1側に、軸2dの中心から外周に向かって溝28aと位置合わせし溝28aより長さを短くした凸部28bを設ける。この溝28aと凸部28bを嵌合させて、公転スクロール部材1と公転円盤2を重ね合わせる。このようにすると、公転スクロール部材1と公転円盤2は穴1dを中心として回転が阻止され所要の位置で連結される。そして、温度上昇をしても、合成樹脂製の公転ラップ支持円盤1dの溝28aは、アルミニウム合金製の公転円盤2の凸部28bより、膨張量が大きいので、溝幅方向で締め付ける力が発生せず、歪みを無くすことができる。
【0061】
一方、公転スクロール部材1と公転円盤2の連結構造として、図8に示すように、公転ラップ支持円盤1bの公転円盤2と連結する側に、公転円盤2との平行を保つ為の平行面26aと、結合力を保つ為の結合軸26bからなる複数の凸部26を設ける。平行面26aは公転円盤2のクランク軸穴2aの中心と直角に仕上げた公転円盤2の面と接触させ、さらに結合軸26bを、結合軸26bの外形より大きい公転円盤2の穴2eに挿し込む。公転円盤2の穴2eに差し込まれた時、結合軸26bの先端部が4〜5mm出っ張る様にし、座金27を通す。座金27から出っ張った結合軸26bの先端を、熱伝導の良い金属部を押し当て、合成樹脂製の結合軸26bの溶融温度まで瞬間に加熱し先端を押さえる。次に結合軸26bが穴2eに挿入された部分が溶融しないように、熱伝導の良い金属を押さえつけたままで合成樹脂が固形化する温度まで瞬時冷却する。この熱伝導の良い金属の質量をできるだけ小さくし、熱イナーシャを小さくすることがポイントとなる。このように複数個の凸部26で合成樹脂製の公転スクロール部材とアルミニウム合金製の公転円盤2と連結し温度変化が生じても、合成樹脂製の結合軸26aは、アルミニウム製の公転円盤2の板厚より熱膨張し、結合力が緩み結合面で滑りが生じ反りが防止される。
【0062】
次に、図9を参照しながら合成樹脂製の公転スクロール部材とアルミニウム合金製の公転円盤との結合で他の構造を説明する。公転スクロール部材1と公転円盤2の連結構造として、公転ラップ支持円盤1bに、公転円盤との平行を保つ為の平行面29aとねじ穴29b設けた複数の凸部29を設ける。平行面29aは公転円盤2で公転円盤2のクランク軸穴2aの中心と直角に仕上げた面と接触させ、さらに、ボルト30の外形より大きい公転円盤2のボルト通し穴29cに合成樹脂製のボルト30を挿し込みねじ結合させる。このように複数個の合成樹脂製のボルト30で公転円盤2と連結することで、合成樹脂製の公転スクロール部材1とアルミニウム合金製の公転円盤2に温度変化が生じても、合成樹脂製のボルト30は、アルミニウム製の公転円盤2より熱膨張し、結合力が緩み、結合面で滑りが生じ、反りが防止される。
【0063】
(実施例4)
図10、11を参照しながら説明する。図10はスクロール圧縮装置を固定スクロール部材側から見た正面図である。図11はスクロール圧縮装置の固定スクロール部材及び公転スクロール部材周辺の断面図である。
【0064】
固定スクロール部材3の外形に向かってフランジ部3dを設け、このフランジ部3dと公転支持部材14の公転支持円筒14cが結合されている。また、固定スクロール部材3は、安価に製作する為に、合成樹脂製の材料を利用し射出成形で製作することが望ましい。また公転支持部材14は、単列深溝軸受を嵌合し公転スクロール部材1の公転運動を支える為に、アルミニウム合金系などの金属材料が望ましい。さらに、スクロール圧縮装置は0℃〜60℃ぐらいまで支障なく運転できるように望まれている。
【0065】
しかし、合成樹脂とアルミニウム合金の熱膨張係数の差は約1〜4倍であり、常温約20℃で部品加工し組立てた後、温度を0℃〜60℃まで変化させた時に、固定スクロール部材3のフランジ部3dは、公転支持円筒14cの端部より外形方向に膨張し伸びることになるが、強固に結合されているとこの伸びが規制され、固定スクロール部材に反りが発生し、公転スクロールラップ1aと固定スクロールラップ3aが噛み合った状態での円弧の法線方向の0.05mm〜0.3mmの隙間、また公転スクロールラップ1aと固定スクロールラップ3aのラップ先端部の0.03〜0.1mmの隙間が保持できなくなり、接触し騒音を発生する。
【0066】
この対策として、フランジ面3dに、固定スクロール部材3の中心から外側に向かってそれぞれ平行にならない3個以上のU溝3eを設ける。さらに、このU溝3eと公転支持円筒14cの端部で重なる位置に、丸穴14eを設け、この丸穴14eに丸棒31を差し込み円周方向の位置きめをする。尚この場合、丸棒31がU溝3eの開口部方向に移動できる様にU溝3eの長さに余裕を持たせて置く。
【0067】
次に、フランジ部3dでU溝3e以外の個所で固定スクロール部材3側から、合成樹脂製のボルト32で締結する。この様にすると、固定スクロール部材3が公転支持部材14より中心から外側方向に熱膨張しても、U溝3eと丸棒31間で固定スクロールの中心から滑りが生じ、また、合成樹脂のボルト32は、軸方向で膨張しねじの締め付け力が温度上昇と共に緩くなり、滑りが生じ易くなる。よって、熱膨張による歪みが緩和される効果がある。
【0068】
(実施例5)
図12を参照しながら説明する。
【0069】
スクロール圧縮装置の温度変化により、公転スクロールラップ101aの先端と固定ラップ支持円盤103bの底面、および固定スクロールラップ103aの先端と公転ラップ支持円盤101bの底面の隙間が変化し、騒音発生及び所要空気圧力が出ないなどの現象が生じていた。
【0070】
原因は、温度変化と共に公転スクロール部材101全体が固定スクロール部材103側に移動し、さらにラップ長さが変化するからである。さらに、固定スクロール部材103と公転スクロール部材101が同じ材質ならば、ラップ長さは同じ量だけ変化するので、ラップ先端の隙間への影響はないが異材質の場合は隙間に影響を及ぼす。また、公転支持部材14及び公転円盤2の材質はアルミニウム合金製であり、固定スクロール部材3及び公転スクロール部材1は合成樹脂製であり、クランク軸5は鉄系合金製で製作されている。
【0071】
公転支持部材14と固定スクロール部材1の結合面Cから、公転支持部材14のD面までの距離L6は、アルミニウム合金製の公転支持部材14の熱膨張係数で変化する。この量、X1はL6*h1となる。ただし、h1はアルミニウム合金の熱膨係数である。また、C面から固定ラップ支持円盤3bの底面Eまでの距離L7は、固定スクロール部材1の材質の熱膨張係数で変化する。その量X2はL7*h2となる。ただし、h2は固定スクロール部材の材質の熱膨張係数である。
【0072】
また、公転スクロール部材1の底面であるB面から、公転支持部材14のD面までの距離L8はアルミニウム合金製の公転円盤2と鉄系合金製のクランク軸5の熱膨張係数で変化する。この量は、X3はL8*h3となる。ただしh3はアルミニウム合金製の公転円盤2と鉄系合金製のクランク軸5熱膨張係数を考慮した値である。また、公転スクロール部材1のラップ先端面Fから底面Bまでの距離L9は公転スクロール部材3の材質の熱膨張係数で変化する。その量X4はL9*h4となる。ただし、h4は公転スクロール部材の材質の熱膨張係数である。
【0073】
よって変位量((X1+X2)−(X3+X4))は、温度変化と共に変化することになる。この変位量((X1+X2)−(X3+X4))の変化は、公転スクロールラップ1aの先端と固定ラップ支持円盤3bの底面、および固定スクロールラップ3aの先端と公転ラップ支持円盤1bの底面の隙間を変化させ、騒音の発生、または吐出圧力を低下させる。
【0074】
そこで、公転支持部材14のD面から、公転スクロールラップ1a先端面Fまでの熱膨張による変位量(X3+X4)と、公転支持部材14の公転スクロール部材側のD面から、固定スクロール部材の底面Eまでの熱膨張による変位量(X1+X2)との差、つまり((X1+X2)−(X3+X4))が±5%以内になる様に、固定スクロール部材1と公転支持部材14との結合面Cを設ける。
【0075】
(実施例6)
図13、図14を参照しながら説明する。
【0076】
図13はバランスウエイト21の正面図、図14はバランスウエイト22の正面側面図である。
【0077】
公転スクロール部材1と公転円盤2が公転運動する時、駆動軸4に対して質量のアンバランスが生じ、運転時の振動騒音防止の為に、バランスウエイト21、22が必要になる。公転スクロール部材1、公転円盤2、単列深溝軸受等の公転運動する部材は、形状加工精度誤差で質量に誤差が生じる為に、スクロール圧縮装置個々にバランスウエイト21、22の最適質量が存在し、調整する必要がある。通常はバランスウエイトの最適質量を決定する為に、公転運動でない回転運動する装置の場合は、バランス量測定装置に回転運動体を取り付けてアンバランス量を測定し、このアンバランス質量を補正し振動防止をしている。ところが、スクロール圧縮装置のような公転運動装置に対しては、自転阻止装置などがあり公転運動する部分を取り出してバランス測定装置に取り付けることができない。よって、バランス調整する為に、公転スクロール部材1、公転円盤2など公転運動する部材をあらかじめ単体それぞれの質量を精密実測し、バランスウエイト21、22の必要質量を計算して組み立てるようにしている。また、これらの公転運動する部材の質量中心は理想形状状態での質量中心にあるものとし、質量中心の座標の計算は、最近の3次元CADで簡単に求めることができる。この時、バランスウエイト21、22の質量中心を変化させずに最適な質量にするために、あらかじめ、質量中心に穴を設け、この穴に追加加工、もしくはこの穴に質量物体を追加することでバランスウエイト21、22を最適な質量にしている。もし、バランスウエイト21、22の質量中心以外の部分の補正で、アンバランス量を調整する場合、この補正でバランスウエイト21、22質量中心も変化するので、その都度質量中心を計測して、再計算しバランス補正が正しかったかの確認が必要になり大変な手間であった。さらに、バランスウエイト21の質量中心の穴21a、及びバランスウエイト22の質量中心の穴22aは、あらかじめ小さく開けておき、つまりバランスウエイト21、22の質量を大き目にしておく。そして、この穴21a及び22aにきりなどで追加工し大きくすることで、最適な質量にすることができる。
【0078】
実際の組立て方法とし、まず公転スクロール部材1、公転円盤2など公転運動する部品の実際の質量をそれぞれ精密はかりで計測して個別部品番号と共にコンピューターに登録しておく。また、バランスウエイト21、22も同様に個別部品番号と共にコンピューターに登録しておく。実際組み立てる時、使用する部品の個別部品番号をコンピューターに入力すると、必要な計算をし、バランスウエイト21、22の個別部品番号を出力するようにする。このような作業をしていくと、バランスウエイト21、22の所要質量に片寄りができ、過不足を生じるが、穴21a、穴22aを追加加工することで簡単に調整できる。さらに、組み立ての最終工程でスクロール圧縮装置のバランス計測が不必要になり、さらにバランス調整の為に一部を分解する手間を省くことができ、安価に製作ができるようになる。
【0079】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように本発明によれば、
公転円盤のクランク軸穴に、クランク軸の第1偏心軸に嵌合する単列深溝軸受が、公転スクロール部材側から公転支持板側に貫通しないように、公転円盤のクランク軸穴端に凸部を設け、また、公転支持板のクランク軸穴に、クランク軸の第1偏心軸と反対側の第2偏芯軸に嵌着する単列深溝軸受が、駆動モータ側から公転円盤側に貫通しないように、公転支持板のクランク軸穴端に凸部を設けたことにより、駆動軸の単列深溝軸受と公転運動する部材の質量中心との距離を小さし曲げモーメントMが小さくなり単列深溝軸受の負荷荷重が小さくなることで寿命の延命が図れる効果を有する。
【0080】
また、クランク軸の第2偏芯軸に嵌合する単列深溝軸受が、駆動モータ側から公転円盤側に貫通しないように、公転支持板の穴端に凸部を設け、凸部と単列深溝軸受の間にスペーサーを装着し、それぞれのスペーサーの厚みを調整することで、公転スクロール部材が公転運動する時、固定ラップ支持円盤との平行度が保たれ、隙間を一定にしながら、公転運動でき、ラップ同士の接触が回避でき、さらに漏れが減少することで騒音防止、効率向上の効果が発揮できる。
【0081】
また、クランク軸の第1偏心軸に嵌合する2個の単列深溝軸受の間の外輪側にシムを入れて公転円盤に嵌合し、クランク軸の第2偏芯軸に嵌着する2個の単列深溝軸受の間の外輪側にシムを入れて公転支持板に嵌合することにより、軸の曲げモーメントに対向する剛性が大きくなり、それぞれの公転運動によるラップ間の接触が無くなり低騒音及び低消費電力化の効果を有する。
【0082】
また、公転ラップ支持円盤中心部を穴形状にし、アルミニウム合金製の公転円盤の中心部を軸形状にし嵌合させることで、温度上昇と共にハメアイ隙間は大きくなり、熱膨張での反りの発生が小さくなる。さらに、合成樹脂製の公転ラップ支持円盤の外周寄りに突起を公転円盤の穴部に挿入し、先端を熱溶融させて結合することで、温度上昇と共に公転ラップ支持円盤と公転円盤の結合力がわずか緩み熱膨張量差だけずれ、反り量が小さくなる為にそれぞれのラップ間の接触が無くなり低騒音及び低消費電力化の効果を有する。
【0083】
また、公転スクロール部材と公転円盤及び、固定スクロール部材と公転支持板部材を合成樹脂製のボルトで結合することにより、温度上昇と共に合成樹脂製のボルトが軸方向に伸び締結力が弱まり、結合面での滑りが生じ易くなり、熱膨張での反りが減少し、ラップ間の接触が無くなり低騒音及び低消費電力化の効果を有する。
【0084】
また、公転支持部材と結合する固定スクロール部材のフランジ面に3個以上のU溝を設け、このU溝と丸棒で公転支持部材と固定スクロール部材とを位置決めすることで、異材質の公転支持部材と固定スクロール部材の熱膨張による変位量をU溝で滑らすことができ、熱変形を減少させ、ラップ間の接触が無くなり騒音防止、効率向上及び低消費電力化の効果を有する。
【0085】
また、公転支持板の公転スクロール部材側の面から、公転スクロールラップ先端までの熱膨張による変位量と、公転支持板の公転スクロール部材側の面から、固定スクロール部材の底面までの熱膨張による変位量との差が±5%以内になる様に、それぞれ異なる材質の固定スクロール部材と公転支持部材との結合面を設けることにより、温度変化が生じても公転スクロールラップと固定スクロールラップの隙間を一定に保ち、ラップ同士の接触が回避でき、さらに漏れが減少することで騒音防止、効率向上の効果が発揮できる。
【0086】
また、バランスウエイトの質量中心位置に穴を設け、この穴の大きさを調整することで公転運動する部材の形状加工誤差によるアンバランス量を簡単に微調整できることにより、安価に製作できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクロール圧縮装置の断面図
【図2】スクロール圧縮室の変化を表わした正面図
【図3】クランク軸の詳細断面図
【図4】クランク軸の詳細断面図
【図5】スクロール圧縮室の断面図
【図6】クランク軸の詳細断面図
【図7】公転スクロール部材をスクロールラップ側から見た正面図
【図8】スクロール圧縮室の断面図
【図9】スクロール圧縮室の断面図
【図10】固定スクロール部材側から見た正面図
【図11】スクロール圧縮室の断面図
【図12】スクロール圧縮室の断面図
【図13】バランスウエイト21の正面図
【図14】バランスウエイト22の正面図
【図15】従来例のスクロール圧縮装置の断面図
【図16】同従来例のクランク軸の詳細断面図
【図17】同従来例のスクロール圧縮室の変化を表した断面図
【符号の説明】
1 公転スクロール部材
1a 公転スクロールラップ
1b 公転ラップ支持円盤
1e 凸部
1d 穴
2 公転円盤
2a クランク軸穴
2b 駆動軸穴
2c 凸部
2d 軸
2e 穴
3 固定スクロール部材
3a 固定スクロールラップ
3b 固定ラップ支持円盤
3c 吐出口
3d フランジ部
4 駆動軸
4a 偏心軸
4b、4c 単列深溝軸受
5 クランク軸
5a、5b 単列深溝軸受
5c、5d 単列深溝軸受
5e 第1偏芯軸
5f 第2偏心軸
6a、6b 押えリング
7 気体圧縮室
7a、7b ボルト
8a、8b 押えリング
9a、9b シム
10 駆動モータ
11a、11b ボルト
12 単列深溝軸受
13 単列深溝軸受
14 公転支持部材
14a 公転支持板
14b クランク軸穴
14c 公転支持円筒
14d 凸部
14e 丸穴
15 押えリング
16、20 ボルト
17 バランス保護カバー
18 皿ばね
19 軸用C型止め輪
21、22 バランスウエイト
21a、22a 穴
23 スペーサー
25 取付けボス
26 凸部
26a 平行部
26b 結合部
27 座金
29 凸部
29a 平行面
29b ねじ穴
29c ボルト通し穴
30 ボルト
31 丸棒
B 公転ラップ支持円盤の底面
C 結合面
D 公転支持板部材の底面
E 固定ラップ支持円盤の底面
F 公転スクロールラップの先端面

Claims (11)

  1. 固定ラップ支持円板の片面に固定スクロールラップを立設させた固定スクロール部材と、
    公転ラップ支持円板の片面に公転スクロールラップを立設させた公転スクロール部材で、
    前記固定スクロールラップと前記公転スクロールラップを対峙させて噛み合わせ、前記公転スクロール部材を公転運動させ気体を圧縮させるスクロール圧縮装置であって、
    前記公転スクロール部材を支える公転円盤のクランク軸穴に、自転阻止装置であるクランク軸の第1偏心軸に嵌合する単列深溝軸受が、前記公転スクロール部材側から公転支持板側に貫通しないように、前記公転円盤の前記クランク軸穴端に凸部を設け、
    また、自転阻止装置であるクランク軸の前記第1偏心軸と反対側の第2偏芯軸に嵌着する単列深溝軸受が、駆動モータ側から前記公転円盤側に貫通しないように、前記公転支持板の前記クランク軸穴端に凸部を設けたことを特徴とするスクロール圧縮装置。
  2. 自転阻止装置であるクランク軸の前記第1偏心軸と反対側の前記第2偏芯軸に嵌合する単列深溝軸受が、前記駆動モータ側から前記公転円盤側に貫通しないように、前記公転支持板の穴端に凸部を設け、前記凸部と前記単列深溝軸受の間にスペーサーを装着したことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮装置。
  3. 固定ラップ支持円板の片面に固定スクロールラップを立設させた固定スクロール部材と、
    公転ラップ支持円板の片面に公転スクロールラップを立設させた公転スクロール部材で、
    前記固定スクロールラップと前記公転スクロールラップを対峙させて噛み合わせ、前記公転スクロール部材を公転運動させ気体を圧縮させるスクロール圧縮装置であって、
    公転運動させる為の自転阻止装置であるクランク軸の第1偏心軸に嵌合する2個の単列深溝軸受の間で外輪側にシムを入れて公転円盤のクランク軸穴に嵌合し、クランク軸の前記第1偏心軸と反対側の第2偏芯軸に嵌着する2個の単列深溝軸受の間で外輪側にシムを入れて公転支持板のクランク軸穴に嵌合したことを特徴とするスクロール圧縮装置。
  4. 固定ラップ支持円板の片面に固定スクロールラップを立設させた固定スクロール部材と、
    公転ラップ支持円板の片面に公転スクロールラップを立設させた公転スクロール部材で、
    前記固定スクロールラップと前記公転スクロールラップを対峙させて噛み合わせ、前記公転スクロール部材を公転運動させ気体を圧縮させるスクロール圧縮装置であって、
    前記公転ラップ支持円盤の前記公転スクロールラップと反対側に、前記公転スクロール部材と異材質の公転円盤を設け、前記公転ラップ支持円盤を穴形状にし、前記公転円盤を軸形状にし、前記公転スクロール部材と前記公転円盤を嵌合させ位置を決めることを特徴としたスクロール圧縮装置。
  5. 固定ラップ支持円板の片面に固定スクロールラップを立設させた固定スクロール部材と、
    公転ラップ支持円板の片面に公転スクロールラップを立設させた公転スクロール部材で、
    前記固定スクロールラップと前記公転スクロールラップを対峙させて噛み合わせ、前記公転スクロール部材を公転運動させ気体を圧縮させるスクロール圧縮装置であって、
    前記公転ラップ支持円盤の前記公転スクロールラップと反対側に、前記公転スクロール部材と異材質の公転円盤を設け、前記公転ラップ支持円盤中心部を穴形状にし、前記公転円盤の中心部を軸形状にしそれぞれ嵌合させ位置決めし、
    合成樹脂の前記公転ラップ支持円盤の外周寄りに一体でスクロールラップと反対側に突起を設け、この前記突起を前記公転円盤の穴部に挿入し、前記公転円盤側の先端を熱溶融させて結合させたことを特徴としたスクロール圧縮装置。
  6. 固定ラップ支持円板の片面に固定スクロールラップを立設させた固定スクロール部材と、
    公転ラップ支持円板の片面に公転スクロールラップを立設させた公転スクロール部材で、
    前記固定スクロールラップと前記公転スクロールラップを対峙させて噛み合わせ、前記公転スクロール部材を公転運動させ気体を圧縮させるスクロール圧縮装置であって、
    前記公転スクロール部材と公転円盤を合成樹脂製のボルトで結合したことを特徴としたスクロール圧縮装置。
  7. 固定ラップ支持円板の片面に固定スクロールラップを立設させた固定スクロール部材と、
    公転ラップ支持円板の片面に公転スクロールラップを立設させた公転スクロール部材で、
    前記固定スクロールラップと前記公転スクロールラップを対峙させて噛み合わせ、前記公転スクロール部材を公転運動させ気体を圧縮させるスクロール圧縮装置であって、
    公転支持部材に結合する前記固定スクロール部材のフランジ面に3個以上のU溝と、前記公転支持部材と前記固定スクロール部材とを位置決める丸棒と、前記公転支持部材と前記固定スクロール部材とを固定する合成樹脂製のボルトからなるスクロール圧縮装置。
  8. 固定ラップ支持円板の片面に固定スクロールラップを立設させた固定スクロール部材と、
    公転ラップ支持円板の片面に公転スクロールラップを立設させた公転スクロール部材で、
    前記固定スクロールラップと前記公転スクロールラップを対峙させて噛み合わせ、前記公転スクロール部材を公転運動させ気体を圧縮させるスクロール圧縮装置であって、
    前記固定スクロール部材と公転支持部材を合成樹脂のボルトで結合したことを特徴としたスクロール圧縮装置。
  9. 固定ラップ支持円板の片面に固定スクロールラップを立設させた固定スクロール部材と、
    公転ラップ支持円板の片面に公転スクロールラップを立設させた公転スクロール部材で、
    前記固定スクロールラップと前記公転スクロールラップを対峙させて噛み合わせ、前記公転スクロール部材を公転運動させ気体を圧縮させるスクロール圧縮装置であって、
    公転支持板の前記公転スクロール部材側の面から、前記公転スクロールラップ先端までの熱膨張による変位量と、
    前記公転支持板の前記公転スクロール部材側の面から、前記固定ラップ支持円盤の底面までの熱膨張による変位量との差が±5%以内になる様に、
    前記固定スクロール部材と公転支持部材との結合面を設けたことを特徴とするスクロール圧縮装置。
  10. 固定ラップ支持円板の片面に固定スクロールラップを立設させた固定スクロール部材と、
    公転ラップ支持円板の片面に公転スクロールラップを立設させた公転スクロール部材で、
    前記固定スクロールラップと前記公転スクロールラップを対峙させて噛み合わせ、前記公転スクロール部材を公転運動させ気体を圧縮させるスクロール圧縮装置であって、
    前記公転スクロール部材と公転円盤が公転運動する時の振動防止用の複数のバランスウエイトの質量中心位置に、穴を設けることを特徴としたスクロール圧縮装置。
  11. 固定ラップ支持円板の片面に固定スクロールラップを立設させた固定スクロール部材と、
    公転ラップ支持円板の片面に公転スクロールラップを立設させた公転スクロール部材で、
    前記固定スクロールラップと前記公転スクロールラップを対峙させて噛み合わせ、前記公転スクロール部材を公転運動させ気体を圧縮させるスクロール圧縮装置であって、
    前記公転スクロール部材と公転円盤が公転運動する時の振動防止用の複数のバランスウエイトの質量中心位置に、穴を設け、この穴の大きさを変化させることでバランスを調整する方法を利用したスクロール圧縮装置の製造方法。
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