JP2004197501A - Alcパネル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば建築物の外壁材等として用いられるALC(軽量気泡コンクリート)パネル及びその製造方法に係り、従来の加工方法では得ることのできない斬新な表面テクスチャを有するALCパネルを提供する。またパネル表面の加工の自由度が高く、かつ容易・安価に製造することのできる製造方法を提供する。
【解決手段】本発明によるALCパネルは、パネル1の表面の少なくとも一部に、高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面2を形成したことを特徴とする。また本発明によるALCパネルの製造方法は、多数の切削ビット6を略直線状に配列させて設けた切削工具4をパネル1の表面と平行な方向に相対移動させてパネル表面に高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面2を同時に形成することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明によるALCパネルは、パネル1の表面の少なくとも一部に、高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面2を形成したことを特徴とする。また本発明によるALCパネルの製造方法は、多数の切削ビット6を略直線状に配列させて設けた切削工具4をパネル1の表面と平行な方向に相対移動させてパネル表面に高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面2を同時に形成することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば建築物の外壁材等として用いられるALC(軽量気泡コンクリート)パネル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ALCパネルは、経済性、軽量性、耐火断熱性、加工性に優れており、特に建築物の外壁材、間仕切材として広く使用されている。しかしながら、ALCパネルは、一般に原料スラリーを型枠内で半硬化させたのち脱型し、ピアノ線などでパネル状に切断する製法が用いられているため、得られるパネル表面は平滑で、意匠性に乏しいという問題があった。また、近年意匠性に優れるパネルの要求が高まっており、パネル表面に模様を付けるさまざまな方法が提案されている。
【0003】
すなわち、ALCパネル表面に模様を付ける方法として従来たとえば以下のようなものが提案されている。
(1)型枠内に軽量気泡モルタルを打設し、該モルタルの上面に模様付きゴム型、シートを被せ、この上面をローラで転圧し模様を形成する方法(特許文献1参照)。
(2)模様付きの型枠内に軽量気泡モルタルを打設し、模様を形成する方法(特許文献2参照)。
(3)半硬化状の気泡性モルタルブロックをパネル状に切断後、凹凸模様を有する型をパネル面に押し当てて模様を形成する方法(特許文献3参照)。
(4)オートクレーブ養生済みのALCパネルの表面を回転する刃物で切削し、凹凸模様をつける方法(特許文献4参照)。
(5)エンペラーユニットを使用して小鋼球のような投射材をパネル表面に衝突させて凹部を形成する方法(特許文献5参照)。
(6)ALCの表面に加工された凹溝条の縁部に剥離用工具で衝撃を与え、剥離帯を形成する方法(特許文献6参照)。
【0004】
ところが、上記(1)の方法は、色々な模様を形成するために、その模様に合わせた型が必要であり、模様ごとに型を作成するのは不経済である。また(2)の方法は上記と同様の理由とともに原料が型枠に付着し、その清掃に手間が掛かる。(3)の方法も(1)と(2)と同様の不具合がある。さらに上記(4)の方法はALCパネルの加工において通常用いられる方法であるが、得られる意匠が機械的に画一的なものに限定される。(5)の方法は、使用する小鋼球等の投射材の回収、およびALCパネルの気泡内に残った小鋼球の除去作業が面倒である等の問題がある。また(6)の方法においては、凹溝条から剥離帯を形成することから、凹溝条周辺に加工が限定され、広い面積での加工が難しい。
【0005】
【特許文献1】
特公平3−27368号公報
【特許文献2】
特開平8−174525号公報
【特許文献3】
特公平5−34121号公報
【特許文献4】
特開昭58−160106号公報
【特許文献5】
特開昭63−25284号公報
【特許文献6】
特開平11−148198号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、上記従来の加工方法では得ることのできない斬新な表面テクスチャを有するALCパネルを提供すると共に、それらのパネル表面の加工の自由度が高く、しかも容易・安価に製造することのできる製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明によるALCパネル及びその製造方法は、以下の構成としたものである。すなわち、本発明によるALCパネルは、パネル表面の少なくとも一部に、高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面を形成したことを特徴とする。また本発明によるALCパネルの製造方法は、多数の切削ビットを略直線状に配列させて設けた切削工具をパネル表面と平行な方向に相対移動させてパネル表面に高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面を同時に形成することを特徴とする。
【0008】
なお、本発明で言うALCパネルとは、例えば次のような製造方法によって得られるものをいう。すなわち、石灰質原料、珪酸質原料に水、発泡剤を加えられたモルタルスラリーを、補強用の鉄筋が多数組み込み配置された型枠内に注入して成形し、その成形された気泡を含む大きなブロック状の硬化途中の半可塑性体をピアノ線等を用いて切断し、オートクレープ養生したものである。このALCパネルは、上記のような方法で得られ気泡を含むものであればどのような形状のものもでもよく、建築物の外壁、床、屋根、間仕切材として使用されるフラットパネルや、外壁などの隅部に使用されるL字型などのコーナーパネル等その他適宜である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。図1は本発明によるALCパネルの一実施形態を示すもので、同図(a)はその平面図、同図(b)はその右側面図、同図(c)は正面図である。また図2(a)は一部の拡大平面図、同図(b)はその正面図である。
【0010】
本実施形態はパネル1の表面ほぼ全面に、高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面2を形成したものである。特に図の場合はパネル1の幅方向(図1(a)および図2(a)で左右方向)に隣り合う凹凸面2の高さを順次ランダムに異ならせ、その各凹凸面2のパネル長手方向(図1(a)および図2(a)で上下方向)には一定の高さになるように平滑な面に形成したものである。上記各凹凸面の幅寸法や高さ寸法は適宜変更可能である。図中、3aはパネル表面の周縁部に形成した面取り凹部、3bはパネル表面に縦横に形成した切削溝で、それぞれ必要に応じて設ける。
【0011】
上記のようにパネル1の表面に、高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面2を形成すると、あたかも厚さのことなる長尺帯板状のモザイクタイル等をパネル表面に多数並べて張り付けたような外観を呈し、従来には無い斬新なALCパネルを提供することができる。
【0012】
上記のようなALCパネルを製造するには、予め所定の大きさ形状に形成したパネル1の表面に、ルータービット等の切削工具4により高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面2を形成すればよい。
【0013】
図3はその切削工具4の一例を示すもので、帯状の基板5の下面側に多数の切削ビット(ルータービット)6を所定の間隔をおいて直線状に配列させて設けたものである。その各ビット6は、ほぼ円柱状に形成され、その表面には粒径2〜5mm程度の超硬材またはダイヤモンド等よりなる粒状のチップが一体的に設けられている。
【0014】
上記各ビット6は、それと一体的に設けた回転軸(ルーター軸)6aを介して基板5に回転自由に且つ高さ調節可能に取付けるようにしたもので、基板5に対して所定の高さ位置に位置決め保持させた状態で、各ビット毎に設けた従動歯車7によって所定の速度で回転駆動する構成である。その各ビット毎に設けた従動歯車7は、隣接する歯車同士が互いに噛み合い、基板5の一端側に設けた駆動歯車およびそれを回転駆動するモータ等で回転させる構成であるが、図には省略した。なお上記のような歯車伝動に限らずベルト伝動やチェーン伝動等で上記各ビット6を回転駆動するようにしてもよい。
【0015】
また上記各ビット6を基板5に対して所定の高さに位置決め保持する手段としては、図には省略したが、例えば従動歯車7の筒状のボス部7aに押しねじ等を設け、その先端を回転軸6aの周面に圧接させて位置決め保持させる等その他適宜である。なお、その際、各ビット6と各従動歯車7は一体に回転するが、基板5に対しては上下動しないように構成することはもちろんである。
【0016】
上記のように構成した各ビット6を所定の速度で回転駆動すると共に基板5を図3で左右方向に所定の振幅で振動(進退動)させながら、それと直角方向でパネル表面と略平行な方向に基板5をパネル1に対して相対的に移動走査することによって、パネル1の表面に高さの異なる凹凸面2を容易に形成することができる。また上記各ビット6の高さや振幅を調整すれば、各凹凸面2の高さや幅を適宜変更することができるものである。
【0017】
なお上記実施形態は各ビット6を基板5と共に図3で左右方向に振動させながら切削するようにしたが、例えば図4に示すように各ビット6を千鳥状に配置すると共に、隣り合うビット6の切削領域が互いに重なり合うように各ビット6の径をやや大きめに形成すれば、各ビット6を前記のように振動させることなく、単に回転させた状態でパネル表面と略平行な方向に相対移動させるだけで前記と同様の凹凸面2を形成することができる。
【0018】
また上記実施形態は、円柱状の切削ビット6を用いたが、例えば図5に示すようにローラ状の切削ビット61を用い、その周面に設けた超硬材またはダイヤモンド等のチップで切削加工を施すこともできる。即ち、図5(a)は横方向に配設した回転軸61a上に、径の異なるローラ状の切削ビット61を所定の間隔をおいて多数並べて配置固定したもので、それらのビット61を所定の速度で回転させると同時に、回転軸61aと平行な方向に所定の振幅で振動(進退動)させながら、それと直角方向でパネル表面と平行な方向に相対的に移動走査すれば、前記実施形態と同様の凹凸面2をパネル表面に形成することができる。
【0019】
また図5(b)は横方向に配設した回転軸61a上に、径および軸線方向長さ(幅)の異なるローラ状の切削ビット61を互いに隙間なく並べて配置固定したもので、このように構成すれば、各ビット61を上記のように振動させることなく、単に回転させた状態でパネル表面と略平行な方向に相対移動させるだけで凹凸面2を形成することができる。上記いずれの場合にもローラ状の各ビット61の径(外径寸法)を変更すれば、切削深さ、言い換えれば切削した凹凸面2の高さを適宜調整することができる。また各ビット61の幅(軸線方向長さ)や上記図5(a)においては振動時の振幅を変更すれば凹凸面2の幅寸法を適宜調整することができる。
【0020】
さらに上記実施形態においては、表面に超硬材またはダイヤモンド等のチップを有する円柱状もしくはローラ状の切削ビットを用いたが、その代わりに円柱状もしくはローラ状の回転体の表面に研磨紙等を被覆したものを用いることも可能である。その研磨紙としては例えば#12〜#60程度の粗めの研磨紙を用いることができる。また研磨紙を用いる場合には、そのベースとなる回転体の表面に凹凸を形成することにより、それに対応して被加工物であるALCパネルの表面に凹凸を得ることもできる。その場合、ベースとなる回転体として、加工すべき表面形状に応じた若しくは写し取った形状に形成した硬質ゴム等を用いることにより様々な被加工面を得ることが可能であり、前述のチップを用いた加工具よりも交換が容易であることから、広い面積に様々なテクスチャを与える場合に好都合である。
【0021】
上記いずれの場合においても各凹凸面2の加工深さや最大加工深さは任意であるが、それらの加工深さは加工具の回転速度や振動量もしくは振動時間等と相関関係にあるので、それらを考慮して適宜設定すればよく、また設備能力や加工能力等を勘案すると、0〜10mm程度が適当である。
【0022】
また前記図1および図2の実施形態は、ストライプ状の凹凸面2をその長手方向がパネル1の長手方向と平行になるように形成したが、例えば図6のようにパネル1の幅方向と平行に形成してもよく、あるいはパネルの長手方向や幅方向に対して傾斜させて形成することもできる。さらに上記凹凸面2は必ずしもパネル1の表面全面に設けなくてもよく、例えば図7のようにパネル表面の一部にのみ凹凸面2を設けるようにしてもよい。
【0023】
また上記凹凸面2は必ずしも連続的に設けなくてもよく、例えば切削工具4を移動走査する際に各ビット6をパネル表面から一次的に離すことによって、ストライプ状凹凸面2の長手方向1箇所もしくは複数箇所に非切削箇所、すなわち凹凸面2の存在しない箇所を設けるようにしてもよい。
【0024】
さらにパネル表面の周縁部や表面に面取り凹部3aや切削溝3bを形成する場合には、それらを凹凸面2を形成する前に予め形成しておくか、或いは凹凸面2を形成した後に形成してもよく、また例えば凹凸面2を形成する際に、ほぼ同時に形成することもできる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるALCパネル及びその製造方法は、パネル表面に、高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面2を形成するようにしたから、該パネル表面が、あたかも厚さのことなる長尺帯板状のモザイクタイル等を多数並べて張り付けたような外観を呈し、従来には無い斬新なALCパネルを容易・安価に提供することができるもので、このALCパネルを例えば建築物の外壁に使用すれば、外観の優れた壁面を構成することができる。また本発明によれば、AlCパネルの表面加工の加工方法や表面形状の選択の自由度が増大し、様々な表面形状を有するパネルを任意に選択的に且つ容易に得ることが可能となる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明によるALCパネルの一実施形態を示す平面図。
(b)はその右側面図。
(c)は正面図。
【図2】(a)は上記ALCパネルの一部の拡大平面図。
(b)はその正面図。
【図3】(a)は上記ALCパネルの製造方法の一例を示す平面図。
(b)はその正面図。
【図4】(a)は上記ALCパネルの製造方法の変更例を示す平面図。
(b)はその正面図。
【図5】(a)および(b)はそれぞれ他の製造方法の一例を示す正面図。
【図6】(a)は本発明によるALCパネルの他の実施形態を示す平面図。
(b)はその右側面図。
(c)は正面図。
【図7】(a)は本発明によるALCパネルの更に他の実施形態を示す平面図。
(b)はその右側面図。
(c)は正面図。
【符号の説明】
1 パネル
2 凹凸面
3a 面取り凹部
3b 切削溝
4 切削工具
5 基板
6、61 切削ビット
6a、61a 回転軸
7 従動歯車
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば建築物の外壁材等として用いられるALC(軽量気泡コンクリート)パネル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ALCパネルは、経済性、軽量性、耐火断熱性、加工性に優れており、特に建築物の外壁材、間仕切材として広く使用されている。しかしながら、ALCパネルは、一般に原料スラリーを型枠内で半硬化させたのち脱型し、ピアノ線などでパネル状に切断する製法が用いられているため、得られるパネル表面は平滑で、意匠性に乏しいという問題があった。また、近年意匠性に優れるパネルの要求が高まっており、パネル表面に模様を付けるさまざまな方法が提案されている。
【0003】
すなわち、ALCパネル表面に模様を付ける方法として従来たとえば以下のようなものが提案されている。
(1)型枠内に軽量気泡モルタルを打設し、該モルタルの上面に模様付きゴム型、シートを被せ、この上面をローラで転圧し模様を形成する方法(特許文献1参照)。
(2)模様付きの型枠内に軽量気泡モルタルを打設し、模様を形成する方法(特許文献2参照)。
(3)半硬化状の気泡性モルタルブロックをパネル状に切断後、凹凸模様を有する型をパネル面に押し当てて模様を形成する方法(特許文献3参照)。
(4)オートクレーブ養生済みのALCパネルの表面を回転する刃物で切削し、凹凸模様をつける方法(特許文献4参照)。
(5)エンペラーユニットを使用して小鋼球のような投射材をパネル表面に衝突させて凹部を形成する方法(特許文献5参照)。
(6)ALCの表面に加工された凹溝条の縁部に剥離用工具で衝撃を与え、剥離帯を形成する方法(特許文献6参照)。
【0004】
ところが、上記(1)の方法は、色々な模様を形成するために、その模様に合わせた型が必要であり、模様ごとに型を作成するのは不経済である。また(2)の方法は上記と同様の理由とともに原料が型枠に付着し、その清掃に手間が掛かる。(3)の方法も(1)と(2)と同様の不具合がある。さらに上記(4)の方法はALCパネルの加工において通常用いられる方法であるが、得られる意匠が機械的に画一的なものに限定される。(5)の方法は、使用する小鋼球等の投射材の回収、およびALCパネルの気泡内に残った小鋼球の除去作業が面倒である等の問題がある。また(6)の方法においては、凹溝条から剥離帯を形成することから、凹溝条周辺に加工が限定され、広い面積での加工が難しい。
【0005】
【特許文献1】
特公平3−27368号公報
【特許文献2】
特開平8−174525号公報
【特許文献3】
特公平5−34121号公報
【特許文献4】
特開昭58−160106号公報
【特許文献5】
特開昭63−25284号公報
【特許文献6】
特開平11−148198号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、上記従来の加工方法では得ることのできない斬新な表面テクスチャを有するALCパネルを提供すると共に、それらのパネル表面の加工の自由度が高く、しかも容易・安価に製造することのできる製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明によるALCパネル及びその製造方法は、以下の構成としたものである。すなわち、本発明によるALCパネルは、パネル表面の少なくとも一部に、高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面を形成したことを特徴とする。また本発明によるALCパネルの製造方法は、多数の切削ビットを略直線状に配列させて設けた切削工具をパネル表面と平行な方向に相対移動させてパネル表面に高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面を同時に形成することを特徴とする。
【0008】
なお、本発明で言うALCパネルとは、例えば次のような製造方法によって得られるものをいう。すなわち、石灰質原料、珪酸質原料に水、発泡剤を加えられたモルタルスラリーを、補強用の鉄筋が多数組み込み配置された型枠内に注入して成形し、その成形された気泡を含む大きなブロック状の硬化途中の半可塑性体をピアノ線等を用いて切断し、オートクレープ養生したものである。このALCパネルは、上記のような方法で得られ気泡を含むものであればどのような形状のものもでもよく、建築物の外壁、床、屋根、間仕切材として使用されるフラットパネルや、外壁などの隅部に使用されるL字型などのコーナーパネル等その他適宜である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。図1は本発明によるALCパネルの一実施形態を示すもので、同図(a)はその平面図、同図(b)はその右側面図、同図(c)は正面図である。また図2(a)は一部の拡大平面図、同図(b)はその正面図である。
【0010】
本実施形態はパネル1の表面ほぼ全面に、高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面2を形成したものである。特に図の場合はパネル1の幅方向(図1(a)および図2(a)で左右方向)に隣り合う凹凸面2の高さを順次ランダムに異ならせ、その各凹凸面2のパネル長手方向(図1(a)および図2(a)で上下方向)には一定の高さになるように平滑な面に形成したものである。上記各凹凸面の幅寸法や高さ寸法は適宜変更可能である。図中、3aはパネル表面の周縁部に形成した面取り凹部、3bはパネル表面に縦横に形成した切削溝で、それぞれ必要に応じて設ける。
【0011】
上記のようにパネル1の表面に、高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面2を形成すると、あたかも厚さのことなる長尺帯板状のモザイクタイル等をパネル表面に多数並べて張り付けたような外観を呈し、従来には無い斬新なALCパネルを提供することができる。
【0012】
上記のようなALCパネルを製造するには、予め所定の大きさ形状に形成したパネル1の表面に、ルータービット等の切削工具4により高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面2を形成すればよい。
【0013】
図3はその切削工具4の一例を示すもので、帯状の基板5の下面側に多数の切削ビット(ルータービット)6を所定の間隔をおいて直線状に配列させて設けたものである。その各ビット6は、ほぼ円柱状に形成され、その表面には粒径2〜5mm程度の超硬材またはダイヤモンド等よりなる粒状のチップが一体的に設けられている。
【0014】
上記各ビット6は、それと一体的に設けた回転軸(ルーター軸)6aを介して基板5に回転自由に且つ高さ調節可能に取付けるようにしたもので、基板5に対して所定の高さ位置に位置決め保持させた状態で、各ビット毎に設けた従動歯車7によって所定の速度で回転駆動する構成である。その各ビット毎に設けた従動歯車7は、隣接する歯車同士が互いに噛み合い、基板5の一端側に設けた駆動歯車およびそれを回転駆動するモータ等で回転させる構成であるが、図には省略した。なお上記のような歯車伝動に限らずベルト伝動やチェーン伝動等で上記各ビット6を回転駆動するようにしてもよい。
【0015】
また上記各ビット6を基板5に対して所定の高さに位置決め保持する手段としては、図には省略したが、例えば従動歯車7の筒状のボス部7aに押しねじ等を設け、その先端を回転軸6aの周面に圧接させて位置決め保持させる等その他適宜である。なお、その際、各ビット6と各従動歯車7は一体に回転するが、基板5に対しては上下動しないように構成することはもちろんである。
【0016】
上記のように構成した各ビット6を所定の速度で回転駆動すると共に基板5を図3で左右方向に所定の振幅で振動(進退動)させながら、それと直角方向でパネル表面と略平行な方向に基板5をパネル1に対して相対的に移動走査することによって、パネル1の表面に高さの異なる凹凸面2を容易に形成することができる。また上記各ビット6の高さや振幅を調整すれば、各凹凸面2の高さや幅を適宜変更することができるものである。
【0017】
なお上記実施形態は各ビット6を基板5と共に図3で左右方向に振動させながら切削するようにしたが、例えば図4に示すように各ビット6を千鳥状に配置すると共に、隣り合うビット6の切削領域が互いに重なり合うように各ビット6の径をやや大きめに形成すれば、各ビット6を前記のように振動させることなく、単に回転させた状態でパネル表面と略平行な方向に相対移動させるだけで前記と同様の凹凸面2を形成することができる。
【0018】
また上記実施形態は、円柱状の切削ビット6を用いたが、例えば図5に示すようにローラ状の切削ビット61を用い、その周面に設けた超硬材またはダイヤモンド等のチップで切削加工を施すこともできる。即ち、図5(a)は横方向に配設した回転軸61a上に、径の異なるローラ状の切削ビット61を所定の間隔をおいて多数並べて配置固定したもので、それらのビット61を所定の速度で回転させると同時に、回転軸61aと平行な方向に所定の振幅で振動(進退動)させながら、それと直角方向でパネル表面と平行な方向に相対的に移動走査すれば、前記実施形態と同様の凹凸面2をパネル表面に形成することができる。
【0019】
また図5(b)は横方向に配設した回転軸61a上に、径および軸線方向長さ(幅)の異なるローラ状の切削ビット61を互いに隙間なく並べて配置固定したもので、このように構成すれば、各ビット61を上記のように振動させることなく、単に回転させた状態でパネル表面と略平行な方向に相対移動させるだけで凹凸面2を形成することができる。上記いずれの場合にもローラ状の各ビット61の径(外径寸法)を変更すれば、切削深さ、言い換えれば切削した凹凸面2の高さを適宜調整することができる。また各ビット61の幅(軸線方向長さ)や上記図5(a)においては振動時の振幅を変更すれば凹凸面2の幅寸法を適宜調整することができる。
【0020】
さらに上記実施形態においては、表面に超硬材またはダイヤモンド等のチップを有する円柱状もしくはローラ状の切削ビットを用いたが、その代わりに円柱状もしくはローラ状の回転体の表面に研磨紙等を被覆したものを用いることも可能である。その研磨紙としては例えば#12〜#60程度の粗めの研磨紙を用いることができる。また研磨紙を用いる場合には、そのベースとなる回転体の表面に凹凸を形成することにより、それに対応して被加工物であるALCパネルの表面に凹凸を得ることもできる。その場合、ベースとなる回転体として、加工すべき表面形状に応じた若しくは写し取った形状に形成した硬質ゴム等を用いることにより様々な被加工面を得ることが可能であり、前述のチップを用いた加工具よりも交換が容易であることから、広い面積に様々なテクスチャを与える場合に好都合である。
【0021】
上記いずれの場合においても各凹凸面2の加工深さや最大加工深さは任意であるが、それらの加工深さは加工具の回転速度や振動量もしくは振動時間等と相関関係にあるので、それらを考慮して適宜設定すればよく、また設備能力や加工能力等を勘案すると、0〜10mm程度が適当である。
【0022】
また前記図1および図2の実施形態は、ストライプ状の凹凸面2をその長手方向がパネル1の長手方向と平行になるように形成したが、例えば図6のようにパネル1の幅方向と平行に形成してもよく、あるいはパネルの長手方向や幅方向に対して傾斜させて形成することもできる。さらに上記凹凸面2は必ずしもパネル1の表面全面に設けなくてもよく、例えば図7のようにパネル表面の一部にのみ凹凸面2を設けるようにしてもよい。
【0023】
また上記凹凸面2は必ずしも連続的に設けなくてもよく、例えば切削工具4を移動走査する際に各ビット6をパネル表面から一次的に離すことによって、ストライプ状凹凸面2の長手方向1箇所もしくは複数箇所に非切削箇所、すなわち凹凸面2の存在しない箇所を設けるようにしてもよい。
【0024】
さらにパネル表面の周縁部や表面に面取り凹部3aや切削溝3bを形成する場合には、それらを凹凸面2を形成する前に予め形成しておくか、或いは凹凸面2を形成した後に形成してもよく、また例えば凹凸面2を形成する際に、ほぼ同時に形成することもできる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるALCパネル及びその製造方法は、パネル表面に、高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面2を形成するようにしたから、該パネル表面が、あたかも厚さのことなる長尺帯板状のモザイクタイル等を多数並べて張り付けたような外観を呈し、従来には無い斬新なALCパネルを容易・安価に提供することができるもので、このALCパネルを例えば建築物の外壁に使用すれば、外観の優れた壁面を構成することができる。また本発明によれば、AlCパネルの表面加工の加工方法や表面形状の選択の自由度が増大し、様々な表面形状を有するパネルを任意に選択的に且つ容易に得ることが可能となる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明によるALCパネルの一実施形態を示す平面図。
(b)はその右側面図。
(c)は正面図。
【図2】(a)は上記ALCパネルの一部の拡大平面図。
(b)はその正面図。
【図3】(a)は上記ALCパネルの製造方法の一例を示す平面図。
(b)はその正面図。
【図4】(a)は上記ALCパネルの製造方法の変更例を示す平面図。
(b)はその正面図。
【図5】(a)および(b)はそれぞれ他の製造方法の一例を示す正面図。
【図6】(a)は本発明によるALCパネルの他の実施形態を示す平面図。
(b)はその右側面図。
(c)は正面図。
【図7】(a)は本発明によるALCパネルの更に他の実施形態を示す平面図。
(b)はその右側面図。
(c)は正面図。
【符号の説明】
1 パネル
2 凹凸面
3a 面取り凹部
3b 切削溝
4 切削工具
5 基板
6、61 切削ビット
6a、61a 回転軸
7 従動歯車
Claims (2)
- パネル表面の少なくとも一部に、高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面を形成したことを特徴とするALCパネル。
- 多数の切削ビットを略直線状に配列させて設けた切削工具をパネル表面と平行な方向に相対移動させてパネル表面に高さの異なる多数のストライプ状の凹凸面を同時に形成することを特徴とするALCパネルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002369556A JP2004197501A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | Alcパネル及びその製造方法 |
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-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002369556A patent/JP2004197501A/ja active Pending
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