JP2004197488A - 吐水金具 - Google Patents

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【課題】水栓の吐水口に結合される吐水金具は、流体が通過する流路面積を変化させることなく直流と泡沫の切換えができるうえ、しかもコンパクトに形成する。
【解決手段】吐水金具Aは水栓1の吐水口5に結合され、内部に通水室11が形成された第1部材7と、該第1部材7の通水室11と連通する通水路15が形成され、該通水路15で流体を整流化する整流器8と、前記第1部材7に上下移動自在に結合され、前記通水路15を通過した流体が吐水される開口孔24が前記整流器8と同一軸線上に形成された第2部材9とを備え、前記整流器8の外周面と第1部材7の内周面との間に導入路27が形成され、整流器8には通水路15と導入路27とを連通する横孔21が穿設され、第2部材9の開口孔24と導入路27との間には外気を整流器8に供給して流体を泡沫化するためのバイパス路Bが形成され、第2部材9の結合位置の調節によりバイパス路Bを開閉自在とする。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水栓の吐水口に結合される吐水金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に流し台や洗面台で使用される水栓は、吐水口に吐水金具が結合され、この吐水金具から直流又は泡沫の流体を吐水していた。しかし、このような吐水金具では、単一の吐水形態でしか吐水させることができないため、使用目的に応じて直流又は泡沫に流体の流路を切換可能とした吐水金具が公知である。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平3−8940号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記吐水金具は、給水圧の高低に応じて吐水金具内部に設けられた減圧板の孔の開度を変えることにより、流体が通過する流路面積を変化させて用途に応じた吐水状態を得ることができるが、流路面積を小さく設定した場合には圧力損失により吐水される流体の流量が変化したり、流体が湯水の場合は温度が変化してしまうことがあった。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目したものであり、その目的は、水栓の吐水口に結合される吐水金具は、流体が通過する流路面積を変化させることなく直流と泡沫の切換えができるうえ、しかもコンパクトに形成することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は請求項1では、吐水金具は水栓の吐水口に結合され、内部に通水室が形成された第1部材と、該第1部材の通水室と連通する通水路が形成され、該通水路で流体を整流化する整流器と、前記第1部材に上下移動自在に結合され、前記通水路を通過した流体が吐水される開口孔が前記整流器と同一軸線上に形成された第2部材とを備え、前記整流器の外周面と第1部材の内周面との間に導入路が形成され、整流器には通水路と導入路とを連通する横孔が穿設され、第2部材の開口孔と導入路との間には外気を整流器に供給して流体を泡沫化するためのバイパス路が形成され、第2部材の第1部材に対する結合位置の調節によりバイパス路を開閉自在とし、バイパス路の閉鎖時及び連通時の何れの状態においても、流体が通過する流路面積は同一となるようにしたものである。
【0007】
請求項2では、前記第1部材は水栓の吐水口に着脱自在に結合したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図1乃至図4に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、水栓1は湯,水を混合する混合部2が内部に設けられ、該混合部2と連繋したレバー3を上下又は左右に操作することで、流体の流量又は温度が調節されるものであり、調節された流体は、混合部2の下方で回転自在に装着された吐水管4から吐水される。
【0009】
前記吐水管4の先端には、混合弁2で調節された流体を外部へ吐水するための吐水口5が形成されており、図2に示すように、該吐水口5は下部外周面に雄ねじ部6が形成され、該雄ねじ部6に本発明の吐水金具Aが結合されるものである。
【0010】
前記吐水金具Aは、吐水口5に形成された雄ねじ部6に螺合して結合されるものであり、吐水口5に結合される第1部材7と、該第1部材7の内周側に挿入される整流器8と、第1部材7の外周側に結合される第2部材9とを備えている。
【0011】
前記第1部材7は、両端を開口して内部が貫通した略円筒形で、流体が通過する通水室11の略中央には、内部に向けて段部10が形成されている。前記通水室11の内周面の一方には雌ねじ部12が形成され、水密用のシール部材14を前記段部10に配置した状態で、雌ねじ部12を前記吐水口5の雄ねじ部6に螺着することにより、吐水金具Aは吐水口5に結合される。また、雌ねじ部12と反対側の外周面には雄ねじ部13が形成されている。
【0012】
前記整流器8は略円筒形で外径は前記第1部材7より小径であり、内部に環状の通水路15が開口して形成されており、該通水路15には複数枚の整流網17,多数の小孔19が穿設された散水板18,山型形状の網20が順に挿入されている。整流器8の上部外周面にはフランジ部16が形成され、該フランジ部16を前記第1部材7の段部10に当接させることにより、整流器8は第1部材7に挿入される。この時、第1部材7の内周面と整流器8の外周面との間には環状の導入路27が形成され、整流器8の通水路15は、側面に形成された複数個の横孔21により導入路27と連通する。
【0013】
前記第2部材9は、両端を開口して内部が貫通した略円筒形で、流体が通過する通水室22の底部に、内部に向けて突出した環状の支持部23と、該支持部23の内側で流体を外部へ吐水するための開口孔24とが形成されている。前記支持部23には水密用のシール部材26が配置されており、前記通水室22の内周面には雌ねじ部25が形成され、該雌ねじ部25は前記第1部材7の雄ねじ部13に螺着することにより、第1部材7に結合される。
【0014】
吐水金具Aは、第2部材9を回転させることで、第2部材9の第1部材7に対する結合位置が上下に移動し、図2に示すように第2部材9のシール部材26が整流器8底面に密着している場合は、開口孔24から導入路27への通路は遮断される。また、第2部材9を回転させることより第2部材9が下降し、シール部材26が整流器8底面から離れた場合は、図3に示すように開口孔24と導入路27との間に、外気を整流器8に供給して流体を泡沫化するためのバイパス路Bが形成されるものである。
【0015】
図2に示すように、吐水金具Aは吐水管4先端の吐水口5に形成された雄ねじ部6に結合される。この場合、吐水口5に結合されていた既設の吐水金具を取り外して、本発明の吐水金具Aを結合することができる。図2では、吐水金具Aは第2部材9のシール部材26が整流器8の底面に密着しているため、第2部材9は開口孔24と導入路27とを連通するバイパス路Bが、シール部材26により閉鎖されている。従って、水栓1のレバー3を吐水方向に操作すると、流体は吐水管4から吐水口5へ供給され、続いて吐水金具Aでは第1部材の通水室11を通過し、整流器8の通水路15から網20,散水板18の小孔19,整流網17及び第2部材9の開口孔24を通過して直流状の流体が供給される。
【0016】
次に第2部材9を回転させると、図3に示すように第2部材9の雌ねじ部25と第1部材7の雄ねじ部13との結合位置が下方へ移動して、第2部材9のシール部材26は整流器8底面から離れ、シール部材26と整流器8底面との間で、開口孔24と導入路27とがバイパス路Bにより連通する。従って、水栓1のレバー3を吐水方向に操作すると、流体は吐水管4から吐水口5へ供給され、続いて吐水金具Aでは第1部材7の通水室11を通過し、整流器8の通水路15から網20,散水板18の小孔19,整流網17を通過していく。この時、流体は散水板18の小孔19を通過する際に増速され、さらに外気がバイパス路B及び第1部材7と整流器8の間に形成された導入路27を通り、整流器8の横孔21から整流器8内に吸い込まれて、流体中に空気が混入して開口孔24から泡沫状の流体が吐水される。
【0017】
以上のように本発明の吐水金具は、直流,泡沫の何れの吐水状態においても、流体は吐水管から吐水口へ供給され、続いて吐水金具では第1部材の通水室を通過し、整流器及び第2部材の開口孔を通過して外部へ吐水される。このように、外部に吐水されるまでに流体の通過する流路面積は同一であるので、圧力損失により外部へ吐水される流体の流量又は温度変化を生じることがなく、しかも吐水金具をコンパクトに形成することができるものである。
【0018】
【発明の効果】
本発明では、吐水金具は水栓の吐水口に結合され、内部に通水室が形成された第1部材と、該第1部材の通水室と連通する通水路が形成され、該通水路で流体を整流化する整流器と、前記第1部材に上下移動自在に結合され、前記通水路を通過した流体が吐水される開口孔が前記整流器と同一軸線上に形成された第2部材とを備え、前記整流器の外周面と第1部材の内周面との間に導入路が形成され、整流器には通水路と導入路とを連通する横孔が穿設され、第2部材の開口孔と導入路との間には外気を整流器に供給して流体を泡沫化するためのバイパス路が形成され、第2部材の第1部材に対する結合位置の調節によりバイパス路を開閉自在とし、バイパス路の閉鎖時及び連通時の何れの状態においても、流体が通過する流路面積は同一となるようにしたので、圧力損失により外部へ吐水される流体の流量又は温度変化を生じることがなく、直流,泡沫の何れの吐水状態においても、安定した湯水を供給することができる。
【0019】
また、吐水金具は簡略な構造で部品点数が少ないので、容易に組立可能で生産性が向上し、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吐水金具を、水栓の吐水管先端の吐水口に結合した状態の説明図である。
【図2】吐水金具の拡大断面図で、直流吐水時である。
【図3】吐水金具の拡大断面図で、泡沫吐水時である。
【図4】吐水金具の分解説明図である。
【符号の説明】
1 水栓
5 吐水口
7 第1部材
8 整流器
9 第2部材
11 通水室
15 通水路
21 横孔
24 開口孔
27 導入路
A 吐水金具
B バイパス路

Claims (2)

  1. 水栓の吐水口に結合され、内部に通水室が形成された第1部材と、該第1部材の通水室と連通する通水路が形成され、該通水路で流体を整流化する整流器と、前記第1部材に上下移動自在に結合され、前記通水路を通過した流体が吐水される開口孔が前記整流器と同一軸線上に形成された第2部材とを備え、前記整流器の外周面と第1部材の内周面との間に導入路が形成され、整流器には通水路と導入路とを連通する横孔が穿設され、第2部材の開口孔と導入路との間には外気を整流器に供給して流体を泡沫化するためのバイパス路が形成され、第2部材の第1部材に対する結合位置の調節によりバイパス路を開閉自在とし、バイパス路の閉鎖時及び連通時の何れの状態においても、流体が通過する流路面積は同一となるようにしたことを特徴とする吐水金具。
  2. 前記第1部材は水栓の吐水口に着脱自在に結合したことを特徴とする請求項1記載の吐水金具。
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